JP6497692B2 - メッシュプレートの孔明け製造方法およびメッシュプレートの孔明け製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、メッシュプレートの孔明け製造方法とその製造方法により作成されたメッシュプレートおよびメッシュプレートの孔明け製造装置に関するもので、より詳しくは極薄のメッシュプレートへ複数の微細な貫通孔を明けるための製造方法とその製造方法により形成された強度に優れたメッシュプレートおよびメッシュプレートの製造装置に関するものである。尚、本明細書では完成したメッシュ状のプレートをメッシュプレートと呼び、加工途中のプレートは孔加工が終わっていても(極薄)プレートと呼び、再生治療に用いるものをバリアメンブレンと称することとする。
近年、医学会における再生医療技術の発達は目覚しいものがある。即ち、メッシュプレートを作成しこれをバリアメンブレンとして使用し、顎骨の再生や眼窩底の再生、或いは歯科における再生治療などを行う研究が成されている。
その中で歯科における硬組織再生治療の一つとして、歯周病により破壊された歯周組織を再生することの出来る歯周病治療技術の開発が進んでいる。歯周病は歯を支える歯槽骨が破壊される疾病で、日本人の歯の喪失をもたらす最大の原因であって、5000万人以上と推定される患者がいると言われている。そして、歯周病により歯を喪失した2次疾患として認知症の引き金にもなっている。
このような歯周病の治療として、組織再生誘導法(「guided tissue regeneration法」以下「GTR法」と称す)と呼ばれる治療法があり、人工生体膜(以下「バリアメンブレン」と称す)という特殊の膜を設置して歯と歯肉との間にスペースを作り、歯槽骨や歯根膜を回復させる組織再生法である。このバリアメンブレンとは、10μmから50μm程度の薄い板材に数千〜数十万といわれる複数の微小な貫通孔が明けられたメッシュプレートである。以下に、歯周病及びバリアメンブレンについて説明する。
図13は歯周病を説明するための概略断面図である。(a)は歯周病に罹患した状態を表す断面図、(b)は歯周病が再生された状態を表す断面図である。歯周病とは細菌に犯された歯槽骨が次第に無くなって歯茎のところにスペースが出来てしまうことである。そこでGTR法として、バリアメンブレンを用いて再生のためのスペース即ち歯周ポッケットを作り、バリアメンブレンの上に歯肉を被せてできた歯周ポッケット内に歯槽骨を再生させる治療である。
上記の再生方法を図に基づき説明すると、図13(a)に示すように、歯131は歯槽骨132と歯肉133で保持され包み込まれている。歯周病になると歯131の周りの歯槽骨132の一部が失われてスペースができる。このスペースが大きくなると終には歯131が抜けてしまう結果となる。そこでスペースを、多くの微小孔の明いた極薄のメッシュプレートで出来たバリアメンブレン135で覆い包み込むことによって、歯周ポケット134を形成する。
この歯周ポケット134のバリアメンブレン135上を歯肉133で覆うことにより、歯肉133を介してバリアメンブレン135の微小孔から必要な栄養分や生理活性物質などを吸収すると共に不要の細胞をブロックする、所謂バリアメンブレン135にフィルターの役割を果たさせる。この結果、図13(b)に示すように、歯周ポケット134内に再生歯槽骨136が再生される。これは残存する骨組織から新生骨を誘導するスペースメイキングと呼ばれる手法である。
従来のバリアメンブレンは、ポリマー、主にはテフロン(登録商標)材を用いて多孔質の薄いプレートで形成されていた。しかし、材料がポリマーなので、使用している時に膨潤し厚さが400μm程度となるために扱いにくく、機械的強度が弱いので変形してしまいスペースの維持が出来なくて歯槽骨再生に難点があった。さらに、多孔質の為に細菌が巣喰い感染症を招くという欠点があり、バリアメンブレンとしての効果に多々課題を有し、普及が不充分であった。
そこで、近年は生体親和性が良く、強度を有し、極薄の板材とすることのできる「純チタン材」または「チタン合金材」をバリアメンブレンとして使用するための研究が進められている。しかし、材料をチタンにて加工をしたがチタン材が厚く、穴径やピッチも大きいと使用時に歯肉がチタンメッシュに癒着したという欠点があった。
チタン材は難加工材であるが、最近の技術進歩によりバリアメンブレンとして使用するための加工が可能となってきた。このチタン材をバリアメンブレンとして使用するためには、強度を必要としないところに用いる1枚板のメッシュプレートの場合は板厚をt=10〜50μm、好ましくはt=10〜30μm、微小孔の孔寸法をφ=15〜30μm、好ましくはφ=15〜20μmで、複数個(一般には数千〜数十万個といわれる)孔明けした極薄で微細な貫通孔を有するメッシュプレートとする必要がある。
この微細な貫通孔の孔明け加工技術としては、レーザーによる孔明け加工やプレスによる孔明け加工がある。このうちレーザー加工は熱加工なので、相手が純チタン材であると熱変性によって脆性化し物性が壊滅的に劣化すること、そして孔明け加工時に孔の周囲に蒸散した材料がバリ状に付着しそれが口腔内に落下することが問題である。また、孔を数千から数十万の数を明けるには加工時間が膨大にかかるという欠点も有している。
次に、プレスによる孔明け加工技術については、特許文献1に記載がある。特許文献1には、第6頁〜第7頁に、メッシュの多孔プレートとしてチタンのような金属、プラスチック、ポリマーを用いて再生医療用材料に使用する点が開示され、そのメッシュプレートは、孔径としてφ=1〜50μm、ピッチがp=3〜300μmで、板厚がt=2〜100μmのものをバリアメンブレンとして使用する点が記載されている。
