JP6497337B2 - 高圧源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧源装置の構成要素であるポンプを駆動するブラシレスのポンプモータの制御に関するものである。
特許文献1には、リザーバの作動液を汲み上げて吐出するポンプと、そのポンプを駆動するポンプモータと、そのポンプモータへの供給電流のON・OFFを制御するモータ制御部と、ポンプから吐出された作動液を蓄えるアキュムレータと、そのアキュムレータに蓄えられた作動液の液圧を検出するアキュムレータ圧センサとを含む高圧源装置が記載されている。この高圧源装置において、ポンプモータのON・OFFは、アキュムレータ圧センサの検出値が設定範囲に保たれるように制御される。
特開2013−208987
例えば、特許文献1に記載の高圧源装置に含まれるポンプモータをブラシレスモータとした場合にはブラシ付きモータとする場合より、作動音の低減を図り、寿命を長くすることができる。一方、ブラシレスモータには、ロータのステータに対する相対回転位置を検出する回転位置センサ等の複数のセンサが設けられ、回転位置センサの検出値等に基づいて、ステータに設けられたコイルへの通電が制御され、ロータの回転速度等が制御されるのが普通である。このように、ブラシレスモータには、回転位置センサ等の複数のセンサが設けられるため、ブラシレスモータが大形になる等の問題があった。
そこで、本発明の課題は、回転位置センサ等がなくてもブラシレスのポンプモータを制御可能とすることであり、それにより、ポンプモータの小形化を図ることである。
課題を解決するための手段および効果
本願発明に係る高圧源装置においては、ポンプの吐出側の液圧の変化に基づいてブラシレスのポンプモータにおけるロータの回転磁界に対する遅れが大きいか否かが取得される。そして、ロータの回転磁界に対する遅れが大きいと取得された場合には、回転磁界の角速度が小さくされ、ロータの回転磁界に対する遅れが小さくされる。
このように、回転位置センサ等がなくても、ロータの脱調を防止し、ポンプモータを良好に制御することができる。その結果、ポンプモータを回転位置センサ等を含まないものとすることができ、小形化およびコストダウンを図ることができる。
本発明の一実施形態に係る高圧源装置を備えた液圧ブレーキシステムの回路図である。 上記液圧ブレーキシステムのブレーキECUの周辺を示す図である。 上記液圧ブレーキシステムに含まれるモータの概念図である。 上記モータおよびモータドライバの概念図である。 上記モータのステータに生じる回転磁界とコイルへの供給電流とを表す図である。 上記モータの特性を示す図である(トルク−回転数)。 上記アキュムレータ圧とモータ回転数との関係を示す図である。 上記モータECUの記憶部に記憶されたポンプモータ制御プログラムを表すフローチャートである。 上記液圧ブレーキシステムにおいて、アキュムレータ圧の変化を示す図である。
発明の実施形態
以下、本発明の一実施形態に係る液圧ブレーキシステムについて図面に基づいて詳細に説明する。本液圧ブレーキシステムにおいては、本発明の一実施形態に係る高圧源装置が含まれる。
<液圧ブレーキシステムの構成>
図1に示すように、液圧ブレーキシステムは、(i)左右前輪2FL,2FRに設けられた液圧ブレーキ4FL,4FRのブレーキシリンダ6FL,6FRおよび左右後輪8RL,8RRに設けられた液圧ブレーキ10RL,10RRのブレーキシリンダ12RL,12RR、(ii)これらブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRに液圧を供給可能な液圧発生装置14、(iii)これらブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRと液圧発生装置14との間に設けられたスリップ制御弁装置16等を含む。液圧発生装置14、スリップ制御弁装置16等は、コンピュータを主体とするブレーキECU(Electronic Control Unit)18(図2参照)によって制御される。
液圧発生装置14は、(i)マスタシリンダ26、(ii)マスタシリンダ26の背面室の液圧を制御する背面液圧制御装置28等を含む。
マスタシリンダ26は、ハウジング30に、互いに直列に、液密かつ摺動可能に嵌合された加圧ピストン32,34および入力ピストン36等を含む。
