JP2019070059A - 転写式粘着テープ用粘着剤組成物、転写式粘着テープ及び転写具 - Google Patents
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Abstract
【課題】被着材転写時の糊切れ性が良好な粘着層を形成可能な転写式粘着テープ用粘着剤組成物、この組成物を用いた転写式粘着テープ及び転写具を提供する。【解決手段】主成分であるアクリル系粘着剤にガラス転移点(Tg)よりも20℃低い温度(Tg−20℃)における貯蔵弾性率G’が1.1×109Pa以下のものを使用し、このアクリル系粘着剤100質量部に対して、長径が6〜270μmであり、かつ、アスペクト比が10〜25である繊維状又は針状のフィラーを1〜10質量部配合した粘着剤組成物からなる粘着層2を、基材1上に剥離可能に形成して転写式粘着テープとする。【選択図】図1
Description
本発明は、転写式粘着テープ用粘着剤組成物、この組成物を用いた転写式粘着テープ及び転写具に関する。
転写式粘着テープを用いた所謂「テープ糊」は、一般に、プラスチックフィルムなどからなる基材上に、粘着層が剥離可能に設けられた構成となっており、使用する際は、転写具を用いて被着体上に粘着層を転写する。このため、転写式粘着テープの粘着層には、粘着力に加えて、糸引きなどが生じず、任意の位置で容易に切断できる「糊切れ性」が要求される。
従来、糊切れ性を良好にするために、粘着層を構成する粘着剤組成物の成分を特定した転写式粘着テープが提案されている(特許文献1,2参照)。例えば、特許文献1には粘着層にアルギン酸を含有させた粘着テープが開示されており、特許文献2にはアクリル系共重合体に粘着付与樹脂と架橋剤を特定の比率で配合した粘着剤組成物で粘着層を形成した粘着テープが開示されている。
一方、粘着層に配合するフィラーを特定することで、糊切れ性向上を図った粘着テープもある(特許文献3,4参照)。具体的には、特許文献3に記載の粘着テープでは粘着層に針状粒子を配合しており、特許文献4に記載の粘着テープでは粘着層に鱗片粒子を配合している。
しかしながら、特許文献1,2に記載された粘着テープのように、粘着剤に粘着付与成分を添加しただけでは、十分な糊切れ性を確保することはできない。一方、特許文献3,4に記載されているような針状フィラーや鱗片状フィラーの添加は、糊切れ性向上に効果があるが、粘着層における粘着力と糊切れ性はトレードオフの関係にあるため、糊切れ性向上に伴い粘着力が低下するという問題点がある。更に、糊切れ性向上のためにフィラーを多量に添加すると、塗工性や分散性が低下し、生産適正範囲から外れてしまう。
そこで、本発明は、被着材転写時の糊切れ性が良好な粘着層を形成可能な転写式粘着テープ用粘着剤組成物、この組成物を用いた転写式粘着テープ及び転写具を提供することを目的とする。
本発明者は、前述した課題を解決するために、鋭意実験検討を行った結果、粘着力と糊切れ性を両立し、生産適正の優れた粘着層を実現するためには、特定の粘着剤と特定のフィラーを組み合わせて使用することが有効であることを見出した。そして、糊切れ性改善の効果があり、汎用性のある繊維状又は針状のフィラーとの組み合わせが良好な粘着剤は、そのレオロジー特性により特定できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明に係る転写式粘着テープ用粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤を主成分とする転写式粘着テープ用粘着剤組成物であって、前記アクリル系粘着剤100質量部に対して、繊維状又は針状のフィラーを1〜10質量部含有し、前記アクリル系粘着剤は、ガラス転移点(Tg)よりも20℃低い温度(Tg−20℃)における貯蔵弾性率G’が1.1×109Pa以下であり、前記フィラーは、長径が6〜270μmであり、かつ、アスペクト比が10〜25である。
本発明の転写式粘着テープ用粘着剤組成物に用いるフィラーとしては、例えばウォラストナイトが挙げられる。
本発明の転写式粘着テープ用粘着剤組成物は、更に、前記アクリル系粘着剤100質量部に対して、粘着付与剤を0.1〜30質量部含有していてもよい。
その場合、前記粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂及び/又はテルペン系樹脂であり、軟化点が60〜160℃であるものを用いることができる。
本発明の転写式粘着テープ用粘着剤組成物に用いるフィラーとしては、例えばウォラストナイトが挙げられる。
本発明の転写式粘着テープ用粘着剤組成物は、更に、前記アクリル系粘着剤100質量部に対して、粘着付与剤を0.1〜30質量部含有していてもよい。
その場合、前記粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂及び/又はテルペン系樹脂であり、軟化点が60〜160℃であるものを用いることができる。
