JP6496655B2 - 計量注出塗布容器 - Google Patents

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Description

この発明は、薬用育毛剤等の薬液や化粧液等を収容し、一回の使用量を計量して取り出すことができる定量注出塗布容器に関する。
従来、例えば薬用育毛剤等の薬液を収容し、一回の使用量を計量して一定化する定量注出容器には、特許文献1に開示されている定量注出容器がある。これは、一端部に取出口が形成された容器本体と、取出口に設けられた中栓と、中栓に取り付けられた計量筒部材と、計量筒部材に取り付けられた弁部材と、弁部材に着脱自在に取り付けられたキャップが設けられている。弁部材には、中栓を閉鎖する第一弁と、計量筒部材を閉鎖する第二弁が設けられ、弁部材の摺動により第一弁と第二弁が、中栓と計量筒部材を交互に切り替えて開閉するものである。キャップを容器本体から外す際には、弁部材がキャップに引かれて外側へ向かって移動し、弁部材の第二弁が計量筒部材を閉鎖するとともに第一弁が中栓から離れて容器本体内と計量筒部材とを連通させ、この状態で容器本体を倒立させて、計量筒部材に、収容している薬液を満たす。そして、弁部材を被塗布物に押し付けると、弁部材が内側に向かって移動し、第一弁が中栓を閉鎖するとともに第二弁が計量筒部材から離れ、容器本体内の薬液は密閉され、計量筒部材を満たしている薬液のみが注出されるものである。
特開2002−337910号公報
上記背景技術の場合、弁部材を被塗布物に押し付けて注出する時、弁部材は引き上げられた状態で周囲の部材に嵌合しているため、嵌合を解除して注出状態に切り替えるには相応の押力が必要である。被塗布物が頭皮等の場合は、バルブの先端を頭皮等に直接押し当てて注出状態に切り替えるので、先端部が小径であるため小さな押力であっても触覚的に負荷を感じるという問題がある。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造でノズル部の先端に柔軟で大きい塗布ヘッドを取り付け、塗布ヘッドを頭皮に当ててバルブを押し込み、薬液を注出することができ、頭皮への物理的負荷が小さく、使用感が良好な計量注出塗布容器を提供することを目的とする。
本発明は、一端部に口部が設けられ薬液を収容する容器本体と、前記口部に設けられこの口部を塞ぐ仕切壁部と前記仕切壁部に形成された透孔を有する中栓と、前記中栓の前記仕切壁部に形成された前記透孔に摺動可能に取り付けられ前記容器本体から引き上げられたときに前記容器本体に連通するバルブと、前記バルブに一体に設けられ前記薬液が注出されるノズル部と、前記ノズル部の先端部に取り付けられ柔軟な素材で作られた塗布ヘッドが設けられている計量注出塗布容器である。前記塗布ヘッドは、前記バルブの前記ノズル部を中心として前記ノズル部の外周側に設けられ、前記バルブの前記ノズル部を中心として前記ノズル部の外周面と前記塗布ヘッドの内面部とを隔離する溝部が形成され、前記塗布ヘッドは、前記溝部を介して一周するリング状に設けられ、前記容器本体には、着脱自在にキャップが設けられ、前記キャップの上面の内側面には、前記溝部に液密に差し込まれる円筒形状の液止め筒部が形成され、前記液止め筒部は、前記溝部に液密に嵌合し、前記塗布ヘッドの天面部が、前記ノズル部の先端部の高さと同一ないし前記先端部よりも突出した位置に設けられている。
また本発明は、前記塗布ヘッドの半径方向の断面形状は肉シートが逆U字形に折り曲げられた形状であり、前記ノズル部の周囲を所定幅の溝部を開けて囲む筒状の内面部と、前記内面部の外側を一周する筒状の外面部と、前記内面部と前記外面部の上端部同士が連結された前記天面部が設けられ、前記内面部には前記バルブに嵌合される係止部が設けられている。
前記塗布ヘッドは、エラストマー等で設けられていると良いものである。さらに、前記塗布ヘッドの前記天面部には、上方に向かって半球形状に突出する複数個の塗布用突起が設けられていると良い。
