JP3969666B2 - 波長可変レーザー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウラン等の同位体分離、ウラン等原子、分子の密度計測、核燃料再処理における元素分離、大気環境計測、及び分光計測に使用される波長可変レーザー装置の改良に関するものである。さらに詳細には、本発明は、安定な周波数標準にロックした状態でレーザー光の周波数を変化させることができる波長可変レーザー装置に関する。
一般に、同位体分離や原子、分子の密度計測、また分光計測等に用いられるレーザー装置は、分離や計測の対象となる同位体や原子の共鳴周波数に、精密にレーザー周波数を同調させ、しかもレーザー光の周波数を安定化させる必要がある。そこで、従来のレーザー装置では、色素レーザー等の周波数可変レーザーの発振周波数を波長計等で測定し、その結果をレーザー装置の発振周波数にフィードバックをかけたり(第1の従来技術)、原子や分子の共鳴周波数やファブリ・ペロー共振器等にレーザー周波数をロックさせることにより(第2の従来技術)、レーザー光の周波数を安定化していた。
しかしながら、第1の従来技術にあっては、周波数を同定するために利用する波長計が非常に高価であるため、コストが高くなり、かつ周波数精度がそれほど高くないため、安定度が悪いという欠点がある。
また、第2の従来技術にあっては、周波数精度や安定度は高いが、安定な原子・分子やファブリ・ペロー共振器の共鳴周波数が飛び飛びの値にしか存在しないので、レーザー周波数を飛び飛びの値でしか安定できないという欠点がある。
さらに、第2の従来技術にあっては、レーザー光の周波数をロックした状態でレーザー光の周波数を変化させることができないという欠点もある。
加えて、第2の従来技術の場合には、ウラン等の放射性物質の同位体分離や密度計測の場合には、放射性物質を取り扱う必要があるが、その取り扱いが困難であるため、その分光や同位体分離を行うときに、その物質自体を封入したセルを周波数標準に用いることは困難であるという欠点がある。
さらにまた、周波数標準セル内の物質は通常安定状態にあるので、他段階の励起を行う場合、ある励起レベルからさらに上順位のレベルまで励起するために必要なレーザー周波数を安定化するためには、別の独立した周波数基準が必要となる欠点があった。さらにこの場合、周波数標準セル内の原子を全て、目的とする励起レベルにしておくことが必要であり、このような周波数標準セルを作ることは実際には不可能である。
本発明は、周波数精度及び安定度が高く、しかも任意の値で周波数安定化が可能で、かつ安定な周波数標準にロックしたままレーザー周波数を可変できる波長可変レーザー装置を提供することを目的としている。また、本発明は、このような波長可変レーザー装置を小型かつ低コストで提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る波長可変レーザー装置は、シングルモードでかつ周波数可変のレーザー光を発生するレーザー光発生手段と、レーザー光発生手段からのレーザー光を変調周波数で変調することによりキャリア並びに当該キャリアの高周波側及び低周波側にサイドバンドの発生したレーザー光にする光変調手段と、共振器長が安定なファブリ・ペロー共振器からなり光変調手段からのサイドバンドを安定な周波数標準にロックする周波数標準手段とを備え、光変調手段に印加する変調周波数を変化させ、該変調周波数の変化に追随してレーザー光発生手段の発振周波数の制御パラメータが変化してキャリアの周波数が変化する際に、制御パラメータが逆方向に変化しないように設定され、他方のサイドバンドにロックが移行することにより高周波側サイドバンドと低周波側サイドバンドとを交互に安定な周波数標準にロックするようにしている。ここで、光変調手段としては、進行波型の電気光学素子または音響光学素子の使用が好ましい。
したがって、請求項1記載の発明では、シングルモードの波長可変レーザー光を光変調手段を通過させ、これによって発生するサイドバンドを安定な周波数標準手段にロックすることによって、波長可変レーザー光のキャリア周波数を安定な周波数標準以外の周波数で安定化することが可能となる。このとき、キャリアとサイドバンドの周波数差は光変調手段の変調周波数で精密に制御が可能であるので、キャリアをそのままロックした場合に比べ、周波数安定度は落ちない。また、波長可変レーザー光の周波数と光変調手段の変調周波数を同時に制御することにより、レーザー光を周波数標準にロックしたまま、レーザー光のキャリア周波数を変化させることができる。
また、請求項記載の発明、周波数標準手段として、共振器長が安定なファブリ・ペロー共振器を用いるようにしている。この場合、安定な周波数標準としてファブリ・ペロー共振器を用いるため、ファブリ・ペロー共振器の共振器長で決まるFSR(Free Spectral Range)ごとの周波数基準が存在する。したがって、光変調手段の変調周波数帯域が、ファブリ・ペロー共振器のFSRの半分以上であれば、ファブリ・ペロー共振器の飛び飛びの周波数基準の間の値においてもレーザー周波数の安定化が可能となり、これにより、任意の周波数でレーザー周波数の安定化が可能となる。
また、請求項記載の発明は、請求項1記載の波長可変レーザー装置において、周波数標準手段として、絶対周波数が既知である周波数のレーザー光を発生する周波数安定化レーザー光発生装置と、この周波数安定化レーザー光発生装置からのレーザー光にロックすることにより共振器長が安定化されたファブリ・ペロー共振器とを用いるようにしている。
したがって、周波数標準となるファブリ・ペロー共振器の共振器長を長時間安定化することができ、これにより、レーザー周波数の長時間の安定化が可能となる。このとき、光変調手段の変調周波数帯域が、ファブリ・ペロー共振器のFSRの半分以上あれば、ファブリ・ペロー共振器の飛び飛びの周波数基準の間の値においてもレーザー周波数の安定化が可能となり、これにより、任意の周波数でレーザー周波数の安定化が可能となる。
また、請求項記載の発明に係る波長可変レーザー装置は、シングルモードでかつ周波数可変のレーザー光を発生するレーザー光発生手段と、レーザー光発生手段からのレーザー光を変調周波数で変調することによりキャリア並びに当該キャリアの高周波側及び低周波側にサイドバンドの発生したレーザー光にする光変調手段と、絶対周波数が既知である周波数のレーザー光を発生する周波数安定化レーザー光発生装置及び周波数安定化レーザー光発生装置からのレーザー光にロックすることにより共振器長が安定化されたファブリ・ペロー共振器からなり光変調手段からのサイドバンドを安定な周波数標準にロックする周波数標準手段と、レーザー光発生手段及び周波数安定化レーザー光発生装置からの各レーザー光を取込み、レーザー光発生手段からのレーザー光の周波数を測定する周波数測定装置とを備え、光変調手段に印加する変調周波数を変化させ、該変調周波数の変化に追随してレーザー光発生手段の発振周波数の制御パラメータが変化してキャリアの周波数が変化する際に、制御パラメータが逆方向に変化しないように設定され、他方のサイドバンドにロックが移行することにより高周波側サイドバンドと低周波側サイドバンドとを交互に安定な周波数標準にロックするようにしている。
したがって、周波数測定装置により絶対周波数が確認できるため、目的とする原子・分子の共鳴周波数へのレーザー周波数の同調が容易になる。この場合、周波数基準になるレーザー光は、絶対周波数が既知である周波数安定化レーザー光発生装置からのレーザー光を用いればよいので、波長計を別途用いる必要はない。また、絶対周波数の精度は、それほど高くなくても、だいたいの周波数が確認できれば、目的とする原子や分子にレーザー光を照射した状態でレーザー周波数を微調し、共鳴する周波数においてレーザー周波数をロックすればよい。