本発明に係る転写式粘着テープは、基材と、前述した粘着剤組成物からなり、前記基材上に剥離可能に形成された粘着層とを有するものである。
この転写式粘着テープにおける前記粘着層は、例えば速度300mm/分の条件で測定した切断時伸びが30〜450%である。
この転写式粘着テープにおける前記粘着層は、例えば速度300mm/分の条件で測定した切断時伸びが30〜450%である。
本発明に係る転写具は、前述した転写式粘着テープを備えるものである。
本発明において、アクリル系粘着剤の貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置を用いて、測定周波数1Hz、測定温度範囲−65〜60℃の条件で測定した値である。また、粘着層の切断時伸びは、幅8.4mm、厚さ25μmの試料を用いて、温度が23±2℃、湿度が50±5%RHの環境下で引張試験を行い測定した値である。
本発明によれば、被着材転写時の糊切れ性が良好な粘着層を有する転写式粘着テープ及び転写具を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず本発明の第1の実施形態に係る転写式粘着テープ用粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」ともいう。)について説明する。本実施形態の粘着剤組成物は、ガラス転移点(Tg)よりも20℃低い温度(Tg−20℃)における貯蔵弾性率G’が1.1×109Pa以下であるアクリル系粘着剤を主成分とし、このアクリル系粘着剤100質量部に対して、長径及びアスペクト比が特定範囲にある繊維状又は針状のフィラーが1〜10質量部配合されている。
先ず本発明の第1の実施形態に係る転写式粘着テープ用粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」ともいう。)について説明する。本実施形態の粘着剤組成物は、ガラス転移点(Tg)よりも20℃低い温度(Tg−20℃)における貯蔵弾性率G’が1.1×109Pa以下であるアクリル系粘着剤を主成分とし、このアクリル系粘着剤100質量部に対して、長径及びアスペクト比が特定範囲にある繊維状又は針状のフィラーが1〜10質量部配合されている。
[アクリル系粘着剤]
アクリル系粘着剤は、本実施形態の粘着剤組成物の主成分であり、動的粘弾性測定装置を用いて、測定周波数1Hz、測定温度範囲−65〜60℃の条件で測定したTg−20℃における貯蔵弾性率G’が1.1×109Pa以下である。Tg−20℃における貯蔵弾性率G’が1.1×109Paを超えるアクリル系粘着剤を用いると、形成される粘着層の糊切れ性が低下する。
アクリル系粘着剤は、本実施形態の粘着剤組成物の主成分であり、動的粘弾性測定装置を用いて、測定周波数1Hz、測定温度範囲−65〜60℃の条件で測定したTg−20℃における貯蔵弾性率G’が1.1×109Pa以下である。Tg−20℃における貯蔵弾性率G’が1.1×109Paを超えるアクリル系粘着剤を用いると、形成される粘着層の糊切れ性が低下する。
本実施形態の粘着剤組成物に用いるアクリル系粘着剤は、アクリル系共重合体を用いたものであれば、溶剤系及びエマルジョン系のいずれでもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、アクリル系粘着剤には、老化防止剤、軟化剤、粘着付与剤、架橋剤及び充填剤などが配合されていてもよい。
[フィラー]
繊維状又は針状のフィラーは、形成される粘着層の糊切れ性向上のために添加される。ただし、フィラーの長径が6μm未満又はアスペクト比が10未満の場合、糊切れ性向上の効果が十分に得られない。また、長径が270μmを超える又はアスペクト比が25を超えるフィラーを用いると、粘着剤組成物の塗布工程などの粘着テープの製造過程で不具合が発生しやすくなる。
繊維状又は針状のフィラーは、形成される粘着層の糊切れ性向上のために添加される。ただし、フィラーの長径が6μm未満又はアスペクト比が10未満の場合、糊切れ性向上の効果が十分に得られない。また、長径が270μmを超える又はアスペクト比が25を超えるフィラーを用いると、粘着剤組成物の塗布工程などの粘着テープの製造過程で不具合が発生しやすくなる。
そこで、本実施形態の粘着剤組成物に配合されるフィラーは、繊維状又は針状で、長径が6〜270μm、かつ、アスペクト比が10〜25のものとする。これにより、糊切れ性を向上させつつ、粘着層形成時の不良発生を抑制し、糊切れ性及び生産適正に優れた粘着組成物が得られる。ここで、「アスペクト比」とは、フィラーの最大長径と最大長径に直交する幅(短径)との比(長径/短径)である。また、フィラーの「長径」及び「短径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いた顕微鏡法により測定することができる。
