JP6504069B2 - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解液二次電池の製造方法に関する。
特開平11−191431号公報(特許文献1)には、電解液がホスファゼン化合物およびリン酸エステル化合物を含有する、非水電解液二次電池が開示されている。
特開平11−191431号公報
一般に、非水電解液二次電池の電解液は可燃性である。電解液の主成分が有機溶媒であるためである。従来、ホスファゼン化合物およびリン酸エステル化合物を電解液に添加することにより、電解液を難燃化し、非水電解液二次電池の熱安定性を向上させる検討がなされている(たとえば特許文献1を参照のこと)。
電解液にホスファゼン化合物およびリン酸エステル化合物を添加すると、非水電解液二次電池の熱安定性が向上する。その反面、負極の表面にはリン酸エステル化合物に由来する被膜が形成されることになる。この被膜は、特にハイレートでのパルス充放電を繰り返した際(以下「ハイレートパルスサイクル」と称する)、電池抵抗の増加を促進する。
そのため、電解液にホスファゼン化合物およびリン酸エステル化合物を添加した非水電解液二次電池は、その使用態様においてハイレートパルスサイクルが想定される用途には適しないと考えられる。そうした用途としては、たとえば電動車両(EV)、ハイブリッド車両(HV)の駆動電源等が挙げられる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、非水電解液二次電池の熱安定性を向上させつつ、ハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加を抑制することである。
本発明の非水電解液二次電池の製造方法は、正極製造ステップと、電極群構成ステップと、電解液調製ステップと、ケース収容ステップとを備える。
正極製造ステップでは、リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方を合計で8質量%以上12質量%以下含有する正極合材層を含む、正極を製造する。
電極群構成ステップでは、正極および負極を含む電極群を構成する。
電解液調製ステップでは、シクロトリホスファゼンを5質量%以上8質量%以下含有する電解液を調製する。
ケース収容ステップでは、電極群および電解液を電池ケースに収容することにより、非水電解液二次電池を製造する。
以下、本発明について説明する。以下の説明では、非水電解液二次電池を「電池」と略記する場合がある。またリン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルを総称して「リン酸エステル化合物」と記す場合もある。
電解液にホスファゼン化合物およびリン酸エステル化合物の両方を添加した電池では、電池の動作(充放電)中、電解液に含有されるリン酸エステル化合物が負極へと供給される。負極に供給されたリン酸エステル化合物は、負極の表面で分解され、被膜として負極の表面に堆積する。こうして負極の表面に被膜が成長し、電池抵抗が増加していくと考えられる。
本発明の製造方法では、ホスファゼン化合物およびリン酸エステル化合物の両方を電解液に含有させるのではなく、ホスファゼン化合物は電解液に、リン酸エステル化合物は正極に、それぞれ含有させている。ここでホスファゼン化合物は、シクロトリホスファゼンとし、リン酸エステル化合物は、リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方とする。リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルは、常温において固体のリン酸エステル化合物である。シクロトリホスファゼン、リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルは、いずれも難燃効果が高く、電池の熱安定性を向上させる。
本発明の製造方法により製造された電池では、当初、リン酸エステル化合物が正極に配置されている。そのため、固体であるリン酸エステル化合物が負極の表面に到達するためには、一旦電解液に溶解し、さらに負極まで移動しなければならない。このため、リン酸エステル化合物の負極への供給が抑制され、被膜の堆積による抵抗増加が抑制されると考えられる。
正極(正極合材層)に配置されたリン酸エステル化合物の一部は、電解液に溶解する。しかしリン酸エステル化合物の溶解は部分的であり、リン酸エステル化合物の多くは正極に残留する。これにより次のような効果が期待できる。
