以下、本発明の一実施の形態に係る、間仕切り装置としてのアコーディオンドア10について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を用いて説明する場合があるものとし、X方向をアコーディオンドア10の長手方向とし、X1側は図1の右端側、X2側は図1の左端側とする。またZ方向をアコーディオンドア10の吊り下げ方向(上下方向)とし、Z1側は上側、Z2側は下側とする。またY方向はX方向およびY方向に直交する方向とし、Y1側は図1における紙面上方側、Y2側はそれとは逆側とする。
<アコーディオンドア10の構成について>
図1は、アコーディオンドア10の全体構成を示す側面図である。図2は、アコーディオンドア10の平面図であり、図3は、アコーディオンドア10の正面図である。図1〜図3に示すように、アコーディオンドア10は、取付フレーム20と、レール部材30と、ガイド部材40と、移動框80と、固定框90と、ドア本体100と、ジョイント部材120と、ストッパ部材130と、滑車ユニット180とを主要な構成要素としている。
取付フレーム20は、図1においてX1側に位置し、上下方向(Z方向)に立設しているフレーム部材である。取付フレーム20は、後述する上部ガイド部材を介してレール部材30を取り付けている。また、取付フレーム20は、後述する移動框80のX1側の端面が衝突する部分となっている。また、取付フレーム20の内部では、錘コードC3が垂れ下がり、その錘コードC3の下端側には、加力手段としての錘部材21が連結されている。錘部材21は、後述するドア本体100が自動的に閉じるだけの質量を有している。
レール部材30は、長尺状の部材であり、長手の延伸方向は、図1および図2に示すようにX方向となっている。図4は、レール部材30の断面図である。図5は、ハンガーレール31の断面図であり、図6は、紐受部材32の断面図である。図7は、レール部材30の内部における操作コードC1の位置を示す正面断面図である。図4に示すように、レール部材30は、ハンガーレール31と、紐受部材32とを備えている。
図4および図6に示すように、ハンガーレール31は、下端側が開口している筒状の部材であり、その上端面31aが天井側に取り付けられる。ハンガーレール31のそれぞれの側壁311の下方側からは、一対の底壁部312が互いに近づく向きに延伸していて、その一対の底壁部312の間には、下端開口部313が設けられている。この下端開口部313からは、ランナー70の基台部71が下方に向かって突出する。
なお、図4および図5に示すように、底壁部312は、下方に向かい傾斜する略V字形状の部分があり、その略V字状の低い部位にランナー70の車輪72が位置し、車輪72の位置決めを行っている。また、底壁部312の下端開口部313に面する部分は、高さ方向の寸法を確保するために、先割れ形状のガイド部312aとなっていて、ランナー70の基台部71のガイド性を向上させている。
ハンガーレール31には、一対の内部フランジ314が設けられている。一対の内部フランジ314は、側壁311の中央よりも若干上方の部位において、互いに近接する向きに突出している。一対の内部フランジ314の間には、連通開口部315が設けられている。連通開口部315には、図4および図6に示す紐受部材32が取り付けられる。紐受部材32は、弛み防止部材に対応する。
また、紐受部材32は、ハンガーレール31の長手方向において、連通開口部315を塞ぐように所定の間隔毎に取り付けられている。そのため、紐受部材32が取り付けられていない部位では、連通開口部315は開口した状態となっている。なお、それぞれの内部フランジ314には、上方に向かい突出する突起部314aがあり、かかる一対の突起部314aによって、後述するストッパ部材130のケース140の幅方向(Y方向)における位置決めを可能としている。
紐受部材32は、図4に示すように連通開口部315に取り付けられ、操作コードC1等が下方に垂れ下がるのを受け止める部分である。紐受部材32は、プレート部321を備え、そのプレート部321の幅方向(Y方向)の両端側よりも若干中央寄りの部位からは下方に向かう一対の脚部322が突出している。そのため、プレート部321には、脚部322よりも中央から離間する側に突出する突出先端部321aが設けられている。また、脚部322は、内部フランジ314の厚みに対応する程度に設けられている。
また、紐受部材32には、一対の取付フランジ323が設けられている。取付フランジ323は、脚部322の下方側端部から延出し、その延出方向は、互いに離間する向き(Y方向)となっている。取付フランジ323は、内部フランジ314の下面に当接する部分である。一方、突出先端部321aは、内部フランジ314の上面に当接する。そのため、紐受部材32は、突出先端部321a、脚部322および取付フランジ323とによって、スナップフィット機構を構成し、内部フランジ314の先端部分に取り付けられる。
また、レール部材30の内部空間は、紐受部材32によって2つに分割されている。その内部空間のうち紐受部材32よりも上方側の上方空間部S1には、操作コードC1と、後述する第1滑車182よりも操作コードC1側の牽引コードC2が位置する。一方、内部空間のうち紐受部材32よりも下方側の下方空間部S2には、後述するランナー70の車輪72等が位置すると共に、第2滑車182よりも錘部材21側の牽引コードC2が位置する。
ここで、上方空間部S1では、操作コードC1は図7に示すように位置している。すなわち、後述する操作用プーリPL1よりもレール部材30側では、通常の使用状態では、操作コードC1にはテンションが作用し、紐受部材32側には垂れ下がらないように設けられている。すなわち、図7に示すように、操作コードC1は、紐受部材32や内部フランジ314に接触しないように設けられている。加えて、幅方向(Y方向)で隣り合う2つの操作コードC1の間隔は、操作用プーリPL1側では最も広く設けられていて、後述するストッパ部材130側では最も狭く設けられている。
