JP5707555B2 - 金属箔の穿孔装置及び金属箔の穿孔方法 - Google Patents

金属箔の穿孔装置及び金属箔の穿孔方法 Download PDF

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Description

本発明は、銅箔、アルミニウム箔及びステンレス箔などの金属箔の穿孔装置、金属箔の穿孔方法、非水系二次電池並びに防音構造材に関するものである。
リチウムイオン電池などの非水系二次電池の負極板や正極板の集電体には、一般的には10μm〜100μm程度の厚みの銅箔(または、銅合金箔。以下、単に銅箔と呼ぶ。)やアルミニウム箔(または、アルミニウム合金箔。以下、単にアルミニウム箔と呼ぶ。)及びステンレス箔などの薄板状をした金属箔が使用されている。
従来より、銅箔の表面には負極活物質が塗着されて負極板が作製され、アルミニウム箔の表面には正極活物質が塗着されて正極板が作製され、それぞれがセパレータを介して積層されたりまたは巻回されたりして、パッケージ内に収納された後に非水系電解液が注液されてリチウムイオン電池などの非水系二次電池が製造されている。
そして、これらの金属箔に、直径が数10μm〜数mm程度の多数の微小孔を穿孔することによって、負極活物質や正極活物質と金属箔との密着性が向上して剥離や脱落が起こりにくくなり、その結果、高率放電特性に優れるともに、長寿命なリチウムイオン電池などの非水系二次電池を提供することができる。
これらの銅箔やアルミニウム箔に、エッチングによって化学的に多数の微小孔を穿孔する技術が特許文献1に開示されている。この技術を用いると、直径が0.1mm〜3mm程度の径の多数の略円形状をした微小孔を有する金属箔を提供することができる。
また、多数の打抜き孔を有する円環状をした金型の上面に、銅箔やアルミニウム箔などの金属箔を載置した状態とし、それらの両面を一対の弾性体で挟み込む。そして、弾性体の部分を外側から一対の平ロールで加圧し、金属箔を金型の上面に押しつけることによって、機械的に微小孔を穿孔する技術が特許文献2に開示されている。この技術を用いると、直径が3mm程度の多数の孔を有する金属箔を提供することができる。
加えて、平ロールに弾性体のベルトを載せ、その上方に銅箔やアルミニウム箔などの金属箔を載せた状態とし、金属箔の上方から多数の凸部を有するエンボスロールを用いて加圧して、この凸部によって機械的に微小孔を穿孔する技術が特許文献3に開示されている。この技術を用いると、直径が数10μm〜500μm程度の多数の微小孔を有する金属箔を提供することができる。
なお、多数の凸部を有するエンボスロールと、凹部が設けられているロールの間でアルミニウム合金箔を挟み込んだ状態で加圧することによって、機械的に直径が200μm(0.2mm)程度の多数の微小孔を有する薄板を提供する技術も特許文献4に開示されている。そして、直径が200μm程度の多数の孔を穿孔した金属箔を用いると、エンジン音などの騒音のエネルギーを有効に熱に変換することができるので、騒音遮蔽用の防音用材料や吸音用材料(以下、単に防音構造材と呼ぶ。)として利用をすることができる。
特開平11−67217号公報 特開2001−9793号公報 特開2002−216775号公報 特開2006−116671号公報
しかしながら、上述したエッチングによって化学的に金属箔に多数の微小孔を穿孔する特許文献1に記載の技術は、製造コストがかかるという問題点やエッチング作業に必要な廃液の処理が煩わしいという環境保護上の問題点がある。
特許文献2に記載の技術は、大掛かりな円環状をした金型が必要になるので設備コストがかかるという問題点がある。加えて、穿孔された抜き屑の完全な回収が難しいことや、数100μm程度の径を有する微小孔を穿孔するのは金型強度の面からも技術的に困難であるものと予想される。
特許文献3に記載の技術を用いると、直径が数10μm〜500μm程度の多数の微小孔を有する金属箔を提供することができる。しかしながら、穿孔により発生する抜き屑の完全な回収が難しいという問題点がある。すなわち、抜き屑の一部が穿孔後の金属箔に付着したりすると、その抜き屑の部分がセパレータを突き破り、リチウムイオン電池などの非水系二次電池のショートの原因になるという問題点がある。
特許文献4に記載の技術は、単に圧着によって孔を開けるという技術であって、穿孔時のバリが孔の部分にそのまま残存しているものである。したがって、特許文献3に記載の技術と同様に、そのバリの部分がセパレータを突き破り、リチウムイオン電池などの非水系二次電池のショートの原因になるという問題点がある。
本発明は、コンパクトで安価な製造設備を利用することができるとともに、穿孔時のバリがほとんど認められず、穿孔後の抜き屑を容易に回収することができる金属箔の穿孔装置、金属箔の穿孔方法を提供することを目的としている。なお、穿孔時に発生する抜き屑を完全に回収することによって、非水系二次電池のショートの原因を防止するとともに、回収した金属の有効な再利用をすることができる。
本発明は、上記した問題点の解決を目的としている。
請求項1に記載した発明は、
金属箔とペーパーとを積層した積層物を、穿孔用ロールと複数の加圧ロールとの間に挟み込み、加圧し、穿孔して前記金属箔に多数の微小孔を形成する金属箔の穿孔装置であって、
前記穿孔用ロールの表面には、角錐台の形状をした多数の凸部を有しており、
該凸部の上面は、多角形状をしており、
前記複数の加圧ロールは、前記穿孔用ロールの周囲を取り囲むように存在しており、
前記加圧ロールの少なくとも1個は、一対の補助ロールによって形成される谷間の部分に設置されており、