過充電は、電池の熱安定性が顕著に現れる誤使用モードである。電池の熱安定性が不十分であると、過充電時に電池が熱暴走する可能性がある。本発明の製造方法により製造された電池が過充電状態になると、正極に残留するリン酸エステル化合物が分解され、その分解生成物により正極の一部が覆われることになる。この分解生成物はLiイオンの移動を妨げ、正極からのLiイオンの供給を制限する。これにより、過充電時の熱安定性が向上すると考えられる。
さらに電解液に溶解したリン酸エステル化合物は、電解液中のシクロトリホスファゼンと共に、負極の表面に被膜を形成する。リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方と、シクロトリホスファゼンとの組み合わせによって形成される被膜は、非常に緻密である。そのため、当該被膜が一旦形成されると、その後に負極へ移動してきたリン酸エステル化合物およびシクロトリホスファゼンが、負極の表面と直接接触することができず、リン酸エステル化合物およびシクロトリホスファゼンの更なる分解、および被膜の成長が抑制されることになる。
すなわち、本発明の製造方法により製造された電池では、充放電サイクル中に、シクロトリホスファゼンおよびリン酸エステル化合物が被膜として消費される量が少ない。そのため、充放電サイクル後も、高い熱安定性が維持され得る。したがって本発明の製造方法によれば、従来に比し、シクロトリホスファゼン等の難燃成分を低減することも可能である。
また前述のように負極へのリン酸エステル化合物の供給が抑制されると共に、使用の初期に緻密な被膜が形成されることにより、ハイレートパルスサイクル中の被膜の成長が抑制される。これによりハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加も抑制されると考えられる。
ただし、使用の初期に緻密な被膜を形成するためには、正極合材層におけるリン酸エステル化合物の含有量が合計で8質量%以上12質量%以下であり、かつ電解液におけるシクロトリホスファゼンの含有量が5質量%以上8質量%以下であることを要する。各含有量がこれらの範囲外になると、緻密な被膜が形成されず、ハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加が大きくなる可能性がある。
上記によれば、非水電解液二次電池の熱安定性を向上させつつ、ハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る非水電解液二次電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)について説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
<非水電解液二次電池の製造方法>
図1は、本実施形態の製造方法の概略を示すフローチャートである。本実施形態の製造方法は、正極製造ステップ(S01)と、負極製造ステップ(S02)と、電極群構成ステップ(S03)と、電解液調製ステップ(S04)と、ケース収容ステップ(S05)とを備える。以下、各ステップを説明する。
《正極製造ステップ(S01)》
正極製造ステップ(S01)では、リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方を合計で8質量%以上12質量%以下含有する正極を製造する。
正極は、所定量のリン酸エステル化合物を含有させることを除き、従来公知の方法で製造することができる。たとえば、正極活物質等を含有する正極スラリーを調製し、該正極スラリーを正極集電体の表面に塗工し、乾燥させることにより、正極を製造することができる。本実施形態の正極は、たとえば帯状のシート部材である。
正極スラリーは、一般的な混練装置(たとえばプラネタリミキサ等)を用いて、正極活物質、導電材、バインダおよびリン酸エステル化合物等を溶媒中に分散させ、混練することにより調製することができる。
正極活物質は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、およびLiNi1/3Co1/3Mn1/32等のLi含有金属酸化物、ならびにこれらの混合物でよい。導電材は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックでよい。バインダは、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等、およびこれらの混合物でよい。正極スラリーの溶媒は、たとえばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等でよい。正極集電体は、たとえばアルミニウム(Al)箔等でよい。
本実施形態では、常温で固体のリン酸エステル化合物を用いる。すなわちリン酸エステル化合物は、リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方である。
リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルは、リン酸とフェノールとのエステルである。リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルは、リン酸とフェノールとの脱水縮合反応、あるいは塩基の存在下でのリン酸塩化物(典型的には塩化ホスホリル)とフェノールとの反応により、合成され得る。リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルは、正極を難燃化する。
本実施形態のリン酸トリフェニルは、下記化学式(I):
O=P(OC653 ・・・(I)
によって表すことができる。
本実施形態のリン酸ジフェニルは、下記化学式(II):
O=P(OH)(OC652 ・・・(II)
によって表すことができる。
上記化学式(I)および(II)において、各フェノキシ基(OC65)の水素原子(H)は、たとえばメチル基、イソプロピル基等に置換されていてもよい。ただしフェノキシ基は、好ましくは無置換である。
正極スラリーの塗工には、一般的な塗工装置(たとえばダイコータ、グラビアコータ等)を用いることができる。正極スラリーを正極集電体の表面に塗工し、乾燥させることにより、正極集電体の表面に、正極合材層が形成される。その後、電池の仕様に合わせて、所定の寸法に圧縮し、裁断することにより、正極を製造することができる。
本実施形態の正極合材層は、リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方を合計で8質量%以上12質量%以下含有するように形成される。すなわち正極合材層は、リン酸トリフェニルまたはリン酸ジフェニルを8質量%以上12質量%以下含有するように形成されてもよいし、リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの両方を合計で8質量%以上12質量%以下含有するように形成されてもよい。
またリン酸エステル化合物の合計含有量が8質量%以上12質量%以下の範囲内である限り、正極合材層は、リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方を合計で8質量%以上10質量%以下含有するように形成されてもよいし、あるいは10質量%以上12質量%以下含有するように形成されてもよい。リン酸エステル化合物の合計含有量が、8質量%未満になるか、あるいは12質量%を超えると、負極の表面に緻密な被膜を形成することができず、ハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加が大きくなる可能性がある。
本実施形態の正極合材層において、リン酸エステル化合物の合計含有量をX〔質量%〕とするとき、各成分の含有量は、たとえば次のとおりである。
正極活物質:(93−X)〔質量%〕
導電材 :4〔質量%〕
バインダ :3〔質量%〕
リン酸エステル化合物:X〔質量%〕(ただし、8≦X≦12である)。
《負極製造ステップ(S02)》
負極製造ステップ(S02)では、負極を製造する。負極は従来公知の方法で製造することができる。たとえば、負極活物質およびバインダを含有する負極スラリーを調製し、該負極スラリーを負極集電体の表面に塗工し、乾燥させることにより、負極を製造することができる。本実施形態の負極は、たとえば帯状のシート部材である。
負極活物質は、たとえば黒鉛、易黒鉛化性炭素および難黒鉛化性炭素ならびにこれらの混合物等でよい。バインダは、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、およびポリアクリル酸ナトリウム(PAA−Na)等、ならびにこれらの混合物でよい。負極スラリーの溶媒は、たとえば水等でよい。負極集電体は、たとえば銅(Cu)箔等でよい。
《電極群構成ステップ(S03)》
電極群構成ステップでは、正極および負極を含む電極群を構成する。
電極群は、従来公知の方法で構成することができる。たとえば所定の電極積層装置を用いて、セパレータを挟んで正極と負極とを交互に積層することにより、電極群を構成してもよい。あるいは所定の巻回装置(巻取装置)を用いて、セパレータを挟んで正極と負極とを積層し、さらに巻回することにより、電極群を構成してもよい。すなわち本実施形態の電極群は、積層型(「スタック型」とも称される)の電極群であってもよいし、巻回型の電極群であってもよい。非水電解液二次電池が角形電池である場合、電極群は、扁平状に巻回することにより構成してもよいし、円筒状に巻回した後、扁平状に成形してもよい。
