JP6499784B1 - シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤 - Google Patents
シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明者らはこのような素材のひとつとしてシロキクラゲ由来の多糖体に着目し、これを添加することにより冷凍ゼリー、冷凍プリンに保水効果を与えたり、冷凍カスタードクリーム、冷凍ホワイトソースの冷凍解凍後の食感の保持等に働いたりすることを確認している(例えば、非特許文献1、参照)。
特許文献2では、食品の改質方法として、キクラゲの細断末又は粉砕末を、小麦粉や蕎麦粉又は魚肉や獣肉等水分が多くて固化しない状態の食品に配合することで、固化させる効果、粘弾性を生じさせる効果が発揮されることを開示している。
また、特許文献3では化粧料の提供にあたり、シロキクラゲ子実体より抽出した水溶性多糖類と水溶性高分子(但し、シロキクラゲ子実体より抽出した水溶性多糖類を除く)及び/又はリン脂質を含有させることが開示されている。
(1)シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤。
(2)シロキクラゲ多糖体が平均分子量300万Mw以上である上記(1)に記載の剤。
(3)加工食品製造用である上記(1)又は(2)に記載の剤。
(4)食品素材に上記(1)〜(3)のいずれかに記載の剤を混合する工程を含む加工食品の製造方法。
(5)食品素材が食肉である上記(4)に記載の加工食品の製造方法。
本発明の「剤」はシロキクラゲ多糖体とメチルセルロースが混合された状態のものでも良く、それぞれが別々に存在し、使用の段階で組み合わせて用いられるものであっても良い。本願発明の「剤」はこれらの有効成分に加えて、加工食品、医薬品、医薬部外品や化粧品等、使用目的に応じて特定の物性等を示し、また、一定期間それを維持し得るために有用なその他の成分を含むものであっても良い。
このようなシロキクラゲ多糖体として、例えば平均分子量が480万MwのUT-WC(ユニテックフーズ社)、又は平均分子量が300万MwのUT-WS(ユニテックフーズ社)等を挙げることができる。これらのシロキクラゲ多糖体は単独で使用してもよく、複数のものを混合して使用しても良い。
GPCによる分子量及び分子量分布の測定
・装置:ビルドアップGPCシステム(東ソー製)
・カラム:TSKgel GMPWXL(7.8mmID×30cm)(東ソー製)
・検出器:RI検出器
・溶離液:0.05M-NaNO3水溶液
・流速:0.5ml/min
・濃度:0.5mg/ml
・注入量:100μl
・カラム温度:40℃
前処理として、試料を秤量し所定量の溶離液を加えて、100℃10分加熱・冷却後、0.45μmのセルロースアセテートカートリッジフィルターにて濾過を行った。検量線は、標準プルラン(Shodex製)を用いて作成した。
このようなメチルセルロースとして、例えばUTMC-01(ユニテックフーズ社)、UTHPMC-01(ユニテックフーズ社)等が挙げられる。
この場合、食品素材に本発明の剤を混合する工程を含むことにより、加工食品の製造方法を提供することができる。本発明の「加工食品の製造方法」は、該工程に加えて、加工食品の製造に有用なその他の工程を含む物であっても良い。
「加工食品」としては、例えば、ハンバーグ、肉まん、ソーセージ、餃子、メンチカツ等が挙げられる。
シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤の製造
次のシロキクラゲ多糖体とメチルセルロースを組み合わせることにより、シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤を製造した。
シロキクラゲ多糖体:UT-WC又はUT-WS(いずれもユニテックフーズ社)
メチルセルロース:UTMC-01(ユニテックフーズ社)
加工食品の製造
実施例1で製造した剤を用い、加工食品を製造した。
製造した加工食品について次の評価基準により官能評価を行い、シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤の効果を検討した。
表1に各ハンバーグの材料及び配合割合を示した。比較例としてシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースをいずれも配合していないもの(比較例a)、シロキクラゲ多糖体(UT-WC)のみを配合したもの(比較例b)、メチルセルロースのみを配合したもの(比較例c)及びその他の食物繊維を配合したもの(比較例d)の各ハンバーグも製造した。
次の工程によりハンバーグを製造し、官能評価を行った。
A.合挽き肉に食塩を加えて攪拌した。
B.上記Aに水を加えて攪拌した。
C.上記Bに卵黄を加えて攪拌した。
D.上記Cにみじん切りにした玉ねぎを加えて攪拌した。
E.上記Dに残りの材料を加えて攪拌し、均一に混ぜた。
F.上記Eを成型した後、焼成(オーブン230℃、15分)した。
G.上記Fを常温で空冷した後、冷凍した。
H.一晩冷凍した上記Gを取り出し、そのまま電子レンジで加熱して温めた。
I.訓練を受けたパネラー5人で上記Iの各ハンバーグを試食し、次の基準により官能評価を行った。
各ハンバーグのジューシー感及びコク味について、シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースのいずれも配合していないハンバーグ(比較例a)の評価結果を5.0として10段階評価により相対評価を行った。
