JP3974699B2 - 階段の踏板施工用スペーサー部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅の室内階段を施工する際に、側板に対して踏板を正確且つ強固に取付けることができる階段の踏板施工用スペーサー部材に関し、特に施工が複雑な廻り階段部に採用するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、室内階段の施工時には側板の内側面に一定の溝高と溝長を有する水平の差込溝を設け、この差込溝に踏板の両端部を嵌着させることによって踏板の取り付けを行っているが、上記差込溝の溝高が踏板の厚さよりも大きすぎると、差込溝の下向き上面と踏板端部の上面との間に隙間が生じて外観を存するばかりでなく、踏板を釘着等によって差込溝を固定させても長期の使用中にその固定が緩んでガタツキが生じる虞れがあった。
【0003】
また、差込溝と踏板端部との嵌着を強固に行わせるために、差込溝の溝高を踏板の厚みに略等しく形成した場合、差込溝を設けた側板や踏板は木質材料から形成されているので、吸湿や放湿等によって膨張や収縮等の寸法変化が生じ、そのため施工現場において踏板を差込溝に嵌合させることが困難になる場合があり、この場合には現場において差込溝を研削する作業を要して施工に著しく手間を要するという問題点があった。また、差込溝に側板端部を無理に嵌め込もうとすると踏板の表面化粧層を損傷してしまう虞れがある。
【0004】
このため、側板に設けている上記差込溝の溝高を踏板の厚みよりも大きく形成すると共に該差込溝の上向き下面を内部に向かうに従って上向きに傾斜した傾斜面に形成しておき、この差込溝に踏板の端部を挿嵌させたのち、踏板の端部下面と差込溝の上記傾斜面との間に楔材を打ち込むことにより、差込溝に踏板を固定することが試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような踏板固定手段によれば、施工現場において側板に削成している差込溝の傾斜面に合致する傾斜面を有する楔材を作製しなければならず、このような楔材の削成作業に手間取るばかりでなく差込溝と楔材との傾斜面の傾斜角度が一致していない場合には、長期間の使用によって楔材と踏板下面との間に隙間が生じ、階段の昇降時に踏み鳴りが生じ易くなるという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは側板に設けている差込溝に対して踏板の端部を無理なく且つ損傷等を生じさせることなく、容易に且つ強固に固定させることができると共に長期の使用によっても隙間や踏鳴り等の発生をなくし、安定した精度のよい踏板の施工を可能にし得る階段の踏板施工用スペーサー部材を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の階段の踏板施工用スペーサー部材は、請求項1に記載したように、階段の側板内側面に削成した踏板差込溝の上向き下面とこの差込溝に差込んだ踏板の端部下面との間に介在させるスペーサー部材であって、上下一対の細長棒形状のスペーサー片からなり、上側のスペーサー片はその上面を平坦面に形成していると共に下面を一側端から他側端に向かって上向きに傾斜した傾斜下面に形成している一方、下側のスペーサー片はその下面を平坦面に形成していると共に上面を一側端から他側端に向かって上記上側スペーサー片の傾斜下面と同一角度でもって上向きに傾斜した傾斜上面に形成してあり、さらに、これらの上下スペーサー片の対向する傾斜上下面に両側端面間に亘って互いに嵌合可能な凹条部と凸条部を設けた構造としている。
【0008】
上記階段の踏板施工用スペーサー部材において、請求項1に係る発明は、上記上下スペーサー片の対向する傾斜上下面に、上側のスペーサー片に対する下側のスペーサー片の一側端から他側端への進入を許容し且つ後退を阻止する互いに係合可能な連続鋸歯状の係合突条を夫々形成してあり、さらに、上下スペーサー片の両側端面間に複数個のビス止め用貫通孔を設けていることを特徴とする。
【0009】
【作用】
