JP6516681B2 - 離型シート - Google Patents

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Description

本発明は、離型シートに関するものである。
粘着シートは、半導体装置、精密機器などの電子部品の製造工程をはじめ、様々な用途において使用されている。このような粘着シートは、その表面を保護するために、使用するときまで離型シートが貼り合わされて積層されている。
離型シートを構成する基材の表面には、粘着シートから剥がれやすくするために、離型剤を含有する樹脂層が設けられている。離型シート用の離型剤として、シリコーン系離型剤が最も多く使用されている。しかしながら、シリコーン系離型剤を用いた場合、シリコーン系離型剤の中に含まれる低分子量のシリコーン化合物が、粘着シートの粘着剤表面に移行して、残存することがあった。粘着シートの粘着剤表面に残存するシリコーン化合物は、粘着剤の粘着力の低下を起すだけでなく、徐々に気化して、たとえば、粘着シートが用いられた電子部品の表面に堆積することにより、その性能に悪影響を与えることが指摘されていた。
離型シート用の非シリコーン系離型剤として、特許文献1、2には、オレフィン系エラストマーを用いることが提案され、特許文献3、4には、酸変性ポリオレフィンを用いることが提案されている。また、特許文献5には、酸変性ポリブタジエンまたは酸変性ポリイソプレンを用いることが提案されている。
特許文献1、2の離型シートは、粘着シートに対して良好な離型性を示す。しかしながら、これらの離型シートは、耐熱性が低いため、粘着シートと貼り合せた状態で、高温で保存した場合に、粘着シートと強く接着してしまい、ハンドリング性が低下することがあった。特に、粘着剤を塗工した後の乾燥時や、粘着シートの転写時などにおいて、熱がかかると、離型シートは離型性が変化しやすく、ハンドリング上好ましくないものであった。
一方、特許文献3、4の離型シートは、離型剤として酸変性されたエチレン系重合体が使用されており、様々な被着体に対して、良好な離型性を示すものである。しかしながら、粘着シートに対しては、やや剥離強度が大きいため、粘着シートを剥離する際のハンドリング性が良好でない場合があり、特に粘着シートから離型シートを高速で剥離した際に、ジッピングを起こし、粘着シート表面の平滑性や透明性が損なわれる場合があった。
特許文献5の離型シートは、粘着剤に対して離型性が良好であるものの、離型層が柔らかいため、離型シートをロール状に巻き取った場合に、シートのブロッキングが生じ、ロールから巻き出すことができなくなるおそれがあるという生産上の課題があった。
特許第4907724号公報 特許第4367082号公報 特開2009−101680号公報 国際公開第2009/025063号 特開2012−152965号公報
本発明は、これらの問題に鑑み、粘着材料との離型性に優れ、高速での剥離においてもハンドリング性が良好であり、耐熱性、耐ブロッキング性にも優れた離型シートを提供しようとするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、離型剤として酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体を使用し、これと特定の架橋剤とを含有する樹脂層を基材上に設けてなる離型シートが上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)基材上に樹脂層を設けてなる離型シートであって、
樹脂層が、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、架橋剤0.1〜50質量部とを含有し、
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)が、60/40〜99/1であり、
α−オレフィン成分が、プロピレンまたは1−ブテンであり、
架橋剤がオキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなることを特徴とする離型シート。
(2)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量が、エチレン成分とα−オレフィン成分との合計に対して、1質量%未満であることを特徴とする(1)記載の離型シート。
(3)基材が、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする(1)または(2)記載の離型シート。
(4)樹脂材料が、ポリエステル樹脂フィルムであることを特徴とする(3)記載の離型シート。
(5)下記の方法で測定した剥離強度が、0.5N/cm以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の離型シート。
剥離強度測定方法:
離型シートの樹脂層側に、巾50mm、長さ150mmのアクリル系粘着テープ(日東電工社製、No.31B/アクリル系粘着剤)をゴムロールで圧着して、試料とする。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、25℃の雰囲気で24時間放置し、剥離強度測定用試料を得る。この剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型シートとの剥離強度を、25℃の恒温室で、引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定する。剥離角度は180°、剥離速度は300mm/分とする。
本発明の離型シートを用いることにより、粘着材料の粘着剤表面を保護することができ、粘着材料の使用時において離型シートを高速で剥離しても、粘着材料の品質を損なわずに簡単に剥離することができる。また、本発明の離型シートは耐熱性に優れるため、粘着材料等と貼りあわせた後、熱処理後の離型性に優れる。さらに、本発明の離型シートはロール状に巻き取った場合でも、耐ブロッキング性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の離型シートは、基材と、その上に設けられた樹脂層とから構成される。そして樹脂層は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを含有する。