また、特許文献1の第9頁〜第11頁及び図12〜図14にはチタン等の金属板材に孔 を明ける加工法として、1本のパンチPとダイスDを用いて被加工部材Wに孔を明けるのであるが、特許文献1の段落番号〔0046〕によれば、複数の貫通孔を明ける時は、保持テーブル105をテーブル103の上面に沿って移動させることで孔明けが出来る、と記載されている。言い換えれば被加工部材の移動によって1個ずつ孔を明ける技術が開示されている。
しかし特許文献1の構成では、レーザー加工同様に、1個ずつの孔明けなので数千個の孔を明けるにしても膨大な時間が掛かるという欠点を有している。一般にプレス機で複数の孔を明ける場合同時に複数個を孔抜きする技術は知られているが、装置が大きくなってしまう。そこで、出願人は圧力を掛けながらローラーを転がして孔明けする方法を検討した。特許文献2にはローラーを用いて金属板材に孔を明けてヘッド用フィルターを製造する構成が記載されている。
特許文献2について説明をする。数字は特許文献2の明細書の中に記載されている符号を用いている。パンチ63が形成されたパンチングローラ56と、テーブル58上に弾性マット57とを有し、弾性マット57上に被加工材である金属板材51を載置してパンチングローラ56に押圧力Pを加えた後パンチングローラ56を回転させると同時にテーブル58を移動させて、金属板材51に孔明け加工を行う構成が記載されている。尚、テーブル58の移動はパンチングローラ56の周速度と同じ速さに設定されている。
特開2011−142831号公報(第6頁〜第11頁、図12〜図14) 特開2009−160615号公報(第6頁〜第8頁、図2〜図4)
特許文献2の構成では、何といっても、ローラー側にパンチを形成しているので、パンチを形成する製造技術が非常に難しい。ということは、パンチのコストが高価になってしまい、ひいてはバリアメンブレンのコストが高くなってしまうこととなる。しかも、孔明けが始まった時、回転するパンチが孔の縁を押す形となるので、被加工材である板材がパンチに引き寄せられてパンチに余分の力が加わりパンチの破損の原因となってしまう等、種々の欠点を有している。
本発明は、上記事情に鑑み成されたもので、孔明け加工が容易で、孔明け時余分な力が加わらないのでパンチの破損率も非常に少なく、複数の微細な貫通孔を同時抜きすることによって安価なバリアメンブレンを提供でき、非常に簡単に孔明け加工ができるメッシュプレートの孔明け製造方法と、強度に優れたバリアメンブレン、および小型化され容易に孔明けが可能なメッシュプレートの孔明け製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のメッシュプレートの孔明け製造方法は、ローラーとパンチを用いて孔明け加工する方法にあって、平板金型に形成したパンチの上に被加工部材を載置する工程と、被加工部材とローラーとの間に前記パンチによる抜きカスが保持される裏打ちフィルムを配置する工程と、ローラーを回転させる工程と、ローラーと平板金型との間に相対的な圧力を加える工程と、ローラーの周速度と同じ速さでローラーまたは被加工部材を相対移動させる工程と、被加工部材の移動に応じて、被加工部材の移動方向に対し垂直方向のパンチの列ごとに順次にパンチの先端を裏打ちフィルム内に沈み込ませることによって被加工部材に複数の貫通孔を明ける工程と、裏打ちフィルムには貫通孔を明ける工程における被加工部材の抜きカスが沈んだ状態で被加工部材をパンチからリリースする工程と、メッシュプレートを完成させる工程と、を有することを特徴とする。
また、被加工部材の材質はチタンまたはチタン合金であることを特徴とする。
また、被加工部材は10μm以上50μm以下の板厚を有すると共に、被加工部材に孔寸法が15μm以上30μm以下、ピッチが30μm以上300μm以下の微細な貫通孔を明けることによりメッシュプレートを形成することを特徴とする。
また、メッシュプレートの完成工程には、被加工部材の孔明け加工後にカール状になった被加工部材を平板状に矯正する工程を含むことを特徴とする。
また、裏打ちフィルムは、パンチ上に被加工部材を載置する前に別工程にて被加工部材上に裏打ちフィルムを張り付けておくことを特徴とする。
また、被加工部材には、貫通孔の明いた薄板部と該薄板部を補強する補強フレームとが形成されていることを特徴とする。
また、本発明のメッシュプレートの孔明け製造方法は、ローラーとパンチを用いて孔明け加工する方法にあって、平板金型に形成したパンチの上に被加工部材を載置する工程と、被加工部材とローラーとの間に裏打ちフィルムを配置する工程と、ローラーを回転させる工程と、ローラーと平板金型との間に相対的な圧力を加える工程と、ローラーの周速度と同じ速さでローラーまたは被加工部材を相対移動させる工程と、パンチの先端を裏打ちフィルム内に沈み込ませることによって被加工部材に複数の貫通孔を明ける工程と被加工部材をパンチからリリースする工程と、メッシュプレートを完成させる工程と、を有するものであって、被加工部材と裏打ちフィルムとの間に金属板を積層し、パンチが金属板を貫通して裏打ちフィルムまで達するように孔明け加工を行った後、金属板を被加工部材からリリースすることを特徴とする。
また、金属板は被加工部材と同一の材料であり、被加工部材の材質はチタンまたはチタン合金であることを特徴とする。
また、被加工部材に微細な貫通孔が明けられるメッシュプレートは、メッシュプレートに貫通孔の明いた薄板部とこの薄板部を補強する補強フレームとが形成されていて、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の方法により形成されたことを特徴とする。
また、薄板部の厚さは10μm以上30μm以下、補強フレームの厚さは60μm以上150μm以下であることを特徴とする。
また、薄板部はエッチングにより形成されることにより、薄板部と補強フレームとは一体化されていることを特徴とする。
