JP6504842B2 - 滑り性に優れた黒色めっき鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、コインシューターやスライドレール等で用いられる、滑り性が必要とされる鋼板に関する。
自動販売機のコインシューターやスライドレール等に使用される部材は、部材と接する品物(コイン、引き出し)との滑りやすさが要求される。例えば、コインと接するコインシューターは、自動販売機内でコインを円滑に送るために販売機内で大きな角度を付ける必要があり、それに伴い販売機内でスペースを拡大させる必要が生じる。また、引き出しと接するスライドレールについても、引き出しの出し入れを円滑にできることが必要である。そのため、このような部材は、滑りやすさに優れた特性が望まれている。
一方、表面に凹凸形状を付与した鋼板は、主に意匠性を目的とした部材として使用されている。このような鋼板は、圧延、プレス成形またはエッチング等で製造される。最近では、表面に凹凸を有する鋼板の機能性に着目した種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1は、0.5重量%以上のCuを含み、Cu主体の第2相を0.2体積%以上析出させたステンレス鋼を基材とし、凹凸の高低差50μm以上、凸部頂面の面積が0.5cm/個以下、凸部頂面の肩角度が135度以下で、鋼板表面に対する凸部の総面積の占有面積率が10〜50%の範囲にある凸部を形成したステンレスエンボス鋼板が提案されている。
特許文献2は、微細な凹凸からなるエンボス加工によって、貼り紙類に対する非粘着性、景観性および耐蝕性を有する鋼板が提案されている。同文献には、ステンレス鋼板表面または炭素鋼板表面に、凹凸の高さ、凸部の投影面積率、凸部の平坦部の面積率等を規定した鋼板が記載されている。また、鋼板表面に微細な固体を添加した塗料を塗装し、鋼板表面に微細かつ非連続的な凸部からなる凹凸を形成する非粘着性に優れた鋼板の製造方法が提案されている。
特許文献3は、表面に非連続かつ一定の規則性を有して配列された、頂部断面形状が円弧状の複数の凸部が形成されたコインシューター用鋼板を提案している。
特許文献4は、エンボス加工により、鋼板表面に断面形状が同一である複数の凸条が平行に形成されているストライプエンボス鋼板を提案している。
特開2000−129411号公報 特開2002−66657号公報 特開2009−176007号公報 特開2011−125880号公報 特許5097305号公報
しかしながら、特許文献1のステンレスエンボス鋼板は、抗菌性が改善されたステンレス鋼板を基材とし、凹凸の高低差、凸部頂面の面積、凸部頂面の肩角度、鋼板表面に対する凸部占有面積率を規制し、靴底に対する摩擦力を高めた表面としているため、滑りやすさを求めるには不向きである。
特許文献2のステンレスおよび炭素鋼板は、圧延またはプレスにより鋼板表面に凹凸を形成した鋼板であり、貼り紙等の付着しにくい非粘着性や景観性に優れるが、滑り性については不明である。
特許文献3のコインシューター用鋼板は、コインの滑りやすさの観点で、鋼板の表面にエンボス模様を付与している。コインの寸法に対応させた凹凸パターンは、凸部直径が1〜4mm、凸部間隔が2〜10mm、凸部高さが素材の板厚の1/2程度としている。これらの凹凸パターンの中で、凹部の寸法が凸部間隔の最大値である10mm、凸部深さを素材の板厚の1/2で、鋼板を圧延により製造する場合、圧延に要する荷重が増大し、その結果、圧延ロールの磨耗も著しくなることが予想される。
また、鋼板の凸部先端を円弧形状としている。コインシューターの使用初期時には、接触面積が小さく良好な滑り性が維持される。しかし、接触面積が極端に小さいと、鋼板の初期磨耗が大きく、鋼板の凸部形状の経時変化により、安定した滑りやすさを発揮できないことが懸念される。そのため、圧延ロールおよび鋼板の寿命が短くなり、コスト高になる可能性がある。