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレン−α−オレフィン共重合体が酸変性されたものであり、エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレン成分と一種以上のα−オレフィン成分とを含有する。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらの中でも、経済性の観点や入手のしやすさの観点から、プロピレン、1−ブテンが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体における、エチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)は、60/40〜99/1であることが好ましく、70/30〜97/3であることがより好ましく、80/20〜95/5であることがさらに好ましい。エチレン成分とα−オレフィン成分との質量比がこの範囲外であると、得られる離型シートは離型性が低下し、また高速剥離性が低下することがある。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン系触媒を使用して製造されることが好ましい。この方法により製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、分子量分布が狭く、低分子量成分の量が少なく、共重合が均一となる。
本発明において、エチレン−α−オレフィン共重合体は、得られる樹脂層と基材との密着性を向上させ、また架橋剤と反応させて耐熱性を向上させる観点から、酸変性されていることが必要である。エチレン−α−オレフィン共重合体の酸変性は、たとえば、エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸成分を導入することによっておこなうことができる。
本発明において、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量は、オレフィン成分全量、すなわちエチレン成分とα−オレフィン成分の合計量に対して、1質量%未満であることが好ましく、0.01質量%以上、1質量%未満であることがより好ましく、0.05質量%以上、1質量%未満であることがさらに好ましく、0.1質量%以上、1質量%未満であることが特に好ましく、0.2質量%以上、1質量%未満であることが最も好ましい。酸変性成分の含有量が0.01質量%未満の場合、基材との密着性が不十分になったり、架橋剤との反応が不十分となり、耐熱性に劣ることがある。一方、酸変性成分の含有量が1質量%以上である場合、離型性が低下する傾向がある。また、通常エチレン成分を含有するポリオレフィン樹脂を酸変性させる場合、協奏的に架橋反応も進行するために、酸変性量が高いものを製造することは、操業性の観点から、実質的に困難となることがある。
エチレン−α−オレフィン共重合体に導入される不飽和カルボン酸成分の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アリルコハク酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等のように、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物が挙げられる。中でもエチレン−α−オレフィン共重合体への導入のし易さの点から、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
不飽和カルボン酸成分は、エチレン−α−オレフィン共重合体中に共重合されていればよく、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
不飽和カルボン酸単位をエチレン−α−オレフィン共重合体へ導入する方法は、特に限定されない。例えば、ラジカル発生剤存在下、エチレン−α−オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸とを、エチレン−α−オレフィン共重合体の融点以上に加熱溶融して反応させる方法や、エチレン−α−オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸とを有機溶剤に溶解させた後、ラジカル発生剤の存在下で加熱、攪拌して反応させる方法等により、エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸をグラフト共重合する方法が挙げられる。操作が簡便である点から前者の方法が好ましい。
グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類が挙げられる。これらは反応温度によって適宜、選択して使用すればよい。
本発明において、樹脂層製造原料の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、特に限定されないが、230℃、2160g荷重において、0.01〜500g/10分であることが好ましく、0.1〜100g/10分であることがより好ましく、0.3〜10g/10分であることがさらに好ましい。メルトフローレートが0.01g/10分未満の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、溶剤に溶解することが困難であり、一方、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが500g/10分以上であると、得られる樹脂層は、基材との密着性が低下することがあり、また粘着剤等の被着体に、低分子量成分の移行が起こりやすくなる。
酸変性するためのエチレン−α−オレフィン共重合体として、市販のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることができる。市販のエチレン−α−オレフィン共重合体として、住友化学社製エスプレンシリーズ、三井化学社製タフマーシリーズなどが挙げられる。このような市販のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いて、上記の方法で酸変性を行って、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を得ることができる。
また酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、市販のものを用いてもよい。市販の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、三井化学社製タフマーシリーズのMP−0620、MH−7020、MA−8510などが挙げられる。
本発明の離型シートの樹脂層は、架橋剤を含有する。架橋剤としては、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物が用いられ、反応性の観点から、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも一つの架橋剤であることが必要である。架橋剤として、オキサゾリン化合物やカルボジイミド化合物以外の架橋剤を用いると、架橋反応が不十分となるため、得られる樹脂層は耐熱性が低下し、熱処理後の離型性が低下する傾向にある。