ここで、請求項記載の周波数測定装置は、請求項記載のように、マイケルソン干渉計であることが好ましい。この場合、周波数測定が簡単にできる。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の波長可変レーザー装置において、レーザー光発生手段からの周波数可変のレーザー光と周波数安定化レーザー光発生装置からの絶対周波数が既知のレーザー光とを干渉させて、そのビート周波数によりお互いの周波数差を求める手段を付加するようにしている。
この場合、まず、光変調手段に変調周波数を加えることにより、波長可変レーザーの発振周波数にサイドバンドを発生させる。そのサイドバンドをファブリ・ペロー共振器にロックし、キャリア周波数を前記絶対周波数が既知である周波数安定化レーザー光発生装置からのレーザー光の発振周波数に近づけて干渉させ、そのビート周波数を測定する。これにより、その時の波長可変レーザーの絶対周波数が確認できる。この後、サイドバンドの発生を停止し、キャリア周波数を目的とする原子・分子の共鳴周波数付近まで変化させ、このときのファブリ・ペロー共振器を通過する光信号の数を数える。この後、再び光変調手段に変調周波数を加えることにより、波長可変レーザーの発振周波数に再びサイドバンドを発生させる。そのサイドバンドをファブリ・ペロー共振器にロックし、光変調手段の変調周波数を調整することにより、キャリア周波数を目的とする原子・分子の共鳴周波数に同調させる。以上の過程において得られる、ビート周波数、ファブリ・ペロー共振器のFSR、ファブリ・ペロー共振器を通過する光信号の数、光変調手段の変調周波数により、絶対周波数の測定が可能になる。
更に、請求項記載の発明の波長可変レーザー装置は、請求項1からのいずれかに記載の波長可変レーザー装置からの出力レーザー光を、色素レーザーや固体レーザー等の高出力パルス発振が可能で周波数可変のレーザー光発生装置にインジェクションシーディングを行うようにしている。
この場合、請求項1〜記載の周波数の安定化された連続発振の波長可変レーザー光と同程度に精密に周波数制御されたパルスレーザー光を得ることができる。しかも、この周波数制御されたパルスレーザー光は、前記色素レーザー、固体レーザー等のレーザー光発生装置から元々発生しうる出力と同程度であるため、高出力化も可能である。
以上説明したように請求項1記載の発明に係る波長可変レーザー装置は、次のような効果がある。
(1)安定な周波数基準にロックしたまま、レーザー周波数を変化させることができる。
(2)この波長安定化レーザー装置では、大型で高価な波長計を用いないため、小型でコストを安くすることができる。
(3)この波長可変レーザー装置においては、周波数の制御はすべて電気的に行うことができるので、取り扱いが容易で、かつ高い周波数の安定化が可能である。
請求項記載の発明では、さらに、レーザー光発生手段が発振しうる任意の周波数において、レーザー周波数の安定化が可能である。
請求項記載の発明では、請求項記載の作用効果に加えて、
(1)長時間ファブリ・ペロー共振器の共振器長を安定化することができ、長時間安定な周波数基準を得ることができる。
(2)レーザー光発生手段に変調信号を印加していないので、レーザー周波数の安定度が高い。
請求項記載の発明では、請求項1記載の作用効果に加えて波長計が不要になる。
請求項記載の発明では、周波数の測定が容易である。
請求項記載の発明では、波長可変レーザー光の周波数が連続して変化する範囲において絶対周波数が分かる。
請求項記載の発明では、上記発振周波数の安定化された連続発振の波長可変レーザー光と同程度に精密に周波数制御されたパルスレーザー光を得ることができ、しかも、この周波数制御されたパルスレーザー光が元々の波長可変レーザーから発生しうる出力と同程度であるため高出力化も可能である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の一形態に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態を挙げて以下詳細に説明する。本発明は、以下の5つからなる。
(1)第1の発明は、レーザー光の周波数を、目的とする原子・分子の共鳴周波数に安定化する構成に関するものであり、第1の実施の形態、第2の実施の形態がこれに該当する。
(2)第2の発明は、周波数基準にロックしたまま、波長可変レーザー光の周波数を広い帯域で連続的に変化させる構成に関するものであり、第3の実施の構成がこれに該当する。
(3)第3の発明は、波長可変レーザー光の周波数を測定するものであり、第4の実施の形態、第5の実施の形態がこれに該当する。また、第4の実施の形態は、波長可変レーザー光の周波数を計測するものである。第5の実施の形態は、波長可変レーザー光の周波数が連続的に変化する範囲において、絶対周波数が分かるものである。
(4)第4の発明は、原子・分子のそれぞれの吸収帯の周波数差を正確に求めるものであり、第6の実施の形態がこれに該当する。
(5)第5の発明は、上述の(1)〜(4)の発明で得られる連続発振の波長可変レーザー光を利用して、それと同程度に精密に周波数制御されたパルスレーザー光を得る構成に関するものであり、第7の実施の形態がこれに該当する。
〔第1の実施の形態〕
図1に、本発明に係る波長可変レーザー装置の第1の実施の形態を示す。この図において、波長可変レーザー装置1は、大別して、レーザー光発生手段3と、光変調手段5と、周波数標準手段7及び補助部品9とから構成されている。
そして、レーザー光発生手段3は、シングルモードでかつ周波数可変のレーザー光を発生するものである。また、光変調手段5は、レーザー光発生手段3からのレーザー光を変調周波数で変調することによりキャリアとこのキャリアの高周波側及び低周波側にサイドバンドを発生させたレーザー光にするものである。例えば進行波型の電気光学変調器で構成可能であり、前記レーザー光発生手段3からのレーザー光を変調周波数fm で変調することにより、キャリアV0 と当該キャリアV0 の低周波側及び高周波側にサイドバンドVL1,VH1の発生したレーザー光にする。また、この光変調手段5には、例えば、直流(DC)〜1.0〔GHz〕の変調周波数fm を印加できるようになっている。さらに、前記周波数標準手段7は、前記光変調手段5からのサイドバンドVL1(またはVH1)を安定な周波数標準にロックするような構成としてある。また、前記補助部品9には、光アイソレータ91、ミラー92、93等からなる。光アイソレータ91は、レーザー光発生手段3から出力するレーザー光を通し、かつ外部からのレーザー光をレーザー光発生手段3に入射しないようになっている。ミラー92は、レーザー光発生手段3からのレーザー光の一部を直角に反射するとともに、他の一部を通過させてレーザー光出力とする。ミラー93は、レーザー光を全反射させる。
前記レーザー光発生手段3の出力部分の前部には、光アイソレータ91が配置されている。この光アイソレータ91のさらに図示左側には、ミラー92が配置されている。ミラー92、93の間には、光変調手段5が配置されている。また、ミラー93の図示右側には、周波数標準手段7が配置されている。
この波長可変レーザー装置1は、各構成要素を上述したように配置し、かつ前記光変調手段5に加える変調周波数fm 及び前記レーザー光発生手段3から発生するレーザー光の周波数を同時に制御してレーザー光のキャリアV0 とサイドバンドVL1(またはVH1)の周波数差を制御することにより、前記レーザー光発生手段3で発生するレーザー光の周波数を制御できるようになっている。
