JP6504932B2 - 端部キャップとレールの取付構造 - Google Patents
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Description
この引戸レールの端部には、端部キャップが装着される。端部キャップは、引戸レールの端部を覆うほか、レールを床面に取り付ける際に、引戸レールを所定位置に位置決める際の仮止めの機能を持つ。
この端部キャップ50は、図示のように起立縁51と起立縁51の両側から水平に突出して設けられたガイド部52と、レール60に装着したとき、その走行溝62に配置されガイド部52と同じ方向に突出して形成された上部突片53から成っている。ここで、ガイド部52にはそのガイド部52下面に下向きに突起52aが設けられており、上部突片53は、先端部にテーパー部53aを備えて各一対ずつガイド部52と並んで配置されている。
しかし、この端部キャップ70は、図7Bに示すように、縦枠90に形成した戸じゃくり凹溝92に隙間なく嵌め込むことが前提であり、縦枠90が無いときの端部キャップ70の引戸レール80からの引き抜けについてとくに考慮する必要はないものである。しかも、その構造は、単に端部キャップ70をその上下の各片72、73で引戸レールの端部を挟むだけであるから、この構成では、端部キャップ70を引戸レール80に嵌装し、その引戸レール80を床面に取り付け終了するまでの間に脱落する虞は消えないし、縦枠90がないところで使用すると脱落し易くなる虞もある。
ここでは、まず、その引戸レール(以下、単にレールという)について説明する。
図1Aは、本発明の端部キャップとレールの取付構造におけるレール2の一例を示す斜視図であり、図1Bはレール2と共にレール2に装着するレールカバー3を示す断面図である。
レール2は、長尺のアルミ型材を適宜寸法に切断したものであり、床面に直接載置して、図示しないビス(ねじ)孔を介して床面に対しビス止めして直付けされる。また、引戸は、例えばレール2の走行溝23上を走行する複数の戸車を下端に設けた公知の引戸である。
図2は、端部キャップ1の斜視図である。
端部キャップ1は、例えば合成樹脂で形成されており、レール端面に当接してレール端面におけるレール2と床面との間の隙間を覆う細長い略矩形の端板部(従来技術の起立縁に相当)10を有している。端板部10には、端板部10の両端近傍からレール側に突出したガイド部11と、ガイド部11の内側で同様にレール側に突出した上部突片13と、端板部10の中央部で、これもレール側に突出した突起部12が設けられている。
ここで、ガイド部11、上部突片13は、図示のように、いずれも突起部12を挟んでそれぞれ対称的に配置されている。
なお、これは、ガイド部11をレール2の下向きの凹条部22内に収容したとき、凹条部22、したがってレール2全体を僅かに上方へ押し上げるためである。
上部突片13は、レール2の走行部20の両側に形成される走行溝23a、23b上に挿入できるように、その底面は、端板部10に対して、端板部10の底面からレール2の厚みに相当する分だけ上側になるように形成されると共に、その上面には、その高さが走行溝23a、23bの底面から端板部10上面の高さまで漸増するように、走行溝23a、23bの底面側から端板部10側に向かって傾斜面(スロープ)が形成されている。
これにより、端部キャップ1をレール2の端部に嵌装したとき、レール2は、レール2の上側に配置される突起部12と、レール2の下側に配置されるガイド部11により上下から互い違いに挟持される。
図3Aは、嵌装前の端部キャップ1とレール2の、また、図3Bは嵌装(仮止め)後における端部キャップ1とレール2のそれぞれ斜視図である。
レール2の床面への取付施工は、まず、端部キャップ1をレール2の端部に嵌装して仮止めし、次に端部キャップ1を仮止めしたレール2を床面に取り付ける手順で行う。
即ち、突起部12と、突起部12に対して対称配置されたガイド部11とで、レール2をその幅方向において上下側から互い違いに挟み込み、図3Bに示すようにレール2と端部キャップ1を仮止めする。
そのため、嵌装された端部キャップ1とレール2は、レール2の幅方向両側部におけるガイド部11(突条部11a)から凹条部22に対して作用する上向きの力と、レールの中央部における突起部12の底面からレール2に作用する下向きの力で上下から強固に挟持されて、抜け止め規制がなされる。
端部キャップ1とレール2を仮止めした後、レール2を床面の所定位置に配置して、ビス4をレール2の平板部24に形成された取付ビス孔25を介して床面に螺合する。それによってレール2を床面へ取り付ける。