本実施形態の粘着剤組成物に用いる繊維状又は針状のフィラーとしては、ウォラストナイト、グラスファイバー及びロックウールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、長径及びアスペクト比が前述した範囲のフィラーであればよい。なお、生産性や原料コストの観点からは、ウォラストナイトが好適である。
[フィラー配合量:粘着剤100質量部に対して1〜10質量部]
アクリル系粘着剤100質量部に対して、フィラー配合量が1質量部未満の場合、糊切れ性向上効果が得られず、また、10質量部を超えてフィラーを配合すると粘着力が低下する。よって、本実施形態の粘着剤組成物では、フィラー配合量を、アクリル系粘着剤100質量部に対して1〜10質量部とする。
アクリル系粘着剤100質量部に対して、フィラー配合量が1質量部未満の場合、糊切れ性向上効果が得られず、また、10質量部を超えてフィラーを配合すると粘着力が低下する。よって、本実施形態の粘着剤組成物では、フィラー配合量を、アクリル系粘着剤100質量部に対して1〜10質量部とする。
[粘着付与剤]
本実施形態の粘着剤組成物には、必要に応じて、粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤を配合することにより、粘着力を向上させることができる。ただし、粘着付与剤の配合量が0.1質量部未満の場合、添加効果が十分に得られず、30質量部を超えて粘着付与剤を配合するとタックが低下する。よって、粘着付与剤を配合する場合は、アクリル系粘着剤100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲とする。
本実施形態の粘着剤組成物には、必要に応じて、粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤を配合することにより、粘着力を向上させることができる。ただし、粘着付与剤の配合量が0.1質量部未満の場合、添加効果が十分に得られず、30質量部を超えて粘着付与剤を配合するとタックが低下する。よって、粘着付与剤を配合する場合は、アクリル系粘着剤100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲とする。
また、本実施形態の粘着剤組成物に配合される粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂及びテルペン系樹脂で、軟化点が60〜160℃であるものが好ましく、これらは単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。
[その他の成分]
本実施形態の粘着剤組成物には、前述した各成分に加えて、本発明の効果に影響しない範囲で、表面張力調整剤、増粘剤及びアクリル系以外の粘着剤などが配合されていてもよい。
本実施形態の粘着剤組成物には、前述した各成分に加えて、本発明の効果に影響しない範囲で、表面張力調整剤、増粘剤及びアクリル系以外の粘着剤などが配合されていてもよい。
以上詳述したように、本実施形態の粘着剤組成物は、Tg−20℃における貯蔵弾性率G’が1.1×109Pa以下のアクリル系粘着剤と、長径及びアスペクト比が特定範囲にある繊維状又は針状のフィラーとを、特定割合で配合しているため、従来品に比べて被着材転写時の糊切れ性が良好な粘着層を形成することができる。
(第2の実施形態)
次に、本実施形態の第2の実施形態に係る転写式粘着テープ(以下、単に「粘着テープ」という。)について説明する。図1は本実施形態の粘着テープの構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の粘着テープ10は、基材1上に剥離可能に粘着層2が形成されており、粘着層2は、前述した第1の実施形態の粘着剤組成物で形成されている。
次に、本実施形態の第2の実施形態に係る転写式粘着テープ(以下、単に「粘着テープ」という。)について説明する。図1は本実施形態の粘着テープの構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の粘着テープ10は、基材1上に剥離可能に粘着層2が形成されており、粘着層2は、前述した第1の実施形態の粘着剤組成物で形成されている。
[基材1]
基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフイルム、ポリイミドフイルム及びポリ塩化ビニルフィルムなどの各種プラスチックフィルム、紙、グラシン紙、不織布などを用いることができる。
基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフイルム、ポリイミドフイルム及びポリ塩化ビニルフィルムなどの各種プラスチックフィルム、紙、グラシン紙、不織布などを用いることができる。