さらに、レーザー光発生手段3は、シングルモードでかつ周波数可変のレーザー光を発生するもので、本実施形態の場合、レーザー光の発生源として半導体レーザー30が用いられている。このレーザー光発生手段3は、例えば半導体レーザー30と、レンズ31、32と、回折格子33と、ミラー34と、回折格子駆動機構35と、制御系36と、偏光ビームスプリッタ37、フォトダイオード38と、半導体レーザー電源39と、ペルチェ電源40とから成る。なお、半導体レーザー30、レンズ31、32、回折格子33、ミラー34、回折格子駆動機構35、半導体レーザー電源39、ペルチェ電源40により、レーザー光源41が構成されている。また、回折格子33は図示のように配置されることにより外部共振器が構成されており、これにより半導体レーザー30の発振レーザー光がシングルモードとなる。半導体レーザー30の発振周波数は、温度、駆動電流、回折格子の角度、外部共振器の共振器長等で制御することができるが、この第1の実施の形態では、一例として回折格子33の角度を制御することにより周波数制御を行うことにする。
回折格子駆動機構35は例えば圧電素子により構成されており、回折格子33の角度と外部共振器長とを同時に調整できるように設けられている。第1の制御系36は、回折格子駆動機構35を駆動制御するもので、ダブルバランスドミキサ361、局部発振器362、サーボ回路363、圧電素子ドライバ364からなる。偏光ビームスプリッタ37は、光変調手段5を通過することによりサイドバンドが発生した半導体レーザー30からのレーザー光をフォトダイオード38に導くように配置されている。フォトダイオード38は、入力されたレーザー光を電気信号に変換し、これをダブルバランスドミキサ361に与えるようになっている。ダブルバランスドミキサ361は、フォトダイオード38から供給された電気信号と局部発振器362からの局部発振周波数をもとに位相敏感検波し、その信号をサーボ回路363に与えるように構成されている。サーボ回路363は、ダブルバランスドミキサ361からの信号を基にサーボ信号を形成して圧電素子ドライバ364に供給できるようになっている。更に、圧電素子ドライバ364は、サーボ信号を基に駆動制御信号を形成して回折格子駆動機構35を駆動制御するようになっている。したがって、フォトダイオード38から得られた電気信号は、ダブルバランスドミキサ361により微分信号となり、サーボ回路363を介して外部共振器たる回折格子33の角度を制御する回折格子駆動機構35のドライバ364にフィードバックされる。これにより、ファブリ・ペロー共振器71の透過強度が最大になるように、半導体レーザー30の発振周波数が制御される。
周波数標準手段7は、光変調手段たる進行波型の電気光学変調器5からのサイドバンドまたはキャリアを安定な周波数標準にロックするもので、本実施形態の場合、周波数安定化レーザー光発生装置としての安定化ヘリウム−ネオンレーザー70とファブリ・ペロー共振器71とで主に構成されている。具体的には、周波数標準手段7は、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70と、ファブリ・ペロー共振器71と、第2の制御系72と、偏光ビームスプリッタ73と、フォトダイオード74とから構成されている。更に、第2の制御系72は、ダブルバランスドミキサ721、局部発振器722、サーボ回路723、圧電素子ドライバ724から成る。偏光ビームスプリッタ73は、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70からのレーザー光をフォトダイオード74に導くようになっている。フォトダイオード74は、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70からのファブリ・ベロー共振器71を透過するレーザー光の強度をモニターする。即ち、入力されたレーザー光を電気信号に変換し、これをダブルバランスドミキサ721に与えるようになっている。ダブルバランスドミキサ721は、フォトダイオード74から供給された電気信号と局部発振器722からの局部発振周波数をもとに位相敏感検波し、その信号をサーボ回路723に与えるようになっている。このサーボ回路723は、ダブルバランスドミキサ721からの信号を基にサーボ信号を形成して圧電素子ドライバ724に供給できるようになっている。前記圧電素子ドライバ724は、サーボ信号を基に駆動制御信号を形成してファブリ・ペロー共振器71の共振器長を制御する圧電素子75を駆動することにより、周波数基準レーザー光の透過強度が最大となるようにファブリ・ペロー共振器71の共振器長が制御され、FSRが安定化される。尚、このファブリ・ペロー共振器71のFSRは、光変調手段5に印加される変調周波数fm の2倍の値に設定されている。
上述した構成の第1の実施の形態の動作を、図1を基に図2を参照して以下に説明する。ここに、図2に、ファブリ・ペロー共振器の共振周波数とレーザー光の関係を説明するための図を示す。この図2において、横軸にはレーザー光の周波数νを、縦軸には変調周波数、キャリアV0 、サイドバンドVH1(VL1)の関係を、それぞれとったものである。
まず、周波数標準手段7において、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70から出射される周波数基準となるレーザー光は、ファブリ・ペロー共振器71に入射される。このファブリ・ペロー共振器71を透過したレーザー光は、偏光ビームスプリッタ73を介してフォトダイオード74に導かれる。フォトダイオード74で得られた電気信号は、ダブルバランスドミキサ721に供給される。ダブルバランスドミキサ721には、局部発振器722からの局部発振周波数が供給されており、これによりフォトダイオード74で得られた電気信号の一次の微分信号が得られる。この微分信号は、サーボ回路723に供給され、サーボ回路723では、微分信号からサーボ信号に形成される。このサーボ信号は、圧電素子ドライバ724に供給される。圧電素子ドライバ724では、サーボ信号から駆動制御信号にしてファブリ・ペロー共振器71に取り付けられた圧電素子75に供給される。ファブリ・ペロー共振器71は、前記駆動制御信号により共振器長が制御されて、FSR(Free Spectral Range )が安定化される。また、上述したように構成された共振器制御部72によって、ファブリ・ペロー共振器71を透過した(安定化ヘリウム−ネオンレーザー70からの)透過レーザー光の強度が最大になるようにファブリ・ペロー共振器71の共振器長が調整されることになる。
なお、この第1の実施の形態では、周波数基準レーザー70として、安定化ヘリウム−ネオンレーザーを用いているが、ヨウ素やルビジウム等の安定な原子・分子に周波数がロックされた絶対周波数が既知のレーザー光を使用してもよい。
次に、レーザー光発生手段3の半導体レーザー30から出射したレーザー光は、レンズ31、32、回折格子33、ミラー34を経て、シングルモードのレーザー光になって光アイソレータ91に入射する。また、光アイソレータ91を透過したレーザー光は、ミラー92を通って進行波型の電気光学変調器で構成された光変調手段5に入射される。この光変調手段5に入射されたシングルモードのレーザー光は、キャリアV0 と、当該キャリアV0 の低周波側及び高周波側にサイドバンドVL1,VH1の発生したレーザー光になる。
