JP6500649B2 - トルク測定装置付回転伝達装置 - Google Patents
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Description
尚、本発明に関連するその他の先行技術としては、上述した特許文献1〜3のほか、特許文献4〜6等に記載された発明がある。
このうちのトルク伝達軸は、使用時にトルクを伝達するものである。
又、前記転がり軸受は、外輪と、内輪と、複数個の転動体とを備え、前記トルク伝達軸を、使用時に回転しない部分に対し、回転自在に支持するものである。
前記両エンコーダは、それぞれの被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させており、前記トルク伝達軸に直接又は使用時にこのトルク伝達軸と同期して回転する部材に支持されている。
前記両センサは、前記各エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向された状態で、使用時にも回転しない部分に支持されている。
そして、前記両センサの出力信号(例えば出力信号同士の位相差、位相差比)を利用して、前記トルク伝達軸が使用時に伝達するトルクを測定可能としている。
前記両センサのうち、前記一方のエンコーダの被検出面に対しその検出部を径方向に関する微小隙間を介して対向させた、少なくとも一方のセンサを、前記転がり軸受を構成する静止輪である外輪に支持固定された略円環状のセンサキャップの内側に、例えば部分円環状のセンサ支持ブロックを介して支持している。
更に、前記一方のセンサを、前記検出部から略コ字形に折れ曲がる状態で引き出された端子を利用して、前記センサ支持ブロックを径方向両側及び軸方向片側から取り囲む様に、このセンサ支持ブロックに支持している。
又、上述した請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば、内輪の軸方向端部に、この軸方向端部以外の部分に比べて内径寸法が大きくなった取付段差部を形成する。そして、この取付段差部に対し、前記一方のエンコーダのうち、この取付段差部の径方向の深さ寸法に比べて径方向の厚さ寸法が小さくなった部分を、内嵌固定する事ができる。
この様な構成を採用するには、例えば、前記トルク伝達軸を中空状とし、このトルク伝達軸の内径側に、内軸を配置する。そして、この内軸の軸方向一端側部分を、このトルク伝達軸の軸方向一端側部分に直接又は間接的に(他の部材を介して)相対回転不能に連結する。
又、前記両エンコーダのうち、一方のエンコーダを、前記トルク伝達軸の軸方向他端部を回転自在に支持した転がり軸受を構成する内輪に支持固定し、他方のエンコーダを、前記内軸の軸方向他端側部分(トルク伝達軸の軸方向他端部から突出した部分)に、前記一方のエンコーダと隣接した状態で支持固定する。
又、前記両センサのうち、前記他方のエンコーダの被検出面にその検出部を径方向に関する微小隙間を介して対向させた他方のセンサに就いても、前記一方のセンサを支持したセンサ支持ブロックに対して支持し、この一方のセンサを支持したセンサキャップの内側に配置する。
この場合、前記他方のセンサに就いても、前記検出部から略コ字形に折れ曲がる状態で引き出された端子を利用して、前記センサ支持ブロックを径方向側及び軸方向片側から取り囲む様にして、このセンサ支持ブロックに支持する構成を採用できる。
又、上述の様に、前記トルク伝達軸の内径側に前記内軸を配置する構成を採用した場合には、この内軸を中空状(中空筒状、中空管状)に構成し、この内軸を軽量化すると共に、この内軸の内部空間を潤滑油を各部に供給する為の流路として利用する事もできる。
又、前記内軸の軸方向中間部外周面を、前記トルク伝達軸の内周面によって案内支持する構成を採用する事もできる。この場合には、前記内軸の軸方向中間部外周面(前記トルク伝達軸の内周面によって案内される面)に、摩耗防止の為の表面処理を施す事もできる。
この様な構成を採用する場合には、前記両エンコーダのうち、少なくとも一方のエンコーダ(好ましくは両方のエンコーダ)を、前記トルク伝達軸を回転自在に支持する為の転がり軸受を構成する内輪に支持固定する。
又、前記両センサのうち、少なくとも前記一方のエンコーダの被検出面にその検出部を径方向に関する微小隙間を介して対向させた一方のセンサを、前記転がり軸受を構成する外輪に支持固定したセンサキャップの内側に、センサ支持ブロックを介して支持する。
