JP2014210497A - 電磁弁制御装置、ブレーキ液圧制御システム、ブレーキ液圧制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このように、温度補正係数に基づいて標準特性に基づいて決まる制御電圧が補正されて出力されるため、コイルの温度の変化に起因して特性が変わっても、電磁弁を良好に制御することができる。
コイルに加えられる電圧とコイルに流れる電流との関係(以下、特性と称する場合がある)は温度の影響を受ける。
それに対して、第1の制御において取得された第1の電磁弁のコイルの実際の電圧と電流との関係に基づいて第2の制御が行われるようにすれば、例えば、第2の制御を、実際の温度で決まる電圧と電流との関係に基づいて開始することが可能となる。その結果、第2の制御の開始時から第2の電磁弁を良好に制御することが可能となり、応答性の低下を良好に抑制することができる。
前記コイル電流制御部が、前記少なくとも1つの電磁弁のうちの1つ以上の電磁弁である第1の電磁弁に対して行われる第1の制御において取得された実際の電圧と電流との関係に基づいて、前記少なくとも1つの電磁弁のうちの1つ以上の電磁弁である第2の電磁弁に対する第2の制御を行う関連型制御部を含むことを特徴とする電磁弁制御装置。
例えば、第1の電磁弁に対して第1の制御が行われる場合と第2の電磁弁に対して第2の制御が行われる場合とで、第1の電磁弁のコイルの温度と第2の電磁弁のコイルの温度とがほぼ同じであると考えられる場合には、第1の制御において取得された実際の電圧と電流との関係が、第2の制御が行われる場合にもほぼ同様に成立すると考えられる。換言すれば、第2の制御が開始される前に、温度センサを用いることなく、現実の温度で決まる電圧と電流との関係を取得することが可能となる。その結果、第2の制御の開始時から実際の温度における特性を用いることが可能となり、第2の制御の応答遅れを抑制することができる。
また、第1の制御において前記関係が取得された時と第2の制御が開始された時とで、電磁弁の温度が多少異なっていても、第2の制御の開始時に、第1の制御において取得された関係が用いられれば、予め記憶されている関係(例えば、標準温度で取得された関係)が用いられる場合に比較して、応答遅れを良好に抑制し得る。
例えば、第1の制御の終了時からの経過時間が設定時間(終了後設定時間)以内に第2の制御が開始された場合、第1の制御の制御中に第2の制御が開始された場合、第1の制御の開始時からの経過時間が設定時間(開始時設定時間)以内に第2の制御が開始された場合等においては、第2の制御において、第1の制御において取得された電圧と電流との関係を用いることが有効である。
第1の電磁弁と第2の電磁弁とは、同一の物(同一物体)であっても互いに異なる物(別物体)であってもよいが、例えば、第1の電磁弁と第2の電磁弁とが同じユニット(電磁弁保持体が同じ)に設けられる場合には、第1の電磁弁と第2の電磁弁とが離間して設けられても、これらのコイルの温度同士はほぼ同じであると考えることができる。
第1の制御、第2の制御は、電磁弁の本来の機能を発揮し得る制御をいい、例えば、電圧と電流との関係を取得するためのコイルへの供給電流の制御は該当しない。また、第1の制御と第2の制御とは、同じ制御であっても互いに異なる制御であってもよいが、第2の制御において要求される応答性のレベルが第1の制御において要求される応答性のレベルより高い場合には、より効果的である。
本項に記載の電磁弁制御装置は、(第1の電磁弁と第2の電磁弁とが同一物体であり、かつ、第1の制御と第2の制御とが異なる場合)、(第1の電磁弁と第2の電磁弁とが別物体であり、かつ、第1の制御と第2の制御とが異なる場合)、(第1の電磁弁と第2の電磁弁とが別物体であり、かつ、第1の制御と第2の制御とが同じ場合)に適用される。
「電圧」、「電流」は、それ自体としても、1対1に対応する値としてもよい。例えば、電圧がスイッチング部のデューティ制御により制御される場合には、デューティ比は電圧と1対1に対応する。
(2)前記第1の電磁弁と第2の電磁弁とが互いに異なる物とされた(1)項に記載の電磁弁制御装置。
(3)前記第2の制御が、その第2の制御において要求される応答性のレベルが前記第1の制御において要求される応答性のレベル以上の制御である(1)項または(2)項に記載の電磁弁制御装置。
(4)前記関連型制御部が、前記第1の制御の制御中または前記第1の制御の終了時からの経過時間が第1設定時間以内に、前記第2の制御が開始される場合に、その第2の制御を、前記第1の制御において取得された前記実際の関係に基づいて開始する第1開始時関連制御部を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
(5)前記関連型制御部が、前記第1の制御の制御中または前記第1の制御の終了時からの経過時間が第1設定時間以内に、前記第2の制御の開始条件が成立した場合に、前記第1の制御において取得された前記実際の関係に基づいて前記第2の制御を直ちに開始する第2開始時関連制御部を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
「第1の制御の終了時からの経過時間が設定時間以内」には、第1の制御の終了時も含まれる(経過時間が0である)。また、「第1の制御の制御中」は、第1の制御の開始後、終了前の間をいう。
第1の制御において、電流と電圧との関係が適宜更新されても一定であってもよい。適宜更新される場合には、第2の制御が開始される直前(第2の制御の開始時に最も近い時)に、第1の制御において取得された関係を用いて第2の制御が開始されるようにすることが望ましい。
第1設定時間は、例えば、第1の電磁弁のコイルの温度と第2の電磁弁のコイルの温度とがほぼ同じであると推定される時間とすることができる。「第1の制御時からの経過時間が設定時間以内に第2の制御が開始される場合」には、例えば、第1の制御が終了した直後に第2の制御が開始される場合、第1の制御と第2の制御とが連続して行われた場合(第1の制御の終了時に第2の制御が開始される場合)等が該当する。
(6)前記関連型制御部が、前記第1の制御において前記電流と電圧との関係が取得された時点からの経過時間が第2設定時間以内に、前記第2の制御が開始される場合に、その第2の制御を、前記第1の制御において取得された前記実際の関係に基づいて開始する第3開始時関連制御部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
第2設定時間は第1設定時間と同じ長さであっても異なる長さであってもよい。
(7)前記コイル電流制御部が、前記第1の制御における前記実際の電圧と電流との関係に基づいて補正値を決定する補正値決定部を含み、
前記関連型制御部が、前記補正値決定部によって決定された補正値を用いて前記第2の制御を行うものである(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
(8)前記コイル電流制御部が、(a)前記コイルの温度が標準温度である場合の前記電圧と電流との関係である標準関係を記憶する標準関係記憶部と、(b)その標準関係記憶部に記憶された前記標準関係と目標電流とに基づいて前記電圧の制御に関する制御指令値である標準時制御指令値を作成する標準時指令値作成部と、(c)前記コイルの温度が実際の温度である場合の前記電圧と電流との関係に基づいて補正値を取得する補正値取得部と、(d)前記標準時制御指令値作成部によって作成された前記標準時制御指令値を前記補正値取得部によって取得された補正値を使って補正して作成した補正制御指令値に基づいて、前記電圧を制御する温度補正対応制御部とを含み、
