JP6531663B2 - 液圧ブレーキシステム - Google Patents

液圧ブレーキシステム Download PDF

Info

Publication number
JP6531663B2
JP6531663B2 JP2016028529A JP2016028529A JP6531663B2 JP 6531663 B2 JP6531663 B2 JP 6531663B2 JP 2016028529 A JP2016028529 A JP 2016028529A JP 2016028529 A JP2016028529 A JP 2016028529A JP 6531663 B2 JP6531663 B2 JP 6531663B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
pressure
hydraulic
pump
brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016028529A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017144902A (ja
Inventor
典彦 大河内
典彦 大河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2016028529A priority Critical patent/JP6531663B2/ja
Publication of JP2017144902A publication Critical patent/JP2017144902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6531663B2 publication Critical patent/JP6531663B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Description

本発明は、アキュムレータを含まない液圧ブレーキシステムに関するものである。
特許文献1には、(a)ブレーキシリンダと、(b)ブレーキシリンダに接続され、(b-1)ブラシレスモータと、そのブラシレスモータによって駆動される第1ポンプとを備えた第1ポンプ装置と、(b-2)ブラシ付きモータと、そのブラシ付きモータによって駆動される第2ポンプとを備えた第2ポンプ装置とを含み、アキュムレータを含まない第1、第2の2つの液圧ブレーキシステムが記載されている。
第1の液圧ブレーキシステムにおいて、正常時には、ブラシレスモータが作動させられ、第1ポンプから吐出された作動液がブレーキシリンダに供給されるが、第1ポンプ装置の故障時には、ブラシ付きモータが作動させられ、第2ポンプから吐出された作動液がブレーキシリンダに供給される。
第2の液圧ブレーキシステムにおいて、通常時には、ブラシレスモータとブラシ付きモータとの両方が駆動される([0079])。
特開2008−273440
本発明の課題は、アキュムレータを含まない液圧ブレーキシステムにおいて、ブレーキシリンダの液圧の増圧遅れを抑制しつつ、ポンプを駆動するブラシ付きモータの寿命を長くすることである。
課題を解決するための手段および効果
本願発明に係る液圧ブレーキシステムにおいては、液圧ブレーキの作動要求が出された場合等に、ブラシ付きモータ(ブラシモータと称するのが普通であるが、本明細書において、ブラシレスモータとの差を明確にするために、ブラシ付きモータと称する)とブラシレスモータとが作動させられ、ブレーキシリンダの液圧が目標液圧に近づいた場合に、ブラシ付きモータが停止させられる。
特許文献1に記載の第1の液圧ブレーキシステムにおいて、液圧ブレーキの作動要求が出された場合にブラシレスモータの作動により、第1ポンプから吐出された作動液がブレーキシリンダに供給される。そのため、図6に示すように、ブレーキシリンダの目標液圧(以下、単に目標液圧と称する。実線で表す)の増加に対する、ブレーキシリンダの実際の液圧(以下、単に実液圧と称する。破線で表す)の増加遅れが大きくなるという問題があった。また、特許文献1に記載の第2の液圧ブレーキシステムにおいては、ブラシレスモータとブラシ付きモータとの両方が作動させられるため、ブラシ付きモータの作動時間が長くなり、ブラシの摩耗が進み、寿命が短くなる等の問題があった。