尚、前記両エンコーダをそれぞれ内輪に支持する場合には、前記両センサに就いても、これら各内輪と共に転がり軸受を構成する各外輪に対し、センサキャップ及びセンサ支持ブロックを介して支持する。
又、同様に、前記トルク伝達軸からトルクを出力する為の出力部の位置(形成位置、設置位置)は特に限定されず、例えば軸方向一端部に設ける事もできるし、軸方向中間部、又は、軸方向他端部に設ける事もできる。又、出力部としては、例えば、前記トルク伝達軸の外周面又は内周面に、スプライン部(雄スプライン部又は雌スプライン部)、キー係合部、嵌合面部、螺子部を直接形成する構成を採用できる他、出力歯車、出力プーリ、出力スプロケット等を、前記トルク伝達軸と一体に設けたり、或いは、別体として結合固定する構成を採用できる。又、前記トルク伝達軸には、複数の出力部を設ける事も可能であり、この場合には、例えば歯数の異なる複数の出力歯車を設けたり、種類の異なる出力部(例えば出力プーリと出力歯車等)を設ける事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記トルク伝達軸にトルクを入力する動力源の回転軸を、このトルク伝達軸と同軸、平行、又は直角に配置する事ができる。
尚、本明細書で、軸の軸方向一端側とは、当該軸の中央部よりも軸方向一端に近い側に存在する部分(一端部を含む)を言い、反対に、軸方向他端側とは、当該軸の中央部よりも軸方向他端に近い側に存在する部分(他端部を含む)を言う。
即ち、本発明の場合には、使用する1対のセンサのうち、転がり軸受を構成する内輪に支持された少なくとも一方のエンコーダの被検出面にその検出部を対向させた少なくとも一方のセンサを、センサ支持ブロックを介して、前記転がり軸受を構成する外輪に支持したセンサキャップの内側に支持している。この為、本発明の場合には、前記転がり軸受を利用して、前記一方のエンコーダに対する前記一方のセンサの位置決めを容易に図る事できる。この為、これら一方のエンコーダと一方のセンサとの位置関係を、容易に且つ厳密に規制する事ができる。
又、本発明の場合には、前記一方のセンサを構成する端子を、検出部から略コ字形に折れ曲がる状態で引き出しており、この端子により、センサ支持ブロックを径方向両側及び軸方向片側から取り囲む様にして、前記一方のセンサをこのセンサ支持ブロックに支持している。この為、直線状の端子を例えば放射方向(径方向)又は軸方向に配置する構成を採用した場合に比べて、前記一方のセンサの径方向及び軸方向に関する寸法を小さく抑える事ができる。従って、本発明によれば、前記一方のセンサの小型化を図る事ができる。この結果、この一方のセンサを支持したセンサキャップが、前記転がり軸受を構成する外輪よりも径方向外方に突出する事を防止でき、このセンサキャップを、この外輪を内嵌固定する、使用時にも回転しない部分(例えばハウジング)の内径側に配置する事が可能になる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜6を参照しつつ説明する。本例のトルク測定装置付回転伝達装置5は、例えば自動車用の自動変速機に組み込んで使用する。この様なトルク測定装置付回転伝達装置5は、ハウジング(ミッションケース)75と、ベルト式CVT等のインプットシャフト(又はカウンタシャフト)として機能する中空状(中空筒状)のトルク伝達軸6eと、1対の転がり軸受45a、45bと、入力歯車44aと、出力歯車8dと、内軸9aと、第一エンコーダ10と、第二エンコーダ11と、1個のセンサユニット12bとを備える。
本例の場合、前記センサユニット12bを、第一センサ21aと、第二センサ22aと、第一基板58と、第二基板59と、センサ支持ブロック60と、センサキャップ61とを含んで構成している。このうちの第一センサ21a(第二センサ22a)は、図4に示した様に、ホール素子、ホールIC、MR素子(GMR素子、TMR素子、AMR素子を含む)等の磁気検出素子を備えた検出部62a(62b)と、この検出部62a(62b)からそれぞれ引き出された1対の端子63a、63a(63b、63b)と、これら両端子63a、63a(63b、63b)の長さ方向中間部同士を導通させる事なく連結する連結部材64a(64b)とを備えている。又、本例の場合には、前記各端子63a、63a(63b、63b)を略コ字形に折り曲げて、前記第一センサ21a(第二センサ22a)を支持するのに利用している。
