JP6497252B2 - 自動車のペダル後退防止構造 - Google Patents

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Description

この発明は、運転席前方に車室前面を構成するダッシュパネルが設けられ、該ダッシュパネルの後方に吊下げ式のペダルが配設され、該ペダル上部のペダル軸を支持するよう車体側部材(またはダッシュパネル)に固定されたペダルブラケットが設けられた自動車のペダル後退防止構造に関する。
一般に、車室の前面を形成するダッシュパネルは、当該ダッシュパネルにより、エンジンルームと車室とを前後方向に仕切っており、ペダル軸と対応する高さ位置において上述のエンジンルーム内には車幅方向にオフセットした位置にバッテリが設けられており、ペダルアーム乃至その踏面部と対応する高さ位置において上述のエンジンルーム内にはパワートレイン(または電動用のモータ)が配置されている。
そして、自動車のオフセット衝突時には、ダッシュパネルにおけるペダル軸と対応する高さよりも下方のダッシュパネル下部が、当該ダッシュパネル下部よりも上方のダッシュパネル上部に対して相対的に多く後退する場合があり、この際、ダッシュパネル下部の後退により当該ダッシュパネルが前傾方向に回動変位する。
しかしながら、従来の自動車のペダル後退防止構造において、ダッシュパネルの後退変位量を利用して、ペダルの後退を防止する機構にあっては、ダッシュパネル上部とダッシュパネル下部とが略同等に後退する場合を想定してペダル後退防止構造が構成されていたので、上述のようなダッシュパネル下部の後退により当該ダッシュパネルが前傾方向に回動変位する動作を有効利用していないのが現状であって、改善の余地があった。
ところで、特許文献1には、ダッシュパネル後退時に、運動伝達個所がクランク部材を押し、このクランク部材が別のクランク部材を回動して、ブレーキ倍力装置のプッシュロッドを山折り変形させることで、ペダル軸を支点としてペダルレバー(ペダルアームと同意)の下側を車両前方へ移動させるように構成した自動車のペダル後退防止構造が開示されている。
しかしながら、該特許文献1に開示された従来構造においては、ダッシュパネル下部の後退により当該ダッシュパネルが前傾方向に回動変位する動作の有効利用がなされておらず、この点において改善の余地があった。
特表平11−510452号公報
そこで、この発明は、ダッシュパネル下部の後退により当該ダッシュパネルが前傾方向に回動変位する動作を有効利用して、ペダルの後退を防止しつつ、ペダルブラケットそれ自体の前傾を防止することができる自動車のペダル後退防止構造の提供を目的とする。
この発明による自動車のペダル後退防止構造は、運転席前方に車室前面を構成するダッシュパネルが設けられ、該ダッシュパネルの後方に吊下げ式のペダルが配設され、該ペダル上部のペダル軸を支持するようインパネメンバまたはダッシュパネルに固定されたペダルブラケットが設けられた自動車のペダル後退防止構造であって、上記ペダルからブレーキ制御部へ押出す方向に操作力を伝達するプッシュロッドが、上記ペダルのペダル軸と離間した部位に連結され、上記ダッシュパネルの下部がその上方部に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、その少なくとも一部が上方に変位することで、上記ペダルを後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段と、上記ペダルブラケットの少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する前傾防止手段と、を備え、上記ペダル後退防止手段は、上記ダッシュパネルにおける上方に変位する部位に固定されて前低後高に延びて上記ペダル軸支持部に対して相対変位可能な受け部材と、上記受け部材に連結されており上記受け部材がペダルに対して相対的に上昇することで、該ペダルを前方揺動させるよう上記プッシュロッドを上方に引込むリンク部が設けられたものである。
上記構成によれば、ペダル後退防止手段は、ダッシュパネルの下方部がその上方部に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、少なくとも一部が上方へ変位してペダルを後退防止する方向へ変位させるよう動作し、上述の前傾防止手段は、ペダルブラケットの少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する。
この結果、ペダル後退防止手段が、ダッシュパネルの前傾方向の回動変位を有効利用して、その少なくとも一部が上方変位することで動作し、ペダルの後退を防止しつつ、ペダルブラケットのペダル軸支持部それ自体の前傾を防止して、更に効果的にペダルの後退を防止することができる。
ここに、ペダルが後退するとは、ペダル踏面が乗員の足元に向けて近づくことであり、ペダルの後退を防止するとは、ペダル踏面が乗員の足元に近づかないようにすることである。
また、上述のリンク部は、ペダルに対して相対的に上昇することで、該ペダルを前方揺動(ペダルの下側が車両前方へ揺動するように変位)させるべくプッシュロッドを上方に引込む。
この結果、前傾防止手段(上昇抑制部)とペダル後退防止手段のリンク部との両手段の相乗効果を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記ペダルブラケットは上記ダッシュパネルに固定されており、上記ペダルブラケットの一部である前側ブラケットが上記受け部材を構成し、上記前傾防止手段は、上記ペダル軸が上昇することを抑制する上昇抑制部であり、上記上昇抑制部が、上記ダッシュパネル後方のインパネメンバに設けられ、上記ペダル軸支持部を、その下方部がその上方部に対し車両前方に相対変位するように後傾方向変位させる後傾手段が設けられるものである。
上記構成によれば、上述の上昇抑制部が高剛性の車体側部材に設けられており、上述の後傾手段は、ペダル軸支持部を、その下方部がその上方部に対し車両前方に相対変位するように後傾方向変位させる。