本実施形態のセパレータは、たとえば帯状の膜部材である。セパレータは、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等から構成される微多厚膜等であってもよい。
《電解液調製ステップ(S04)》
電解液調製ステップ(S04)では、シクロトリホスファゼンを5質量%以上8質量%以下含有する電解液を調製する。
電解液は、非プロトン性有機溶媒に、所定量の支持電解質塩およびシクロトリホスファゼンを分散、または溶解させることにより調製することができる。
非プロトン性有機溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物等でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの体積混合比は、たとえば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5」程度でよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)およびプロピレンカーボネート(PC)等を用いることができる。鎖状カーボネートとしては、たとえば、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等を用いることができる。
支持電解質塩は、たとえば、LiPF6、Li[N(FSO22](LiFSI)等でよい。支持電解質の濃度は、たとえば0.5〜2.0mоl/l(モル/リットル)程度(典型的には1mоl/l程度)である。
シクロトリホスファゼンは、電解液を難燃化する。さらにシクロトリホスファゼンは、正極から電解液に溶解したリン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方と共に、負極の表面に緻密な被膜を形成する。本実施形態のシクロトリホスファゼンは、下記化学式(III)によって表すことができる。
Figure 0006504069
上記化学式(III)中、R1〜R6は、それぞれ独立に水素原子(H)、塩素原子(Cl)、フッ素原子(F)、フェノキシ基、または炭素数が1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基を示す。
電解液におけるシクロトリホスファゼンの含有量は、5質量%以上8質量%以下とする。シクロトリホスファゼンの含有量が、5質量%未満になるか、あるいは8質量%を超えると、負極の表面に緻密な被膜を形成することができず、ハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加が大きくなる可能性がある。
電解液が上記の成分を含有する限り、電解液がその他の成分を更に含有するように、電解液を調製してもよい。その他の成分としては、たとえばシクロヘキシルベンゼン(CHB)等の過充電添加剤、Li[B(C242](LiBOB)等の被膜形成剤等が挙げられる。
《ケース収容ステップ(S05)》
ケース収容ステップ(S05)では、電極群および電解液を電池ケースに収容する。
電池ケースは、円筒形であってもよいし、角形であってもよい。電池ケースは、典型的には2つの部材(ケース本体および蓋)から構成される。電池ケースは、Al合金、SUS等から構成される硬質ケースであってもよいし、アルミラミネートフィルム等から構成される軟質ケースであってもよい。電池ケースは、外部端子、電流遮断機構、安全弁、注液口等を備える。
収容にあたり、電極群は、電池ケースに設けられた外部端子と電気的に接続する。電解液は、電池ケースに設けられた注液口、あるいは蓋を装着する前の開口部から、電池ケースの内部に注入することができる。電池ケースに、電極群および電解液を収容し、その後、電池ケースを密閉することにより、非水電解液二次電池を製造することができる。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明する。ただし、本実施形態は以下の例に限定されるものではない。たとえば、以下の例では、円筒形電池を用いたが、本実施形態は、角形電池、ラミネート式電池等にも適用可能である。
<非水電解液二次電池の製造>
図2は、本実施形態に係る非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略図である。以下のようにして、図2に示される電池100(18650サイズの円筒形非水電解液二次電池)を製造した。電池100の定格容量は、500mAhである。
《実施例1》
1.正極製造ステップ(S01)
以下の材料を準備した。
(正極用材料)
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/32
導電材 :アセチレンブラック
バインダ :PVdF