それに対して、本願発明に係る液圧ブレーキシステムにおいては、液圧ブレーキの作動要求が出された場合等ブレーキシリンダの液圧を速やかに増加させる要求がある場合に、ブラシ付きモータとブラシレスモータとが作動させられ、ブレーキシリンダの液圧が目標液圧に近づいた場合にブラシ付きモータが停止させられる。そのため、アキュムレータが設けられていなくても、ブレーキシリンダの液圧の増圧遅れを良好に抑制しつつ、ブラシ付きモータの寿命を長くすることができる。
本発明の実施例1に係る液圧ブレーキシステムの回路図である。 上記液圧ブレーキシステムのブレーキECUの周辺を示す図である。 上記液圧ブレーキシステムにおいて、ブレーキ作動開始時のブレーキシリンダの液圧の変化等を示す図である。 (a)上記ブレーキECUの記憶部に記憶された増圧制御プログラムを表すフローチャートである。(b)上記増圧制御プログラムの一部を示すフローチャートである(S3)。 上記増圧制御プログラムの別の一部を示すフローチャートである(S4)。 特許文献1の第1液圧ブレーキシステムにおける、ブレーキ作動開始時のブレーキシリンダの液圧の変化等を示す図である。 本発明の実施例2に係る液圧ブレーキシステムの回路図である。
発明の実施形態
以下、本発明の一実施形態に係る液圧ブレーキシステムについて図面に基づいて詳細に説明する。
<液圧ブレーキシステムの構成>
図1に示すように、液圧ブレーキシステムは、(i)左右前輪2FL,2FRに設けられた液圧ブレーキ4FL,4FRのブレーキシリンダ6FL,6FRおよび左右後輪8RL,8RRに設けられた液圧ブレーキ10RL,10RRのブレーキシリンダ12RL,12RR、(ii)これらブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRに液圧を供給可能な動力液圧源としての第1、第2の2つのポンプ装置14,16、(iii)ブレーキシリンダ6FL,6FRに液圧を供給可能であって、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル20の操作によって液圧が発生させられるマニュアル液圧源としてのマスタシリンダ22、(iv)ブレーキシリンダ6FL,FR,12RL,RRの液圧を制御可能な複数の電磁弁を含む電磁弁装置24、(v)ブレーキシリンダ6FL,FR,12RL,RRが接続されるとともに、第1ポンプ装置14、第2ポンプ装置16が接続された共通通路26等を含む。
本実施例においては、電磁弁装置24および第1ポンプ装置14等がユニット化されて第1ユニット30とされ、ポンプ装置16等がユニット化されて第1ユニット30とは別の第2ユニット32とされる。
マスタシリンダ22は、2つの加圧ピストンを含むタンデム式のものであり、2つの加圧ピストンのうちの後退側に位置するものにブレーキペダル20が連携させられ、加圧ピストンの各々の前方が加圧室22a、bとされる。ブレーキペダル20が踏み込まれると、加圧ピストンが前進させられ、加圧室22a、bの各々に踏力に応じた液圧が発生させられる。
加圧室22a、bには、それぞれ、マスタ通路34,36を介して、ブレーキシリンダ6FL,FRが接続される。マスタ通路34,36には、それぞれ、常開の電磁弁であるマスタカット弁34c、36cが設けられ、マスタカット弁34c、36cの上流側には、それぞれ、加圧室22a、bの液圧をそれぞれ検出するマスタシリンダ圧センサ34s,36sが設けられる。なお、マスタ通路36のマスタカット弁36cの上流側にはストロークシミュレータ装置38が設けられ、マスタカット弁34c、36cが閉状態であっても、ブレーキペダル20の操作が許容される。
第1ポンプ装置14は、リザーバ40の作動液を汲み上げて吐出する第1ポンプ54と、その第1ポンプ54を駆動する第1電動モータであるブラシレスモータ56とを含む。第1ポンプ54は、第1ポンプ通路48を介して共通通路26に接続され、第1ポンプ通路48には、第1ポンプ54から共通通路26への作動液の流れは許容するが逆向きの流れを阻止する逆止弁である吐出弁54outが設けられる。
第2ポンプ装置16は、リザーバ40の作動液を汲み上げて吐出する第2ポンプ60と、その第2ポンプ60を駆動する第2電動モータであるブラシ付きモータ62とを含み、第2ポンプ60が、第2ポンプ通路50を介して共通通路26に接続される。第2ポンプ通路50には、逆止弁である吐出弁60outが設けられる。これら吐出弁54out、60outにより、第1ポンプ54,第2ポンプ60の一方から他方への作動液の流れが阻止される。また、第1ポンプ56、第2ポンプ60の吐出側には、リリーフ弁63が設けられ、第1ポンプ56、第2ポンプ60の吐出圧が過大になることが防止される。