前記関連型制御部が、前記第1の制御において前記補正値取得部によって取得された補正値を用いて、前記第2の制御を開始するものである(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
第1の制御において補正値が取得された場合と第2の制御が開始された場合とで、第1の電磁弁のコイルの温度と第2の電磁弁のコイルの温度とがほぼ同じであると考えられる場合には、第1の制御において取得された補正値を、そのまま、第2の制御の開始時に用いることができる。
補正値を、コイルの温度が標準温度である場合の電流に対する電圧の勾配に対するコイルの温度が実際の温度である場合の勾配の比率とすることができる。この補正値(比率)と標準特性(標準関係)とに基づけば、コイルの温度が実際の温度である場合における実際の電圧と電流との関係である実特性(実関係)を取得することができるのであり、第2の制御を、実特性に基づいて開始することができる。
前記コイルの温度が標準温度である場合の前記電圧と電流との関係である標準関係を記憶する標準関係記憶部と、
(i)前記標準関係記憶部に記憶された前記標準関係と目標電流とに基づいて標準時制御電圧を決定する標準時制御電圧決定部と、(ii)前記コイルの温度が実際の温度である場合の前記電圧と電流とに基づいて前記標準時制御電圧を補正してFF制御指令値を作成するFF制御指令値作成部とを備えたフィードフォワード制御部と、
(iii)前記フィードフォワード制御部によって前記電磁弁のコイルに加えられる電圧が制御された状態で、前記電磁弁のコイルに実際に流れる電流である実電流を取得する実電流取得部と、(iv)その実電流取得部によって取得された前記実電流と前記目標電流との偏差が小さくなるようにFB制御指令値を作成するFB制御指令値作成部とを備えたフィードバック制御部と
を含み、前記フィードフォワード制御部によって作成された前記FF制御指令値と前記フィードバック制御部によって作成された前記FB制御指令値とに基づいて前記電圧を制御する複合型制御部である(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
FB制御指令値は、目標電流と実電流との偏差が小さくなるように作成されるものであるが、目標電流と標準関係とに基づいて決まる標準時制御電圧と、実電流と標準関係とに基づいて決まる制御電圧である換算標準時制御電圧との偏差が小さくなるように作成されるようにすることができる。
目標電流と実電流との偏差が大きくても、フィードバック制御部によって作成されたFB制御指令値に基づけば、実際の電流を目標電流に近づけることができる。しかし、第1回目(最初)に制御指令値が出力される場合には、実際の電流が検出される前であるため(実際の電流が検出されていないため)、FB制御指令値が作成されていない。また、実際の電圧と電流とに基づいて標準時制御電圧を補正することもできない。
それに対して、直前に行われた第1の制御において取得された実際の電圧と電流との関係に基づいて第2の制御において標準時制御電圧が補正されてFF制御指令値が作成されるようにすれば、第2の制御において最初に制御指令値が出力される場合であっても実際の電圧と電流との関係を考慮することができる。
(10)当該電磁弁制御装置が、
前記コイルの温度が標準温度である場合の前記電圧と電流との関係である標準関係を記憶する標準関係記憶部と、
前記標準関係記憶部に記憶された前記標準関係と目標電流とに基づいて標準時制御電圧を決定する標準時制御電圧決定部と、
その標準時制御電圧決定部によって決定された前記標準時制御電圧を前記コイルの温度が実際の温度である場合の前記電圧と電流とに基づいて補正して、前記電圧についての制御指令値である実温度補正制御指令値を作成する実温度補正制御指令値作成部と、
その実温度補正制御指令値作成部によって作成された前記実温度補正制御指令値に基づいて前記電圧が制御された場合に、前記電磁弁に実際に流れる電流である実電流を取得する実電流取得部と、
その実電流取得部によって取得された前記実電流と前記目標電流との偏差が小さくなるように制御指令値である偏差対応制御指令値を作成する偏差対応制御指令値作成部と
を含み、これら偏差対応制御指令値作成部によって作成された前記偏差対応制御指令値と、前記実温度制御指令値作成部によって作成された前記実温度補正制御指令値とに基づいて前記電圧を制御するフィードバック制御装置である(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
コイルの電流制御の一連の実行を、フィードバック制御とフィードフォワード制御とに分けて考えたり、一連の実行の全体をフィードバック制御であると考えたりすることができる。
(11)前記偏差対応制御指令値作成部が、前記実電流取得部によって取得された実電流と前記標準関係とに基づいて換算された換算標準時制御電圧と前記標準時制御電圧との偏差が小さくなるように電圧偏差対応制御指令値を作成する電圧偏差対応制御指令値作成部を含む(10)項に記載の電磁弁制御装置。
(13)前記第1の電磁弁と前記第2の電磁弁とが、互いに異なる制御対象装置に接続されたものである(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
(14)前記コイル電流制御部が、前記少なくとも1つの電磁弁のコイルへの供給電流を各々個別に制御可能な制御回路を含む(1)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
例えば、制御回路において、電源に対して、直列に接続されたスイッチング部およびコイルが、並列に1つ以上接続されるようにすることができる。
(15)少なくとも1つの電磁弁の各々のコイルへの供給電流を、それらコイルの各々に加えられる電圧を制御することにより制御するコイル電流制御部を含む電磁弁制御装置であって、
前記コイル電流制御部が、前記少なくとも1つの電磁弁のうちの1つ以上の電磁弁である第1の電磁弁に対して行われる第1の制御において取得された前記コイルの温度に関連する情報に基づいて、前記少なくとも1つの電磁弁のうちの1つ以上の電磁弁である第2の電磁弁に対する第2の制御を行う関連型制御部を含むことを特徴とする電磁弁制御装置。
本項に記載の電磁弁制御装置には、(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
「温度に関連する情報」には、温度、温度と1対1に対応する情報(温度の変化に伴って変化する情報)等が含まれる。温度に関連する情報は、温度センサによって検出された温度自体に限定するものではない。
前記コイル電流制御部が、
前記複数の電磁弁のうちの少なくとも1つの電磁弁である第3の電磁弁のコイルへの供給電流の制御により前記複数のブレーキシリンダのうちの前記第3の電磁弁に接続された少なくとも1つのブレーキシリンダである第1のブレーキシリンダの液圧について第1の制御を行う第1の制御部と、
前記複数の電磁弁のうちの少なくとも1つの電磁弁である第4の電磁弁のコイルへの供給電流の制御により前記複数のブレーキシリンダのうちの前記第4の電磁弁に接続された少なくとも1つのブレーキシリンダである第2のブレーキシリンダの液圧について第2の制御を行う第2の制御部と
を含むとともに、
前記第1の制御部が、前記第1の制御において、前記第3の電磁弁のコイルに加えられる実際の電圧と前記コイルに流れた実際の電流との関係を取得する関係取得部を含み、
前記第2の制御部が、前記関係取得部によって取得された前記関係に基づいて前記第2の制御を行う関連型制御部を含むことを特徴とするブレーキ液圧制御システム。
本項に記載のブレーキ液圧制御システムには、(1)項ないし(15)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
