JP6506511B2 - 冷凍輸送用包装用容器 - Google Patents

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本発明は、容器等の熱成形に使用するための積層シート、および、その積層シートを用いて製造した包装用容器に関するものである。
食品用の包装用容器については、電子レンジ加熱に耐え得る程度の耐熱性が要求される他に、冷凍庫等での低温保管にも耐え得る耐寒性が要求されることがある。例えば、特許文献1(特開2003−261125号公報)は、「低温の物体を収納し低温で保管しても、ひび割れや破損が生じることがない容器を提供すること」(同文献の要約)を目的として、二層構造の氷用容器の容器本体を開示する。具体的には、容器内部側の内側層1aをポリエチレンテレフタレート共重合体(PET−G)で構成すると共に、容器外部側の外側層1bをポリスチレンで構成し(同文献の段落0007参照)、内側層1aのポリエチレンテレフタレート共重合体の特性により、低温環境下でのひび割れや破損を回避している(同文献の段落0011参照)。
なお、特許文献1中には明示されていないが、「PET−G」とは、イーストマンケミカル社が製造するグリコール変性型ポリエチレンテレフタレート樹脂を指していると思われる。この樹脂は、PET合成時のジオール成分であるエチレングリコールの一部をCHDM(シクロヘキサンジメタノール)に置換したタイプの変性PET樹脂である。
特開2003−261125号公報
しかしながら、特許文献1のようにPET−Gを採用した容器であっても、その耐寒衝撃性能が十分であるとは言い難い場面がある。具体的には、冷凍された食品を収めた容器を複数個、段ボール箱に収納し、この段ボール箱を保冷車(荷台に冷凍庫を搭載したトラック車両)で運搬したときに、容器の全てではないが一定の割合でいくつかの容器にヒビ割れ等が生じ、商品価値が損なわれること(冷凍物流事故)があった。一般に、保冷車の冷凍庫の温度は−18℃に設定されているため、食品容器の分野では、−18℃という低温環境下での振動その他の衝撃に対する耐性(耐寒衝撃性)を高めることが要求されている。本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものである。
本発明の目的は、包装用容器の製造に使用するためのシート素材であって、耐熱性のみならず耐寒衝撃性にも優れた積層シートを用いた冷凍輸送用包装用容器を提供することにある。
請求項1の発明は、耐熱性のみならず耐寒衝撃性にも優れた冷凍輸送用包装用容器であって、
容器の壁部に用いられている積層シートが、表裏両面を有するコア層と、該コア層の両面又は片面に設けられた30μm以上の厚さのスキン層とを有してなり、
前記コア層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂を主成分として構成されると共に、前記スキン層が、前記コア層を構成するPET系樹脂とは異なる変性PET樹脂を主成分として構成されており、
前記変性PET樹脂は、酸成分としてのテレフタル酸と、ジオール成分との共重合ポリマーであり、前記ジオール成分は、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、イソソルビド、及び、エチレングリコール、の三成分からなり、
100モル%の前記テレフタル酸に対応する100モル%の前記ジオール成分は、
1)46モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
2)31モル%のイソソルビド、及び、
3)23モル%のエチレングリコール、
からなり、
前記積層シートが、冷凍輸送の場面でも容器のヒビ割れを防止できるような耐寒衝撃強度を確保すべく、JIS K7211−1に準拠したパンクチャー衝撃試験において、試験片を−18℃に保冷した状態でのパンクチャー衝撃強度値が2.2J以上である、
ことを特徴とする冷凍輸送用包装用容器である。
本発明によれば、冷凍輸送用包装用容器を、耐熱性および耐寒衝撃性に優れたものとすることができる。
積層シートの作製例を示し、(a)は三層構造の積層シートの部分断面図、(b)は二層構造の積層シートの部分断面図。 本発明で使用する変性PET樹脂を構成するモノマー成分の化学式を示す図。 ヒートサグ試験の概要を示す図。