即ち、本例の場合には、前記トルク伝達軸6eの軸方向一端部の位相を、このトルク伝達軸6eの内径側に配置され、その軸方向他端部がこのトルク伝達軸6eの軸方向他端開口から突出した前記内軸9aに伝達する事ができる。この為、このトルク伝達軸6eの軸方向他端部の位相を検出する為の前記第一エンコーダ10と、このトルク伝達軸6eの軸方向一端部の位相を検出する為の第二エンコーダ11とを、このトルク伝達軸6eの軸方向に関して他端側部分に隣接配置する(まとめて配置する)事ができる。従って、本例の場合には、前記第一、第二両センサ21a、22aを前記センサ支持ブロック60に保持した1個のセンサユニット12bを使用できる為、センサの取り付け作業性を良好にできる。具体的には、前記センサキャップ61を、前記転がり軸受45aを構成する外輪52に取り付ける作業を1回行うだけで、前記第一、第二両センサ21a、22aを高精度に位置決めする事ができる。又、ハーネスの本数を2本{ハーネス4、4(図38参照)}から1本{ハーネス23(図1〜3参照)}に減らす事ができる為、ハーネスの配線作業の簡略化を図れる(取り回し性を良好にできる)と共に、コスト及び重量の低減を図れる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図7〜9を参照しつつ説明する。本例の特徴は、トルク伝達軸6eの内径側に配置した内軸9cを、前記実施の形態の第1例の場合の様な中実状ではなく、中空筒状(円管状)とした点にある。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図10〜11を参照しつつ説明する。本例の特徴は、実施の形態の第1例の構造から内軸を省略すると共に、第一エンコーダ10及び第一センサ21aの組と、第二エンコーダ11及び第二センサ22aの組とを、軸方向に離隔した状態で、トルク伝達軸6eの軸方向両側にそれぞれ配置した点にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様であるので、以下、本例の特徴部分を説明する。
尚、本発明を実施する場合に、前記第一、第二両エンコーダ10、11のうち、何れか一方のエンコーダのみを内輪に支持固定し、他方のエンコーダに関しては、トルク伝達軸の端部に直接支持固定する構造を採用しても良い。この場合には、前記第一、第二両センサ21a、22aのうち、前記一方のエンコーダの被検出面にその検出部を対向させる、何れか一方のセンサのみを外輪に支持固定し、他方のセンサに就いてはハウジング等に支持固定する構造を採用しても良い。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図12〜13を参照しつつ説明する。本例の特徴は、センサキャップ61cに対するセンサ支持ブロック60の固定構造にある。即ち、前述した実施の形態の第1例の構造の場合には、図12の(A)に示した様に、センサ支持ブロック60の軸方向側面に設けられた複数の固定用ピン81、81を、センサキャップ61を構成する底部66又は突き当て円輪部68に形成された固定用孔82、82内に圧入する事により、前記センサ支持ブロック60を前記センサキャップ61に対して支持固定している。この様な固定構造を採用した場合、組み付け作業時に、このセンサキャップ61に対する前記センサ支持ブロック60の位置決め(正しい姿勢に規制する事)が難しく、例えば、前記各固定用ピン81、81の中心軸と前記各固定用孔82、82の中心軸とが傾斜した状態等、前記センサ支持ブロック60を正規の位置(姿勢)以外に取り付けようとすると、このセンサ支持ブロック60に過大な応力が加わる可能性がある。この為、このセンサ支持ブロック60に支持固定した第一、第二両センサ21a、22a及び第一、第二両基板58、59にも、応力が加わる可能性があり、これら各部材21a、22a、58、59が故障する可能性がある。又、前記センサ支持ブロック60を前記センサキャップ61に対し、正規の取付位置からずれた位置に一旦固定してしまうと、容易には取り外す事ができず、メンテナンス性の面で問題を生じる可能性がある。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図14〜16を参照しつつ説明する。本例の特徴は、センサキャップ61と、このセンサキャップ61の内側に配置された第一、第二両基板58、59との間の隙間の大きさを厳密に規制した点にある。前記センサキャップ61の小径化を図るべく、このセンサキャップ61とこのセンサキャップ61の内側に配置された各部材との間の隙間を何ら制限なく小さくした場合、第一基板58又は第二基板59に接続された第一、第二各センサ21a、22aの端子63a、63bや、抵抗、コンデンサといった各種素子93などが、前記センサキャップ61の内面に接触する可能性があり、これら各部材21a、22a、93の損傷の原因になる。又、前記センサキャップ61として、金属製のものを使用した場合には、前記第一基板58や前記第二基板59の回路がショートする可能性がある。