また、前記計量注出塗布容器には、計量器が設けられている。前記計量器は、定量筒部と、前記定量筒部を閉鎖する閉鎖突起と、前記閉鎖突起の中心に位置し前記バルブが摺動可能に挿通される挿通口と、前記挿通口を一周する弁座部が設けられ、前記ノズル部には前記容器本体に押し込まれたときに前記定量筒部の内部空間である計量空間に連通する透孔と、前記弁座部を閉鎖し前記ノズル部が前記容器本体に押し込まれた時に前記弁座部を開放する弁が設けられ、前記ノズル部が前記容器本体に押し込まれた時に、前記計量器の前記計量空間に満たされた一定量の前記薬液が注出されるものである。
本発明の計量注出塗布容器は、簡単な構造でノズル部の先端に柔軟で大きい塗布ヘッドを取り付け、塗布ヘッドを頭皮に当ててバルブを押し込み、薬液を注出することができ、頭皮への物理的刺激が少なく、負荷を感じることがなく、使用感が良好である。また、塗布ヘッドとバルブとの間に溝部が一周して設けられているため、バルブから注出された薬液は塗布ヘッドに伝わることがなく、垂直に被塗布面に滴下するため、塗布する位置を正確に狙うことができる。従って、薬液を無駄にすることがなく、必要な位置に所定の量を効果的に滴下することができる。
この発明の一実施形態の計量注出塗布容器の縦断面図である。 この実施形態の計量注出塗布容器の、バルブが計量状態にある時の縦断面図である。 この実施形態の定量注出塗布容器の計量状態を示す縦断面図である。 この実施形態の定量注出塗布容器の注出状態を示す縦断面図である。 この実施形態の定量注出塗布容器の斜視図である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図5は、この発明の一実施形態を示すもので、この実施形態の計量注出塗布容器10は、図5に示すように有底筒状の容器本体12を有し、容器本体12はガラスや合成樹脂で作られている。容器本体12の正立状態の上端部には、径が小さい円筒状の口部14が一体に形成され、口部14の外周面には雄ねじ16が形成されている。
口部14には、PP等の硬い合成樹脂で作られた中栓18が嵌合されて取り付けられている。中栓18には、口部14の内側に嵌合される円筒状の取付部20が設けられ、取付部20の、上端部20aより少し下方の外周面には、口部14の上端面に当接するフランジ部22が外周面を一周して側方に突出して形成されている。取付部20の、フランジ部22と反対側の内周面には、取付部20の開口部を閉鎖する仕切壁部24が内周面を一周して形成されている。仕切壁部24の中央には円形の透孔25が形成され、透孔25には、取付部20の挿通方向に平行な中心軸を有する円筒部26が一体に設けられている。円筒部26は、上端部が仕切壁部24に連続し、下端部が取付部20の下端部付近に達し、円筒部26の下端部には、円筒部26の開口を閉鎖する底部28が設けられている。円筒部26には、4個の透孔30が円周方向に90°の間隔で形成され、円筒部26の内側と、容器本体12の内部空間を連通している。底部28の中心には、円柱状の軸部32が一体に設けられ、軸部32は、円筒部26の挿通方向に対して平行で、軸部32の上端部は、軸方向に対して直角に位置する平面であり、仕切壁部24よりわずかに長く上方に突出する所定位置に達している。なお、仕切壁部24と円筒部26の境界部分には、内周面に、断面L字状に切り欠かれた溝部が一周して形成された第1弁座部34が、上方に開放して設けられている。仕切壁部24は、第1弁座部34に向かってすり鉢状に低くなっている。フランジ部22の外周面には、後述する計量器38が係止される段部22aが設けられている。