(用語の定義)この明細書においては各用語を次のような意味で用いる。
「シート」とは厚さが100μm以上の厚膜状物をいい、「フィルム」とは厚さが100μm未満の薄膜状物をいう。また、「容器」という場合、容器の本体のみならず、容器の蓋体も含まれ得る。
以下に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本発明の積層シートは、表裏両面を有するコア層と、該コア層の両面(両側)又は片面(片側)に設けられたスキン層とを有してなるものである。
積層シートのコア層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂を主成分として構成される。コア層で用いるPET系樹脂は、好ましくは、非晶ポリエチレンテレフタレート(APET、Aは非晶質(Amorphous)の意味)である。このAPETは、いわゆるペットボトルや弁当用容器等の材料として一般的に用いられているものである。一般的なAPETの融点は、260℃前後である。
PET系樹脂を主成分として構成されるコア層の厚さは、好ましくは100μm〜1mmである。コア層の厚さが100μmを下回ると、積層シートを熱成形した後に得られる容器の肉厚が薄くなりすぎて、容器の強度や剛性の面で必要な性能確保が難しくなる。他方、コア層の厚さが1mmを超えると、熱成形での賦形性を悪化させるおそれがある。
積層シートのスキン層は、前記コア層を構成するPET系樹脂とは異なる変性PET樹脂を主成分として構成される。この変性PET樹脂は、酸成分としてのテレフタル酸と、ジオール成分とが1対1のモル比で脱水縮合して得られる共重合ポリマーであり、且つ、前記ジオール成分が、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、イソソルビド、及び、エチレングリコールの三成分を少なくとも含んでなるものである(ジオール成分の化学式については図2参照)。
なお、イソソルビドは、再生利用資源である穀物(例えばトウモロコシ)を原料に製造されるグリーンジオール(Green Diol)として位置づけられると共に、ポリマーに機能性を付与する改質成分である。イソソルビドは、二つのフラン環を繋げた化学構造を持つことから(図2参照)、ポリマーに剛性をもたらす。また、PET系高分子中にイソソルビドを導入することでガラス転移点(Tg)が上昇し、耐熱性が向上する。但し、理由は定かではないが、イソソルビド導入によるポリマー全体のTg上昇にもかかわらず、イソソルビドの導入は耐寒衝撃性をむしろ改善することが実験的に確認されている。イソソルビドの特異なフラン環二連結構造がポリマーに低温環境下での特異な分子運動を許容するものと推測され、そのことが高めのTgと耐寒衝撃性能との両立に資すると考えられる。
上記テレフタル酸及び三種のジオール成分のそれぞれの好ましい配合比について説明すると、100モル%のテレフタル酸に対応する100モル%のジオール成分のうち、
1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)をXモル%、
イソソルビドをYモル%、
エチレングリコール(及び、必要ならばその他のジオール)をZモル%、とした場合、
X=20〜60モル%、Y=10〜35モル%、Z=(100−X−Y)モル%とすることが好ましい。
前記CHDMが20モル%未満になると、積層シートにおける耐寒衝撃性が不十分なものとなったり、透明性が低下したりするおそれがある。他方、前記CHDMが60モル%を超えると、耐熱性が低下するおそれがある。また、イソソルビドが10モル%未満になると、積層シートにおける耐熱性や耐寒衝撃性が不十分なものとなるおそれがある。他方、イソソルビドが35モル%を超えると、変性PET樹脂が黄変するおそれがあり、その結果、積層シートの透明性が低下するおそれがある。
前記変性PET樹脂を主成分として構成されるスキン層の厚さは、少なくとも30μmであり、より好ましくは30〜100μmの範囲である。スキン層の厚さが30μm未満になると、耐寒衝撃性が要求レベルに達せず好ましくない(後記実施例及び比較例参照)。他方、スキン層の厚さが100μmを超えると、耐寒衝撃性が必要以上の過剰品質となりコスト面で不利になる。