続いて、レール部材30のX1側の端部および取付フレーム20の上端側に取り付けられるガイド部材40について説明する。図8は、ガイド部材40の構成を示す底面図である。図9は、ガイド部材40を構成する内側ケース41の構成を示す平面図である。図10は、ガイド部材40を構成する外側ケース42の構成を示す平面図である。図11は、ガイド部材40のレール部材30に対する取付部位付近を拡大して示す平面図である。図1〜図3および図8に示すように、上述したレール部材30を取付フレーム20に取り付けるために、取付フレーム20の上端には、ガイド部材40が取り付けられている。
図8に示すガイド部材40は、図9に示すような内側ケース41と、図10に示すような外側ケース42と、操作用プーリPL1と、錘用プーリPL2とを有している。内側ケース41と外側ケース42とは、互いに取付固定される。内側ケース41は、ガイド部材40のうち、レール部材30側(X2側)に位置するケースであり、外側ケース42は、レール部材30から離れる外側(X1側)に位置するケースである。
ガイド部材40は、後述する操作用プーリPL1、錘用プーリPL2、ガイドポール60等とともに、ガイド手段を構成する。
なお、図8に示すように、内側ケース41の内側の端面からは、レール部材30への差し込みをガイドするための差込ガイド部411が突出して設けられている。
図9および図10に示すように、内側ケース41と外側ケース42とには、操作コード用通路43と、錘コード用通路44とが設けられている。操作コード用通路43は、錘コード用通路44を挟んで一対設けられている。また、錘コード用通路44は、上下方向(Z方向)に延伸しているが、操作コード用通路43は、上方に向かうにつれて錘コード用通路44に近づくように上下方向に対して傾斜している。なお、以下の説明では、操作コード用通路43と錘コード用通路44に関しては、内側ケース41と外側ケース42とで、共通の符号を用いて説明する。
それぞれの操作コード用通路43には、操作用プーリPL1(図11参照;案内部材および第1回転部材に対応)が取り付けられるプーリ取付部431が設けられている。プーリ取付部431は、プーリ用溝部432と、そのプーリ用溝部432の幅方向に連続する軸支部433とを有している。プーリ用溝部432は、操作用プーリPL1のプーリ部分が接触することなく位置する部分であり、軸支部433は、操作用プーリPL1の軸部を当接状態で支持する部分である。
同様に、錘コード用通路44にも、プーリ取付部441が存在していて、そのプーリ取付部441には、プーリ用溝部442と、そのプーリ用溝部442の幅方向に連続する軸支部443とが設けられ、そのプーリ用溝部442では錘用プーリPL2のプーリ部分が接触することなく位置する。また軸支部443では、錘用プーリPL2の軸部が当接状態で支持される。なお、内側ケース41のプーリ用溝部431は、レール部材30側に連通する貫通孔となっている。
なお、外側ケース42のうち、操作コード用通路43と錘コード用通路44とが窪んでいる側の端面42aには、第1軸支部45および第2軸支部46が突出して設けられている。第1軸支部45は、内側ケース41の軸支部433において操作用プーリPL1の軸部に当接する。また、第2軸支部46は、内側ケース41の軸支部443において錘用プーリPL2の軸部に当接する。ここで、図11に示すように、錘用プーリPL2は、操作用プーリPL1よりもレール部材30側(X2側)に位置するため、第2軸支部46は、第1軸支部45よりも突出して設けられている。
また、内側ケース41には、操作コード挿通孔47が設けられている。操作コード挿通孔47は、操作コード用通路43と連通しているが、錘コード用通路44とは連通していない。一方、内側ケース41の錘コード用通路44におけるプーリ用溝部442は、レール部材30側に連通している貫通孔となっている。そのため、操作コード挿通孔47には、錘コードC3は位置しない状態を実現でき、さらに操作コード挿通孔47では、操作コードC1を錘コードC3よりも上方に位置させることが可能となっている。
操作コード用通路43の下方側には、ポール支持部434が設けられている。ポール支持部434は、ガイドポール60を支持するための部分である。かかる支持を行うべく、ポール支持部434には、バネ係止部材50が嵌め込まれる。図12は、バネ係止部材50の構成を示す平面図である。図13は、バネ係止部材50の構成を示す側面図である。図12および図13に示すように、バネ係止部材50は、円筒状の筒状部51と矩形のプレート状のフランジ部52が設けられていて、フランジ部52の縦横の寸法は、筒状部51よりも大きく設けられている。また、図9および図10に示すように、ポール支持部434には、筒状部51に対応する筒状溝部435と、フランジ部52に対応する大径溝部436とが設けられている。
また、筒状部51には、バネ係止部53が設けられている。バネ係止部53は、筒状部51の外周面から径方向の外周側に突出し、その外周の所定の部位のみに2つ設けられている。しかも、バネ係止部53は、周方向に進行するにつれて高さの異なる螺旋状に設けられている。それにより、後述する付勢バネ55の取り付けを容易としている。なお、バネ係止部53と筒状溝部435との間の隙間は、付勢バネ55が通過できない程度となっている。それにより、付勢バネ55の一端側はフランジ部52とバネ係止部53との間で支持される。
図14は、バネ係止部材50に取り付けられる弾性部材としての付勢バネ55と、ガイドポール60を示す部分的な側断面図である。既に述べたように、付勢バネ55の他端側には、ガイドポール60が取り付けられている。なお、図3に示すように、ガイドポール60は、Y1側とY2側のそれぞれに設けられていて、ドア本体100の内側と外側のそれぞれから、ドア本体100の開閉を可能としている。
ガイドポール60は、操作コードC1を挿通させる挿通孔61を備える長尺の筒状部材である。このガイドポール60は、保持手段および筒状部材に対応する。図14に示すように、バネ係止部材50が上下方向から傾斜するように取り付けられているため、ガイドポール60は、上方から下方に向かうにつれて、徐々にドア本体や移動框80から離間するように設けられている。そのため、ガイドポール60の他端側(下端側)からは、ドア本体100や移動框80から十分離れた状態で操作コードC1が導出されている。
