JP6494444B2 - ポリアルケニルフェノール化合物の製造方法 - Google Patents

ポリアルケニルフェノール化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアルケニルフェノール化合物の製造方法に関する。さらに詳しくは、フェノール性水酸基のパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノール化合物の製造方法に関する。
1912年、クライゼンらにより発見されたアルケニルフェニルエーテル類の[3,3]−シグマトロピー転位は芳香族クライゼン反応と呼ばれる。フェノール類を原料にハロゲン化アルケニルなどを用い、アルケニルエーテル化、続く加熱条件下におけるクライゼン反応により、オルト位にアルケニル基を有する様々なフェノール類が得られる。転位後のアルケニル基は、酸化、メタセシス、カップリングなどの種々の誘導化におけるビルディングブロックを与えるため、合成上有用な中間体を与え、工業製品、医農薬品などの一つの重要な合成方法となっている。
通常、オルト位に置換基をもたないフェノール類においては、オルト位へのアルケニル転位が優先するが、オルト位に置換基を有するフェノールにおいては、ジエノン中間体を経由し、コープ転位によりパラ位にアルケニル基を有するフェノールが生成する。このパラ位へのアルケニル基転位(パラ位へのクライゼン転位反応)は、活性化エネルギーが大きく速度論的に不利である。そのため、通常のオルト位へのクライゼン転位反応に比べて副反応の比率が大きくなり、結果として生成物の純度が低下する。副反応として、アルケニル基の脱離によるフェノールの生成や、アルケニル基間のラジカル反応による重合などが知られている。特にアルケニルエーテル基の2つのオルト位に置換基を有するオルト二置換アルケニルフェニルエーテル類のクライゼン転位反応においては、目的とするパラ位アルケニル化合物の収率は中程度(50〜85%)に留まる。例えば、特許文献1(国際公開第2006/042104号)にはカリックスアレーン類のアルケニルエーテル体のクライゼン転位反応が開示されているが、アニリンなどの特殊な溶媒中で合成されており、また200℃以上の高温を必要とし、目的物の収率も低い。
一方、クライゼン転位反応の原料となるアルケニルフェニルエーテル化合物の合成法としては、(i)塩化アリル、塩化メタリル、臭化アリル等のハロゲン化アルケニル化合物とフェノール化合物を反応させる方法、(ii)酢酸アリルのようなカルボン酸アルケニル化合物とフェノール化合物を反応させる方法の2つの方法を例示することができる。ハロゲン化アルケニル化合物を用いたアルケニルエーテル化反応は、例えば特許文献2(特開平2−91113号公報)に開示されている。また、カルボン酸アルケニル化合物とフェノール化合物を反応させる方法は、例えば特許文献3(特開2011−26253号公報)及び特許文献4(特表平10−511721号公報)に開示されている。
カルボン酸アルケニル化合物を用いる(ii)の方法においては、得られるアルケニルフェニルエーテル化合物は(i)の方法とは異なり、原理的にハロゲン化合物を含まない。例えばエレクトロニクス分野において、半導体絶縁封止材に混入しうる原料中の微量ハロゲン化合物は、金属腐食(イオンマイグレーション)の要因となり、電気的信頼性に悪影響を及ぼすことが知られている。(ii)の方法において得られるポリアルケニルフェニルエーテル化合物又はその誘導体を絶縁封止材などに用いた場合には、より高い信頼性が期待される。
カルボン酸アルケニル化合物を用いる(ii)の合成法では、パラジウムなどの遷移金属を触媒に用いる。これらの金属触媒は一般にアルケニル基などの炭素―炭素二重結合部位へ良好に配位することが知られている。配位することで生成する複合化合物(金属錯体)のアルケニル部位が活性化し、その結果炭素―炭素二重結合部位の異性化、脱離、重合などが起こりやすくなる。そのためカルボン酸アルケニル化合物を用いた場合には、生成したアルケニルフェニルエーテル中に残存する触媒がクライゼン転位に悪影響を及ぼす懸念がある。特にオルト位二置換アルケニルフェニルエーテルにおけるパラ位へのクライゼン転位反応は、オルト位に置換基を有さないアルケニルフェニルエーテルにおけるオルト位へのアルケニル基のクライゼン転位反応に比べて反応速度が小さく速度論的に不利であるため、残存触媒による悪影響を受ける可能性が高いと考えられる。
国際公開第2006/042104号 特開平2−91113号公報 特開2011−26253号公報 特表平10−511721号公報
上述の現状に鑑みて、本発明は、上記(ii)の合成法により得られる2−アルケニルエーテル基の2つのオルト位に置換基を有するポリ2−アルケニルフェニルエーテルから、クライゼン転位反応を用いて、フェノール性水酸基のパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノール化合物を高純度かつ高収率で得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、フェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するポリフェノールとカルボン酸2−アルケニル化合物とを反応させて得られたポリ2−アルケニルエーテルのクライゼン転位反応により、フェノール性水酸基のパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノールを製造する方法において、ポリ2−アルケニルエーテルを特定のpH範囲となるまで洗浄した後、特定の条件下でクライゼン転位反応を行うことで、2−アルケニル基の脱離、重合などの副反応を抑制でき、目的とするパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノール化合物が高収率かつ純度よく得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有するポリフェノールと、カルボン酸2−アルケニルエステルとを反応させてポリ2−アルケニルエーテルを得る第一の工程と、前記ポリ2−アルケニルエーテルを洗浄後の水層のpHが7以下となるように水洗処理する第二の工程と、前記水洗処理されたポリ2−アルケニルエーテルを不活性ガス雰囲気下、160〜200℃の範囲でクライゼン転位反応させることにより、フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有しパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノールを得る第三の工程と、を有することを特徴とするポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[2]前記フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有するポリフェノールが式(1)