本発明の積層シートは、一般的な共押出し法による多層シート製造装置を用いて製造することができる。例えば、コア層及びスキン層を構成する樹脂組成物を2つ又は3つの押出機にそれぞれ装填し、各押出機から押し出された樹脂を多層ダイで一体シート化することで、2層又は3層構造の積層シートを得ることができる(図1参照)。
このようにして得られた本発明の積層シートは、公知の熱成形手法(例えば、熱盤成形、真空成形、圧空成形または真空圧空成形)を用いて、包装用容器の形態に賦形することができる。
なお、本発明の積層シートによれば、JIS(日本工業規格)K7211−1に準拠したパンクチャー衝撃試験において、試験片を−18℃に保冷した状態でのパンクチャー衝撃強度値を2.2J以上とすることができる。−18℃でのパンクチャー値が2.2J以上であれば、この積層シートから作った容器を保冷車に載せて実際に冷凍輸送した場合でも、冷凍輸送時にヒビ割れが生ずる事態をほぼ防止することができる。
以下、本発明に係る積層シートの試作例である実施例1及び2、並びに、本発明と対比されるべき比較例1〜5について説明する。
[実施例1]
実施例1は、コア層の表裏両面にスキン層がそれぞれ配置された3層構造の積層シート(総厚さ400μm)を共押出し法による多層シート製造装置を用いて試作したものである。コア層を構成する樹脂としては、中国三房巷社製のAPET樹脂「CZ−333」(Tg=70℃)を使用した。また、各スキン層を構成する樹脂としては、韓国SKケミカル社製の変性PET樹脂「エコゼンBS400」(Tg=120℃)を使用した。このエコゼンは、非晶質のバイオコポリエステルとして、韓国において第1号バイオプラスチックの認証(第BBP−0001:2011号)を受けているものである。ちなみに本件出願人が日本国内の民間分析機関に依頼してH−NMRスペクトル解析を行ったところ、エコゼンBS400の組成は、テレフタル酸:100モル%、CHDM:46モル%、イソソルビド:31モル%、エチレングリコール(EG):23モル%であることが判明している。なお、後掲の表1中、”ECOZ”はエコゼンBS400を指し、”APET”はCZ−333を指している。
実施例1の積層シートは、スキン層/コア層/スキン層の層厚比を15/70/15としたものである。即ち、積層シートの総厚さは400μmであるから、3層の厚みは、それぞれ60μm/280μm/60μmである。
[実施例2]
実施例2の積層シートは、実施例1の積層シートと同様の3層構造の積層シート(総厚さ400μm)であるが、3層の層厚比だけが実施例1と異なっている。具体的には、
実施例2の積層シートは、スキン層/コア層/スキン層の層厚比を10/80/10としたものである。即ち、積層シートの総厚さは400μmであるから、3層の厚みは、それぞれ40μm/320μm/40μmである。
[比較例1]
比較例1の積層シートは、実施例1の積層シートと同様の3層構造の積層シート(総厚さ400μm)であるが、3層の層厚比だけが実施例1と異なっている。具体的には、
比較例1の積層シートは、スキン層/コア層/スキン層の層厚比を5/90/5としたものである。即ち、積層シートの総厚さは400μmであるから、3層の厚みは、それぞれ20μm/360μm/20μmである。
[比較例2]
比較例2は、コア層の表裏両面にスキン層がそれぞれ配置された3層構造の積層シート(総厚さ400μm)を共押出し法による多層シート製造装置を用いて試作したものである。コア層を構成する樹脂としては、中国三房巷社製のAPET樹脂「CZ−333」(Tg=70℃)を使用した。また、各スキン層を構成する樹脂としては、イーストマンケミカル社の変性PET樹脂「PET−G」(Tg=80℃)を使用した。このPET−Gは、テレフタル酸:100モル%、CHDM:約70モル%、エチレングリコール:約30モル%から得られるPET樹脂であり、PET−Gにイソソルビドは含まれていない。なお、後掲の表1中、”PETG”はイーストマンケミカル社のPET−Gを指している。
比較例2の積層シートは、スキン層/コア層/スキン層の層厚比を5/90/5としたものである。即ち、積層シートの総厚さは400μmであるから、3層の厚みは、それぞれ20μm/360μm/20μmである。
[比較例3]