オキサゾリン化合物は、分子中にオキサゾリン基を2つ以上有しているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィドなどのオキサゾリン基を有する化合物や、オキサゾリン基含有ポリマーが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさからオキサゾリン基含有ポリマーが好ましい。
オキサゾリン基含有ポリマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンを重合させることにより得られる。必要に応じて他の単量体が共重合されていてもよい。オキサゾリン基含有ポリマーの重合方法は、特に限定されず、公知の種々の重合方法を採用することができる。
オキサゾリン基含有ポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「WS−500」、「WS−700」、固形タイプの「RPS−1005」などが挙げられる。
カルボジイミド化合物は、分子中に少なくとも2つ以上のカルボジイミド基を有しているものであれば特に限定されるものではない。例えば、p−フェニレン−ビス(2,6−キシリルカルボジイミド)、テトラメチレン−ビス(t−ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチレン−t−ブチルカルボジイミド)などのカルボジイミド基を有する化合物や、カルボジイミド基を有する重合体であるポリカルボジイミドが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさから、ポリカルボジイミドが好ましい。
ポリカルボジイミドの製法は、特に限定されるものではない。ポリカルボジイミドは、例えば、イソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により製造することができる。イソシアネート化合物も限定されるものではなく、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートのいずれであってもよい。イソシアネート化合物は、必要に応じて多官能液状ゴムやポリアルキレンジオールなどが共重合されていてもよい。
ポリカルボジイミドの市販品としては、日清紡社製のカルボジライトシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「SV−02」、「V−02」、「V−02−L2」、「V−04」、有機溶液タイプの「V−01」、「V−03」、「V−07」、「V−09」、無溶剤タイプの「V−05」などが挙げられる。
オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなる架橋剤の含有量は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが必要であり、1〜30質量部であることが好ましく、2〜20質量部であることがより好ましい。架橋剤の含有量が0.1質量部未満では、添加効果が乏しく、経時的に離型性が低下したり、十分な耐熱性が得られない場合があり、含有量が50質量部を超えると、離型性が低下する場合がある。なお、架橋剤は、複数の種類を同時に用いることもでき、同時に用いた場合、架橋剤の合計量が上記の架橋剤の含有量の範囲を満たしていればよい。
本発明の離型シートを構成する樹脂層は、上記のように、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを含有するものであるが、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、帯電防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤や、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料あるいは染料を含有してもよい。また、後述する樹脂層を形成するための液状物の安定性を損なわない範囲で、上記以外の有機もしくは無機の化合物を液状物に添加して、樹脂層に含有させることもできる。
本発明の離型シートにおいて樹脂層の厚みは、0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.03〜3.0μmであることがより好ましく、0.05〜1.0μmであることがさらに好ましい。樹脂層の厚みが0.01μm未満であると、十分な離型性が得られない場合があり、一方、厚みが5.0μmを超えると、コストアップとなるため好ましくない。
本発明において、基材上に樹脂層を設ける方法は特に限定されない。例えば、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、架橋剤と、媒体とを含む液状物を作製し、この液状物を基材上に塗布して媒体を乾燥させる方法が、樹脂層の厚みを均一にしやすく、大量生産が可能という点で好ましい。あるいは、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを混合したものを基材上に溶融押出して、樹脂層を形成してもよい。また、基材を構成する樹脂材料と樹脂層形成材料とを共押出することにより、離型シートを得てもよい。
上記、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤と含む液状物を作製するための媒体として、酸変性エチレン−α−オレフィンおよび架橋剤を溶解または分散することが可能な有機溶剤で、製膜の過程で乾燥することにより除去可能なものを使用することができる。効率よく塗膜から除去させる観点から、有機溶剤の沸点は、150℃以下であることが好ましい。沸点が150℃を超える有機溶剤は、塗膜から乾燥により飛散させることが困難となる傾向にあり、特に塗膜の接着性や耐内容物性等が低下する場合がある。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン(3−ペンタノン)、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−へプタノン、3−へプタノン、4−へプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類;ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等の含ハロゲン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−tert−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、イソホロン等のエステル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセトニトリル、そのほか、アンモニアを含む、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−ジエタノールアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等の有機アミン化合物;等を挙げることができる。