口部14の上端部には、外周面に突出して一周する係合突部36が設けられ、係合突部36には、計量器38が取り付けられている。計量器38は、PP等の硬い合成樹脂で作られ、容器本体12の口部14の先端に、口部14の挿通方向の延長に取り付けられる円筒体である。計量器38の下端部は、口部14の先端を、中栓18のフランジ部22とともに覆う取付筒部40であり、取付筒部40の内周面には、口部14の係合突部36が差し込まれる係合凹部42が一周して設けられている。取付筒部40の内周面の、係合凹部42より少し上には、中栓18のフランジ部22の段部22aが嵌合されて係止される段部40aが一周して設けられている。取付筒部40の上端部には、取付筒部40よりも径が小さい定量筒部44が連続して設けられている。定量筒部44は、中栓18の取付部20のフランジ部22よりも上の部分に、中栓18の外側から密着する内径を有し、定量筒部44の内部空間は、中栓18の円筒部26に連通した計量空間46となる。定量筒部44の上端部には、定量筒部44よりも径が小さい注出筒部48が連続して設けられている。注出筒部48の内側には、注出筒部48よりも小さい径の内筒部50が設けられ、注出筒部48と内筒部50は所定間隔を開けて、リング状の底部52で連結されている。底部52は、注出筒部48から内筒部50に近づくに連れて上昇し、円錐台状に傾斜している。内筒部50の内周面には、内周面から中心に向って突出する閉鎖突起54が一周して形成され、閉鎖突起54の中心の空間は後述するバルブ60が挿通される挿通口56となる。なお、閉鎖突起54の下側面は、第2弁座部58となる。
中栓18と計量器38の内側には、PP等の硬い合成樹脂で作られたバルブ60が設けられている。バルブ60には、中栓18の軸部32が摺動可能に嵌合する円筒部62が、下方に開口されて設けられている。円筒部62の開口された下端部には、円筒部62の外周面から側方へ一周して突出し中栓18の第1弁座部34に密着する第1弁64が設けられている。円筒部62の上端部の突き止まり付近の外周面には、側方へ一周して突出し計量器38の挿通口56を塞いで第2弁座部58に密着する第2弁66が設けられている。第1弁64と第2弁66の間隔は、中栓18の第1弁座部34と、計量器38の第2弁座部58の距離より短く設定され、バルブ60は、第1弁64が中栓18の第1弁座部34を閉鎖する注出状態と、第2弁66が計量器38の第2弁座部58を閉鎖する計量状態との間を摺動可能であり、バルブ60の摺動により注出状態と計量状態を交互に切り替えるものである。
バルブ60の、第2弁66から円筒部62と反対側の部分には、計量器38の挿通口56の内径とほぼ等しい直径を有する円筒状のノズル部68が、円筒部62の挿通方向に対して平行に円筒部62の反対側に突出して形成されている。ノズル部68には、第2弁66の近傍に、4個の透孔74が円周方向に90°の間隔で形成され、ノズル部68の内周面と外周面を連通している。透孔74は、第2弁66が計量器38の第2弁座部58を閉鎖する計量状態では、計量器38の閉鎖突起54の上方に位置し、計量空間46とノズル部68内部は遮断される。第1弁64が中栓18の第1弁座部34を閉鎖する注出状態では計量器38の閉鎖突起54の下方に位置し、計量空間46とノズル部68内部は連通される。そして、ノズル部68の外周面には、透孔74の少し上の位置に、後述する塗布ヘッド76が係止される係止溝部70が一周して設けられている。ノズル部68の外周面の、係止溝部70の少し上の位置には、後述するキャップ82が係止される係止溝部72が一周して設けられている。係止溝部72は、係止溝部70よりも浅くてなだらかに形成されている。
バルブ60のノズル部68の先端部68aは、計量器38の閉鎖突起54の上方に突出して取り付けられ、突出した部分に、塗布ヘッド76が設けられている。塗布ヘッド76は、柔軟なエラストマー等の材料で設けられている。塗布ヘッド76は、バルブ60のノズル部68を中心として一定幅の溝部77を空けて一周するリング状に設けられ、半径方向の断面形状は薄肉シートが逆U字形に折り曲げられ、湾曲部分がその両側の部分よりも薄肉に形成された形状である。塗布ヘッド76には、ノズル部68の外周面を所定幅の溝部77を空けて囲む円筒状の内面部76bと、内面部76bの外側を一周する円筒状の外面部76aと、内周部76bと外面部76aの上端部同士を連結する薄肉の天面部76cが設けられている。