この結果、ペダル支持剛性の向上と、衝突時におけるペダル安定性確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記上昇抑制部が、上記ダッシュパネルの後方に位置する車体側部材に設けられ、上記ペダルブラケットのペダル軸支持部を下方にガイドするガイド部であり、上記ペダルブラケットにおけるペダル軸支持部とダッシュパネルとの間に、上記ガイド部から入力される荷重を受けて上記ペダル軸支持部に対して上方へ変位するように山折れ変形する山折れ部が設けられ、上記ペダル後退防止手段の上記リンク部は、上記山折れ部に接続されたものである。
上記構成によれば、上述のガイド部で、ダッシュパネル後退時にペダル軸支持部を下方にガイドし、上述のリンク部は山折れ部に接続されており、プッシュロッドをより一層確実に上方へ引込むことができるので、ペダル下部が車両前方へ移動するよう該ペダルを乗員の足元から前方へ逃がすことができる。
この発明によれば、ダッシュパネル下部の後退により当該ダッシュパネルが前傾方向に回動変位する動作を有効利用して、ペダルの後退を防止しつつ、ペダルブラケットそれ自体の前傾を防止することができる効果がある。
本発明の自動車のペダル後退防止構造を示す側面図 受け部材の下部の取付け構造を示す説明図 図1の要部平面図 ダッシュパネル上部が後退した際の説明図 図1のペダル後退防止構造を簡略化した模式図であって、(a)は通常使用時の側面図、(b)は衝突時の作用説明図 (a)は自動車のペダル後退防止構造の他の実施例を模式的に示す側面図、(b)は衝突時の作用説明図 (a)は自動車のペダル後退防止構造のさらに他の実施例を模式的に示す側面図、(b)は衝突時の作用説明図 (a)は自動車のペダル後退防止構造のさらに他の実施例を模式的に示す側面図、(b)は衝突時の作用説明図 (a)は自動車のペダル後退防止構造のさらに他の実施例を模式的に示す側面図、(b)は図6の(a)のA−A線矢視断面図、(c)はプッシュロッドの部分断面図 (a)はダッシュパネル下部がダッシュパネル上部に対して相対的に多く後退する時の作用説明図、(b)はダッシュパネル上部とダッシュパネル下部とが略同等に後退する時の作用説明図
ダッシュパネル下部の後退により当該ダッシュパネルが前傾方向に回動変位する動作を有効利用して、ペダルの後退を防止しつつ、ペダルブラケットそれ自体の前傾を防止するという目的を、運転席前方に車室前面を構成するダッシュパネルが設けられ、該ダッシュパネルの後方に吊下げ式のペダルが配設され、該ペダル上部のペダル軸を支持するよう車体側部材またはダッシュパネルに固定されたペダルブラケットが設けられた自動車のペダル後退防止構造において、上記ダッシュパネルの下部がその上方部に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、その少なくとも一部が上方に変位することで、上記ペダルを後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段と、上記ペダルブラケットの少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する前傾防止手段と、を備えるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車のペダル後退防止構造を示し、図1は当該ペダル後退防止構造を示す側面図、図2は受け部材の下部の取付け構造を示す説明図、図3は図1の要部平面図、図4はダッシュパネル上部が後退した際の説明図、図5は図1のペダル後退防止構造を簡略化した模式図であって、図5の(a)は通常使用時の側面図、図5の(b)は衝突時の作用説明図である。
図1において、車室1の前面を形成するダッシュパネル2(詳しくは、ダッシュロアパネル)を設け、このダッシュパネル2でエンジンルーム3と車室1とを車両の前後方向に仕切っている。
上述のダッシュパネル2は後述するペダル軸9と対応する高さ位置よりも下方のダッシュパネル下部2Bと、このダッシュパネル下部2Bよりも上方のダッシュパネル上部2Aとを一体形成したものである。
一方、車体側において、図示しない左右のヒンジピラー間、詳しくは、ヒンジピラーインナ間には、車体強度部材である閉断面構造のインパネメンバ4を車幅方向に向けて取付けており、このインパネメンバ4における運転席側には、ペダル支持ブラケット5を取付けるためのベースブラケット6を溶接固定している。
図3に示すように、上述のペダル支持ブラケット5は車幅方向に離間して一対設けられており、これら左右一対のペダル支持ブラケット5,5の後端部には、図1にも示すように、前高後低状に傾斜する取付け座7が一体的に設けられている。また、図1,図3に示すように、上述のベースブラケット6は前高後低状に傾斜する取付け座6aを一体形成したもので、このベースブラケット6側の取付け座6aにペダル支持ブラケット5側の取付け座7を、ボルト、ナット等の締結部材を用いて固定することで、ペダル支持ブラケット5を、ベースブラケット6を介して、インパネメンバ4に固定している。
ダッシュパネル2の後方に車両前後方向に間隔を隔てて配設されたペダル支持ブラケット5は、ペダルとしてのブレーキペダル8上部のペダル軸9を支持し、該ペダル軸9を介してブレーキペダル8を吊下げ支持するものである。
上述のブレーキペダル8は、図1,図3に示すように、2部材を接合して内部中空に形成された軽量高剛性のペダルアーム8aと、該ペダルアーム8aの下端後部に設けられた踏面部8bとを備えている。
図1に示すように、ブレーキ装置10は、ダッシュパネル2前面のエンジンルーム3側に位置する制動倍力装置11と、ブレーキ制御部としてのマスタシリンダ12と、車室1側に位置して上述の制動倍力装置11の内部とブレーキペダル8とを車両前後方向に連結するプッシュロッド13とを備えている。
ここで、該プッシュロッド13(詳しくは、バルブオペレーティングロッド)は制動倍力装置11内におけるバルブプランジャに連結され、制動倍力装置11でマスタシリンダ12に対する押圧力を増大させて、該マスタシリンダ12の作動油圧(ブレーキ液圧)により制動を行なうようになっている。
また、上述のブレーキペダル8からブレーキ制御部としてのマスタシリンダ12へ押出す方向に操作力を伝達するプッシュロッド13は、ブレーキペダル8のペダル軸9に対して下方へ離間した部位に連結されている。
図1,図3に示すように、左右一対のペダル支持ブラケット5,5間に車幅方向に向けて横架した支軸14には、ペダルアーム8aの外側で、かつ一対のペダル支持ブラケット5,5内に位置するように回動部材としてのカム形状の円板25,25を取付けている。