光変調手段5から出力されるレーザー光は、原理的には、高次のサイドバンドまで生じるが、実際には、二次以上のサイドバンドは観測されないほど小さい。したがって、ファブリ・ペロー共振器71にロックが可能なのは、キャリアV0 と、キャリアV0 の低周波側と高周波側に存在する二つの一次サイドバンドVL1,VH1のみである。
サイドバンドVL1,VH1の発生したレーザー光は、ファブリ・ペロー共振器71に入射し、一次のサイドバンドVL1(またはVH1)のみ透過するようにする。
そして、ファブリ・ペロー共振器71を透過したレーザー光は、偏光ビームスプリッタ37を介してフォトダイオード38に導かれる。このレーザー光は、フォトダイオード38で電気信号に変換されている。この電気信号は、ダブルバランスドミキサ361に入力される。このダブルバランスドミキサ361では、前記電気信号を微分信号にしてサーボ回路363に供給する。サーボ回路363では、サーボ信号にして圧電素子ドライバ364に供給する。圧電素子ドライバ364では、駆動制御信号を形成して、回折格子駆動機構35を駆動制御する。このとき、上記フィードバック系(偏光ビームスプリッタ37、フォトダイオード38、ダブルバランスドミキサ361、サーボ回路363、圧電素子ドライバ364)を用いて、ファブリ・ペロー共振器71からの透過レーザー光の強度が最大となるように回折格子33の角度を調整することにより、レーザー光のサイドバンドVL1(またはVH1)がファブリ・ペロー共振器71の共振周波数にロックされることになる。
このようなロック状態で、光変調手段5の変調周波数(fm )を変化させるとともに、ファブリ・ペロー共振器71にロックされているサイドバンドVL1(またはVH1)のロックがはずれないようにしながら、レーザー光発生手段3から発生するレーザー光のキャリアV0 の周波数を制御すれば、周波数ロックを行ったままで、レーザー光発生手段3で発生するレーザー光のキャリアV0 の周波数を変化させることができる。
また、光変調手段5の変調周波数を安定化すれば、ファブリ・ペロー共振器71の共振周波数以外の周波数で、波長可変レーザー装置1のキャリアV0 の周波数を安定化することができる。このとき、ファブリ・ペロー共振器71の共振周波数の間の任意の周波数において、レーザー光のキャリアV0 の周波数の安定化を可能にするためには、光変調手段5に印加する変調周波数fm を、DCからファブリ・ペロー共振器71のFSRの1/2まで変化できればよい。
このサイドバンドVH1またはVL1のロックについて、図2を参照してさらに説明すると、変調周波数fm がfm <FSR/2のときには、いずれかのサイドバンドVL1,VH1がロックされる(例えば図2では、キャリアV0 の低周波側のサイドバンドVL1がロックされている状態を示している)。また、変調周波数fm がfm =FSR/2のときにはキャリアV0 の高周波側のサイドバンドVH1と低周波側のサイドバンドVL1が両方ロックされており、キャリアV0 はファブリ・ペロー共振器の飛び飛びの共振周波数をνn とすると、νn +FSR/2の周波数に位置している。変調周波数fm がfm =DCのときには、サイドバンドVL1,VH1が生じず、V0 はファブリ・ペロー共振器の共振周波数νn に位置している。このように変調周波数fm がDCからFSRの1/2まで変化した後は、もう一方の一次のサイドバンドたる低周波側のサイドバンドVL1をロックして、光変調手段5に加える変調周波数を制御すればよい。
このようにして波長可変レーザー装置1を得ることができる。
次に、同位体分離、原子、分子の密度計測、分光計測等において使用するレーザー光の周波数を、分離、計測等の目的とする原子・分子の共鳴周波数に安定化させるための手順を説明する。
まず、光変調手段5に印加する変調周波数fm =DCとしてサイドバンドを発生しない状態とし、レーザー光発生手段3の発振周波数を、小型で安価な波長計を用いて測定し、目的とする周波数付近に同調させる。次に、レーザー光発生手段3の発振周波数を変化させて、目的とする原子・分子の吸収スペクトルを測定して目的とする周波数までの粗調を行う。
さらに、光変調手段5に変調周波数fm を加えてレーザー光にサイドバンドVL1,VH1を発生させ、いずれかのサイドバンドVL1,VH1をファブリ・ペロー共振器71にロックする。この後、ファブリ・ペロー共振器71にレーザー光のサイドバンドVL1またはVH1をロックした状態で、光変調手段5に印加する変調周波数を可変することにより、レーザー光のキャリアV0 の周波数を目的とする周波数まで微調する。これにより、同位体分離、原子、分子の密度計測、分光計測等において、レーザー周波数を目的とする原子・分子の共鳴周波数に安定化することができる。
以上説明したように本発明の第1の実施の形態によれば、次のような利点がある。
(1)レーザー光発生手段3が発振しうる任意の周波数において、レーザー周波数の安定化が可能である。
(2)レーザー光発生手段3に変調信号を印加していないので、レーザー周波数の安定度が高い。
(3)安定な周波数基準にロックしたまま、レーザー周波数を変化させることができる。
(4)この波長安定化レーザー装置1では、大型で高価な波長計を用いないため、小型でコストを安くすることができる。
(5)この波長可変レーザー装置1においては、周波数の制御はすべて電気的に行うことができるので、取り扱いが容易で、かつ高い周波数の安定化が可能である。
なお、上述した第1の実施の形態では、レーザー光発生手段3から出射したレーザー光のサイドバンドVL1,VH1は、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70に共振器長をロックすることによってFSRの安定化されたファブリ・ペロー共振器71により構成された周波数標準手段7にロックされたが、これに特に限定されず、レーザー光発生手段3から出射したレーザー光のサイドバンドを水晶ファブリ・ペロー共振器や真空中に設置されたファブリ・ペロー共振器にロックするように構成した周波数標準手段でも同様の効果が期待できる。この場合には、周波数基準レーザー70は不要である。
ここで、水晶ファブリ・ペロー共振器を用いる場合には、長期の安定度は多少悪いが、それ自身が非常に小型であるため装置を小型化することができる。
さらに、真空中に吊す等によって設置することにより外部の音や振動等のノイズを遮断するようにしたファブリ・ペロー共振器は、当該共振器自体が大きいため装置が多少大型化するが、安定度が極めて優れている。
また、上記第1の実施の形態において、周波数標準手段7には原子や分子の共鳴現象を用いることも可能である。この場合、安定化ヘリウム−ネオンレーザー等の周波数標準レーザー70は必要ではなく、波長可変レーザー光のサイドバンドは原子や分子の共鳴周波数にロックされる。したがって、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70が不要なことから、波長可変レーザー装置1がいっそう小型な装置になる。
尚、原子や分子の共鳴現象を利用して第1の実施の形態の変形例を説明したが、原子や分子はファブリ・ペロー共振器のようにFSRごとの無限の共鳴周波数を有しないことから、波長可変レーザー装置1を任意の周波数で安定化することは難しい。
〔第2の実施の形態〕