加圧ピストン32,34の前方が、それぞれ、加圧室40,42とされる。加圧室40には液通路44を介して左右前輪2FL,2FRのブレーキシリンダ6FL,6FRが接続され、加圧室42には液通路46を介して左右後輪8RL,8RRのブレーキシリンダ12RL,12RRが接続される。ブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRの各々に液圧が供給されることにより液圧ブレーキ4FL,4FR,10RL,10RRが作動させられ、車輪2FL、2FR,8RL,8RRの回転が抑制される。
以下、本明細書において、液圧ブレーキ等につき、車輪位置を区別する必要がない場合等には、車輪位置を表すFL,FR,RL,RRを省略する場合がある。
また、加圧ピストン32,34は、リターンスプリング48,49により後退方向に付勢されるが、後退端位置において、加圧室40,42は、それぞれ、リザーバ52に連通させられる。
加圧ピストン34は、(a)前部に設けられた前ピストン部56と、(b)中間部に設けられ、半径方向に突出した中間ピストン部58と、(c)後部に設けられ、中間ピストン部58より小径の後小径部60とを含む。前ピストン部56と中間ピストン部58とは、ハウジング30にそれぞれ液密かつ摺動可能に嵌合され、前ピストン部56の前方が加圧室42とされ、中間ピストン部58の前方が環状室62とされる。
一方、ハウジング30には、円環状の内周側突部64が設けられ、後小径部60が液密かつ摺動可能に嵌合される。その結果、中間ピストン部58の後方の、中間ピストン部58と内周側突部64との間に背面室66が形成される。
加圧ピストン34の後方に入力ピストン36が位置し、後小径部60と入力ピストン36との間が離間室70とされる。入力ピストン36の後部には、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24がオペレイティングロッド72等を介して連携させられる。
環状室62と離間室70とは連結通路80によって連結され、連結通路80に連通制御弁82が設けられる。連通制御弁82は常閉の電磁開閉弁である。連結通路80の連通制御弁82より環状室62側の部分は、シミュレータ通路88を介してストロークシミュレータ90が接続される。シミュレータ通路88とリザーバ52とがリザーバ通路84によって接続され、リザーバ通路84にはリザーバ遮断弁86が設けられる。リザーバ遮断弁86は常開の電磁開閉弁である。
また、連結通路80の連通制御弁82より環状室側の部分に液圧センサ92が設けられる。液圧センサ92は、環状室62,離間室70が互いに連通させられ、かつ、リザーバ52から遮断された状態において、環状室62,離間室70の液圧を検出する。環状室62、離間室70の液圧は、ブレーキペダル24の操作力に応じた高さとなるため、液圧センサ92を操作液圧センサと称することができる。
背面液圧制御装置28は背面室66に接続される。
背面液圧制御装置28は、(a)高圧源96,(b)レギュレータ98,(c)入力液圧制御部100等を含む。
高圧源96は、ポンプ104およびポンプモータ105を備えたポンプ装置106、ポンプ装置106から吐出された作動液を加圧した状態で蓄えるアキュムレータ108、アキュムレータ108に収容された作動液の液圧であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧センサ109等を含む。アキュムレータ圧センサ109よって検出されるアキュムレータ圧が、設定範囲内に保たれるようにポンプモータ105が制御される。高圧源96については後述する。
レギュレータ98は、(d)ハウジング110と、(e)ハウジング110に、軸線Lと平行な方向に、互いに直列に並んで設けられたパイロットピストン112および制御ピストン114とを含む。また、ハウジング110の制御ピストン114の前方には高圧室116が形成され、高圧源96に接続される。また、パイロットピストン112とハウジング110との間がパイロット圧室120とされ、制御ピストン114の後方が制御室122とされ、制御ピストン114の前方が出力室としてのサーボ室124とされる。また、サーボ室124と高圧室116との間に高圧供給弁126が設けられる。高圧供給弁126は常閉弁であり、常には、サーボ室124と高圧室116とを遮断する。