Figure 0006494444
(式(1)において、Qはそれぞれ独立に式−CR−で表されるアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数6〜14の芳香環を有する二価の有機基、炭素数6〜10の脂環式縮合環を有する二価の有機基又はこれらを組み合わせた二価基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
で表される構造を有する[1]に記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[3]式(1)におけるQが−CH−である[2]に記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[4]前記カルボン酸2−アルケニルエステルが、式(2)又は(3)
Figure 0006494444
Figure 0006494444
(式(2)及び(3)において、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。式(2)において、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、式(3)において、R10は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基又は炭素数6〜14のアリーレン基を表す。)
で表される[1]〜[3]のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[5]式(2)で表されるカルボン酸2−アルケニルエステルが酢酸アリルである[4]に記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[6]前記ポリアルケニルフェノール化合物の数平均分子量が800〜5000である[1]〜[5]のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[7]前記ポリアルケニルフェノール化合物が、式(4)
Figure 0006494444
(式(4)において、Qはそれぞれ独立に式−CR−で表されるアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数6〜14の芳香環を有する二価の有機基、炭素数6〜10の脂環式縮合環を有する二価の有機基又はこれらを組み合わせた二価基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。Rは式(5)
Figure 0006494444
で表されるアルケニル基であり、式(5)において、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。式(5)の*は、芳香環を構成する炭素原子との結合部を表す。)
で表される構造を有する[1]〜[6]のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[8]前記第一の工程において、遷移金属錯体触媒を用いる[1]〜[7]のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[9]前記第二の工程における水洗処理が、硫酸、塩酸、及びリン酸から選択される鉱酸の水溶液を用いた洗浄を含む、[1]〜[8]のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
[10]前記第二の工程が、ポリ2−アルケニルエーテルを吸着剤を用いて処理することをさらに含む、[1]〜[9]のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
本発明により得られたポリアルケニルフェノール化合物をマレイミドなどの主剤に対して硬化剤として併用することにより、電気的信頼性の高い硬化物が得られる。そのため、本発明により得られたポリアルケニルフェノール化合物は半導体封止材等の原料に好適である。
以下に本発明について詳細に説明する。本発明のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法は、フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有するポリフェノール(以下「原料ポリフェノール」ということがある)と、カルボン酸2−アルケニルエステルとを反応させてポリ2−アルケニルエーテルを得る第一の工程と、前記ポリ2−アルケニルエーテルを洗浄後の水層のpHが7以下となるように水洗処理する第二の工程と、前記水洗処理されたポリ2−アルケニルエーテルを不活性ガス雰囲気下、160〜200℃の範囲でクライゼン転位反応させることにより、フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有しパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノールを得る第三の工程と、を有することを特徴とする。
<第一の工程>
第一の工程において、原料として用いるフェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有するポリフェノールとして、文字どおりこの要件を満たす化合物を使用できるが、式(1)で表される構造を有する化合物が好適である。
Figure 0006494444
式(1)において、Qはそれぞれ独立に式−CR−で表されるアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数6〜14の芳香環を有する二価の有機基、炭素数6〜10の脂環式縮合環を有する二価の有機基又はこれらを組み合わせた二価基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。
