JP4547513B2 - 多重飽和分光によるレーザー周波数安定化装置 - Google Patents
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Eric Black,"Notes on the Pound-Drever-Hall technique" LASER INTERFEROMETER GRAVITATIONAL WAVE OBSERVATORY -LIGO- CALIFORNIA INSTITUTE OF TECHNOLOGY MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY, Technical Note LIGO-T980045- 00- D 4/16/98 G. Wasik, W. Gawlik, J. Zachorowski and W. Zawadzki "Laser frequency stabilization by Doppler-free magnetic dichroism Interferometric, modulation free laser stabilization" Appl. Phys. B 75, p. 1-7 (2002) Han Seb Moon, Lim Lee, Kyoungdae Kim, and Jung Bog Kim, "Laser frequency stabilizations using electromagnetically induced transparency" Appl. Phys. Lett. V. 84, No. 16, p3001-3003.
試料と,前記試料に照射するポンプ光とプローブ光を得るための第一の光源と,前記第一の光源のプローブ光と合波される光を得るための第二の光源と,前記第一の光源からの光をポンプ光とプローブ光とに分波するための分波手段と,前記第一の光源からのプローブ光と前記第二の光源からの光とを合波する合波手段と,前記ポンプ光と,前記合波手段により合波された光とが対向して試料に照射されるように調整する光路調整手段と,前記試料からの出力光を検出するための光検出手段と,前記光検出手段の検出値に基づいて前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を調整するための周波数調整手段とを具備するレーザー周波数安定化装置を用い,前記第一の光源からの光をポンプ光とプローブ光とに分波する工程と,前記第一の光源からのプローブ光と前記第二の光源からの光とを合波する工程と,前記ポンプ光と,前記合波手段により合波された光とが対向して試料に照射されるように調整する工程と,前記試料からの出力光を検出する工程と前記光検出手段の検出値に基づいて前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を調整する工程と,を含む,レーザー周波数の安定化方法である。周波数の調整方法は,具体的にはレーザーに印加される電流量などを上記の〔11〕に記載したものに従って調整すればよい。
以下,図面に従って,本発明のレーザー周波数安定化装置について説明する。
図1は,本発明のレーザー周波数安定化装置の概略構成図である。図1に示されるように,本発明のレーザー光源の周波数を安定にするためのレーザー周波数安定化装置(1)は, 試料(2)と,前記試料に照射するポンプ光とプローブ光を得るための第一の光源(3)と,前記第一の光源のプローブ光と合波される光を得るための第二の光源(4)と,前記第一の光源からの光をポンプ光とプローブ光とに分波するための分波手段(5)と,前記第一の光源からのプローブ光と前記第二の光源からの光とを合波する合波手段(6)と,前記ポンプ光と前記合波手段により合波された光とが対向して試料に照射されるように調整する光路調整手段(7)と,前記試料からの出力光を検出するための光検出手段(8)と,前記光検出手段の検出値に基づいて前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を調整するための周波数調整手段(9)とを具備する。
試料は,ルビジウムガスやセシウムガスなどの遷移状態とそのエネルギー準位が解明された物質であれば特に限定されない。試料として,一般的にはガスセル(原子セル)に封入された原子ガスを用いる。原子ガスとして,ナトリウムガス,ルビジウムガスやセシウムガスがあげられる。これらの中では,ルビジウムガス又はセシウムガスが好ましい。なお,特に色素レーザーの安定化を行う場合は,ナトリウムガスを用いてもよい。それらのガス圧などの諸条件は,公知のレーザー安定化技術におけるものと同様の条件を適宜採用できる。
第一の光源は,試料に照射するポンプ光とプローブ光を得るための光源である。第一の光源として,連続光を放射するレーザーがあげられる。また,第一の光源として,半導体レーザー,固体レーザー,気体レーザー又は色素レーザーがあげられる。これらの中で,本発明を好ましく用いることができるのは,半導体レーザー又は固体レーザーである。
第二の光源として,基本的には前記第一の光源と同様のものを適宜用いることができる。そして,それらの周波数は,好ましくは試料のエネルギー準位に関連したエネルギーに対応する分だけ相違している。これにより様々な周波数をロックできることとなる。ポンプ光とプローブ光とは,(通常その偏光面が直交するように調整され),試料に照射される。なお,第二の光源の他に,第一の光源のプローブ光と合波される光を得るための光源をさらに具備してもよい。そのように複数の光を用いることで,より多くの周波数にロックできることとなる。ポンプ光とプローブ光の偏光面にシビアには依存しない。なお,実地例で偏光面を直交させたのは、物理的にもっともS/Nの高い信号を得るためであり、実験的には偏光子を用いた時にポンプ光とプローブ光の重なりをもっともよくし、S/Nを高めるためである。
分波手段は,第一の光源からの光をポンプ光とプローブ光とに分波するための手段である。分波手段として,たとえばビームスプリッターなど公知の光学素子があげられる。
合波手段は,第一の光源からのプローブ光と他の光とを合波するための手段である。合波手段として,ファイバカプラ,光学素子などの公知の合波手段があげられる。合波手段として,前記の分波手段と同様のものを用いてもよく,ビームスプリッターを用いてもよい。