制御ピストン114の中央部には、軸線Lと平行に延びた低圧通路128が形成され、常時、リザーバ52に連通させられる。また、低圧通路128は、制御ピストン114の前端部に開口し、高圧供給弁126に対向する。そのため、制御ピストン114が後退端にある場合には、サーボ室124は高圧室116から遮断され、低圧通路128を介してリザーバ52に連通させられる。制御ピストン114が前進させられると、サーボ室124がリザーバ52から遮断され、高圧供給弁126が開かれて高圧室116に連通させられる。また、符号130は制御ピストン114を後退方向に付勢するスプリングである。
なお、パイロット圧室120はパイロット通路152を介して液通路46に接続される。そのため、パイロットピストン112には、マスタシリンダ26の加圧室42の液圧が作用する。
さらに、サーボ室124には、出力ポート153、サーボ通路154を介してマスタシリンダ26の背面室66が接続される。サーボ室124と背面室66とは直接接続されるため、サーボ室124の液圧であるサーボ圧と背面室66の液圧とは原則として同じ高さになる。なお、サーボ圧はサーボ通路154に設けられた背面液圧検出装置としてのサーボ圧センサ156によって検出される。
入力液圧制御部100は、増圧リニア弁(SLA)160と減圧リニア弁(SLR)162とを含み、制御室122に接続される。増圧リニア弁160は、制御室122と高圧源96との間に設けられ、減圧リニア弁162は、制御室122とリザーバ52との間に設けられる。これら増圧リニア弁160のコイル,減圧リニア弁162のコイルへの供給電流(以下、コイルへの供給電流を単に供給電流と称する場合がある。他の電磁弁についても同様とする)の制御により、制御室122の液圧が制御される。また、制御室122にはダンパ164が接続され、制御室122とダンパ164との間で作動液の授受が行われる。
本実施例において、制御室122の液圧とサーボ室124の液圧であるサーボ圧との間には、レギュレータ98の構造等に基づいて決まる関係が成立し、背面室66の液圧と加圧室40,42の液圧との間には、マスタシリンダ26の構造等に基づいて決まる関係が成立する。サーボ圧は制御室122の液圧に基づく高さとなり、加圧室40,42の液圧は背面室66の液圧(サーボ圧と同じ。以下、背面室66の液圧もサーボ圧と称する場合がある)に基づく高さ、すなわち、制御室122の液圧に基づく高さとなる。
スリップ制御弁装置16は、(i)左右前輪2FR,2FLのホイールシリンダ6FR,6FLの各々に対応して設けられた保持弁170FR,170FL、減圧弁172FR,172FL、(ii)左右後輪8RL、8RRのホイールシリンダ12RL、12RRの各々に対応して設けられた保持弁170RL、170RR、減圧弁172RL、172RR等を含む。これら保持弁170、減圧弁172の制御により、前後左右の4輪2,8のブレーキシリンダ6,12の液圧が個別に制御可能とされている。
ブレーキECU18には、図2に示すように、コンピュータを主体とするものであり、実行部210、記憶部212、入出力部214等を含む。入出力部214には、上述の操作液圧センサ92,アキュムレータ圧センサ109,サーボ圧センサ156が接続されるとともに、ブレーキペダル24のストローク(以下、操作ストロークと称する場合がある)を検出するストロークセンサ200、各車輪2,8の各々に対応して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ204等が接続されるとともに、増圧リニア弁160、減圧リニア弁162、連通遮断弁82、リザーバ遮断弁86、保持弁170、減圧弁172等が図示を省略する駆動回路を介して接続される。車輪速度センサ204の検出値に基づいて、車体速度が推定され、各車輪2,8の各々のスリップ状態が取得される。
また、ブレーキECU18には、モータECU210が接続され、互いに通信可能とされている。モータECU210もコンピュータを主体とするものであり、ポンプモータ105がモータドライバ212を介して接続される。