また、被加工部材に微細な貫通孔を明けたメッシュプレートの孔明け製造装置は、被加工部材を載置するためのパンチが形成された板状の平板金型と、この平板金型の滑りを防止するための敷台と、被加工部材の上方にあって回転駆動される円筒型のローラーと、ローラーと被加工部材間に配置され、前記パンチによる抜きカスが保持される裏打ちフィルムと、ローラーと平板金型の間に相対的な圧力を加えるための加圧器と、被加工部材をローラーの周速度と同じ速さで移動させる移動手段とを備え、ローラーの幅はパンチの幅より広く、移動手段による被加工部材の移動によって平板金型の一列のパンチの数の孔を同時に且つ列ごとに順次に抜かれて被加工部材に貫通孔が形成されることを特徴とする。
また、前記の敷台の材質は弾力性のあるゴム製部材であり、ローラーの材質はSUS材または硬質のプラスチックで、パンチの材質はハイスピード鋼または超硬合金で、裏打ちフィルムの材質は一面に粘着性を有するビニール系部材であることを特徴とする。
本発明の効果は、平板上に成形するパンチは小径のものでも又ピッチ間隔の小さいものでも研削加工などにより加工ができる。このため、貫通孔の孔明けもパンチを成形した平板金型を用いるので、平板金型の精度そのままでの孔明けが可能である。また、パンチは一定の圧力でローラーに押し付けられているので、ローラーとの相対的な圧力がかかる部位でのみ孔明け加工が成される。即ち、パンチとローラー間に圧力のかかる列が孔明けされるため、列ごとに順番に孔明けが行われることとなる。このように本発明ではパンチ全面で孔明けをするのではなく、列ごとに順々に孔明けが行われるので、加工圧力が小さくて済む。従って、パンチの破損もなく加工も容易であり、安価なバリアメンブレンを提供できるようになった。
本発明の第1実施の形態による孔明け加工の主な工程を示す側面断面図である。 被加工部材である極薄プレートに孔明けする時の孔明け製造装置の概略表面断面図である。 メッシュプレート作成工程を示すフローチャートである。 完成したメッシュプレートで、(a)は表面の平面図、(b)は(a)のA−A側面断面図を示す。 孔明け加工が終了した直後のカール状に変形したメッシュプレートの断面図を示す。 ローラーレベラーを説明するための概略断面図である。 本発明の第2実施の形態を説明するための概略断面図である。 本発明の第3実施の形態を示すメッシュプレートで、(a)は表面平面図、(b)は(a)のB−B側面断面図を示す。 第3実施の形態のメッシュプレートを作成するための主な工程を示す側面断面図である。 第3実施の形態のメッシュプレート作成工程を示すフローチャートである。 バリ防止板を用いて極薄プレートへのバリの発生を防ぐ方法の工程図の示す断面図である。 ローラーに裏打ちフィルムを巻き付けた状態を示す概略断面図である。 歯周病を説明するための概略断面図で、(a)は歯周病に罹患した状態を表す断面図、(b)は歯周病が再生された状態を表す断面図である。
本発明は、複数の微細な貫通孔の孔明け加工を、平板の金型に形成したパンチと回転するローラーにより加工するものであり、またそのメッシュプレートの構造に特徴を有するものである。更にはその孔明け製造装置の平板金型とローラーの配置構造を特徴とするものである。以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施の形態)
図1は本発明の第1実施の形態による孔明け加工の主な工程を示す側面断面図であり、図2は被加工部材(本実施の形態の中では「極薄プレートブランク」と称する)に孔明けする時の孔明け製造装置の概略表面断面図を示している。また、図3はメッシュプレートを製造する工程を示すフローチャートである。図4は完成したメッシュプレートを示す。
まず図2により孔明け製造装置について説明する。(a)は極薄プレートとローラーが離れた位置にある状態を示す概略断面図、(b)は極薄プレートとローラーの間に圧力が加わり始めた状態を示す概略断面図である。
(a)において、1は孔明け製造装置である。2は枠体であり基台3と上枠4と基台3と上枠4を結合する柱5より成り立っている。基台3上には押上台6が配設されている。この押上台6には加圧装置14が接続されていて、加圧装置14の駆動により押上台6は上昇したり下降したりできるように設計されている。
次に、押上台6の上には後述の平板金型をY軸方向(図2では紙面に直角方向)に移動するための移動台7がセットされている。この移動台7の上にゴム製のような弾力性のある敷台8が据えられており、この敷台8の上にパンチ9が形成された平板金型10が載置されている。敷台8は平板金型10の滑り止めの役割を果たしている。一方、上枠4にはローラー11が保持器12を介して取り付けられている。ローラー11にはモーター13が連結され、モーター13によりローラー11が回転可能となっている。
また、前述のパンチ9の上には被加工部材である極薄プレートのブランク15がセットされ、この極薄プレートブランク15にパンチ9で複数の貫通孔を明けることによりメッシュプレートを製造する。この孔明けの時、極薄プレートブランク15とローラー11との間に裏打ちフィルム16を配置する。この裏打ちフィルム16は、孔明け時のダイスの役割を果たすと共に、パンチ9側の面に粘着性を持たせることで抜きカスを付着させて回収する役割をも果たしている。
次に、図2(b)を用いて孔明け製造装置1の作用について説明する。図2(b)では上枠4、柱5、或はローラーの保持器12などは図示を省略している。まず、図2(a)のようにパンチ9の上に極薄プレートブランク15を、またその上に裏打ちフィルム16を配置する。この状態でモーター13によりローラー11を回転させる。そして、図2(b)のように、加圧装置14を駆動し押上台6を上昇させて、ローラー11に裏打ちフィルム16を接触させ、ローラー11と平板金型10との間に加圧力を与える。その後、平板金型10を移動台7によりローラー11の周速度と同じ速さで移動させることにより、極薄プレートブランク15にパンチ9による微細孔が複数形成される。