ここで、操作コードC1のうち、ガイドポール60の挿通孔61の下端から導出される側は、グリップ部材62の内部に挿入され、そのグリップ部材62の内部から抜けないように締結される。グリップ部材62の内部には、操作コードC1が安定的に垂れ下がるための操作側錘が配置されている(図示省略)。なお、この操作側錘は、錘部材21よりも十分に軽く設けられている。
上述したレール部材30には、図1に示すようなランナー70が移動可能に支持されている。ランナー70は、吊下部材73のフック部(図示省略)を介してドア本体100を吊り下げる部材である。ランナー70には、中間ランナー70Aと先頭ランナー70Bとが設けられている。中間ランナー70Aは、基台部71を備え、その基台部71には不図示の車軸を介して一対の車輪72が回転自在に支持されている。なお、基台部71は、下方空間部S2、下端開口部313およびそれよりも下方側に跨って存在している。また、基台部71には下方に向かい吊下部材73が吊り下げられている。
先頭ランナー70Bも基台部71B、車輪72を有しているが、基台部71Bは、基台部71とは異なる形状に設けられている。基台部71Bの構成を示す平面図である。この図8に示すように、基台部71Bには、アダプタ74が一体的に設けられている。アダプタ74には、牽引コードC2や錘コードC3を挿通させるための孔部が設けられている。それにより、アダプタ74のX2側の壁部74aには牽引コードC2が固定され、X1側の壁部74bには、錘コードC3が固定される。なお、錘コードC3は、後述する錘用プーリPL2を介して下方に向かうように転向させられる。そして、錘コードC3は、取付フレーム20の内部で下方側に垂れ下がり、その下端部には錘部材21が連結される。
また、図1に示すように、先頭ランナー70Bも吊下部材73Bを備えているが、その吊下部材73Bには、アタッチ部材75が吊り下げられている。アタッチ部材75には、段付きに折り曲げられていて、そのアタッチ部材75のX1側には移動框80に固定される固定部75aが上下方向に沿うように設けられている。また、アタッチ部材75のX2側からは上方に向かうように案内バー75bが突出している。案内バー75bは、上述した下端開口部313に差し込まれる部分であり、それによって固定部75aに固定される移動框80やドア本体100がスライドする際に、それらの回動が抑えられる。
図1等に示すように、アコーディオンドア10のX1側の端部には、移動框80が取り付けられている。移動框80は、上下方向に延伸しているフレーム状の部材であり、ドア本体100のX1側の端部を覆うように略U字形状(略コ字形状)に設けられている。移動框80の上端側では先頭ランナー70Bのアタッチ部材75に固定されている。そのため、X1側に移動框80が移動した際には、上述した取付フレーム20に対して、X1側の端面が当接する。それにより、ドア本体100が閉じ状態となる。また、移動框80には、伸縮機構110のX1側の端部も取り付けられ、さらには固定部材192を介して牽引コードC2の他端側も取り付けられているが、それらは、外観上見えないように移動框80で隠されている。
また、アコーディオンドア10のX2側の端部には、固定框90が設けられている。固定框90は、X2側の壁面に固定されていて、移動しないように設けられている。なお、固定框90もドア本体100のX1側の端部を覆うように略U字形状(略コ字形状)に設けられている。
次に、ドア本体100について説明する。ドア本体100は、伸縮機構110と、ドア表皮材120とを有している。伸縮機構110は、その一端部(X1側の端部)が移動框80に固定され、その他端部(X2側の端部)が固定框90に固定されている。図1および図2に示すように、伸縮機構110は、リンク片111を備え、そのリンク片111の端部が幅方向外側の支軸112および幅方向中央側の連結軸113を介して回動可能に取り付けられている。なお、連結軸113は、たとえば1つおきの間隔で、ランナー70の吊下部材73に吊り下げられている。また、伸縮機構110は、上下方向にたとえば3セット設けられているが、アコーディオンドア10においては、伸縮機構110を設ける個数は、2つ以上であれば幾つであっても良い。
上述のリンク片111の外側には、ドア表皮材114が取り付けられている。このドア表皮材114は、平面状の布状部材や皮状部材となっている。ドア表皮材114は、伸縮機構110や牽引コードC2等を覆い、これらが外部から見えないようにしている。
次に、操作コードC1、牽引コードC2およびジョイント部材120およびストッパ部材130について説明する。操作コードC1は、紐状の部材であり、その一端側の末端は、上述のようにグリップ部材62の内部に取り付けられている。グリップ部材62側から操作コードC1に沿って進行すると、操作コードC1は、ガイドポール60の挿通孔61を通り、操作コード用通路43を通り、その操作コード用通路43で操作用プーリPL1によってレール部材30に向かうように向きを転向させられる。
そして、操作コードC1は、操作コード挿通孔47を通って、レール部材30の上方空間部S1を通る。なお、ドア本体100の内側と外側とのそれぞれに、操作コードC1は導出されている。そのため、2本の操作コードC1は、同じ上方空間部S1を通るが、Y方向のいずれか近い側の操作コード用通路43への導出のために、幅方向の中央を通らずに、いずれか一方に偏っている。
図15は、ジョイント部材120、ストッパ部材130および滑車ユニット180の配置を透過的に示す側面図である。図15に示すように、操作コードC1に沿ってX2側に進行すると、当該操作コードC1は、その他端側でジョイント部材120のX1側の第1連結部(図示省略)に連結されている。なお、第1連結部には、2本の操作コードC1が連結されることになる。