本実施例において、ポンプモータ105は、図3に示すように、ブラシレスモータであり、u,v,wの3相のコイルを備えたステータ220と、磁石を備えたロータ222とを含み、ロータ222のステータ220に対する相対回転位置を検出する回転位置センサ等を含まないものである。モータドライバ212は、図4に示すように、電源としてのバッテリ230とコイルu,v,wの各々との間に設けられたスイッチング素子232u,v,wを含む。これらスイッチング素子232u,v,wは、モータECU210によって制御される。
ステータ220において、図5に示すように、スイッチング素子232u,v,wの制御により、コイルu,v,wへの通電が電気角120°ずつずらされることにより回転磁界が生じる。具体的に、コイルu,v,wの各々への通電により磁界が生じ、それら磁界が変化するが、それら磁界の合成磁界における磁極(S極、N極)を表すベクトルsの向きが変化(図5の場合には時計方向に回転)させられるのである。そして、このベクトルsの変化に追従して、換言すれば、ベクトルsの変化にわずかに遅れてロータ222が回転させられるため、ロータ222の角速度(回転数に対応)は、ベクトルsの回転速度、換言すれば、回転磁界の角速度が大きい場合は小さい場合より、大きくされる。
ポンプモータ105においては、ロータ222の回転数とトルク(加えられる負荷に対応する)との間に、図6に示すように、ロータ222の回転数が小さい場合は大きい場合よりトルクが大きくなるという関係が成立する。また、ポンプモータ105はポンプ104を駆動し、ポンプ104から吐出された液圧はアキュムレータ108に供給されるため、アキュムレータ圧が高くなると、ポンプ104に加えられる負荷が大きくなり、ポンプモータ105に加えられる負荷が大きくなる。そのため、アキュムレータ圧が高くなるとトルクが大きくなるのであり、アキュムレータ圧とトルクの大きさとは1対1に対応すると考えられる。図6のトルクの大きさをアキュムレータ圧に置き換えて得られるロータ222の回転数とアキュムレータ圧との関係を、時間を介して表したものが、図7の一対の破線である。
例えば、図7の実線で示すように回転磁界の角速度が一定ωh(角速度ωhはロータ222の回転数Nhに対応する)に保持された場合において、アキュムレータ圧が低い間は、ロータ222は、その回転磁界の角速度ωhに追従して回転させられる。そのため、時間t0〜t1の間、アキュムレータ圧は、角速度ωhで決まるほぼ一定の勾配で増加させられる。
それに対して、アキュムレータ圧が、ポンプモータ105の特性と回転数Nhとで決まる設定トルクTh(図6参照)に対応する設定アキュムレータ圧Pah(図7参照)より高くなると(時間t1の後)、回転磁界に対するロータ222の遅れが大きくなり、回転数が小さくなる。ポンプ104の作動速度が遅くなり、吐出流量が少なくなり、アキュムレータ圧の増加勾配が小さくなる。
以上のように、ポンプモータ105に回転位置センサ等が設けられていなくても、回転磁界の角速度が一定の状態で、アキュムレータ圧の増加勾配が小さくなった場合には、ロータ222の回転磁界に対する遅れが大きくなったことがわかる。また、アキュムレータ圧がほぼ設定アキュムレータ圧Pahに達したこともわかる。
なお、この場合において、一定に保持される回転磁界の角速度ωhが大きい場合は設定アキュムレータ圧Pahは低い値となるが、アキュムレータ圧を設定アキュムレータ圧Pahまで高くするのに要する時間が短かくなる。それに対して、角速度ωhが小さい場合は設定アキュムレータ圧Pahは高い値となるが、設定アキュムレータ圧Pahまで高くするのに要する時間は長くなる。これらを考慮して、一定に保持される回転磁界の角速度ωhを決定することができる。
そして、本実施例においては、遅れ判定勾配が回転磁界の角速度ωhに基づいて取得され、アキュムレータ圧の実際の増加勾配が遅れ判定勾配より小さくなり、ロータ222の回転磁界に対する遅れが大きくなったことが検出された場合に、スイッチング素子232u,v,wの切換え制御を変えることにより、回転磁界の角速度が小さくされる。回転磁界の角速度がロータ222の回転数に近づけられるのであり、ロータ222の脱調が防止される。