本実施の形態では、極薄プレートブランク15にはバリアメンブレンとして使用するために生体親和性が良く強度のあるTi(チタン)箔またはTi合金箔の材料を使用する。また、パンチ9の材質、即ち平板金型10の材質としてはハイスピード鋼か超硬合金を使用し、ローラー11の材質としてはSUS材又は硬質のプラスチック材を用いると良い。
ローラー径は50mmで、ローラー11の幅はほぼ平板金型10の幅と同じであれば良いが基本的にはパンチ9の一列の幅より多少広めであれば良い。図2に見るように、ローラー11の幅がパンチ9の一列の幅より広ければ、平板金型10の移動によって一列のパンチ9の数の孔を同時に且つ列ごとに順々に抜くことができる。
移動台7の動きについてはモーターなどを用いて移動させても良いが、本実施の形態では特に移動のための設備を必要とせず、ローラー11との間に加圧力が働いているので、ローラー11の回転によって自動的に移動台7が動くことを利用している。すなわち本願の孔明け製造装置1では移動台7を駆動するためのモーターを省略することができるため、これによっても小型化が可能である。また、裏打ちフィルム16にはビニールでできたテープ状のもので、パンチ9側の面には粘着性を持たせたものを使用すると良い。
次に、図1と図3を用いてメッシュプレートを作成する方法について工程を追って説明する。図1では主要構成のみ図示している。
図3のST1及び図1(a)において、パンチ9上にメッシュプレートのブランクであるTi箔(図1では「極薄プレートブランク15と表記)を載置し、ST2ではTi箔の上でローラー11との間に裏打ちフィルム16を配置する。次にST3のように、モーター13によりローラー11を回転させる。ST4において加圧装置14を駆動し押上台6を図1(a)の矢印21のように上昇させる。そして、ST5及び図1(b)に示すように、ローラー11を裏打ちフィルム16に接触させる。
ST6において、図1(b)の矢印21で示すように、更に加圧力を加えて平板金型10を上昇させ図1(c)のように孔明け開始状態とする。この時の加圧力は1000N(ニュートン)で加圧した。その後、ST7のように、移動台7を矢印22方向に作動させて平板金型10をローラー11の周速度と同じ速さで移動させる。但し、上記のように本実施の形態では、ローラー11と移動台7との間に加圧力が働いているのでローラー11の回転によって移動台7は自動的に移動するようになっている。この移動速度は0.1〜3m/minとなるように直径50mmのローラー11の回転数を決めた。
これによって、ST8および図1(d)に示すように、Ti箔にはパンチ9によって孔明け加工が開始される。孔明けは上述のように、図1の紙面に直角な方向に並ぶ列ごとに順々に複数個同時孔明けが成される。平板金型10はローラー11の回転により矢印22方向に送られ、パンチ9によるTi箔への孔明けが行われる。こうしてST9において、ローラー11がパンチ9の終端を過ぎることによってTi箔への孔明けが完了する。この状態を図1(e)に示す。図1(e)において、極薄プレートブランク15はパンチ9の中に沈み込み、パンチ9の先端は裏打ちフィルム16の中にまで入り込んで、貫通孔が形成されたTi箔即ち極薄プレート17が形成される。
その後ST10及び図1(f)のように、加圧装置14の駆動により押上台6を矢印23方向へ下降させ裏打ちフィルム16からローラー11を離す。この時、極薄プレート(Ti箔)17は裏打ちフィルム16をくっつけた状態でカール状に丸まってパンチ9上に残される。この状態でST11のように、裏打ちフィルム16を極薄プレート17からリリースする。
この時図1(f)に示すように、裏打ちフィルム16には極薄プレート17の抜きカス24が沈み込んで残る。極薄プレート17と同じ厚さの抜きカス24は、裏打ちフィルム16の弾力性のため、裏打ちフィルム16の下面にはみ出す形で残る。その後ST12のように、極薄プレート17を孔明け製造装置1から取り出すと、図5に示すようなカール状の状態となっている。
図5は、孔明け加工が終了した直後のカール状に変形した極薄プレート17の断面図を示している。このため、図3のST13に示すように、カール状に変形した極薄プレート15を矯正して平板状態とする工程が必要である。この矯正工程はローラーレベラーを用いて行われる。これを図6に示す。
図6はローラーレベラーを説明するための概略断面図である。例えば矯正ロール61を7個整列させたローラーレベラー60を用意する。そして入り口側62に配列したロール61は強い曲げを加えられるようにし、順次曲げ変形量を少なくするようにする。このようなローラーレベラー60の中に極薄プレート17を通すことにより、残留応力が減少し極薄プレート17のカール状の曲りが矯正される。そして、矯正された極薄プレート17を出口側63から取り出したことによって、ST14に示すようにメッシュプレートが完成する。
図4に完成したメッシュプレートを示す。(a)は表面平面図、(b)は(a)のA−A側面断面図を示す。メッシュプレート40は、1列に複数の孔41が複数行に亘って形成されている。1枚のプレートに明ける孔の数は使用目的によって異なるが、数千から数十万の値を有する。
ところで図4(b)に示すように、メッシュプレート40に明けられた孔41のパンチの出口側にはバリ42ができてしまう。本実施の形態では前述のカール状に変形した極薄プレート17をローラーレベラー60により矯正する時にこのバリ42を数μm程度に小さくできることが判った。この程度であればバリアメンブレンとして使用しても差し支えないレベルである。
次に今回実験したメッシュプレートの数値関係について説明する。メッシュプレート40の材質は純Ti材の箔を使用している。板厚はt=15μmのものを使用し、孔は一辺が20μmの四角形状のもの、すなわちφ=20μm□、ピッチはp=80μmのメッシュプレートを作成した。この時の加圧力は1000N、極薄プレートの送り速度は1m/minであった。