第1の制御、第2の制御を、ブレーキシリンダの液圧を制御することにより車輪のスリップ状態を制御するスリップ制御とすることができる。例えば、第1の制御を、前後制動力配分制御、左右制動力配分制御、ビークルスタビリティ制御のうちの1つとして、第2の制御を、アンチロック制御とすることができる。アンチロック制御においては高い応答性が要求されるのであり、制御開始時から電磁弁を実際の温度で決まる関係に基づいて制御されることが望ましい。そのため、アンチロック制御より先に行われた制御において取得された実際の電圧と電流との関係に基づいてアンチロック制御が開始されるようにすることは妥当なことである。
また、第1の制御と第2の制御とが、アンチロック制御である場合には、例えば、第1の制御において後輪の電磁弁のコイルについて取得された実際の電圧と電流との関係に基づいて、第2の制御において前輪の電磁弁のコイルの供給電流が制御されるようにすることができる。
第3の電磁弁と第4の電磁弁とは互いに同一の物(同一物体)であっても異なる物(別物体)であってもよい。また、第3の電磁弁を第1の電磁弁とし、第4の電磁弁を第2の電磁弁とすることができる。
(17)前記第1の制御が前後制動力配分制御であり、前記第2の制御がアンチロック制御であり、前記第3の電磁弁が、前記複数の車輪のうちの後輪のブレーキシリンダに接続されたものであり、前記第4の電磁弁が、前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のブレーキシリンダに接続されたものである(16)項に記載のブレーキ液圧制御システム。
前後制動力配分制御は、高μ路においてブレーキシリンダの液圧が設定液圧以上の場合に行われるのが普通である。そして、前後制動力配分制御が行われている状態で、少なくとも1輪のスリップが大きくなると、アンチロック制御が開始される。このように、前後制動力配分制御とアンチロック制御とは連続して行われたり、前後制動力配分制御中にアンチロック制御が開始されたりすることがある。
(18)車両の複数の車輪にそれぞれ設けられた複数の液圧ブレーキのブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御方法であって、
前記複数のブレーキシリンダのうちの少なくとも1つのブレーキシリンダである第1のブレーキシリンダの液圧についての第1の制御において、前記第1のブレーキシリンダに対応して設けられた第3の電磁弁のコイルへの供給電流を、そのコイルに加えられる電圧の制御により制御するとともに、前記第3の電磁弁のコイルに加えられた実際の電圧と前記コイルに流れた実際の電流との関係を取得する第1制御工程と、
その第1制御工程の制御中、または、前記第1制御工程の終了時からの経過時間が設定時間以内に開始された前記複数のブレーキシリンダのうちの少なくとも1つのブレーキシリンダである第2のブレーキシリンダの液圧についての第2の制御において、前記第2のブレーキシリンダに対応して設けられた第4の電磁弁のコイルへの供給電流を、前記第1制御工程において取得された前記実際の電圧と電流との関係に基づいて制御する第2制御工程と
を含むことを特徴とするブレーキ液圧制御方法。
なお、第1制御工程の制御中とは、制御が開始後、終了前をいう。
本項に記載のブレーキ液圧制御方法には、(1)項ないし(17)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
なお、本液圧ブレーキシステムは、ハイブリッド車両に搭載したり、電気自動車、燃料電池車両に搭載したり、内燃駆動車両に搭載することもできる。ハイブリッド車両、電気自動車、燃料電池自動車等に搭載された場合には、駆動輪に回生制動力が加えられるため、回生協調制御が行われるが、内燃駆動車両においては、回生協調制御が行われることはない。いずれにしても、本液圧ブレーキシステムにおいて、液圧ブレーキのブレーキ力が所望の大きさとなるよう電気的に制御される。
図1に示すように、液圧ブレーキシステムは、(i)左右前輪2FL,2FRに設けられた液圧ブレーキ4FL,4FRのブレーキシリンダ6FL,6FRおよび左右後輪8RL,8RRに設けられた液圧ブレーキ10RL,10RRのブレーキシリンダ12RL,12RR、(ii)これらブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRに液圧を供給可能な液圧発生装置14、(iii)これらブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRと液圧発生装置14との間に設けられたスリップ制御弁装置16等を含む。液圧発生装置14、スリップ制御弁装置16等は、コンピュータを主体とするブレーキECU20(図2参照)によって制御される。
液圧発生装置14は、(i)ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24、(ii)マスタシリンダ26、(iii)マスタシリンダ26の背面室の液圧を制御する背面液圧制御装置28等を含む。
{マスタシリンダ}
マスタシリンダ26は、(a)ハウジング30、(b)ハウジング30に形成されたシリンダボアに、互いに直列に、液密かつ摺動可能に嵌合された加圧ピストン32,34および入力ピストン36等を含む。
加圧ピストン32,34の前方が、それぞれ、前方加圧室40,42とされる。前方加圧室40には液通路44を介して左右前輪2FL,2FRの液圧ブレーキ4FL,4FRのブレーキシリンダ6FL,6FRが接続され、前方加圧室42には液通路46を介して左右後輪8RL,8RRの液圧ブレーキ10RL,10RRのブレーキシリンダ12RL,12RRが接続される。これら液圧ブレーキ4FL,4FR,10RL,10RRは、それぞれ、ブレーキシリンダ6FL,6FR,12RL,12RRに液圧が供給されることにより作動させられ、車輪2FL、2FR,8RL,8RRの回転を抑制する。
以下、本明細書において、液圧ブレーキ等につき、車輪位置を区別する必要がない場合等には、車輪位置を表すFL,FR,RL,RRを省略する場合がある。
また、加圧ピストン32とハウジング30との間、2つの加圧ピストン32,34の間には、それぞれ、リターンスプリングが配設され、加圧ピストン32,34を後退方向に付勢する。加圧ピストン32,34が後退端位置にある場合には、前方加圧室40,42は、それぞれ、リザーバ52に連通させられる。
一方、ハウジング30には、円環状の内周側突部64が設けられ、中間ピストン部58の後方、すなわち、後小径部60が液密かつ摺動可能に嵌合される。その結果、中間ピストン部58の後方の、中間ピストン部58と内周側突部64との間に背面室66が形成される。
加圧ピストン34の後方に入力ピストン36が位置し、後小径部60と入力ピストン36との間が入力室70とされる。入力ピストン36の後部には、ブレーキペダル24がオペレイティングロッド72等を介して連携させられる。
また、連結通路80の連通制御弁82より環状室62側の部分に、シミュレータ通路88を介してストロークシミュレータ90が接続される。ストロークシミュレータ90は、シミュレータ通路88、連結通路80を介して入力室70に接続されるため、連通制御弁82の開状態において作動が許容され、閉状態において阻止される。このように、連通制御弁82はシミュレータ制御弁としての機能を有するものである。
さらに、連結通路80のリザーバ通路84が接続された部分より環状室側の部分に、液圧センサ92が設けられる。液圧センサ92は、環状室62,入力室70が互いに連通させられ、かつ、リザーバ52から遮断された状態において、環状室62,入力室70の液圧を検出する。液圧センサ92によって検出された液圧は、ブレーキペダル24の操作力に応じた大きさとなるため、操作力センサ、あるいは、操作液圧センサと称することができる。