前記一対の補助ロールは、
複数個の回転可能なベアリングで構成され、互い違いに一対の回転軸に係止されており、
前記ペーパーは、前記加圧ロールと前記金属箔に当接されており、
前記金属箔は、
前記ペーパーと前記穿孔用ロールの前記凸部に当接し、
該凸部の上面と、前記ペーパーを介する前記複数の加圧ロールからの加圧力を受け、穿孔されて、多数の微小孔が形成されることを特徴としている。
請求項1に記載の発明を用いると、コンパクトで安価な製造設備を利用することができるとともに、穿孔時のバリがほとんど認められない穿孔後金属箔を得ることができる。また、ペーパーによって、穿孔時に発生する抜き屑をその表面に密着させた状態で完全に回収することができるので、資源保護の面や作業環境の面からも好ましいものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した発明において、
前記穿孔用ロールの表面の前記凸部は、四角錐台の形状をしており、
前記凸部の上面は、菱形であることを特徴としている。
請求項2に記載の発明を用いると、穿孔用ロールの凸部を単純な形状をした四角錐台にすることができるので、左右からの切削加工も容易にできる。さらに、四角錐台の上面を菱形に形成すると、微小孔の穿孔が容易であり、バリの少ない穿孔後金属箔を製造できる。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記複数の加圧ロールは、いずれも前記穿孔用ロールよりも直径が小さいものであことを特徴としている。
請求項3に記載の発明を用いると、加圧ロールの曲率半径を小さくすることができ、その結果、加圧時の線圧を高くすることができる。したがって、小型・コンパクトで安価な製造設備を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載した発明において、
前記回転軸は、その両端が縦枠体に固定されており、
その内側が少なくとも1個の固定プレートを介して横枠体に固定されている
ことを特徴としている。
請求項4に記載の発明を用いることによって、回転軸を固定プレートを介して横枠体にも固定できるので撓みにくくでき、幅が300mmを超えるような幅広の金属箔31に対しても十分な状態で穿孔することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載した発明において、
前記ペーパーは、紙を基材とするシート状をしたものであり、
少なくとも一方の面には表面処理がされており、
該表面処理がされている面が、前記金属箔に対向するように当接されて積層されており、
前記微小孔の形成によって生じた抜き屑は、
前記表面処理がされている面に密着され、そのまま保持される
ことを特徴としている。
このような表面処理がされているペーパーを用いると、穿孔によって生じた抜き屑が表面処理されている面に密着され、そのまま保持された状態で巻取ることができるので、ほぼ完全に抜き屑を回収できる。加えて、抜き屑が粉塵として舞い上がらないので作業環境を汚すようなこともない。さらに加えて、紙を基材とするペーパーを用いることによって、安価であり、リサイクル品を用いることもできるので環境にもやさしいという特徴がある。
請求項6に記載の発明は、
金属箔とペーパーとを積層した積層物を、穿孔用ロールと複数の加圧ロールとの間に挟み込み、加圧し、穿孔して前記金属箔に多数の微小孔を形成する金属箔の穿孔方法であって、
前記穿孔用ロールの表面には、角錐台の形状をした多数の凸部を有しており、
該凸部の上面は、多角形状をしており、
前記複数の加圧ロールは、前記穿孔用ロールの周囲を取り囲むように存在しており、
前記加圧ロールの少なくとも1個は、一対の補助ロールによって形成される谷間の部分に設置されており、
前記一対の補助ロールは、
複数個の回転可能なベアリングで構成され、互い違いに一対の回転軸に係止されており、
前記ペーパーは、前記加圧ロールと前記金属箔に当接されており、
前記金属箔は、
前記ペーパーと前記穿孔用ロールの前記凸部に当接し、
該凸部の上面と、前記ペーパーを介する前記複数の加圧ロールからの加圧力を受け、穿孔されて、多数の微小孔が形成されることを特徴としている。
請求項6に記載の発明を用いると、安価な製造方法を提供することができるとともに、穿孔時のバリがほとんど認められない穿孔後金属箔を得ることができる。また、ペーパーによって、穿孔時に発生する抜き屑を完全に回収することができるので資源保護の面や作業環境の面からも好ましいものである。
本発明を用いると、コンパクトで安価な製造設備を利用することができるとともに、穿孔時のバリがほとんど認められず、穿孔後の抜き屑を容易に回収することが可能な金属箔の穿孔装置、金属箔の穿孔方法を提供することができる。また、穿孔時に発生する抜き屑を完全に回収することができるので、資源保護の面や作業環境の面からも好ましいものである。
また、本発明を用いて製造した0.1mm〜1mm程度の径を有する多数の微小孔を有する金属箔を用いることによって、長寿命であり、放電容量が高く、ショートが起こりにくいリチウムイオン電池などの非水系二次電池や、エンジン音などの騒音を遮蔽するための騒音遮蔽用の防音構造材を提供することができる。
金属箔の穿孔装置の概略図である。 穿孔用ロールの製造工程及び凸部の説明図である。
a)穿孔用ロールの製造工程の概略図である。
b)上面が菱形形状をした凸部25の斜視図である。
c)菱形形状をした凸部25の上面25aの図である。
d)正方形状をした凸部25の上面25aの図である。