尚、バリアメンブレンとして使用できるメッシュプレート40は、板厚がt=10〜50μm好ましくはt=10〜30μmが良く、孔寸法はφ=15〜30μm□好ましくはφ=15〜20μm□、孔間ピッチがp=30〜300μm好ましくはp=50〜150μmのものであると良い。また、ローラー11の周速度(つまり、極薄プレート15の移動速度)は0.1〜3m/minが良く、速度が速いと孔が完全に明かない部分ができてしまい、速度が遅いと加工時間が長く掛かってしまう。加圧力については600〜1000Nの範囲なら良いが、加圧力が小さいと孔径が小さくなってしなうので、好ましくは800〜1000Nの値であると全面に亘ってきれいに貫通孔を形成することを実験により確認した。
次に、裏打ちフィルムについて説明する。裏打ちフィルム16はビニールでできたものが良いことは前述した。この裏打ちフィルム16についてもいろいろなもので実験をした結果、例えばサランラップ(登録商標)やアルミホイールでは孔を貫通させることが難しく、紙はTiが厚くなると貫通させることが難しい。ビニールのフィルムの場合は裏面に粘着剤があるものが良く、厚さが0.13mmのものが最も良いことが判った。
(第2実施の形態)
次に本発明の第2実施の形態について説明する。図7は、第2実施の形態を説明するための概略断面図で、主要構成のみ示している。第2実施の形態はメッシュプレートを作成するのに極薄プレートブランク15を帯材で形成し、孔明け加工を順送により連続的に行う方法である。
即ち、図2の孔明け製造装置に、図示しないが順送り金型にパンチ9を形成した平板金型10をセットし、プレート帯材71をこの順送り金型に配設する。そして、プレート帯材71を、中心73aを軸として回転するP送りリール73に巻付けておき、加工が終了したプレート帯材71を、中心74aを軸として回転するP巻取りリール74で巻き取るものである。図示はしないが、プレート帯材71には位置決め用のパイロット穴が形成されていて、ローラー11側にはパイロットピンを有している。
また、第2実施の形態では、裏打ちフィルム16も帯材で形成している。裏打ちフィルム16には、極薄プレートブランク15に孔明け後、その抜きカスが残ってしまう。そこで、裏打ちフィルム16も常に新しい状態にしておいた方がより有効である。このため、裏打ちフィルム16を帯材とし、プレート帯材71とその順送速度を同期させる。
即ち、フィルム帯材72を、中心75aを軸として回転するF送りリール75に巻付けておき、抜きカスが残ったフィルム帯材72を、中心76aを軸として回転するF巻取りリール76で巻き取るものである。図示はしないが、フィルム帯材72にも位置決め用のパイロット穴がプレート帯材71のパイロット穴と同じピッチで形成されており、ローラー11側のパイロットピンでプレート帯材71と同時に位置決めされるようになっている。
加工方法は、基本的には図1と同様であるが、その前にプレート帯材71をローラー11と平板金型10上のパンチ9との間に配置すると同時に、フィルム帯材72をローラー11とパンチ9上のプレート帯材71の間に配置する。次に、プレート帯材71とフィルム帯材72のパイロット穴(図示せず)にパイロットピンを位置決めする。そして、順送り金型を起動し、決められたピッチで、図1に示すような孔明け加工を行う。加工後のプレート帯材71とフィルム帯材72は各々P巻取りリール74とF巻取りリール76に巻き取られる。このようにすると、極薄プレート17の孔明け加工を連続的に行うことができる。尚、パイロットピンやパイロット穴は必ずしも必要としなくても良い。
第1実施の形態で形成した極薄プレート17はカール状になることを前述したが、第2実施の形態のような帯材加工においてもカール状になろうとする力が働くことは避けられない。そこで、孔明け加工の終わったプレート帯材71を、図6に示すローラーレベラー60により矯正加工を行う工程を設ける。ローラーレベラー60による加工は孔明け加工と連続で行うと良い。
即ち、図6の矯正ロール61の入り口側から極薄プレート17の代わりに孔明け加工の終わったプレート帯材71を通す。これによって、プレート帯材71の残留応力が減少しカール状の曲りが矯正される。そして、矯正されたプレート帯材71を出口側63から取り出す。その後、プレート帯材71より使用目的に応じた寸法の個々の極薄プレート17を切断し、メッシュプレート40として完成させる。
ここで、パンチの加工について説明する。パンチは前述のようにハイスピード鋼か超硬合金を使用し、材料に合った砥石を用いて研削加工により形成する。即ち、平板金型の一面を、砥石を用いて研削することで、パンチの個々の形状は上面が四角形形状で四角柱のパンチを必要なピッチ間隔を持たせて形成することができる。このパンチで孔抜きをすると四角形状の孔が形成される。このようなパンチの製法については既に知られた技術である。尚、パンチは上面がイゲタ形状のものであっても良い。
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態について説明する。
第3実施の形態は補強用のフレームが付いたメッシュプレートに関するものである。第1実施の形態においてはバリアメンブレンを1枚の板状のメッシュプレートで説明をした。この1枚板状のメッシュプレートは歯槽骨の再生のような場合は非常に有効であるが、インプラントとしての再生治療に用いる場合は強度の問題が出てくる。なぜならば、歯槽骨再生の領域が大きくなり、その際にスペースを維持するための強度が必要となるからである。
即ち、板厚が10μmから50μm程度のものでは、チタン材といえどもメッシュプレートの板厚が薄いため機械的強度は弱い。インプラント用のバリアメンブレンとして使用するときは効果を発揮することができない。そこで、本発明者等は強度のあるバリアメンブレンについて検討した。その結果、強度を得るために板厚全体を厚くすると孔明けが困難となるので、メッシュプレート上の必要な部分に補強部を形成する方法に思い至った。