背面室66には背面液圧制御装置28が接続される。
背面液圧制御装置28は、(a)高圧源100,(b)レギュレータ102,(c)リニア弁装置103等を含むが、これらはユニット化されて背面液圧制御ユニット104とされる。
高圧源100は、ポンプ105およびポンプモータ106を備えたポンプ装置と、ポンプ装置から吐出された作動液を加圧した状態で蓄えるアキュムレータ108とを含む。アキュムレータ108に蓄えられた作動液の液圧であるアキュムレータ圧は、アキュムレータ圧センサ109よって検出されるが、アキュムレータ圧が予め定められた設定範囲内に保たれるように、ポンプモータ106が制御される。
レギュレータ102は、(d)ハウジング110と、(e)ハウジング110に、軸線Lと平行な方向に、互いに直列に並んで設けられたパイロットピストン112および制御ピストン114とを含む。ハウジング110には、段付き形状を成したシリンダボアが形成され、大径部に、パイロットピストン112、制御ピストン114が液密かつ摺動可能に嵌合され、小径部に高圧源100に接続された高圧室116が形成される。パイロットピストン112とハウジング110との間がパイロット圧室120とされ、制御ピストン114の後方が制御圧室122とされ、制御ピストン114と、シリンダボアの大径部と小径部との段部との間がサーボ室124とされる。また、サーボ室124と高圧室116との間に高圧供給弁126が設けられる。
一方、制御ピストン114の本体の中央部には、軸線Lと平行に延びた嵌合穴が形成されるとともに、軸線Lと直交する方向(半径方向)に延びた部分を有し、嵌合穴に連通させられた液通路140が形成される。液通路140は、リザーバ52に接続された低圧ポートに常時連通させられる。
嵌合穴には、軸線Lと平行に延びた開弁部材144が嵌合される。開弁部材144の中央部には軸線Lと平行に軸方向通路146が形成され、後側の端部が液通路140に開口し、前側の端部が弁子132に対向する。その結果、開弁部材144の弁子132に対向する前端部と低圧ポートとが、軸方向通路146,液通路140を介して接続される。
また、開弁部材144とハウジング110との間にはスプリング150が設けられ、制御ピストン114(開弁部材144を有する)を後退方向に付勢する。
このように、制御ピストン114は、概して段付き形状を成し、大径部の後方が制御圧室122とされ、大径部と小径部との段部の前方がサーボ室124とされるため、増圧ピストンとしての機能を果たし、サーボ室124の液圧が制御圧室122の液圧に対して大きくされる。
さらに、サーボ室124にはサーボ通路154を介してマスタシリンダ26の背面室66が接続される。サーボ室124と背面室66とは直接接続されるため、サーボ室124の液圧と背面室66の液圧とは原則として同じ高さになる。なお、サーボ通路154にはサーボ液圧センサ156が設けられ、サーボ室124の液圧であるサーボ液圧が検出される。
左右前輪2FR,2FLのブレーキシリンダ6FR,6FLに対応して、それぞれ、保持弁170FR,170FL、減圧弁172FR,172FLが設けられるとともに、左右後輪8RL、8RRのブレーキシリンダ12RL、12RRに対応して、それぞれ、保持弁176RL、176RR、減圧弁178RL、178RRが設けられる。これら、保持弁170FR,170FL,176RL,176RRは、液圧発生装置14とブレーキシリンダ6FR,6FL、12RL,12RRとの間に設けられ、減圧弁176FR,176FL,178RL,178RRは、ブレーキシリンダ6FR,6FL、12RL,12RRとリザーバ52との間に設けられる。保持弁170,176は、コイル170s,176sへの供給電流の制御により開閉させられる常開弁であり、減圧弁172,178は、コイル172s,178sへの供給電流の制御により開閉させられる常閉弁である。
これら保持弁170,176、減圧弁172,178等を含むスリップ制御弁装置16はユニット化される(保持弁170,176および減圧弁172,178は同一の弁保持体に保持される)が、背面液圧制御ユニット104とは離れた位置に設置される。
ブレーキECU20には、図2に示すように、上述の操作液圧センサ92,アキュムレータ圧センサ106,サーボ液圧センサ156が接続されるとともに、ブレーキペダル24のストローク(以下、操作ストロークと称する場合がある)を検出するストロークセンサ200,コイルに流れる電流を監視する電流モニタ202、各車輪2,8の各々に対応して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ204、車両の走行状態を検出する走行状態検出装置206等が接続されるとともに、ポンプモータ106、保持弁170,176、減圧弁172,178のコイル170s、176s、172s、178s等が接続される。
走行状態検出装置206は、ヨーレイトセンサ、横Gセンサ等を含み、車両の旋回状態等を取得する。
ブレーキECU20は、コンピュータを主体とするものであり、実行部210、記憶部212、制御回路214等を含む。記憶部212には、図5(b)に示す標準特性(コイルの温度が標準温度である場合のコイルに加えられる電圧と電流との関係をいう。以下、同様とする)等、複数のプログラムやテーブル等が記憶されている。また、本液圧ブレーキシステムは、電源250から供給される電気エネルギにより作動させられる。
図3(a)の制御回路において、
u(t)=R・i(t)+L・di(t)/dt
が成立する。u(t)はスイッチング素子252のデューティ制御によりコイル172sに印加された電圧であり、i(t)はコイル172sに流れる電流である。また、Lはコイル172sのインダクタンスであり、Rはコイル172sの抵抗値と考える。
上式をラプラス変換すると(d/dt=s)、下式が得られる。
I(s)={1/(L・s+R)}・U(s)
上式に示すように、電圧(デューティ比)と電流との間の伝達関数は一次遅れ応答の式で表される。図3(b)に示すように、電流値は、デューティ比の変化に対して(過渡的に)、遅れて増加し、その後(定常的に)、デューティ比および抵抗値で決まる一定の大きさとなる。
R(T)=R(T0)+γ(T−T0)
Tは実際の温度であり、T0は標準温度(例えば、25℃)であり、γは正の係数である。そのため、線形領域における電流とデューティ比との関係は、図5(a)に示すように、標準温度である場合には実線が示す関係となり、温度が高くなると二点鎖線に示す関係となり、温度が低くなると一点鎖線に示す関係となる。
[通常制動時制御]
本液圧ブレーキシステムが電気自動車、ハイブリッド自動車等に搭載される場合には、原則として回生協調制御が行われる。
例えば、運転者によってブレーキペダル24が踏み込まれた場合等には制動要求が出される。この制動要求に応じた制動力が回生制動力で満たされる場合には液圧ブレーキ4,10が作動させられることはない。
リニア弁装置103が制御されることはなく、レギュレータ102は非作動状態にある。マスタシリンダ26の背面室66に液圧が供給されることはない。
マスタシリンダ26において、連通制御弁82が開状態、リザーバ遮断弁86が閉状態とされるため、入力室70と環状室62とが連通させられるとともに、これらがリザーバ52から遮断されて、ストロークシミュレータ90に連通させられる。ブレーキペダル24の前進に伴って入力ピストン36が、加圧ピストン34に対して相対的に前進させられ、ストロークシミュレータ90が作動させられる。