リン酸エステル化合物:リン酸トリフェニル
溶媒 :NMP
正極集電体:Al箔(厚さ=15μm)。
プラネタリミキサの混合槽に、正極活物質、導電材、バインダおよびリン酸エステル化合物を、質量混合比が「正極活物質:導電材:バインダ:リン酸エステル化合物=85:4:3:8」となるように入れ、さらに溶媒を加えて混練した。これにより正極スラリーを調製した。
ダイコータを用いて、正極スラリーを正極集電体の両方の表面(表裏)に塗工し、乾燥させた。これにより正極集電体の表面に正極合材層を形成した。さらに所定の寸法に圧縮し、裁断した。以上より、帯状のシート部材である正極10を得た。
2.負極製造ステップ(S02)
以下の材料を準備した。
(負極用材料)
負極活物質:天然黒鉛(D50=10μm)
バインダ :CMCおよびSBR
溶媒 :水
負極集電体:Cu箔(厚さ=10μm)。
ここで「D50」はレーザ回折/散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において、微粒側から累計50%の粒径を示している。
プラネタリミキサの混合槽に、負極活物質、CMCおよびSBRを、質量混合比が「負極活物質:CMC:SBR=98:1:1」となるように入れ、さらに溶媒を加えて混練した。これにより負極スラリーを調製した。
ダイコータを用いて、負極スラリーを負極集電体の両方の表面に塗工し、乾燥させた。これにより、負極集電体の表面に負極合材層を形成した。さらに所定の寸法に圧縮し、裁断した。以上より、帯状のシート部材である負極20を得た。
3.電極群構成ステップ(S03)
巻取装置を用いて、セパレータ30を挟んで、正極10と負極20とを積層し、さらに巻回することにより、円柱状の電極群80を構成した。
4.電解液調製ステップ(S04)
非プロトン性有機溶媒に、支持電解質塩およびホスファゼン化合物を分散させることにより、電解液を調製した。電解液組成は次のとおりである。
(電解液組成)
非プロトン性有機溶媒:[EC:EMC:DMC=3:4:3(体積混合比)]
支持電解質塩 :LiPF6(1mоl/l)
ホスファゼン化合物 :シクロトリホスファゼン(5質量%)。
5.ケース収容ステップ(S05)
円筒形の電池ケース50(直径=18mm、高さ=65mm)を準備した。電池ケース50に、電極群80を収容し、電極群80を電池ケース50内の所定の位置に溶接した。さらに所定量の電解液を電池ケース50に入れ、電池ケース50を密閉した。以上より、非水電解液二次電池を製造した。
《実施例2および3》
下記表1に示すように、リン酸トリフェニルを増量することを除いては、実施例1と同様にして、実施例2および3に係る電池を製造した。今回の実験では、導電材およびバインダの質量混合比、ならびに正極活物質およびリン酸エステル化合物の質量混合比の合計を一定とした。すなわち正極において、各成分の質量混合比は「正極活物質:導電材:バインダ:リン酸エステル化合物=(93−X):4:3:X」である(表1に示すように、ここでは0≦X≦15である;以下同様である)。
《実施例4〜6》
リン酸トリフェニルに代えて、リン酸ジフェニルを用いることを除いては、実施例1〜3と同様にして、実施例4〜6に係る電池を製造した。
《実施例7〜12、比較例1〜8》
下記表1に示すように、正極におけるリン酸トリフェニルまたはリン酸ジフェニルの含有量、および電解液におけるシクロトリホスファゼンの含有量を変更することを除いては、実施例1〜6と同様にして、実施例7〜12ならびに比較例1〜8に係る電池を製造した。
Figure 0006504069
<電池性能の評価>
以下のようにして、上記で製造された各電池の性能を評価した。以下の説明において、電流レートの単位「C」は、電池の定格容量を1時間で放電しきる電流レートを示すものとする。
1.初期容量の測定
3.0〜4.1Vの電圧範囲で定電流充放電を行い、初期容量(放電容量)を測定した。結果を上記表1に示す。
2.サイクル後容量維持率の測定
60℃に設定された恒温槽内に電池を配置した。3.0〜4.1Vの電圧範囲において、2Cの電流レートで充放電を500サイクル繰り返した。500サイクル後の放電容量を、初期容量で除することにより、容量維持率(百分率)を求めた。結果を上記表1に示す。
3.ハイレートパルスサイクル後抵抗増加率の測定
25℃に設定された恒温槽内に電池を配置した。電池のSOC(State Of Charge)を60%に調整した。次いで下記のパルス充電およびパルス放電の組み合わせを1サイクルとして、パルス充放電サイクルを3000サイクル繰り返した。
(ハイレートパルスサイクル条件)
パルス充電:電流=10C、充電時間=80秒、上限電圧=4.3V
パルス放電:電流=2C、放電時間=400秒、下限電圧=2.5V。