以下に、補強用のフレームが付いたメッシュプレート(以下に「立体形メッシュ」と称する)と、その立体形メッシュの製造方法について説明する。
立体形メッシュを形成するための1つの方法としては、極薄のメッシュプレートを作成してその上に補強フレームを貼り付ける方法である。尚、立体形メッシュも貫通孔が明けられている部分はメッシュプレートの1種として扱うこととする。板状のメッシュプレート上に補強フレームを貼り付ける方法は、真空接合なり超音波接合にて対応することができる。この時のメッシュプレートの厚さは10μmから30μm程度のものを用い、補強フレームの板厚は60μmから150μm程度のものを用いるのが良い。メッシュプレートに補強フレームを貼り付けた立体形メッシュは機械的強度を有するのでバリアメンブレンとしての効果を発揮できる。
図8は第3実施の形態により完成した立体形メッシュの形状を示すものであり、(a)はその平面図、(b)は(a)のB−B側面断面図である。
図8において、立体形メッシュ80は、メッシュプレートとして機能する薄板部81と、薄板部81より厚さが厚くなっている補強部として機能する補強フレーム82より成る形状を有している。補強フレーム82は立体形メッシュ80の形状に対し碁盤目状を有する縦横4本づつの肉厚部で形成した。そして、薄板部81には貫通孔83が形成されており、補強フレーム82の部分にはその下面に有底孔84が形成されている。薄板部81に明けられた貫通孔83の上面には、図4と同様の、バリ85ができている。
立体形メッシュ80の場合バリ85は補強フレーム82の板厚より高さが低いところにあるので、バリ85を除去しなくてもバリアメンブレンとして使用した場合特に問題とはならない。尚、その他の補強フレームの形状としては十字形に左右から斜めに各1本のフレームを形成した形状なり、メッシュの折り曲げ方向に肉厚部を何本か形成する等の形状が考えられる。
本実施の形態では、薄板部81の厚さ寸法t1は20μmとし、補強フレーム82の厚さ寸法t2は100μmで形成した。従って、立体形メッシュ80の総板厚はt3=120μmである。孔径やピッチは図4と同じく、φ=20μm□、p=80μmの寸法とした。種々の寸法については図4とほぼ同様であるが、厚さのみ次の値が最適である。即ち、薄板部81の寸法t1は10μm以上30μm以下、補強フレーム82の寸法t2は60μm以上150μm以下である(従って、総厚t3=70〜180μm)。補強フレーム82の厚さ寸法は使用形態に適合した機械的強度が必要な事からこれらの寸法の範囲が最適である。
ところで、補強フレームを貼り付けた立体形メッシュは機械的強度には優れているが、補強フレームを貼り付けた時の密着の信頼性に欠けたり、メッシュ部に接着することから補強フレームの形状的な制約も出てくるという課題があった。そこで、補強フレームを一体化した立体形メッシュについて検討した。即ち、メッシュプレートの板厚に60μmから150μm程度厚くしたプレートブランクをエッチングして補強フレームを残し、薄板部にのみ貫通孔を明けて立体形メッシュとする方法である。
板材をエッチングして補強フレーム82を一体化して立体形メッシュ80とすると、補強フレーム82は形状的制約が無くなるので形状の自由度が増すと共に、補強フレーム82が立体形メッシュ80から剥離することは無く、密着性に関する問題は全く無くなる。勿論強度も十分な立体メッシュが得られる。図8は補強フレームをメッシュプレートに一体化した形状の立体形メッシュ80を示している。
以下に補強フレーム82を一体化した立体形メッシュ80についてその製造方法を説明する。図9と図10は図8に示す立体形メッシュ80の製造方法の説明図である。図9は第3実施の形態による孔明け加工の主な工程を示す側面断面図であり、図10は立体形メッシュを製造する工程を示すフローチャートである。図2に示す孔明け製造装置1を参照して孔明け加工について説明する。
ST101は、厚さ120μmのチタン(Ti)で出来た板材のプレートブランクにエッチングを施す工程である。板材にチタン(Ti)を使用する場合のエッチング方法は、フッ酸等を使用する一般的な条件で行うことができる。ST102は、薄板部92の厚さt1=20μmと補強フレーム93の厚さt2=100μmを有するプレートブランク91を準備する工程である。一方で、ST103は、下面に粘着剤が付いたビニール製の裏打ちフィルム94を準備する工程である。そしてST104は、プレートブランク91のエッチングされた方の面、即ち補強フレーム93上に裏打ちフィルム94を貼り付ける工程である。この貼り付けた状態を図9の(a)に示す。
ST105は、図9(b)に示すように、裏打ちフィルム94を貼り付けたプレートブランク91を平板金型10に形成したパンチ9上に載置する。この時、裏打ちフィルム94の上方にローラー11が配置されるようにする。ここでST106のようにモーター13によりローラー11を回転させ、ST107のように加圧装置14を駆動し押上台6を図(b)の矢印97のように上昇させる。すると、ST108のように、ローラー11と平板金型10間に加圧力が付与される。この時の加圧力は1000Nとする。
するとST109に示すように、この加圧力によりローラー11の回転に同期して平板金型10が矢印98の方向に移動する。これによってプレートブランク91に矢印98方向に送り量が与えられてパンチの列ごとの孔明けが開始する。この状態を図示したのが図9(c)である。パンチの列は紙面の垂直方向とする。ST110及び図9(d)に示すように、孔明け加工が進み、ローラー11がパンチ9の最後端へ移動するまで孔明け加工が実施される。ST111において、プレートブランク91に孔明け加工が完了することによって、プレート95(図9(d)参照)が作成される。