電磁弁装置24は、(a)ブレーキシリンダ6FL,FR,12RL,RRの各々と共通通路26とを接続する個別通路44FL,FR,RL,RRに各々設けられた常閉の電磁弁である保持弁66FL,FR,RL,RRと、(b)ブレーキシリンダ6FL,FRの各々とリザーバ40とを接続する減圧通路68FL,FRに各々設けられた常閉の電磁弁である減圧弁70FL,FRと、(c)ブレーキシリンダ12RL,RRの各々とリザーバ40とを接続する減圧通路68RL,RRに各々設けられた常開の電磁弁である減圧弁70RL,RRとを含む。
以下、本明細書において、ブレーキシリンダ、保持弁、減圧弁等につき、総称する場合、車輪位置で区別する必要がない場合等には、車輪位置を表す符号FL,FR,RL,RRを省略する場合がある。
保持弁66、減圧弁70は、ソレノイドへの供給電流の大きさの制御により、前後の差圧を連続的に制御可能なリニア制御弁である。ブレーキシリンダ6,12の液圧は、保持弁66、減圧弁70によって、ほぼ同じ高さになるように制御される場合、車輪2,8のスリップ状態が路面の摩擦係数に対して適切な範囲となるように、個別に制御される場合等がある。
本液圧ブレーキシステムには、図2に示すブレーキECU80が設けられる。ブレーキECU80は、コンピュータを主体とするものであり、実行部、記憶部、入出力部等を含む。入出力部には、ブレーキペダル20の操作ストロークを検出する2つのストロークセンサ90a,b、マスタシリンダ圧センサ34s,36s、ブレーキシリンダ6FL,FR,12RL,RRに対応してそれぞれ設けられ、ブレーキシリンダ6FL,FR,12RL,RRの液圧をそれぞれ検出するブレーキシリンダ圧センサ92FL,FR,RL,RR、共通通路26の液圧を検出する共通通路圧センサ94等が接続されるとともに、保持弁66、減圧弁70、マスタカット弁34c、36c等が接続される。共通通路圧センサ94の検出値は、4つの個別通路44FL,FR,RL,RRの液圧の平均的な値であると考えたり、第1ポンプ54、第2ポンプ60の出力液圧の平均的な値、いずれか一方の出力液圧値であると考えたりすること等ができる。
ブラシレスモータ56にはモータドライバ100を介して第1モータECU102が接続され、ブラシ付きモータ60にはモータリレー104を介して第2モータECU106が接続される。第1モータECU102、第2モータECU106は、それぞれ、コンピュータを主体とするものであり、それぞれ、ブレーキECU80との間で通信可能とされている。
ブラシレスモータ56には、図示を省略するロータのステータに対する回転位置を検出する回転位置センサが取り付けられるのが普通である。ブラシレスモータ56は、第1モータECU102による回転位置センサの検出値に基づくモータドライバ100の制御により、作動させられる。そのため、ブラシレスモータ56を作動させるには、回転位置センサ、第1モータECU102、モータドライバ100を駆動する電圧が必要となる。
それに対して、ブラシ付きモータ60の出力は、第2モータECU106によるモータリレー104のON・OFF制御(デューティ制御)により制御可能である。しかし、デューティ制御が行われることは不可欠ではなく、少なくともモータリレー104がONとされれば、ブラシ付きモータ60は作動させられる。そして、本実施例においては、モータリレー106が、コイルの設計により、ブラシレスモータ56を作動させるために回転位置センサ、第1モータECU102、モータドライバ100を駆動する場合より低い電圧でOFFからONへ切換え可能なものとされる。
以上のように、本実施例に係る液圧ブレーキシステムにおいて、ブラシ付きモータ60はブラシレスモータ56より低い電圧で作動可能なものとされる。
なお、本液圧ブレーキシステムにはバッテリ110から電力が供給される。バッテリ110の電圧は電圧モニタ112によって検出されるが、電圧モニタ112はブレーキECU80に接続される。
以上のように構成された液圧ブレーキシステムにおいて、ブレーキペダル20が踏み込まれると、マスタカット弁34c、36cが閉状態とされ、第1ポンプ装置14と第2ポンプ装置16との少なくとも一方が作動させられる。少なくとも一方の出力液圧がブレーキシリンダ6,12に供給されるが、ブレーキシリンダ6,12の液圧は、電磁弁装置24によって制御される。
本実施例に係る液圧ブレーキシステムにおいては、バッテリ110の電圧Vが低く、ブラシレスモータ56を作動させることが困難である場合には、ブラシ付きモータ60が作動させられる。