中でも、安定な液状物が得られ、コーティングを行ないやすいという観点から、トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類が好ましく、溶解度の観点からトルエンが特に好ましい。
また、液状物の安定性向上、溶解度の向上、基材への塗工性、塗工外観の改善等の観点から上記の有機溶剤を2種類以上組み合わせて使用してもよい。有機溶剤を2種類以上用いる場合、芳香族炭化水素類と、アルコール類および/またはケトン類と、を組み合わせて使用することが好ましい。有機溶剤を2種類以上用いる場合の芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレンなどが好ましく、アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどが好ましく、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが好ましい。
これらの溶媒を組み合わせて使用することにより、レベリング性が向上し、塗膜の干渉縞が解消され、塗工外観に優れた離型シートを得ることができる。干渉縞のある離型シートを用いた場合、粘着剤等の表面にも干渉縞が転写されてしまうおそれがあり、光学系の材料に対して使用できなくなることがある。
有機溶剤を2種類以上混合する場合の混合割合は、特に限定されないが、芳香族炭化水素系溶媒と、アルコール類および/またはケトン類との質量比((芳香族炭化水素系溶媒)/(アルコール類および/またはケトン類))は、99/1〜50/50であることが好ましく、97/3〜70/30がより好ましく、95/5〜80/20であることがさらに好ましい。
液状物を基材上に塗布して樹脂層を形成する方法においては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により、液状物を基材表面に均一に塗布し、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理または乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な樹脂層を基材に密着させて形成することができる。
基材上に樹脂層を形成した後、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤との反応を促進させるために、一定の温度にコントロールされた環境下でエージング処理をおこなってもよい。エージング温度は、基材へのダメージを軽減させる観点からは、比較的低いことが好ましいが、反応を十分かつ速やかに進行させるという観点からは、高温で処理することが好ましい。エージング処理は20〜100℃でおこなうことが好ましく、30〜70℃でおこなうことがより好ましく、40〜60℃でおこなうことがさらに好ましい。
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、架橋剤と、媒体とを含む液状物を作製する方法としては、媒体となる有機溶剤に、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを溶解させる方法が挙げられる。
また液状物を作製する方法として、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性分散体とし、架橋剤を混合する方法が挙げられる。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体に分散させ、水性分散体を得る方法は特に限定されないが、例えば、密閉可能な容器に酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、有機溶剤、水などの原料を投入し、槽内の温度を40〜150℃程度の温度に保ちつつ攪拌を行うことにより、水性分散体とする方法などが挙げられる。例えば、国際公開02/055598号パンフレットに記載された方法が挙げられ、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体中で塩基性化合物を用いて中和することにより、良好な水性分散体が得られる。
液状物における固形分の含有率は、樹脂層の形成条件や厚み、性能等により適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、液状物の粘度を適度に保ち、かつ良好な樹脂層を形成させるためには、1〜60質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
離型シートを構成する基材としては、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料等で形成されたものが挙げられる。基材の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は1〜1000μmであればよく、1〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、25〜100μmが特に好ましい。
基材に用いることができる樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン樹脂;ナイロン6、ポリ−m−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアクリルニトリル樹脂;ポリイミド樹脂;これらの樹脂の複層体(例えば、ナイロン6/MXD6ナイロン/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。
樹脂材料は延伸処理されていてもよい。中でも、基材は、機械的特性および熱的特性に優れるポリエステル樹脂フィルムが好ましく、安価で入手が容易という点からポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムに液状物を塗布する場合、二軸延伸されたフィルムに塗布後乾燥、熱処理してもよく、また、配向が完了する以前の未延伸フィルム、あるいは一軸延伸の終了したフィルムに液状物を塗布し、乾燥後加熱して延伸するか、あるいは加熱して乾燥と同時に延伸して、配向を完了させてもよい。後者の未延伸フィルム、あるいは一軸延伸終了後のフィルムに液状物を塗布後、乾燥、延伸配向する方法は、熱可塑性樹脂フィルムの製膜と同時に樹脂層を積層することができるため、コストの点から好ましい。
上記熱可塑性樹脂フィルムは、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよく、バリア層や易接着層、帯電防止層、紫外線吸収層などの他の層が積層されていてもよい。その他の材料と積層する場合の密着性を良くするために、熱可塑性樹脂フィルムの表面に、前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等が施されてもよい。
