JP6516973B2 - 偏光板用粘着剤組成物、粘着剤層、粘着シートおよび粘着剤層付き偏光板 - Google Patents
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[1](A)(メタ)アクリル系ブロック共重合体と、(B)液状樹脂とを、前記(A)100質量部に対して前記(B)30質量部以上の範囲で含有することを特徴とする偏光板用粘着剤組成物。
[3](C)軟化点が60℃以上の樹脂をさらに含有する前記[1]または[2]記載の偏光板用粘着剤組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1項記載の偏光板用粘着剤組成物より形成された粘着剤層。
[7]偏光板と、前記偏光板の少なくとも一方の面に、前記[5]記載の粘着剤層とを有することを特徴とする粘着剤層付き偏光板。
本発明の偏光板用粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)と、液状樹脂(B)とを含有する。前記粘着剤組成物は、さらに軟化点が60℃以上の樹脂(C)を含有することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を含有する。このようなブロック共重合体を配合することにより、室温では加工特性がよく、高温・高湿熱環境下ではベンディング抑制に優れた粘着剤組成物を得ることができる。
式(A1):A−B
で表されるブロック構造を有する。Aは、メタクリル酸エステル重合体により構成されるブロックであり、Bは、アクリル酸エステル重合体により構成されるブロックである。
式(A2):A1−B−A2
で表されるブロック構造を有する。A1およびA2は、それぞれ独立にメタクリル酸エステル重合体により構成されるブロックであり、Bは、アクリル酸エステル重合体により構成されるブロックである。
Foxの式:1/Tg=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+…+(Wm/Tgm)
W1+W2+…+Wm=1
式中、Tgは重合体ブロックのガラス転移温度であり、Tg1,Tg2,…,Tgmは各モノマーからなるホモポリマーのガラス転移温度であり、W1,W2,…,Wmは各モノマー由来の構成単位の前記重合体ブロックにおける重量分率である。
それぞれの重合体ブロックを形成するメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルとしては、例えば、CH2=CR1−COOR2で表される化合物が挙げられる。前記式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数が通常1〜24、好ましくは1〜18のアルキル基、または炭素数が通常3〜24、好ましくは5〜18の飽和脂環式炭化水素基(例:単環式飽和炭化水素基、多環式飽和炭化水素基)である。
極性基含有モノマーとしては、例えば、水酸基含有モノマー、酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、窒素系複素環含有モノマー、シアノ基含有モノマーが挙げられる。
粘着剤組成物が架橋剤(D)を含有する場合、当該架橋剤(D)が有する架橋性官能基と反応することが可能な極性基を有する極性基含有モノマーを重合して、極性基含有モノマー由来の構成単位を重合体ブロックに導入してもよい。
その他のモノマーとしては、例えば、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、芳香環含有(メタ)アクリレート等の、その他の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウ化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン等のスチレン系単量体、酢酸ビニル等の共重合性モノマーを挙げることもできる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)において、各々の重合体ブロック100質量%中、その他のモノマー由来の構成単位の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は、公知の手法に準じた方法、例えば国際公開第2011/152514号パンフレット、国際公開第2008/065982号パンフレットに記載された方法により合成することができる。
液状樹脂(B)は、粘着剤層に応力緩和特性を与える成分である。本発明では、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)に液状樹脂(B)を特定量配合することで、得られる接着剤層の応力緩和特性が向上する。
軟化点が60℃以上の樹脂(C)(ただし、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)に該当する樹脂は除く)は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)との親和性が高く、凝集力と適度な応力緩和特性を与える成分である。特に、樹脂(C)は、トリブロック共重合体(A2)中の重合体ブロックA1およびA2との親和性が高い。凝集力は、樹脂(C)の軟化点が高いことに起因し、応力緩和特性は、樹脂(C)が架橋点を持たないため、高温下で適度な柔軟性を示すことによる。以下、樹脂(C)を「高軟化点樹脂(C)」ともいう。
本発明の粘着剤組成物は、粘着剤層の要求物性に応じて架橋剤(D)を含有してもよい。架橋剤(D)は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)中に含まれ得る、極性基含有モノマー由来の極性基と架橋反応を起こすことができる成分であれば特に限定されないが、例えば、イソシアネート化合物(D1)、金属キレート化合物(D2)、エポキシ化合物(D3)が挙げられる。