階段の側板の内側面において、踏板の施工個所に踏板の厚みと上下一対のスペーサー片からなるスペーサー部材の厚みとの和に略等しい溝高を有する水平な差込溝を削成する。この差込溝に踏板の端部を差し込むと共に該踏板の下面と差込溝の上向き下面との間の隙間にスペーサー部材を介入させる。この際、上面が一側端から他側端に向かって上向きに傾斜している下側のスペーサー片の他側端縁側を差込溝側に向けると共にこの下側スペーサー片に対して上側スペーサー片を手前側に食い違い状にずらして重ね合わせ且つ対向した傾斜上下面に設けている凹凸条部を互いに嵌合させた状態にして介入させる。
【0010】
このように上下スペーサー片を食い違い状に重ね合わせて踏板端部の下面と差込溝の上向き下面との間に挿入すると、下側スペーサー片の平坦な下面が差込溝の上向き下面上に接した状態で差込溝内の所定位置まで差し込まれる一方、上側スペーサー片がその一端部を差込溝から内方に突出させた状態となり且つその平坦な上面で踏板端部の下面を支持していると共に踏板端部下向き上面と差込溝の上面との間に僅かな隙間が設けられた状態となる。
【0011】
この状態にして、内側に突出した上側スペーサー片の端面をハンマー等で叩打すると、該上側スペーサー片は、その傾斜下面を下側スペーサー片の傾斜上面に摺接させながら互いに嵌合した凹凸条部に案内されて差込溝内に進入し、その進入によって上側スペーサー片の傾斜下面が進入方向に上向きに傾斜している下側スペーサー片の傾斜上面によって上方に持ち上げられ、この上側スペーサー片上に受止された踏板端部の平坦な上面を差込溝の下向き上面に圧着させて踏板端部を差込溝内にスペーサー部材を介して強固に固定するものである。この際、踏板端部の下面と差込溝の上向き下面の間の隙間にバラツキがあっても、上側スペーサー片の打ち込み深さの大小に応じて該上側スペーサーの平坦な上面の高さ、即ち、スペーサー部材の全体の厚みが大小に変化するので、そのバラツキを確実に吸収しながら踏板の固定が可能となる。
【0012】
また、上下スペーサー片の対向する傾斜上下面において、両側端間に亘って互いに係合する連続鋸歯状の係合突条を形成しておけば、下側スペーサー片の傾斜上面上を上側スペーサー片の傾斜下面が後退することなく打ち込み方向にのみ正確に進行させることができると共に差込溝内への踏板端部の固定後には、階段の昇降時における衝撃等によっても差込溝内からの上側スペーサー片の抜け出し方向の妄動が確実に阻止され、踏み鳴りが生じる虞れもない。さらに、上下スペーサー片の両側端面間に設けられたビス止め用貫通孔にビスを挿入することによりスペーサー部材を側板に容易に固定することができ、踏板を長期間に亘って安定した強固な施工状態に維持し得るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施例を図面について説明すると、図1及び図2において、階段の側板1の内面には、け込み高さ間隔毎に水平な踏板差込溝2が削成されてあり、この側板1を両側に一定間隔を存した対向させると共に相対した差込溝2、2内に踏板3の両端部をそれぞれスペーサー部材4を介して嵌着、固定してある。なお、スペーサー部材4は硬質のABS樹脂や塩化ビニル樹脂等の硬質合成樹脂成形品、或いはスチールやステンレス、アルミニウム等の金属材、又は硬質木材等から形成されている。
【0014】
上記スペーサー部材4は図3、図4に示すように、一定幅と長さを有する細長角棒形状の上下一対のスペーサー片4A、4Bからなり、上側スペーサー片4Aはその上面を水平な平坦面5aに形成していると共に下面を一側端から他側端に向かって全幅に亘り上向きに緩傾斜した傾斜下面6aに形成している一方、下側スペーサー片4Bはその下面を水平な平坦面5bに形成していると共に上面を一側端から他側端に向かって全幅に亘り上向きに緩傾斜した傾斜上面6bに形成している。これらの上下スペーサー片4A、4Bの幅は上記差込溝2の奥行幅と略等しいか或いはやゝ幅広く形成していると共に長さは差込溝2の前後方向の長さ、即ち、踏板3の幅方向の長さ方向よりも短く形成している。
【0015】
上記上下スペーサー片4A、4Bの対向する傾斜面6a、6bは互いに同一傾斜角度を有していると共にその角度はスペーサー部材4の幅の大小によって異なるが5度程度の緩やかな傾斜角度に形成されている。さらに、これらの上下スペーサー片4A、4Bの対向した上記傾斜上下面6a、6bには高さが0.3mm 内外の微細な鋸歯形状の係合突条7、8を幅方向に連続的に形成している。そして、各係合突条7、8の断面形状は、上下スペーサー片4A、4Bの一側端から他端に向かってそれぞれ上向に傾斜した傾斜面7a、8aと該傾斜面7a、8aの上端から次の傾斜面7a、8aの下端に連なった垂直な係止面7b、8bとを有する形状に形成されている。