先ず、前記第一基板58及び前記第二基板59に接続される素子93のうち、表面実装用のチップ抵抗の厚さは、JIS規格上最大で0.75mmであり、又、使用頻度の高い1608サイズの角型セラミックコンデンサの厚さは、最大で1.00mm程度である。一方、前記第一基板58及び前記第二基板59が固定されるセンサ支持ブロック60の熱膨張量は、このセンサ支持ブロック60の径方向厚さ寸法を10mm、このセンサ支持ブロック60を構成する樹脂材料の熱膨張係数を10×10−5/K、使用時に於ける温度変化(温度上昇量)を150°Cとした場合に、0.15mmになる。そこで、本例の場合には、前記第一基板58及び前記第二基板59に接続される素子93のうち、厚さ寸法が最大になると考えられる、1608サイズの角型セラミックコンデンサの厚さ1.00mmに、前記センサ支持ブロック60の熱膨張量分の0.15mmを加えて、1.15mmなる値を決定している。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第6例に就いて、図17〜19を参照しつつ説明する。本例の特徴は、第一エンコーダ10の第一被検出面18と、第一センサ21aの検出部(ホールIC)62aを構成するホール素子などの検出素子90aとの間の径方向隙間(センサギャップ)の大きさT1、及び、第二エンコーダ11の第二被検出面19と、第二センサ22aの検出部(ホールIC)63aを構成するホール素子などの検出素子90bとの間の径方向隙間(センサギャップ)の大きさT2を、それぞれ0mmよりも大きく2mm以下に規制した点にある。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第1例に就いて、図20を参照しつつ説明する。本例のトルク測定装置付回転伝達装置5は、例えば自動車用の自動変速機に組み込んで使用する。この様なトルク測定装置付回転伝達装置5は、図示しないハウジング(ミッションケース)と、ベルト式CVT等のインプットシャフト(又はカウンタシャフト)として機能する中空状(中空筒状)のトルク伝達軸6と、転がり軸受7と、出力歯車8と、内軸9と、第一エンコーダ10と、第二エンコーダ11と、1個のセンサユニット12とを備える。
即ち、本参考例の場合には、前記トルク伝達軸6の軸方向一端部の位相を、このトルク伝達軸6の内径側に配置され、その軸方向他端部がこのトルク伝達軸6の軸方向他端開口から突出した前記内軸9に伝達する事ができる。この為、このトルク伝達軸6の軸方向他端部の位相を検出する為の前記第一エンコーダ10と、このトルク伝達軸6の軸方向一端部の位相を検出する為の第二エンコーダ11とを、このトルク伝達軸6の軸方向に関して他端側部分に隣接配置する(まとめて配置する)事ができる。従って、本参考例の場合には、前記第一、第二両センサ21、22を前記ホルダ20に保持した1個のセンサユニット12を使用できる為、センサの取り付け作業性を良好にできる。具体的には、前記ホルダ20を、前記転がり軸受7を構成する外輪に取り付ける作業を1回行うだけで、前記第一、第二両センサ21、22を高精度に位置決めする事ができる。又、ハーネスの本数を2本から1本に減らす事ができる為、ハーネスの配線作業の簡略化を図れる(取り回し性を良好にできる)と共に、コスト及び重量の低減を図れる。