塗布ヘッド76の外面部76aの下端部は、内面部76bの下端部よりも下方に少し長く形成されている。外面部76aは、計量器38の注出筒部48を摺動可能に外側から嵌合し、バルブ60の上下の移動に追従して動く際に、外面部76aの下端部が、バルブ60が上昇した計量状態の時に注出筒部48の上端部に重なって外れない長さであり、またバルブ60が下降した注出状態の時に注出筒部48の下端部の定量筒部44に当接しない長さである。
塗布ヘッド76の内面部76bは、バルブ60のノズル部68よりも溝部77の幅の分だけ径が大きく、そして計量器38の内筒部50とほぼ同じ直径を有し、計量器38に対してバルブ60が下降した注出状態の時に、下端面の中央部分が、内筒部50と閉鎖突起54で囲まれた皿状の空間に嵌合される形状である。また、内面部76bの内周面には、バルブ60の係止溝部70に嵌合され係止される係止部である係止突部78が一周して設けられている。係止突部78の内面部76bからの突出長さは、係止溝部70の深さよりも、溝部77の幅の分だけ長く形成されている。
塗布ヘッド76の天面部76cの湾曲した上側面はバルブ60のノズル部68の先端部68aよりも少し高い位置に設けられている。天面部76cの上側面には、上方に向かって半球形状に突出する複数個の塗布用突起80が円周方向に沿って等間隔に設けられている。天面部76cの湾曲した下側面は、バルブ60が下降した注出状態の時に計量器38の注出筒部48に接触しない高さに設定されている。
また、容器本体12の口部14には、着脱自在なキャップ82が設けられている。キャップ82は、円板状の上面84と、上面84の周縁部に連続する円筒状の側面86が設けられている。側面86の内周面には、容器本体12の口部14の雄ねじ16に螺合される雌ねじ88が形成されている。上面84は、塗布ヘッド76の天面部76cの内側に差し込まれるように僅かに傾斜した斜面を有する円錐台形状に下方に突出し、円錐台形状の内側面の円周上には、塗布ヘッド76の内面部76bと、バルブ60のノズル部68の外周面の間の溝部77に液密に差し込まれる円筒形状の液止め筒部90が設けられている。液止め筒部90の内周面には、ノズル部68の係止溝部72に嵌合される突起であるバルブ引き上げフック92が断続的に設けられている。液止め筒部90の内側には、ノズル部68の内周面に密着して差し込まれる短い円筒形状の差込筒部94が設けられている。上面84の、側面86と液止め筒部90の間には、押さえ筒部96が設けられている。押さえ筒部96は側面86よりも少し小さい直径を有する円筒状であり、側面86の内周面から所定間隔離れて設けられ、押さえ筒部96の下端部は、キャップ82を容器本体12に閉めた時に計量器38の、取付筒部40と定量筒部44の間に形成される段部45に当接し、計量器38を押さえ、また中栓18を計量器38と容器本体12の間に挟んで保持する。
次に、この実施形態の計量注出塗布容器10の組立方法について説明する。まず、計量器38の取付筒部40側から、バルブ60のノズル部68を入れ、閉鎖突起54の挿通口56からノズル部68を上方に突出させる。この時、バルブ60の一部に挿通口56よりもわずかに太い部分を設けて入れる時にクリック感を出し、入れた後は係止されて抜けないようにしても良い。計量器38の挿通口56から上方に突出したバルブ60のノズル部68に、塗布ヘッド76を取り付ける。塗布ヘッド76は、内面部76bの内側に、天面部76cと反対側からノズル部68を差し込み、塗布ヘッド76の突部78をノズル部68の係止溝部70に嵌合させ、外面部76aを注出筒部48の外側に嵌合させて取り付ける。次に、計量器38の取付筒部40に中栓18を取り付ける。中栓18の取付部20を、底部28と反対側の端部から計量器38の取付筒部40の中に入れ、定量筒部44の内周面に嵌合させる。中栓18のフランジ部22が定量筒部44の下端部に当接してそれ以上差し込むことを防ぐ。このときフランジ部22の段部22aが取付筒部40の段部40aに係止され、抜け落ちることがない。この時、中栓18の軸部32は、バルブ60の円筒部62の内側に摺動可能に挿入される。