【0016】
従って、上側スペーサー片4Aは、その傾斜下面6aに形成している各係合突条7の傾斜面7aを下側スペーサー片4Bの傾斜上面6bに形成している係合突条8の傾斜面8aに摺接させながら一側端から他側端に向かっての進行移動を可能にしているが、後退方向の移動は係合突条7、8の垂直な係止面7b、8b同士の係止によって阻止されるものである。なお、これらの係合突条7、8は上下スペーサー片4A、4Bの全長に亘ってそれぞれ設けられている。
【0017】
さらに、上記上側スペーサー片4Aの傾斜下面6aにおける長さ方向の両端部に、両側端面間に亘って一定高さの細幅の凸条部9と該凸条部9が係合可能な形状を有する凹条部10とを形成していると共に、下側スペーサー片4Bの傾斜上面6bにおける長さ方向の両端部に、両側端面間に亘って上記上側スペーサー片4Aの傾斜下面6aに設けた凹凸条部9、10にそれぞれ摺動可能に係合する凸条部9と凹条部10とを形成している。なお、上下スペーサー片4A、4Bの対向する傾斜上下面6a、6bのいずれか一方に凸条部9のみを、他方に該凸条部9に係合可能な凹条部10のみを設けておいてもよい。また、これらの凹凸条部9、10の断面形状を矩形状に形成する以外に、凹条部を蟻溝形状に形成する一方、凸条部をこの蟻溝形状の凹条部に係合可能な断面形状に形成しておいてもよい。
【0018】
11、12は上下スペーサー片4A、4Bの両側端面間に亘ってそれぞれ貫設したビス止め用貫通孔で、これらのスペーサー片4A、4Bの長さ方向に適宜間隔毎に複数個、設けられている。さらに、上下スペーサー片4A、4Bにはその内外両端面の一方から他方に向かって複数個所に空間部13、14をそれぞれ設けているが、これらの空間部13、14は材料の削減と軽量化を図っているものであって、必ずしも設ける必要はない。
【0019】
このように構成した上下一対のスペーサー片4A、4Bからなるスペーサー部材4を用いて階段の側板1の内面に設けている上記差込溝2に踏板3の端部を固着することによって階段を施工する態様について説明すると、まず、踏板3の端部を差込溝2内に挿入すると共に差込溝2の上向き下面2bと該踏板3の端部下面との間にスペーサー部材4を介入させた状態にする。この場合、差込溝2内にスペーサー部材4を挿入したのち、このスペーサー部材4の上側スペーサー片4Aの上面と差込溝2の下向き上面2aとの間の隙間に踏板3の端部を挿入してもよいが、いずれにしても、上側スペーサー片4Aを下側スペーサー片4Bに対して適宜幅だけ内側方にずらして互いに食い違い状に且つ対向する凹凸条部9、10を摺動自在に係合させた重ね合わせ状態にして下側スペーサー片4Bの平坦な下面5bを差込溝2の下面2b上に載置する。なお、差込溝2の溝高は、踏板3の厚みとスペーサー部材4の厚みとの和に略等しい寸法に形成されている。
【0020】
上記のように、上側スペーサー片4Aを下側スペーサー片4Bに対して内側方にずらした状態にすると、該上側スペーサー片4Aの一側端部が差込溝2の開口端から内側方に突出すると共に、図5に示すように、下側スペーサー片4Bの傾斜上面6bの低い部分に一側端から他側端に向かって厚みが薄くなる上側スペーサー片4Aの傾斜下面6aにおける他側端部側が重ね合わされて、スペーサー部材4の上下面間の厚みが上下スペーサー片4A、4Bの対向傾斜面6a、6bを全面的に密接させた重ね合わせ状態の厚みよりも薄くなっており、従って、上側スペーサー片4Aの平坦な上面5a上で受止している踏板3の端部上面と差込溝2の下向き上面2aとの間に僅かな隙間15が形成されることになって差込溝2に対するスペーサー部材4及び踏板3の端部の挿入作業が容易に且つ正確に行うことができる。
【0021】
この状態にして、差込溝2の開口端から内側方に突出している上側スペーサー片4Aの内側端面をハンマー16によって叩打すると、該上側スペーサー片4Aがその傾斜下面6aを下側スペーサー片4Bの傾斜上面6bに摺接させながら互いに嵌合した凹凸条部9、10をガイドとして差込溝2内に向かって幅方向に正確に進入し、その進入に伴って上側スペーサー片4Aの傾斜下面が進入方向に上向きに傾斜している下側スペーサー片4Bの傾斜上面6bによって徐々に上方に持ち上げられて上側スペーサー片4Aの平坦な上面5a上に支持されている踏板3の端部上面を差込溝2の下向き上面2aに圧着させ、踏板3の端部が差込溝2内にスペーサー部材4を介して強固に固定される。