本発明に関する参考例の第2例に就いて、図21を参照しつつ説明する。本参考例の特徴は、第一エンコーダ10aを構成する支持環14aを、トルク伝達軸6の軸方向他端寄り部分を回転自在に支持する転がり軸受7を構成する内輪に代えて、このトルク伝達軸6の軸方向他端部外周面に直接支持する(外嵌固定する)構成を採用した点にある。この様な構成を有する本参考例の場合には、前記参考例の第1例の場合(内輪に取り付ける場合)に比べて、前記支持環14aを小型化し易くなる為、製造コストの低減を図る上で有利になる。又、本参考例の場合にも、第一エンコーダ(エンコーダ本体)を、トルク伝達軸6の軸方向他端部に対し支持環を介さずに、直接固定する事もできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記参考例の第1例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第3例に就いて、図22を参照しつつ説明する。本参考例の特徴は、センサユニット12aを構成するホルダ20aを、トルク伝達軸6の軸方向他端寄り部分を回転自在に支持する転がり軸受7を構成する外輪に代えて、図示しないハウジングに対して支持固定する構成を採用した点にある。この様な構成を有する本参考例の場合には、前記参考例の第1例の場合(外輪に取り付ける場合)に比べて、ホルダ20aの取付構造に関する自由度を高くできる。又、ハウジングの変形時に、第一、第二両センサ21、22が、第一、第二エンコーダ10、11に対して同方向に変位する為、前記ハウジングの変形が、トルクの検出精度に与える影響を小さくできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記参考例の第1例及び第2例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第4例に就いて、図23を参照しつつ説明する。本参考例の特徴は、第一エンコーダ10aを構成する支持環14aを、トルク伝達軸6の軸方向他端寄り部分を回転自在に支持する転がり軸受7を構成する内輪に代えて、このトルク伝達軸6の軸方向他端部に直接支持する(外嵌固定する)構成を採用すると共に、センサユニット12aを構成するホルダ20aを、トルク伝達軸6の軸方向他端寄り部分を回転自在に支持する転がり軸受7を構成する外輪に代えて、図示しないハウジングに対して支持固定する構成を採用した点にある。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記参考例の第1例〜第3例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第5例に就いて、図24〜26を参照しつつ説明する。本例のトルク測定装置付回転伝達装置5aは、図示しないハウジング(ミッションケース)と、インプットシャフト(又はカウンタシャフト)として機能する中空状(中空筒状)のトルク伝達軸6と、転がり軸受7と、出力歯車8と、1個のエンコーダ24と、1個のセンサユニット12とを備える。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した参考例の第1例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第6例に就いて、図27〜28を参照しつつ説明する。本参考例の場合には、転がり軸受7(図28では円すいころ軸受)を構成する内輪に、トルク検出用有孔部材である、トルク検出用スリーブ29を支持固定している。これに対し、内軸9の軸方向他端部に、トルク検出用凹凸部材30を支持固定している。尚、図示は省略するが、トルク検出用スリーブを、トルク伝達軸6の軸方向他端部に、直接外嵌固定する構造を採用する事もできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した参考例の第1例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第7例に就いて、図29を参照しつつ説明する。本参考例の特徴は、トルク伝達軸6を、図示しないハウジングに対して、1対の転がり軸受7、40により回転自在に支持し、前記トルク伝達軸6を両持ち梁式の支持構造とした点にある。即ち、本参考例の場合には、前記トルク伝達軸6の軸方向中間部のうち、軸方向一端部に設けられたスプライン部13と出力歯車8が固定された部分との間部分を、第二の転がり軸受40により回転自在に支持している。この第二の転がり軸受40としては、深溝型、アンギュラ型等の玉軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、ラジアルニードル軸受等を採用可能である。又、本参考例の場合には、前記1対の転がり軸受7、40同士で、互いの接触角を逆向きとしている。