JP7019238B2 - 畜肉練り製品およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、食感が改善された畜肉練り製品およびその製造方法に関する。
ソーセージ、ハンバーグ、肉団子などの畜肉練り製品は、子供から大人まで幅広く人気のある畜肉加工食品であり、肉の結着性や適度な硬さ、弾力、ジューシー感等が求められる。また、水産練り製品のような均質な食感ではなく一部不均質で歯で噛んだ際にほぐれ感や肉粒を感じられるようなテクスチャーが好まれる。手捏ねにより手作りで製造される畜肉練り製品は、練り工程が比較的緩やかなので、上記の肉らしいテクスチャー(肉のほぐれ感)が残りやすいが、工業規模で製造される畜肉練り製品は、ミキサーやサイレントカッターなどの機械で捏ねられるため、過剰に練られ均質化してしまい、肉のほぐれ感を特に失いやすい。更に、工業的に製造される畜肉練り製品には、歩留まり向上を目的にして澱粉や各種たん白質素材が用いられる事例が多い。これらの食品素材は、いずれも均質な食感になりやすく、肉らしいほぐれ感や肉粒といった好ましいテクスチャーが失われやすい。
畜肉製品において、種々の素材を用いてその歩留まりや食感を改良する技術が開発されている。例えば、特許文献1および特許文献2には、特定の油脂加工澱粉を配合することで畜肉製品の歩留まりや食感を向上する技術が記載されている。特許文献3および特許文献4には、特定の増粘多糖類を配合することで畜肉製品の歩留まりや食感を向上する技術が記載されている。また、特許文献5には、植物性食物繊維および油脂加工澱粉を配合することでリン酸塩に依存することなく保水性、保油性、結着性に優れた畜肉製品を得る技術が記載されている。
特開2005-318871号 特開2013-110973号 特開平02-79960号 国際公開1998/17126号 特開2017-23077号
しかしながら、特許文献1~5に開示された従来の技術は、あくまで畜肉製品の硬さや弾力、離水の有無などを向上するための技術であり、上記の畜肉練り製品特有の課題であるほぐれ感を付与するものではなかった。
本発明は、ほぐれ感などの食感が改善された畜肉練り製品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、水溶性食物繊維である糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を配合することで、硬さや弾力を大きく損なうことなく畜肉練り製品にほぐれ感を付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の1つは、水溶性食物繊維である糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を含有することを特徴とする畜肉練り製品を提供するものである。
本発明の畜肉練製品においては、前記糖加熱縮合物が、難消化性グルカン、ポリデキストロースおよび難消化性デキストリンから選ばれる1種または2種以上であることが好ましく、難消化性グルカンであることがより好ましい。
また、前記糖加熱縮合物を0.1~10質量%および前記油脂加工澱粉を1~15質量%含有することが好ましい。
本発明のもう1つは、原料として水溶性食物繊維である糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を添加することを特徴とする畜肉練り製品の製造方法を提供するものである。
本発明の畜肉練り製品の製造方法においては、前記糖加熱縮合物が、難消化性グルカン、ポリデキストロースおよび難消化性デキストリンから選ばれる1種または2種以上であることが好ましく、難消化性グルカンであることがより好ましい。
また、原料全体に対して、前記糖加熱縮合物を0.1~10質量%および前記油脂加工澱粉を1~15質量%の割合で添加することが好ましい。
本発明によれば、その硬さや弾力を大きく損なうことなく、肉らしいほぐれ感を有する畜肉練り製品を得ることができる。また、ほぐれ感の優れた畜肉練り製品を工業規模で製造することができる。更に、比較的安価な細挽き肉を原料とする場合において、あるいは澱粉等を多く配合する場合において、ほぐれ感の優れた畜肉練り製品を製造することができる。
本発明はまず、水溶性食物繊維である糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を含む畜肉練り製品に関するものである。糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を配合することにより、硬さや弾力を大きく損なうことなくほぐれ感に優れた畜肉練り製品とすることができる。本発明における「ほぐれ感」とは、歯で噛んだ際に均質な組織ではなく一部が不均質に崩れる食感であり、肉粒を感じられるような畜肉らしいテクスチャーである。例えば、手捏ねで製造した畜肉練り製品や粗挽き肉を用いた畜肉練り製品は、畜肉の筋組織が適度に残りほぐれ感を感じやすいが、本発明によれば、工業規模での生産に適したミキサーやサイレントカッターなどの機械で捏ねて製造される畜肉練製品においても、ほぐれ感を効果的に付与することができる。