炭素数5〜10のシクロアルキレン基の具体例としてはシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基等を挙げることができる。炭素数6〜14の芳香環を有する二価の有機基の具体例として、フェニレン基、メチルフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、フルオレニレン基、アントラセニレン基、キシリレン基、4,4−メチレンジフェニル基等を挙げることができる。
炭素数6〜10の脂環式縮合環を有する二価の有機基の具体例としては、ジシクロペンタジエニレン基等を挙げることができる。R及びRにおける、炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等を挙げることができ、炭素数2〜6のアルケニル基の具体例としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等を挙げることができ、炭素数5〜10のシクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基等を挙げることができ、炭素数6〜12のアリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等を挙げることできる。これらの中でもジシクロペンタジエニレン基、フェニレン基、メチルフェニレン基及びビフェニレン基が熱硬化性組成物とした時に機械強度が高い点で好ましく、一方で、立体障害の小さい−CH−が反応速度の点で好ましい。
原料ポリフェノールの具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキルフェノール樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン共重合体樹脂等の公知のフェノール樹脂が挙げられる。
原料ポリフェノールは、数平均分子量500〜5000、より好ましくは600〜3000のフェノール樹脂であることが好ましい。数平均分子量が500以上であると最終目的物であるフェノール性水酸基のパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノールを硬化剤として用いた硬化物の耐熱性が良好であり、5000以下であると成形時の流動性が良好である。これらのフェノール樹脂中には通常分子量(繰り返し単位数)の異なる化合物が複数混在している。全ての化合物がフェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有する化合物である必要はない。例えば2つのフェノール骨格がメチレンを介して結合している2核体を含むものであってもよい。但し、このような化合物の含有量は少ない方が望ましく、原料ポリフェノールを基準として好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
上記フェノール樹脂にはフェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有する化合物が通常含まれる。この点は、例えば第25回熱硬化性樹脂講演討論会講演要旨集(1975)P5−8、第20回熱硬化性樹脂講演討論会講演要旨集(1970)P13−16等に記載されている。
式(1)で表される構造を有する化合物は、例えば以下の式(6)で表されるような2つ(両方)のオルト位の少なくとも一方には置換基を有さない構造を一部含有していてもよい。
Figure 0006494444
式(6)におけるQは式(1)について説明したとおりである。
本発明において、原料の1つであるカルボン酸2−アルケニルエステルとして、式(2)又は(3)で表される2−アルケニル基を有する化合物が挙げられる。
Figure 0006494444
Figure 0006494444
式(2)及び(3)において、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、式(2)において、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、式(3)において、R10は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基又は炭素数6〜14のアリーレン基を表す。炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数5〜10のシクロアルキレン基の具体例は、式(1)について説明したものと同じである。炭素数1〜5のアルキレン基の具体例として、メチレン基(−CH−)、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができ、炭素数6〜14のアリーレン基の具体例として、フェニレン基、メチルフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、フルオレニレン基、アントラセニレン基、キシリレン基、4,4−メチレンジフェニル基等を挙げることができる。
具体的には、カルボン酸2−アルケニルエステルとして、酢酸アリル、プロピオン酸アリル、安息香酸アリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル等のアリルエステルが挙げられる。これらの中でも酢酸アリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、及びテレフタル酸ジアリルが好ましい。二価の芳香族カルボン酸ジアリルエステルであるフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、及びテレフタル酸ジアリルは、生成したジカルボン酸が固形になり、逆反応が起こりにくいので反応速度が大きく、しかも未反応物を濾過により回収し易いため好適に使用される。工業的には酢酸アリルが安価に入手できるため、最も好ましい。
第一の工程では、フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有するポリフェノールと、カルボン酸2−アルケニルエステルとを、例えば遷移金属錯体触媒の存在下、好ましくは錯化剤であるリン化合物を共存させ、塩基性条件下で反応させることで式(7)で表される構造を有するポリ2−アルケニルエーテルを得ることができる。