図1に示すように、該円板25の下部には、前高後低状に傾斜する溝25aが形成されており、この溝25aの下端は開放されている。
一方、図1に示すように、ペダル支持ブラケット5の下部には、ブレーキペダル8を前下に落とす目的で、前低後高状に傾斜する溝5bが形成されており、この溝5bの下端は開放されている。
図1に示すように、ノーマル時(通常使用時)においては、これらの各溝5b,25aの上部が一致しており、この一致した部位に、上述のペダル軸9が配設されている。上述の各溝5b,25aはその向きが互に異なるので、通常使用時にブレーキペダル8が脱落することはない。
ここで、上述の支軸14は、図1に示すように、側面視で、ノーマル時のペダル軸9に対して、上方に位置するものである。
図1に示すように、衝突によるダッシュパネル2の後退変位を、車両後方および上方に受ける左右一対の受け部材26,26を設け、これら受け部材26,26の前端折曲げ部26c,26cをダッシュパネル2に固定している。
図1,図3に示すように、左右一対の受け部材26,26は前下がり状に傾斜すると共に、一対の円板25,25の外側に位置しており、これら左右一対の受け部材26,26の後端部と一対の円板25,25の所定部とは、ピン17で連結されている。ここで、上述の円板25の所定部とは、受け部材26の後方かつ上方への変位により、該円板25を図1の反時計方向(ペダル離脱方向)に回転させることが可能な範囲を意味する。
受け部材26,26の下部は図1,図2に示すように、その前端折曲げ部26c,26cを、制動倍力装置11の取付け部11aに対して共締め固定するが、この場合、ダッシュパネル上部2Aが相対的に多く後退した際には、その取付けを解除すべく、ボルトの軸部から離脱可能となる下方開放タイプの溝26d,26dが、上述の前端折曲げ部26cに形成されている。この前端折曲げ部26cはボルト、ナットの締結力を調整することで、離脱可能に成すことができる。
しかも、この実施例では、ペダル支持ブラケット5の車両前方に位置するダッシュパネル2において、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aに対し相対的に多く後退し、ダッシュパネル2が図5の(b)に示すように、前傾方向へ回動変位する動作を受けて、ブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるべく動作するペダル後退防止手段(受け部材26、円板25、溝5b,25a参照)と、ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部(ペダル軸9を支持した部分参照)が前傾方向に回動変位(前部が下方に下がる変位)することを防止する前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5がインパネメンバ4に固定されていることで、該ペダル支持ブラケット5それ自体が前傾防止手段を兼ねる)と、を備えている。
ところで、ダッシュパネル上部2Aの車室1側の面には、車幅方向に延びるダッシュクロスメンバ23が設けられている。この実施例1では、該ダッシュクロスメンバ23が、ダッシュパネル上部2Aの車両後方への後退変位荷重(ダッシュパネル上部2Aがダッシュパネル下部2Bに対して相対的に多く後退する際の荷重)を受けて、該荷重を円板25に伝達するように構成している。
そして、ダッシュパネル2におけるダッシュパネル下部2Bよりも上方のダッシュパネル上部2Aが車両後方へ後退するような衝突時には、図4に示すように、ダッシュクロスメンバ23の後退により該ダッシュクロスメンバ23が円板25の前端下部に当接して、該円板25が反時計方向(ペダル離脱方向)に回転し、ペダル軸9が溝25aで押されることで、各溝25a,5bの開放側から該ペダル軸9乃至ブレーキペダル8を下方へ落下させることで、該ブレーキペダル8の後退を防止する。この際、受け部材26は、図2で示したように、その下部の前端折曲げ部26cに溝26dが形成されており、ダッシュパネル上部2Aの後退時には、ボルト軸部から前端折曲げ部26cが上方へ外れるので、円板25の回転は阻害されない。
このように構成した自動車のペダル後退防止構造の作用を、以下に説明する。
図5の(a)に示すノーマル状態から、車両の衝突により図5の(b)に示すように、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aよりも多く後退し、ダッシュパネル2が前高後低状に変形する前傾変位(前傾方向への回動変位)が発生すると、受け部材26が後方かつ上方に移動し、ピン17を介して円板25を図5の(b)の反時計方向(ペダル離脱方向)に回転させるので、ペダル軸9は円板25の溝25aで前方へ押されつつ、ペダル支持ブラケット5の溝5bに沿って前下に移動し、各溝25a,5bの開放側が一致した時点で、これら各溝25a,5bから下方へ落下することにより、ブレーキペダル8の後退が防止される。この際、受け部材26は後方かつ上方に移動するので、該受け部材26が単に水平方向後方に移動される場合と比較して、その移動量が大となり、これによりブレーキペダル8の後退防止動作の迅速化を図ることができる。
このように、図1〜図5で示した実施例1の自動車のペダル後退防止構造は、運転席前方に車室前面を構成するダッシュパネル2が設けられ、該ダッシュパネル2の後方に吊下げ式のブレーキペダル8が配設され、該ブレーキペダル8上部のペダル軸9を支持するよう車体側部材(インパネメンバ4)に固定されたペダル支持ブラケット5が設けられた自動車のペダル後退防止構造であって、上記ダッシュパネル2の下部2Bがその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、その少なくとも一部が上方に変位することで、上記ブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段(受け部材26、円板25、溝5b,25a)と、上記ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部(ペダル軸9を支持した部位参照)が前傾方向に回動変位することを防止する前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5それ自体)と、を備えたものである(図1,図5参照)。