基材として用いることができる紙としては、和紙、クラフト紙、ライナー紙、アート紙、コート紙、カートン紙、グラシン紙、セミグラシン紙等が挙げられる。紙には、目止め層などが設けてあってもよい。
基材として用いることができる合成紙は、その構造は特に限定されず、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造としては、例えば基材層と表面層の2層構造、基材層の表裏面に表面層が存在する3層構造、基材層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造を例示することができる。各層は、無機や有機のフィラーを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。微細なボイドを多数有する微多孔性合成紙も使用することができる。
基材として用いることができる布としては、上述した合成樹脂からなる繊維や、木綿、絹、麻などの天然繊維からなる不織布、織布、編布などが挙げられる。
基材として用いることができる金属材料としては、アルミ箔や銅箔などの金属箔や、アルミ板や銅板などの金属板などが挙げられる。
基材として用いることができるガラス材料としては、ガラス板やガラス繊維からなる布などが挙げられる。
本発明の離型シートは、様々な材料に対して良好な離型性を有することから、様々な材料に対して使用することができ、本発明の離型シートを、樹脂層を介して、被着体に積層することで、積層体とすることができる。
本発明の離型シートは、具体的には、粘着材料や液晶ディスプレイ用部品などの保護材料として、プリント配線板のプレス工程材料や航空機等の構造材等に用いられるプリプレグの工程材料として、シート状構造体の製造時のベース基材として、転写印刷用の離型シートとして、それぞれ好適に使用することができる。特に、粘着材料に対して好適に使用することができる。
粘着材料としては、粘着シート、接着シート、粘着テープ、接着テープなどが挙げられる。より具体的には、基材に粘着剤が積層されたものである。粘着剤の成分や基材は特に限定されないが、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤が挙げられ、ここには、ロジン系、クマロン−インデン系、テルペン系、石油系、スチレン系、フェノール系、キシレン系などの粘着付与剤が含まれていてもよい。基材としては、上述の、紙、布、樹脂材料などが挙げられる。
粘着材料に対して使用される離型シートは、その取り扱い上、離型性に優れるものが求められており、たとえば、アクリル系粘着材料との剥離強度が0.5N/cm以下であるものが求められている。本発明の離型シートをアクリル系粘着材料に対して使用した場合、アクリル系粘着材料を貼り付けて、放置した後の樹脂層とアクリル系粘着材料との間の剥離強度を、0.5N/cm以下とすることができ、より好ましくは、0.4N/cm以下、さらに好ましくは0.3N/cm以下、最も好ましくは、0.2N/cm以下とすることができる。アクリル系粘着材料との剥離強度が0.5N/cmを超える場合、離型シートを粘着材料から剥離する際に、抵抗を感じたり、粘着材料の表面が荒れることにより、粘着性が低下する場合があるため、アクリル系粘着材料用の離型シートとして使用することが困難となることがある。
また、粘着力が強い粘着材料の代表であるシリコーン系粘着材料に対しても、本発明の離型シートを使用することが可能である。シリコーン系粘着材料に対して従来のようなシリコーン系離型シートを用いると、粘着層と離型層との親和性が高いため密着性が高まり剥離しにくくなる。これに対して、本発明の離型シートはシリコーン系粘着材料に対しても良好な剥離性を保つことができる。シリコーン系粘着材料に対して使用した場合、シリコーン系粘着材料を貼り付けて、放置したあとの樹脂層とシリコーン系粘着材料との剥離強度が1.0N/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.8N/cm以下、さらに好ましくは0.7N/cm以下である。
本発明の離型シートは、耐熱性に優れるため、離型シートが貼り付けられた粘着材料が、保管、流通の過程において、高温下に長時間曝されても、経時で剥離強度が変化することがなく、また、貼り付け後長時間経過した後も、樹脂層と粘着材料との剥離強度の変化を小さく抑えることができる。
また、工業的に離型シートを剥離する工程においては、作業ラインの高速化に伴い、一般的に10m/分を超える速度で、離型シートを剥離するため、粘着材料からの高速剥離が可能な離型シートが求められている。本発明の離型シートは、十分な離型性を有しているため、粘着材料から高速で剥離しても、音がなく抵抗感がなく剥離ができる。すなわち、本発明の離型シートは高速剥離時に、ジッピングやスティックスリップと呼ばれる音がする現象によって、粘着材料の表面状態が粗くなることにより透明性や粘着性が低下することを抑制することができる。
本発明の離型シートを保護材料として用いることができる液晶ディスプレイ用部品としては、偏光板、位相差偏光板、位相差板などが挙げられる。
本発明の離型シートは、プリプレグの工程材料としても用いられるものであり、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの樹脂および硬化剤等を含む溶液を、塗布、乾燥してシートを形成する際のキャリアシートとして、好適に使用することができる。
本発明の離型シートは、耐熱性も併せ持つため、硬化工程における高温処理後においても、離型性を維持することができる。プリプレグは、補強効果を高めるために、炭素繊維やガラス繊維等の織物等の補強材が使用されていてもよい。プリプレグが使用される工程としては、プリント配線板のプレス工程、航空機、自転車、風車等の構造部材の成形工程、ゴルフシャフト、テニスラケット等のスポーツ・レジャー用品の成形工程が挙げられる。プリント配線板としては、片面プリント配線板、両面プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、多層プリント配線板などが挙げられる。
本発明の離型シートをベース基材として用いて製造することができるシート状構造体の例としては、シリコーンゴムやフッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴムシート、塩化ビニルやウレタンからなる合成皮革、パーフロロスルホン酸樹脂などの高分子電解質などからなるイオン交換膜や、誘電体セラミックスやガラスなどからなるセラミックグリーンシート、放熱材料等を含有する放熱シート等が挙げられる。