Figure 0006494444
式(7)におけるQは式(1)について説明したとおりである。
は式(5)
Figure 0006494444
で表される2−アルケニル基であり、式(5)におけるR、R、R、R及びRは式(2)及び(3)について説明したとおりである。式(5)の*は、芳香環を構成する炭素原子との結合部を表す。
具体的な反応方法としては、例えば特許文献3(特開2011−26253号公報)又は特許文献4(特表平10−511721号公報)に記載の方法を使用することができる。第一の工程によれば、得られるポリ2−アルケニルエーテル中に原料由来のハロゲン化合物が混入しない。
原料ポリフェノールのフェノール性水酸基に対して、配合するカルボン酸2−アルケニルエステルの2−アルケニル基の量は1当量以上であることが好ましく、より好ましくは1〜5当量であり、さらに好ましくは1〜1.5当量である。1当量以上であると、後述の第三の工程で得られるポリアルケニルフェノール化合物の流動性が良好となる。なお、カルボン酸2−アルケニルエステルの量を1当量よりも少なくすることで、部分的に2−アルケニル化されたポリアルケニルフェノール化合物を合成することも可能である。
第一の工程は、遷移金属錯体触媒の存在下で行うことができる。好適な触媒は、例えばロジウム、ルテニウム、レニウム、パラジウム、イリジウム、タングステン、モリブデン、クロム、コバルト、白金、ニッケル、銅、オスミウム、又は鉄を、遊離金属又は錯体として非酸化状態で、あるいはそれらの塩、例えばカルボン酸塩、ハロゲン化物、酸化物、硝酸塩又は硫酸塩として酸化状態で含有する。より好ましい遷移金属錯体触媒は、白金族金属に基づくものであり、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、又はオスミウムを含有する。最も好ましい触媒は、パラジウム触媒である。
遷移金属錯体触媒は、酢酸塩、塩化物、硝酸塩又は硫酸塩のような塩の形態で、あるいは炭素、木炭、活性炭、シリカ、アルミナ、オルガノゾルゲル、ゼオライト、クレー等の担体に担持して用いることができる。特に反応液との分離を考えると、遷移金属錯体触媒は、担体に担持した形態で用いることが好ましい。最も好ましい遷移金属錯体触媒は、活性炭に対して0.1〜20質量%のパラジウムを担持した触媒である。
触媒の使用量は、原料ポリフェノールのフェノール性水酸基1当量当たり、金属原子として通常1/1,000,000〜1/10、好ましくは1/10,000〜1/50、さらに好ましくは1/5,000〜1/100の比率である。
触媒を担持させて不均一触媒として用いる場合、必要に応じて、不均一触媒を固定床で又は液体反応混合物中に懸濁させて反応を行うことができる。
触媒の活性を安定化し、かつ増強するための配位子として作用させるために錯化剤を用いることが好ましい。反応混合物に添加する前に錯化剤で触媒を錯化してもよく、触媒及び錯化剤を別々に反応混合物に添加することにより、錯体触媒をその場(in situ)で生成させてもよい。
好適な錯化剤としては、例えば有機モノホスフィン、有機ジホスフィン、有機亜リン酸エステル、有機スチビン、オキシム、有機アルシン、ジアミン、ジカルボニル化合物等が挙げられる。特に適切な錯化剤としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリ−(o,m,p−)トリルホスフィン、トリス−p−メトキシフェニルホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィノスチレン及びその重合体、トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン等のリン化合物が挙げられる。より好ましい錯化剤としては、トリ−(o,m,p−)トリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスファイト及びジフェニルホスフィノエタンが挙げられ、その中でもトリフェニルホスフィン及びトリエチルホスファイトが最も好ましい。トリエチルホスファイトは反応系から蒸留により留去可能である点でも好ましい。水溶性錯化剤、例えばスルホン化トリフェニルホスフィンを用いることもでき、この種の配位子は水溶性で有機生成物層から容易に洗出/分離が可能であるという利点を有する。
錯化剤は、遷移金属錯体触媒1モルに対して、好ましくは0.1〜1000倍モル、より好ましくは1〜100倍モル、さらに好ましくは2〜50倍モルで用いられる。
第一の工程では、反応系を塩基性とするために原料ポリフェノールのフェノール性水酸基に対して、0.8〜10当量、好ましくは1〜2当量、さらに好ましくは1〜1.2当量の塩基化合物を用いることが好ましい。適切な塩基化合物としては、例えばアルカリ及びアルカリ土類金属の重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、フェノキシド、水酸化物、水素化物又はアルコキシド、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸リチウム、重炭酸カルシウム等、又は2つ若しくはそれより多くのこのような塩基化合物のあらゆる組合せが挙げられる。好ましい塩基化合物としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムが挙げられる。
反応は、好ましくは0℃〜200℃、より好ましくは25℃〜150℃、さらに好ましくは50℃〜110℃の温度範囲で実施する。反応温度が高すぎるとクライゼン転位等の副反応が起こり易くなるし、反応温度が低すぎると反応速度が遅くなる。反応系の沸点以上で反応を行う場合には、オートクレーブのような密閉容器で反応を行うこともできる。
大気雰囲気でも反応を実施することができるが、遷移金属錯体触媒の使用に起因した発火の恐れもあるため、窒素ガス、アルゴン等の不活性ガス雰囲気で反応を行うことが望ましい。
反応は水を含まない単相系でも反応は進行するが、水相及び有機相を含有する二相系で行うことが好ましい。特に原料のポリフェノールの水への溶解度が低い場合には、副生成物のカルボン酸をカルボン酸塩として水層に抽出できるので、水相を存在させることの効果は大きい。有機相は、原料のポリフェノールと、カルボン酸2−アルケニルエステルと、必要に応じて溶媒とを用いて形成することができる。好ましくは、混合物を激しく撹拌して水相と有機相とを互いに密接に接触させる。水相対有機相の質量比は、好ましくは9:1〜1:9である。