図3に、本発明の第2の実施の形態を示す。この図において、第2の実施の形態では、レーザー光発生手段3から出射したレーザー光を、光アイソレータ91、ミラー92、93、周波数標準手段7の偏光ビームスプリッタ73を通して、ファブリ・ペロー共振器71に入射するとともに、周波数標準手段7の安定化ヘリウム−ネオンレーザー70から出射したレーザー光を光変調手段5、偏光ビームスプリッタ37を通してファブリ・ペロー共振器71に入射するようにしたものである。したがって、レーザー光発生手段3から出射するレーザー光にはサイドバンドは発生せず、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70から出射した周波数標準レーザー光にサイドバンドVL1,VH1が発生することになる。また、第2の実施の形態と第1の実施の形態では、光変調手段5の配置位置のみが異なるだけであり、他の構成要素は第1の実施の形態と全く同一であるので、第1の実施の形態と同一符号を付して構成の説明を省略する。
次に、上記第2の実施の形態により、波長可変レーザーの周波数を、目的とする原子・分子の共鳴周波数に安定化する手順を説明する。
まず、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70からの周波数標準レーザー光を光変調手段5に入射する。そして、光変調手段5に変調周波数fm を加えると、その周波数標準レーザー光にサイドバンドVL1,VH1を発生させ、そのいずれか一方のサイドバンドVL1またはVH1をファブリ・ペロー共振器71にロックする。そして、このファブリ・ペロー共振器71を透過した周波数標準レーザー光のサイドバンドVL1またはVH1を偏光ビームスプリッタ73を介してフォトダイオード74に入射する。このフォトダイオード74からの電気信号は、ダブルバランスドミキサ721で微分信号になり、サーボ回路723に供給される。サーボ回路723は、サーボ信号を圧電素子ドライバ724に供給する。この圧電素子ドライバ724からファブリ・ペロー共振器71に取り付けられた圧電素子75に電圧を印加する。これにより、ファブリ・ペロー共振器71の共振器長さは、光変調手段5の変調周波数fm によって制御できることになる。
次に、レーザー光発生手段3の発振周波数を、例えば小型で安価な波長計を用いて目的とする周波数付近まで同調させる。その後、レーザー光発生手段3の発振周波数を変化させ、目的とする原子・分子の吸収スペクトルを測定して、目的とする周波数まで粗調を行う。
次に、光変調手段5に印加する変調周波数fm を変化させることにより、これを第2の制御系(共振器制御部)72によって検出し、第2の制御系72からの駆動制御信号によりファブリ・ペロー共振器71の共振器長を動かし、レーザー光発生手段3から出射されファブリ・ペロー共振器71を透過したレーザー光の透過強度が最大となるように、ファブリ・ペロー共振器71の共振器長さを制御する。これにより、ファブリ・ペロー共振器71に、レーザー光発生手段3からのレーザー光の周波数はロックされる。この後、光変調手段5に印加する変調周波数fm を変化させ、ファブリ・ペロー共振器71の共振周波数を変化させる。このとき、レーザー光発生手段3から出射しファブリ・ペロー共振器71に入射されるレーザー光は、ファブリ・ペロー共振器71にロックされているので、第2の制御系36により、レーザー光発生手段3の半導体レーザー30の外部共振器の回折格子33の角度等、レーザー光発生手段3の周波数の制御パラメータにフィードバックを行うことにより、周波数標準レーザー光にロックを行ったままで、レーザー光発生手段3の発振周波数を微調整することができる。したがって、レーザー光発生手段3の発振周波数を目的とする周波数に精密に同調し、その値で安定化することができる。
以上説明したように第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の全ての作用効果に加えて、レーザー光発生手段3から発射されるレーザー光のキャリアをファブリ・ペロー共振器71にロックすればよいので、波長可変レーザー装置1からの出力レーザー光を大きくすることができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を図1及び図4を参照しながら説明する。図4に、同第3の実施の形態の動作を説明するための図を示し、その横軸に時間tをとっている。また、図4(1)には回折格子33の角度を制御するための圧電素子ドライバ364の電圧を、図4(2)には光変調手段5に印加される変調周波数を、図4(3)にフォトダイオード38の信号量を、図4(4)の(a)〜(d)にフォトダイオード38の時間軸上の状態を、それぞれとっている。
この第3の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態で使用した波長可変レーザー装置1を用い、周波数基準にロックしたまま、波長可変レーザー光の周波数を広い帯域で連続的に変化させるようにしたものである。
まず、図4(4),(a)に示すように、レーザー光発生手段3から出射して光変調手段5を通過して形成されたレーザー光の低周波側のサイドバンドVL1がファブリ・ペロー共振器71にロックされている場合に、ファブリ・ペロー共振器71を通過したレーザー光を偏光ビームスプリッタ37を介してフォトダイオード38に導くと、フォトダイオード38では信号量P1が得られる。
このような状態で、光変調手段(電気光学変調器)5に印加される変調周波数fm を増加させると、これに追随してレーザー光発生手段3の発振周波数の制御パラメータが変化し、キャリアV0 の周波数が高周波側に変化する。
この第3の実施の形態では、レーザー光発生手段3の発振周波数の制御パラメータとして、半導体レーザー30の外部共振器として用いる回折格子33の角度を制御する回折格子駆動機構(圧電素子)35の電圧を用いているが、これに限らず、半導体レーザー30の駆動電流、半導体レーザー30の動作温度等でもよい。
次に、図4(2)における時刻tb に示すように、前記光変調手段5に印加される変調周波数fm がファブリ・ペロー共振器71のFSRの1/2となったとき、図4(4),(b)に示すように、低周波側と高周波側のサイドバンドVL1,VH1の両方がファブリ・ペロー共振器71を透過することになる。したがって、この場合には、フォトダイオード38から出力される検出信号量P2 は、図4(3)の時刻tb に示すように、その直前の約2倍になる。このときは、レーザー光の高周波側と低周波側の二つのサイドバンドVL1,VH1がファブリ・ペロー共振器71に同時にロックされている。
この信号量P2 の変化を検知した後(図4(3)の時刻tb )、今度は、図4(2)に示すように、光変調手段5に印加する変調周波数fm を減少させる。
このとき、レーザー光発生手段3の発振周波数の制御パラメータが逆方向に変化しないように設定しておけば、高周波側のサイドバンドVH1にロックが移行し、レーザー光発生手段3のキャリアV0 の周波数は、引続き高周波側に変化する(図4(4),(c)参照)。
さらに、図4(2)の時刻td に示すように、光変調手段5に印加する変調周波数fm がDCになると、図4(4),(d)に示すように、レーザー光発生手段3から発生し光変調手段5を通過したレーザー光にはサイドバンドが存在せず、キャリアV0 がファブリ・ペロー共振器71を通過するので、フォトダイオード38から出力される信号量P3 は一気に大きくなる。
この信号量P3 の変化を検知した後(図4(4),(d)参照)、今度は、光変調手段5に印加する変調周波数fm を増加させる。このとき、レーザー光発生手段3の発振周波数の制御パラメータが逆方向に変化しないように設定しておけば、再び、光変調手段5を通過したレーザー光の低周波側のサイドバンドVL1にロックが移行し、レーザー光発生手段3から発生するレーザー光のキャリアV0 の周波数は引続き高周波側に変化する。