比較例3の積層シートは、比較例2の積層シートと同様の3層構造の積層シート(総厚さ400μm)であるが、3層の層厚比だけが比較例2と異なっている。具体的には、
比較例3の積層シートは、スキン層/コア層/スキン層の層厚比を10/80/10としたものである。即ち、積層シートの総厚さは400μmであるから、3層の厚みは、それぞれ40μm/320μm/40μmである。
[比較例4]
比較例4の積層シートは、比較例2の積層シートと同様の3層構造の積層シート(総厚さ400μm)であるが、3層の層厚比だけが比較例2と異なっている。具体的には、
比較例4の積層シートは、スキン層/コア層/スキン層の層厚比を15/70/15としたものである。即ち、積層シートの総厚さは400μmであるから、3層の厚みは、それぞれ60μm/280μm/60μmである。
[比較例5]
比較例5は、スキン層を持たない単層シート(厚さ400μm)であって、シート全体が中国三房巷社製のAPET樹脂「CZ−333」(Tg=70℃)で構成されたものである。
実施例1及び2並びに比較例1〜5の各シートについて、性能評価のための試験、実験あるいは測定を行った。各試験ないし測定の概要を以下に記す。
[透明性(ヘーズ値)の測定]
JIS−K7136に準拠した方法により、各積層又は単層シートのヘーズ値(Haze,単位:%)を測定した。具体的には、日本電食株式会社製ヘーズメーターNDH−7000SPを使用し、試験片(50mm×50mmの大きさに切り揃えたシート)をヘーズメーターの測定部(試験片の支持部)に挟んで自動計測した。ヘーズ値は透明性の指標であり、その値(%)が小さいほど透明性が高くなる。実施例及び比較例の各々の測定結果を表1に示す。
[耐熱性試験(ヒートサグ試験)]
JIS−K7195に準拠した方法により、各積層又は単層シートについてヒートサグ試験を行った。具体的には、試験片として、各シートを長さ100mm×幅5mmに切り揃えた長尺片を準備すると共に、測定装置として、タバイエスペック株式会社製GPHH−100を使用した。図3に示すように、基板上に立設された支持架台の上部に試験片の一端を留め具で固定する。これを試験温度(80℃)に設定したギアオーブン(恒温槽)中に1時間静置する。そして、加熱前後の試験片の自由端部の高さの差からヒートサグ値を求めた。即ち、ヒートサグ値:S(mm)=So−Sf
So:加熱前における基板から試験片の自由端部までの高さ(mm)
Sf:1時間加熱後における基板から試験片の自由端部までの高さ(mm)
ヒートサグ値は、耐熱性(又は高温剛性)の指標であり、その値が低いほど耐熱性が高いと言える。実施例及び比較例の各々の測定結果を表1に示す。
[耐寒衝撃試験(−18℃でのパンクチャー衝撃試験)]
JIS−K7211−1に準拠した方法により、各積層又は単層シートについてパンクチャー衝撃試験を行った。具体的には、試験片として、各シートを縦50mm×横50mmに切り揃えた正方形片を準備すると共に、全ての試験片を予め−18℃に冷却した。測定装置として、マイズ試験機株式会社製パンクチャー衝撃(デュポン衝撃)試験機を使用し、次の手順にて試験を行った。
(イ)冷却済みの試験片を、試験片支持台と撃鉄(ストライカ)との間に配置する。
(ロ)ある高さに重りを下支えしていた押さえ棒を引き抜いて、当該高さから重りを撃鉄に向けて落下させる。
(ハ)重りの種類および重りの高さを種々変更して、試験片が「割れる」/「割れない」の境目を探す。例えば各回の試験片の破損状況を見ながら、重りの落下高さを上げ下げする。
(ニ)上記(ロ)及び(ハ)の手順を20回繰り返し、得られた測定結果とJIS規定の計算式に基づいてパンクチャー衝撃強度値(50%衝撃破壊エネルギー、単位:J)を求めた。
得られた値は、低温環境下での耐衝撃強度の指標であり、その値が大きいほど耐寒衝撃性が高いと言える。実施例及び比較例の各々の測定結果を表1に示す。
[容器での冷凍輸送実験]