第一の工程において粘度調整、二相系の確立等のために溶媒を用いることができる。溶媒としては、例えば酸素含有炭化水素(例えば2級又は3級アルコール、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、エステル、ケトン等)が挙げられる。その他の溶媒としては、ニトロアルカン、シアノアルカン、アルキルスルホキシド、アミド、ニトリル、芳香族又は脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上組み合せて使用してもよい。
特に適切な溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、t−ブタノール、t−アミルアルコール、グライム、及びそれらのあらゆる組合せが挙げられる。これらの中でより好ましい溶媒は、イソプロパノール、t−ブタノール、t−アミルアルコール、アセトニトリル、トルエン、及び1,2−ジクロロエタン、並びにこれらの2種以上の組み合わせである。
溶媒の使用量は、原料ポリフェノール100質量部に対して、好ましくは0.5〜100質量部、より好ましくは1〜20質量部、さらに好ましくは2〜10質量部の範囲である。
<第二の工程>
第二の工程は、第一の工程で得られたポリ2−アルケニルエーテルを洗浄する工程である。洗浄は水又は酸性水溶液にて行い、洗浄後の水層のpHが7以下となるように実施する。第一の工程は一般に塩基化合物の存在下で実施されるため、反応液はアルカリ性である。
本発明者の検討によると、第一の工程で得られたポリ2−アルケニルエーテルの洗浄が不十分であると、次工程のクライゼン転位反応時に2−アルケニル基の重合等の副反応が起こることや、得られたポリ2−アルケニルフェノールを硬化剤としてマレイミド等の主剤と混合して硬化物を成形する際に成形不良等を生じやすいことが確認されている。
そのため、第二の工程では、第一の工程で得られたポリ2−アルケニルエーテルを洗浄後の水層のpHが7以下となるまで水洗する。好ましくは水層のpHが7〜1、より好ましくはpHを6〜2となるように水洗する。pHが7より大きい場合は、続くクライゼン転位反応における重合等の副反応が増加し、pHが1より小さい場合は、酸に不安定な官能基の分解、例えばフェノール樹脂の隣接する芳香環を結合するメチレンの脱プロトン化等が起こることがある。硫酸、塩酸、及びリン酸から選択される鉱酸の水溶液、好ましくは1〜10質量%の水溶液で洗浄することによりポリ2−アルケニルエーテル中に残存する塩基化合物を中和及び除去し、洗浄後の水層のpHを7以下にすることができる。なお、水洗に使用する酸性水溶液の酸性度が強ければ水洗後の水層のpHは当然7より小さくなる。第二の工程で重要なのは水洗後の水層のpHの絶対値ではなく、反応液中の残存塩基化合物を低減又は除去することである。酸性水溶液により反応液中の残存塩基化合物を除去した後に純水洗浄することが好ましい。
水洗を実施するに先立って、反応液中に存在する析出物の溶解及びポリ2−アルケニルエーテルの粘度の低減のため、反応液に純水及び溶剤を同時又は逐次添加することができる。添加する溶剤はポリ2−アルケニルエーテルを溶解し水との相溶性がないものを使用することが好ましい。溶剤の例としては、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素、及び酢酸エチル等のエステルが挙げられる。
水洗処理のみでは反応系中に遷移金属触媒が残存する場合があり、この遷移金属触媒を除去しないと生成物の着色が強くなる傾向がある。また、ポリアルケニルフェノール化合物を絶縁封止材等に用いる場合、遷移金属触媒が残存することにより電気的信頼性に悪影響を及ぼす可能性があるので、生成物に残存する遷移金属触媒を低減又は除去する処理を行うことが好ましい。そのような処理として、例えば活性炭などの吸着剤を用いた処理が挙げられる。活性炭を構成する原料には特に制限はなく、例えば椰子ガラ、合成樹脂、コークス、ピッチ等を原料としたものを好適に用いることができる。これらの中でも、経済性及び入手性を考慮して、椰子ガラ又は合成樹脂を原料とする活性炭を使用することが好ましい。
活性炭の形状に特に制限はなく、粉末状、粒状、繊維状、成型体等の様々な形態のものを好適に用いることができる。これらの中でも、表面積が大きく、吸着能が優れた粉末状の活性炭を使用することが好ましい。
活性炭の使用量に特に制限はないが、経済性及び操作性の観点から、活性炭の使用量は、使用する原料ポリフェノール100質量部に対し好ましくは0.01〜0.5質量部、より好ましくは0.02〜0.1質量部の範囲である。
活性炭を用いた吸着処理の方法に特に制限はない。例えば第一の工程で得られたポリ2−アルケニルエーテルを上記溶媒で希釈した液に粉末状の活性炭を添加し、撹拌しながら必要時間加温する方法がある。
活性炭との接触時間は所望の吸着が達成できる程度に様々であってよく、活性炭の使用量によっても異なるが、触媒の除去効率を高める観点からは、通常、1分〜10時間の範囲であることが好ましく、30分〜5時間の範囲であることがより好ましい。
活性炭を接触させる際の温度は特に制限されず、通常、0〜100℃の範囲であることが好ましく、操作性の観点からは40〜80℃の範囲であることがより好ましい。
活性炭を接触させる際の圧力は特に制限されず、通常、大気圧下で活性炭を接触させることが好ましいが、必要に応じて加圧条件下で接触させることもできる。処理後活性炭は分離除去される。活性炭処理は水洗工程後に実施することができるが、水洗工程に先立って実施することもできる。
<第三の工程>
第三の工程では、第二の工程で水洗処理されたポリ2−アルケニルエーテルをクライゼン転位反応させることにより、例えば式(4)で表されるような、フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有しパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノール化合物を得る。
Figure 0006494444
式(4)におけるQ及びRはそれぞれ式(1)及び式(7)について説明したとおりである。