後述の実施例に示されるように、糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を併用して配合することで、初めて本発明の上記効果が発揮される。糖加熱縮合物のみを配合した場合は、ある程度のほぐれ感は得られるが、硬さや弾力が不十分でありバランスが悪く好ましい食感とはならない。油脂加工澱粉のみを配合した場合は、硬さや弾力は十分に得られるがほぐれ感が十分に得られない。糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を併用して配合することで硬さや弾力が大きく損なわれることなく、顕著なほぐれ感を有する畜肉練り製品が得られる。本発明のメカニズムは、畜肉練り製品に配合された糖加熱縮合物が、加熱によるたん白質のゲル化を局所的に抑制してゲルを不均質化することに拠ると考えられる。不均質化されたたん白質ゲルは、ほぐれ感といった好ましいテクスチャーを得る代わりに、硬さや弾力といったゲル強度の低下を起こす傾向があるが、ここにたん白質ゲルとの結着性向上効果を持つ油脂加工澱粉を配合することにより、畜肉練り製品のゲル強度の低下を抑制し、結果として硬さや弾力がありながら、ほぐれ感やジューシー感にも優れる食感を付与できると考えられる。なお、上記考察はあくまでも推定されることであり、本発明のメカニズムは、上記考察に制限されるものではない。
本発明において、畜肉練り製品とは、挽き肉などの適当な大きさにカットした肉と、野菜・卵・香辛料・食塩などの他の原料とを、混合撹拌し成形した後、加熱処理することで得られる食品であり、例えば、ソーセージ、ハンバーグ、肉団子、チョップドハム、ナゲット、メンチカツ、ロールキャベツ、ミートローフ、テリーヌ、つくね、肉まん、餃子、シュウマイ、成形肉などが挙げられる。原料として用いる肉は、通常食品に用いることのできるものであれば特に制限はなく、例えば、豚、牛、羊、山羊、馬などの家畜や、鶏、うずら、アヒル、鴨、合鴨、ガチョウ、七面鳥などの家禽や、鹿、猪などの肉を用いることができる。また、肉以外の原料も特に制限はなく、例えば、野菜、卵、植物性タンパク、調味料、穀粉類、澱粉類、糖類、塩類、香辛料、着色料、保存料などを用いることができる。
本発明に用いる糖加熱縮合物とは、糖質を無触媒下または各種触媒存在下で加熱処理し、縮合反応させることで得られる糖の重合体をいい、二以上の重合度のものであればその構造や構成糖は特に限定されない。縮合反応により得られる糖加熱縮合物は、その糖残基の結合様式がランダムであるため、消化酵素による加水分解を受けにくく、食物繊維としての機能を有する。本発明に用いる糖加熱縮合物としては、例えば、塩酸存在下で澱粉を加水分解・縮合反応させて得られる「焙焼デキストリン」、前記焙焼デキストリンを酵素処理することで得られる「難消化性デキストリン」、グルコースおよびソルビトールをクエン酸存在下で加熱縮合させて得られる「ポリデキストロース」、DE70~100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られる「難消化性グルカン」などが挙げられる。これらのうち、その効果の点から、難消化性グルカンを用いるのが好ましい。難消化性グルカンとしては、例えば、「フィットファイバー#80」(商品名、固形分濃度72%のシラップ品、日本食品化工社製)や、「フィットファイバー#80P」(商品名、粉末品、日本食品化工社製)を用いることができる。
また、本発明に用いる糖加熱縮合物は、糖質の加熱縮合処理により得られたものそのものだけでなく、酵素分解処理、分画処理、還元(水素添加)処理などの各種処理を施したものも含む。
糖加熱縮合物を添加することにより、前述したように、畜肉練り製品に、ほぐれ感を付与することができる。
本発明に用いる糖加熱縮合物は、水溶性食物繊維を含有している。糖加熱縮合物の水溶性食物繊維含量に特に制限はないが、水溶性食物繊維含量30~100%のものを用いるのが好ましく、水溶性食物繊維含量50~100%のものを用いるのがより好ましい。なお、水溶性食物繊維含量は、例えば、平成28年11月17日消食表第706号(食品表示基準について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素-HPLC法)により測定することができる。