ジューシー感については非常にみずみずしさが感じられる場合を10、非常にみずみずしさが感じられない場合を1とした。コク味については肉の脂の旨みが非常に感じられる場合を10、非常に肉の脂の旨みが感じられない場合を1とした。各パネラーの評価の平均を官能評価の結果として表2に示した。
表2に示されるように本発明のシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤を配合することにより、比較例a〜dのシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースのいずれも配合しない場合、シロキクラゲ多糖体のみを配合した場合及びメチルセルロースのみを配合した場合と比べてジューシー感もコク味も強いハンバーグが製造できることが確認できた。
これは食物繊維を配合した場合と比べても同様であり、本発明のシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤が加工食品の製造において高い効果を示すことが確認できた。
表3に各肉まん(具)の材料及び配合割合を示した。
実施例としてシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを1:5、5:1、1:1の割合で組み合わせて含有させたもの(実施例A〜C)の各肉まん(具)を製造した。
また、比較例としてシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースをいずれも配合していないもの(比較例a)、シロキクラゲ多糖体のみを配合したもの(比較例b)、メチルセルロースのみを配合したもの(比較例c)、及びその他の食物繊維を配合したもの(比較例d)の各肉まん(具)も製造した。
次の工程により肉まん(具)を製造し、加熱時のドリップ量の測定と官能評価を行った。
A.豚バラ肉と豚肩ロース(約5mm角)に対して醤油等の液体調味料、塩、クエン酸、タンパク素材、本発明の剤を添加して混合した。比較例の肉まん(具)は各例に応じてシロキクラゲ多糖体、メチルセルロース又はその他の食物繊維をそれぞれ添加した。
B.上記Aに残りの粉末調味料を添加して混合した。
C.上記Bにみじん切りにした玉ねぎ、たけのこを混合した後、さらにごま油を混合した。
D.上記Cに加工デンプンを添加して混合した。
E.カップ容器に上記Dを50gずつ入れ蒸し器で蒸し(85℃、30分間)、常温で空冷した後、急速冷凍した。
F.一晩冷凍した上記Eを取り出し、そのまま80℃に加温したスチーマー(SME-436PR(株式会社吉田金属製作所)に投入して温めた。
G.スチーマーに投入後、2時間、4時間及び6時間経過した段階での上記Fの各肉まん(具)におけるドリップ量を測定した。また、訓練を受けたパネラー5人で6時間経過した段階の各肉まん(具)を試食し、次の基準により官能評価を行った。
各肉まん(具)のジューシー感及びコク味について、シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースのいずれも配合していないハンバーグ(比較例a)の評価結果を5.0として10段階評価により相対評価を行った。
ジューシー感については非常にみずみずしさが感じられる場合を10、非常にみずみずしさが感じられない場合を1とした。コク味については肉の脂の旨みが非常に感じられる場合を10、非常に肉の脂の旨みが感じられない場合を1とした。各パネラーの評価の平均を官能評価の結果として表2に示した。
表4に示されるように、本発明のシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤を配合することにより、6時間という長時間、スチーマー内で加温状態を維持してもドリップ量が少ない肉まん(具)が製造できることが確認できた(実施例A〜C)。これは、比較例a〜dのシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースのいずれも配合しない場合、シロキクラゲ多糖体のみを配合した場合、メチルセルロースのみを配合した場合及びその他の食物繊維を配合した場合と比べても明らかであった。さらに、図1で示されるように、本発明の剤を配合した場合には、ドリップに含まれる油分も少なく、肉からの油分の流出が抑制されることが確認できた。
官能試験においても、本発明のシロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む剤を配合することにより、肉の油分が保持され、ボソボソとした食感を感じない脂肪感のある肉まん(具)が製造できることが確認できた。これは、シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを1:5、5:1、1:1のいずれの割合で組み合わせて含有させても同様であった。
Claims (4)
- シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを有効成分として含む食肉加工品製造用の剤。
- シロキクラゲ多糖体が平均分子量300万Mw以上である請求項1に記載の食肉加工品製造用の剤。
- シロキクラゲ多糖体及びメチルセルロースを1:5〜5:1の割合で含む請求項1または2に記載の食肉加工品製造用の剤。
- 食品素材に請求項1〜3のいずれかに記載の食肉加工品製造用の剤を混合する工程を含む食肉加工品の製造方法。
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