次に、育毛剤や養毛剤等の薬液98を入れた容器本体12の口部14に、中栓18と計量器38、バルブ60、塗布ヘッド76を、互いに組み付けた上記の状態で取り付ける。先ず中栓18の取付部20を、底部28側の端部から口部14の中に入れる。取付部20は口部14の内周面に液密に嵌合され、フランジ部22は口部14の上端面に当接してそれ以上差し込むことを防ぐ。このとき計量器38の係合凹部42に口部14の係合突部36が嵌合され係止されて、抜け落ちることがない。
さらに、容器本体12の口部14に、キャップ82を取り付ける。キャップ82を塗布ヘッド76の天面部76cの上からかぶせ、軸周りに回して雌ねじ88を口部14の雄ねじ16に螺合させて取り付ける。計量器38の段部45は、キャップ82の押さえ筒部96に押圧され、中栓18を容器本体12の口部14との間に挟んだ状態で閉じられ、図1に示すように密封状態となる。この時、バルブ60と塗布ヘッド76は、液止め筒部90に押されて下降し、バルブ60の第1弁64が中栓18の第1弁座部34を閉鎖する注出状態になり、容器本体12の内部と計量空間46とは遮断されている。この状態では容器本体12を傾けても容器本体12に収容している薬液が出ることがなく、計量注出塗布容器10を安全に運搬したり保管したりすることができる。
次に、計量注出塗布容器10の使用方法について説明する。容器本体12から薬液98を取り出して使用するときは、まずキャップ82を軸周りに回して、雌ねじ88と口部14の雄ねじ16の螺合を解除し、キャップ82を、バルブ60の挿通方向に対して略平行に引き上げて外す。この時、キャップ82のバルブ引き上げフック92はバルブ60の係止溝部72に差し込まれてある程度の強さで係止されているため、キャップ82の引き上げに伴いバルブ60と塗布ヘッド76は摺動して引き上げられる。バルブ60の円筒部62が中栓18の軸部32に摺動可能に嵌合されているため、軸部32の軸方向に沿って摺動する。バルブ60の第2弁66が、計量器38の閉鎖突起54の第2弁座部58に当接したときにバルブ60はそれ以上引き上がらずに止まる。さらにキャップ82を引き上げると、バルブ引き上げフック92とバルブ60の係止溝部72との係合が外れ、キャップ82が外れる。この時、図2に示すように、バルブ60の第2弁66が、計量器38の第2弁座部58を閉鎖し、第1弁64が中栓18の第1弁座部34を開いて、容器本体12の内部空間が計量器38に連通する計量状態となる。
そして、この計量状態で容器本体12を倒立させると、図3に示すように、容器本体12内の薬液98が中栓18の透孔30を通過して計量器38の計量空間46に流入して充満し、一定量が計量される。なお、バルブ60の第2弁66は計量器38の第2弁座部58を塞いでいるため、計量空間46内の薬液98がノズル部68から外に漏れることはない。この状態では、中栓18の仕切壁部24が透孔25に近づくにつれて上方に位置する傾斜面となり、薬液98が確実に計量空間46内に充満する。これは、仕切壁部24が水平な面であると、容器本体12を正確に垂直に倒立させないと仕切壁部24と取付部20の間に空気溜まりが形成されてしまい、薬液98が計量空間46内に充満せず正確な計量ができないという問題を解決するものである。