また、本発明の用いる油脂加工澱粉とは、澱粉に油脂を添加混合し、必要に応じて熟成することにより得られる澱粉であり、澱粉粒に油脂が付着・結合することで性質が改質されたものである。原料となる澱粉は、食品用に利用可能な澱粉であれば特に制限はないが、例えばコーンスターチ(トウモロコシ澱粉)、タピオカ、米澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、片栗澱粉、葛澱粉、蕨澱粉、サゴ澱粉、緑豆澱粉、オオウバユリ澱粉等が挙げられる。このなかでも特にタピオカ、コーンスターチ、米澱粉、馬鈴薯澱粉が安価で大量に入手しやすいので好ましい。また、いずれの澱粉においても通常の澱粉に加え、ウルチ種、ワキシー種、ハイアミロース種のように、育種学的手法もしくは遺伝子工学的手法において改良されたものを用いても良い。
さらに、本発明においては各種加工澱粉を油脂加工澱粉の原料として使用することも可能である。すなわち、原料澱粉に、酸化処理、エステル化処理、エーテル化処理、架橋処理といった化学修飾処理や、α化処理、造粒処理、湿熱処理、ボールミル処理、微粉砕処理、加熱処理、温水処理、漂白処理、殺菌処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理といった加工処理、あるいはそれらの2種以上の加工処理を施した澱粉を使用してもよい。油脂加工澱粉の原料としては、架橋処理が施された澱粉を用いるのがより好ましい。
油脂についても食用油脂であれば特に制限は無く、例えば、アマニ油、エゴマ油、シソ油、くるみ油、サフラワー油、ぶどう油、大豆油、ひまわり油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、なたね油、落花生油、オリーブ油、パーム油、やし油、牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、鯨油、魚油、またこれらの分別油、エステル交換油等の加工油脂等が挙げられる。好ましくはアマニ油、エゴマ油、シソ油、サフラワー油、大豆油が挙げられる。また、油脂そのものに替えて油脂を含む大豆粉などを用いることもできる。さらに、油脂に加え乳化剤を用いることもできる。
油脂加工澱粉は澱粉と油脂を混合したものをそのまま使用しても良いが、熟成処理を施したものを用いるのが好ましい。本発明において熟成処理とは、澱粉と油脂の混合物を30℃~150℃で一定時間保存することである。熟成処理は、例えば、反応機、エクストルーダー、ドライヤー、タンク、容器、包材等に入れた状態で、澱粉混合物を30℃~150℃で処理することによって実施できる。
油脂加工澱粉を用いることで、通常の澱粉とは明確に異なり、ぬめりや糊感を付与することなく、畜肉練り製品に硬い食感を付与することができる。そして、糖加熱縮合物を添加することによるほぐれ感の向上に伴う、硬さや弾力といったゲル強度の低下を抑制することができる。
畜肉練り製品における糖加熱縮合物および油脂加工澱粉の配合量は、特に制限はないが、その効果の点から、糖加熱縮合物の配合量を0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~5質量%とすることができ、油脂加工澱粉の配合量を1~15質量%、好ましくは1.5~12質量%、より好ましくは2.5~8.5質量%とすることができる。また、その効果の点から、糖加熱縮合物と油脂加工澱粉は、1:1.5~1:2.5の質量比で配合するのが好ましい。
本発明はまた、原料として、水溶性食物繊維である糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を添加する畜肉練り製品の製造方法に関するものである。
本発明の製造方法においては、糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を添加する以外は、特に制限はなく、上述したように、畜肉練り製品の製造において通常用いる原料を用いることができ、混練・成形・加熱などの各工程も通常用いる手法で行うことができる。糖加熱縮合物および油脂加工澱粉の添加時期は、特に限定されないが、原料を混合する段階で添加することが好ましい。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:食物繊維のスクリーニング(1)
表1に示した配合で下記のプロトコールに従い肉団子を作製した。すなわち、鶏胸肉、鶏骨肉分離肉、食塩、醤油、清酒、グルタミン酸ナトリウムをよく混合した後、1時間程度冷蔵庫にて保存した。これに粒状大豆タンパク、水、食物繊維素材・デキストリンまたは水飴、油脂加工澱粉、刻み生玉ねぎ、パン粉を添加して均一に混ぜ合わせた。20g/個となるよう成形した後、92℃設定で9分間蒸煮して肉団子を製造した。各原料は以下のものを使用した(他の実施例も同様)。
粒状大豆タンパク:ニューフジニック50(商品名、不二製油社製)
マルトース水飴:ハイマルトースシラップMC-55(商品名、日本食品化工社製)
難消化性グルカン:フィットファイバー#80(商品名、日本食品化工社製)
難消化性デキストリン:ファイバーソル2(商品名、松谷化学工業社製)