この構成によれば、ペダル後退防止手段(各要素26,25,5b,25a参照)は、ダッシュパネル2の下方部(ダッシュパネル下部2B)がその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、少なくとも一部が上方へ変位してブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作し、上述の前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5それ自体)は、ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する。
この結果、ペダル後退防止手段が、ダッシュパネル2の前傾方向の回動変位を有効利用して、その少なくとも一部が上方変位することで動作し、ブレーキペダル8の後退を防止しつつ、ペダル支持ブラケット5のペダル軸支持部それ自体の前傾を防止して、さらに効果的にペダルの後退を防止することができる。
図6の(a)は自動車のペダル後退防止構造の他の実施例を示す側面図、図6の(b)は衝突時の作用説明図である。
図6で示す実施例2においては、図1〜図5で示した円板25に代えてリンク18(回動部材)を用い、このリンク18を支軸14に枢支させると共に、ペダル支持ブラケット5には、ノーマル時のペダル軸9を安定支持させる水平部と、前低後高状に傾斜する傾斜部とを連通させた側面視鉤形(逆L字状)の溝5aを形成し、この溝5aの下端を開放させたものである。
この実施例においても、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aに対して相対的に多く後退し、ダッシュパネル2が図6の(b)に示すように、前傾方向へ回動変位する動作を受けてブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるべく動作するペダル後退防止手段(受け部材26、リンク18、溝5a参照)と、ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位(前部が下方に下がる変位)することを防止する前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5がインパネメンバ4に固定されていることで、該ペダル支持ブラケット5それ自体が前傾防止手段を兼ねる)と、を備えている。
なお、図6において先の実施例1と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
このように構成した自動車のペダル後退防止構造の作用を、以下に説明する。
図6の(a)に示すノーマル状態から、車両の衝突により図6の(b)に示すように、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aよりも多く後退し、ダッシュパネル2が前高後低状に変形する前傾変位(前傾方向への回動変位)が発生すると、受け部材26が後方かつ上方に移動し、ピン17を介してリンク18を図6の反時計方向(ペダル離脱方向)に回転させるので、ペダル軸9はリンク18で前方へ押されながら、ペダル支持ブラケット5の溝5aに沿って前下に移動した後、その開放側から下方へ落下することにより、ブレーキペダル8の後退が防止される。
このように、図6で示した実施例2の自動車のペダル後退防止構造は、運転席前方に車室1前面を構成するダッシュパネル2が設けられ、該ダッシュパネル2の後方に吊下げ式のブレーキペダル8が配設され、該ブレーキペダル8上部のペダル軸9を支持するよう車体側部材(インパネメンバ4)に固定されたペダル支持ブラケット5が設けられた自動車のペダル後退防止構造であって、上記ダッシュパネル2の下部2Bがその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、上記ブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段(受け部材26、リンク18、溝5a)と、上記ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部(ペダル軸9を支持した部位参照)が前傾方向に回動変位することを防止する前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5それ自体)と、を備えたものである(図6参照)。
この構成によれば、ペダル後退防止手段(各要素26,18,5a参照)は、ダッシュパネル2の下方部(ダッシュパネル下部2B)がその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けてブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作し、上述の前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5それ自体)は、ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する。
この結果、ダッシュパネル2の前傾方向の回動変位を有効利用して、ブレーキペダル8の後退を防止しつつ、ペダル支持ブラケット5それ自体の前傾を防止することができる。
なお、上記溝5aの水平部におけるペダル軸9直前部には通常のペダル使用時の信頼向上を図るために、溝5a内方へ突出する突起をかしめ手段にて形成することが好ましい。
図7の(a)は自動車のペダル後退防止構造のさらに他の実施例を示す側面図、図7の(b)は衝突時の作用説明図である。
この実施例では、ブレーキペダル8に対して相対的に上昇することで、該ブレーキペダル8を前方揺動させるようプッシュロッド13を上方に引込むリンク部としてのリンク30を備えている。
上述のプッシュロッド13は板状に形成されると共に、通常時のブレーキペダル8の操作を可能とするために車両前後方向に指向する長孔13aを形成している。ここで、プッシュロッド13の板状部は、少なくとも該長孔13aが形成される範囲のみでよい。