架橋剤(D)の中でも、金属キレート化合物(D2)を用いることが好ましい。(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)に対して、金属キレート化合物(D2)に基づく配位結合による疑似架橋を形成することが好ましい。
イソシアネート化合物(D1)としては、1分子中のイソシアネート基数が2以上のイソシアネート化合物が通常用いられる。イソシアネート化合物(D1)によりブロック共重合体(A)を架橋することで、架橋体(ネットワークポリマー)を形成することができる。
イソシアネート化合物(D1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
金属キレート化合物(D2)としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属に、アルコキシド、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物が挙げられる。これらの中でも、特にアルミキレート化合物(綜研化学社製M−12AT等)が好ましい。具体的には、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネートが挙げられる。
金属キレート化合物(D2)は、配位結合によりブロック共重合体(A)を架橋する(疑似架橋)。架橋剤(D)として金属キレート化合物(D2)を用いる場合、室温時には前記架橋が維持され、ポリマーが凝集性を発揮するのに対して、高温時には前記架橋が一部解かれ、粘着剤層がより優れた柔軟性を示す。
エポキシ化合物(D3)としては、1分子中のエポキシ基数が2以上のエポキシ化合物が通常用いられる。例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルアミノフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、m−N,N−ジグリシジルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリン、N,N'−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス[ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミン]が挙げられる。
本発明の偏光板用粘着剤組成物は、さらにシランカップリング剤(E)を含有することが好ましい。シランカップリング剤(E)は、粘着剤層をガラス板等の被着体に対して強固に接着させ、高湿熱環境下で剥がれを防止する点に寄与する。
本発明の偏光板用粘着剤組成物は、さらに帯電防止剤(F)を含有してもよい。帯電防止剤(F)は、例えば、本発明の偏光板用粘着剤組成物から形成される粘着剤層の表面抵抗値を低下させるために使用することができる。帯電防止剤(F)としては、例えば、界面活性剤、イオン性化合物、導電性ポリマーが挙げられる。
イオン性化合物を構成するカチオン部としては、無機系カチオンまたは有機系カチオンのいずれか一方であっても双方であってもよい。無機系カチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンが好ましく、帯電防止性が優れたLi+、Na+およびK+がより好ましい。有機系カチオンとしては、例えば、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウム系カチオン、ピロリンカチオン、ピロールカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
本発明の偏光板用粘着剤組成物における帯電防止剤(F)の含有量は、ブロック共重合体(A)100質量部に対して、通常3質量部以下、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.05〜2.5質量部である。
本発明の粘着剤組成物は、その塗布性を調製するため、有機溶媒(G)を含有することが好ましい。有機溶媒としては、ブロック共重合体(A)の欄で説明した重合溶媒が挙げられる。例えば、上記共重合で得られた、ブロック共重合体(A)および重合溶媒を含むポリマー溶液と、液状樹脂(B)とを混合して、粘着剤組成物を調製することができる。また、上記共重合で得られたブロック共重合体(A)を、ブロック共重合体(A)の欄で重合溶媒として例示した有機溶媒と混合して、ポリマー溶液を得てもよい。本発明の粘着剤組成物において、有機溶媒の含有量は、通常50〜90質量%、好ましくは60〜85質量%である。
本発明の粘着剤組成物は、上記成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、金属腐蝕防止剤、可塑剤、架橋促進剤およびリワーク剤から選択される1種または2種以上を含有してもよい。
本発明の偏光板用粘着剤組成物は、ブロック共重合体(A)と液状樹脂(B)と、必要に応じて他の成分とを、従来公知の方法により混合することで調製することができる。例えば、ブロック共重合体(A)を合成する際に得られた、当該ポリマーを含むポリマー溶液に、液状樹脂(B)と他の成分とを配合することが挙げられる。
本発明の粘着剤層は、例えば、上述の粘着剤組成物を塗布・乾燥することにより得られ;あるいは、上述の粘着剤組成物中の架橋反応を進めることにより、具体的には(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を架橋剤(D)で架橋することにより得られる。