以上の操作を繰り返すことにより、波長可変レーザー装置1の出射光は、それ自体モードホップが起こるまで、周波数標準手段7の周波数標準にロックした状態で連続的に周波数を掃引することが可能となる。
以上説明したように第3の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態の全ての利点に加え、周波数基準にロックした状態で、レーザー光発生手段3の発振周波数を変化させることができる。
〔第4の実施の形態〕
図5に、本発明の第4の実施の形態の波長可変レーザー装置を示す。この図に示す第4の実施の形態に係る波長可変レーザー装置1aは、レーザー光発生手段3aと、光変調手段5aと、周波数標準手段7aと、補助部品9aと、マイケルソン干渉計11とからなる。
このレーザー光発生手段3aは、第1の制御系36aと、偏光ビームスプリッタ37と、フォトダイオード38と、レーザー光源41とからなる。
また、光変調手段5aは、ビームスプリッタ51と、λ/4板52と、音響光学素子53と、凹面鏡54と、信号源55とからなる。この光変調手段5aにより、ファブリ・ペロー共振器71aのFSR(例えば2[GHz])以下の微調整を行うことができる。
さらに、周波数標準手段7aは、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70と、ファブリ・ペロー共振器71aと、第2の制御系72aと、偏光ビームスプリッタ73、フォトダイオード74とから構成されている。なお、ファブリ・ペロー共振器71a、第2の制御系72a、偏光ビームスプリッタ73及びフォトダイオード74により、ファブリ・ペロー共振器71aのFSR(例えば2[GHz])以上の粗調ができる。
補助部品9aは、ミラー91、95、96とからなる。レーザー光源41からのレーザー光は、ミラー95、91を介して光変調手段5aに導かれるとともに、出力されるようになっている。ミラー95は、同時にレーザー光源41からのレーザー光をマイケルソン干渉計11に導くようになっている。ミラー96もまた安定化ヘリウム−ネオンレーザー70からのレーザー光をマイケルソン干渉計11に導くように構成されている。
また、ファブリ・ペロー共振器71aを透過したレーザー光源41からのレーザー光は、偏光ビームスプリッタ37を介してフォトダイオード38に導かれるようになっている。前記ファブリ・ペロー共振器71aを透過した安定化ヘリウム−ネオンレーザー70からのレーザー光は、偏光ビームスプリッタ73を介してフォトダイオード74に導かれるようになっている。
光変調手段5aでは、レーザー光源41からのレーザー光がビームスプリッタ51、λ/4板52、音響光学素子53、凹面鏡54、音響光学素子53、λ/4板52、ビームスプリッタ51を介して、偏光ビームスプリッタ73、ファブリ・ペロー共振器71aに導かれるようになっている。
マイケルソン干渉計11は、ミラー111、112を図示のように配置し、かつ単軸ロボット113にミラー114を移動可能に設けたものであり、ミラー111、114の間の長さを単軸ロボット113により変化できるように設けられている。また、マイケルソン干渉計11では、ミラー112からの反射レーザー光と、ミラー114からの反射レーザー光により干渉が発生し、これらをフォトダイオード115、116で検出し、それらフォトダイオード115、116で検出した信号をカウンタ117に入力するようにしている。カウンタ117の出力信号は、処理系118に入力されるようになっている。このマイケルソン干渉計11では、処理系118は、カウンタ117の出力信号を処理して表示手段119に表示し、かつ単軸ロボット113を駆動制御できるようになっている。
このような構成の第4の実施の形態の動作を以下に説明する。
まず、レーザー光発生手段3aで発生するレーザー光の周波数の制御について説明する。上記構成の波長可変レーザー装置1aでは、光変調手段5aが音響光学素子53を用いて、レーザー光発生手段3aからのレーザー光にサイドバンドVL1,VH1を生じさせて周波数標準手段7aで周波数標準にロックし、かつ、音響光学素子53に供給する変調周波数を変化させて、レーザー光発生手段3aから発生するレーザー光のキャリアV0 とサイドバンドVL1,VH1の周波数差を制御し、これと同時に、レーザー光発生手段3aの発振周波数を変化させることにより、レーザー光発生手段3aから発生するレーザー光の周波数を制御している。
一方、波長可変レーザーであるレーザー光源41からの出射レーザー光の一部は、移動型マイケルソン干渉計11に入射される。マイケルソン干渉計11の一つのミラー114を精密な単軸ロボット113に設置してあるので、この単軸ロボット113によりミラー111、114の間の長さを変化させる。安定化ヘリウム−ネオンレーザー70からの周波数標準レーザー光と、レーザー光発生手段3aの発振周波数は異なるので、マイケルソン干渉計11のミラー111、114の間の長さを変化させたときに、それぞれにおいて得られる明暗の数は異なることになる。
そこで、周波数基準レーザー装置としての安定化ヘリウム−ネオンレーザー70は、設定周波数f1 が既知であるので、それぞれの明暗の数n1 ,n2 を、フォトダイオード115、116で電気信号に変換し、これをカウンタ117に入力して計数し、その計数結果を処理系118に入力し、(1)式を用いて計算することにより、レーザー光発生手段3で発振しているレーザー光の周波数をf2 を求め、表示手段119に表示する。
<数1>
2=(n2/n1)・f1
この第4の実施の形態において、発振周波数の測定精度は、単軸ロボット113の精密さやミラー114の移動距離等により決まるが、それほど正確ではなくても、第1、第2の実施例で述べたように、レーザー周波数の同調や安定化には全く問題がない。また、第4の実施の形態では、レーザー光発生手段3aからのレーザー光の精密な周波数制御や安定化の方法として、第1の実施の形態を用いているが、第2の実施の形態を用いてもよい。
以上説明したように第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態および第2の実施の形態の全ての利点に加えて、波長計が不要となる利点がある。
〔第5の実施の形態〕
図6に、本発明の第5の実施の形態を示す。この図に示す第5の実施の形態は、第1の実施の形態に、周波数可変レーザー光と周波数標準レーザー光との周波数差を求めて圧電素子ドライバ364及び高周波発生器56を制御可能にする第3の制御系13を付加したものである。したがって、この第5の実施の形態では、第3の制御系のみを説明し、他の構成要素は第1の実施の形態と全く同様であるので説明を省略する。
図6に示す第5の実施の形態では、第3の制御系13は、光ファイバ131、132、ヘテロダインデティクタ133、ローパスフィルタ134、コンピュータ装置135、原子・分子セル136、ディティクタ137、及び半透過ミラー138、139からなる。