e)正方形状をした他の凸部25の上面25aの図である。
加圧ロール5c、d及び補助ロール7d,e,fの概略構造図である。 穿孔用ロールの表面の凸部の上面のパターン図である。 本発明を用いて穿孔した銅箔の拡大図である。 実施例2の金属箔の穿孔装置の要部概略図である。 抜き屑を除去する製造工程の概略図である。 固定プレートを追加した補助ロール7d,e,fの概略図である。 実施例1の運転状態である。 実施例3の金属箔の穿孔装置の要部概略図である。
以下において、図1〜図9を用いて、本発明に係わる金属箔の穿孔装置1及び金属箔の穿孔方法について詳細に説明する。
1.金属箔の穿孔装置の概略構造
図1は、本発明に係わる金属箔の穿孔装置1の概略図である。この金属箔の穿孔装置1は、銅箔、アルミニウム箔及びステンレス箔などの数μm(例えば、8μm)〜100μm程度の厚みを有する金属箔31を穿孔して、多数の微小孔を有する穿孔後金属箔33を製造するための装置の概略図である。
この金属箔の穿孔装置1は、シリンダの表面部分に多数の角錐台形状(側面が台形状をしており上面が多角形状のもの。例えば、上面が略菱形状や略正方形状のもの。)をした凸部25(図2(b))と、谷状をした溝部23とが形成されている穿孔用ロール3と、穿孔用ロール3の周囲を取り囲むように存在しており、穿孔用ロール3よりも小径の複数の円柱状をした加圧ロール5a〜5f、9a,bを用いて金属箔31を加圧し、穿孔して、多数の微小孔を有する穿孔金属箔35を得る装置である(図1、図2)。
この金属箔の穿孔装置1は、穿孔用ロール3のみが図示されていない駆動力、例えば、モータによって回転駆動されるものであり、その他の4個の小径の加圧ロール5a〜dや、2個の中径の加圧ロール9a,b、及び6個の補助ロール7a〜fなどは、加圧時の従動によってそれぞれ回転するものである。したがって、穿孔用ロール3のみが駆動力を必要とされ、その他の加圧ロール等は従動する構造の装置なので回転制御も容易であり、その結果、金属箔の穿孔装置1の設備コストを低減することができる。
金属箔ロール13に巻回されている銅箔、アルミニウム箔及びステンレス箔などの長尺の金属箔31は、ローラ21b及び補助ロール7aを介して穿孔用ロール3の表面部分に当接するように導かれる(図1)。
一方、ペーパーロール17に巻回されている長尺のペーパー35は、ローラ21a及び補助ロール7aを介して、加圧ロール5aの表面部分に当接するように導かれる。このペーパー35は、例えば、紙を基材とするシート状をした長尺のものであり、少なくとも金属箔31と当接する一方の面には表面処理、例えばポチエチレン樹脂の薄膜で覆われている。そして、後述する実施例1では、滑りやすくするために、さらにその表面にシリコーン処理がされているものを用いた。
このペーパー35としては、ペーパー状(薄板状、シート状)をした樹脂製品を用いることも可能である。なお、本願ではシート状(薄板状)をしている金属箔31との明確な区別ができるように、ペーパー35という用語を用いることにした。
このような表面処理がされているペーパー35を用いると、加工時にセルロース繊維が飛び散りにくくできるとともに、穿孔によって生じた抜き屑39が表面処理されている面に密着され、そのまま保持された状態で巻取ることができるので、ほぼ完全に金属片(抜き屑39。)を回収できる。加えて、抜き屑39が粉塵として舞い上がらないので作業環境を汚すようなこともない。さらに加えて、紙を基材とするペーパー35を用いることによって、安価であり、リサイクル品を用いることもできるので環境にもやさしいという特徴がある。
図1に示すように、本発明に係わる穿孔装置1は、中央部分に大径、例えば約85mmの穿孔用ロール3が存在しており、その周囲を取り囲むように4個の小径の加圧ロール5a〜dと、2個の中径の加圧ロール9a,bが存在するようにした。なお、2個の小径の加圧ロール5a、bと1個の中径の加圧ロール9aとで構成されている上段部分と、2個の小径の加圧ロール5c、dと1個の中径の加圧ロール9bとで構成されている下段部分とは上下対称な一対構造となっている。
これら複数の加圧ロールのうちで、2個の中径の加圧ロール9a,bはシリンダであり、それに加圧力を与える補助ロール10a,bは、例えば、直径が約40mmの円筒状をしたベアリングである。この部分は、通常の手段で加圧するロール構造であるので詳細な説明は省略することとする。
一方、本発明の特徴部分である棒状をした、例えば直径が10mm〜20mm程度の4個の小径の加圧ロール5a〜d及び補助ロール7a〜7fの設置状態等の詳細は後述する。このように、複数個の加圧ロールを用いるとともに、穿孔用ロール3の直径に比べていずれも小径の加圧ロール(例えば、曲率半径が半分以下の加圧ロール。)を用いて、線圧の高い状態で多数回の加圧及び解放を繰り返すことができる。したがって、バリが少なく、抜きむらのない状態で穿孔して多数の微小孔を有する穿孔後金属箔33を製造することができる。
ここで、穿孔用ロール3に当接する部分には金属箔31が、穿孔用ロール3の周囲を取り囲む加圧ロール5a等に当接する部分にはペーパー35が配置されている。そして、金属箔31と、ペーパー35の表面処理がされている面が対向するように積層された積層物は、最初に穿孔用ロール3と加圧ロール5aとの間に挟み込まれて加圧される(図1)。
その後、金属箔31は、ペーパー35と積層され、密着した状態のままで穿孔用ロール3よりも径の小さな複数個の加圧ロールによって、ペーパー35を介して穿孔用ロール3の表面部分に加圧されたり、加圧を解かれたりを繰り返えされながら穿孔用ロール3の周囲をほぼ一周する。