これらの製造工程においては、ベース基材となる本発明の離型シート上に、溶媒でペースト状あるいはスラリー状とした原料を塗布、乾燥することにより、シート状構造体を形成することができる。あるいは、離型シート上に、溶融させた樹脂を押出すことにより、シート状構造体を形成することができる。
本発明の離型シートを転写印刷用に使用する場合、本発明の離型シート上にコーティングすることによって、印刷層、電極、保護層などの様々な機能層を形成し、離型シート上の機能層を、被転写体に対して、加熱、圧着することにより、被転写体に機能層を転写し、次いで離型シートを、機能層から剥離する。このように、本発明の離型シートはスタンピング箔とも呼ばれるものに使用することができる。機能層としては、メタリック箔、顔料箔、多色印刷箔、ホログラム箔、静電気破壊箔、ハーフミラーメタリック箔等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の不飽和カルボン酸成分含有量
オレフィン成分全量に対する不飽和カルボン酸成分の含有量は、下記に示す方法(A)または(B)を用いて求めた。
(A):酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
含有量(質量%)=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(原料ポリオレフィン樹脂の質量)×100
(B):赤外吸収スペクトル分析(Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計 System−2000、分解能4cm−1)を行い、不飽和カルボン酸成分の含有量を求めた。
(2)不飽和カルボン酸成分以外の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の構成
オルトジクロロベンゼン(d)中、120℃にて、H−NMR、13C−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、求めた。13C−NMR分析では定量性を考慮したゲート付きデカップリング法を用いて測定した。
(3)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート
JIS K7210(230℃、2160g荷重)に準拠する方法で測定した。
(4)アクリル系粘着剤に対する剥離強度(常温)
得られた離型シートの樹脂層側に、巾50mm、長さ150mmのアクリル系粘着テープ(日東電工社製、No.31B/アクリル系粘着剤)をゴムロールで圧着して、試料とした。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、25℃の雰囲気で24時間放置し、剥離強度測定用試料を得た。この剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型シートとの剥離強度を、25℃の恒温室で、引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定した。剥離角度は180°、剥離速度は300mm/分とした。
(5)アクリル系粘着剤に対する剥離強度(70℃)
試料を放置する条件を、25℃の雰囲気から70℃の雰囲気に変更した以外は上記(4)に記載の方法で剥離強度測定用試料を得た。この剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型シートとの剥離強度を、上記(4)に記載の方法で測定した。
(6)高速剥離性
上記(4)に記載された方法で得られた剥離強度測定用試料を用いて、その離型シート部分を両面テープにてステンレス板に固定し、粘着テープの端部を手で持ち、一気に剥離(剥離速度約30m/分)した際の、手の感触及び剥離時に発する音で、下記指標にて評価を行った。
○:音がなく、抵抗感がなく剥離ができる。
△:ジッピングによる音が発生し、剥離時に抵抗を感じる。
×:ジッピングにより、大きな音が発生し、剥離時の抵抗が大きいため、剥離速度約30m/分での剥離が出来ない。
(7)残留接着率
前記(4)の剥離強度試験(常温)、(5)の剥離強度試験(70℃)および(6)の高速剥離試験により離型シート表面から剥離した巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製No.31B/アクリル系粘着剤)を、それぞれステンレス板(SUS304 厚さ1mm)に貼付し、2kPa荷重、室温で20時間放置した。その後、ポリエステル粘着テープとステンレス板の剥離強度を、25℃の恒温室で引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定した。剥離角度は180度、剥離速度は300mm/分とした。この測定により得られた剥離強度を、それぞれF1(4)、F1(5)、F1(6)とした。
ステンレス板(SUS304 厚さ1mm)に、巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製No.31B/アクリル系粘着剤)を貼付し、2kPa荷重、室温で20時間放置した。その後、ポリエステル粘着テープとフィルムの剥離強度を、25℃の恒温室で引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定(剥離角度は180度、剥離速度は300mm/分)し、得られた剥離強度をF2とした。
下記式を用いて、それぞれの粘着テープの残留接着率を得た。
常温放置後の残留接着率(%)=(F1(4)/F2)×100
70℃放置後の残留接着率(%)=(F1(5)/F2)×100
高速剥離後の残留接着率(%)=(F1(6)/F2)×100
粘着テープの粘着剤表面が離型シートにより汚染されたり、剥離の際に粘着テープの表面が著しく粗くなった場合、粘着テープの再粘着性が低下し、粘着テープとしての性能を損なう。したがって、残留接着率は高い方が好ましい。
(8)シリコーン系粘着剤に対する剥離強度(常温、70℃)、高速剥離性、残留接着率
上記(4)〜(7)において、巾50mm、長さ150mmのアクリル系粘着テープに代えて、巾25mm、長さ150mmのシリコーン系粘着テープ(日東電工社製、No.336/シリコーン系粘着剤)を使用した以外は、上記(4)〜(7)と同様の方法で、シリコーン系粘着剤に対する剥離強度(常温、70℃)の測定、高速剥離性の評価、また残留接着率の測定をおこなった。
(9)塗工外観(干渉縞)の評価
得られた離型シートの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム面に黒色光沢テープ(ヤマト社製 ビニールテープ 200−50−21)を貼りあわせて、暗室にて三波長蛍光灯(パナソニック社製 FPL27EX−N)の直下30cmにおき、角度を変えながら目視にて干渉縞の程度を観察し、塗工外観の評価を行った。
◎:干渉縞がほとんど見えない。
○:干渉縞がわずかに見える。
△:弱い干渉縞が見える。
×:干渉縞がはっきりと見える。
(10)耐ブロッキング性