半透過ミラー138は、光アイソレータ91を透過したレーザー光源41からのレーザー光を取り出して光ファイバ131に導くようになっている。半透過ミラー139は、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70から出射した周波数標準レーザー光を取り出して光ファイバ132に導くようになっている。光ファイバ131、132で導かれた各レーザー光は、ヘテロダインディテクタ133で検波されるようになっている。ヘテロダインディテクタ133からの出力信号は、ローパスフィルタ134で不要な成分を除去された後に、コンピュータ装置135に入力されるようになっている。このコンピュータ装置135には、フォトダイオード38からの検出信号と、ディテクタ137からの検出信号と、高周波発生器56の変調周波数とが入力されている。コンピュータ装置135は、フォトダイオード38からの検出信号と、ディテクタ137からの検出信号と、ローパスフィルタ134を通った信号とを基に、制御信号を形成して高周波発生器56及び圧電素子ドライバ364を制御するプログラムを搭載している。高周波発生器56は、変調周波数を光変調手段5に供給できる。また、コンピュータ装置135は、パソコン、ディスプレイ、及びキーボード等からなる。
このような第5の実施の形態の説明をする。まず最初に、高周波発生器56の変調周波数fm をDCにし、レーザー光源41から出射する波長可変レーザー光に変調はかけない。レーザー光源41から出射する波長可変レーザー光と、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70から出射する波長標準レーザー光の一部を半透過ミラー138、139により切り出し、それぞれ光ファイバー131、132に導入する。これら光ファイバー131、132により導かれるレーザー光は、ヘテロダインディテクタ133によりヘテロダイ検波が行われ、その検波出力がローパスフィルタ134を通ってコンピュータ装置135に入力される。
そして、レーザー光源41からの波長可変レーザー光の周波数を、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70の周波数標準レーザー光の周波数に近づける。このとき、簡易な波長計を用いて、レーザー光源41から出射している波長可変レーザー光の周波数を測定するか、または、第4の実施の形態に述べたような周波数計測機能を付加すればよい。
レーザー光源41からの波長可変レーザー光と、安定化ヘリウム−ネオンレーザー70からの波長標準レーザー光のそれぞれの周波数の差がローパスフィルタ134の通過周波数(例えば、〜30[MHz])以下になったとき、ヘテロダインディテクタ133からのヘテロダイン信号がコンピュータ装置135に送られる。このへテロダイン信号をコンピュータ装置135により検知し、へテロダイン信号が得られる範囲で、レーザー光源41からの波長可変レーザー光のキャリアV0 をファブリ・ペロー共振器71の共振周波数にロックする。このとき、波長可変レーザー光の絶対周波数は、絶対周波数が既知である安定化ヘリウム−ネオンレーザー70から出射する周波数標準レーザー光の周波数と同一である。
なお、上記第5の実施の形態では、前記コンピュータ装置135により高周波発生器56を制御することにより、レーザー光源41の周波数の制御パラメータである、進行波型電気光学変調器の変調周波数を制御し、あるいは、前記コンピュータ装置135により圧電素子ドライバ364から回折格子駆動機構35に加えられる電圧を制御することにより、レーザー光源41の周波数の制御パラメータである、回折格子33の角度を制御している。
次に、レーザー光源41から出射する波長可変レーザー光の周波数を、目的とする周波数まで連続的に変化させる。このとき、ファブリ・ペロー共振器71の飛び飛びの共振周波数に一致したときのみ、レーザー光がファブリ・ペロー共振器71を通過し、フォトダイオード38でこれを検出して電気信号に変換する。このフォトダイオード38からの検出信号は、コンピュータ装置135に入力されて、この飛び飛びの数をモニターしている。
レーザー光源41から出射するレーザー光の周波数が目的とする原子・分子の周波数に一致したことは、以下のようにして検知できる。すなわち、目的とする原子・分子の封入されたセル136に波長可変レーザー光を通過させ、透過後のレーザー光の強度をディテクタ137で検出し、これをコンピュータ装置135に入力しておく。
ここで、原子・分子と共鳴すると、レーザー光の強度が減少するので、波長可変レーザー周波数が目的とする原子・分子の共鳴周波数に一致したことを、ディテクタ137からの検出信号によりコンピュータ装置135で検出することができる。
波長可変レーザー装置の周波数が、目的とする原子・分子の共鳴周波数に一致した状態で電気光学変調器からなる光変調手段5に高周波発生器56から変調周波数を加え、レーザー光源41から出射している波長可変レーザー光にサイドバンドVL1,VH1を発生させる。このサイドバンドVL1,VH1をファブリ・ペロー共振器71にロックし、このときの光変調手段5の変調周波数をモニターする。
以上、モニターしたレーザー光源41から出射するレーザー光の波長を変化させたときのファブリ・ペロー共振器71を通過する信号の数と、キャリアV0 の周波数を原子・分子の共鳴周波数に一致した状態で、サイドバンドVL1,VH1の周波数をファブリ・ペロー共振器71の共振周波数にロックしたときの、光変調手段5の変調周波数と、絶対周波数が既知である安定化ヘリウム−ネオンレーザー70から出射する周波数標準レーザー光の周波数より、目的とする原子・分子の共鳴周波数の絶対周波数が分かる。
以上説明したように第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態の全ての利点に加えて、波長可変レーザー光の周波数が連続的に変化する範囲において、絶対周波数が分かるという利点がある。
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態を図1及び図7を参照しながら説明する。図7に、同第6の実施の形態の動作を説明するための図を示す。この図7の横軸に周波数νを示し、また、図7(a)に原子・分子の2つの吸収帯A,Bの光共鳴周波数νA 、νB を、図7(b)にファブリ・ベロー共振器の共振モードを、図7(c)にレーザー光発生手段3から出射するレーザー光のキャリア及びサイドバンドをそれぞれ示す。
この第6の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態で使用した波長可変レーザー装置1を用い、原子・分子のそれぞれの吸収帯の周波数差を正確に求めるようにしたものである。
まず、レーザー光発生手段3から出射したレーザー光を光変調手段5に入射する。このとき、光変調手段5に印加する変調周波数fm は周波数をDCとしておく。これにより、光変調手段5を通過したレーザー光には、キャリアV01のみが存在することになる。このキャリアV01の周波数を、図7(a)に示す原子・分子の吸収帯Aに同調させる。これにより、キャリアV01の周波数νは、νA となる。
このように吸収帯Aに同調させた後に、光変調手段5に印加する変調周波数fm1を加えることにより、図7(c)に示すように、キャリアV01の周波数がνA のままで光変調手段5を通過したレーザー光にサイドバンドVH11 ,VL11 を発生させる。そのサイドバンドVH11 ,VL11 の一つを、ファブリ・ペロー共振器71の共振周波数にロックさせる。これにより、光変調手段5に印加されている変調周波数fm1を基に、キャリアV01とそれに最も周波数の近いファブリ・ペロー共振器71の共振モードC2 の周波数差f1 を得る。
次に、光変調手段5の変調周波数fm をDCにし、レーザー光発生手段3から出射し光変調手段5を通過して得られるレーザー光をキャリアV02のみとする。その状態で、キャリアV02の周波数νを、図7(a)に示す吸収帯Bまで同調させる。これにより、キャリアV02の周波数νは、νB となる。このとき、ファブリ・ペロー共振器71を透過する光信号の数nを数えておく(図7(b)参照)。
