JP6515824B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタに関する。
特許文献1に開示のコネクタは、電線が引き出されるコネクタハウジングと、コネクタハウジングに被せ付けられるキャップ状のカバーとを備えている。カバーは、電線を覆い、電線を外方に引き出すための電線引出口を有している。コネクタハウジングは、外周側に係止突起を有している。カバーは、コネクタハウジング側に向けて突出する箱形の係止枠を有している。係止枠が係止突起を係止することで、カバーがコネクタハウジングに保持されるようになっている。
特開平5−290924号公報
上記の場合、外方に引き出された電線が大きく振られたときに、カバーに過大な応力が生じ、カバーの両側壁が拡開することがあった。これにより、係止枠が係止突起から外れ、カバーがコネクタハウジングから離脱するおそれがあった。 本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、カバーがコネクタハウジングから離脱するのを防止することを目的とする。
本発明は、電線延出面を有するとともに、前記電線延出面の外側にロック受部を有するハウジングと、前記電線延出面から延出する電線を覆うキャップ状の形態であり、前記電線を外方に引き出す電線引出口と前記ハウジングに対し前後方向に沿って当接する開口端と前記ロック受部を係止して前記ハウジングからの離脱を規制するロック部とを有するカバーとを備え、前記カバーは、前進規制部を有し、前記ハウジングは、前記前進規制部の前端に当接可能に対向し、且つ前記カバーの外面に対向して配置される開き規制部を有しているところに特徴を有する。
開き規制部がカバーの外面に対向して配置されるため、電線引出口から引き出された電線が振られ、例えば、カバーにねじれ方向の外力が作用しても、カバーの外面が開き規制部に当接することで、カバーが拡開するのが防止される。その結果、ロック部がロック受部を係止する状態が維持され、カバーがハウジングから離脱するのが確実に規制される。
また、開き規制部が前進規制部の前端に当接することで、ハウジングに対してカバーが前方に位置ずれするのが防止される。開き規制部がカバーの位置ずれを防止する機能とカバーの拡開を防止する機能とを兼備するため、両機能が個別に備わるものに比べ、全体の構成を簡素にすることができる。
本発明の実施例1に係るコネクタの側面図である。 コネクタの背面図である。 コネクタの平面図である。 ハウジングの平面図である。 ハウジングの側面図である。 カバーの側面図である。
本発明の好ましい実施形態を以下に示す。
前記前進規制部が前記電線引出口の口縁に沿ったリブからなる。これによれば、リブからなる前進規制部によって電線引出口の形状が維持され、カバーが拡開するのがより確実に防止される。また、前進規制部が、電線引出口の形状を維持する機能とカバーの位置ずれを防止する機能とカバーの拡開を未然に防止する機能とを兼備することにより、全体の構成をより簡素にすることができる。
前記カバーに前記ロック部が複数設けられ、それぞれの前記ロック部と対応する位置に前記開き規制部が配置されている。このように、それぞれのロック部と対応する位置に開き規制部が配置されることで、ロック部がロック受部を係止する状態がより確実に維持される。
<実施例1>
以下、実施例1を図面に基づいて説明する。実施例1のコネクタは、ハウジング10と、ハウジング10に組み付けられるカバー30と、ハウジング10に回動可能に取り付けられるレバー60とを備えている。なお、以下の説明において、前後方向は、図2を除く各図の左側を前側とし、上下方向は、図3、図4を除く各図の上下方向を基準とする。
ハウジング10は合成樹脂製であって、図4に示すように、複数のキャビティ11を有するハウジング本体12を有している。各キャビティ11には、図示しない端子金具が挿入される。端子金具は、電線80の端部に接続されている。各電線80は、ハウジング本体12の上面となる電線延出面13から上方へ延出される。ハウジング本体12の前後両面には、一対の支軸14が突出して設けられている。支軸14は、略円柱状をなし、レバー60の回動支点を構成している。 レバー60は合成樹脂製であって、図1及び図3に示すように、前後方向に延出する操作部61と、操作部61の前後両端から略平行に突出する一対のアーム部62とからなり、ハウジング本体12に図1の手前側(一側方)から跨るように取り付けられ、アーム部62の軸受部63(図2を参照)に支軸14が嵌合することで、ハウジング10に保持される。詳細は図示しないが、レバー60は、操作部61が一側方に位置する状態とカバー30側に位置する状態とを支軸14を中心として回動し、その回動操作により図示しない相手コネクタとの間にカム作用を発揮し、相手コネクタをハウジング10に引き寄せて正規嵌合状態に至らす役割を有している。