また、ジョイント部材120のX2側には、第2連結部(図示省略)が設けられていて、その第2連結部には牽引コードC2が連結されている。図15から明らかなように、牽引コードC2は、操作コードC1よりも直径が小さく設けられている。すなわち、操作コードC1は、ユーザの操作に係るものであるため、その直径は大きく設けられているが、牽引コードC2は、ユーザの操作の必要がない。加えて、牽引コードC2は、後述するストッパ部材130を通過する。そのため、牽引コードC2の直径は、操作コードC1の直径よりも小さく設けられている。なお、本実施の形態では、牽引コードC2も2本設けられていて、それぞれの牽引コードC2が第2連結部に連結されている。
次に、ストッパ部材130について説明する。図15に示すように、レール部材30には、ストッパ部材130が取り付けられている。図1に示すように、ストッパ部材130は、レール部材30のうち、ハンガーレール31の上端面31aを切り欠いた切欠部31bに取り付けられている。この切欠部31bの位置は、X2側の端部側に設けられている。また、ストッパ部材130は、ジョイント部材120よりもX2側の端部側に設けられている。
図16は、ストッパ部材130の構成を示す側断面図であり、(A)はストッパカム170が牽引コードC2を噛んでいない状態を示し、(B)はストッパカム170が牽引コードC2を噛んでいる状態を示している。図17は、ストッパ部材130を構成する台車150、押圧部材160およびストッパカム170を示す分解斜視図である。
このストッパ部材130は、次のような動作を実現可能としている。すなわち、ストッパ部材130の内部を通る牽引コードC2がX2側に移動するのを阻止し、錘部材21の重量によって自動的にドア本体100が閉じるのを阻止するロック状態を実現可能としている。また、ロック状態から牽引コードC2を若干X1側に戻すことにより、ロック状態が解除される。それにより、錘部材21の重量によって自動的にドア本体100が閉じる状態となる。
このような動作を実現するため、ストッパ部材130は、ケース140を備えていて、そのケース140の内部には、台車150がX方向に移動可能に支持されている。この台車150の上部には、後述する押圧部材160との間で牽引コードC2を挿通させる挿通部151が形成されている。図16および図17に示す構成では、挿通部151は、平板状に設けられている。また、牽引コードC2に沿ってX1側に向かうと、ケース140のX1側の端部には、滑車141が回転可能に支持されている。
また、台車150には、押圧部材160が取り付けられている。押圧部材160は、挿通部151と対向して設けられ、その挿通部151との間で牽引コードC2を挟持する部材である。この押圧部材160は、弾性を有する金属プレートから形成されていて、平板状の上面部161の幅方向の両端側は下方に向かうように折り曲げられた側面部162となっている。その側面部162には、切欠部162aが設けられていて、その切欠部162aには台車150の側面部152のX1側かつ上方側のフック部153が嵌め込まれる。それにより、押圧部材160は、台車150に対して相対的に移動しない状態となっている。
また、上面部161には湾曲部163が連続していて、その湾曲部163には、押圧部164が連続している。湾曲部163は、上面部161のX2側の端部で湾曲するように折り曲げられている部分である。押圧部164は、X2側の湾曲部163からX1側に向かう部分である。なお、押圧部164のX1側の端部は、上方に向かうように折り曲げられている。
押圧部164は、挿通部151上に位置する牽引コードC2を付勢力を有する状態で押圧している。そのため、押圧部164と牽引コードC2との間には、所定の摩擦力が作用する。それにより、ケース140内で牽引コードC2が移動すると、その移動には、押圧部材160と台車150とが伴う状態となっている。しかし、牽引コードC2が移動する状態で、ケース140内で台車150の移動が阻止されると、押圧部材160の移動も阻止される。この場合、牽引コードC2は、押圧部164に対し所定の摩擦力にて摺動する。
図17に示すように、台車150の側面部152のX2側には、横長孔154aと縦長孔154bとが設けられている。横長孔154aは、その長手がX方向に沿っていて、縦長孔154bは、その長手が上下方向に沿っている。なお、横長孔154aの幅は、縦長孔154bの幅よりも大きく設けられている。横長孔154aには、ストッパカム170の基軸171が挿入される。基軸171は、横長孔154a内を移動するため、上下方向の移動は規制されるが、X方向の移動は、横長孔154a内であれば規制されない状態となっている。一方、縦長孔154bには、ストッパカム170の係合軸172が挿入される。係合軸172は、縦長孔154b内を移動可能となっている。したがって、基軸171と係合軸172の距離は一定であるため、横長孔154a内の基軸171の位置に応じて、縦長孔154b内の係合軸172の位置が定まり、それによってストッパカム170の傾倒度合いが定まる。
図17に示すように、ストッパカム170は、それぞれの側面の下方に基軸171を備えていて、その基軸171は上述した横長孔154aに挿入される。また、ストッパカム170の下方側からは、さらに下方に向かうように舌片173が突出していて、その舌片173はケース140の底面側を切り欠いて形成された当接部140aに当接する。
ストッパカム170のうち、基軸171および舌片173から離間する外周側には、歯車状の噛合部174が設けられている。この噛合部174は、ケース140の対向片142と対向して設けられている。ここで、噛合部174は、X2側が基軸171に最も近く、そこからX1側に向かうにつれて基軸171から遠くなるように設けられている。そのため、図16(A)に示す状態では、噛合部174と対向片142との間には、牽引コードC2を挿通させるのに十分な隙間が存在している。しかし、図16(B)に示す状態では、噛合部174と対向片との間の隙間が狭くなる。このとき、噛合部174は、牽引コードC2を噛んで、その牽引コードC2がX2側に移動するのを阻止する。
また、ストッパカム170のそれぞれの側面には、係合軸172が設けられていて、その係合軸172は、側面のうち噛合部174およびX2側に近接する部位に設けられている。この係合軸172は、上述した縦長孔154bに挿入される。