特許文献4の鋼板は、鋼板表面に断面形状が同一である複数の凸条が平行に形成されており、複数の凸条が滑らせる品物と1箇所以上接触する間隔および滑らせる品物の接触面の幅以下の間隔で形成されているストライプエンボスである。この鋼板は、鋼板の長手方向に平行に凸部および凹部が形成されていることから、品物の滑り方向は、凹部および凸部と平行となるように制約を受ける。そのため、ストライプ模様と90度の方向では、滑りやすさが低下する。したがって、この鋼板を棚板や生産設備に使用する場合、施工性の自由度が低くなる。
以上のような問題点を解消し、滑り性、施工性、製造コストの点で優れる滑り部材が望まれていた。
本発明は、上記の課題を解消するために案出されたものであり、表面に凹凸を有する滑り性に優れた鋼板を提供することを目的とする。
本発明者等は、物品が滑りやすい鋼板について鋭意検討を重ねた。その過程で、鋼板の素材として、Al:1.0〜22.0質量%、Mg:1.3〜10.0質量%を含み、かつZnMg相がめっき層中に分布した溶融Al、Mg含有Znめっき層を有するめっき鋼板を原板とし、このめっき鋼板を密封容器中で水蒸気と接触させて、めっき層を黒色化させる水蒸気処理を施した黒色化めっき鋼板が滑り性に優れることを見出した。
水蒸気処理により作製した黒色めっき鋼板は、例えば、特許文献5に記載されている。しかしながら、このような黒色めっき鋼板は、意匠性、外観性、加工性などの特性や用途について提案されているが、滑り性について着目したものは知られていなかった。そして、黒色めっき鋼板の表面に凹凸状の模様を付与することにより、滑り性がさらに向上することを見出して、本発明を完成させるに至った。具体的には、本発明は、以下を提供するものである。
(1)本発明は、Al:1.0〜22.0質量%、Mg:1.3〜10.0質量%を含み、かつZnMg相がめっき層中に分布している溶融Al、Mg含有Znめっき層を有するめっき鋼板を原板とし、当該原板を密封容器中で水蒸気と接触させることにより黒色化させた表面を有する黒色めっき鋼板であって、エンボス加工により当該表面に形成された複数の凸部を有する、滑り性に優れた黒色めっき鋼板。
(2)本発明は、前記複数の凸部は、前記表面における面積率が15〜75%である、上記(1)に記載の滑り性に優れた黒色めっき鋼板である。
(3)本発明は、前記複数の凸部は、その凹凸差が0.01〜0.2mmである、上記(1)または(2)に記載の滑り性に優れた黒色めっき鋼板である。
本発明に係る黒色めっき鋼板は、Al:1.0〜22.0質量%、Mg:1.3〜10.0質量%を含み、かつZnMg相がめっき層中に分布した溶融Al、Mg含有Znめっき層を有するめっき鋼板を原板として使用し、当該原板に水蒸気と接触させる処理により表面を黒色化させた黒色めっき鋼板であることから、通常の溶融Znめっき鋼板と比べて滑り性が向上する。そして、当該黒色めっき鋼板の表面にエンボス加工を施して、複数の凸部を形成したことにより、接触する物品との接触面積が縮小し、その結果、滑り性がさらに向上する。
本発明の黒色めっき鋼板は、コインの滑りやすさの観点で自動販売機内のコインシューターに使用されるケースが多いが。また、コインの他にも滑りやすさが必要とされる部材へ適用される。例えば、鋼板を連続的にプレス機により打ち抜き抜く際、製品とスクラップの分別に使用され、製品またはスクラップの搬送に使用される。これら、シューター用部材は、主に表面に凹凸が施された黒色めっき鋼板を曲げ加工している。
スライドレール部材としては、キッチン、OAデスク、ATM、キャビネットおよびコピー機等、幅広い分野での使用が可能であり、このスライドレールは、凹凸が付与された黒色めっき鋼板をロールフォーミングで成形することで、低コストでの製品化が可能となっている。
実施例1〜3で作製した黒色めっき鋼板に関して外観を示す図である。 図1のA部の3次元プロフィールを示す図である。 実施例4〜6で作製した黒色めっき鋼板に関して外観を示す図である。 図3のB部の3次元プロフィールを示す図である。 めっき鋼板の滑り性評価試験の概要を示す図である。 黒色めっき鋼板とSPCCとの摩擦状態を説明する図である。 鋼板の表面に凹凸を付与するための圧延方法を説明する図である。
以下に本発明の実施形態を説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