そして、上述のリンク30の下部に設けた突起31を、ブレーキペダル8の長孔13a内に挿入している。上述のリンク30の上部は、ピン32を用いて、受け部材26の後部と共にペダル支持ブラケット5の前上コーナ部に取付けている。
また、上述のペダル支持ブラケット5における取付け座7の近傍位置には、該ペダル支持ブラケット5の上側過半部に、脆弱部としてのビード33を形成している。なお、このビード33に代えて開口部を形成してもよい。
この実施例においても、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aに対して相対的に多く後退し、ダッシュパネル2が図7の(b)に示すように、前傾方向へ回動変位する動作を受けてブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるべく動作するペダル後退防止手段(受け部材26、リンク30、プッシュロッド13)と、ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位(前部が下方に下がる変位)することを防止する前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5がインパネメンバ4に固定されていることで、該ペダル支持ブラケット5それ自体が前傾防止手段を兼ねる)と、を備えている。
なお、図7において先の実施例と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
このように構成した自動車のペダル後退防止構造の作用を、以下に説明する。
図7の(a)に示すノーマル状態から、車両の衝突により図7の(b)に示すように、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aよりも多く後退し、ダッシュパネル2が前高後低状に変形する前傾変位(前傾方向への回動変位)が発生すると、受け部材26が後方かつ上方に移動するが、ペダル支持ブラケット5には脆弱部としてのビード33が形成されているので、受け部材26の後方かつ上方への移動に伴ってペダル支持ブラケット5は図7の(b)に示すように、その前部が上方へ変形移動する。
このため、ピン32を介してリンク30が上方に引上げられ、リンク30下部の突起31がその長孔13aに挿入されたプッシュロッド13は山折り状に変形して上方に引上げられ、これにより、ブレーキペダル8はペダル軸9を支点として、踏面部8bが車両前方へ移動するようにペダルアーム8aが揺動し、ブレーキペダル8の後退が防止される。
このように、図7で示した実施例3の自動車のペダル後退防止構造は、運転席前方に車室1前面を構成するダッシュパネル2が設けられ、該ダッシュパネル2の後方に吊下げ式のブレーキペダル8が配設され、該ブレーキペダル8上部のペダル軸9を支持するよう車体側部材(インパネメンバ4)に固定されたペダル支持ブラケット5が設けられた自動車のペダル後退防止構造であって、上記ダッシュパネル2の下部2Bがその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、上記ブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段(受け部材26、リンク30、プッシュロッド13)と、上記ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5それ自体)と、を備えたものである(図7参照)。
この構成によれば、ペダル後退防止手段(各要素26,30,13参照)は、ダッシュパネル2の下方部(ダッシュパネル下部2B)がその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けてブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作し、上述の前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5それ自体)は、ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する。
この結果、ダッシュパネル2の前傾方向の回動変位を有効利用して、ブレーキペダル8の後退を防止しつつ、ペダル支持ブラケット5それ自体の前傾を防止することができる。
図8の(a)は自動車のペダル後退防止構造のさらに他の実施例を示す側面図、図8の(b)は衝突時の作用説明図である。
図7で示した実施例3においては、受け部材26の後部とリンク30の上部とを、ピン32を用いて、ペダル支持ブラケット5の前上コーナ部に取付けたが、図8に示すこの実施例4では、ペダル支持ブラケット5の前上部に、上端が幅広に開放されたガイド溝34を設け、受け部材26の後部とリンク30の上部とを連結したピン32を、該ガイド溝34に配置し、さらに実施例3で示したビード33等の脆弱部を廃止したものである。
この実施例4においても、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aに対して相対的に多く後退し、ダッシュパネル2が図8の(b)に示すように、前傾方向へ回動変位する動作を受けてブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるべく動作するペダル後退防止手段(受け部材26、リンク30、プッシュロッド13)と、ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位(前部が下方に下がる変位)することを防止する前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5がインパネメンバ4に固定されていることで、該ペダル支持ブラケット5それ自体が前傾防止手段を兼ねる)と、を備えている。
なお、図8において先の実施例3と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
このように構成した自動車のペダル後退防止構造の作用を、以下に説明する。