また、バッテリ110の電圧が正常範囲内にある場合において、液圧ブレーキ4,10の作動要求が出された場合等には、ブラシレスモータ56とブラシ付きモータ60との両方が始動させられ、目標液圧から実液圧を引いた値である偏差が設定値より小さくなった場合に、ブラシ付きモータ60が停止させられる。
以下、具体的に説明する。
図4(a)のフローチャートで表される増圧制御プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、バッテリ110の電圧Vが電圧モニタ112により検出され、S2において、電圧Vが設定圧Vth以下であるか否かが判定される。電圧Vが設定圧Vthより高い場合には、S3において、正常電圧時制御が行われ、設定圧Vth以下である場合には、S4において、低電圧時制御が行われる。設定圧Vthは、ブラシレスモータ56の作動は困難であるが、ブラシ付きモータ60の作動は可能な範囲の電圧の高さとすることができる。
S3の正常電圧時制御について、図4(b)のフローチャートに基づいて説明する。
S11において、目標液圧Prefから実液圧Pを引いた値である偏差e(=Pref−P)が取得される。目標液圧Prefは、ストロークセンサ90a、b、マスタシリンダ圧センサ34s、36sの少なくとも一方の検出値等に基づいて取得される。実液圧Pは、4つのブレーキシリンダ圧センサ92の検出値の平均的な値としたり、共通通路圧センサ94の検出値としたりすること等ができる。
S12において、増圧制御中であるかどうか、すなわち、増圧中フラグがONであるか否かが判定される。増圧中フラグがOFFである場合には、S13において、増圧制御開始条件が成立するか否かが判定される。例えば、偏差eが増圧開始しきい値δsより大きいか否か(e>δs)、ブレーキペダル20が踏み込まれた場合等液圧ブレーキ4,10の作動要求が出されたか否かが判定される。偏差eが増圧開始しきい値δs以下であり、かつ、液圧ブレーキ4,10の作動要求がない場合には、S13の判定はNOとなる。S1,2,11,12,13が繰り返し実行されるが、偏差eが増圧開始しきい値δsより大きくなった場合、液圧ブレーキ4,10の作動要求が出された場合には、S13の判定がYESとなり、増圧制御が開始される。S14において、保持弁66が全開とされ(すべての保持弁66のソレノイドに電流が供給され)、減圧弁70が全閉とされ(常開の減圧弁70RL,RRのソレノイドには電流が供給され)る。S15において、第1モータECU102、第2モータECU106に、ブラシレスモータ56、ブラシ付きモータ60の始動指令がそれぞれ出力され、それにより、ブラシレスモータ56、ブラシ付きモータ62がONとされる(始動させられる)。また、S16において、増圧中フラグがONとされる。
増圧中フラグがONとされたため、S12の判定がYESとなり、S17において増圧制御の終了条件が成立するか否か、例えば、偏差eが増圧終了しきい値δe以下になったか否かが判定され、S18において、ブラシ付きモータ停止条件が成立するか否か、すなわち、偏差eが停止しきい値δm以下になったか否かが判定される。停止しきい値δmは増圧制御において、大きな勾配でブレーキシリンダの液圧を増加させる必要性が低いと判断される値であり、例えば、増圧終了しきい値δeより大きく、増圧開始しきい値δsより小さい値とすることができる。
δs>δm>δe
いずれも成立しない場合には、S1,2,11,12,17,18が繰り返し実行され、ブレーキシリンダ6,12の液圧は大きな勾配で増加させられる。そのうち、偏差eが停止しきい値δm以下になると、S18の判定がYESとなり、S19において、ブラシ付きモータ62が作動状態にあるか否かが判定される。最初にS19が実行される場合には判定はYESであるため、S20において、第2モータECU106へブラシ付きモータ62の停止指令が出力され、それにより、ブラシ付きモータ62がOFFとされる(停止させられる)。また、S21において、保持弁66のソレノイドへの供給電流が、実液圧Pが目標液圧Prefに近づくように制御される。第1ポンプ装置14から供給される液圧を利用して、保持弁66のソレノイドへの供給電流の制御によりブレーキシリンダ6,12の液圧が制御されるのであり、例えば、フィードバック制御やフィードフォワード制御が行われるようにすることができる。