【0022】
このように、差込溝2の平坦な溝下面上に配置している下側スペーサー片4Bの傾斜上面6bと踏板3の端部の平坦な下面との間に打ち込む上側スペーサー片4Aの楔作用によって踏板3の端部の平坦な上面を差込溝2の平坦な下向き上面に圧着させるものであるが、この際、上下スペーサー片4A、4Bが互いに摺接した傾斜面6a、6bに形成している連続鋸歯状の係合突条7、8の傾斜面7a、8aによって上側スペーサー片4Aの打ち込み方向の進入を許容し、係合突条7、8の垂直な係止面7b、8bの係合によって上側スペーサー片4Aが後退方向に移動するのを確実に阻止しながら踏板3の端部が強固に固定されるまで上側スペーサー片4Aを差込溝2に打ち込むものである。
【0023】
踏板3の端部が差込溝2にスペーサー部材4を介して固定されたのち、図6に示すように、上下スペーサー片4A、4Bに設けているビス止め用貫通孔11、12に内側方からビス17を挿入して側板1に打ち込むことにより、上下スペーサー4A、4Bを差込溝2内に固着し、踏板3を長期間に亘って安定した固定状態に維持するものである。なお、上段側の踏板3の先端部下面と下段側の踏板3の基端部上面間に張設するけ込み板18の施工は、通常通り、側板1の内面に予め削成しておいた垂直なけ込み板嵌合用溝19にけ込み板18の端部を嵌合させることによって行う。
【0024】
側板3の内面に設けている差込溝2に対する踏板3の施工は、特に、廻り階段部においては複雑となるが、上記スペーサー部材4をこの廻り階段の施工時に採用すれば能率のよい踏板の取付作業が可能となるものである。図7はその廻り階段の施工途中状態を示す要部の斜視図であって、互いに一定の角度でもって連設している第1の側板1Aと第2の側板1Bとの連設部には同一水平面上で互いに連通した差込溝2A、2Bがそれぞれ設けられてあり、これらの差込溝2A、2Bに上記第1、第2側板1A、1Bとの連設角度と同一角度に形成している端部の前半部と後半部とをそれぞれスペーサー部材4、4を介して差し込んで、スペーサー4の上側スペーサー片4Aを打ち込むことにより、踏板3を差込溝2A、2Bに強固に固定しているものである。その他の施工態様は上記実施例と同様であるのでその説明を省略する。
【0025】
なお、側板1に設けている差込溝2に踏板3の端部を固定する際には、図1、図7では差込溝2の前後2個所にスペーサー部材4、4を配してこれらのスペーサー部材4、4を介して踏板3を差込溝2に固定しているが、1個の長いスペーサー部材を用いて固定してもよく、或いは、複数個のスペーサー部材を用いて固定しいてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明の階段の踏板施工用スペーサー部材によれば、上下一対の細長棒形状のスペーサー片からなり、上側のスペーサー片はその上面を平坦面に形成していると共に下面を一側端から他側端に向かって上向きに傾斜した傾斜下面に形成している一方、下側のスペーサー片はその下面を平坦面に形成していると共に上面を一側端から他側端に向かって上記上側スペーサー片の傾斜面と同一角度でもって上向きに傾斜した傾斜上面に形成してなるものであるから、踏板の施工時に、下側スペーサー片の傾斜上面に対して上側スペーサー片の傾斜下面を下傾方向にずらした状態で重ね合わせることにより、上下スペーサー片を完全に重ね合わせた状態の厚みよりも薄くしておくことができ、従って、このスペーサー部材と共に踏板の端部を差込溝内に挿入する際に、該踏板の端部上面と差込溝の下向き上面との間に隙間を生じさせることができて、スペーサー部材上に踏板の端部を支持させた状態となるように差込溝に無理なく且つ踏板の端部が損傷を受けることなく簡単且つ正確に挿入することができると共に上側スペーサー片を差込溝の開口端から内側方に突出せた状態にすることができる。
【0027】