本発明は、黒色化させた表面を有する黒色めっき鋼板を基材として用いたものであり、例えば、特許文献5に記載された黒色めっき鋼板を使用することが好ましい。本発明に係る黒色めっき鋼板は、Al:1.0〜22.0質量%、Mg:1.3〜10.0質量%を含み、かつZnMg相がめっき層中に分布している溶融Al、Mg含有Znめっき層を有するめっき鋼板を原板とし、当該めっき鋼板を密封容器中で水蒸気と接触させ、表面を黒色化させることにより製造される。この特定組成のめっき層を有する鋼板であって、水蒸気処理により表面を黒色化させた黒色めっき鋼板は、滑りやすい機能を有している。
さらに、この黒色めっき鋼板の表面にエンボス加工により形成された複数の凸部を備えることにより、当該鋼板の表面に接触する物品との接触面積が縮小し、その結果、滑り性が一層向上する。
(めっき鋼板)
本発明に係る黒色めっき鋼板は、基材鋼板と、溶融Al、Mg含有Znめっき層(以下「めっき層」ともいう。)を有する。当該黒色めっき鋼板は、さらに、めっき層の上に無機系皮膜または有機系樹脂皮膜を有していてもよい。
本発明に係る黒色めっき鋼板は、(1)めっき層中にZnの黒色酸化物が分布していること、(2)めっき層表面の明度がL値で60以下(好ましくは40以下、さらに好ましくは35以下)であることが好ましい。めっき層表面の明度(L値)は、分光型色差計を用いて、JIS K 5600に準拠した分光反射測定法で測定される。
基材鋼板の種類は、特に限定されない。たとえば、基材鋼板としては、低炭素鋼や中炭素鋼、高炭素鋼、合金鋼などからなる鋼板を使用することができる。良好なプレス成形性が必要とされる場合は、低炭素Ti添加鋼、低炭素Nb添加鋼などからなる深絞り用鋼板が基材鋼板として好ましい。また、P、Si、Mnなどを添加した高強度鋼板を用いてもよい。
本発明の黒色めっき鋼板の原板としては、Al:1.0〜22.0質量%、Mg:1.3〜10.0質量%を含み、かつZnMg相がめっき層中に分布している溶融Al、Mg含有Znめっき層を有する溶融Al、Mg含有Znめっき鋼板が使用される。より好ましくは、さらにめっき層の金属組織としてAlの単独相を含有する溶融Al、Mg含有Znめっき層を有する溶融Al、Mg含有Znめっき鋼板が使用される。ここで「Alの単独相」とはZnを固溶したAl”相など共晶組織が形成されていないAl相を意味する。たとえば、Alの単独相は、初晶のAl相である。AlおよびMgは、Zn系めっき鋼板の耐食性を向上させる元素であるが、本発明においては、黒色化のために必須の元素である。Al含有量またはMg含有量は、上記範囲の下限値より小さい場合、十分な耐食性が得られない。一方、上限値より大きい場合は、めっき鋼板製造の際にめっき浴表面に酸化物(ドロス)の発生が過多となり、美麗なめっき鋼板が得られない。
本発明の黒色めっき鋼板に係る溶融Al、Mg含有Znめっき層は、Al/Zn/ZnMgの三元共晶組織を含む。当該溶融Al、Mg含有Znめっき層は、例えば、Al:1.0〜22.0質量%、Mg:1.3〜10.0質量%、残部:Znおよび不可避不純物からなるものを用いることが可能である。また、基材鋼板とめっき層との密着性を向上させるために、基材鋼板とめっき層との界面におけるAl−Fe合金層の成長を抑制できるSiを0.005質量%〜2.0質量%の範囲でめっき層に添加してもよい。Siの濃度が2.0質量%を超えると、黒色化を阻害するSi系酸化物がめっき層表面に生成してしまうおそれがある。また、Ti、B、Ti−B合金、Ti含有化合物またはB含有化合物をめっき層に添加してもよい。これらの化合物の添加量は、Tiが0.001質量%〜0.1質量%の範囲内となるように、Bが0.0005質量%〜0.045質量%の範囲内となるように設定することが好ましい。TiまたはBを過剰量添加すると、めっき層に析出物を成長させるおそれがある。なお、めっき層中へのTi、B、Ti−B合金、Ti含有化合物またはB含有化合物の添加は、水蒸気処理による黒色化にほとんど影響を与えない。
めっき層の厚みは、特に限定されないが、3〜100μmの範囲内が好ましい。めっき層の厚みが3μm未満の場合、取り扱い時に基材鋼板に到達するキズが入りやすくなるため、黒色外観の保持性および耐食性が低下するおそれがある。一方、めっき層の厚みが100μm超の場合、圧縮を受けた際のめっき層と基材鋼板の延性が異なるため、加工部においてめっき層と基材鋼板とが剥離してしまうおそれがある。