ポンプモータ105は、アキュムレータ圧センサ109によって検出されたアキュムレータ圧Paccが設定範囲の下限値Pth1より低くなった場合に始動させられ、上限値Pth2より高くなった場合に停止させられる。図8のフローチャートで表されるポンプモータ制御プログラムは、アキュムレータ圧が下限値Pth1より低くなった場合に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)〜S4において、初期低速制御が行われる。本実施例においては、S1において、回転磁界の角速度が初期値ω0に設定される。S2,3において、アキュムレータ圧Paccが検出されて、設定圧Pths以上であるか否かが判定される。そして、アキュムレータ圧Paccが設定圧Pthsより低い場合には、S4において、回転磁界の制御が行われる。例えば、回転磁界の角速度が変えられたり、位相が変えられたりするのである。そして、アキュムレータ圧Paccが設定圧Pthsより低い間、S2〜4が繰り返し実行される。
上記設定圧Pthsは、例えば、下限値Pth1にアキュムレータ圧Paccが増加したと確認し得る増加判定値ΔPaを加えた値(Pths=Pth1+ΔPa)とすることができる。増加判定値ΔPaは、ロータ222が回転させられ、ポンプ104が作動させられ、アキュムレータ108に作動液が供給された、すなわち、ポンプモータ105が起動したと判定し得る値とすることができる。
そして、アキュムレータ圧Paccが設定圧Pths以上となり、ポンプモータ105が起動したと判定されると、S3の判定がYESとなり、S5において、回転磁界の角速度が設定角速度ωhとされる。回転磁界は、ロータ222が追従可能な状態で(脱調しない状態で)漸増させることが望ましい。
回転磁界の角速度が設定角速度ωhである状態において、アキュムレータ圧が低く、負荷が小さい間、ロータ222は回転磁界に追従して回転させられるため、アキュムレータ圧は、設定回転数ωhで決まるほぼ一定の勾配dPasで増加させられる。
S6,7において、アキュムレータ圧Paccが検出され、上限値Pth2より高くなったか否かが判定される。上限値Pth2以下の場合には、S8において、アキュムレータ圧の増加勾配dPaccが遅れ判定勾配dPar以下になったか否かが判定される。遅れ判定勾配dParは、例えば、勾配dPasから遅れ判定値ΔdParを引いた値(dPar=dPas−ΔdPar)とすることができるのであり、アキュムレータ圧の増加勾配dPaccが確実に減少したと判定し得る値とすることができる。アキュムレータ圧がほぼ一定の勾配dPasで増加している間、S6〜8が繰り返し実行される。
アキュムレータ圧Paccが高くなり、負荷が大きくなると、ロータ222の回転が回転磁界に対して遅れる。そして、アキュムレータ圧の増加勾配dPaccが遅れ判定勾配dPar以下になると、S8の判定がNOとなり、S9において、回転磁界の角速度が小さくされる。回転磁界の角速度は、例えば、図7の一対の破線と、その時点のアキュムレータ圧Pacc(=Pacx)とに基づいて決まる値(ωx)とすることができる。それにより、回転磁界に対するロータ222の遅れが小さくなる。S6〜9が繰り返し実行されることにより、アキュムレータ圧の増加に伴って回転磁界の角速度が連続的に小さくされる。そして、アキュムレータ圧Paccが上限値ΔPth2より高くなると、S7の判定がYESとなり、S10において、ポンプモータ105がOFFとされる。
本実施例におけるアキュムレータ圧の変化を図9に示す。
時間Taにおいて、アキュムレータ圧Paccが下限値Pth1より小さくなると、初期低速制御が行われる。時間Tbにおいて、アキュムレータ圧Paccが増加判定値ΔPa以上増加すると、回転磁界の角速度が設定角速度ωhとされて、保持される。アキュムレータ圧はほぼ一定の勾配ΔPasで増加させられるが、設定アキュムレータ圧Pahに達すると、ロータ222が回転磁界に追従することが困難となり、アキュムレータ圧の増加勾配dPaccが小さくなる。時間Tcにおいて、アキュムレータ圧の増加勾配dPaccが遅れ勾配dParより小さくなると、回転磁界の角速度が小さくされて、回転磁界に対するロータ222の遅れが小さくされる。換言すれば、回転磁界がロータ222の回転に近づけられるのである。時間Tdにおいて、アキュムレータ圧Paccが上限値Pth2に達すると、ポンプモータ105が停止させられる。
このように、本実施例においては、ポンプモータ105が回転位置センサ等を含まなくても、ロータ222の脱調を防止し得る等ポンプモータ105を良好に制御することができる。また、センサレスとすることができるため、ポンプモータ105の小形化およびコストダウンを図ることができる。