すなわち、図2において詳述するように、穿孔用ロール3の表面の凸部25の上面25a部分と接触した金属箔31の裏側部分(非接触部分)は、表面処理のされているペーパー35によって密着され、位置ずれが起こらずにそのまま保持された状態で、他の加圧ロールによって複数回の加圧を受けながら、穿孔用ロール3の周囲を取り囲むようにほぼ一周することになる。したがって、本発明を用いると、金属箔31をほぼ完全に穿孔することができ、バリの少ない微小孔を有する良質な穿孔後金属箔33を得ることができる。
積層された状態のペーパー35と金属箔31とは、最初に上段部分の複数個の加圧ローラによって加圧されたり、加圧を解かれたりが繰り返えされる。ここで、小径の加圧ロール5aは、後述するように一対の補助ロール7aと補助ロール7bによって穿孔用ロール3の方向に加圧される。したがって、加圧ロール5aは、ペーパー35、金属箔31の順で穿孔用ロール3の表面に対して加圧力を与えることになる。同様に、加圧ロール5bは、一対の補助ロール7bと補助ロール7cによって穿孔用ロール3の表面に対して加圧力を与えることができる。
次に、金属箔31は、曲率半径の大きい中径の加圧ロール9aによってペーパー35を介して、穿孔用ロール3の表面方向に加圧される。すなわち、ペーパー35と金属箔31の積層体は、加圧ロール5a、b又は加圧ロール9aと穿孔用ロール3の凸部25の上面25aによって加圧され、加圧ロール5a、b又は加圧ロール9aの部分を通過後は加圧が解放されることになる。
これらの曲率半径の異なる複数個の加圧ロールによる加圧及び解放が繰り返えされることによって、後述する穿孔用ロール3の凸部25の上面25aには、いろいろな方向からの加圧力を受けることになる。そして、金属箔31は、ペーパー35と穿孔用ロール3に当接しており、穿孔用ロール3からの加圧力と、ペーパー35を介する複数の加圧ロール5a,b、9aからの加圧力を受けて凸部25によって穿孔されて多数の微小孔32が形成される。
すなわち、穿孔用ロール3の凸部25の上面25aによって加圧された金属箔31の部分は、次第に切り離されて(穿孔されて)抜き屑39となり、この抜き屑39の部分のみがペーパー35の表面処理がされている部分に密着されてそのままの状態で保持されることになる。
上述したように、小径の2個の加圧ロール5a、bと、中径の1個の加圧ロール9aによって、いろいろな方向からの加圧及び解放が繰り返えされるので、これら上段部分のみでも金属箔31はかなりの部分がきれいに穿孔されて微小孔が形成される。
しかしながら、上述した上段部分の複数の加圧ローラによって加圧されたり、加圧を解かれたりされるのみでは不十分な場合も認められた。そこで、より完全に穿孔する手段として図1に示すように、上段部分と同一構造の下段部分を設けるようにした。なお、下段部分は上述した上段部分と同一構造のものなので詳細な説明は省略する。また、穿孔用ロール3は、その周囲を取り囲むように複数個の加圧ロールが存在しており、軸心方向に一様の加圧力が対称にかかる構造になっているので変形しにくくすることができる。
下段部分の最後の加圧ロール9bを通過した穿孔後金属箔33は、圧延ロール11によって穿孔部分の表面のバリが平滑になるように圧延され、その後に穿孔金属箔ロール15に巻回される(図1)。一方、金属箔31と対向するペーパー35の表面処理部分には、穿孔用ロール3の凸部25で形成された抜き屑39が密着されており、そのまま保持された状態で抜き屑付ペーパーロール19に巻回される(図1)。
なお、図1の説明の都合上、ペーパー35と金属箔31との積層体は、最初に加圧ロール5aで加圧され、最後に加圧ロール9bで加圧されるようにした。一方、最初に加圧ロール9bで加圧され、次に加圧ロール5aで加圧され、最後に加圧ロール5dで加圧されるというように、加圧ロールの順番を変更してもほぼ同様の効果が得られた。
本発明を用いると、穿孔用ロール3の周囲を複数個の加圧ロール5a等が取り囲む構造なので、小型・コンパクトで安価な製造設備にできるとともに、穿孔時のバリがほとんど認められない穿孔後金属箔33を得ることができる。また、ペーパー35の使用によって、穿孔時に発生する抜き屑39をほぼ完全に回収することができるので資源保護の面や、粉塵の発生もないので作業環境の面からも好ましいものである。
2.穿孔用ロール3
図2は、本発明に係わる金属箔の穿孔装置1の特徴部分である穿孔用ロール3の製造工程及び凸部25についての詳細な説明図である。この穿孔用ロール3は、例えば、あらかじめ表面が研磨されている材質がSKD11の焼入鋼(硬度58〜63HRC)のシリンダ(円柱)を回転させながら、1個ないし複数個の切削刃27(例えば、特殊加工用の砥石など。)によって切削加工をすることによって溝部23と凸部25とを同時に形成して製造されたものである。なお、図2(a)では説明を容易にするために、溝部23の数が実物に比べて大幅に省かれたものが描かれている。
図2(a)に示されるように、1個ないし複数個の切削刃27によって、左側及び右側の両側から螺旋状に切削加工をすることによって、その表面に多数の溝部23と凸部25とを同時に形成することができる。なお、左右両側から螺旋状に切削加工をされた溝部23の形成によって、シリンダの表面部分に多数の四角錐台の形状をした微小な凸部25が形成される(図2(b)、図3)。切削加工後の穿孔用ロール3は、硬度強化や摩擦係数の低下(金属箔31の溶着の防止)等の目的からダイアモンドライクカーボンのコーティング(DLCコーティング、3500〜5000HMV)をしている。