この様な構成を有する本参考例の場合には、前記トルク伝達軸6の支持剛性を高める事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記参考例の第1例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第8例に就いて、図30を参照しつつ説明する。本参考例の特徴は、トルク伝達軸6aをカウンタシャフトとして、このトルク伝達軸6aの軸方向中間部で、1対の転がり軸受7、40同士の間部分に、2個の出力歯車8a、8bを固定している(トルク伝達軸6aと一体に設けている)点にある。又、本参考例の場合、これら両歯車8a、8bの外周面に形成された歯数を、自動変速機の段数に応じて、互いに異ならせている。尚、出力歯車は、トルク伝達軸に対して一体的に設けても良いし、結合固定しても良い。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記参考例の第1例及び第7例の場合と同じである。
本発明に関する参考例の第9例に就いて、図31を参照しつつ説明する。本参考例の特徴は、トルク伝達軸6bの軸方向他端寄り部分の内周面に、その他の部分よりも内径寸法が小さくなった案内面42を形成している。又、前記トルク伝達軸6bの内径側に配置された内軸9aの軸方向中間部他端寄り部分で、径方向に関して前記案内面42と対向する部分に、軸方向一端部に設けた大径部41よりは外径寸法が小さいが、その他の部分よりは外径寸法が大きくなった被案内面43を形成している。そして、本参考例の場合には、前記案内面42とこの被案内面43とを隙間を介して径方向に近接対向させて、この被案内面43をこの案内面42によって案内支持している。尚、前記隙間の大きさは、小さい程好ましく、例えば100μm以下とする事が好ましく、更に嵌めあい公差で、例えばH7/g6又はH7/g7とする事が好ましい。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記参考例の第1例の場合と同じである。
本発明に関する参考例の第10例に就いて、図32を参照しつつ説明する。本参考例の場合には、内軸9bの軸方向中間部他端寄り部分の外周面に形成された被案内面43aに、摩耗を防止する為の表面処理を施している。より具体的には、炭素鋼製の前記内軸9bに、焼入れ、焼戻し処理を施して、その硬度をHRC30〜50に規制し、その後、前記被案内面43aに、以下の(1)〜(6)の中から選択される表面処理を施している。
(1)二硫化モリブデン、二硫化タングステン、PTFE等の固体潤滑膜(デフリックコート)を、例えば固体潤滑剤の粒子を噴射して堆積させるショットピーニング加工により形成する。
(2)ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を、プラズマCVD法やスパッタリング法などにより形成する。
(3)金、銅、銀、亜鉛、鉛、錫、チタン、ニッケル、アルミニウム等の金属皮膜(例えば10μm以下の膜)を、例えばショットピーニング加工又はメッキにより形成する。
(4)リン酸マンガン、リン酸亜鉛又はリン酸亜鉛カルシウム等のリン酸塩処理を施し、化成処理膜を形成する。
(5)四三酸化鉄被膜処理(黒染め処理)により酸化被膜を形成する。
(6)硬質クロムメッキ、ニッケル亜鉛メッキ、無電解ニッケルメッキなどの硬質皮膜を形成する。
又、本例の場合には、上述の様な(1)〜(6)の中から選択される表面処理を施した後、前記被案内面43aに潤滑油やグリース等の潤滑剤を塗布している。
その他の構成及び効果に就いては、前記参考例の第1例及び第9例の場合と同じである。
本発明に関する参考例の第11例に就いて、図33を参照しつつ説明する。本参考例の場合には、トルク伝達軸6bの内周面に形成された案内面42と、内軸9aの外周面に形成した被案内面43との間に、これらトルク伝達軸6b及び内軸9aとは別体の、環状のブッシュ91を介在させている。このブッシュ91としては、例えば滑り軸受やラジアルニードル軸受を採用する事ができる。
その他の構成及び効果に就いては、前記参考例の第1例及び第9例の場合と同じである。