クライゼン転位反応は、160〜200℃、より好ましくは170〜190℃の温度で実施することができる。温度が160℃より低い場合は、反応の進行が著しく遅いか、又は全く進行せず、200℃より高い場合は、重合等の副反応が増加するおそれがある。
クライゼン転位反応を一般に1〜60時間、より好ましくは10〜30時間行うことにより、目的とするポリアルケニルフェノール化合物を得ることができる。反応時間が1時間より短い場合は、転化率が低く、60時間より長い場合は、重合等の副反応が増加する傾向がある。
クライゼン転位反応を、窒素ガス、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことにより、目的とするポリアルケニルフェノール化合物を得ることができる。反応系内に酸素が存在すると酸化による目的物の着色、重合等による不溶成分の生成等の副反応が増加するおそれがある。
以上の第一の工程から第三の工程によりフェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有しパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノール化合物を得ることができる。例えば、フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有する数平均分子量500〜5000のポリフェノール樹脂を原料として用いれば、成形時の流動性に優れ、耐熱性を有する硬化物を与える硬化剤として好適である、数平均分子量800〜5000、より好ましくは1000〜3000のポリアルケニルフェノール樹脂を得ることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
[分析方法]
・水酸基当量:JIS K0070に従い、試料2gを用いて、水酸基価を測定した後、水酸基当量を算出した。
・GPCによる分子量の測定
GPCの測定条件は以下のとおりである。
装置名:Shodex(登録商標)GPC−101
カラム:Shodex(登録商標)KF−802、KF−803、KF−805
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
検出器:Shodex(登録商標)RI−71
温度:40℃
上記測定条件で、ポリスチレンの標準物質を使用して作成した検量線を用いて数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwを算出した。
・溶融粘度
レオメーター(回転式粘度計)に試料1gを載せ、コーンプレート(CP−25)を用いて測定した。測定条件は以下のとおりである。
装置名:Anton Paar社製粘弾性測定装置MCR301
温度:110℃
・第三の工程(転位反応)における転化率
第二の工程後のポリ2−アルケニルエーテル(以下の実施例ではポリアリルエーテル)のH−NMRスペクトルにおけるδ4.6〜4.4ppm(アリルエーテル基に基づくシグナル)の積分値を100としたときの第三の工程後のポリ2−アルケニルフェノール化合物のH−NMRスペクトルにおけるδ4.6〜4.4ppmの積分値の減少割合により算出した。
・副生成物の割合
GPCのリテンションタイムにより決定した。BRG−556を用いた実施例1、2、4、及び比較例1〜4では25分未満(25分以降に対応するポリアリルエーテルに基づくピークを有する)のリテンションタイムに出現したピークの面積、BRG−558を用いた実施例3では23分未満(23分以降に対応するポリアリルエーテルに基づくピークを有する)のリテンションタイムに出現したピークの面積の割合により副反応(アリル基の重合)率は算出できる。副反応(アリル基の重合)が起こると、分子量の増加に伴いより小さいリテンションタイムにおいて新たなピークが現れる。なお、アルケニル基の脱離等、分子量の減少を伴う副反応が起これば、BRG−556では25分以上、BRG−558では23分以上のリテンションタイムにおいて新たなピークが現れる。
・残存Pd量
使用装置:ICP−MS Agilent Technologies 7700
試料0.2〜0.3gを石英ビーカーに秤量し、98質量%硫酸(純正化学株式会社製)2mLを加え加熱し炭化させた後、炭化物が分解し溶液が透明になるまで60質量%硝酸(和光純薬工業株式会社製)を少量ずつ添加及び加熱を繰り返した。分解液を50mLに定容し、ICP−MSでPdを定量した。
[実施例1]ポリアリルフェノール樹脂B−1の製造
1000mLの3つ口型フラスコに、炭酸カリウム(日本曹達株式会社製)201g(1.45mol)を純水150gに溶解した溶液、フェノールノボラック樹脂ショウノール(登録商標)BRG−556(昭和電工株式会社製、数平均分子量600、重量平均分子量850、水酸基当量107、溶融粘度0.1〜0.3Pa・s(150℃))150.0g(水酸基1.4mol)を仕込み、反応器を窒素ガス置換し85℃に加熱した。窒素ガス気流下、酢酸アリル(昭和電工株式会社製)204g(2.04mol)、トリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製)3.82g(14.6mmol)、及び50質量%含水5質量%−Pd/C−STDタイプ(エヌ・イーケムキャット株式会社製)0.62g(0.291mmol)を入れ、窒素ガス雰囲気中、105℃に昇温して4時間反応させた後、酢酸アリル29g(0.291mol)を追添し、加熱を10時間継続した。その後撹拌を停止し、静置することで有機層と水層の二層に分離した。析出している塩(酢酸カリウム塩)が溶解するまで、純水(200g)を添加した後、トルエン200gを加え、80℃以上の温度に保持して白色沈殿(酢酸カリウム塩)が析出していないことを確認した後、Pd/Cを濾過(1マイクロメートルのメンブランフィルター(アドバンテック社製KST−142−JAを用いて加圧(0.3MPa))により回収した。この濾滓をトルエン100gで洗浄するとともに、水層を分離した。濾滓の洗浄トルエンと上記有機層を合わせたものを純水200gで3回洗浄し、3度目の洗浄後分離した水層のpHが7.0であることを確認した。分離した有機層に活性炭CN1(日本ノリット株式会社製)4.5gを加え、60℃に加熱し、1時間マグネティックスターラーにて300rpmで撹拌した。その後活性炭を濾過(1マイクロメートルのメンブランフィルター(アドバンテック社製KST−142−JA)を用いて加圧(0.3MPa))により除去した後、減圧下、濃縮(トルエン及び過剰の酢酸アリルを除去)し、褐色油状物のフェノールノボラック型のポリアリルエーテル樹脂(数平均分子量1000、重量平均分子量2200)A−1を得た。この段階での収率は96%であった。