その状態のまま頭皮等の被塗布面に近づけ、塗布ヘッド76の天面部76cで被塗布面に押し付ける。すると、図4に示すように、バルブ60が計量器38内に押し下げられて第1弁64が第1弁座部34を閉鎖し、第2弁66は第2弁座部58から離れ、バルブ60の透孔74が計量器38の計量空間46に露出して計量空間46がノズル部68に連通する。そして、計量空間46内に充満していた薬液98は、透孔74を通ってノズル部68の中に流れ、先端部68aから外に出る。この時、第1弁64は第1弁座部34を塞いでいるため、容器本体12内の薬液98は流出せず、計量空間46内に充満していた薬液98だけが注出されるので、容器本体12内の薬液98が余分に出ることがなく、一定量である。しかし、ノズル部68は小径であるため、容器を倒立させただけでは薬液98が連続的には注出されない。ここで、塗布ヘッド76の天面である天面部76cで頭皮を軽く叩くようにし、叩いたときの衝撃で注出口から薬液98を少量ずつ注出する。塗布ヘッド76の天面である天面部76cと、ノズル部68の先端部68aの間には溝部77が設けられており、互いに接触していないため、ノズル部68から出た薬液98は塗布ヘッド76に移ることがなく、小径のノズル部68からピンポイントで頭皮に直接滴下される。そして、被塗布面に少量ずつまんべんなく滴下された薬液98を、塗布ヘッド76で軽く叩きながら、頭皮に浸透させるように塗布する。
使用後は、再び容器本体12を正立させ、キャップ82を取り付け、キャップ82の液止め筒部90に塗布ヘッド76とバルブ60が押され、第1弁64が第1弁座部34を塞いだ注出状態で液密となり、安全に保管される。
この実施形態の計量注出塗布容器10によれば、簡単な構造でノズル部68の先端に柔軟で大きい塗布ヘッド76を取り付け、塗布ヘッド76を頭皮に当ててバルブ60を押し込み、薬液98を注出することができ、頭皮への刺激が少なく、触覚的な負荷を感じることがなく、使用感が良好である。しかも一定量の薬液98を確実に計量し、正確に使用することができる。キャップ82を外すことにより、自動的にバルブ60を計量状態へ切り替えることができ、容器本体12を倒立させ、次に被塗布面に塗布ヘッド76を押し当てるだけで、自動的に計量状態から注出状態への切り換え操作と、注出操作を一度に行うことができ、工程が少なく短時間で塗布することができる。
さらに、使用時においては、塗布ヘッド76は柔軟なエラストマーで薄肉に作られ、湾曲部分が適度に撓んで容易に変形するものであり、頭皮に押し付けて叩いた時に、衝撃を和らげることができ、刺激が少なく、痛みがなく、感触が良いので、心地よくマッサージしながら塗布することができる。塗布ヘッド76の天面である天面部76cは、ノズル部68の先端部68aよりも高く設けられているため、硬い材料で作られたノズル部68が頭皮に当たることがない。塗布ヘッド76の内面部76bと、バルブ60のノズル部68の外周面との間に溝部77が設けられているため、ノズル部68から注出された薬液98は塗布ヘッド76に伝わることがなく、垂直に頭皮に滴下するため、塗布する位置を正確に狙うことができる。
その他、薬液98を無駄にすることがなく、必要な位置に所定の量を効果的に滴下することができる。塗布ヘッド76は、ノズル部68の係止溝部70に係止突部78が嵌合されて確実に取り付けられ、外れることがなく、容器本体12を移動させて軽く叩くだけで、塗布ヘッド76で薬液98をまんべんなく塗布することができる。塗布ヘッド76の天面部76cには塗布用突起80が設けられ、頭皮を天面部76cで軽く叩いた時のマッサージ効果が増し、感触も良好となる。また、キャップ82に、溝部77と嵌合する液止め筒部90とバルブ引き上げフック92を設けることができ、確実な液密状態で運搬や保管を行うことができ、キャップ82を外す際にはバルブ60を確実に計量状態に引き上げることができ、構造がシンプルで注出する操作の工程も簡単で使用しやすい。
なお、この発明の計量注出塗布容器は上記実施の形態に限定されるものではなく、材料や形状等自由に変更可能である。キャップとバルブを係止するバルブ引き上げフックと係止溝部の形状も、確実に適度な力で係止され大きな力を加えると外れるものであればよい。また、中栓の軸部と、軸部に摺動可能に嵌合するバルブの円筒部の形状も、上記実施形態に限定されず、がたつき無く確実にバルブが一定方向に移動するものであればよい。また、用途は、薬品や化粧品、その他液体を収容して定量取り出すものであれば良く、上記実施形態には限定されない。中栓の透孔や、バルブの透孔の数や形状も、上記以外でもよく、計量注出塗布容器を組み立てる順番も、適宜変更可能である。