(黒色酸化物)
本発明に係る黒色めっき鋼板は、そのめっき層中に分布しているZnの黒色酸化物を含有する。ここで、めっき層中とは、めっき層表面とめっき層内部の両方を含む。本発明に係る黒色めっき鋼板では、ZnMg相に由来するZnの黒色酸化物がラメラ状に分布している。Znの黒色酸化物が生成する機構は、以下のように考えられる。
上述の溶融Al、Mg含有Znめっき鋼板を密閉容器中で水蒸気に接触させると、三元共晶組織を構成するZnMg相に含まれるZnが優先的に酸化する。時間の経過とともに、ZnMg相に含まれるZnの酸化はめっき層の深さ方向に進行する。水蒸気雰囲気で酸素ポテンシャルが低下しているため、Zn酸化物の近傍に存在する、酸素との反応性の高いMgは、Zn酸化物から酸素を奪ってMg酸化物となる。このため、Zn酸化物は、非化学量論組成で酸素欠乏型の酸化物(例えば、ZnO1−x)に変化するものと考えられる。このように酸素欠乏型の酸化物が生成すると、その欠陥準位に光がトラップされるため、酸化物が黒色外観を呈することになる。
また、めっき層中にAlの初晶が存在する場合は、より短時間でめっき層内部にZnの黒色酸化物が進行する。Alは、ZnおよびMgと比較してHOとの反応性が高い。したがって、金属Alは、高温の水蒸気と接触すると、速やかに酸化物となる。初晶Al相に含まれるAlが速やかに酸化した後は、その下側に位置するZnMg相に含まれるZnの酸化がめっき層の深さ方向に進行する。このように初晶Al相などのAlの単独相は、めっき層内部のZnの酸化を促進するための「パス」となる。結果として、めっき層中に初晶Al相などのAlの単独相が存在する場合は、より短時間でめっき層内部にZnの
黒色酸化物が形成される。
(水蒸気処理)
上記の黒色化は、めっき鋼板を密封容器中で水蒸気に接触させて、めっき層を黒色させる処理である。水蒸気処理を行う際は、雰囲気中に酸素が存在すると、めっき層を十分に黒色できない場合がある。そこで、酸素濃度を調整できる密閉系で水蒸気処理を行うことが好ましく、雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を下げて水蒸気処理を行うことが好ましい。具体的には、水蒸気処理中の酸素濃度は、13%以下であることが好ましい。雰囲気中の酸素濃度を下げる方法としては。水蒸気濃度(相対湿度)を挙げてもよいし、容器内の空気を不活性ガスで置換してもよいし、容器内に空気を真空ポンプで除去してもよい。
水蒸気処理を行う際の処理温度は、50℃以上、350°以下の範囲内が好ましい。水蒸気処理が50℃未満の場合、黒色加速度が遅く、生産性が低下する。密閉容器の中で水を100℃以上に加熱すると、容器内の圧力が1気圧以上となり、雰囲気中の酸素濃度を容易に下げることができるため、水蒸気処理の温度は100℃以上であることがより好ましい。一方、水蒸気処理の温度が350℃超の場合、黒色化速度が非常に速くなり、制御することが困難となる。また、処理装置が大型になってしまうだけでなく、昇温および降温に要する時間を含む合計処理時間も長くなってしまい、実用的でない。したがって、雰囲気中の酸素の除去および黒色化速度の制御の観点から、水蒸気処理の温度は、105℃以上かつ200℃以下の範囲内が特に好ましい。
水蒸気処理の温度を100℃未満に下げたい場合、容器内の圧力を大気圧以上として酸素の混入を抑制するため、不活性ガスを容器内に入れてもよい。不活性ガスの種類は、黒色化反応に無関係なものであれば特に限定されない。不活性ガスの例には、Ar、N、He、Ne、Kr、Xeなどが含まれる。これらの中では、安価に入手可能なAr、N、Heが好ましい。また、真空ポンプなどで容器内の空気を除去してから水蒸気処理を行ってもよい。
水蒸気処理の処理時間は、水蒸気処理の条件(温度や相対湿度、圧力など)やめっき層
中のAlおよびMgの量、必要とする明度などに応じて適宜設定されうる。