ハウジング本体12の両側面のうち、レバー60の操作部61で覆われる一側面は、前後方向中央部に、前後方向両端部から一段落ちた形態の凹所15を有している。図4に示すように、凹所15の奥底面には、係止部16が設けられている。係止部16は、前後に間隔をあけて上下方向に延出する一対の突条17と、両突条17間に配置される係止本体18とからなる。係止本体18は、撓み変形可能な扁平板状をなし、レバー60を係止して保持する役割を有している。
ハウジング本体12の上面には、図4に示すように、電線延出面13の外周を包囲する包囲部19が上方に突出して設けられている。包囲部19は、上方から見て四角に丸みのついた長方形状をなし、内側に電線延出面13が配置されている。包囲部19の外周面の左右両側(長辺側)には、前後一対ずつのロック受部21が設けられている。ロック受部21は、外側に突出する爪状をなし、上面が外側へ向けて下り勾配で傾斜し、下面が略水平に配置された形態になっている。
図4に示すように、ハウジング本体12の上面のうち、包囲部19の外周側の部分は、カバー30の後述する開口端34が当接する当接面22になっている。当接面22は、前後方向にほぼ沿った平坦面として構成されている。ハウジング本体12の当接面22には、複数の開き規制部23が上方に突出して設けられている。開き規制部23は、当接面22の左右両端部に前後一対ずつ設置され、詳細には当接面22の左右両端部における後端位置と前後方向中央位置とに対をなして設置されている。このうち、1つの開き規制部23Aは、ハウジング本体12の凹所15に隣接して配置されている。この開き規制部23Aは、前後方向に沿った板片状の形態とされ、外面が凹所15の奥底面から段差無く連続している。残り3つの開き規制部23Bは、それぞれ大きさは異なるが、同様の形状になっている。
各開き規制部23の内面は、図2に示すように、上下方向に沿って平坦な規制面24として構成される。各開き規制部23の規制面24は、カバー30の後述する両側板部31の外面に対向して配置され、後述するように、両側板部31が外側に拡開しようとしたときに、両側板部31の外面に当接し、カバーの拡開動作を規制する役割を有している。また、各開き規制部23の前端面及び後端面は、上下方向に沿って切り立つように配置されている。このうち、後側の開き規制部23Bの後端面は、カバー30の後述するリブ37と当接可能に配置され、カバー30の前進を規制する役割を有している。
3つの開き規制部23Bは、図2に示すように、外面に、当接面22に連なる基端から上方へ行くにしたがって次第に内側に寄るように傾斜する傾斜面25を有している。各開き規制部23は、上方に行くほど肉厚を減じる断面略三角形状なし、詳細には、規制面24と傾斜面25とで断面略直角三角形状をなしている。
また、ハウジング本体12の当接面22には、図1及び図3に示すように、1つのストッパ部26が上方に突出して設けられている。ストッパ部26は、当接面22の前端部の左右方向中央位置に設置され、左右方向に沿った板片状の形態になっている。ストッパ部26の内面(後面)は、カバー30の前端に当接可能とされている。
続いて、カバー30の構造を説明する。カバー30は合成樹脂製であって、図2、図3及び図6に示すように、全体としてキャップ状をなし、左右両側に配置される一対の両側板部31と、両側板部31の上端間に架設されて後端を閉じる背板部32と、背板部32に連なり両側板部31の前端間に架設されて前端を閉じる前板部33とを有している。
図6に示すように、背板部32の後側部分は前後方向にほぼ沿って配置され、背板部32の前側部分は前方へ向けて下向きに傾斜して配置されている。側板部31は、背板部32の形状にしたがって前側部分の上下高さが前方へ向けて次第に減少する形態になっている。また、前板部33は、上下方向に沿って切り立つように配置されている。カバー30の下端は、両側板部31から前板部33にかけて略同一高さで断面略U字状に連なる開口端34として構成されている(図2を参照)。