また、中間ピストン部58の環状室62に対向する受圧面の面積と後小径部60の入力室70に対向する受圧面の面積とが同じであるため、加圧ピストン34において、入力室70の液圧に起因する前進方向の力と、環状室62の液圧に起因する後退方向の力とが釣り合う。この状態において、原則として、加圧ピストン34は前進させられず、前方加圧室40,42に液圧が発生させられることはない。ブレーキシリンダ6,12に液圧が供給されることはなく、液圧ブレーキ4,10は非作動状態にある。
レギュレータ102において、リニア弁装置103の制御により制御圧室122の液圧が増加させられる。制御ピストン114の前進により、サーボ室124がリザーバ52から遮断されて、高圧室116に連通させられ、サーボ液圧Psbが背面室66に供給される。マスタシリンダ26において、背面室66の液圧により加圧ピストン34が前進させられ、前方加圧室40,42に液圧が発生させられ、ブレーキシリンダ6,12に供給されて、液圧ブレーキ4,10が作動させられる。
このようにリニア弁装置103の制御によって、ブレーキシリンダ6,12の液圧が制御されるのであり、液圧制動力と回生制動力とにより運転者が要求する制動力が満たされるように制御される。
本液圧ブレーキシステムが内燃駆動車両に搭載された場合、また、回生協調制御が行われない場合には、運転者の要求する制動力が液圧ブレーキ4,10により満たされるように、リニア弁装置103が制御される。
{前後制動力配分制御}
例えば、液圧ブレーキ4,10の作用状態において、ブレーキシリンダ6,12の液圧が開始しきい値より大きくなった場合、後輪8のスリップ状態が前輪2のスリップ状態に対して大きくなった場合等開始条件が成立した場合に前後制動力配分制御が開始される。
前後制動力配分制御においては、例えば、前輪2の制動力と後輪8の制動力との比率が理想配分線で規定される比率に近づくように、左右後輪8のブレーキシリンダ12の液圧の増加勾配が左右前輪2のブレーキシリンダ6の液圧の増加勾配に対して抑制されるのであり、保持弁176が開閉制御される。
なお、電磁弁の開閉制御とは、制御指令値が出力される毎に開状態と閉状態とのいずれかに切り換えられる(制御サイクル時間の間、開状態あるいは閉状態のいずれかの状態にある)制御をいい、スイッチング素子252のデューティ制御とは、制御サイクルタイムの間、開状態と閉状態とに交互に切り換えられる制御をいう。デューティ制御によりコイルに供給される電流値(電流の大きさ)が制御されるのであり、コイルに供給される電流量に応じて電磁弁が開状態または閉状態とされる。
そして、例えば、ブレーキシリンダ6,12の液圧が終了しきい値より小さくなった場合、車両が停止した場合、後輪8に対してアンチロック制御が開始された場合等終了条件が成立した場合に終了させられる。
例えば、車輪2,8の少なくとも1輪の制動スリップが開始しきい値より大きくなった場合、回転減速度が設定減速度以上になった場合等の車輪のロック傾向が設定レベルより強くなった場合に開始条件が成立してアンチロック制御が開始される。
アンチロック制御において、例えば、車輪のスリップ状態が路面の摩擦係数で決まる適正な範囲内にあるように、ブレーキシリンダ6,12の液圧がそれぞれ個別に制御される。車輪の回転加速度、制動スリップ状態、ブレーキシリンダの液圧等に基づいて減圧モード、保持モード、緩増圧モードのいずれかが選択的に決定され、それに応じて、保持弁170,176、減圧弁172,178が個別に開閉させられる。
例えば、車両が停止した場合、車両の走行速度が設定速度以上になった場合等終了条件が成立した場合に終了させられる。
{ビークルスタビリティ制御}
車両の走行状態が、ドリフトアウト傾向、スピン傾向が強い状態になり、開始条件が成立すると、ビークルスタビリティ制御が開始される。ビークルスタビリティ制御は、液圧ブレーキ4,10の作用状態において行われる場合もある。
ビークルスタビリティ制御において、車輪2,8のブレーキシリンダ6,12の液圧の個別の制御により、ドリフトアウト抑制モーメント、スピン抑制モーメントが加えられる。
例えば、車両の走行状態が安定化した場合等終了条件が成立した場合に終了させられる。
なお、車両の走行状態に基づいて左右制動力配分制御が行われる場合もある。
また、前後制動力配分制御、アンチロック制御、ビークルスタビリティ制御等の態様はあくまで一例であり、本実施例における制御態様に限定されない。
コイル170s、172s、176s、178sへの供給電流の制御について図4に従って説明する。本実施例においては、アンチロック制御が行われる場合の、減圧弁172のコイル172sへの供給電流の制御について説明する。他のコイルへの供給電流の制御についても同様である。
目標電流演算部300において、減圧弁172のコイル172sに供給される電流の目標値(目標電流)Irefが決定される。
例えば、アンチロック制御において、保持弁170,176、減圧弁172,178の各々のコイルについての目標電流が、それぞれ、減圧、保持、緩増圧等のモード毎に予め決められている場合、減圧、保持、緩増圧等のいずれかのモードが設定された場合の車輪のスリップ状態、ロック傾向等に基づいて決められる場合等がある。例えば、減圧弁172のコイル172sについての目標電流Irefは、車輪2のロック傾向が強い場合に減圧勾配が大きく(開度が大きく)なる大きさに決定されるようにすることができる。また、減圧モードが設定された時点のブレーキシリンダ液圧が高い場合は低い場合より目標電流Irefが大きな値に決定されるようにすることもできる。
温度対応補正部304において、デューティ比決定部302において決定されたデューティ比Dnが温度補正係数KTを用いて補正されて、出力される(デューティ比Dout)。温度対応補正部304における実行等については後述する。
ノイズ除去部308においては、入力されたデューティ比Dout1が下限値(例えば、0とすることができる)と上限値(例えば、100%とすることができる)との間にない場合には、下限値、あるいは、上限値に決定されて、出力される(Dout2)。
スイッチング素子制御部310は、入力されたデューティ比Dout2でスイッチング素子252を制御するものである。そのデューティ比Dout2によるスイッチング素子252の制御によりコイル172sにそれに応じた電流が供給される。
A/D変換部320において、電流モニタ202において検出された実電流Ia(アナログ値)がディジタル値に変換されて出力される。
電流モニタ補正部321において、電流モニタ202の温度補正が行われたり、ディジタル値が電流値に変換されたりする。
ディジタルフィルタ322において、ノイズ等が除去されて、平滑化される。本実施例においては、移動平均値が取得されて出力される(Iaf)。
換算デューティ比取得部324において、入力された実電流Iafと、記憶部212に記憶された標準特性とに基づいて実電流Iafに対応するデューティ比Dnafが取得される。実電流Iafが標準特性を用いてデューティ比に換算されるのである。
そして、実電流Iafに対応するデューティ比Dnafと目標電流Irefに対応するデューティ比Dnとの差である偏差(Dn−Dnaf)が取得され、PID制御部326に供給される。PID制御部326においては、デューティ比の偏差(Dn−Dnaf)が小さくなるように、PID制御値DPIが取得される。そして、温度対応補正部304から出力されたデューティ比Doutに加えられる。
なお、デューティ比の偏差(Dn−Dnaf)が設定値以上大きい場合等には割り込み処理が行われる。
それに対して、PID制御部326の出力値DPI,温度対応補正部304の出力値Doutが、それぞれ、フィードバック制御指令値DFB、フィードフォワード制御指令値DFFであると考えた場合には(DPI=DFB,Dout=DFF)、スイッチング素子制御部310に入力されるデューティ比(Dout2)は、フィードフォワード制御指令値とフィードバック制御指令値とを合わせた大きさ(DFB+DFF)に応じた値とされるのであり、スイッチング素子252については、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを合わせた制御が行われると考えることができる。また、この場合のフィードバック制御を狭義のフィードバック制御と称することができる。