水蒸気処理中の水蒸気の相対湿度は、30%以上かつ100%以下の範囲内が好ましく、30%以上かつ100%未満の範囲内がより好ましい。水蒸気の相対湿度が30%未満の場合、黒色化速度が遅く、生産性が低下してしまう。また、水蒸気の相対湿度が100%の場合、めっき鋼板の表面に結露水が付着して外観不良が生じやすくなるおそれがある。
水蒸気処理は、コイル状に巻かれためっき鋼板、成形加工前の平板状のめっき鋼板、成
形加工や溶接などを行った後のめっき鋼板のいずれに対して行ってもよい。
(エンボス加工)
本発明は、この黒色化されためっき鋼板に対して、さらにその表面に凹凸パターンを付与するエンボス加工を施すことにより、滑り性を向上させたことに特徴がある。滑りやすい機能を付与するため、黒色化されためっき鋼板の表面には、複数の凸部を設けた凹凸パターンを形成することが好ましい。このような凹凸パターンを付与するエンボス加工は、圧延法、プレス加工、エッチング加工などを用いることができる。
エンボス加工法としては、エンボスロールを用いた圧延法が生産性に優れている。圧延に用いるエンボスロールが磨耗および欠損しても、切削加工やエッチング加工により、エンボスロールのプロフィールを再加工することが可能であるから、圧延法は、コスト負担が小さい点でも好ましい。
例えば、圧延法を用いる場合、図7に示すような4段圧延機を使用することができる。この4段圧延機は、凹凸模様を付与する段付きロール10およびフラットロール11を上下ワークロールとして配置し、それぞれにバックアップロール12,13を備えた構造を有している。当該段付きロール10は、軸方向および周方向に複数の大径部および小径部を配置したロール形状を有している。ペイオフリール14から4段圧延機に送給されためっき鋼板16は、段付きロール10の上記ロール形状によって所定の凹凸模様が付与されて、表面に複数の凸部が形成されためっき鋼板が得られる。その後、当該めっき鋼板16は、巻取りリール15に収納される。
(凸部面積率)
本発明に係る黒色めっき鋼板は、その表面における凸部面積率が15〜75%であることが好ましい。凸部面積率とは、凸部が鋼板表面を占有する面積率をいうが、本明細書においては、凸部の頂上から凹部の底までの距離を凸部高さHとするとき、凸部の頂上から高さHの10%までの部分が表面全体に占める割合をいうものとした。凸部面積率が15%未満であると、凹凸パターンを圧延で形成する際に、段付きロールの大径部によって凹部を形成する割合が高い分、圧延荷重が増大して圧延ロールへの負荷が増大するため、ロール寿命が低下し、製造コストの上昇を招く。一方、凸部面積率が75%を超えると、黒色めっき鋼板と物品との接触面積が比較的大きくなるため、黒色めっき鋼板の滑り性が低下する。
(凹凸差)
本発明に係る黒色めっき鋼板の凹凸差は、0.01〜0.2mmの凹凸パターンであることが好ましい。本明細書において、当該凹凸差は、凸部高さHを鋼板表面における任意の領域面積(例えば、100mmの範囲内)で2次元の輪郭形状を5箇所測定し、その結果を平均化した値を意味している。凹凸差が0.01mm以下であると、使用にともない磨耗によって長期間の使用が困難になる。凹凸差が0.2mm以上であると、凹凸パターンを圧延で形成する際に、圧延荷重が増大して圧延ロールへの負荷が増大するため、ロール寿命が低下し、製造コストの上昇を招く。
このように、本発明は、黒色めっき鋼板の凸部面積率を15〜75%、凹凸差を0.01〜0.2mmとすることにより、金属素材等の硬い物品と接触しても良好な滑り性を保持して長期間の使用が可能になる。
(凹凸パターン)
本発明に係る黒色めっき鋼板は、エンボス加工によって凹凸パターンを形成したものを用いることができる。凹凸パターンの配列は、部分的または全面的にランダムであってもよく規則的であってもよい。例えば、図1に示すような凹凸模様を形成することができる。図1のA部を拡大した3次元プロフィールを図2に示す。図1の凹凸パターン(凹凸模様)は、凸部面積率が約38%、凹凸差が0.06〜0.15mmの範囲にある例である。複数の凸部を形成したことにより、黒色めっき鋼板と物品との接触面積が縮小し、接触させた物品は、滑りやすくなる。また、鋼板表面に形成した凹凸模様は、配列方向の無秩序性が高いと、滑る方向に依存しない安定した滑りやすさが得られる点で好ましい。また、本発明では、物品との接触状態が面接触であるため、黒色めっき鋼板の凸部がほぼ均等に磨耗するので、長期間の使用にとって好ましい。