図2に示すように、カバー30の後面は、開口端34の内側空間と連通し、各電線80が引き出される電線引出口35として開放されている。また、図6に示すように、カバー30の後部上端側には、電線導出部36が後方へ突出して設けられている。電線導出部36は、両側板部31及び背板部32に一体に連なって、下方に開口する断面略U字状をなし、電線引出口35の上端部分を区画している。
ここで、カバー30は、ハウジング本体12の電線延出面13から上方へ延出する各電線80を覆いつつ後方へ屈曲させ、さらに電線引出口35から外部へ各電線80を引き出すようになっている。図1及び図2に示すように、電線引出口35から引き出された各電線80は、電線導出部36に沿うように配索され、電線導出部36に対し結束バンドやテープなどの固定部材90を介して固定される。
図2及び図6に示すように、カバー30の電線引出口35の口縁には、両側板部31から背板部32にかけて周方向に略U字状に延出するリブ37(前進規制部)が設けられている。リブ37は、前後方向の同一位置にて周方向に一定の断面形状で構成され、カバー30の本体部分と電線導出部36との間を仕切る仕切り部38を有している。カバー30の電線引出口35の口縁はリブ37によってその剛性が高められ、電線引出口35の開口形状が一定に維持されるようになっている。
また、電線導出部36の外周面における後端部と前後方向中間部とには、周方向に略U字状に延出する一対の規制リブ39が設けられている。両規制リブ39は、それぞれリブ37よりも大きい突出寸法で構成されている。両規制リブ39間には、電線導出部36の外周面から各電線80に跨って周回する固定部材90が前後方向への位置ずれを規制された状態で配置される。
カバー30の両側板部31には、前後一対ずつのロック部41が設けられている。図6に示すように、ロック部41は、側板部31に形成された一対のスリット42間にて撓み変形可能に配置されている。一対のスリット42は、側板部31において、前後に間隔をあけて上下方向に延出し、下端が開口端34に開口している。ロック部41は、両スリット42の奥端に対応する上端から下方へ片持ち状に突出する矩形枠状をなし、内部に、ロック受部21が嵌合する縦長方形のロック孔43を有している。
以上が本実施例1のコネクタの構造であり、続いて、ハウジング10に対するカバー30の組み付け構造と作用効果を説明する。
組み付けに際し、ハウジング10に上方からカバー30が被せられる。カバー30の組み付け過程では、ロック部41がロック受部21と干渉して外側に撓み変形させられる。カバー30の組み付け完了時には、ロック部41が弾性復帰してロック孔43にロック受部21が嵌り込み、これによってカバー30がハウジング10に対して離脱規制された状態に保持される。また、カバー30の組み付けに伴い、ハウジング10の電線延出面13から延出する各電線80が、後方へ強制的に屈曲させられ、電線引出口35を通して後方へ引き出される。引き出された各電線80は固定部材90によって電線導出部36に固定される。
上述したカバー30の組み付け完了によってロック部41がロック受部21を係止した状態では、図1及び図3に示すように、カバー30の開口端34がハウジング10の当接面22に沿って当接可能に載置される。また、カバー30の前板部33の前面がハウジング10のストッパ部26に当接可能に対向して配置されるとともに、カバー30のリブ37の前端面が後側の開き規制部23に当接可能に対向して配置される。
さらに、図2及び図3に示すように、ハウジング10の各開き規制部23の規制面24がカバー30の両側板部31の外面に沿って当接可能に配置される。図1に示すように、各開き規制部23は、カバー30の各ロック部41と前後両側で近接する位置に対応して配置される。詳細には、後側の開き規制部23の直前方位置に後側のロック部41が隣接して配置され、前側の開き規制部23が前側のロック部41の後方に若干離れているが対応して配置される。