デューティ比決定部302においては、目標電流Irefと図5(b)の実線が示す標準特性とに基づいてデューティ比Dnが決定されるのであるが、コイル172sの抵抗値Rは前述のように、温度の変化に伴って変化する。そのため、図5(a)に示すように、デューティ比Dnでスイッチング素子252が制御された場合において、コイル172sの実際の温度である実温度が標準温度より低い場合には目標電流Irefより大きい電流が流れる(Ia1>Iref)が、実温度が標準温度より高い場合には目標電流Irefより流れる電流が小さくなる(Ia2<Iref)。
そこで、本実施例においては、温度対応補正部304において、標準特性で決まるデューティ比Dnが実際の温度に基づいて補正されて、出力される。
D=α・I
で規定される。αは勾配であり、コイル172sの抵抗に対応する。
温度補正係数KTは、コイルの温度が標準温度である場合の電流に対するデューティ比の勾配αn(=ΔDn/ΔIn)に対する、実際の温度である場合の勾配αa(=ΔDa/ΔIa)の比率(=αa/αn)であり、実際に加えられたデューティ比Da,実際にコイル172sに流れた電流Ia(図4に示すIafに対応),電流Ia(Iaf)と標準特性とで決まるデューティ比Dn(図4に示すDnafに対応)に基づいて、下式に従って決定される。
KT=Da/Dn(Dnaf)
そして、上式において、目標電流Irefと標準特性とに基づいて決まるデューティ比をDn(デューティ比決定部302の出力値)、コイル172sの温度が現実の温度である場合に目標電流Irefが得られるのに必要なデューティ比をDout(温度対応補正部304の出力値)として(Da→Dout)整理すると、下式が得られる。
Dout=KT・Dn
上式に示すように、温度対応補正部304において、デューティ比決定部302から供給されたデューティ比Dnに温度補正係数KTを掛けた値デューティ比Doutが取得されて、出力されるのである。
一方、PID制御部326により、実電流と目標電流との差が小さくなるように制御指令値としてのデューティ比DPIが出力されるため、温度補正係数KTが求められなくても実電流を目標電流に近づけることができる。しかし、アンチロック制御の開始時点(第1回目に制御指令値としてのデューティ比が作成される時)には実電流を取得することができないため、PID制御部326における制御が行われないのが普通である。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、前後制動力配分制御中であるかどうかが判定され、制御中でない場合には、S2において、前述のように開始条件が成立したか否かが判定される。開始条件が成立しない場合には、S1,2が繰り返し実行される。
そのうちに開始条件が成立すると、S3において、前後制動力配分制御が行われる。具体的には、後輪8の保持弁176のコイル176sへの供給電流が制御され、保持弁176が開閉させられる。それにより、後輪8のブレーキシリンダ12の液圧の増加勾配が前輪2のブレーキシリンダ6の液圧の増加勾配に対して抑制される。
そして、前後制動力配分制御中である場合には、S1の判定がYESとなるため、S4において、前述の終了条件が成立したかどうかが判定される。終了条件が成立しない間、S1,2、4が繰り返し実行され、前後制動力配分制御が継続して行われるが、終了条件が成立した場合にはS5において終了処理が行われる。
なお、前後制動力配分制御中においては、制御中フラグがONとされる。
S11において、実際のスイッチング素子252の制御に用いられたデューティ比Daが取得され、S12において、定常状態に達した後の実際の電流Iaが電流モニタ202によって取得される。そして、S13において、実際の電流Ia(Iaf)と標準特性とに基づいてデューティ比Dn(Dnaf)が取得される(デューティ比取得部324)。デューティ比Dnafは、コイル172sの温度が標準温度である場合に電流Iaが得られるデューティ比である。そして、S14において、温度補正係数KTcが取得されて、記憶される{Da/Dn(Dnaf)}。なお、温度補正係数KTcは、前後制動力配分制御中に、適宜更新されるようにしても、前後制動力配分制御中一定の値としてもよい。
S21において、アンチロック制御中であるかどうかが判定され、アンチロック制御中でない場合には、S22において、前述の開始条件が成立するかどうかが判定される。開始条件が成立しない場合には、S21,22が繰り返し実行されるが、開始条件が成立すると、S23において、前回行われたスリップ制御弁装置16における制御(本実施例においては前後制動力配分制御)の終了から設定時間が経過したか否かが判定される。換言すれば、前後制動力配分制御中であるか、前後制動力配分制御の終了時からの経過時間が設定時間以内であるかどうかが判定される。設定時間は、例えば、温度がほぼ一定に保たれる時間とすることができる。コイル172sの抵抗は温度変化に伴って変化するため、コイル172sに電流が供給されなくなって設定時間以上が経過し、温度が低下すると、前回の制御において取得された温度補正係数KTcを用いることは不適切であるからである。なお、前後制動力配分制御とアンチロック制御とが並行して行われる場合もあるのであり、後輪8の保持弁176のコイル176sへの供給電流の制御が行われるとともに前輪2の減圧弁172、保持弁170のコイル172s,170sへの供給電流の制御が行われることもある。
それに対して、経過時間が設定時間より短い場合には、S26において、前後制動力配分制御において取得された温度補正係数KTcが読み込まれ、アンチロック制御の温度補正係数KTの初期値KTcとされる。そして、S25において、その温度補正係数KTcを用いてアンチロック制御が開始される(第1回目の制御指令値が出される)。アンチロック制御の開始時には減圧モードが設定され、減圧弁172のコイル172sに電流が供給されるが、この場合に、温度対応補正部304において、温度補正係数KTcによってデューティ比Dnが補正されて出力される。
そして、アンチロック制御中であるため、S21の判定がYESとなり、S27において、前述の終了条件が成立したかどうかが判定される。終了条件が成立する前には、S21,27,26が繰り返し実行され、終了条件が成立すると、S28において、終了処理が行われる。
なお、アンチロック制御中において、温度補正係数KTは適宜更新されるようにしても、一定の値に保たれるようにしてもよい。
本実施例においては、第1の制御が前後制動力配分制御とされ、第2の制御がアンチロック制御とされ、第1の電磁弁、第3の電磁弁が保持弁176とされ、第2の電磁弁、第4の電磁弁が減圧弁172とされる。
また、減圧モードの次に、保持モード、緩増圧モードが設定されると、保持弁170のコイル170sへの供給電流の制御が開始されるが、その場合においても、前後制動力配分制御において取得された温度補正係数KTcが初回から用いられるようにすることができる。
それに対して、減圧弁172のコイル172sへの供給電流の制御において、温度補正係数KTが更新された場合には、その更新された直前の温度補正係数KT*が保持弁170のコイル170sへの供給電流の制御において用いられるようにすることができる。その場合には、第1の制御、第2の制御が、アンチロック制御とされ、第1の電磁弁、第3の電磁弁が減圧弁172とされ、第2の電磁弁、第4の電磁弁が保持弁170とされる。