ところで、ケース140には、保持片143が設けられている。保持片143は、ケース140側において基軸171に当接する部分であり、基軸171のX1側への移動は許容するもののX2側への移動は阻止する部材である。したがって、図16(A)に示すような基軸171が横長孔154aのX2側の端部に位置する状態において、台車150がX2側に向かい移動すると、ストッパカム170は、暫くは台車150と共に移動する。そして、基軸171が保持片143に保持されると、台車150はX2側に移動できる状態でも、ストッパカム170のそれ以上のX2側への移動が阻止される。そのため、基軸171は横長孔154aのX1側に向かって移動する。
上述のように基軸171が横長孔154a内で移動すると、その基軸171に対して一定の距離を隔てている係合軸172も縦長孔154b内で移動する。このとき、係合軸172は、縦長孔154b内を上方に向かって移動するが、その際には台車150がX2側へ移動する。そのため、図16(B)に示すように、ストッパカム170の噛合部174は、対向片143に接近し、牽引コードC2を挟持する。
また、ケース140と台車150との間には、カム軸144と案内溝155から構成されるカム機構CMが設けられている。カム軸144は、ケース140の軸取付部145に取り付けられ、上方に向かい突出している。カム軸144は、ケース140の幅方向(Y方向)への移動は許容するものの、長手方向(X方向)への移動は許容しない状態となっている。また、案内溝155は、台車150の挿通部151の下面側に形成され、カム軸144が入り込む位置に設けられている。
図18は、案内溝155におけるカム軸144の位置を示す平面図である。図18に示すように、案内溝155は台車150の移動にともなって、カム軸144を第1位置P1から第4位置P4の順に移動させ、それら位置P1〜P4のいずれの位置でも、案内溝155はカム軸144を保持可能となっている。
ここで、牽引コードC2が噛合部174と対向片143との間で挟持されている状態では、牽引コードC2のX2側に向かう移動は阻止され、ドア本体100が閉じるのが規制されている。このとき、カム軸144は第一の位置P1に位置している。
このP1にカム軸144が位置する状態から、牽引コードC2をX1側に向けて僅かに引き出す。そして、フリーの状態として、錘部材21の重量によって、台車150は牽引コードC2の移動方向と同方向に移動し、その移動に基づいて、カム軸144は第1位置P1から第2位置P2を経て、第3位置P3にまで達する。このとき、ストッパカム170の噛合部174は、対向片143との間で牽引コードC2を挟持していない。そのため、ドア本体100は、閉じ状態まで自動的に移動する。
そして、完全に閉じ状態となった後に、操作コードC1を引いて、再びドア本体100を開く方向に移動させる場合、その動作に伴って、牽引コードC1はX1側に移動させられる。そのとき、台車150は牽引コードC2の移動方向と同じくX1側に向かい移動し、その移動に基づいて、カム軸144は第3位置P3から第4位置P4に移動する。このとき、台車150はケース140のX1側の端部に位置する。また、ストッパカム170の噛合部174は、対向片143との間で牽引コードC2の挟持を解除している。そのため、ドア本体100を所望の位置まで開くことが可能である。
そして、ドア本体100を所望の位置まで開いた後に、操作コードC1から手を離すと、錘部材21の重量によって、牽引コードC2とともに台車150がX2側に移動させられる。すると、図16に示すように、ストッパカム170の噛合部174が対向片143に近付くように回動し、噛合部174と対向片143との間で牽引コードC1を挟持する。それにより、X2側に向かう牽引コードC2の移動が阻止され、ドア本体100が閉じようとするのが規制される。このとき、カム軸144は第4位置P4から第一の位置P1に移動する。
次に、滑車ユニット180について説明する。図1に示すように、滑車ユニット180は、取付ケース181と、第1滑車182と、第2滑車183とを備えている。図19は、取付ケース181の底面図であり、図20は、取付ケース181の側断面図である。取付ケース181は、一対の側壁部181aを備え、それぞれの側壁部181aには、X方向に並ぶ軸孔181bが設けられている。そして、それぞれの軸孔181bに第1滑車182の不図示の軸部と、第2滑車183の不図示の軸部が挿入されることで、取付ケース181に対して第1滑車182と第2滑車183とが回転自在に支持されている。
また、取付ケース181のX2側の端部には、一対の側壁部181aをつなぐ連結部181cが設けられていて、この連結部181cには取付孔181dが設けられている。取付孔181dには、ネジ等の締結手段を捻じ込まれる。それにより、滑車ユニット180はハンガーレール31の上端面31aに、ネジ等の締結手段によって固定される。なお、取付ケース181には、この他、X方向に並ぶ軸孔181bの間に、連結部181eが設けられていて、取付ケース181の強度を向上させている。
なお、図1および図11に示すように、牽引コードC2に沿ってストッパ部材130を通過して更に、X1側からX2側に進行すると、第1滑車182では、一方の牽引コードC1は、X1側に向けて折り返されて、下方空間部S2へと導かれ、先頭ランナー70Bに至る。この第1滑車182は、第2滑車183よりもX2側に位置している。
同じく、他方の牽引コードC2に沿ってストッパ部材130を通過して更に、X1側からX2側に進行すると、第2滑車183では、他方の牽引コードC1は、下方側に向けて折り返され、端部側のドア本体100の内部を下方に向かって進行する。このとき、牽引コードC2は、ドア本体100を全開とした場合でも、ドア表皮材114と干渉しない位置に設けられている。
そして、所定だけ下方に進行した牽引コードC2は、図1に示すように、下方滑車190によってX1側に向かうように、転向させられる。下方滑車190は、取付部材191を介して固定框90に固定されているが、取付部材191は、X1側に向かい突出している。それにより、下方滑車190は第2滑車183のほぼ直下に位置している。そして、ドア本体100の内部をX1側に向かって進行すると、固定部材192に至る。固定部材192は、牽引コードC2の他端を締結等によって固定する部材であり、移動框80に固定されている。