3000サイクル後の電池抵抗(IV抵抗)を、サイクル前の電池抵抗で除することにより、抵抗増加率(百分率)を求めた。結果を上記表1に示す。抵抗増加率が低いほど、ハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加が抑制されていることを示している。
4.ARC試験
Thermal Hazard Technology社製のARC(Accelerating Rate Calorimeter)を用いて、電池の熱安定性を評価した。「ARC」とは、試料を断熱状態で段階的に加熱することにより、試料を自己発熱させ、自己発熱速度を測定する装置である。
まず、4.8Vの定電圧充電により、電池を過充電状態とした。ARCの試料室に電池を配置した。以下の条件で、各温度での電池の自己発熱速度を測定した。
(ARC測定条件)
Temperature Range:80〜350℃
Temperature Step:5℃
Wait Time:20min
Temp. Rate Sensitivity:0.02℃/min
Calculation Step temp.:0.2℃。
各温度に対して自己発熱速度をプロットすることにより、自己発熱速度の曲線を得た。得られた曲線において変曲点を求めた。結果を上記表1に示す。当該変曲点は、電池が熱的に不安定になる温度を示すと考えられる。すなわち、変曲点が高い温度であるほど、電池の熱安定性が向上していることを示している。
<考察>
上記表1に示されるように、正極におけるリン酸トリフェニルまたはリン酸ジフェニルの含有量が8質量%以上12質量%以下であり、かつ電解液におけるシクロトリホスファゼンの含有量が5質量%以上8質量%以下である、実施例では、かかる条件を満たさない比較例に比し、熱安定性が高く、なおかつハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加率が低い電池を製造することができた。
また実施例において製造された電池は、初期容量の低下も許容レベルであり、サイクル後の容量維持率も良好である。
リン酸トリフェニルまたはリン酸ジフェニルと、シクロトリホスファゼンとの相乗により、電池の熱安定性が向上し、さらに負極の表面に緻密な被膜が形成されることにより、被膜の成長が抑制されたためと考えられる。
実施例において製造された電池では、熱安定性の向上幅も大きい傾向にある。過充電時に、正極合材層に残留するリン酸トリフェニルまたはリン酸ジフェニルが分解され、その分解生成物が正極に付着することにより、正極からのLiイオンの供給が制限されるためと考えられる。
実施例1〜12の結果より、リン酸トリフェニルによる抵抗増加の抑制効果および熱安定性の向上効果と、リン酸ジフェニルによる抵抗増加の抑制効果および熱安定性の向上効果は、略同等である。したがって、たとえば4質量%のリン酸トリフェニルと、4質量%のリン酸ジフェニルとを混合して用いた場合(すなわちリン酸トリフェニルとリン酸ジフェニルとの合計が8質量%である場合)も、8質量%のリン酸トリフェニルを単独で用いた場合(実施例1等)、または8質量%のリン酸ジフェニルを単独で用いた場合(実施例4等)と、同等の効果が見込まれる。
すなわち、正極合材層にリン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方を合計で8質量%以上12質量%以下含有させることにより、正極合材層にリン酸トリフェニルまたはリン酸ジフェニルを単独で8質量%以上12質量%以下含有させた実施例と同様に、抵抗増加の抑制効果および熱安定性の向上効果が得られると考えられる。
以上のように、本実施形態によれば、非水電解液二次電池の熱安定性を向上させることができ、なおかつハイレートパルスサイクルに伴う抵抗増加を抑制することができる。したがって、本実施形態は、たとえば車載用の非水電解液二次電池に好適であると考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 正極、20 負極、30 セパレータ、50 電池ケース、80 電極群、100 電池。

Claims (1)

  1. リン酸トリフェニルおよびリン酸ジフェニルの少なくとも一方を合計で8質量%以上12質量%以下含有する正極合材層を含む、正極を製造するステップと、
    前記正極および負極を含む電極群を構成するステップと、
    シクロトリホスファゼンを5質量%以上8質量%以下含有する電解液を調製するステップと、
    前記電極群および前記電解液を電池ケースに収容することにより、非水電解液二次電池を製造するステップと、を備える、非水電解液二次電池の製造方法。
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