さらに、前輪2の次に後輪8に対してアンチロック制御が開始された場合にも、同様に、前後制動力配分制御において取得された温度補正係数KTcが減圧弁178、保持弁176のコイル178s、176sへの供給電流の制御に初回から用いられるようにすることができる。保持弁176のコイル176sの供給電流の制御に用いられる場合には、第1の制御が前後制動力配分制御とされ、第2の制御がアンチロック制御とされ、第3の電磁弁、第4の電磁弁が同じ(保持弁176)とされる。
また、この場合には、前輪2に対して行われるアンチロック制御において更新された温度補正係数KTfが後輪8に対して行われるアンチロック制御に用いられるようにすることもできる。
時間t1において、前後制動力配分制御の開始条件が成立したため、保持弁176について開閉制御が行われる。この場合に、コイル176sに流れた実際の電流Iaが取得され、その実電流と実際のデューティ比Daとに基づき温度補正係数KTcが取得される。
時間t2において、前輪2に対してアンチロック制御の開始条件が成立し、減圧モードが設定されて減圧弁172が開状態とされる。この時には前後制動力配分制御中であるため、前後制動力配分制御において取得された温度補正係数KTcがそのままアンチロック制御の開始時から用いられる。減圧弁172のコイル172sへの供給電流の制御の初回(第1回目)の制御指令値としてのデューティ比が温度補正係数KTcを用いて決定されるのである。
時間t3において、保持モードが設定され保持弁170が閉状態とされる。この保持弁170のコイル170sへの供給電流の制御においても初回から温度補正係数KTcが用いられる。
時間t4において、緩増圧モードが設定される。保持弁170が開閉させられるのであり、ブレーキシリンダ液圧が緩やかな勾配で増圧させられる。以降、前輪6のスリップ率が路面の摩擦係数で決まる適正範囲内に保たれるように、減圧モード、保持モード、緩増圧モードのいずれかが適宜選択されて、保持弁170、減圧弁172が開閉させられる。
また、時間t5において、後輪8についてもアンチロック制御が開始される。減圧モードが設定され、減圧弁178のコイル178sへの供給電流の制御が開始される。この減圧弁178のコイル178sへの供給電流の制御についても開始時から温度補正係数Ktcが用いられる。時間t6において、保持モードが設定され、保持弁176が閉状態とされる。保持弁176のコイル176sへの供給電流の制御においても温度補正係数KTcが用いられる。
さらに、アンチロック制御の次にビークルスタビリティ制御が開始される場合もあり、その場合には、アンチロック制御において取得された温度補正係数KTがビークルスタビリティ制御に用いられる。
また、本実施例においては、前後制動力配分制御中または制御の終了時からの経過時間が設定時間以内にアンチロック制御が開始される場合に、前後制動力配分制御において取得された温度補正係数KTcがアンチロック制御において用いられるようにされたが、前後制動力配分制御において温度補正係数KTcが取得された時点からの経過時間が前記設定時間以内にアンチロック制御が開始される場合に、アンチロック制御において温度補正係数KTcが用いられるようにすることができる。前後制動力配分制御において、温度補正係数KTcが適宜取得される場合には、アンチロック制御の開始時と直前の温度補正係数の取得時との時間が設定時間以内であるかどうかが判断されることになる。
そのうちの、制御回路214、記憶部202、ブレーキECU20のS23,25,26を記憶する部分、実行する部分、デューティ比決定部302、温度対応補正部304、スイッチング素子制御部310等により関連型制御部、開始時関連制御部が構成され、そのうちの、記憶部202等により標準関係記憶部が構成され、デューティ比決定部302等により標準時制御指令値作成部が構成され、温度対応補正部304、スイッチング素子制御部310等により温度補正対応制御部が構成される。この場合には、デューティ比Dnが標準時制御電圧に対応し、デューティ比Doutが補正制御指令値に対応し、温度補正係数が補正値に対応する。
また、標準時制御指令値作成部は標準時制御電圧決定部でもあり、その場合には、デューティ比Dnが標準時制御電圧に対応する。
さらに、温度対応補正部304等により実温度補正制御指令値作成部、FF制御指令値作成部が構成され、その場合には、デューティ比Doutが実温度補正制御指令値、FF制御指令値に対応する。
また、電流モニタ202が実電流取得部に対応し、PID制御部326等により偏差対応制御指令値作成部、FB制御指令値作成部が構成され、デューティ比DPIがFB制御指令値、偏差対応制御指令値に対応する。
なお、コイル電流制御部は複合型制御部であると考えることもできる。
さらに、コイル電流制御部の図6のフローチャートで表される前後制動力配分制御プログラムを記憶する部分、実行する部分、図7のフローチャートで表される温度補正係数取得プログラムを実行する部分、記憶する部分等により第1の制御部が構成され、そのうちの、図7のフローチャートで表される温度補正係数取得プログラムを実行する部分、記憶する部分等により関係取得部が構成される。また、図8のフローチャートで表されるアンチロック制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により第2の制御部が構成され、そのうちの、S25,26を記憶する部分、実行する部分等により関連型制御部が構成される。
さらに、図6のフローチャートで表される前後制動力配分制御プログラムの実行、図7のフローチャートで表される温度補正係数取得プログラムの実行が第1制御工程の実行に対応し、図8のフローチャートで表されるアンチロック制御プログラムの実行が第2制御工程の実行に対応する。
また、特性は、原点(0,0)を通る線分で表される特性として規定したが、原点を通らない(例えば、電流0の場合に電圧が0より大きい点)線分(切片が0より大きい線分)で表される特性とすることもできる。
さらに、第1の電磁弁、第2の電磁弁は、例えば、車両調整装置に設けられた電磁弁に適用すること等もできる等、本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
Claims (9)
- 複数の電磁弁の各々のコイルへの供給電流を、それらコイルの各々に加えられる電圧を制御することにより制御するコイル電流制御部を含む電磁弁制御装置であって、
前記コイル電流制御部が、前記複数の電磁弁のうちの1つ以上の電磁弁である第1の電磁弁のコイルに対する第1の制御において取得された実際の電圧と電流との関係に基づいて、前記複数の電磁弁から前記第1の電磁弁を除いた電磁弁のうちの1つ以上の電磁弁である第2の電磁弁のコイルに対する第2の制御を行う関連型制御部を含むことを特徴とする電磁弁制御装置。 - 前記関連型制御部が、前記第1の制御の制御中または前記第1の制御の終了時からの経過時間が設定時間以内に、前記第2の制御が開始される場合に、その第2の制御を、前記第1の制御において取得された前記実際の関係に基づいて開始する開始時関連制御部を含む請求項1に記載の電磁弁制御装置。
- 前記コイル電流制御部が、(a)前記コイルの温度が標準温度である場合の前記電圧と電流との関係である標準関係を記憶する標準関係記憶部と、(b)その標準関係記憶部に記憶された前記標準関係と目標電流とに基づいて前記電圧の制御に関する制御指令値である標準時制御指令値を作成する標準時制御指令値作成部と、(c)前記コイルの温度が実際の温度である場合の前記電圧と電流との関係に基づいて補正値を取得する補正値取得部と、(d)前記標準時制御指令値作成部によって作成された前記標準時制御指令値を前記補正値取得部によって取得された補正値を使って補正して作成した補正制御指令値に基づいて、前記電圧を制御する温度補正対応制御部とを含み、