ここで、Anton Paar製「Physica MCR300」を用いて、JIS K7244に準拠した動的粘弾性測定法(温度範囲−40〜160℃、昇温速度3.67℃/分、周波数1Hzの条件)により粘弾性スペクトルを測定することにより、貯蔵弾性率(G'1)および(G'2)を得ることができる。
本発明の偏光板用粘着シートは、上述の偏光板用粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する。粘着シートとしては、例えば、上記粘着剤層のみを有する両面粘着シート、基材と、基材の両面に形成された上記粘着剤層とを有する両面粘着シート、基材と、基材の一方の面に形成された上記粘着剤層を有する片面粘着シート、およびそれら粘着シートの粘着剤層の基材と接していない面に剥離処理されたカバーフィルムが貼付された粘着シートが挙げられる。
粘着剤層の膜厚は、粘着性能維持の観点から、通常5〜75μm、好ましくは10〜50μmである。基材およびカバーフィルムの膜厚は、特に限定されないが、通常10〜125μm、好ましくは25〜75μmである。
本発明の粘着剤層付き偏光板は、偏光板と、前記偏光板の少なくとも一方の面に、本発明の偏光板用粘着剤組成物より形成された粘着剤層とを有することを特徴とする。なお、本明細書では、「偏光板」は「偏光フィルム」を包含する意味で用いる。
偏光板表面に粘着剤層を形成する方法に特に制限はなく、偏光板表面に直接バーコーター等を用いて上記粘着剤組成物を塗布し乾燥させる方法、本発明の偏光板用粘着シートが有する粘着剤層を偏光板表面に転写し熟成させる方法が挙げられる。乾燥および熟成の条件やゲル分率、貯蔵弾性率の範囲等は、〔偏光板用粘着剤層〕の欄に記載した条件と同様である。
上記のようにして得られる本発明の粘着剤層付き偏光板を液晶セルの基板表面に設けることにより液晶素子が製造される。ここで液晶セルは、液晶層が2枚の基板間に挟まれた構造を有している。
(メタ)アクリル系共重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、下記条件で標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求めた。
・測定装置:HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
・GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー(株)製)
(1)TSK−GEL HXL−H(ガードカラム)
(2)TSK−GEL G7000HXL
(3)TSK−GEL GMHXL
(4)TSK−GEL GMHXL
(5)TSK−GEL G2500HXL
・サンプル濃度:1.0mg/cm3(テトラヒドロフランで希釈)
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1.0cm3/min
・カラム温度:40℃
2Lの三口フラスコ内部を窒素で置換した後、室温にてトルエン870g、1,2−ジメトキシエタン44gを加え、続いてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム26.7mmolを含有するトルエン溶液39.8gを加え、さらにsec−ブチルリチウム3.81mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.20gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチルを10g加えた。反応液は当初、黄色に呈色していたが、室温にて60分間攪拌後には無色となった。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9質量%以上であった。引き続き、反応液の内部温度を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル80gを2時間かけて滴下し、滴下終了後、−30℃にて5分間攪拌した。このときのアクリル酸n−ブチルの転化率は99.9質量%以上であった。さらに、これにメタクリル酸メチル10gを加え、一晩室温にて攪拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの転化率は99.9質量%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈澱物を析出させた。濾過により白色沈殿物を回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体を得た。この共重合体を、酢酸エチルに溶解し、固形分濃度35質量%のブロック共重合体溶液1を得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は16万であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.1であった。
合成例1で使用したイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを26.7mmolから40.0mmolに変更し、単量体の配合を表1の合成例2に変更して、合成例1と同様の反応条件で合成を行い、ブロック共重合体溶液2を得た。
添加するモノマーを表1の通りに変更した以外は、合成例1と同様の手順で反応を行い、ブロック共重合体溶液3〜5を得た。
合成例1で使用したイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを26.7mmolから13.5mmolに変更し、単量体の配合を表1の合成例6に変更して、合成例1と同様の反応条件で合成を行い、ブロック共重合体溶液6を得た。
撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、アクリル酸n−ブチル(BA)70部、メタクリル酸メチル(MMA)29部、アクリル酸(AA)1部、酢酸エチルを100部仕込んだ。窒素ガスを導入しながら60℃に昇温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部を加え、窒素ガス雰囲気下、60℃で4時間重合反応を行った。反応終了後、酢酸エチルにて希釈し、固形分濃度35質量%のポリマー溶液を調製した。得られた(メタ)アクリル系ランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)は10万であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。
撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、重合反応に用いたモノマー成分の量を表2に記載したとおりに変更し、合成例8については酢酸エチルを300部、合成例9については酢酸エチルを250部仕込み、窒素ガスを導入しながら60に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.05部を加え、反応温度を60℃、12時間重合反応を行った。結果を表2に示す。
表1において、各モノマーの配合単位はgである。また、表1および表2中のガラス転移温度(Tg)は、Foxの式により算定した値を記載した。
(1)粘着剤組成物の調製
合成例1で得られた(メタ)アクリル系ポリマー溶液(固形分濃度35質量%)と、当該溶液に含まれる(メタ)アクリル系ポリマー100部(固形分量)に対して、液状石油樹脂としてピコラスチックA5(イーストマンケミカル社製、軟化点5℃、数平均分子量246)75部と、シランカップリング剤として信越化学工業(株)製「KBM−403」(固形分100%)0.2部と、帯電防止剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(固形分100%)0.5部と濃度調整用の酢酸エチルを混合して、固形分35質量%の粘着剤組成物を得た。
泡抜け後、剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、上記(1)で得られた粘着剤組成物をドクターブレードを用いて塗布し、90℃で3分間乾燥して、乾燥膜厚20μmの塗膜を形成した。塗膜の前記PETフィルムの貼付面とは反対面に、剥離処理されたPETフィルムをさらに貼り合わせ、23℃/50%RH環境下で7日間静置して熟成させて、2枚のPETフィルムに挟まれた厚さ20μmの粘着剤層を有する粘着シートを得た。
泡抜け後、剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、上記(1)で得られた粘着剤組成物をドクターブレードを用いて塗布し、90℃で3分間乾燥して、乾燥膜厚20μmの塗膜を有するシートを得た。前記シートと偏光板(厚さ:110μm、層構成:トリアセチルセルロースフィルム/ポリビニルアルコールフィルム/トリアセチルセルロースフィルム)とを、前記塗膜と偏光板とが接するように貼り合わせ、23℃/50%RHの条件で7日間静置して熟成させて、PETフィルムと厚さ20μmの粘着剤層と偏光板とを有する粘着剤層付き偏光板を得た。
実施例1において、(メタ)アクリル系ポリマー溶液を合成例2〜9で得られたポリマー溶液に変更し、および/または配合組成を表3/表4に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物、粘着シートおよび粘着剤層付き偏光板を得た。
〔貯蔵弾性率〕
実施例・比較例で得られた粘着シートにおいて、厚さ20μmの粘着剤層同士を23℃/50%RH環境下で複数回貼り合わせ、50℃/5atmのオートクレーブで20分間処理して、厚さ1.0mmの粘着剤層を作製した。この厚さ1.0mmの粘着剤層について、Anton Paar製「Physica MCR300」を用いて、JIS K7244に準拠した動的粘弾性測定法(温度範囲−40〜160℃、昇温速度3.67℃/分、周波数1Hzの条件)により粘弾性スペクトルを測定し、温度23℃および60℃における貯蔵弾性率を決定した。
実施例・比較例で得られた粘着シートから粘着剤約0.1gをサンプリング瓶に採取し、酢酸エチル30mLを加えて4時間振盪した後、このサンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥重量を測定した。次式により、粘着剤のゲル分率を求めた。
・ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着剤採取重量)×100(%)
実施例・比較例で得られた粘着剤層付き偏光板(PETフィルム/粘着剤層/偏光板からなる積層体)を70mm×25mmの大きさに裁断して試験片を作成した。試験片からPETフィルムを剥離し、ラミネーターロールを用いて、粘着剤層/偏光板からなる積層体を厚さ2mmのガラス板の片面に、粘着剤層とガラス板とが接するように貼着した。得られた積層体を、50℃/5気圧に調整されたオートクレーブ中に20分間保持した。次いで23℃/50%RH環境下に1時間放置した後、被着体のガラス板表面に対して90°方向に300mm/minの速度で偏光板端部を引っ張り、粘着力(剥離強度)を測定した。
実施例・比較例で得られた粘着剤層付き偏光板(PETフィルム/粘着剤層/偏光板からなる積層体)を35mm×400mm(延伸軸方向)の大きさに裁断して試験片を作成した。試験片からPETフィルムを剥離し、ラミネーターロールを用いて、粘着剤層/偏光板からなる積層体を厚さ0.7mm、40mm×410mmのガラス板の片面に、粘着剤層とガラス板とが接するように貼着した。得られた積層体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、60℃のオーブン中に72時間保持した。片方の末端を床面に対して垂直な壁面に固定し、逆側末端の浮き上がり量を定規で測定した。オーブンから取り出し直後に測定を実施した。
実施例・比較例で得られた粘着剤層付き偏光板(PETフィルム/粘着剤層/偏光板からなる積層体)を150mm×250mmの大きさに裁断して試験片を作成した。試験片からPETフィルムを剥離し、ラミネーターロールを用いて、粘着剤層/偏光板からなる積層体を厚さ2mmのガラス板の片面に、粘着剤層とガラス板とが接するように貼着した。得られた積層体を、50℃/5気圧に調整されたオートクレーブ中に20分間保持して、試験板を作成した。同様の試験板を2枚作成した。前記試験板を、温度80℃の条件下(耐熱性)または温度60℃/湿度90%RHの条件下(耐湿熱性)で500時間放置し、以下の基準で発泡および断裂の発生を観察して評価した。発泡は凝集力不足の場合に発生し、断裂は応力緩和不足の場合に発生する。
・AA:発泡が全く見られない。
・BB:発泡の面積が全体の1%未満である。
・CC:発泡の面積が全体の1%以上5%未満である。
・DD:発泡の面積が全体の5%以上である。
・AA:断裂が全く見られない。
・BB:断裂の面積が全体の1%未満である。
・CC:断裂の面積が全体の1%以上5%未満である。
・DD:断裂の面積が全体の5%以上である。
表3,4中の各成分は以下のとりである。
・ピコラスチックA5:スチレンオリゴマー
(イーストマンケミカル社製、軟化点5℃、数平均分子量246)
高軟化点を有する樹脂
・P−80 脂環族飽和炭化水素樹脂 軟化点80℃(荒川化学(株)製)
P−100 脂環族飽和炭化水素樹脂 軟化点100℃(荒川化学(株)製)
P−140 脂環族飽和炭化水素樹脂 軟化点140℃(荒川化学(株)製)
架橋剤
・M−12AT:アルミキレート化合物
(綜研化学(株)製、固形分10質量%、トルエン、アセチルアセトン溶液)
・E−AX:N,N’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス[ビス(オキシラ
ン−2−イルメチル)アミン](三菱ガス化学(株)製)
・過酸化物:ジベンゾイルパーオキシド(和光純薬(株)製)
・D−101N:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
(三井武田ケミカル(株)製)
シランカップリング剤
・KBM−403:3−グリシドキプロピルトリメトキシシラン
(信越化学工業(株)製)
帯電防止剤
・LiTFSI:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
Claims (9)
- (A)(メタ)アクリル系ブロック共重合体と、
(B)液状樹脂とを、
前記(A)100質量部に対して前記(B)30質量部以上の範囲で含有し、
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)が、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の重合体ブロックBを有し、
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)において、各々の重合体ブロック100質量%中、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、芳香環含有(メタ)アクリレート、スチレン系単量体および酢酸ビニルから選ばれるモノマー由来の構成単位の含有量が5質量%以下であり、
前記液状樹脂(B)が、スチレン系液状樹脂、α−メチルスチレン系液状樹脂、テルペン系液状樹脂、芳香族変性テルペン系液状樹脂、水添テルペン系液状樹脂、キシレン樹脂系液状樹脂、および脂肪族系液状樹脂から選ばれる少なくとも1種である
ことを特徴とする偏光板用粘着剤組成物。 - 前記ブロック共重合体(A)が、トリブロック構造を有する
請求項1記載の偏光板用粘着剤組成物。 - 前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)が、
式(A1):A−Bで表されるブロック構造を有する(メタ)アクリル系ジブロック共重合体(A1)(式中、Aは、メタクリル酸エステル重合体により構成されるブロックであり、Bは、アクリル酸エステル重合体により構成されるブロックである。)、および
式(A2):A1−B−A2で表されるブロック構造を有する(メタ)アクリル系トリブロック共重合体(A2)(式中、A1およびA2は、それぞれ独立にメタクリル酸エステル重合体により構成されるブロックであり、Bは、アクリル酸エステル重合体により構成されるブロックである。)
から選ばれる少なくとも1種であり、
前記重合体ブロックBのガラス転移温度(Tg)が0℃以下である
請求項1記載の偏光板用粘着剤組成物。 - 前記重合体ブロックA、A1およびA2のガラス転移温度(Tg)が、それぞれ60℃以上である請求項3に記載の偏光板用粘着剤組成物。
- (C)軟化点が60℃以上の樹脂
をさらに含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の偏光板用粘着剤組成物。 - (D)架橋剤
をさらに含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の偏光板用粘着剤組成物。 - 請求項1〜6のいずれか1項記載の偏光板用粘着剤組成物より形成された粘着剤層。
- 請求項7記載の粘着剤層を有することを特徴とする偏光板用粘着シート。
- 偏光板と、
前記偏光板の少なくとも一方の面に、請求項7記載の粘着剤層と
を有することを特徴とする粘着剤層付き偏光板。
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