図3は、図1とは別の凹凸パターンを形成した例を示したものである。図3のB部を拡大した3次元プロフィールを図4に示す。図3の凹凸パターン(凹凸模様)は、凸部面積率が約29%、凹凸差が0.03〜0.10mmの範囲にある。図1の凹凸パターンと比べて凸部面積率が小さく、凸部と接触する物品の接触面積が縮小したことにより、滑りやすさが促進された。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
鋼板素材として、C0.19質量%、Si0.01質量%、Mn0.50質量%、P0.016質量%、S0.004質量%の組成を有する厚さ1.0mmの鋼板に、Al6質量%、Mg3質量%を含み、かつZnMg相が分布するめっき層を有する溶融Al、Mg含有Znめっき鋼板(「ZAM90C」、日新製鋼株式会社製)を用いた。めっき層の厚みは、15μmであった。これを平板状のめっき鋼板として滑り性評価試験に供した。
次いで、このめっき鋼板を密封容器中で、110℃、24時間水蒸気と接触させ、めっき層の表面を黒色化させた。水蒸気の雰囲気は、酸素濃度4%、相対湿度80%であった。これを平板状の黒色めっき鋼板として滑り性評価試験に供した。
その後、図7に示すような4段圧延機を用いて、黒色めっき鋼板の表面に所定の凹凸パターンを形成するエンボス加工を施して、試験体を得た。上記圧延機の段付きロール径が110mmであり、圧延荷重150kN、圧延速度0.5m/minでエンボス加工を施した。
(滑り性の評価試験)
図5に示すような摩擦磨耗試験機6を用いて、めっき鋼板の摩擦係数を測定し、めっき鋼板の滑り性を評価した。摩擦磨耗試験機6の基台の上に試験体1のめっき鋼板を置いて、その上に厚さ1.0mmのSPCC(JIS G 3141)からなる冷間圧延鋼板(以下、「SPCC」という。)を重ねる。SPCC2にはフォルダー4を介して錘3が接続しており、この錘3の一定荷重を付加しながら、SPCC2を一定速度で回転し、連続的に試験体と摩擦させる。回転中のせん断力を測定し、せん断力をτ、錘から作用する荷重をpとして、式(1)から摩擦係数μを算出した。この摩擦係数μが小さいほど、試験体1(めっき鋼板)とSPCC2との間で発生する摩擦力が小さい。すなわち、物品が試験体1(めっき鋼板)と接触して移動する状況では、当該物品を小さい摩擦力で移動させることができるから、上記の摩擦係数μが小さいほど、試験体1のめっき鋼板の滑り性が良好であると評価できる。
τ=μp・・・式(1)
本実施例の摩擦摩耗試験条件としては、29.4kNの錘により荷重を付与し、めっき鋼板とSPCCとを、無潤滑、常温、回転直径10mm、回転速度9.5rpmで、60秒間を連続的に摩擦させた。
また、めっき鋼板表面に形成された凹凸パターンの凸部面積率および凹凸差は、鋼板の任意箇所で100mmの面積の部分について、形状測定機(コントレーサー)により拡大したプロフィールから測定した。
<試験例1> 平板状の鋼板に関する試験
まず、黒色めっき鋼板の滑り性を評価するために、平板状の黒色めっき鋼板(比較例7)と、水蒸気処理を施していない平板状の従来のめっき鋼板(比較例8)を用いて評価試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例7の黒色めっき鋼板は、摩擦係数が0.12であり、比較例8の水蒸気処理を施していない従来のめっき鋼板は、摩擦係数が0.24であった。黒色めっき鋼板が従来のめっき鋼板に比べて、良好な滑り性を有することが分かった。
次に、黒色めっき鋼板の表面に形成された凹凸パターンと滑り性との関係を知るために、図1に示す凸部面積率約38%の試験体、図3に示す凸部面積率約29%の試験体を用いて、滑り性を評価した。その結果を表1に示す。
<試験例2> 凹凸模様Aを有する鋼板に関する試験