本発明に関する参考例の第12例に就いて、図34を参照しつつ説明する。本参考例の場合には、前述した実施の形態の各例の構造と同様に(上述した参考例の各例の構造とは異なり)、トルク伝達軸6cにトルクを伝達する動力源が、このトルク伝達軸6cと同軸上に配置されない構造の1例を示している。この様な本参考例の場合、このトルク伝達軸6cにトルクを入力する為の入力歯車44を、このトルク伝達軸6cの軸方向中間部に、このトルク伝達軸6cと一体に設けており、トルクを出力する為の出力歯車8cを、このトルク伝達軸6cの軸方向一端寄り部分に、このトルク伝達軸6cと一体に設けている。尚、前記入力歯車44及び前記出力歯車8cとしては、平歯車やはすば歯車を採用できる。又、本参考例の場合には、前記トルク伝達軸6cのうち、前記入力歯車44及び前記出力歯車8cが設置された部分を挟んだ両側部分(軸方向他端寄り部分及び軸方向一端部)を、1対の転がり軸受45a、45bにより、図示しないハウジングに対し回転自在に支持している。尚、この様な構成を有する本参考例の構造は、ディファレンシャルギヤを持つ軸と対になる軸である、例えばカウンタ軸に適用できる。
前記トルク伝達軸6cに関するトルクの入力部及び出力部、並びに、このトルク伝達軸6cの支持構造が異なる以外の構成及び得られる作用効果に就いては、前記参考例の第1例及び第9例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第13例に就いて、図35を参照しつつ説明する。本参考例の場合には、上述した参考例の第12例の構造と同様に、トルク伝達軸6dにトルクを入力する為の入力歯車44を、このトルク伝達軸6dの軸方向中間部に、このトルク伝達軸6dと一体又は別体に設けると共に、このトルク伝達軸6dからトルクを出力する為の出力歯車8cを、このトルク伝達軸6dの軸方向一端寄り部分に、このトルク伝達軸6dと一体又は別体に設けている。そして、特に本参考例の場合には、この様なトルク伝達軸6dをハウジングに対して回転自在に支持する為の1対の転がり軸受45a、45cの配置を、上述した参考例の第12例の構造の場合とは異ならせている。即ち、本参考例の場合には、前記トルク伝達軸6dのうち、前記出力歯車8cが設置された部分よりも軸方向一端側ではなく、この出力歯車8cが設置された部分よりも軸方向中央寄り部分を、前記転がり軸受45cにより支持している。これにより、前記入力歯車44を軸方向両側から挟む様に、前記両転がり軸受45a、45cを配置している。尚、前記入力歯車44及び前記出力歯車8cとしては、平歯車、はすば歯車、かさ歯車又はハイポイドギヤを採用できる。
以上の様に、前記トルク伝達軸6dを回転自在に支持する為の支持構造が異なると共に、本参考例の構造では案内面と被案内面とを設ける構造(両持ち梁式の支持構造)を採用していない点を除き、上述した参考例の第12例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第14例に就いて、図36を参照しつつ説明する。本参考例の場合には、上述した参考例の第13例の構造と同様に、トルク伝達軸6dにトルクを入力する為の入力歯車44を、このトルク伝達軸6dの軸方向中間部に、このトルク伝達軸6dと一体又は別体に設けると共に、このトルク伝達軸6dからトルクを出力する為の出力歯車8cを、このトルク伝達軸6dの軸方向一端寄り部分に、このトルク伝達軸6dと一体又は別体に設けている。そして、特に本参考例の場合には、この様なトルク伝達軸6dをハウジングに対して回転自在に支持する為に、3個の転がり軸受45a、45c、45dを使用している。即ち、本参考例の場合には、前記参考例の第13例の構造と同様の位置を回転自在に支持する2個の転がり軸受45a、45cに加えて、前記トルク伝達軸6dのうち、前記入力歯車44が設置された部分の軸方向一端側に隣接した部分を、前記転がり軸受45dにより支持している。
その他の構成及び作用効果に就いては、上述した参考例の第13例の場合と同様である。
本発明に関する参考例の第15例に就いて、図37を参照しつつ説明する。本参考例は、前述した参考例の第12例の変形例である。即ち、この第12例の場合には、トルク伝達軸6cの軸方向中間部に入力歯車44を設けていたのに対し、本参考例の場合には、トルク伝達軸6cの軸方向中間部に、ベルト式の入力プーリ46を固設している。又、この様なトルク伝達軸6cの軸方向両端部を、図示しないハウジングに対して、1対の転がり軸受45a、45bにより回転自在に支持している。そして、図示しないハウジングに対し1対の転がり軸受47a、47bにより回転自在に支持され、前記トルク伝達軸6cと平行に配置された中間軸48の軸方向中間部に固定された出力プーリ49と、前記入力プーリ46との間に、ベルト50を掛け渡している。
以上の様に、トルクを入力する為の入力部の構造が異なる以外の構造及び得られる作用効果に就いては、前記参考例の第12例の場合と同様である。