図8の(a)に示すノーマル状態から、車両の衝突により図8の(b)に示すように、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aよりも多く後退し、ダッシュパネル2が前高後低状に変形する前傾変位(前傾方向への回動変位)が発生すると、受け部材26が後方かつ上方に移動し、ピン32を介してリンク30が上方に引上げられ、リンク30下部の突起31がその長孔13aに挿入されたプッシュロッド13は山折り状に変形して上方に引上げられ、これにより、ブレーキペダル8はペダル軸9を支点として、踏面部8bが車両前方へ移動するようにペダルアーム8aが揺動し、ブレーキペダル8の後退が防止される。
このように、図8で示した実施例4の自動車のペダル後退防止構造は、運転席前方に車室1前面を構成するダッシュパネル2が設けられ、該ダッシュパネル2の後方に吊下げ式のブレーキペダル8が配設され、該ブレーキペダル8上部のペダル軸9を支持するよう車体側部材(インパネメンバ4)に固定されたペダル支持ブラケット5が設けられた自動車のペダル後退防止構造であって、上記ダッシュパネル2の下部2Bがその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、上記ブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段(受け部材26、リンク30、プッシュロッド13)と、上記ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5それ自体)と、を備えたものである(図8参照)。
この構成によれば、ペダル後退防止手段(各要素26,30,13参照)は、ダッシュパネル2の下方部(ダッシュパネル下部2B)がその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けてブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作し、上述の前傾防止手段(ペダル支持ブラケット5それ自体)は、ペダル支持ブラケット5の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する。
この結果、ダッシュパネル2の前傾方向の回動変位を有効利用して、ブレーキペダル8の後退を防止しつつ、ペダル支持ブラケット5それ自体の前傾を防止することができる。
図9の(a)は自動車のペダル後退防止構造のさらに他の実施例を示す側面図、図9の(b)は図9の(a)のA−A線矢視断面図、図9の(c)はプッシュロッドの部分断面図、図10の(a)はダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aに対して相対的に多く後退した場合の作用説明図、図10の(b)はダッシュパネル上部2Aとダッシュパネル下部2Bとが略同等に後退した場合の作用説明図である。
実施例1〜実施例4においては、ペダル支持ブラケット5を、インパネメンバ4側に固定したが、図9,図10に示すこの実施例5においてはペダル支持ブラケット35をダッシュパネル2側に固定している。
すなわち、このペダル支持ブラケット35は、前低後高状に傾斜した前側ブラケット35Fと、ペダル軸9を介してブレーキペダル8を吊下げ支持する後側ブラケット35Rと、を一体形成しており、前側ブラケット35Fの前端折曲げ部35aを、制動倍力装置11と対応する位置のダッシュパネル2に取付けている。
上述の前側ブラケット35Fは、ダッシュパネル2におけるペダル軸9と対応する高さよりも下方のダッシュパネル下部2Bの衝突による後退変位を、車両後方および上方に受ける受け部材の機能を有している。
図9の(a)のA−A線矢視断面図を図9の(b)に示すように、プッシュロッド13を上方に引込むリンク30は、車幅方向に離間して一対設けられており、これら一対の各リンク30,30の上部は、車幅方向断面が門形状のペダル支持ブラケット35にピン32(このピン32の配設部位が後述する山折れ部となる)を介して取付けられている。
また、一対の各リンク30,30の下部は、外周部にカラー36を装着したボルト37と、ナット38とで、当該リンク30,30間の離間距離を保持すべく、締結固定されており、カラー36上部における一対のリンク30,30間に上述のプッシュロッド13を挿通させている。
図9の(c)に示すように、上述のプッシュロッド13は、後端部にネジ孔13bが形成されたマスタシリンダ12側のロッド13c(前部ロッド)と、前端部にネジ13d(詳しくは、雄ネジ)が形成されたペダル側のロッド13e(後部ロッド)と、ネジ13dに螺合するナット39とを有し、上述のネジ13dの後端部に環状凹部13fを形成し、該ネジ13dの後端部乃至環状凹部13fを、応力集中部に設定して、リンク30によるプッシュロッド13の上方への引込み時には、該応力集中部に応力を集中させて、プッシュロッド13を変形させて折るように構成している。
一方、インパネメンバ4には、前高後低状に傾斜するガイド面40aをもったガイドブラケット40を溶接固定しており、車両の衝突によりダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aよりも多く後退し、ダッシュパネル2が前高後低状に変形する前傾変位(前傾方向への回動変位)が発生した時、図10の(a)に示すように、ペダル支持ブラケット35の後側ブラケット35Rを、ガイドブラケット40のガイド面40aで下方に案内して、ペダル支持ブラケット35、詳しくは、前側ブラケット35Fと後側ブラケット35Rとの間を、上方に山折れ変形するように構成している。
ここで、上述のリンク30上部のピン32は、この上方へ山折れ変形する山折れ部(ピン32の配設部位参照)に接続されている。
この実施例においても、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aに対し相対的に多く後退する前傾方向への回動変位を受けてブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段(前側ブラケット35F、リンク30、プッシュロッド13参照)と、ペダル支持ブラケット35の少なくともペダル軸支持部(ペダル軸9を支持した部位参照)が前傾方向に回動変位(この実施例では、後側ブラケット35Rの前部が下方に下がる変位)することを防止する前傾防止手段(ガイドブラケット40参照)と、を備えている。