以上、本実施例においては、モータECU210の図8のフローチャートで表されるポンプモータ制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により通電制御部が構成され、通電制御部のうちのS5〜9を記憶する部分、実行する部分等により遅れ抑制制御部が構成される。また、アキュムレータ圧センサ109が吐出側液圧センサに対応し、通電制御部と、ポンプ104、ポンプモータ105、アキュムレータ圧センサ109等により高圧源装置が構成される。
なお、アキュムレータ圧の増加勾配が小さくなった場合には、ベクトルsの向きの変化速度のみならず、ベクトルsの大きさ、すなわち、印加電圧を大きくすることもできる。このようにすれば、ロータ222の回転数を一定にして、アキュムレータ圧の増加勾配を一定に保持することが可能となる。
また、上記実施例においては、アキュムレータ圧の増加勾配dPaccが小さくなった場合に、アキュムレータ圧Paccの増加に伴って回転磁界の角速度が連続的に小さくされるようにされていたが、段階的に小さくすることもできる。例えば、アキュムレータ圧の増加勾配dPaccが遅れ勾配dParより小さくなった場合に、角速度をωhから(ωh−Δω)として一定に保持する。そして、アキュムレータ圧の増加勾配dPaccが角速度(ωh−Δω)で決まる勾配より小さくなった場合に、角速度が小さくされるようにすることもできる。
さらに、S1〜4において行われる初期低速制御は、上記実施例における場合に限らない。例えば、初期値ω0は、常に一定の値とするのではなく、その時点のアキュムレータ圧等に基づいて決まる可変値とすることもできる。例えば、ポンプモータ105の始動時におけるロータ222の回転数(回転磁界の角速度の初期値ω0に対応)とアキュムレータ圧との関係を予め学習により取得して、その関係に基づいて初期値を決定したり、アキュムレータ圧センサ109によって検出されたアキュムレータ圧Paccに基づいて演算により取得したりすること等もできる。このように、可変値である初期値ω0を用いれば、ポンプモータ105を起動させるのに要する時間を短くすることができる。さらに、回転磁界の角速度を初期値ω0まで変化させる場合において、角速度を漸増させることが望ましい。回転磁界の角速度を漸増させることにより、ロータ222の回転数の増加加速度が抑制され、突入電流に起因する振動を抑制することができる。
また、ポンプ104の吐出側はアキュムレータに接続される場合に限定されず、背面室66に直接接続されるようにすることもできる。その場合には、背面室66の液圧の増加勾配に基づいて回転磁界が制御される。
さらに、回転磁界の角速度が設定角速度ωhであり、アキュムレータ圧の実際の増圧勾配がほぼ一定である場合のアキュムレータ圧の増圧勾配の平均値を取得し、その平均値からΔParを引いた値を遅れ判定勾配とすることもできる。
また、ブレーキ回路の構造は問わない等本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
18:ブレーキECU 96:高圧源 104:ポンプ 105:ポンプモータ 108:アキュムレータ 109:アキュムレータ圧センサ 210:モータECU 212:モータドライバ 220:ステータ 222:ロータ 232:スイッチング素子
特許請求可能な発明
(1)作動液を汲み上げて吐出するポンプを駆動するブラシレスのポンプモータであって、
複数のコイルを有するステータと、前記複数のコイルへの通電により生じる回転磁界に伴って回転させられるロータとを含み、前記ロータのステータに対する相対回転位置を検出する回転位置センサ等を含まないポンプモータ。
ブラシレスのポンプモータとしては、誘導モータ、ブラシレスDCモータ、交流モータ等とすることができる。
ブラシレスモータには、上記回転位置センサに加えて、ロータの磁石のステータに対する相対回転位置を検出するセンサも設けられるのが普通であるが、本項に記載のポンプモータはセンサレスのブラシレスモータとされる。
(2)(1)項に記載のポンプモータと、
前記複数のコイルへの通電を制御する通電制御部と
を含むモータ装置であって、