この微小な凸部25は、上面25aが切削加工を受けていない部分であり、その形状は多角形状(円柱形をしたシリンダの表面に形成されているので、厳密には曲面ではあるが、微小な部分なので平面と仮定しても問題はないので多角形状と呼ぶことにする。)、例えば、四角形や菱形(菱形には正方形も含まれる。)であり、側面25bは略台形形状をしたものである。なお、図2(b)では、凸部25の一例として、上面25aが菱形の四角錐台を記載した。ここで、凸部25として四角錐台の形状にすると、単純な形状とすることができ、左右からの切削加工も容易にできる。
一方、溝部23は、略V字状または略U字状の谷状をしたものである。なお、溝部23が略V字状をしているか、または略U字状をしているかについては、使用されている切削刃27の形状に依存されることは言うまでもない。
ここで、四角錐台の上面27aが二等辺三角形(正三角形、図2(c))や直角二等辺三角形(図2(d))の底面どうしが接触するような菱形(菱形には正方形も含む。(図2(e))を形成すると(図2(b)、図3の上段拡大図)、微小孔の穿孔が容易であり、バリの少ない穿孔後金属箔33を製造できる。
すなわち、菱形をした上面27aと、4つの側面27bの端部で形成されるエッジ部25cを有する凸部25によって、銅箔、アルミニウム箔及びステンレス箔などの数μmミクロン(例えば、8μm)〜100μm程度の厚みを有する金属箔31が穿孔されて微小孔が形成される。
さらに、図2(c)に示されるように、四角錐台の上面27aが正三角形の底面どうしが共通するような菱形を形成すると、金属箔31の進行方向(搬送方向)に対して最初に60度の鋭角で切込みを入れ、最後に60度の角度で切り離されるので微小孔のバリをさらに少なくできることや、金属箔31のうちで孔のない部分(金属箔31が連なっている部分)の間隔が同一寸法となり、引張強度も増加させることができるので、巻き取り時に切れにくくでき、より好ましいことが明らかになった(図4)。
上述した構造の穿孔用ロール3は、例えば外径が約85mmとコンパクトであり、線状をした溝部23を形成する手法を用いており、切削刃27による切削加工も容易なので安価に製造をすることができる。
3.小径の加圧ロール5a〜d
図3は、下段部分の小径の加圧ロール5c,dの部分を説明するための解体された状態での概略構造図であり、補助ロール7d〜7fの軸心となる回転軸の部分は省略されている。なお、上述したように、上段部分の加圧ロール5a,bについても同一の構造をしているので詳細な説明は省略する。
小径の加圧ロール5c,dは、それぞれ同一形状をしたものであり、例えば直径が10mm程度の棒状のもの(細長の円柱状のもの。)である。この加圧ロール5c,dは、一対の補助ロール7d,e,fによって形成される谷間8の部分に回転可能な状態で設置されている(図3)。
補助ロール7d,e,fは、回転軸などで一般的に使用されている直径が約80mm、高さが5mm〜20mmの複数個の腕輪状をした扁平円筒形状のベアリング(以下において、単にベアリングと呼ぶ場合がある。)を用いた。そして、補助ロール7d,e,fのそれぞれが回転軸54d〜fに挿入されている(図9)。なお、上述したように、これらの加圧ロール5c,dは、従動によって回転するものである。
図3において、補助ロール7d,e,fは、3連構造をしており、加圧ロール5c,dを穿孔用ロール3の方向に加圧力を与えるものである。補助ロール7d,e,fのそれぞれが、円筒状をした複数個のベアリング、例えば、直径が約80mm、厚みが約18mmのベアリング6個を互い違いに組み合わせて(図3)、それぞれが図示されていない3本の回転軸に設置されている。
例えば、補助ロール7fは、回転可能な構造をした計6個のベアリングで構成されており(7f1〜7f6、図3)、それぞれが図示されていない回転軸を共通にするように係止されている。そして、補助ロール7f1と補助ロール7f2とは間隔が開けられており、補助ロール7f1と補助ロール7f2との間に補助ロール7e1が、補助ロール7f2と補助ロール7f3との間に補助ロール7e2がそれぞれ入り込むように、互い違いに一対の回転軸に設置されている(図3、図8)。
同様に、補助ロール7d1と補助ロール7d2との間に補助ロール7e1が、補助ロール7d2と補助ロール7d3との間に補助ロール7e2が入り込むように、互い違いに一対の回転軸に設置されている(図3)。すなわち、一対の補助ロールは、複数個の回転可能なベアリングで構成され、互い違いに一対の回転軸に係止されているようにした。
そして、図1及び図3に示されるように、一対の補助ロール7dと補助ロール7eで形成される谷間8の部分には加圧ロール5cを、一対の補助ロール7eと補助ロール7fで形成される谷間8の部分には加圧ロール5dをそれぞれ設置するようにした(図3)。
すなわち、一対の補助ロールは、複数個のベアリングで構成されており、それぞれのベアリングは、回転可能な状態で、互い違いに一対の回転軸に係止されることによって、谷間8の部分を形成することができる(図3、図8)。この谷間8の部分に小径の加圧ロール5a〜dを設置するようにした(図1、図3)。
上述した設置構造を用いることによって、小径の加圧ロールa〜dは穿孔用ロール3に当接することができる距離にあるものの、互い違いに設置されているいずれの補助ロール7a〜fも、穿孔用ロール3には接触しない距離に設置することができる。そして、直径が10mm〜20mm程度の棒状(円柱状)をした曲率半径の小さい加圧ロールa〜dを用いることができるので、線圧の高い状態でペーパー35を介して金属箔31を穿孔用ロール3表面の凸部25に強く押し当てて加圧をすることができる。したがって、装置全体の小型・コンパクト化が可能になり、その結果、金属箔の穿孔装置1を低コスト化することができる。