その後、ブラシ付きモータ62はOFFであるため、S19の判定がNOとなり、S20が実行されることなく、S21において、保持弁66への供給電流の制御が継続して行われる。そして、偏差eが増圧終了しきい値δe以下になると、S17の判定がYESとなり、S22において、第1モータECU102へブラシレスモータ56の停止指令が出力され、それにより、ブラシレスモータ56がOFFとされる。S23,24において、保持弁66が全閉とされ、増圧中フラグはOFFとされる。増圧モードから保持モードに切り換えられるのであり、減圧弁70は閉状態に保持される。
本実施例において、正常電圧時制御が行われた場合のブレーキシリンダ液圧の変化を図3に示す。
時間t0において、ブレーキペダル20が踏み込まれ、液圧ブレーキ4,10の作動要求が出され、増圧制御が開始される。保持弁66が全開とされ、ブラシレスモータ56もブラシ付きモータ62も始動させられる(S14,15)。第1ポンプ54、第2ポンプ60からブレーキシリンダ6,12に作動液が供給されるのであり、それに応じた勾配で、すなわち、ほぼ一点鎖線に沿って実液圧P(破線で表す)が増加させられる。そのため、実線で表す目標液圧Prefと実液圧Pとの差が小さくなり、増圧遅れが小さくなる。
そして、時間t1において、偏差eが停止しきい値δm以下になる(S18)と、ブラシ付きモータ60が停止させられる(S20)。その後、第1ポンプ54から供給された作動液を利用して保持弁66が制御されることによりブレーキシリンダ6,12の液圧が制御される(S21)。本実施例においては、第1ポンプ54の出力液圧の増加勾配は、二点鎖線が示すように、目標液圧Prefの増加勾配より大きいため、保持弁66により減圧されてブレーキシリンダ6FL,FR,12RL,RRに供給される。そして、時間t2において、偏差eが増圧終了しきい値δe以下になると、増圧モードから保持モードに切り換えられる。ブラシレスモータ60も停止させられ、保持弁66が全閉とされる(S22、23)。
S4の低電圧時制御においては、ブラシレスモータ54は非作動状態に保たれる点が、S3の正常電圧時制御における場合と異なるが、その他の部分は、おおよそ正常電圧時制御と同じである。そのため、S4の低電圧時制御については、図5のフローチャートに基づいて簡単に説明する。
S31において、偏差eが取得され、S32において、増圧制御中であるか否かが判定される。増圧制御中でない場合には、S33において、偏差eが増圧開始しきい値δsより大きいか否か、液圧ブレーキ6,10の作動要求が出されたか否かが判定される。少なくとも一方が満たされた場合には、S34,35において、保持弁66が全開、減圧弁70が全閉とされるとともに、ブラシ付きモータ62の始動指令が、第2モータECU106に出力されて、ブラシ付きモータ62が始動させられる。また、S36において、増圧中フラグがONとされる。
次に、増圧中フラグがONであるため、S32の判定がYESとなり、S37において、偏差eが増圧終了しきい値δe以下になったか否かが判定されるが、増圧終了しきい値δeより大きい場合には、S38において、ブラシ付きモータ60の作動が継続させられ、保持弁66の制御により(保持弁66は全開の場合もある)ブレーキシリンダ6,12の液圧が制御される。
そして、偏差eが増圧終了しきい値δe以下になると、S39において、第2モータECU106に、ブラシ付きモータ62の停止指令が出力され、それによりブラシ付きモータ62が停止させられる。S40,41において、保持弁66が全閉とされて、増圧中フラグがOFFとされる。
以上のように、本実施例においては、バッテリ110の電圧Vが設定圧Vthより低い場合であっても、前後左右の4つのブレーキシリンダ6FL,FR,12RL,RRに、第2ポンプ60の液圧が保持弁66により制御されて供給される。そのため、バッテリ110の電圧が設定圧Vthより低い場合に、左右前輪のブレーキシリンダ6FL,FRにマスタシリンダ22の液圧が供給される場合に比較して、制動フィーリングの変化を抑制し、運転者の違和感を軽減することができる。
また、液圧ブレーキ4,10の作動要求が出された場合等に、ブラシレスモータ56とブラシ付きモータ60との両方が作動させられ、実液圧が目標液圧に近づいた場合に、ブラシ付きモータ60が停止させられる。その結果、アキュムレータが設けられていなくても、ブレーキシリンダ6,12の増圧遅れを抑制しつつ、ブラシ付きモータ56におけるブラシの摩耗を抑制し、寿命を長くすることができる。
本実施例においては、ブレーキECU80のS3,4を記憶する部分、実行する部分、モータドライバ100、第1モータECU102、モータリレー104、第2モータECU106等によりモータ制御部が構成される。また、停止しきい値δmが設定値に対応する。なお、動力駆動源としての第1ポンプ装置14、第2ポンプ装置16、上記モータ制御部等により動力液圧発生装置が構成される。