ポリデキストロース:ライテス(商品名、デュポン社製)
デキストリン:パインデックス#2(商品名、松谷化学工業社製)
カラギーナン:RPI730(商品名、ユニテックフーズ社製)
油脂加工澱粉:ミートウィズ(商品名、日本食品化工社製)
また、上記の難消化性グルカン、難消化性デキストリンおよびポリデキストロースの食物繊維含量(酵素-HPLC法)は、それぞれ75%、85%および75%である。
なお、糖加熱縮合物である難消化性グルカン、難消化性デキストリンおよびポリデキストロースは、食物繊維含量で3%となるように配合した。マルトース水飴、デキストリンおよびカラギーナンは、固形分3%となるように配合した。
Figure 0007019238000001
製造した肉団子の加熱前後の歩留まりを測定(加熱前後の重量差から算出、以下の実施例も同様)し、その後急速冷凍した後、レンジアップし、その食感を下記基準に基づき、8名のパネラーで官能評価し、全員の意見を議論の上統合して最終評点を決定した。その結果を表2に記載した。
硬さ:マルトース水飴を配合した基準区(試験区1-1)を3点とし、歯で噛んでゲルを変形させるのに必要な力の大きさの程度が大きいほど高評点として1~5点で5段階評価
弾力:マルトース水飴を配合した基準区(試験区1-1)を3点とし、歯で噛んで離した際に歪みが回復する程度が大きいほど高評点として1~5点で5段階評価
ほぐれ感:マルトース水飴を配合した基準区(試験区1-1)を3点とし、歯で噛んだ時にゲルが不均質に崩れる程度が大きいほど高評点として1~5点で5段階評価
Figure 0007019238000002
表2に記載されたとおり、糖加熱縮合物(難消化性グルカン、難消化性デキストリンおよびポリデキストロース)を配合した肉団子(試験区1-2~1-4)は、硬さや弾力を大きく損なうことなくほぐれ感が高い食感であった。特に、難消化性グルカンを配合した肉団子が好ましい食感を有していた。一方、水溶性食物繊維であるカラギーナンを配合した肉団子(試験区1-6)は、硬さと弾力は十分あるがほぐれ感はほとんどなく、肉らしいテクスチャーは感じられなかった。水飴を配合した肉団子(試験区1-1)は、崩れやすいがカマボコに似た食感であり、好ましいほぐれ感は得られなかった。また、デキストリンを配合した肉団子(試験区1-5)は、脆い崩れ感であって弾力が乏しかった。
実施例2:食物繊維のスクリーニング(2)
表3に示した配合で下記のプロトコールに従いソーセージを作製した。すなわち、豚もも肉、豚脂肪を冷蔵解凍後、φ8mmでチョッピングし、表3に「原料A」として記載した各原料を混合し、一日静置した。その後表3に「原料B」として記入した各原料を投入してフードカッターを用いて均一に混合し、脱気した後、コラーゲンケーシングに充填した。60℃で2時間(うち燻煙工程1時間相当を含む)乾燥した後、63℃で30分間蒸煮した。なお、植物性食物繊維は以下を使用した。
植物性食物繊維:ポテックスクラウン(王子コーンスターチ社製)
Figure 0007019238000003
冷却したソーセージを電子レンジ(570W)で30秒加熱した後、8名のパネラーで各ソーセージの硬さ、弾力、ほぐれ感およびジューシー感を以下の基準に沿って評価した。その結果(平均評点)を表4に示した。
硬さ:植物性食物繊維添加区(試験区2-1)を0点とし、歯で噛んでゲルを変形させるのに必要な力の大きさの程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
弾力:植物性食物繊維添加区(試験区2-1)を0点とし、歯で噛んで離した際に歪みが回復する程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
ほぐれ感:植物性食物繊維添加区(試験区2-1)を0点とし、歯で噛んだ時にゲルが不均質に崩れる程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
ジューシー感:無添加区(試験区2-1)を0点とし、肉汁の量が多いほど高評点として±3点で7段階評価
Figure 0007019238000004
植物性食物繊維(不溶性馬鈴薯繊維)および油脂加工澱粉を配合したソーセージ(試験区2-1)は、全体的に脆く崩れる食感であり肉粒のようなほぐれ感は感じられなかった。一方、難消化性グルカンおよび油脂加工澱粉を配合したソーセージ(試験区2-2)は、ジューシー感は劣るものの、硬さや弾力に優れ、局所的に崩れる肉粒のようなほぐれ感を有していた。
実施例3:食物繊維と油脂加工澱粉の組み合わせ
表5に示した配合で下記のプロトコールに従いハンバーグを作製した。すなわち、牛もも肉、豚もも肉、豚脂肪、食塩、砂糖、酵母エキス、グルタミン酸ナトリウム、ホワイトペッパーを均一に混合し、次に水、難消化性グルカン、油脂加工澱粉、粉末卵白、刻み生玉ねぎ、パン粉の順に混合して均一になるよう混合した。50g/個となるよう成形して、230℃のホットプレートで両面に焼き目を付けた後、92℃設定で12分間蒸煮してハンバーグを製造した。