その後加圧装置14を駆動し押上台6を下降させ、ST112のように、パンチ9上より裏打ちフィルム94が張り付いたプレート95を外す。そしてST113のように、プレート95より裏打ちフィルム94をリリースする。このST112とST113の状態を図9(e)に示す。プレート95の薄板部92には貫通孔92aが明けられ、補強フレーム93の部分には有底孔93aが明けられている。また、裏打ちフィルム94にはプレート95の薄板部92の貫通孔92aに該当する部分に、図1(f)と同様の抜きカス96が残る。
取り出したプレート95は、第1実施の形態で述べたように、カール状に丸まっている。そこでST114のように、図6に示すローラーレベラー60に通してこのカール状を矯正する工程を経ることで板状のプレート95となり、ST115のように図8に示す立体形メッシュ80が完成する。
尚、第3実施の形態で説明した、予めプレートブランクに裏打ちフィルムを貼り付けてからパンチ上に載置する方法は、第1実施の形態や第2実施の形態にも採用できるものである。また、第1実施の形態の加工条件等は第3実施の形態にも利用可能である。
(バリ発生防止方法)
次に、第1実施の形態の加工中に発生するバリについて説明する。メッシュプレートのバリはバリアメンブレンとして使用する時に問題となる。そこで、メッシュプレートにバリを発生させない方法を検討した。図11は、第1実施の形態に相当する方法で、バリ防止板を用いて極薄プレート17へのバリの発生を防ぐ方法の工程図を示す断面図である。
図11(a)において、平板金型10に形成したパンチ9上に極薄プレートブランク15を載せ、その上にバリ防止板111を積層する。そしてその上に裏打ちフィルム16を載置する。このバリ防止板111の材質としては例えば銅のような金属板であれば良い。次に図11(b)のように、図示しないがローラーで孔明け加工を行うのであるが、この時パンチ9は極薄プレートブランク15と共にバリ防止板111を突き通して裏打ちフィルム16に達するように加工を行う。
このようにすることで、図11(c)に示すように、極薄プレート17の上面にはバリは発生せず、バリ防止板111の上面にのみバリ112が発生することとなる。これは2枚の金属が密着しているので1枚の板として作用し、極薄プレート17の上面にはバリが発生しないのである。このような加工を行うことによりメッシュプレートへのバリの発生を防止することができた。裏打ちフィルム16には、極薄プレート17とバリ防止板111の2枚の板材の厚さの抜きカス113が残る。
バリ防止板111の考えをさらに発展させて、バリ防止板111の材質を極薄プレート17の材質と同じにして、同じ極薄プレート17を作成する方法も考えられる。即ち、極薄プレート17にチタン(Ti)を用いた場合、バリ防止板111の位置にもう1枚チタン(Ti)の極薄プレート17を積層させる。そうして図11(b)のように孔明け加工を行うと、バリ112の無い極薄プレート17と共に、バリ防止板111の位置にバリ112が発生しているがもう1枚の極薄プレート17を形成することができる。このような加工を行うことにより、バリを容認することのできる部品に適用が可能な極薄プレート17を生産でき、生産を向上させるという効果を上げることができる。
以上、本発明を各実施の形態により説明してきたが、これに限定されるものではなく、請求の範囲内での変更は種々あり得る。例えば本実施の形態では、平板金型側に押上台を用いて加圧装置によりローラーに加圧力を加えたが、ローラー側を上下させて加圧力を加えても良い。要は、パンチを有する平板金型とローラーとの間に相対的な加圧力が働くように設定すれば目的は達成される。
更に上記の実施の形態では、被加工部材に裏打ちフィルムを載置したり、或は貼り付けたりする方法で孔明け加工を説明したが、例えば図12のように、粘着剤付テープを裏打ちフィルム121としてローラー11の円筒面に貼り付けて使用しても良い。
図12はローラーに裏打ちフィルムを巻き付けた状態を示す概略断面図である。裏打ちフィルム121を巻き付けたローラー11とパンチ9を形成した平板金型10間に加圧力を加え極薄プレートブランク15に孔明け加工を施す。この時、裏打ちフィルム121に抜きカスが付着する。そこで、本発明では、加工位置と異なるところに抜きカスを除去するための剥離吸着装置122を設けるようにしている。この方法によると裏打ちフィルムを何回でも使用でき、更なる加工の容易化に効果を発揮できる。
本発明は歯周病の再生治療に用いるバリアメンブレンとして、またインプラントの治療用として使用できることを説明したが、その他、顎骨の再建や眼窩底の再建、頭蓋骨陥没治療としての再生治療用など、種々の再生治療のバリアメンブレンとして使用することが可能であり、再生治療において大きな効果を発揮するものである。更に医療用途に限らず工業用用途としてフィルターなり、電池の集電板として使用する等、幅広い用途が考えられる。
1 孔明け製造装置
2 枠体
3 基台
4 上枠
5 柱
6 押上台
7 移動台
8 敷台
9 パンチ
10 平板金型
11 ローラー
13 モーター
14 加圧装置
15 極薄プレートブランク
16、94 裏打ちフィルム
17 極薄プレート
40 メッシュプレート
41 孔
42、85、112 バリ
60 ローラーレベラー
61 矯正ロール
71 プレート帯材
72 フィルム帯材
73 P送りリール
74 P巻き取りリール
75 F送りリール
76 F巻き取りリール
73a、74a、75a、76a 中心
80 立体形メッシュ
81、92 薄板部
82、93 補強フレーム
83、92a 貫通孔
84、93a 有底孔
91 プレートブランク
95 プレート
111 バリ防止板
122 剥離吸着装置
131 歯
132 歯槽骨
133 歯肉
134 歯周ポケット
135 バリアメンブレン
136 再生歯槽骨
t、t1、t2、t3 板厚
p ピッチ
φ 孔寸法

Claims (13)

  1. ローラーとパンチを用いて再生治療法などに使用するメッシュプレートに孔明けする孔
    明け製造方法において、