得られたフェノールノボラック型のポリアリルエーテル樹脂A−1を、メカニカルスターラーをセットした500mLのフラスコに入れた。反応容器に窒素ガスを吹き込み、マグネティックスターラーにて300rpmで撹拌をしながら180℃まで昇温し、そのまま窒素ガス雰囲気下、16時間クライゼン転位反応させ、目的とするパラ位にアリル基を有する赤褐色のフェノールノボラック型のポリアリルフェノール樹脂B−1を得た。クライゼン転位反応における収率は96%であった。ポリアリルフェノール樹脂B−1の水酸基当量は151、数平均分子量は1000、重量平均分子量は2200であり、数平均分子量及び重量平均分子量はクライゼン転位反応前後で実質的に変化しなかった。このポリアリルフェノール樹脂B−1を硬化剤とし、ビスマレイミドを主剤とする下記の熱硬化性組成物を、各成分を均一に混合して調製した後、180℃、20分間大気下で10mm×10mm×3mm厚の形状にヒートプレス成形した。得られた硬化物はわずかにボイドを有していた。熱硬化性組成物の組成を以下に示す。
・ポリアリルフェノール樹脂B−1 85質量部
・BMI−1100:4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成工業株式会社製) 100質量部
・パークミルD:ジクミルパーキサイド(日油株式会社製) 0.8質量部
・シリカフィラー:MSR2212(株式会社龍森製) 557質量部
・シリコンカップリング剤:KBM−403(信越化学工業株式会社製) 7.5質量部
[実施例2]ポリアリルフェノール樹脂B−2の製造
実施例1における有機層の洗浄を純水200gで3回行う代わりに3質量%(pH1.0)に調製したリン酸水溶液200gで2回行い、2回目の洗浄後分離した水層のpHを2.0とした後純水200gで1回洗浄した以外は、実施例1と同様に反応を行い赤褐色の目的とするポリアリルフェノール樹脂B−2を得た(クライゼン転位反応における収率95%)。得られたポリアリルフェノール樹脂B−2を、実施例1同様ビスマレイミドを主剤とする熱硬化性組成物の硬化剤として用いることにより、ボイドの発生がない良好な硬化物が得られた。クライゼン転位反応前後の数平均分子量及び重量平均分子量は実施例1と同様であった。
[実施例3]ポリアリルフェノール樹脂B−3の製造
フェノールノボラック樹脂ショウノール(登録商標)BRG−556 150.0gの代わりにフェノールノボラック樹脂ショウノール(登録商標)BRG−558(昭和電工株式会社製、数平均分子量1050、重量平均分子量1850、水酸基当量107、溶融粘度0.8〜1.2Pa・s(150℃))を用いた以外は実施例1と同様の操作により黄色固体のフェノールノボラック型のポリアリルフェノール樹脂B−3を得た(クライゼン転位反応前の段階での収率96%、クライゼン転位反応における収率95%)。ポリアリルフェノール樹脂B−3の水酸基当量は159、数平均分子量は1600、重量平均分子量は5400であった。なお、クライゼン転位反応前後での数平均分子量及び重量平均分子量に変化はなかった。このポリアリルフェノール樹脂B−3を、実施例1同様ビスマレイミドを主剤とする熱硬化性組成物の硬化剤として用いることにより得られた硬化物はわずかにボイドを有していた。
[実施例4]ポリアリルフェノール樹脂B−4の製造
実施例1における活性炭処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に反応を行い黒褐色の目的とするポリアリルフェノール樹脂B−4を得た(クライゼン転位反応における収率95%)。着色が濃く、残存Pd量が他の実施例及び比較例よりも多いが、実施例1及び2と平均分子量及び溶融粘度の点では同等であった。Pd量が多いため、半導体絶縁封止材に用いたときの硬化物の電気的信頼性が他の実施例に比べて劣る可能性がある。このポリアリルフェノール樹脂B−4を、実施例1同様ビスマレイミドを主剤とする熱硬化性組成物の硬化剤として用いることにより得られた硬化物はわずかにボイドを有していた。
[比較例1]ポリアリルフェノール樹脂B−5の製造
実施例1における有機層の洗浄を純水200gで3回行う代わりに純水200gで2回行い、2回目の洗浄後分離した水層のpHを9.0とした以外は、実施例1と同様に反応を行い黒褐色の目的物を得た(クライゼン転位反応における収率80%)。結果を表1に示す。実施例1及び2に比べて平均分子量及び溶融粘度が高くなっており、重合が進行したことが示唆される。このポリアリルフェノール樹脂B−5を、実施例1同様ビスマレイミドを主剤とする熱硬化性組成物の硬化剤として用いることにより得られた硬化物は多量にボイドを有していた。
[比較例2]ポリアリルフェノール樹脂B−6の製造
実施例1のクライゼン転位反応における反応温度を150℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行い赤褐色の目的物を得た(クライゼン転位反応における収率96%)。実施例1に比べて水酸基当量が大きく、溶融粘度が低いことから、クライゼン転位反応の進行が不十分であることが示唆される。このポリアリルフェノール樹脂B−6を、実施例1同様ビスマレイミドを主剤とする熱硬化性組成物の硬化剤として用いることにより得られた硬化物はわずかにボイドを有していた。
[比較例3]ポリアリルフェノール樹脂B−7の製造
実施例1のクライゼン転位反応における反応温度を210℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行い黒褐色の目的物を得た(クライゼン転位反応における収率85%)。結果を以下の表1に示す。実施例1に比べて平均分子量が大きいことから、重合が進行していることが示唆される。このポリアリルフェノール樹脂B−7を、実施例1同様ビスマレイミドを主剤とする熱硬化性組成物の硬化剤として用いることにより得られた硬化物はわずかにボイドを有していた。
[比較例4]ポリアリルフェノール樹脂B−8の製造