<動作について>
以上のような構成のアコーディオンドア10の動作について、以下に説明する。ただし、ストッパ部材130の動作については、既に説明しているので、それ以外の動作について主として説明する。
図21は、アコーディオンドア10の閉じ状態を示す図であり、(a)は閉じ状態の平面図、(b)は閉じ状態の側面図、(c)は閉じ状態の正面図を示している。図22は、アコーディオンドア10の開放状態を示す図であり、(a)は開放状態の平面図、(b)は開放状態の側面図、(c)は開放状態の正面図を示している。図23は、ドア本体100を閉じ状態から開放状態へと移動させる場合のガイドポール60や操作コードC1等が傾斜するイメージを示す側面図である。
アコーディオンドア10は、図21に示すような閉じ状態を維持可能となっている。かかる閉じ状態では、取付フレーム20に移動框80が当接した状態となっている。加えて、閉じ状態では、錘部材21の重量により、錘コードC3、牽引コードC2および操作コードC1を介して、グリップ部材62は、上方に引き上げられた状態となっている。この状態から、グリップ部材62を把持して、図23に示すようにグリップ部材62を下方に向けて引き下げると、操作コードC1は、ガイド部材40内の操作用プーリPL1にガイドされつつ、操作コード用通路43を通って引き出される。それにより、図22に示すように、操作コードC1の引き出し長さが長くなる。
また、操作コードC1は、上方空間部S1内では、ジョイント部材120を介して牽引コードC2に連結されている。そのため、移動框80は、牽引コードC2を介して、錘部材21の重量に抗しながら、X2側に向かって移動させられる。
このとき、上方側の牽引コードC2のみならず、下方側の牽引コードC2も、移動框80を引っ張るので、移動框80は、上下方向から大きく傾かず、バランスの良い状態で、移動させられる。
また、ガイドポール60により、グリップ部材62は、ドア本体100から離れる位置に位置している。それにより、車いす等に座ったままでも、グリップ部材62を把持できる状態となっている。また、グリップ部材62から手を離すと自動的に離れた位置に復帰するが、この復帰においては、ガイドポール60の存在によって、操作コードC1の導出部位は、ドア本体100から離れた位置となっている。そのため、ドア本体100が多少揺れても、グリップ部材62がドア本体100に挟まり難い状態となっている。
なお、操作コードC1を引いている状態から手を離すと、上述のようにストッパ部材130の作動により、牽引コードC2のX2側に向かう移動がロックされ(停止状態となり)、ドア本体100の開き具合を所望の位置で維持可能となっている。この停止状態から、少しグリップ部材62を下方に引っ張った後に、グリップ部材62から手を離すと、操作コードC2はX1側に移動させられ、カム機構CMの作動によってストッパカム170の噛合部174が牽引コードC2を挟持するのが阻止される。それにより、牽引コードC2はX2側に移動し、ドア本体100を閉じる(停止状態からドア本体100の移動を許容する許容状態とする)ことが可能となる。
この許容状態では、錘部材21による荷重の作用によって、取付フレーム20に移動框80が当接するまで自動的に閉鎖される。上述した停止状態から許容状態への選択操作は、操作者がアコーディオンドア10を通過して反対側に移動し、もう一方のグリップ部材62を操作することにより行うことができる。
ここで、アコーディオンドア10を通過する前に、最初に操作したグリップ部材62が遊動している場合がある。この場合において、アコーディオンドア10を通過した後にドア本体100が閉じる場合でも、付勢バネ55によってガイドポール60の位置は、ドア本体100から離れた初期位置に復帰し、操作コードC1も、ドア本体100から離れた位置において遊動している。そのため、グリップ部材62は、取付フレーム20と移動框80との間に挟まれ難い。
この点は、アコーディオンドア10を通過した反対側において、ドア本体100を閉じるために停止状態から許容状態へと切り替えるために操作されるグリップ部材62においても同様である。すなわち、反対側の(後に操作される)グリップ部材62が遊動していても、上述と同様に、操作コードC1およびグリップ部材62は、ドア本体100から離れた位置に位置するため、グリップ部材62は、取付フレーム20と移動框80との間に挟まれ難くなる。
また、ドア本体100を閉じる動作の途中で、そのドア本体100を停止させたいときは、ドア本体100の一方側または他方側のいずれかの操作コードC1を引くようにする。すると、ストッパ部材130のカム機構CMの作動によって、ドア本体100の移動が許容される許容状態から停止状態へと切り替えられ、移動框80の閉鎖方向への向かう移動を停止させることができ、しかもその停止状態をストッパ部材130によって維持させることができる。
また、ドア本体100が移動框80に当接している全閉状態では、ストッパ部材130は、ドア本体100の移動を許容する許容状態となっている。このため、グリップ部材62を把持して、操作コードC1を引くように操作を行い、その後に所望の位置で手を離すだけで、ドア本体100を所望する位置に停止させることができる。
以上のような構成のアコーディオンドア10によると、レール部材30の一端側(X1側)には、操作コードC1をガイドする操作用プーリPL1を備えるガイド部材40が設けられていて、このガイド部材40によって、操作コードC1は、ドア本体100を挟んだ内側と外側とにそれぞれ操作コードC1をガイド可能としている。このため、操作コードC1が外部に引き出されたり(導出されたり)、逆に操作コードC1が送り込まれる(導入される)場合には、操作用プーリPL1が回転して、操作コードC1の導入および導出を直接ガイドする。そのため、ギヤやモーメントが作用するシャフトを介して操作する場合と比較して、操作感がダイレクトとなり、操作性を向上させることが可能となる。