上述の前傾防止手段であるガイドブラケット40は、ペダル軸9が上昇することを抑制する上昇抑制部でもあり、上述のペダル後退防止手段(前側ブラケット35F、リンク30、プッシュロッド13参照)は、ブレーキペダル8に対して相対的に上昇することで、該ブレーキペダル8を前方揺動させるようにプッシュロッド13を上方に引込むリンク部としてのリンク30を有している。
また、上述の上昇抑制部であるガイドブラケット40は、ダッシュパネル2後方の車体側部材としてのインパネメンバ4に設けられており、ペダル支持ブラケット35のへダル軸支持部を含む後側ブラケット35Rを後傾変位(具体的には、後側ブラケット35Rの後部が下方に下がるように変位)させる後傾手段(ガイド面40a参照)を有している。
さらに、上昇抑制部としてのガイドブラケット40は、ダッシュパネル2の後退時にペダル支持ブラケット35の後側ブラケット35Rを下方にガイドするガイド部であり、ペダル支持ブラケット35とダッシュパネル2との間に、該ペダル支持ブラケット35が上方に山折れ変形する山折れ部(ピン32の配設部位参照)が設けられ、上記ペダル後退防止手段(前側ブラケット35F、リンク30、プッシュロッド13参照)の上記リンク30は、上記山折れ部に接続されている。
図9,図10において、先の実施例と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
このように構成した自動車のペダル後退防止構造の作用を、以下に説明する。
図9の(a)に示すノーマル状態から、車両の衝突により図10の(a)に示すように、ダッシュパネル下部2Bがダッシュパネル上部2Aよりも多く後退し、ダッシュパネル2が前高後低状に変形する前傾変位(前傾方向の回動変位)が発生すると、ペダル支持ブラケット35の前側ブラケット35Fが後方かつ上方に移動し、後側ブラケット35Rはガイドブラケット40のガイド面40aで案内されて、その後部が下方に下がるよう後傾変位する。
上述のペダル支持ブラケット35の前後の各ブラケット35F,35Rの変位により、当該ペダル支持ブラケット35は上方に山折れ変形し、ピン32を介して一対のリンク30,30が上方に引上げられるので、プッシュロッド13はその応力集中部で山折れ状に変形し、これにより、ブレーキペダル8はペダル軸9を支点として、踏面部8bが車両前方へ移動するようにペダルアーム8aが揺動し、ブレーキペダル8の後退が防止される。
一方で、図9の(a)に示すノーマル状態から、車両の衝突により図10の(b)に示すように、ダッシュパネル上部2Aとダッシュパネル下部2Bとが略同等に後退した場合には、ダッシュパネル下部2Bが相対的に多く後退した場合(図10の(a)参照)と比較して、前側ブラケット35Fの後方かつ上方への移動量、並びに、後側ブラケット35Rの後傾量は小さいものの、やはりピン32を介して一対のリンク30,30が上方に引上げられ、プッシュロッド13が変形することで、ブレーキペダル8はペダル軸9を支点として、踏面部8bが車両前方へ移動するようにペダルアーム8aが揺動し、ブレーキペダル8の後退が防止される。
このように、図9,図10で示した実施例5の自動車のペダル後退防止構造は、運転席前方に車室1前面を構成するダッシュパネル2が設けられ、該ダッシュパネル2の後方に吊下げ式のブレーキペダル8が配設され、該ブレーキペダル8上部のペダル軸9を支持するペダル支持ブラケット35が設けられた自動車のペダル後退防止構造であって、上記ダッシュパネル2の下部2Bがその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、上記ブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段(前側ブラケット35F、リンク30、プッシュロッド13)と、上記ペダル支持ブラケット35の少なくともペダル軸支持部(ペダル軸9を支持した部位参照)が前傾方向に回動変位することを防止する前傾防止手段(ガイドブラケット40)と、を備えたものである(図9,図10参照)。
この構成によれば、ペダル後退防止手段(各要素35F,30,13参照)は、ダッシュパネル2の下方部(ダッシュパネル下部2B)がその上方部(ダッシュパネル上部2A)に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けてブレーキペダル8を後退防止する方向へ変位させるよう動作し、上述の前傾防止手段(ガイドブラケット40)は、ペダル支持ブラケット35の少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する。
この結果、ダッシュパネル2の前傾方向の回動変位を有効利用して、ブレーキペダル8の後退を防止しつつ、ペダル支持ブラケット35それ自体の前傾を防止することができる。
この発明の一実施形態においては、上記ブレーキペダル8からブレーキ制御部(マスタシリンダ12)へ押出す方向に操作力を伝達するプッシュロッド13が、上記ブレーキペダル8のペダル軸9と上下方向に離間した部位に連結され、上記前傾防止手段(ガイドブラケット40)は、上記ペダル軸9が上昇することを抑制する上昇抑制部であり、上記ペダル後退防止手段(各要素35F,30,13)は、ブレーキペダル8に対して相対的に上昇することで、該ブレーキペダル8を前方揺動させるよう上記プッシュロッド13を上方に引込むリンク部(リンク30)が設けられているものである(図9,図10参照)。
この構成によれば、上昇抑制部(ガイドブラケット40参照)はペダル軸9の上昇を抑制し、上述のリンク部(リンク30)は、ブレーキペダル8に対して相対的に上昇することで、該ブレーキペダル8を前方揺動(ペダルの下側が車両前方へ揺動するように変位)させるべくプッシュロッド13を上方に引込む。
この結果、前傾防止手段(上昇抑制部)としてのガイドブラケット40とペダル後退防止手段(各要素35F,30,13参照)のリンク部(リンク30)との両者の相乗効果を確保することができる。
この発明の一実施形態においては、上記上方抑制部(ガイドブラケット40)が、上記ダッシュパネル2後方の車体側部材(インパネメンバ4)に設けられ、上記ペダル軸支持部(ペダル軸9を支持した部位参照)を、その下方部がその上方部に対し車両前方に相対変位するように後傾方向変位させる後傾手段(ガイド面40a参照)が設けられるものである(図9,図10参照)。