    平板金型に形成した前記パンチの上に被加工部材を載置する工程と、
    前記被加工部材と前記ローラーとの間に、前記パンチによる抜きカスが保持される裏打ちフィルムを配置する工程と、
    前記ローラーを回転させる工程と、
    前記ローラーと前記平板金型との間に相対的な圧力を加える工程と、
    前記ローラーの周速度と同じ速さで前記ローラーまたは前記被加工部材を相対移動させ
    る工程と、
    前記ローラーの幅は前記パンチの一列の幅より広くなっており、前記被加工部材の移動に応じて、前記パンチの一列の数の孔を同時に且つ列ごとに順次に前記パンチの先端を前記裏打ちフィルム内に沈み込ませることによって前記被加工部材に複数の貫通孔を明ける工程と、
    前記裏打ちフィルムには前記貫通孔を明ける工程における前記被加工部材の抜きカスが沈んだ状態で前記被加工部材を前記パンチからリリースする工程と、
    前記メッシュプレートを完成させる工程と、
    を有することを特徴とするメッシュプレートの孔明け製造方法。
  2. ローラーとパンチを用いて再生治療法などに使用するメッシュプレートに孔明けする孔
    明け製造方法において、
    平板金型に形成した前記パンチの上に被加工部材を載置する工程と、
    前記被加工部材と前記ローラーとの間に裏打ちフィルムを配置する工程と、
    前記ローラーを回転させる工程と、
    前記ローラーと前記平板金型との間に相対的な圧力を加える工程と、
    前記ローラーの周速度と同じ速さで前記ローラーまたは前記被加工部材を相対移動させる工程と、
    前記パンチの先端を前記裏打ちフィルム内に沈み込ませることによって前記被加工部材に複数の貫通孔を明ける工程と、
    前記被加工部材を前記パンチからリリースする工程と、
    前記メッシュプレートを完成させる工程と、
    を有するものであって、
    前記被加工部材と前記裏打ちフィルムとの間に金属板を積層し、前記パンチが前記金属板を貫通して前記裏打ちフィルムまで達するように孔明け加工を行った後、前記金属板を前記被加工部材からリリースすることを特徴とするメッシュプレートの孔明け製造方法。
  3. 前記被加工部材の材質はチタンまたはチタン合金であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  4. 前記被加工部材は10μm以上50μm以下の板厚を有すると共に、前記被加工部材に孔寸法が15μm以上30μm以下、ピッチが30μm以上300μm以下の微細な貫通孔を明けることにより前記メッシュプレートを形成することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  5. 前記メッシュプレートの完成工程には、前記被加工部材の孔明け加工後にカール状になった前記被加工部材を平板状に矯正する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  6. 前記裏打ちフィルムは、前記パンチ上に前記被加工部材を載置する前に別工程にて前記被加工部材上に前記裏打ちフィルムを張り付けておくことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  7. 前記裏打ちフィルムは、前記ローラーに巻き付けられていることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  8. 前記被加工部材には、貫通孔の明いた薄板部と該薄板部を補強する補強フレームとが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  9. 前記金属板は前記被加工部材と同一の材料であり、前記被加工部材の材質はチタンまたはチタン合金であることを特徴とする請求項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  10. 前記薄板部の厚さは10μm以上30μm以下、前記補強フレームの厚さは60μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法
  11. 前記薄板部はエッチングにより形成されることにより、前記薄板部と前記補強フレームとは一体化されていることを特徴とする請求項8又は請求項10に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法
  12. 被加工部材に微細な貫通孔を明けたメッシュプレートの孔明け製造装置において、
    前記被加工部材を載置するためのパンチが形成された板状の平板金型と、
    前記平板金型の滑りを防止するための敷台と、
    前記被加工部材の上方にあって回転駆動される円筒型のローラーと、
    前記ローラーと前記被加工部材間に配置され、前記パンチによる抜きカスが保持される裏打ちフィルムと、
    前記ローラーと前記平板金型の間に相対的な圧力を加えるための加圧器と、
    前記被加工部材を前記ローラーの周速度と同じ速さで移動させる移動手段と
    を備え、
    前記ローラーの幅は前記パンチの一列の幅より広くなっており、前記移動手段による前記被加工部材の移動によって前記平板金型の前記パンチの一列の数の孔を同時に且つ列ごとに順次に抜かれて前記被加工部材に前記貫通孔が形成されることを特徴とするメッシュプレートの孔明け製造装置。
  13. 前記敷台の材質は弾力性のあるゴム製部材であり、前記ローラーの材質はSUS材または硬質のプラスチックで、前記パンチの材質はハイスピード鋼または超硬合金で、前記裏打ちフィルムの材質は一面に粘着性を有するビニール系部材であることを特徴とする請求項12に記載のメッシュプレートの孔明け製造装置。
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