この状態にして上側スペーサー片の突出端面をハンマー等により叩打すれば、下側スペーサー片の上面が上側スペーサー片の打ち込み方向に上向きに傾斜しているので、上側スペーサー片はその傾斜下面を下側スペーサー片の傾斜上面に摺接させながら差込溝内に進入するに従って上方に移動し、この上側スペーサー片の平坦な上面で支持して踏板の端部を上方に持ち上げて差込溝の上面に強固に圧着させることができるものである。この際、側板に設けている差込溝の溝高や踏板の厚みにバラツキが生じていても、上側スペーサー片の打ち込み深さの大小、即ち、下側スペーサー片に対する上側スペーサー片の進行方向のずれに応じて該上側スペーサーの平坦な上面の高さ、即ち、スペーサー部材の全体の厚みを大小に変化させることができるので、そのバラツキを確実に吸収しながら踏板を側板に作業性よく且つ強固に固定させることができる。
【0028】
さらに、上下スペーサー片の対向する傾斜上下面に両側端面間に亘って互いに嵌合可能な凹条部と凸条部を設けているので、上側スペーサー片を打ち込む際に該上側スペーサー片が下側スペーサー片の長さ方向に対して交差する方向に妄動するのを確実に阻止しながら、上側スペーサー片を下側スペーサー片に対して平行移動させて精度よく且つ円滑に打ち込むことができ、踏板の施工作業が能率よく行えると共に、差込溝の平坦な下面と下側スペーサー片の平坦な下面同士や上下スペーサー片の互いに接した傾斜面、及び上側スペーサー片の平坦な上面と踏板端部の平坦な下面とにそれぞれ全面的に亘って均等な圧力が作用して安定した踏板の施工が可能となり、長期間に亘って強固に固定しておくことができるものである。
【0029】
また、請求項2に係る発明によれば、上記上下スペーサー片の対向する傾斜上下面に、上側のスペーサー片に対する下側のスペーサー片の一側端から他側端への進入を許容し且つ後退を阻止する互いに係合可能な連続鋸歯状の係合突条を夫々形成しているので、下側スペーサー片の傾斜上面上を上側スペーサー片の傾斜下面が後退することなく打ち込み方向にのみ正確に進行させることができると共に差込溝内への踏板端部の固定後には、階段の昇降時における衝撃等によっても差込溝内からの上側スペーサー片の抜け出し方向の妄動を確実に阻止することができ、従って、踏板と差込溝との間に隙間が生じるのをなくして踏み鳴りなどが生じない強固な階段を施工することができる。
【0030】
さらに、上下スペーサー片の両側端面間にビス止め用貫通孔を設けているので、このビス止め用貫通孔を通じて側板にビスを打ち込むことにより、上下スペーサー片を側板に容易に固着することができ、踏板の固定を長期間に亘って一層強固の状態に維持し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】側板に踏板を取付けてなる階段の一部縦断側面図、
【図2】その一部の拡大斜視図、
【図3】スペーサー部材の斜視図、
【図4】その縦断面図、
【図5】踏板の施工状態を示す縦断正面図、
【図6】施工後の縦断正面図、
【図7】廻り階段の一部の簡略斜視図。
【符号の説明】
1 側板
2 差込溝
3 踏板
4 スペーサー部材
4A 上側スペーサー片
4B 下側スペーサー片
5a、5b 平坦面
6a、6b 傾斜面
7、8 係合突条
9、10 凹凸条部
11、12 ビス止め用貫通孔

Claims (2)

  1. 階段の側板内側面に削成した踏板差込溝の上向き下面とこの差込溝に差込んだ踏板の端部下面との間に介在させるスペーサー部材であって、上下一対の細長棒形状のスペーサー片からなり、上側のスペーサー片はその上面を平坦面に形成していると共に下面を一側端から他側端に向かって上向きに傾斜した傾斜下面に形成している一方、下側のスペーサー片はその下面を平坦面に形成していると共に上面を一側端から他側端に向かって上記上側スペーサー片の傾斜面と同一角度でもって上向きに傾斜した傾斜上面に形成してあり、さらに、これらの上下スペーサー片の対向する傾斜上下面に両側端面間に亘って互いに嵌合可能な凹条部と凸条部を設けていることを特徴とする階段の踏板施工用スペーサ部材。
  2. 上記上下スペーサー片の対向する傾斜上下面に、上側のスペーサー片に対する下側のスペーサー片の一側端から他側端への進入を許容し且つ後退を阻止する互いに係合可能な連続鋸歯状の係合突条を夫々形成してあり、さらに、上下スペーサー片の両側端面間に複数個のビス止め用貫通孔を設けていることを特徴とする請求項1に記載の階段の踏板施工用スペーサ部材。
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