実施例1のクライゼン転位反応において窒素ガスの吹き込みを行わなかった以外は、実施例1と同様に反応を行い黒褐色の目的物を得た(クライゼン転位反応における収率85%)。結果を以下の表1に示す。実施例1に比べて平均分子量が大きいことから、重合及び大気中の酸素による酸化が進行したことが示唆される。このポリアリルフェノール樹脂B−8を、実施例1同様ビスマレイミドを主剤とする熱硬化性組成物の硬化剤として用いることにより得られた硬化物はわずかにボイドを有していた。
Figure 0006494444
表1より目的とするパラ位に2−アルケニル(アリル)基を有するポリアルケニル(アリル)フェノール化合物が比較例に比べて実施例で高収率かつ純度よく得られることが示唆される。
本発明により製造されたフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有しパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノール化合物を硬化剤としてマレイミド等の主剤と組み合わせることにより、電気的信頼性の高い硬化物が得られることが期待できる。本発明により製造されたフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有しパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノール化合物は、半導体封止材の原料等に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有するポリフェノールと、カルボン酸2−アルケニルエステルとを遷移金属錯体触媒の存在下で反応させてポリ2−アルケニルエーテルを得る第一の工程と、前記ポリ2−アルケニルエーテルを洗浄後の水層のpHが7以下となるように水洗処理する第二の工程と、前記水洗処理されたポリ2−アルケニルエーテルを不活性ガス雰囲気下、160〜180℃の範囲でクライゼン転位反応させることにより、フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有しパラ位に2−アルケニル基を有するポリアルケニルフェノールを得る第三の工程と、を有することを特徴とするポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  2. 前記フェノール性水酸基の2つのオルト位に置換基を有するフェノール骨格を含む、フェノール骨格を2つ以上有するポリフェノールが式(1)
    Figure 0006494444
    (式(1)において、Qはそれぞれ独立に式−CR−で表されるアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数6〜14の芳香環を有する二価の有機基、炭素数6〜10の脂環式縮合環を有する二価の有機基又はこれらを組み合わせた二価基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
    で表される構造を有する請求項1に記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  3. 式(1)におけるQが−CH−である請求項2に記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  4. 前記カルボン酸2−アルケニルエステルが、式(2)又は(3)
    Figure 0006494444
    Figure 0006494444
    (式(2)及び(3)において、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。式(2)において、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、式(3)において、R10は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基又は炭素数6〜14のアリーレン基を表す。)
    で表される請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  5. 式(2)で表されるカルボン酸2−アルケニルエステルが酢酸アリルである請求項4に記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  6. 前記ポリアルケニルフェノール化合物の数平均分子量が800〜5000である請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  7. 前記ポリアルケニルフェノール化合物が、式(4)
    Figure 0006494444
    (式(4)において、Qはそれぞれ独立に式−CR−で表されるアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数6〜14の芳香環を有する二価の有機基、炭素数6〜10の脂環式縮合環を有する二価の有機基又はこれらを組み合わせた二価基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。Rは式(5)
    Figure 0006494444
    で表されるアルケニル基であり、式(5)において、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。式(5)の*は、芳香環を構成する炭素原子との結合部を表す。)
    で表される構造を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  8. 前記第三の工程におけるクライゼン転位反応が170〜180℃の範囲で行われる、請求項1〜7のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  9. 前記第二の工程における水洗処理が、硫酸、塩酸、及びリン酸から選択される鉱酸の水溶液を用いた洗浄を含む、請求項1〜8のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
  10. 前記第二の工程が、ポリ2−アルケニルエーテルを吸着剤を用いて処理することをさらに含む、請求項1〜9のいずれか1つに記載のポリアルケニルフェノール化合物の製造方法。
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