また、ガイド部材40は、レール部材30の内部には配置されず、レール部材30の外部に配置されている。そのため、レール部材30(ハンガーレール31)の内部に操作用プーリPL1を配置せずに済み、レール部材30(ハンガーレール31)の大型化を防ぐことが可能となる。
また、本実施の形態では、操作コードC1を案内する案内部材として、操作用プーリPL1を用いている。このため、操作用プーリPL1の回転によって、操作コードC1をスムーズに、引き込んだり、引き出したりすることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、操作用プーリPL1は、その溝部が描く円周は上下方向(Z方向)に傾斜し、かつ上方に向かうにつれて互いの間隔が狭まる配置に設けられている。そのため、操作コードC1を、アコーディオンドア10の幅方向(Y方向)の中央から良好に離すように導くことが可能となる。
また、本実施の形態では、操作コードC1の下端部には、グリップ部材62が取り付けられている。そして、グリップ部材62は、ドア本体100を挟んだ内側または外側のいずれか一方の操作コードC1が引き出される場合、他方側の操作コードC1にテンションを与える程度の重量を備えている。このため、いずれか一方の操作コードC1を引いた場合でも、他方の操作コードC1を連動させることが可能となる。それにより、操作コードC1がレール部材30の上方空間部S1でたるむのを防止可能となる。
さらに、本実施の形態では、ドア本体100には、錘部材21によって、移動框80が閉じ方向に移動する力が与えられている。このため、錘部材21の自重によって移動框80を閉じ方向に移動させることができ、ドア本体100を容易に閉じることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、操作コードC1には、移動框80に一端側が連結される牽引コードC2が操作コードC1とは別体的に設けられ、その牽引コードC2の他端側にはジョイント部材120を介して操作コードC1の一端側が連結されている。また、操作コードC1は、牽引コードC2よりも直径が大きく設けられている。このため、ストッパ部材130には直径の小さな牽引コードC2を挿通させることができ、ストッパ部材130の小型化を図ることが可能となる。一方、操作コードC1の直径を大きくすることが可能となり、それによって操作性を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、アコーディオンドア100は、ストッパ部材130を備えている。このため、所望の位置まで開いたドア本体100の開き状態を維持可能となる。また、ドア本体100を閉じたい場合には、一度、X1側に牽引コードC2が移動するように、グリップ部材62を引けば良いので、ドア本体100を容易に閉じることも可能となる。
また、本実施の形態では、ドア本体100の畳み込み側には、第1滑車182と第2滑車183とを有する滑車ユニット180が設けられている。そのため、移動框80側からストッパ部材130に向かう牽引コードC2は、第1滑車182および第2滑車183によって延伸する向きを転向させられた後にストッパ部材130に導入される。それにより、牽引コードC2を良好にガイド可能となる。また、ドア本体100の畳み込み側に滑車ユニット180が設けられることで、牽引コードC2が外部から見えないようにすることが可能となる。
また、本実施の形態では、ドア本体100は、レール部材30に沿って移動可能なランナー70を介してレール部材30に吊り下げられている。加えて、ランナー70のうちドア本体100の引き出しの先頭側には、錘部材21を吊り下げる錘コードC3、および移動框80に一端側が連結される牽引コードC2を固定する固定部75aが設けられている。このため、操作コードC1および牽引コードC2を引き出したり、これらをレール部材30側に引き込むことで、移動框80を良好に移動させることが可能となる。それにより、ドア本体100の開閉動作を良好に実現可能となる。
さらに、本実施の形態では、ガイドポール60は、ドア本体100に直交する幅方向(Y方向)において、ドア本体100から離れた位置まで操作コードC1を保持して、端部側から操作コードC1を導出させている。このため、ドア本体100から操作コードC1を離すことが可能となる。それにより、操作コードC1がドア本体100よりも手前側に突出させることができ、たとえば車いす等に座ったままでも、グリップ部材62を把持可能となる。
また、本実施の形態では、ガイド部材40には、ガイドポール60の一端側が付勢バネ55を介して取り付けられ、ガイドポール60は、付勢バネ55の弾性力に抗しながらドア本体100に接離する方向に移動可能としている。そのため、付勢バネ55の弾性力によって、操作コードC1をドア本体100から離すことが可能となる。また、ガイドポール60から手を離すと、ガイドポール60を初期位置に自動的に復帰させることが可能となる。そのため、たとえば操作コードC1が揺れている状態で、ドア本体100を閉じる場合等に、閉動作に支障をきたすのを防止可能となる。
さらに、本実施の形態では、ガイドポール60は、付勢バネ55の存在によって、ドア本体100を移動させる際には、初期位置に対して傾斜可能となっている。このため、ドア本体100を移動させる際に、ガイドポール60を傾けることができ、操作性を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、レール部材30の内部には、操作コードC1を受け止めて操作コードC1が下方に弛むのを防止する紐受部材32が設けられている。そのため、レール部材30の内部で、操作コードC1が弛むのが防止可能となり、ランナー70の移動の際に、操作コードC1が巻き込まれる等するのを防止可能となる。
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、2本の操作コードC1と、2本の牽引コードC2とを用いて、移動框80を引っ張るように構成されている。しかしながら、操作コードC1と牽引コードC2とを統一したコード(このコードを操作コードとしても良い)を用いるようにしても良い。この場合、移動框80の上方側のみにコードを連結する場合には、2本のコードが必要であり、移動框80の上方側と、それよりも下方側にコードを連結する場合には、4本のコードが必要である。なお、4本以上のコードを用いるようにしても良い。