なお、図3に示されているような補助ロール7a〜fの構造では、幅が300mmを超えるような幅広の金属箔31を穿孔する場合には、十分に穿孔できないような場合も認められた。この原因は、加圧時に複数個のベアリングで構成される補助ロール7a〜fの回転軸が撓み、その結果、小径の加圧ロールa〜dが変形して、均一な加圧力が得られないためであることが明らかになった。
そこで、補助ロール7a〜fの回転軸54の撓みを抑えることを目的として、1個又は複数個の固定プレート51を設けるようにした(図8、図9)。すなわち、補助ロール7a〜fは、回転可能な状態で回転軸54a〜fに係止されている。そして、この回転軸54a〜fの両端は、左右一対の縦枠体52に固定されており、回転軸54a〜fの内側は、1個又は複数個の固定プレート51を介して上下一対の横枠体53に固定されるようにした(図8)。この構造を用いることによって、幅が300mmを超えるような幅広の金属箔31に対しても十分に穿孔することができる。
ここで、複数個の直径が約80mm、厚みが約18mmの回転可能なベアリングを補助ロール7として用いて、幅が300mm程度の金属箔31を穿孔する場合には、3個又は4個の連続した補助ロール7に対して、1個程度の間隔(割合)で回転軸54a〜fを固定するための固定プレート51を設ければ十分であることが明らかになった(図8、図9)。
なお、固定プレート51の数やその間隔(割合)は、補助ロール7a〜fを構成するベアリングの厚みや直径、金属箔31の幅や厚み等によって適宜、設計変更することが好ましいことは言うまでもない。
上述した図1、図2、図8及び図9等に示されている本発明に係わる金属箔の穿孔装置1を用いて、金属箔31として厚みが10μm、幅が200mmの圧延銅箔とペーパー35とを積層した積層物を、穿孔用ロール3と複数の加圧ロール5a〜5d、9a,bとの間に挟み込み、加圧し、穿孔して多数の微小孔を形成するための実験をした。
これらの複数の加圧ロール5a〜5d、9a,bは、穿孔用ロール3の周囲を取り囲むように存在している(図1)。これらの複数の加圧ロール5a〜5d、9a,bは、いずれも穿孔用ロール3よりも直径(曲率半径)が小さいものである。
ペーパー35は、加圧ロール5a〜5d、9a,bと金属箔31に当接されており、金属箔31は、ペーパー35と穿孔用ロール3に当接している(図1)。
ペーパー35としては、少なくとも一方の面が表面処理、例えば、ポチエチレン製の薄膜で覆われており、その表面にシリコーン処理がされている厚みが約150μmのシートを用いた(例えば、リンテック社製、品番:KP−110)。
そして、ペーパー35の表面処理がされている面が、金属箔31に対向するように積層した積層物を、最初に穿孔用ロール3と加圧ロール5aとの間に挟み込み、図示されていないモータを用いて穿孔用ロール3を回転させて、その周囲を取り囲むように存在している複数個の加圧ロール5b〜5d、9a,bのそれぞれで加圧し、穿孔して金属箔31に微小孔を形成した(図1)。
本実施例1では、直径が85mmで長さが300mmのダイアモンドライクカーボン(DLC)のコーティングをしたシリンダの表面には、角錐台の形状をした多数の凸部25を有するようにした(図2)。そして、凸部25の上面25aは、菱形にした(図2(c))。
この凸部25は、切削刃27を用いて、深さが約150μmの溝部23を彫り込むことによって形成した(図2)。ここで、溝部23の深さとしては、金属箔31の厚みの約3倍〜約25倍、好ましくは金属箔31の厚みの約5倍〜約20倍、さらに好ましくは金属箔31の厚みの約10倍〜約17倍程度にすると穿孔用ロール3の製造が容易であり、バリが少なく良好な微小孔を有する穿孔後金属箔33を得ることができることが分かった。
例えば、約10μmの圧延銅箔を穿孔するには、溝部23の深さを100μm〜170μmにすると、低価格で穿孔用ロール3を製造することができ、バリの少ない微小孔を有する穿孔後金属箔33を得ることができる。
小径の加圧ロール5a〜dは、直径が約10mmの細長い円柱形状をしたものである。補助ロール7a〜fは、3連構造をした上下一対のものであり、その直径が約80mm、厚みが約18mmの回転可能な腕輪状をした複数個のベアリングで構成されている。そして、これらの補助ロール7a〜fは、それぞれが回転可能な状態で、互い違いに回転軸54a〜fに嵌合されて係止されている(図8)。
回転軸54a〜fの両端は、左右一対の縦枠体52に固定されており、回転軸54a〜fの内側は、複数個の固定プレート51を介して上下一対の横枠体53に固定されている(図8、図9)。
そして、小径の加圧ロール5a〜5dは、複数個の直径が約80mmで厚みが約18mmの腕輪状をしたベアリングで構成される一対の補助ロール7a〜7fで形成される谷間8の部分に設置されているようにした(図1、図3、図8)。
一方、2個の中径の加圧ロール9a,bには、直径が約40mmのシリンダを用い、直径が40mmの補助ロール10a,bで加圧した。
ここで、円柱状をした複数の加圧ロール5a〜d、9a,bのいずれもが、穿孔用ロール3の直径の半分以下の直径にするようにした。なお、直径(曲率半径)の小さい加圧ロールを用いることによって、加圧時の線圧を高くできるとともに、コンパクトで安価な製造設備を提供することができる。
本実施例1で用いた穿孔用ロール3の表面に形成されている凸部25の上面25aのパターン図を図4に示す。上面25aのピッチは、aが約0.27mm、bが約0.15mmの菱形をしており(図2(c))、長手方向のcが約0.26mm、幅方向のdが約0.15mmのものである。