実施例1及び2並びに比較例5の各積層又は単層シートを熱成形して標準的なサイズのゼリー等の高温充填用容器(縦148mm×横148mm×高さ55mm)を作製した。実施例又は比較例ごとにそれぞれ10個の容器を準備した。そして、それぞれの容器に粉状寒天を溶かしたゼリー(300グラム)を充填すると共に、ゼリー入り容器を−18℃に冷却した(つまり容器内のゼリーを冷凍状態とした)。各例のシートにつき10個ずつ用意した冷凍ゼリー入り容器(合計30個)を段ボール箱に収納すると共に、この段ボール箱を保冷車の冷凍庫(−18℃)に搭載して長距離輸送実験を行った。具体的には、この保冷車に愛知県犬山市(出願人の実験拠点地)と北海道札幌市との間を一往復させるという輸送実験を行った。上記実験拠点地に帰還した保冷車から段ボール箱を静かに降ろし、中に収められた各容器の状態を目視で確認した。その結果、実施例1及び2の容器については、10個ともヒビ割れ等は見られなかった(表1において「良好(0/10)」と表示)。これに対し、比較例5の容器については、10個中2個にヒビ割れが発見された(表1において「不良(2/10)」と表示)。
なお、比較例1,2,3及び4の積層シートについては直接的には上記の冷凍輸送実験を行っていない。但し、比較例3及び4の積層シート(スキン層がPETG)から作った容器については、実際の冷凍輸送の場面で冷凍輸送時にヒビ割れが生ずることがあるとの報告(苦情)が寄せられている。このため、比較例3の耐寒衝撃強度:2.08J、及び、比較例4の耐寒衝撃強度:2.00Jをもって耐寒衝撃性に優れると評価することはできない。比較例3及び4よりも低い耐寒衝撃強を示した比較例1(1.96J)及び比較例2(1.99J)についても同様である。このような事情と、上記冷凍輸送実験の結果と、上記−18℃でのパンクチャー衝撃試験の測定結果とを総合的に勘案して、実際の冷凍輸送の場面でも容器のヒビ割れを確実に防止できそうな耐寒衝撃強度値(−18℃でのパンクチャー衝撃値)として、2.2J以上が必要であるとの結論に達した。
Figure 0006506511
表1の結果から、上記実施例及び比較例を次のように総括することができる。
実施例1及び2の積層シートは、比較例1〜5のシートに比べて、優れた耐熱性(80℃でのヒートサグ値)及び耐寒衝撃性(−18℃でのパンクチャー衝撃強度値)を示した。特に、実施例1及び2の積層シートは、スキン層にPETGを採用した比較例2〜4に比べて顕著に優れた耐熱性及び耐寒衝撃性を示した。また、実施例1及び2と比較例1との対比から、スキン層にECOZ(エコゼンBS400)を採用した場合でも、ある程度スキン層に厚みがないと、耐寒衝撃性を向上させられないことが判明した。この点に関しては、実施例2(スキン層の厚さ40μm)と比較例1(スキン層の厚さ20μm)との比較から、スキン層にECOZを採用した場合において−18℃でのパンクチャー衝撃値として2.2J以上を確保するためには、スキン層の厚さが少なくとも30μm程度必要になるものと思われる。

Claims (1)

  1. 耐熱性のみならず耐寒衝撃性にも優れた冷凍輸送用包装用容器であって、
    容器の壁部に用いられている積層シートが、表裏両面を有するコア層と、該コア層の両面又は片面に設けられた30μm以上の厚さのスキン層とを有してなり、
    前記コア層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂を主成分として構成されると共に、前記スキン層が、前記コア層を構成するPET系樹脂とは異なる変性PET樹脂を主成分として構成されており、
    前記変性PET樹脂は、酸成分としてのテレフタル酸と、ジオール成分との共重合ポリマーであり、前記ジオール成分は、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、イソソルビド、及び、エチレングリコール、の三成分からなり、
    100モル%の前記テレフタル酸に対応する100モル%の前記ジオール成分は、
    1)46モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
    2)31モル%のイソソルビド、及び、
    3)23モル%のエチレングリコール、
    からなり、
    前記積層シートが、冷凍輸送の場面でも容器のヒビ割れを防止できるような耐寒衝撃強度を確保すべく、JIS K7211−1に準拠したパンクチャー衝撃試験において、試験片を−18℃に保冷した状態でのパンクチャー衝撃強度値が2.2J以上である、
    ことを特徴とする冷凍輸送用包装用容器。
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