表1に示すように、実施例1〜3は、本発明例に相当する黒色めっき鋼板であって、凸部面積率が約38%の凹凸パターン(凹凸模様A)が付与されたものであり、凹凸差(mm)が0.06、0.11、0.15である3種の試験体である。各試験体の摩擦係数は、0.07〜0.10の小さい範囲にあった。本発明例と同様の黒色めっき鋼板を用いた比較例7(摩擦係数0.12)、水蒸気処理を施していない従来のめっき鋼板を用いた比較例8(摩擦係数0.24)のような平板状の鋼板と比べて、実施例1〜3の本発明例は、滑り性に優れることが明らかになった。
次に、凹凸パターンを設けた従来のめっき鋼板と比較してみた。比較例1〜3は、水蒸気処理を施していない従来のめっき鋼板について、実施例1〜3と同様の凹凸パターン(凹凸模様A)を付与したものである。比較例1〜3の摩擦係数は、0.12〜0.18の範囲であった。この数値は、平板状の鋼板である比較例7、比較例8の摩擦係数(0.12、0.24)と等しいか、あるいは小さい範囲にあるが、実施例1〜3の摩擦係数よりは大きく、本発明例と比べて滑り性に劣っていた。
<試験例3> 凹凸模様Bを有する鋼板に関する試験
実施例4〜6は、本発明例に相当する黒色めっき鋼板であって、凸部面積率が約29%の凹凸パターン(凹凸模様B)が付与されたものであり、凹凸差(mm)が0.03、0.06、0.10である3種の試験体である。各試験体の摩擦係数は、0.06〜0.07の小さい範囲にあり、滑り性に優れていた。また、凹凸パターンのない平板状の鋼板である比較例7、8と比べて摩擦係数が小さく、良好な滑り性を有していた。
さらに、同様の凹凸パターンを設けた従来のめっき鋼板と比較した。比較例4〜6は、水蒸気処理を施していない従来のめっき鋼板について、実施例4〜6と同様の凹凸パターン(凹凸模様B)を付与したものである。比較例4〜6は、摩擦係数が0.10〜0.15の範囲であった。平板状鋼板の比較例7、比較例8の摩擦係数(0.12、0.24)より小さい場合もあったが、実施例1〜3の摩擦係数より大きく、本発明例と比べて滑り性に劣っていた。
また、実施例1〜6によると、凹凸差が大きいと摩擦係数が低下する傾向を示していた。実施例1と実施例5のように凹凸差が同程度であっても、凸部面積率が小さいと摩擦係数が低下する傾向を示していた。
以上のように、凹凸パターンを付与した黒色めっき鋼板は、良好な滑り性を有していた。この理由としては、図6に示すように、摩耗摩擦試験機において、黒色めっき鋼板1とSPCC2との接触状況からみて、黒色めっき鋼板7の表面における凹凸部のうち、凸部8ではSPCC2と接触し、摩擦熱の発生により摩擦抵抗が増大する。その一方で、凹部9ではSPCC2と接触しない非接触部となるので、摩擦熱の発生がなく加熱されないことに加えて、黒色めっき鋼板7のめっき膜による良好な吸放熱作用が寄与して温度上昇が抑えられることから、摩擦抵抗の増大が抑制されたものと推測される。
1 試験体(めっき鋼板)
2 SPCC
3 錘
4 フォルダー
5 円盤
6 摩耗摩擦試験機
7 黒色めっき鋼板
8 凸部
9 凹部
10 上ワークロール(段付きロール)
11 下ワークロール(フラットロール)
12 バックアップロール
13 バックアップロール
14 ペイオフリール
15 巻取りロール
16 めっき鋼板

Claims (2)

  1. Al:1.0〜22.0質量%、Mg:1.3〜10.0質量%を含み、かつZnMg相がめっき層中に分布している溶融Al、Mg含有Znめっき層を有しており、前記めっき層中にZnの黒色酸化物が分布しており、当該めっき層の表面の明度がL 値で60以下である表面を有する黒色めっき鋼板であって、
    当該表面に複数の凸部を有しており
    前記凸部が前記表面を占有する面積率は、15〜75%であり、
    0.06〜0.10の摩擦係数μを有する、
    黒色めっき鋼板。
    ここで、前記面積率は、前記凸部の頂上から凹部の底までの距離を凸部高さとするとき、前記凸部の頂上から前記凸部高さの10%までの部分が表面全体に占める割合である。
    前記摩擦係数μは、式(1)により得られるものである。
    τ=μp 式(1) (τ:せん断力、p:荷重)
  2. 前記複数の凸部は、その凹凸差が0.01〜0.2mmである、請求項1に記載の黒色めっき鋼板。
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