得られた離型シートを50mm×50mmの大きさに2枚切り出し、樹脂層と樹脂層反対面とが接触するように重ね合せ、60℃で10kPaの荷重をかけた状態で、24時間放置したあと、荷重を取り除いて室温まで冷却した後、樹脂層と樹脂層反対面との密着状態を調べることで耐ブロッキング性を評価した。
○:2枚のシートに密着が見られない、または、2枚のシートが簡単に剥がれ、樹脂層に白化などの変化が見られない。
×:樹脂層が凝集破壊を起こす、または、2枚のシートを剥がした後の樹脂層が全体的に白くなっている。
樹脂層を構成する樹脂として、次のものを使用した。
P−1:
エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)100gを、4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で、130℃に加熱したキシレン400gに溶解させた。次いで、この溶液に、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)10gおよびジクミルパーオキサイドのトルエン溶液(10質量%)5gをそれぞれ30分間かけて加え、その後、系内を130℃に保って、4時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥して得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1を使用した。
P−2:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=55/45質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−2を使用した。
P−3:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−ブテン共重合体(エチレン/1−ブテン=70/30質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−3を使用した。
P−4:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=90/10質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−4を使用した。
P−5:
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を3gに変更した以外は同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン樹脂P−5を使用した。
P−6:
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を20gに変更した以外は同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−6を使用した。
P−7:
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を40gおよびジクミルパーオキサイドのトルエン溶液(10質量%)の量を7gに変更した以外は、同様の操作を行って得た、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−7を使用した。
P−8:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をプロピレン−1−ブテン共重合体(プロピレン/ブテン=70/30質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性プロピレン−α−オレフィン共重合体P−8を使用した。
P−9:
アルケマ社製、ボンダイン「LX−4110」(無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂)を使用した。
P−10
クラレ社製、クラプレン「LIR−403」(酸変性ポリイソプレン、数平均分子量34000、酸価9〜11mgKOH/g)を使用した。
P−11:
酸変性されていないエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=70/30質量%)を使用した。
樹脂層を構成する上記樹脂P−1〜P−11の組成、特性を表1に示す。
Figure 0006516681
実施例1
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1をトルエンに溶解させて、2質量%の溶液を作製した。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、オキサゾリン化合物の溶液(日本触媒社製、エポクロス「WS−500」、固形分濃度:39質量%、イソプロパノールで希釈)とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、2質量部となるように混合して得た液状物を、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製「エンブレットPET−38」、厚み38μm)のコロナ処理面に、マイヤーバーを用いてコートした後、140℃で15秒間乾燥させて、厚み0.2μmの樹脂層をフィルム上に形成させたのち、50℃で2日間エージングを行うことで離型シートを得た。
実施例〜10、比較例1、4〜6、参考例1
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の種類、架橋剤の種類と含有量を表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。なお、カルボジイミド化合物からなる架橋剤として、日清紡社製カルボジライト「V−03」を用いた。
実施例11〜15
実施例1において、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1を溶解させる媒体として、トルエンに代えて、表2に記載の組成の媒体を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
比較例2
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂P−9(アルケマ社製、ボンダイン「LX−4110」)、90.0gのイソプロパノール、3.0gのトリエチルアミンおよび147.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとした。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリエチレン樹脂水性分散体E−1を得た。