10 計量注出塗布容器
12 容器本体
14 口部
18 中栓
24 仕切壁部
25 透孔
34 第1弁座部
38 計量器
44 定量筒部
46 計量空間
54 閉鎖突起
56 挿通口
58 第2弁座部
60 バルブ
64 第1弁
66 第2弁
68 ノズル部
68a 先端部
74 透孔
76 塗布ヘッド
76a 外面部
76b 内面部
76c 天面部
77 溝部
80 塗布用突起
98 薬液

Claims (4)

  1. 一端部に口部が設けられ薬液を収容する容器本体と、前記口部に設けられこの口部を塞ぐ仕切壁部と前記仕切壁部に形成された透孔を有する中栓と、前記中栓の前記仕切壁部に形成された前記透孔に摺動可能に取り付けられ前記容器本体から引き上げられたときに前記容器本体に連通するバルブと、前記バルブの上部に設けられ前記薬液が注出されるノズル部と、前記ノズル部の先端部に取り付けられた塗布ヘッドが設けられ、
    前記塗布ヘッドは、前記バルブの前記ノズル部を中心として前記ノズル部の外周側に設けられ、前記バルブの前記ノズル部を中心として前記ノズル部の外周面と前記塗布ヘッドの内面部とを隔離する溝部が形成され、前記塗布ヘッドは、前記ノズル部の外周側に位置した前記溝部を介して一周するリング状に設けられ、
    前記容器本体には、着脱自在にキャップが設けられ、前記キャップの上面の内側面には、前記溝部に液密に差し込まれる円筒形状の液止め筒部が形成され、前記液止め筒部は、前記溝部に液密に嵌合し、
    前記塗布ヘッドの天面部が、前記ノズル部の先端部の高さと同一ないし前記先端部よりも突出した位置に設けられていることを特徴とする計量注出塗布容器。
  2. 一端部に口部が設けられ薬液を収容する容器本体と、前記口部に設けられこの口部を塞ぐ仕切壁部と前記仕切壁部に形成された透孔を有する中栓と、前記中栓の前記仕切壁部に形成された前記透孔に摺動可能に取り付けられ前記容器本体から引き上げられたときに前記容器本体に連通するバルブと、前記バルブの上部に設けられ前記薬液が注出されるノズル部と、前記ノズル部の先端部に取り付けられた塗布ヘッドが設けられ、
    前記塗布ヘッドは、前記バルブの前記ノズル部を中心として前記ノズル部の外周部分に設けられ、前記塗布ヘッドの天面部が、前記ノズル部の先端部の高さと同一ないし前記先端部よりも突出した位置に設けられ、前記塗布ヘッドの半径方向の断面形状は、薄肉シートが内面部から外面部に折り曲げられた形状であり、
    前記塗布ヘッドは、前記ノズル部の周囲を所定幅の溝部を開けて囲む筒状の内面部と、前記内面部の外側を一周する筒状の外面部と、前記内面部と前記外面部の上端部同士が連結された前記天面部が設けられ、前記内面部には前記バルブに嵌合される係止部が設けられていることを特徴とする計量注出塗布容器。
  3. 前記塗布ヘッドの前記天面部には、上方に向かって突出する複数個の塗布用突起が設けられている請求項1又は2記載の計量注出塗布容器。
  4. 前記計量注出塗布容器には、計量器が設けられ、前記計量器は、定量筒部と、前記定量筒部を閉鎖する閉鎖突起と、前記閉鎖突起の中心に位置し前記バルブが摺動可能に挿通される挿通口と、前記挿通口を一周する弁座部が設けられ、前記ノズル部には前記容器本体に押し込まれたときに前記定量筒部の内部空間である計量空間に連通する透孔と、前記弁座部を閉鎖し前記ノズル部が前記容器本体に押し込まれた時に前記弁座部を開放する弁が設けられ、前記ノズル部が前記容器本体に押し込まれた時に、前記計量器の前記計量空間に満たされた一定量の前記薬液が注出される請求項1又は2記載の計量注出塗布容器。
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