実施例1に係る液圧ブレーキシステムは、ポンプと電動モータとを備えた第1、第2の2つのポンプ装置14,16を含むものであったが、実施例2に係る液圧ブレーキシステムは、1つのポンプと2つの電動モータとを含むものとされる。その一例を図7に示す。
本実施例においては、動力液圧源としてのポンプ装置150が、共通通路26にポンプ通路152を介して接続された1つのポンプ160と、ポンプ160を駆動するブラシレスモータ162およびブラシ付きモータ164とを含む。ブラシレスモータ162とブラシ付きモータ164とは互いに互いに同軸上に設けられる。ブラシレスモータ162は、モータドライバ100を介して第1モータECU102によって制御され、ブラシ付きモータ164はモータリレー104を介して第2モータECU106によって制御される。これらブラシレスモータ162と、ブラシ付きモータ164とは、実施例1における場合と同様に制御されるようにすることができる。
本実施例においても、ブレーキシリンダ6,12の増圧遅れを良好に抑制しつつ、ブラシ付きモータ164の寿命を長くすることができる。
なお、上記実施例においては、液圧ブレーキ4,10の作動要求が出された場合と、増圧モードが設定された場合との少なくとも一方の場合に、ブラシレスモータ56とブラシ付きモータ60とが始動させられるようにしたが、そのようにすることは不可欠ではない。例えば、液圧ブレーキ4,10が作動要求が出された場合、すなわち、非作動状態から作動状態に切り換えられる場合にのみ、ブラシレスモータ56とブラシ付きモータ60との両方が始動させられ、作動状態にある液圧ブレーキ4,10において、ブレーキシリンダ6,12の液圧を増圧させる場合、例えば、保持モードや減圧モードの次に増圧モードが設定された場合には、ブラシレスモータ56のみが始動させられるようにすることもできる。
また、その他、液圧ブレーキシステムの構造は問わない等本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
4,10:液圧ブレーキ 6,12:ブレーキシリンダ 14:第1ポンプ装置 16:第2ポンプ装置 54:第1ポンプ 56:ブラシレスモータ 60:第2ポンプ 62:ブラシ付きモータ 66:保持弁 70:減圧弁 80:ブレーキECU 100:モータドライバ 102:第1モータECU 104:モータリレー 106:第2モータECU 150:ポンプ装置 160:ポンプ 162:ブラシレスモータ 164:ブラシ付きモータ
特許請求可能な発明
(1)車輪の回転を抑制する液圧ブレーキのブレーキシリンダと、
そのブレーキシリンダに接続された少なくとも1つのポンプと、
その少なくとも1つのポンプを駆動するブラシレスモータおよびブラシ付きモータと、
前記液圧ブレーキの作動要求が出された場合に、前記ブラシレスモータとブラシ付きモータとを始動させるモータ制御部と
を含むことを特徴とする液圧ブレーキシステム。
例えば、ブレーキ操作部材が操作され、液圧ブレーキの作動要求が出された場合等、ブレーキシリンダの液圧を速やかに増加させる必要性が高い場合に、ブラシレスモータとブラシ付きモータとの両方が作動させられる。その結果、ブレーキシリンダの液圧を速やかに増加させることができる。少なくとも1つのポンプは、それぞれ、ギヤポンプであってもプランジャポンプであってもよい。
また、保持モードや減圧モードから増圧モードに切り換えられた場合等には、ブラシレスモータとブラシ付きモータとの両方を始動させても、ブラシ付きモータを停止状態に維持したままブラシレスモータのみを始動させてもよい。
(2)前記モータ制御部は、前記ブレーキシリンダについての目標液圧から実際の液圧である実液圧を引いた値である偏差が設定値より小さくなった場合に、前記ブラシ付きモータを停止させるモータ停止部を含む(1)項に記載の液圧ブレーキシステム。
偏差が設定値より小さくなった場合に、ブラシ付きモータが停止させられる。その結果、ブラシ付きモータが継続して作動させられる場合に比較して、ブラシ付きモータの作動時間を少なくすることができ、ブラシ付きモータの寿命を長くすることができる。
設定値は、実液圧が目標液圧に近づき、ブレーキシリンダの液圧を大きな勾配で増加させる必要性が低いと判断され得る大きさとすることができる。
(3)前記ブラシ付きモータが、前記ブラシレスモータより、より低い電圧で作動可能とされた(1)項または(2)項に記載の液圧ブレーキシステム。