この構成によれば、上述の上昇抑制部(ガイドブラケット40)が高剛性の車体側部材(インパネメンバ4)に設けられており、上述の後傾手段(ガイド面40a)は、ペダル軸支持部を、その下方部がその上方部に対し車両前方に相対変位するように後傾方向変位(この実施例では後側ブラケット35Rの後部が下方に下がるように変位)させる。
この結果、ペダル支持剛性の向上と、衝突時におけるペダル安定性確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施形態においては、上記ペダル支持ブラケット35は上記ダッシュパネル2に固定されており、上記上昇抑制部(ガイドブラケット40)が、上記ダッシュパネル2の後方に位置する車体側部材(インパネメンバ4)に設けられ、上記ペダル支持ブラケット35のペダル軸支持部を下方にガイドするガイド部であり、上記ペダル後退防止手段(各要素35F,30,13)の上記リンク部(リンク30)は、上記ペダル支持ブラケット35におけるペダル軸支持部とダッシュパネル2との間で、上記ガイド部(ガイドブラケット40)から入力される荷重を受けて上記ペダル軸支持部に対して上方へ変位するように山折れ変形する山折れ部(ピン32の配設部位参照)に接続されたものである(図9,図10参照)。
この構成によれば、上述のガイド部(ガイドブラケット40)で、ダッシュパネル2後退時にペダル軸支持部を下方にガイドし、上述のリンク部(リンク30)は山折れ部に接続されており、プッシュロッド13をより一層確実に上方へ引込むことができるので、ブレーキペダル8の下部が車両前方へ移動するよう該ブレーキペダル8を乗員の足元から前方へ逃がすことができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のペダルは、実施例のブレーキペダル8に対応し、
以下同様に、
ペダルブラケットは、ペダル支持ブラケット5,35に対応し、
ダッシュパネルの下部は、ダッシュパネル下部2Bに対応し、
ダッシュパネルの上方部は、ダッシュパネル上部2Aに対応し、
ペダル後退防止手段は、実施例1の受け部材26、円板25、溝5b,25a、実施例2の受け部材26、リンク18、溝5a、実施例3の受け部材26、リンク30、プッシュロッド13、実施例4の受け部材26、リンク30、プッシュロッド13、実施例5の前側ブラケット35F、リンク30、プッシュロッド13に対応し、
前傾防止手段は、実施例1〜4のペダル支持ブラケット5、実施例5のガイドブラケット40に対応し、
上昇抑制部は、ガイドブラケット40に対応し、
リンク部は、リンク30に対応し、
車体側部材は、インパネメンバ4に対応し、
後傾手段は、ガイド面40aに対応し、
ガイド部は、ガイドブラケット40に対応し、
山折れ部は、ピン32の配設部位に対応し、
ブレーキ制御部は、マスタシリンダ12に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、ペダルとしてはブレーキペダル8に代えて、クラッチペダルやアクセルペダル等の他のペダルであってもよい。
以上説明したように、本発明は、運転席前方に車室前面を構成するダッシュパネルが設けられ、該ダッシュパネルの後方に吊下げ式のペダルが配設され、該ペダル上部のペダル軸を支持するよう車体側部材またはダッシュパネルに固定されたペダルブラケットが設けられた自動車のペダル後退防止構造について有用である。
1…車室
2…ダッシュパネル
2A…ダッシュパネル上部
2B…ダッシュパネル下部
4…インパネメンバ(車体側部材)
5,35…ペダル支持ブラケット(ペダルブラケット)
5a,5b,25a…溝
8…ブレーキペダル(ペダル)
9…ペダル軸
12…マスタシリンダ(ブレーキ制御部)
13…プッシュロッド
18,30…リンク
25…円板
26…受け部材
35F…前側ブラケット
40…ガイドブラケット(前傾防止手段、上昇抑制部、ガイド部)
40a…ガイド面(後傾手段)

Claims (3)

  1. 運転席前方に車室前面を構成するダッシュパネルが設けられ、該ダッシュパネルの後方に吊下げ式のペダルが配設され、該ペダル上部のペダル軸を支持するようインパネメンバまたはダッシュパネルに固定されたペダルブラケットが設けられた自動車のペダル後退防止構造であって、
    上記ペダルからブレーキ制御部へ押出す方向に操作力を伝達するプッシュロッドが、上記ペダルのペダル軸と離間した部位に連結され、
    上記ダッシュパネルの下部がその上方部に対し相対的に後退する前傾方向への回動変位を受けて、その少なくとも一部が上方に変位することで、上記ペダルを後退防止する方向へ変位させるよう動作するペダル後退防止手段と、
    上記ペダルブラケットの少なくともペダル軸支持部が前傾方向に回動変位することを防止する前傾防止手段と、を備え、
    上記ペダル後退防止手段は、上記ダッシュパネルにおける上方に変位する部位に固定されて前低後高に延びて上記ペダル軸支持部に対して相対変位可能な受け部材と、上記受け部材に連結されており上記受け部材がペダルに対して相対的に上昇することで、該ペダルを前方揺動させるよう上記プッシュロッドを上方に引込むリンク部が設けられたことを特徴とする
    自動車のペダル後退防止構造。
  2. 上記ペダルブラケットは上記ダッシュパネルに固定されており、
    上記ペダルブラケットの一部である前側ブラケットが上記受け部材を構成し、
    上記前傾防止手段は、上記ペダル軸が上昇することを抑制する上昇抑制部であり、
    上記上昇抑制部が、上記ダッシュパネル後方のインパネメンバに設けられ、
    上記ペダル軸支持部を、その下方部がその上方部に対し車両前方に相対変位するように後傾方向変位させる後傾手段が設けられる
    請求項1に記載の自動車のペダル後退防止構造。
  3. 上記上昇抑制部が、上記ダッシュパネルの後方に位置するインパネメンバに設けられ、
    上記ペダルブラケットのペダル軸支持部を下方にガイドするガイド部であり、
    上記ペダルブラケットにおけるペダル軸支持部とダッシュパネルとの間に、上記ガイド部から入力される荷重を受けて上記ペダル軸支持部に対して上方へ変位するように山折れ変形する山折れ部が設けられ、上記ペダル後退防止手段の上記リンク部は、上記山折れ部に接続された
    請求項2に記載の自動車のペダル後退防止構造。
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