ここでは、レール2の中央部側の走行溝23bを構成するそれぞれ中央部側の溝壁23b(1)がレールカバー3の差込部となり、この差込部に対して、例えば金属又は合成樹脂製のレールカバー3の幅方向両端の取付脚片3aを押し込んで装着(つまりその圧着力で固定)する。
端部キャップ1と、レール2と、レールカバー3を嵌装一体化した状態では、図5A、5Bに示すように、凹条部22、走行溝23a、23bには、それぞれガイド部11、上部突片13が密着嵌合すると共にレール2の走行部20を挟むようにその両側部に当接し、かつ走行部20の端部側では走行部20を包み込むように走行部20上に張り出している。
また、レール2を床面に固定した後、レール2の差し込み部に対してレールカバー3を装着する際に、端部キャップ1の突起部12上の突条部12aをレールカバー3の上から押し潰して変形させることで、端部キャップ1は、レール2に装着されるレールカバー3に確実に密着される。
また、ガイド部11についても、それに突条部11aを設けたものとして説明したが、ガイド部11の本体自体の上下寸法を、それを収容するレール2の下向きの凹条部22の隙間の上下寸法よりも大きくしても同様の効果を得ることができる。その場合、ガイド部11の形状は無理なく凹条部22に挿入可能なように、挿入側にスロープ(テーパー)を設けるなど適宜形状を変更する。また、突条部11a、突条部12aの形状についても同様である。
いずれの場合も、レール20側においては、突起部12に対応する部分は平板部24に、またガイド部11に対応する部分は下向きの凹条部22に形成しておく。また、レールカバー3は、レール2の走行部20間の平板部24にのみ装着され、走行部20間が下向きの凹条部22となる場合はレールカバー3を設けず、突起部12上にレールカバー3を設けない(被せない)場合は、当然のことながら突起部12上の突条部12aは不要である。
(i)レール端部に端部キャップ固定用の加工が不要なため、レールを施工現場でどのようにカットしても端部キャップを嵌装できる。そのため、レールの長さに対して柔軟な対応が可能である。
(ii)従来は端部キャップの装着は、縦枠の有無に影響されるが、本実施形態の端部キャップは影響されることなく、つまり縦枠が端部キャップに当てる必要なく嵌装(設置)可能である。
(iii)端部キャップをレールに嵌装するだけで、ガイド部の突条部と突起部で抜け止め規制を行いレールに対する確実な仮固定が可能である。
(iv)レールの取付施工は、レール中央部の走行溝間に対してのみカバー材を装着すればよく、短時間で確実な施工が可能である。
(v)端部キャップに走行溝形状に合わせたスロープ(傾斜面)を設けることで、走行溝にたまった塵の掃出しが容易である。
Claims (4)
- 端部キャップとレールの取付構造であって、
前記端部キャップは、前記レールの端部に当接してレール端部の床面との隙間を覆う端板部と、前記端板部の中央部に配置された突起部と、前記突起部を挟んで対称配置されたガイド部とを有し、
前記レールは、前記端部キャップを嵌装したとき、前記突起部の下側に当接する平板部と、前記平板部を挟んでそれぞれ対称配置される、引戸の走行部と、走行部の両側に配置される走行溝と、下向きの凹条部とを有し、
前記ガイド部は、前記下向きの凹条部の前記ガイド部を収容する隙間の上下寸法よりも大きな上下寸法を有し、前記レールの上側に配置される前記突起部が前記平板部に当接する状態で、前記下向きの凹条部の内面上部に押し上げる力を作用させることを特徴とする端部キャップとレールの取付構造。 - 請求項1に記載された端部キャップとレールの取付構造において、
前記ガイド部は上面に突条部を有し、前記突条部の上下寸法分だけ前記下向きの凹条部の前記ガイド部を収容する隙間の上下寸法よりも大きな上下寸法を有する端部キャップとレールの取付構造。 - 請求項1又は2に記載された端部キャップとレールの取付構造において、
前記端部キャップの突起部はその上面に突条部を有し、
前記突起部の突条部の上下寸法が、前記突起部と前記走行溝間に装着されるレールカバー間の隙間の上下寸法よりも大きい端部キャップとレールの取付構造。 - 請求項3に記載された端部キャップとレールの取付構造において、
前記レールカバーは、前記レールの走行部間で走行溝間に押し込み装着され、前記突起部の突条部は、前記押し込みにより変形して前記レールカバーに密着する端部キャップとレールの取付構造。
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