前記関連型制御部が、前記第1の制御において前記補正値取得部によって取得された前記補正値を用いて、前記第2の制御を開始するものである請求項1または2に記載の電磁弁制御装置。 - 前記コイル電流制御部が、
前記コイルの温度が標準温度である場合の前記電圧と電流との関係である標準関係を記憶する標準関係記憶部と、
(i)前記標準関係記憶部に記憶された前記標準関係と目標電流とに基づいて標準時制御電圧を決定する標準時制御電圧決定部と、(ii)前記コイルの温度が実際の温度である場合の前記電圧と電流とに基づいて前記標準時制御電圧を補正してFF制御指令値を作成するFF制御指令値作成部とを備えたフィードフォワード制御部と、
(iii)前記フィードフォワード制御部によって前記電磁弁のコイルに加えられる電圧が制御された状態で、前記電磁弁のコイルに実際に流れる電流である実電流を取得する実電流取得部と、(iv)その実電流取得部によって取得された前記実電流と前記目標電流との偏差が小さくなるようにFB制御指令値を作成するFB制御指令値作成部とを備えたフィードバック制御部と
を含み、前記フィードフォワード制御部によって作成された前記FF制御指令値と前記フィードバック制御部によって作成された前記FB制御指令値とに基づいて前記電圧を制御する複合型制御部である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。 - 当該電磁弁制御装置が、
前記コイルの温度が標準温度である場合の前記電圧と電流との関係である標準関係を記憶する標準関係記憶部と、
前記標準関係記憶部に記憶された前記標準関係と目標電流とに基づいて標準時制御電圧を決定する標準時制御電圧決定部と、
その標準時制御電圧決定部によって決定された前記標準時制御電圧を前記コイルの温度が実際の温度である場合の前記電圧と電流とに基づいて補正して、前記電圧についての制御指令値である実温度補正制御指令値を作成する実温度補正制御指令値作成部と、
その実温度補正制御指令値作成部によって作成された前記実温度補正制御指令値に基づいて前記電圧が制御された場合に、前記電磁弁に実際に流れる電流である実電流を取得する実電流取得部と、
その実電流取得部によって取得された前記実電流と前記目標電流との偏差が小さくなるように制御指令値である偏差対応制御指令値を作成する偏差対応制御指令値作成部と
を含み、これら偏差対応制御指令値作成部によって作成された前記偏差対応制御指令値と、前記実温度補正制御指令値作成部によって作成された前記実温度補正制御指令値とに基づいて前記電圧を制御するフィードバック制御装置である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。 - 複数の電磁弁の各々のコイルへの供給電流を、それらコイルの各々に加えられる電圧を制御することにより制御するコイル電流制御部を含む電磁弁制御装置であって、
前記コイル電流制御部が、前記複数の電磁弁のうちの1つ以上の電磁弁である第1の電磁弁のコイルに対する第1の制御において取得された前記コイルの温度に関連する情報に基づいて、前記複数の電磁弁から前記第1の電磁弁を除いた電磁弁のうちの1つ以上の電磁弁である第2の電磁弁のコイルに対する第2の制御を行う関連型制御部を含むことを特徴とする電磁弁制御装置。 - 車両に設けられ、複数の電磁弁と、それら複数の電磁弁のコイルへの供給電流をそれぞれコイルに加えられる電圧を制御することにより制御するコイル電流制御部とを含み、前記車両の複数の車輪にそれぞれ設けられた複数の液圧ブレーキのブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御システムであって、
前記コイル電流制御部が、
前記複数の電磁弁のうちの少なくとも1つの電磁弁である第3の電磁弁のコイルへの供給電流の制御により前記複数のブレーキシリンダのうちの前記第3の電磁弁に接続された少なくとも1つのブレーキシリンダである第1のブレーキシリンダの液圧について第1の制御を行う第1の制御部と、
前記複数の電磁弁のうちの少なくとも1つの電磁弁である第4の電磁弁のコイルへの供給電流の制御により前記複数のブレーキシリンダのうちの前記第4の電磁弁に接続された少なくとも1つのブレーキシリンダである第2のブレーキシリンダの液圧について第2の制御を行う第2の制御部と
を含むとともに、
前記第1の制御部が、前記第1の制御において、前記第3の電磁弁のコイルに加えられた実際の電圧と前記コイルに流れた実際の電流との関係を取得する関係取得部を含み、
前記第2の制御部が、前記関係取得部によって取得された前記関係に基づいて前記第2の制御を開始する関連型制御部を含むことを特徴とするブレーキ液圧制御システム。 - 前記第1の制御が前後制動力配分制御であり、前記第2の制御がアンチロック制御であり、前記第3の電磁弁が、前記複数の車輪のうちの後輪のブレーキシリンダに接続されたものであり、前記第4の電磁弁が、前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪のブレーキシリンダに接続されたものである請求項7に記載のブレーキ液圧制御システム。
- 車両の複数の車輪にそれぞれ設けられた複数の液圧ブレーキのブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御方法であって、
前記複数のブレーキシリンダのうちの少なくとも1つのブレーキシリンダである第1のブレーキシリンダの液圧についての第1の制御において、前記第1のブレーキシリンダに対応して設けられた第3の電磁弁のコイルへの供給電流を、そのコイルに加えられる電圧の制御により制御するとともに、前記第3の電磁弁のコイルに加えられた実際の電圧と前記コイルに流れた実際の電流との関係を取得する第1制御工程と、
その第1制御工程の制御中または前記第1制御工程の終了時からの経過時間が設定時間以内に開始された前記複数のブレーキシリンダのうちの少なくとも1つのブレーキシリンダである第2のブレーキシリンダの液圧についての第2の制御において、前記第2のブレーキシリンダに対応して設けられた第4の電磁弁のコイルへの供給電流を、前記第1制御工程において取得された前記実際の電圧と電流との関係に基づいて制御する第2制御工程と
を含むことを特徴とするブレーキ液圧制御方法。
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JP2016179791A (ja) * | 2015-03-25 | 2016-10-13 | オートリブ日信ブレーキシステムジャパン株式会社 | 車両用ブレーキ液圧制御装置 |
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JP2002532337A (ja) * | 1998-12-22 | 2002-10-02 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | バルブコイルにおけるコイル抵抗の温度依存性を補償する方法 |
JP2010095026A (ja) * | 2008-10-14 | 2010-04-30 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置 |
-
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- 2013-04-18 JP JP2013087674A patent/JP6015538B2/ja active Active
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