また、上述の実施の形態におけるガイド部材40に代えて、図24に示すような構成を用いるようにしても良い。図24に示す構成では、Y方向に操作コードC1を導出させるための操作用プーリPL1と、上下方向に操作コードC1を導出させるための操作用プーリPL2とが設けられている。なお、操作用プーリPL1,PL2は、天井面やアコーディオンドア10のいずれに取り付けられていても良い。このように構成しても、ドア本体100から操作コードC1を離間させることを可能としている。
また、上述の実施の形態では、保持手段としてのガイドポール60について説明している。しかしながら、保持手段としては、図25に示すような部材を用いても良い。図25では、保持手段としてガイドフレーム600が用いられている構成が示されている。このガイドフレーム600には、操作コードC1を挿通させる挿通孔601が設けられている。そして、挿通孔601の下端部から操作コードC1が引き出されることにより、ドア本体100から操作コードC1を離間させることを可能としている。
また、上述の実施の形態では、図1〜図3、図14に示すようなガイドポール60について説明している。しかしながら、ガイドポールとしては、たとえば図26に示すような形状のものとしても良い。図26は、ガイドポール60Bの形状を示す図であり、(A)はガイドポール60Bの側面における断面図、(B)はガイドポール60Bの正面における断面図を示している。図26(A)に示すように、ガイドポール60Bは、上述のガイドポール60と同様の挿通孔61を備え、その挿通孔61の下方側の出口611付近では、外部側に向かうにつれて孔の間隔(内壁同士の間隔)が広がるような形状(ラッパ形状;以下、このラッパ形状の出口をラッパ形状部612とする。)に設けられている。
また、図26(B)に示すように、ラッパ形状部612の存在により、内壁612aは、操作コードC1を引っ張る方向に対しては、なだらかに接触するように設けられている。このように、ガイドポール60Bはラッパ形状部612を有するため、操作コードC1の案内性を良好にすることが可能となる。
なお、操作コードC1が垂れ下がる場合においては、ラッパ形状部612を構成する内壁612aのうちのいずれかの部分は、操作コードC1に接触しても良いし、離れていても良い。また、操作コードC1が垂れ下がる場合においては、内壁612aのうち操作コードC1が接触する部分が鉛直方向に沿うものとしても良い。また、図26(A)におけるA−A線に沿った断面形状は、円形状であっても良く、楕円形状を含む長円形状であっても良く、その他の形状を採用しても良い。また、ラッパ形状部612は、図26(A)において、出口611の全体に形成されていても良いが、出口611のうち少なくとも網目状ハッチングを附している下方側の領域に形成されていれば良い。この場合、網目状ハッチングを附している領域よりも上方側は、どのような形状に形成されていても良い。
また、上述の実施の形態では、ストッパ部材130は、レール部材30に取り付けられる構成を採用している。しかしながら、ストッパ部材130は、固定框90側に取り付けられる構成を採用しても良い。この場合、上方側の牽引コードC2の位置を、上述の実施の形態の高さ位置より少し低くすればストッパ部材130を取り付けるスペースを確保可能である。また、このように構成しても、ドア本体100の開き状態を維持可能である。
また、上述の実施の形態では、移動框80は、長手方向(X方向)の一端側のみに存在する構成となっている。しかしながら、移動框80は、長手方向(X方向)の両端側に存在する構成としても良い。この場合、いずれか一方の移動框80が固定されていると見立てた場合、移動させると見立てた側の移動框80側のグリップ部材62から固定側の移動框80に至るまでの操作コードC1〜牽引コードC2等の経路を、2セット設けることが好ましい。このような構成とすれば、ドア本体100を両開きとすることができるが、その場合でも、優れた操作性を備えるものとすることが可能となる。なお、かかる両開き方式の場合でも、ストッパ部材130の配置は、ドア本体100が畳み込まれる側に配置することが可能となる。
また、上述の実施の形態では、ジョイント部材120を介して、操作コードC1と牽引コードC2とを接続している。しかしながら、かかるジョイント部材120を用いずに、操作コードC1と牽引コードC2とを結んだり、接合する構成を採用しても良い。
また、上述の実施の形態においては、間仕切り装置の一例として、アコーディオンドア10について説明している。しかしながら、間仕切り装置は、アコーディオンドア以外にも適用可能である。アコーディオンドア以外の間仕切り装置としては、たとえば、プリーツ網戸、移動框を有するプリーツ状間仕切り、複数パネルの連動が可能な間仕切り、折戸、引戸等があり、これら、またはそれ以外の間仕切り装置にも本発明を適用することは可能である。
また、上述の実施の形態では、ガイド部材40内で操作コードC1をガイドする案内部材として、操作用プーリPL1を用いている。しかしながら、回転する操作用プーリPL1を用いずに、回転せずに表面で操作コードC1を滑らせるような案内部材を用いることとしても良い。このような案内部材としては、たとえば、摩擦の小さなナイロン等を材質として、湾曲状に形成する案内部材がある。
また、上述の実施の形態では、ガイド部材40は、レール部材30のX1側の端部に取り付けられている。しかしながら、ガイド部材40は、レール部材40には取り付けずに、固定框90の上端側や、天井面に取り付けるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、加力手段として、錘部材21を用いた場合の構成について説明している。しかしながら、加力手段は、錘部材21に限られるものではない。たとえば、ドア本体100を自動的に閉じ方向に付勢するバネ機構を加力手段としても良く、ドア本体100が閉じる向きにランナー70が移動するようなレール部材30の傾斜等を加力手段としても良い。