光路調整手段は,ポンプ光と合波手段により合波された光とが対向して試料に照射されるように調整するための手段である。光路調整手段は,公知のミラー,光ファイバ,(半)波長板,及びフィルタなどを適宜組み合わせて用いることができる。なお,光ファイバを用いると,光学系のアライメントが容易になり,メンテナンスが容易になるので好ましい。
光検出手段は,試料からの出力光を検出するための手段である。光検出手段として,フォトダイオードなど,公知の光検出手段を用いることができ,好ましい光検出手段は,バランストフォトダイオードである。
周波数調整手段は,光検出手段の検出値に基づいて光源の周波数を調整するための手段である。周波数調整手段として,光検出手段が検出した情報に基づきロックイン検波を行い,得られた誤差信号などを用いてPID制御することにより光源の周波数を調整するものがあげられる。半導体レーザーなどの周波数を調整するための具体的な手段として,電流制御,温度制御,及び圧電素子を用いた共振器長の制御手段が考えられる。フィードバック(Feed-back)による周波数安定化を考える場合,制御帯域幅は広い方が有利であるので,もっとも高速な応答をする電流制御による周波数安定化を行うことが好ましい。
2 試料
3 第一の光源
4 第二の光源
5 分波手段
6 合波手段
7 光路調整手段
8 光検出手段
9 周波数調整手段
Claims (7)
- レーザー光源の周波数を安定にするための,多重飽和分光を用いたレーザー周波数安定化装置であって,
遷移状態とそのエネルギー準位が解明されている物質を含む試料と,
前記試料に照射するポンプ光とプローブ光を得るための第一の光源と,
前記第一の光源のプローブ光と合波される光を得るための第二の光源と,
前記第一の光源からの光をポンプ光とプローブ光とに分波するための分波手段と,
前記分波手段による分波によって得られた前記第一光源からのプローブ光と前記第二の光源からの光とを合波する合波手段と,
前記ポンプ光と,前記合波手段により合波された光とが対向して前記試料に照射されるように調整する光路調整手段と,
前記試料からの出力光を検出するための光検出手段と,
前記光検出手段の検出値に基づいて前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を調整するための周波数調整手段と,
を具備し,
前記第一の光源からの光の周波数と前記第二の光源からの光の周波数とは,互いに,
前記試料のエネルギー準位に関連したエネルギーに対応する分だけ相違しており,これにより,前記第二の光源からの光が前記第一の光源の前記ポンプ光に対する第二のプローブ光として機能して,その結果,前記第一の光源と前記第二の光源の双方によるうなり信号が測定可能な状態となり,
前記周波数調整手段は,
前記光検出手段が検出した情報に基づいて得られた誤差信号を用いて,前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を調整するものであり,
これにより,前記第一の光源の周波数及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を,前記誤差信号から得られる複数種類の周波数の中から選択された任意の周波数にロックすることが可能な,
多重飽和分光を用いたレーザー周波数安定化装置。
- 前記合波手段は,ファイバカプラである,
請求項1に記載の多重飽和分光を用いたレーザー周波数安定化装置。
- 前記試料が,ガスセルに封入されたガスである,
請求項1に記載の多重飽和分光を用いたレーザー周波数安定化装置。
- 前記試料が,ガスセルに封入されたナトリウムガス,ルビジウムガス,セシウムガスである,
請求項1に記載の多重飽和分光を用いたレーザー周波数安定化装置。
- 前記第二の光源の他に,前記第一の光源のプローブ光と合波される光であって,前記第一の光源のポンプ光に対向して前記試料に照射される光を得るための光源をさらに具備する,
請求項1に記載の多重飽和分光を用いたレーザー周波数安定化装置。
- 前記周波数調整手段が,前記光検出手段が検出した情報に基づきロックイン検波を行い,得られた誤差信号を用いてPID制御することにより前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を調整するものである,
請求項1に記載の多重飽和分光を用いたレーザー周波数安定化装置。
- 遷移状態とそのエネルギー準位が解明されている物質を含む試料と,前記試料に照射するポンプ光とプローブ光を得るための第一の光源と,前記第一の光源のプローブ光と合波される光を得るための第二の光源と,前記第一の光源からの光をポンプ光とプローブ光とに分波するための分波手段と,前記第一の光源からのプローブ光と前記第二の光源からの光とを合波する合波手段と,前記ポンプ光と,前記合波手段により合波された光とが対向して前記試料に照射されるように調整する光路調整手段と,前記試料からの出力光を検出するための光検出手段と,前記光検出手段の検出値に基づいて前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を調整するための周波数調整手段とを具備する,多重飽和分光を用いたレーザー周波数安定化装置を用い,
前記第一の光源からの光をポンプ光とプローブ光とに分波する工程と,
前記第一の光源からのプローブ光と前記第二の光源からの光とを合波する工程と,
前記ポンプ光と,前記合波手段により合波された光とが対向して試料に照射されるように調整する工程と,
前記試料からの出力光を検出する工程と
前記光検出手段の検出値に基づいて前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数を調整する工程と,
を含み,
前記第一の光源からの光の周波数と前記第二の光源からの光の周波数とは,互いに,
前記試料のエネルギー準位に関連したエネルギーに対応する分だけ相違しており,これにより,前記第二の光源が前記第一の光源の前記ポンプ光に対する第二のプローブ光として機能して,その結果,前記第一の光源と前記第二の光源の双方によるうなり信号が測定可能な状態となり,
前記周波数を調整する工程では,
前記光検出手段が検出した情報に基づいて得られた誤差信号を用いることにより,
前記第一の光源及び前記第二の光源のいずれか又は両方の周波数が,前記誤差信号から得られる複数種類の周波数の中から選択された任意の周波数にロックされる,
多重飽和分光を用いたレーザー周波数の安定化方法。
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