この金属箔の穿孔装置1を用いて、銅箔の搬送速度として約7m/分で穿孔した結果を図5及び図9に示す。約200μm程度の微小孔32が穿孔された後に、圧延ロール11によって圧延されているので開孔部の周囲はやや丸みを帯びており、孔径に多少のバラツキも生じてはいる(図5)。しかしながら、穿孔時のバリがほとんど認められない良質な穿孔後金属箔33を得ることができた。
また、本発明を用いると、図5の結果から微小孔32の開孔率を約30%と高くすることができる。ここで開孔率とは、一例として図4における菱形形状をした一点鎖線で示される領域が、そのまま穿孔された場合を仮定すると以下の(1)式で算出されるものをいう。
開孔率=((c×d)/(2a×2b))×100% (1)式
なお、開孔率の高い金属箔を用いることによって、微小孔32の部分にも正極活物質や負極活物質を充填することができる。したがって、活物質の充填量を増加させることができ、その結果、リチウムイオン電池の容量を増加させることができる。
一方、ペーパー35の表面処理がされている面には、穿孔時に形成された抜き屑39が密着されて保持されており、そのまま抜き屑付ペーパーロール19として巻き取られて回収することができる(図1)。したがって、抜き屑39が粉塵となって、作業環境を汚すこともない。加えて、リチウムイオン電池などのショートの原因になる穿孔時に発生する抜き屑39を完全に回収することができる。
本発明者らは、長手方向のピッチaの値が0.1mm〜0.5mm程度とし、開口率が10〜35%程度になるように微小孔径(c、dの値)を変動させた場合でも問題なく穿孔できることを確認した。なお、金属箔31として銅箔に替えてアルミニウム箔やステンレス箔を用いた場合にも同様の良質な穿孔後金属箔33を得ることができた。
本発明に係わる金属箔の穿孔装置1は、いずれも穿孔ロール3に対して、小径の加圧ロール5a〜5d、9a,bを用いるものなので、小型・コンパクトで安価な製造設備を利用することができるとともに、穿孔時のバリがほとんど認められない微小孔を有する良質な穿孔後金属箔33を得ることができる。また、穿孔時に発生する抜き屑39を完全に回収することができるので、作業環境を汚すこともなく、資源保護の面からも好ましいものである。
本発明に係わる金属箔の穿孔装置1の変形例として、図6に示されるような構造の金属箔の穿孔装置1を使用することもできる。実施例1と同様に、図示されていない金属箔31とペーパー35とを積層した積層物を、穿孔用ロール3と複数の加圧ロール5a〜5c、9a,bとの間に挟み込み、加圧し、穿孔して多数の微小孔を形成するものである。
穿孔用ロール3の表面には、角錐台の形状をした多数の凸部25を有しており(図2)、凸部25の上面25aは多角形状をしている。これらの複数の加圧ロール5a〜5c、9a,bは、穿孔用ロール3の周囲を取り囲むように存在している。
上述したような図1に示される金属箔の穿孔装置1との相違点は、下段部分は上述した図1の構造と同一であるものの、上段部分の小径の加圧ロール5aを1個とし、その結果、補助ロール7a,bは、複数個のベアリングが互い違いに一対の回転軸に係止されている2連構造となっている点である。
図6の装置を用いた場合には、図1の装置を用いた場合に比べて、銅箔の搬送速度を遅くする必要があるものの、穿孔時のバリがほとんど認められない良質な穿孔後金属箔33を得ることができる。加えて、金属箔の穿孔装置1が簡略化できるので、よりコンパクトであり、低コストで製造をすることができる。
なお、本発明に係わる金属箔の穿孔装置1によって製造した穿孔後金属箔33を、自動車のエンジン音などの騒音を遮蔽するための騒音遮蔽用の防音構造材として使用するような場合には、リチウムイオン電池などに使用されるような場合に比べて、穿孔時のバリや抜き屑39の付着はそれほど問題にはならない。したがって、表面処理がされていないペーパー35を用いることができることや、銅箔などの金属箔の搬送速度を速くしたりすることができる。
本発明に係わる金属箔の穿孔装置1の変形例として、図10に示されるような構造の装置を使用することもできる。実施例1と同様に、図示されていない金属箔31とペーパー35とを積層した積層物を、穿孔用ロール3と複数の加圧ロール5a〜5d、9a,bとの間に挟み込み、加圧し、穿孔して多数の微小孔を形成する金属箔の穿孔装置1である。
穿孔用ロール3の表面には、角錐台の形状をした多数の凸部25を有しており(図2)、凸部25の上面25aは多角形状をしている。これらの複数の加圧ロール5a〜5d、9a,bは、穿孔用ロール3の周囲を取り囲むように存在している。
上述した実施例1(図1)の金属箔の穿孔装置1との主な相違点は、加圧ロール5a,5bの直径を約15mmとやや大径にしたこと、加圧ロール5c,5dの直径を2倍程度の約20mmにしたこと、直径が約15mmの加圧ロール9aを一対の補助ロール7g,7hの谷間部分に設置したこと、補助ロール10bを省略して加圧ロール9bのみとしたことなどである。
図10の装置を用いた場合には、図1の装置を用いた場合に比べて、加圧ロール5a〜5dを太くしているので、加圧時に変形しにくくすることができるので、より厚い金属箔31の穿孔が可能になる。
穿孔後金属箔33から、さらに抜き屑39を完全に除去する後工程の概略図を図7に示す。金属箔31の搬送速度を高速化したりする場合や、微小孔32の径をさらに小さくしたりするような場合には、一部の抜き屑39が穿孔後金属箔33に残存しているような場合も認められた。そこで、図1に示されるローラ21cと穿孔金属箔ロール15との間に新たな製造設備を加えるようにした(図7)。