得られた酸変性ポリエチレン樹脂水性分散体E−1と、オキサゾリン化合物の溶液とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性ポリエチレン樹脂100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
比較例3
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリイソプレンP−10(クラレ社製、クラプレン「LIR−403」)、60.0gのイソプロパノール、15gのトリエチルアミンおよび165gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌しながら、加熱し、系内温度を120℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリイソプレン水性分散体を得た。得られた酸変性ポリイソプレン水性分散体とオキサゾリン化合物の溶液とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性ポリエチレン樹脂100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
比較例7
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、イソシアネート化合物(BASF社製、Basonat「HW−100」、固形分濃度:100質量%)をイソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、10質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型シートを得た。
比較例8
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、エポキシ化合物(DIC社製、EPICLON「860−90X」、固形分濃度:90質量%)を、イソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型シートを得た。
比較例9
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、メラミン系化合物(日本サイテックインダストリーズ社製、サイメル「325」、固形分濃度:80質量%)をイソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、10質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型シートを得た。
実施例、比較例、参考例で得られた離型シートについて評価した結果を表2に示す。
Figure 0006516681
実施例1、3〜15で得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と本発明で規定する種類と量の架橋剤とを含有する樹脂層を設けた離型シートは、離型性、耐熱性、高速剥離性、耐ブロッキング性に優れるものであった。実施例11〜15に示すように、液状物の媒体として、トルエンとアルコールの混合物や、トルエンとケトンの混合物を用いた場合、塗工外観にも優れるものであった。参考例1は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比が好ましい範囲でなかったため、離型性、高速剥離性が少し低下した。また、実施例7は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量が好ましい範囲でなかったため、離型性が少し低下した。
一方、樹脂層を構成する樹脂として、エチレン成分とα−オレフィン成分とを同時に含有しないものを使用した場合(比較例1、2)、得られた離型シートは、離型性、高速剥離性に劣るものであった。また、樹脂層を構成する樹脂として、酸変性ポリイソプレンを用いた場合(比較例3)、得られた離型シートは、優れた離型性および耐熱性、残留接着性を有するものの、耐ブロッキング性が著しく低下した。
樹脂層を構成する樹脂として、酸変性されていないものを使用した場合(比較例4)、得られた離型シートは、耐熱性に劣り、熱処理により離型性が著しく低下した。
樹脂層が架橋剤を含有していない場合も(比較例5)、離型シートは、熱処理により離型性が著しく低下した。また、樹脂層における架橋剤の含有量が本発明で規定する範囲よりも多い場合(比較例6)、得られた離型シートは、常温での離型性に劣り、熱処理によりさらに離型性が低下した。
本発明で規定しない架橋剤を用いた場合(比較例7〜9)、得られた離型シートは、耐熱性に劣り、熱処理により離型性が著しく低下した。

Claims (5)

  1. 基材上に樹脂層を設けてなる離型シートであって、
    樹脂層が、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、架橋剤0.1〜50質量部とを含有し、
    酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)が、60/40〜99/1であり、
    α−オレフィン成分が、プロピレンまたは1−ブテンであり、
    架橋剤がオキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなることを特徴とする離型シート。
  2. 酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量が、エチレン成分とα−オレフィン成分との合計に対して、1質量%未満であることを特徴とする請求項1記載の離型シート。
  3. 基材が、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の離型シート。
  4. 樹脂材料が、ポリエステル樹脂フィルムであることを特徴とする請求項3記載の離型シート。
  5. 下記の方法で測定した剥離強度が、0.5N/cm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の離型シート。
    剥離強度測定方法:
    離型シートの樹脂層側に、巾50mm、長さ150mmのアクリル系粘着テープ(日東電工社製、No.31B/アクリル系粘着剤)をゴムロールで圧着して、試料とする。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、25℃の雰囲気で24時間放置し、剥離強度測定用試料を得る。この剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型シートとの剥離強度を、25℃の恒温室で、引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定する。剥離角度は180°、剥離速度は300mm/分とする。
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