Figure 0007019238000005
製造したハンバーグを急速凍結した後、レンジアップしその食感を下記基準に基づきを8名のパネラーで官能評価した。また、加熱歩留まりを測定した。その結果(平均評点)を表6に記載した。
硬さ:無添加区(試験区3-1)を0点とし、歯で噛んでゲルを変形させるのに必要な力の大きさの程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
弾力:無添加区(試験区3-1)を0点とし、歯で噛んで離した際に歪みが回復する程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
ほぐれ感:無添加区(試験区3-1)を0点とし、歯で噛んだ時にゲルが不均質に崩れる程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
ジューシー感:無添加区(試験区3-1)を0点とし、肉汁の量が多いほど高評点として±3点で7段階評価
Figure 0007019238000006
糖加熱縮合物である難消化性グルカンのみを配合したハンバーグ(試験区3-2)は、ほぐれ感はある程度高かったが、硬さおよび弾力は無添加の比較区(試験区3-1)と比べ劣るものであった。油脂加工澱粉のみを配合したハンバーグ(試験区3-3)は、硬さおよび弾力は比較区よりも向上していたが、ほぐれ感は劣るものであった。難消化性グルカンおよび油脂加工澱粉を配合したハンバーグ(試験区3-4)は、硬さ、弾力およびほぐれ感のいずれも優れたものであり、肉のテクスチャーを感じられる手作り食感のハンバーグであった。
実施例4:食物繊維と油脂加工澱粉の配合比の検討
難消化性グルカン(固形分換算)および油脂加工澱粉の添加量を表7の通りとし、合計が100部となるように水の添加量を調整した以外は実施例1と同様の手法で肉団子を製造した。
製造した肉団子の加熱前後の歩留まりを測定し、その後急速冷凍した後、レンジアップし、その食感を下記基準に基づきを8名のパネラーで官能評価した。その結果(平均評点)を表7に記載した。
硬さ:無添加区(試験区4-1)を0点とし、歯で噛んでゲルを変形させるのに必要な力の大きさの程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
弾力:無添加区(試験区4-1)を0点とし、歯で噛んで離した際に歪みが回復する程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
ほぐれ感:歯で噛んだ時にゲルが不均質に崩れる程度が大きいほど高評点として±3点で7段階評価
ジューシー感:無添加区(試験区4-1)を0点とし、肉汁の量が多いほど高評点として±3点で7段階評価
Figure 0007019238000007
糖加熱縮合物である難消化性グルカンのみを配合した肉団子は、ほぐれ感やジューシー感は僅かに向上するが、硬さや弾力に乏しく良好な食感ではなかった。油脂加工澱粉のみを配合した肉団子は、硬さや弾力は向上するがほぐれ感は十分に向上しないため良好な食感ではなかった。難消化性グルカンと油脂加工澱粉を併用した場合、硬さ、弾力およびほぐれ感のバランスの良い食感が得られた。特に、難消化性グルカンと油脂加工澱粉を3.6:4~0.7:4の質量比で配合することで本発明の効果が顕著に発揮されることがわかった。

Claims (6)

  1. 水溶性食物繊維である糖加熱縮合物を0.5~5.6質量%および油脂加工澱粉を1~8.5質量%含有し、前記糖加熱縮合物と前記油脂加工澱粉の質量比が5.6:6~0.7:4であることを特徴とする畜肉練り製品。
  2. 前記糖加熱縮合物が、難消化性グルカン、ポリデキストロースおよび難消化性デキストリンから選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の畜肉練り製品。
  3. 前記糖加熱縮合物が、難消化性グルカンである、請求項2記載の畜肉練り製品。
  4. 原料として水溶性食物繊維である糖加熱縮合物および油脂加工澱粉を、前記糖加熱縮合物の含有量が0.5~5.6質量%、前記油脂加工澱粉の含有量が1~8.5質量%、前記糖加熱縮合物と前記油脂加工澱粉の質量比が5.6:6~0.7:4となるように添加することを特徴とする畜肉練り製品の製造方法。
  5. 前記糖加熱縮合物が、難消化性グルカン、ポリデキストロースおよび難消化性デキストリンから選ばれる1種または2種以上である、請求項4記載の畜肉練り製品の製造方法。
  6. 前記糖加熱縮合物が、難消化性グルカンである、請求項4記載の畜肉練り製品の製造方法。
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