なお、基材1の表面には、離型性向上のために、シリコーン化合物、フッ素樹脂、フルオロシリコーン樹脂などの離型剤が塗布されていてもよい。また、基材1の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば5〜60μmとすることができる。
[粘着層2]
粘着層2は、厚さ0.025mm、幅8.4mmの試料を用いて、温度が23±2℃、湿度が50±5%RHの環境下で、引張速度を300mm/分にして測定した切断時伸びが30%以上で、かつ、450%以下である。粘着層2の切断伸びは「糊切れ性」と相関があり、粘着テープの糊切れ性評価の指針となる。具体的には、粘着層2の切断伸びが450%を超えると糊切れ性が不十分となる。一方、粘着層2の切断伸びは、450%以下であれば糊切れ性には影響はないが、30%未満であると粘着性能が著しく低下した状態となるため、30%以上とすることが好ましい。
粘着層2は、厚さ0.025mm、幅8.4mmの試料を用いて、温度が23±2℃、湿度が50±5%RHの環境下で、引張速度を300mm/分にして測定した切断時伸びが30%以上で、かつ、450%以下である。粘着層2の切断伸びは「糊切れ性」と相関があり、粘着テープの糊切れ性評価の指針となる。具体的には、粘着層2の切断伸びが450%を超えると糊切れ性が不十分となる。一方、粘着層2の切断伸びは、450%以下であれば糊切れ性には影響はないが、30%未満であると粘着性能が著しく低下した状態となるため、30%以上とすることが好ましい。
本実施形態の粘着テープは、前述した第1の実施形態の粘着剤組成物で粘着層を形成しているため、従来品に比べて被着材転写時の糊切れ性が優れている。
(第3の実施形態)
次に、本実施形態の第3の実施形態に係る転写具について説明する。本実施形態の転写具は、前述した第2の実施形態の粘着テープを転写具に組み込んだものである。本実施形態の転写具は、粘着層が前述した第1の実施形態の粘着剤組成物で形成された粘着テープを使用しているため、従来品に比べて被着材転写時の糊切れ性が優れている。
次に、本実施形態の第3の実施形態に係る転写具について説明する。本実施形態の転写具は、前述した第2の実施形態の粘着テープを転写具に組み込んだものである。本実施形態の転写具は、粘着層が前述した第1の実施形態の粘着剤組成物で形成された粘着テープを使用しているため、従来品に比べて被着材転写時の糊切れ性が優れている。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。
(第1実施例)
先ず、本発明の第1実施例として、下記表1に示すアクリル系粘着剤と、下記表2に示すフィラーを用いて、実施例及び比較例の粘着剤組成物を作製し、糊切れ性、粘着力及び塗工適正について評価した。
先ず、本発明の第1実施例として、下記表1に示すアクリル系粘着剤と、下記表2に示すフィラーを用いて、実施例及び比較例の粘着剤組成物を作製し、糊切れ性、粘着力及び塗工適正について評価した。
<貯蔵弾性率G’>
上記表1に示すNo.A,Bのアクリル粘着剤の貯蔵弾性率G’は、厚さ約1mmの試料を、TAインスツルメント社製 動的粘弾性測定装置(ARES)を用いて、測定周波数:1Hz、測定温度:−65〜65℃の条件で測定した。
上記表1に示すNo.A,Bのアクリル粘着剤の貯蔵弾性率G’は、厚さ約1mmの試料を、TAインスツルメント社製 動的粘弾性測定装置(ARES)を用いて、測定周波数:1Hz、測定温度:−65〜65℃の条件で測定した。
<短径・長径・アスペクト比>
上記表2に示すNo.I〜IVのフィラーの短径及び長径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による顕微鏡観察法により測定した。そして、これらの値を用いて、各フィラーのアスペクト比を算出した。
上記表2に示すNo.I〜IVのフィラーの短径及び長径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による顕微鏡観察法により測定した。そして、これらの値を用いて、各フィラーのアスペクト比を算出した。
<糊切れ性>
実施例及び比較例の各粘着剤組成物の糊切れ性は、幅8.4mm、厚さ25μmの評価用試料を作製し、標線間距離を1mmとして、切断時伸びにより評価した。具体的には、株式会社島津製作所製 卓上試験機(EZ−SX)を用いて、温度23±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、引張速度を300mm/分として引張試験を行い、各評価用試料の切断時伸びを測定した。その結果、切断時伸びが30〜450%の範囲にあったものを合格、30%未満又は450%を超えたものを不合格とした。