ついで、光変調手段5に再び変調周波数fm を加えることにより、光変調手段5を通過するレーザー光にサイドバンドVH21 ,VL21 を発生させる。これらサイドバンドVH21 ,VL21 のうちの一つをファブリ・ペロー共振器71の共振周波数にロックさせる。これにより、光変調手段5に印加される変調周波数fm2を基に、キャリアV02と、それに最も周波数の近いファブリ・ペロー共振器の共振モードC3 の周波数差f2 が求められる。
このようにした得られた吸収帯A、吸収帯Bとの周波数差(νB −νA )は、下記の数式2により求めることができる。
<数2>
νB −νA =fm1+fm2+fFSR ×(n−1)
ただし、fFSR はファブリ・ペロー共振器71のFSRである。
尚、数式2はf1 ,f2 が共に≦fFSR /2の場合に成り立つものであり、f1 ,f2 のどちらか一方がfFSR /2<f1 ,f2 ≦fFSR の場合には数式3及び数式4より求めることができる。f1 ≦fFSR /2かつfFSR /2<f2 ≦fFSR の場合、
<数3>
νB −νA =fm1 −fm2+fFSR×n
FSR /2<f1 ≦fFSR かつf2 ≦fFSR/2の場合、
<数4>
νB −νA =−fm1 +fm2+fFSR×n
で求めることができる。
また、f1 ,f2 の両方がfFSR /2<f1 ,f2 ≦fFSR の場合には数式5より求めることができる。
<数5>
νB −νA =−fm1−fm2+fFSR ×(n+1)
このようにすれば、吸収帯A、吸収帯Bとの周波数差(νB −νA )を算出することができる。
以上説明したように第6の実施の形態によれば、図1に示す第1の実施の形態で使用した波長可変レーザー装置1を用い、かつ上述したように操作することにより、原子・分子における各吸収帯の周波数差を正確に求めることができる。
〔第7の実施の形態〕
この第7の実施の形態は、図1〜図7に基づいて説明された第1〜第6の実施の形態あるいは図示していない請求項1〜6記載の発明にかかる波長可変レーザー装置1を用い、パルスレーザー光を出力するようにしたものである。
即ち、例えば図1あるいは図3、図5、図6の何れかに開示された波長可変レーザー装置1あるいはそれらの変形である図示していない波長可変レーザー装置からの出力レーザー光を、高出力パルス発振が可能で周波数可変のレーザー光発生装置、例えば色素レーザーや固体レーザー等にインジェクションシーディングを行うようにする。この場合、波長可変レーザー装置1から出射される連続的なレーザー光、即ち周波数の安定化された連続発振の波長可変レーザー光と同程度に精密に周波数制御されたパルスレーザー光を得ることができる。しかも、この周波数制御されたパルスレーザー光は、前記色素レーザー、固体レーザー等のレーザー光発生装置から元々発生しうる出力と同程度であるため、高出力化も可能である。
本発明に係る波長可変レーザー装置の第1の実施の形態を示す構成図である。 同第1の実施の形態におけるファブリ・ペロー共振器の共振周波数とレーザー光の周波数との関係を説明するための図である。 同第2の実施の形態を示す構成図である。 同第3の実施の形態の動作を説明するための図である。 同第4の実施の形態を示す構成図である。 同第5の実施の形態を示す構成図である。 同第6の実施の形態の動作を説明するための図である。
符号の説明
1 波長可変レーザー装置
3 レーザー光発生手段
5,5a 光変調手段
7,7a 周波数標準手段
9 補助部品
11 マイケルソン干渉計
13 第3の制御系
30 半導体レーザー
31、32 レンズ
33 回折格子
34 ミラー
35 回折格子駆動機構
36 第1の制御系
37、73 偏光ビームスプリッタ
38、74 フォトダイオード
39 半導体レーザー電源
40 ペルチェ電源
41 レーザー光源
71 ファブリ・ペロー共振器
72 第2の制御系

Claims (6)

  1. シングルモードでかつ周波数可変のレーザー光を発生するレーザー光発生手段と、前記レーザー光発生手段からのレーザー光を変調周波数で変調することによりキャリア並びに当該キャリアの高周波側及び低周波側にサイドバンドの発生したレーザー光にする光変調手段と、共振器長が安定なファブリ・ペロー共振器からなり前記光変調手段からのサイドバンドを安定な周波数標準にロックする周波数標準手段とを備え、前記光変調手段に印加す前記変調周波数を変化させ、該変調周波数の変化に追随して前記レーザー光発生手段の発振周波数の制御パラメータが変化して前記キャリアの周波数が変化する際に、前記制御パラメータが逆方向に変化しないように設定され、他方のサイドバンドにロックが移行することにより前記高周波側サイドバンドと前記低周波側サイドバンドとを交互に前記安定な周波数標準にロックすることを特徴とする波長可変レーザー装置。
  2. 前記周波数標準手段は、絶対周波数が既知である周波数のレーザー光を発生する周波数安定化レーザー光発生装置と、この周波数安定化レーザー光発生装置からのレーザー光にロックすることにより共振器長が安定化されたファブリ・ペロー共振器とを用いたことを特徴とする請求項1記載の波長可変レーザー装置。
  3. シングルモードでかつ周波数可変のレーザー光を発生するレーザー光発生手段と、前記レーザー光発生手段からのレーザー光を変調周波数で変調することによりキャリア並びに当該キャリアの高周波側及び低周波側にサイドバンドの発生したレーザー光にする光変調手段と、絶対周波数が既知である周波数のレーザー光を発生する周波数安定化レーザー光発生装置及び前記周波数安定化レーザー光発生装置からのレーザー光にロックすることにより共振器長が安定化されたファブリ・ペロー共振器からなり前記光変調手段からのサイドバンドを安定な周波数標準にロックする周波数標準手段と、前記レーザー光発生手段及び周波数安定化レーザー光発生装置からの各レーザー光を取込み、前記レーザー光発生手段からのレーザー光の周波数を測定する周波数測定装置とを備え、前記光変調手段に印加する前記変調周波数を変化させ、該変調周波数の変化に追随して前記レーザー光発生手段の発振周波数の制御パラメータが変化して前記キャリアの周波数が変化する際に、前記制御パラメータが逆方向に変化しないように設定され、他方のサイドバンドにロックが移行することにより前記高周波側サイドバンドと前記低周波側サイドバンドとを交互に前記安定な周波数標準にロックすることを特徴とする波長可変レーザー装置。
  4. 前記周波数測定装置は、マイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項記載の波長可変レーザー装置。
  5. 前記レーザー光発生手段からの周波数可変のレーザー光と、前記周波数安定化レーザー光発生装置からの絶対周波数が既知のレーザー光とを干渉させて、そのビート周波数によりお互いの周波数差を求める手段を付加したことを特徴とする請求項記載の波長可変レーザー装置。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の波長可変レーザー装置からの出力レーザー光を、色素レーザーや固体レーザー等の高出力パルス発振が可能で周波数可変のレーザー光発生装置にインジェクションシーディングを行うことを特徴とする波長可変レーザー装置。
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