前記通電制御部が、前記回転磁界の角速度が一定に保持された状態で、前記ポンプの吐出側の液圧の増加勾配が前記一定の回転磁界の角速度である設定角速度に基づいて決まる勾配より小さくなった場合に、前記回転磁界の角速度を小さくすることにより、前記回転磁界に対する前記ロータの遅れを小さくする遅れ抑制制御部を含むことを特徴とするモータ装置。
回転磁界の角速度が一定に保持され、かつ、ロータが回転磁界に追従して回転している状態において、ポンプの吐出側の液圧は、その回転磁界の角速度に基づいて決まる増加勾配で増加させられる。それに対して、ロータの回転磁界に対する遅れが大きくなると、ポンプの吐出側の液圧の増加勾配は、その一定の角速度に基づいて決まる増加勾配より小さくなる。したがって、ポンプの吐出側の液圧の増加勾配が小さくなった場合には、ロータの回転磁界に対する遅れが大きくなったことがわかる。
そして、ポンプの吐出側の液圧の増加勾配が小さくなった場合に、回転磁界の角速度が小さくされる。回転磁界の角速度は連続的に小さくされても段階的に小さくされてもよい。いずれにしても、本項に記載のモータ装置においては、回転位置センサ等が含まれていなくても、ロータの脱調を良好に防止することができる。
(3)前記遅れ特性制御部が、前記回転磁界の角速度を、前記ポンプモータにおける前記ロータの回転数とトルクとの関係である特性と、前記ポンプの吐出側の液圧とに基づいて決まる角速度まで小さくする角速度減少部を含む(2)項に記載のモータ装置。
(4)(2)項または(3)項に記載のモータ装置と、
前記ポンプの吐出側の液圧を検出する吐出側液圧センサと
を含む高圧源装置であって、
前記遅れ抑制制御部が、前記回転磁界の角速度が一定に保持された状態で、前記吐出側液圧センサによって検出された液圧の増加勾配が小さくなった場合に、前記回転磁界の角速度を小さくすることにより前記回転磁界に対する前記ロータの遅れを小さくするものである高圧源装置。
(5)当該高圧源装置が、前記ポンプから吐出された液圧を蓄えるアキュムレータを含み、
前記吐出側液圧センサが、前記アキュムレータに蓄えられた作動液の液圧を検出するアキュムレータ圧センサであり、
前記遅れ抑制制御部が、前記アキュムレータ圧センサによって検出された液圧の増加勾配が小さくなった場合に、前記回転磁界の角速度を小さくすることにより前記回転磁界に対する前記ロータの遅れを小さくするものである(3)項または(4)項に記載の高圧源装置。
(6)(1)項に記載のポンプモータと、
前記複数のコイルへの通電を制御する通電制御部と
を含むモータ装置であって、
前記通電制御部が、前記回転磁界の角速度が一定に保持された状態で、前記ポンプの吐出側の液圧の増加勾配が小さくなった場合に、前記回転磁界に対する前記ロータの遅れが大きくなったと検出する遅れ検出部を含むモータ装置。
(7)(1)項に記載のポンプモータと、
前記複数のコイルへの通電を制御する通電制御部と
を含むモータ装置であって、
前記通電制御部が、前記回転磁界の角速度が一定に保持された状態で、前記ポンプの吐出側の液圧の増加勾配が小さくなった場合に、前記ポンプの吐出側の液圧が、前記角速度と前記ポンプモータの特性とで決まる液圧値より高くなったと推定する吐出側液圧推定部を含むモータ装置。
(6)項、(7)項に記載の技術的特徴は、(2)項,(3)項に記載のモータ装置、(4)項,(5)項に記載の高圧源装置に適用することができる。

Claims (1)

  1. 作動液を汲み上げて吐出するポンプと、
    そのポンプの吐出側の液圧を検出する吐出側液圧センサと、
    前記ポンプを駆動し、複数のコイルを有するステータと、前記複数のコイルへの通電により生じる回転磁界に伴って回転させられるロータとを含むブラシレスのポンプモータと、
    前記複数のコイルへの通電を制御する通電制御部と
    を含む高圧源装置であって、
    前記通電制御部が、前記回転磁界の角速度が設定角速度に一定に保持された状態で、前記吐出側液圧センサによって検出された液圧の増加勾配が、前記設定角速度に基づいて決まる勾配より小さくなった場合に、前記回転磁界の角速度を小さくすることにより、前記回転磁界に対する前記ロータの遅れを小さくする遅れ抑制制御部を含むことを特徴とする高圧源装置。
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