尚、前記各プーリ46、49は、ベルト式無段変速機を構成するプーリとする事もできる。
2 エンコーダ
3 センサ
4 ハーネス
5、5a トルク測定装置付回転伝達装置
6、6a、6b、6c、6d、6e トルク伝達軸
7 転がり軸受
8、8a、8b、8c、8d 出力歯車
9、9a、9b、9c 内軸
10、10a 第一エンコーダ
11 第二エンコーダ
12、12a、12b、12c、12d センサユニット
13 スプライン部
14、14a 支持環
15 支持環
16 エンコーダ本体
17 エンコーダ本体
18 第一被検出面
19 第二被検出面
20、20a ホルダ
21 第一センサ
22 第二センサ
23 ハーネス
24 エンコーダ
25 支持環
26 エンコーダ本体
27 第一被検出面
28 第二被検出面
29 トルク検出用スリーブ
30 トルク検出用凹凸部材
31 トルク検出用凹凸部
32 大径筒部
33 小径筒部
34 コイルセンサユニット
35 窓孔
36 支持部材
37 検出本体
38 コイル
39 ヨーク部材
40 転がり軸受
41 大径部
42 案内面
43、43a 被案内面
44、44a 入力歯車
45a、45b、45c、45d 転がり軸受
46 入力プーリ
47a、47b 転がり軸受
48 中間軸
49 出力プーリ
50 ベルト
51、51a 内輪
52、52a 外輪
53、53a 小径筒部
54、54a 大径筒部
55、55a 円輪部
56a、56b 屈曲部
57 取付段差部
58 第一基板
59 第二基板
60、60a、60b センサ支持ブロック
61、61a、61b、61c センサキャップ
62a、62b 検出部
63a、63b 端子
64a、64b 連結部材
65a、65b 取付部
66、66a 底部
67 外側筒部
68、68a 突き当て円輪部
69 支持筒部
70 外輪軌道
71 肩部
72 嵌合段差部
73 転動体
74 ハーネス引出孔
75 ハウジング
76 貫通孔
77a、77b 分岐孔
78a、78b 連通孔
79a、79b 内径側油溝
80a、80b 外径側油溝
81 固定用ピン
82、82a 固定用孔
83、83a、83b、83c 案内凹溝
84 径方向直線部
85 円周方向直線部
86 円周方向円弧部
87a、87b 径方向円弧部
88 絶縁コーティング層
89 絶縁塗装
90a、90b 検出素子
91 ブッシュ
92 係合孔
93 素子
Claims (3)
- 使用時にトルクを伝達するトルク伝達軸と、
このトルク伝達軸を使用時に回転しない部分に対し、回転自在に支持する為の転がり軸受と、
それぞれの被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させ、前記トルク伝達軸に直接又は使用時にこのトルク伝達軸と同期して回転する部材に支持された1対のエンコーダと、
前記各エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向された状態で、使用時にも回転しない部分に支持された1対のセンサと、を備えた、
トルク測定装置付回転伝達装置であって、
前記両エンコーダのうち、少なくとも一方のエンコーダが、前記転がり軸受を構成する回転輪である内輪に支持されており、
前記両センサのうち、前記一方のエンコーダの被検出面に対しその検出部を径方向に関する微小隙間を介して対向させた、少なくとも一方のセンサが、前記転がり軸受を構成する静止輪である外輪に支持固定されたセンサキャップの内側に、センサ支持ブロックを介して支持されており、
前記一方のセンサが、前記検出部から略コ字形に折れ曲がる状態で引き出された端子を利用して、前記センサ支持ブロックを径方向両側及び軸方向片側から取り囲む様にして、このセンサ支持ブロックに支持されている、
事を特徴とするトルク測定装置付回転伝達装置。 - 前記一方のエンコーダが、前記内輪の内周面に内嵌固定されている、請求項1に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
- 前記センサキャップが、前記外輪の内周面のうち、外輪軌道から軸方向に外れた軸方向端部に内嵌固定されている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
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