ところで、カバー30の電線引出口35から引き出された各電線80が上下方向及び左右方向に振られると、カバー30の両側板部31を左右に拡開させようとする拡開力や、カバー30をねじれさせようとするねじれ力や、カバー30を前進させようとするずれ力などの外力が、カバー30に作用する。そうすると、各ロック部41が対応するロック受部21から離間して外れ、カバー30がハウジング10から離脱するおそれがある。
しかるに本実施例1の場合、カバー30の前板部33がストッパ部26に当接し、カバー30のリブ37が後側の開き規制部23に当接することにより、上記ずれ力に抗し、カバー30が前進するのを抑えることができる。
また、カバー30の両側板部31の開口端34側がその開き方向で各開き規制部23に当接することにより、上記拡開力及びねじれ力に抗し、カバー30が拡開するのを抑えることができる。この場合に、カバー30のリブ37が後側の開き規制部23と当接することにより、ねじれ力の抑制にいっそう効果的に機能することができる。
以上説明したように本実施例1によれば、各開き規制部23がカバー30の両側板部31の外面に対向して配置されるため、電線引出口35から引き出された各電線80が振られ、カバー30にねじれ方向及び拡開方向の外力が作用しても、カバー30の両側板部31の外面が各開き規制部23に当接することで、カバー30の両側板部31が拡開するのが防止される。その結果、ロック部41がロック受部21を係止する状態が維持され、カバー30がハウジング10から離脱するのが確実に規制される。しかも、複数のロック部41のそれぞれと対応する位置に開き規制部23が配置されているため、ロック部41がロック受部21を係止する状態がより確実に維持される。
また、後側の開き規制部23がリブ37の前端に当接することで、ハウジング10に対してカバー30が前方に位置ずれするのが防止される。このように、開き規制部23がカバー30の位置ずれを防止する機能とカバー30の拡開を防止する機能とを兼備するため、両機能が個別に備わるものに比べ、全体の構成を簡素にすることができる。
また、リブ37によってカバー30の電線引出口35の開口形状が維持され、ひいては電線引出口35に連通する開口端34の開口幅も維持されるため、カバー30が拡開するのがより確実に防止される。さらに、リブ37が、電線引出口35の開口形状を維持する機能とカバー30の位置ずれを防止する機能とカバー30の拡開を未然に防止する機能とを兼備することにより、全体の構成をより簡素にすることができる。
<他の実施例>
以下、他の実施例を簡単に説明する。
(1)カバーは、リブに代えて、開き規制部に当接して前進規制される専用の構造部分を有していてもよい。
(2)開き規制部の個数は任意であり、ハウジングに1つだけ設けられるだけでもよい。
(3)後側の開き規制部がリブと当接することのみでカバーの前進を規制することができれば、ハウジングからストッパ部を省略してもよい。
(4)本発明は、レバーを有しないコネクタにも適用可能である。
10…ハウジング
13…電線延出面
21…ロック受部
23…開き規制部
30…カバー
34…開口端
35…電線引出口
37…リブ(前進規制部)
41…ロック部
80…電線

Claims (3)

  1. 電線延出面を有するとともに、前記電線延出面の外側にロック受部を有するハウジングと、
    前記電線延出面から延出する電線を覆うキャップ状の形態であり、前記電線を外方に引き出す電線引出口と前記ハウジングに対し前後方向に沿って当接する開口端と前記ロック受部を係止して前記ハウジングからの離脱を規制するロック部とを有するカバーとを備え、
    前記カバーは、前進規制部を有し、
    前記ハウジングは、前記前進規制部の前端に当接可能に対向し、且つ前記カバーの外面に対向して配置される開き規制部を有していることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記前進規制部が前記電線引出口の口縁に沿ったリブからなることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記カバーに前記ロック部が複数設けられ、それぞれの前記ロック部と対応する位置に前記開き規制部が配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
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