ブラシ付きモータの最低作動電圧はブラシレスモータの最低作動電圧より低くされる。
(4)前記モータ制御部が、当該液圧ブレーキシステムが正常である場合には、前記ブラシレスモータとブラシ付きモータとの少なくとも一方を作動させ、前記ブラシレスモータの作動が困難である場合に、前記ブラシ付きモータを作動させるブラシ付きモータ作動部を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキシステム。
ブラシレスモータの作動が困難である場合とは、モータドライバ、回転位置センサ、第1モータECUが異常である場合、電源電圧が低く、ブラシレスモータを作動させることが困難である場合等が該当する。
(5)前記少なくとも1つのポンプと前記ブレーキシリンダとの間に設けられた電磁弁と、
その電磁弁の制御により前記ブレーキシリンダの液圧を制御する電磁弁制御部と
を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキシステム。
少なくとも1つのポンプの出力液圧の増加勾配が、目標液圧の増加勾配より大きい場合には、電磁弁の制御により減圧されて、ブレーキシリンダに供給される場合もある。電磁弁(実施例における保持弁、減圧弁)は、ソレノイドへの供給電流の連続的な制御によりブレーキシリンダの液圧を連続的に制御可能なリニア弁であっても、供給電流のONOFFにより開閉させられる単なる開閉弁であってもよい。
(6)前記少なくとも1つのポンプである1つのポンプに対して、前記ブラシレスモータと前記ブラシ付きモータとが同軸上に設けられた(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキシステム。
(7)前記少なくとも1つのポンプである2つのポンプのうちの一方が、前記ブラシレスモータによって駆動される第1ポンプとされ、前記2つのポンプのうちの他方が、前記ブラシ付きモータによって駆動される第2ポンプとされた(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキシステム。
なお、液圧ブレーキシステムに、ポンプ、電動モータを備えたポンプ装置を3つ以上設けてもよい。
(8)前記ブラシレスモータと前記第1ポンプと前記電磁弁とを備えた第1ユニットと、
その第1ユニットとは別の、前記ブラシ付きモータと前記第2ポンプとを備えた第2ユニットと
を含む(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
(9)液圧作動装置に接続された動力液圧発生装置であって、
少なくとも1つのポンプと、
その少なくとも1つのポンプを駆動するブラシレスモータおよびブラシ付きモータと、
前記液圧作動装置の作動要求が出された場合に、前記ブラシレスモータとブラシ付きモータとを始動させ、前記少なくとも1つのポンプの出力液圧が目標液圧に近づいた場合に、前記ブラシ付きモータを停止させるモータ制御部と
を含むことを特徴とする動力液圧発生装置。
本項に記載の動力液圧発生装置には、(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
また、液圧作動装置は、車両の車輪の回転を抑制する液圧ブレーキのブレーキシリンダとしたり、車高を調整可能な液圧シリンダ等の車高調整アクチュエータとしたりすること等ができる。

Claims (1)

  1. 車輪の回転を抑制する液圧ブレーキのブレーキシリンダと、
    そのブレーキシリンダに接続された少なくとも1つのポンプと、
    その少なくとも1つのポンプを駆動するブラシレスモータおよびブラシ付きモータと、
    前記液圧ブレーキの作動要求が出された場合に、前記ブラシレスモータと前記ブラシ付きモータとを始動させ、前記ブレーキシリンダの目標液圧から実際の液圧である実液圧を引いた値である偏差が設定値より小さくなった場合に、前記ブラシレスモータを停止させることなく前記ブラシ付きモータを停止させるモータ制御部と
    を含むことを特徴とする液圧ブレーキシステム。