実施例及び比較例の各粘着剤組成物の糊切れ性は、幅8.4mm、厚さ25μmの評価用試料を作製し、標線間距離を1mmとして、切断時伸びにより評価した。具体的には、株式会社島津製作所製 卓上試験機(EZ−SX)を用いて、温度23±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、引張速度を300mm/分として引張試験を行い、各評価用試料の切断時伸びを測定した。その結果、切断時伸びが30〜450%の範囲にあったものを合格、30%未満又は450%を超えたものを不合格とした。
<粘着力>
粘着力は、JIS Z 0237に準拠した測定方法で実施例及び比較例の各粘着剤組成物のSUS粘着力を測定し、フィラーを添加していない粘着剤のみのSUS粘着力との差(増減値)を求めた。
粘着力は、JIS Z 0237に準拠した測定方法で実施例及び比較例の各粘着剤組成物のSUS粘着力を測定し、フィラーを添加していない粘着剤のみのSUS粘着力との差(増減値)を求めた。
<塗工適正>
塗工適正の評価は、両面を離型処理した厚さ25μmのポリエチレンテレフタラートフィルムを基材とし、その上に、アプリケータを用いて実施例及び比較例の各粘着剤組成物を各々の塗布厚となるように塗工して、幅10〜20cm、長さ15〜25cmの粘着層を形成し、その塗布面の外観を観察することにより行った。その結果、粘着層の塗布面に外観上問題がなかったものを○(合格)、粘着層の塗布面に顕著な塗工スジが発生して外観及び使用上に問題が生じたものを×(不合格)とした。
塗工適正の評価は、両面を離型処理した厚さ25μmのポリエチレンテレフタラートフィルムを基材とし、その上に、アプリケータを用いて実施例及び比較例の各粘着剤組成物を各々の塗布厚となるように塗工して、幅10〜20cm、長さ15〜25cmの粘着層を形成し、その塗布面の外観を観察することにより行った。その結果、粘着層の塗布面に外観上問題がなかったものを○(合格)、粘着層の塗布面に顕著な塗工スジが発生して外観及び使用上に問題が生じたものを×(不合格)とした。
以上の結果を、下記表3にまとめて示す。
上記表3に示すように、本発明の比較例であるNo.1,10の粘着剤組成物は、フィラーが配合されていないため、切断時伸びが450%を超え、糊切れ性に劣るものであった。特に、貯蔵弾性率G’が1.1×109Paよりも大きい粘着剤Bを用いているNo.10の粘着剤組成物は、切断時伸びの値が大きく、フィラーを配合しても糊切れ性向上は期待できないものであった。実際、粘着剤BにフィラーIを配合した比較例No.11の粘着剤組成物は、切断時伸びが450%を超え、糊切れ性に劣るものであった。
一方、本発明の比較例であるNo.5,9,12の粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤100質量部に対して10質量部を超えてフィラーを配合しているため、粘着力が低下し、転写式粘着テープには不向きなものであった。それに加えて、No.5,12の粘着剤組成物は、試料作製時にスジが発生し、引張試験及び粘着力測定も実施することができなかった。また、本発明の比較例であるNo.6の粘着剤組成物は、長径又はアスペクト比が本発明の範囲から外れるフィラーを用いているため、塗工適正が劣り、試料作製時にスジが発生した。
これに対して、本発明の実施例であるNo.2〜4,7,8の粘着剤組成物は、切断時伸びが30〜450%の範囲となり、糊切れ性に優れていた。以上の結果から、本発明によれば、被着材転写時の糊切れ性が良好な粘着層を形成できることが確認された。
1 基材
2 粘着層
10 粘着テープ
2 粘着層
10 粘着テープ
Claims (7)
- アクリル系粘着剤を主成分とする転写式粘着テープ用粘着剤組成物であって、
前記アクリル系粘着剤100質量部に対して、繊維状又は針状のフィラーを1〜10質量部含有し、
前記アクリル系粘着剤は、ガラス転移点(Tg)よりも20℃低い温度(Tg−20℃)における貯蔵弾性率G’が1.1×109Pa以下であり、
前記フィラーは、長径が6〜270μmであり、かつ、アスペクト比が10〜25である転写式粘着テープ用粘着剤組成物。 - 前記フィラーは、ウォラストナイトである請求項1に記載の転写式粘着テープ用粘着剤組成物。
- 更に、前記アクリル系粘着剤100質量部に対して、粘着付与剤を0.1〜30質量部含有する請求項1又は2に記載の転写式粘着テープ用粘着剤組成物。
- 前記粘着付与剤は、ロジン系樹脂及び/又はテルペン系樹脂であり、軟化点が60〜160℃である請求項3に記載の転写式粘着テープ用粘着剤組成物。
- 基材と、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物からなり、前記基材上に剥離可能に形成された粘着層と、
を有する転写式粘着テープ。 - 前記粘着層は、速度300mm/分の条件で測定した切断時伸びが30〜450%である請求項5に記載の転写式粘着テープ。
- 請求項5又は6に記載の転写式粘着テープを備える転写具。
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