すなわち、図1に示されるローラ21cを通過した穿孔後金属箔33は、アップダウン・スイングローラによってテンションが一定範囲内に調整され、真空ポンプ45で吸引される真空チェンバ43と、一対の粘着ローラ47aとを通過させることによって、抜き屑39を完全に除去するようにした。
そして、圧延ロール11によって穿孔部分の表面のバリが平滑になるように圧延され、圧延時に生じた抜き屑39を、2段目の一対の粘着ローラ47bによってさらに除去した後に穿孔金属箔ロール15として巻回するようにした。
したがって、リチウムイオン電池などのショートの原因になる穿孔時に発生する抜き屑39を完全に除去することができる。なお、金属箔31として銅箔に替えてアルミニウム箔やステンレス箔を用いた場合にも同様の製造設備で行うことができる。
本発明に係わる金属箔の穿孔装置や金属箔の穿孔方法によって製造された穿孔後金属箔は、リチウムイオン電池などの非水系二次電池用の正極板や負極板などの集電体や、自動車のエンジン音などの騒音遮蔽用の防音構造材などに利用をすることができる。
1 金属箔の穿孔装置
3 穿孔用ロール
5a,b,c,d 加圧ロール
7a,b,c,d,e,f,g,h 補助ロール
8 谷間
9a,b 加圧ロール
10a,b 補助ロール
11 圧延ロール
13 金属箔ロール
15 穿孔金属箔ロール
17 ペーパーロール
19 穿孔屑付ペーパーロール
21a,b,c,d,e,f ローラ
23 溝部
25 凸部
25a 上面(菱形)
25b 側面(略台形)
25c エッジ部
27 切削刃
31 金属箔
32 微小孔
33 穿孔後金属箔
35 ペーパー
37 抜き屑付ペーパー
39 抜き屑
41 アップダウン・スイングローラ
43 真空チェンバ
45 真空ポンプ
47a,b 粘着ローラ
49a,b 粘着ベルト
51 固定プレート
52 縦枠体
53 横枠体
54a〜f 回転軸
a 長手方向のピッチ
b 幅方向のピッチ
c 長手方向の微小孔径
d 幅方向の微小孔径

Claims (6)

  1. 金属箔とペーパーとを積層した積層物を、穿孔用ロールと複数の加圧ロールとの間に挟み込み、加圧し、穿孔して前記金属箔に多数の微小孔を形成する金属箔の穿孔装置であって、
    前記穿孔用ロールの表面には、角錐台の形状をした多数の凸部を有しており、
    該凸部の上面は、多角形状をしており、
    前記複数の加圧ロールは、前記穿孔用ロールの周囲を取り囲むように存在しており、
    前記加圧ロールの少なくとも1個は、一対の補助ロールによって形成される谷間の部分に設置されており、
    前記一対の補助ロールは、
    複数個の回転可能なベアリングで構成され、互い違いに一対の回転軸に係止されており、
    前記ペーパーは、前記加圧ロールと前記金属箔に当接されており、
    前記金属箔は、
    前記ペーパーと前記穿孔用ロールの前記凸部に当接し、
    該凸部の上面と、前記ペーパーを介する前記複数の加圧ロールからの加圧力を受け、穿孔されて、多数の微小孔が形成されることを特徴とする金属箔の穿孔装置。
  2. 前記穿孔用ロールの表面の前記凸部は、四角錐台の形状をしており、
    前記凸部の上面は、菱形である
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属箔の穿孔装置。
  3. 前記複数の加圧ロールは、いずれも前記穿孔用ロールよりも直径が小さいものであことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属箔の穿孔装置。
  4. 前記回転軸は、その両端が縦枠体に固定されており、
    その内側が少なくとも1個の固定プレートを介して横枠体に固定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の金属箔の穿孔装置。
  5. 前記ペーパーは、紙を基材とするシート状をしたものであり、
    少なくとも一方の面には表面処理がされており、
    該表面処理がされている面が、前記金属箔に対向するように当接されて積層されており、
    前記微小孔の形成によって生じた抜き屑は、
    前記表面処理がされている面に密着され、そのまま保持される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の金属箔の穿孔装置。
  6. 金属箔とペーパーとを積層した積層物を、穿孔用ロールと複数の加圧ロールとの間に挟み込み、加圧し、穿孔して前記金属箔に多数の微小孔を形成する金属箔の穿孔方法であって、
    前記穿孔用ロールの表面には、角錐台の形状をした多数の凸部を有しており、
    該凸部の上面は、多角形状をしており、
    前記複数の加圧ロールは、前記穿孔用ロールの周囲を取り囲むように存在しており、
    前記加圧ロールの少なくとも1個は、一対の補助ロールによって形成される谷間の部分に設置されており、
    前記一対の補助ロールは、
    複数個の回転可能なベアリングで構成され、互い違いに一対の回転軸に係止されており、
    前記ペーパーは、前記加圧ロールと前記金属箔に当接されており、
    前記金属箔は、
    前記ペーパーと前記穿孔用ロールの前記凸部に当接し、
    該凸部の上面と、前記ペーパーを介する前記複数の加圧ロールからの加圧力を受け、穿孔されて、多数の微小孔が形成されることを特徴とする金属箔の穿孔方法。
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