JP2016028529A 2016-02-18 2016-02-18 液圧ブレーキシステム Expired - Fee Related JP6531663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016028529A JP6531663B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 液圧ブレーキシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016028529A JP6531663B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 液圧ブレーキシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017144902A JP2017144902A (ja) 2017-08-24
JP6531663B2 true JP6531663B2 (ja) 2019-06-19

Family

ID=59681913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016028529A Expired - Fee Related JP6531663B2 (ja) 2016-02-18 2016-02-18 液圧ブレーキシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6531663B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100588A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Hitachi Ltd ブレーキ装置
JP2008273440A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Hitachi Ltd ブレーキ液圧制御装置
JP5862590B2 (ja) * 2013-03-27 2016-02-16 株式会社アドヴィックス 車両用ブレーキ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017144902A (ja) 2017-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10189454B2 (en) Brake system
JP5869527B2 (ja) 液圧ブレーキシステムおよび液圧制御装置
JP2007216773A (ja) 車両用ブレーキ制御装置
CN110035937B (zh) 车辆制动系统和方法
US8096624B2 (en) Brake control apparatus for vehicle
WO2017146194A1 (ja) 車両用制動装置
JP5947757B2 (ja) 液圧ブレーキシステム
CN109789855B (zh) 制动器控制装置
JPH10152041A (ja) ブレーキ装置
JP4333252B2 (ja) 車輌の制動力制御装置
JP2022099964A (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6531663B2 (ja) 液圧ブレーキシステム
JP4780948B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
KR102231112B1 (ko) 차량의 능동 유압 부스터 시스템 및 그 제어방법
JP2005047386A (ja) 車輌の制動力制御装置
JP6082949B2 (ja) 車両の制動装置
JP6015538B2 (ja) 電磁弁制御装置、ブレーキ液圧制御システム、ブレーキ液圧制御方法
CN110167802B (zh) 用于车辆的再生制动系统和用于运行车辆的再生制动系统的方法
JP4337435B2 (ja) 液圧制御装置
JP6781580B2 (ja) 車両用制動装置
JP4590676B2 (ja) 車両の制動力配分制御方法
JP6352697B2 (ja) 液圧ブレーキシステム
JP4337568B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP4211665B2 (ja) 車両用制動力制御装置
JP7268480B2 (ja) 制動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190506

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6531663

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees