JP4478901B2 - フェノール類ノボラック樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フェノール類ノボラック樹脂の製造方法に関する。
フェノール類ノボラック樹脂は、成型材料、エポキシ樹脂硬化剤、フォトレジスト用樹脂、エポキシ樹脂原料等幅広い分野に用いられている。そして、その原料であるアルデヒド類に由来するメチレン結合のうちのオルソ位の比率すなわちオルソ率により、その特性、特に反応性が変わってくることは知られている(非特許文献1参照)。例えば、オルソ率が大きくなると、アミン化合物による硬化性が速くなることが知られており、また、フェノール類ノボラック樹脂をエポキシ化したノボラックエポキシ樹脂の場合にも、同様に硬化性が速くなることが知られている。このことから、その用途に応じて、種々のオルソ率を持つノボラック樹脂が製造されている。
例えば、フェノールとホルマリンとの反応において、触媒として、p−トルエンスルホン酸を用いると、オルソ率が20%前後のものを製造でき、シュウ酸を用いることにより、オルソ率が40%前後のものを製造できることが知られている。また、酢酸亜鉛を用いることにより、ハイオルソノボラックといわれるオルソ率が60%超えるものが製造できることも知られている。またオルソ率が40%前後のフェノール類ノボラック樹脂を製造する場合、オルソ率が20%前後のものを製造する場合に比べ、使用する触媒が弱酸のため、長時間反応させたり、温度を上げ、脱水を行う等の反応率を向上させる方法も試みられている(特許文献1参照)。
また、シュウ酸触媒下におけるフェノール類とアルデヒド類との反応を、110〜160℃、加圧下という特定の条件下で実施することにより、オルソ率が40〜60%であるフェノール類ノボラック樹脂を、収率良く、かつ工業的に有利に得られる、フェノール類ノボラック樹脂の製造方法が開示されている(特許文献2参照)。
また、オルソ率が40〜60%であるフェノール類ノボラック樹脂を得るため、オルソ率が30%程度であるフェノール類ノボラック樹脂と、オルソ率が60%超えるハイオルソノボラックを混合し、オルソ率を調整する方法も知られているが、混合調整工程が必要であるなど作業の効率性の問題があった。さらに、前記の方法では、品質を均一に維持することが困難であった。
また、フェノール類ノボラック樹脂は、シェルモールド用コーテッドサンド用の材料としても広く用いられている。近年、鋳物用の鋳型は生産の合理化に伴って、造型1サイクルあたりの製造時間を短縮することが求められており、それに使用されるコーテッドサンドには、より速い硬化性が強く求められていた。
特開昭62−275121号公報 特開2002−179749号公報
「フェノール樹脂」:48〜52頁、1987年、(株)プラスチックス・エージ発行
しかしながら、この反応率を向上させる方法でも収率が低いという問題、更には、留出水、分液水等の排水に多量の原料フェノール類を含む問題、加圧のための設備が必要という工業上の問題があった。また、オルソ率を調整する混合調整工程を有する方法では、品質と作業の効率性の点から問題があった。
本発明は、オルソ率30〜60%、好適にはオルソ率40〜55%のフェノール類ノボラック樹脂を収率良く(70%以上)製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、金属化合物の触媒存在下において、フェノール類とアルデヒド類とを反応させ、さらにキレート剤を添加し、金属化合物の触媒作用を失活させることで、収率良く、目的とするフェノール類ノボラック樹脂が得られることを見出した。
すなわち本発明は、以下に関する。
(1) フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応させて得られるフェノール類ノボラック樹脂の製造方法において、触媒としてキレート化能力を有する金属化合物の存在下で、フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応させる工程を有し、その後、前記金属化合物の触媒作用を失活させるためにキレート剤を添加する工程、キレート剤の添加後、さらに反応を継続させることを特徴とするフェノール類ノボラック樹脂の製造方法(但し、金属化合物としてアルカリ金属類は除く。)
(2) フェノール類が、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、フェニルフェノール、t−ブチルフェノール、t−アミルフェノール、ビスフェノールAおよびレゾルシノールのうちから選択される1または2以上であることを特徴とする前記(1)のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法。
(3) ホルムアルデヒド類が、ホルマリン、パラホルムアルデヒドおよびトリオキサンのうちから選択される1または2以上であることを特徴とする前記(1)または(2)のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法。
(4) 金属化合物が、1価〜6価の金属の酸化物、有機塩、無機塩および水酸化物のうちから選択される1または2以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかのフェノール類ノボラック樹脂の製造方法。
(5) キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、トランス−1,2−シクロヘキサジアミン−N,N,N’,N’―四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ハイドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、エチレンジアミン二プロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸(EDTPO)、ハイドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(EDTA−OH)、ジアミノプロパノール四酢酸(DPTA−OH)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTPO)、ビス(アミノフェニル)エチレングリコール四酢酸(BAPTA)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)およびグリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)のうちから選択される1または2以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかのフェノール類ノボラック樹脂の製造方法。
本発明により、オルソ率を調整する混合調整工程を必要とせず、収率良く(70%以上)、オルソ率30〜60%、好適にはオルソ率40〜55%のフェノール類ノボラック樹脂を得ることができた。
以下、本発明のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法について、詳細に説明する。
本発明のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法においては、フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応させて得られるフェノール類ノボラック樹脂の製造方法であり、前記反応の触媒として金属化合物を用い、さらに前記金属化合物の触媒作用を失活させるためにキレート剤を用いることを特徴としている。本発明において用いられるフェノール類としては、特に限定は無いが、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、フェニルフェノール、t−ブチルフェノール、t−アミルフェノール、ビスフェノールA、レゾルシノールなどが挙げられる。フェノール類は単独または2以上併用してもよい。
また、本発明において用いられるアルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなどが挙げられる。アルデヒド類は単独または2以上併用してもよい。なかでも取り扱い性などの面でホルマリンやパラホルムアルデヒドが好ましい。アルデヒド類の使用量は、目的とするフェノール類ノボラック樹脂の分子量によって異なるが、フェノール類1モルに対し、通常0.5〜0.99モル倍使用される。
0.5モル倍未満では収率が低下するおそれが、また0.99モル倍を超すとゲル化するなどのおそれがある。
触媒として用いられるキレート化能力を有する金属化合物は、好ましくは、1価〜6価の金属の酸化物、有機塩、無機塩、水酸化物のうちから選択される。金属化合物は単独または2以上併用してもよいが、固体、粉体のものを用いてもよく、水溶液や溶媒に分散させた状態で使用しても良い。金属化合物としては、例えば酸化亜鉛、サリチル酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸マンガン、酸化チタン、五酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化クロム、酸化コバルト、酢酸ニッケル、酢酸バリウム、酢酸銅、水酸化スズ、水酸化アンチモン、水酸化ストロンチウム、水酸化ランタン、塩化亜鉛、水酸化亜鉛、シュウ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。金属化合物の使用量は、通常、フェノール類1モルに対し金属イオンとして0.0001〜0.1モル倍である。好ましくは、フェノール類1モルに対し、0.0002〜0.05モル倍であり、より好ましくは0.0003〜0.01モル倍、特に好ましくは0.0004〜0.005モル倍である。0.0001モル倍未満では反応性が著しく低下するおそれが、また0.1モル倍を超すと反応が爆発的に進行するおそれがある。
金属化合物の触媒作用を失活させるために用いられるキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、トランス−1,2−シクロヘキサジアミン−N,N,N’,N’‐四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ハイドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、エチレンジアミン二プロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸(EDTPO)、ハイドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(EDTA−OH)、ジアミノプロパノール四酢酸(DPTA−OH)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTPO)、ビス(アミノフェニル)エチレングリコール四酢酸(BAPTA)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)などが挙げられる。キレート剤は単独または2以上併用してもよい。
キレート剤の使用量は、通常、金属化合物1モルに対し0.01〜100モル倍である。使用量が多すぎると合成品の強度に悪影響を及ぼすため、金属化合物1モルに対し、好ましくは0.01〜20モル倍であり、より好ましくは0.1〜10モル倍、特に好ましくは0.4〜6モル倍である。
本発明においては、上記のようなフェノール類とアルデヒド類を、金属化合物(触媒)の存在下で、通常100〜160℃、常圧下で反応させる。そして、キレート剤の添加の時期を変えることにより、オルソ率をコントロール出来る。すなわち、オルソ率は、反応初期でキレート剤を添加後、さらに反応させれば低くなり、金属化合物(触媒)の存在下で長時間反応した後にキレート剤を添加し、さらに反応させれば高くなる。オルソ率は、赤外分光分析より求めることができる。
用途に応じて、種々のオルソ率を持つフェノール類ノボラック樹脂が製造されるが、レジンコーテットサンド、成型材料、鋳物用樹脂材料などに使用されるフェノール類ノボラック樹脂のオルソ率としては、30〜60%が好ましく、40〜55%がより好ましい。
フェノール類ノボラック樹脂を用いてレジンコーテットサンドを製造した場合、オルソ率が30%未満では、レジンコーテットサンドの硬化が遅くなるなどの不具合が、また60%を超すと、レジンコーテットサンドの強度が著しく低下するなどの不具合のおそれがある。
オルソ率が30〜60%のフェノール類ノボラック樹脂を得るには、100〜160℃、常圧下で、フェノール類と、アルデヒド類と、金属化合物(触媒)とを、0.1〜8時間反応させ、その後キレート剤を添加するのがよい。さらに、キレート剤を添加後、80〜160℃で、1〜5時間反応させるのが好ましい。なお、キレート剤を添加する際の温度は、特に限定されることはないが、突沸などの危険性をなくすため110℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、また、80℃以上が好ましい。
また、オルソ率が30〜49%のフェノール類ノボラック樹脂を得るには、100〜160℃、常圧下で、0.1〜4時間反応させ、その後キレート剤を添加するのが好ましい。また、オルソ率が50〜60%のフェノール類ノボラック樹脂を得るには、100〜160℃、常圧下で、1〜8時間反応させ、その後キレート剤を添加するのが好ましい。なお、オルソ率が40〜55%のフェノール類ノボラック樹脂を得るには、100〜160℃、常圧下で、0.2〜6時間反応させ、その後キレート剤を添加すればよい。
本発明のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法で製造されるフェノール類ノボラック樹脂は、レジンコーテットサンドなどに好適に使用される。レジンコーテットサンドは、例えば、次のように製造することができる。温度計、コンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコにフェノール類、アルデヒド類、金属化合物を仕込み、昇温し反応させる。次いで、所定の温度でキレート剤を連続または不連続に添加し、反応完結まで保温する。その後、必要に応じ常圧脱水、減圧脱水を行い、前記のフェノール類ノボラック樹脂を得る。レジンコーテットサンドは、特別な製造条件は必要なく、混練ミキサー、スピードミキサーなどの一般的に用いられている製造方法で製造することができる。例えば、120〜180℃に加熱した耐火性骨材に、粒径0.85〜5.66mmに調整した前記フェノール類ノボラック樹脂を加え撹拌し、砂粒(耐火性骨材)表面を溶融被覆する。ついで硬化剤を加え、砂粒(耐火性骨材)の塊が崩れるまで混練する。次いで滑剤を加えて撹拌混合することで、レジンコーテットサンドが得られる。通常、滑剤を加えることにより、レジンコーテッドサンドに流動性の付与と離型性の向上の効果が得られ、好ましい。なお、コーテッドサンドは、必要に応じ、滑剤を添加することが望ましい。
用いる耐火性骨材は、石英質を主成分とする珪砂、フラタリ砂、アルミナ砂、ジルコン砂、クロマイト砂、オリビン砂、ムライト砂、マグネシア、フライアッシュ等鋳型造型用として使用されるものであれば特に限定されるものではない。これらの新砂、回収砂、再生砂、あるいはこれらの混合砂など、特に限定することなく種々の耐火性骨材を使用することができる。また、耐火性骨材の粒度分布及び粒径は、鋳造に耐えうる耐火性と、鋳型形成に好適であれば、特に制限なく選択できる。硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)、エポキシ樹脂、イソシアネートなどが挙げられる。また、滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、ガラス粉末などが挙げられる。
レジンコーテットサンドにおいて、フェノール類ノボラック樹脂の配合量は、耐火性骨材100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。また、硬化剤の配合量はフェノール類ノボラック樹脂100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましい。また、滑剤の配合量は、耐火性骨材100質量部に対して、0〜10質量部が好ましく、0.001〜5質量部がより好ましく、0.01〜1質量部が特に好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(フェノール類ノボラック樹脂の製造)
(実施例1)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコにフェノール1000g(分子量94.11g/mol、10.6モル)、パラホルムアルデヒド(92%)200g(6.13モル)、ホルマリン(37%)230g(2.84モル)、サリチル酸亜鉛三水和物2g(分子量393.61g/mol、0.005モル)を仕込み、130℃に設定したオイルバスに浸し、昇温する。還流状態で1時間保温し、98℃まで温度を下げた後、98℃でEDTA4g(分子量292g/mol、0.014モル)を添加し、還流を開始したらそのまま4時間還流を続けながら保温した。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)998gを得た。オルソ率は、48%、軟化点は96℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂A)の収率は、78.3%であった。
(実施例2)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコにフェノール1000g(10.6モル)、パラホルムアルデヒド(92%)200g(6.13モル)、ホルマリン(37%)230g(2.84モル)、酢酸亜鉛2g(分子量183.5g/mol、0.011モル)を仕込み、130℃に設定したオイルバスに浸し、昇温する。還流状態で1時間保温し、98℃まで温度を下げた後、98℃でEDTA4g(0.014モル)を添加し、還流を開始したらそのまま4時間還流を続けながら保温した。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)904gを得た。オルソ率は、49%、軟化点は94℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂B)の収率は、70.8%であった。
(実施例3)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコにフェノール1000g(10.6モル)、パラホルムアルデヒド(92%)200g(6.13モル)、ホルマリン(37%)230g(2.84モル)、サリチル酸亜鉛三水和物2g(0.005モル)を仕込み、130℃に設定したオイルバスに浸し、昇温する。還流状態で2時間保温し、98℃まで温度を下げた後、EDTA4g(0.014モル)を添加し、再度104℃まで昇温し、還流を開始したらそのまま4時間還流を続けながら保温した。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)994gを得た。オルソ率は、55%、軟化点は91℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂C)の収率は、78.0%であった。
(実施例4)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコにフェノール1000g(10.6モル)、パラホルムアルデヒド(92%)200g(6.13モル)、ホルマリン(37%)230g(2.84モル)、硫酸マンガン2g(分子量151.01g/mol、0.013モル)を仕込み、130℃に設定したオイルバスに浸し、昇温する。還流状態で0.5時間保温し、98℃まで温度を下げた後、NTA4g(分子量191g/mol、0.021モル)を添加し、還流を開始したらそのまま4時間還流を続けながら保温した。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)960gを得た。オルソ率は、40%、軟化点は98℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂D)の収率は、75.3%であった。
(実施例5)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコにフェノール1000g(10.6モル)、パラホルムアルデヒド(92%)200g(6.13モル)、ホルマリン(37%)230g(2.84モル)、炭酸カルシウム1.3g(分子量100g/mol、0.013モル)を仕込み、130℃に設定したオイルバスに浸し、昇温する。還流状態で0.5時間保温し、98℃まで温度を下げた後、DTPA8.3g(分子量393g/mol、0.021モル)を添加し、還流を開始したらそのまま4時間還流を続けながら保温した。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)951gを得た。オルソ率は、44%、軟化点は93℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂E)の収率は、74.1%であった。
(実施例6)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコにフェノール1000g(10.6モル)、パラホルムアルデヒド(92%)200g(6.13モル)、ホルマリン(37%)230g(2.84モル)、水酸化マグネシウム0.75g(分子量58.3g/mol、0.013モル)を仕込み、130℃に設定したオイルバスに浸し、昇温する。還流状態で0.5時間保温し、98℃まで温度を下げた後、EDDP5.1g(分子量241g/mol、0.021モル)を添加し、還流を開始したらそのまま4時間還流を続けながら保温した。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)934gを得た。オルソ率は、45%、軟化点は95℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂F)の収率は、72.7%であった。
(実施例7)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコにフェノール1000g(10.6モル)、パラホルムアルデヒド(92%)200g(6.13モル)、ホルマリン(37%)230g(2.84モル)、酢酸亜鉛2g(分子量183.5g/mol、0.011モル)を仕込み、130℃に設定したオイルバスに浸し、昇温する。還流状態で4時間保温し、その後フラスコ内温度を120℃まで昇温し、4時間保温した後98℃まで温度を下げた後、98℃でEDTA4g(0.014モル)を添加し、再度フラスコ内温度を120℃まで昇温し、2時間保温した。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)904gを得た。オルソ率は、59%、軟化点は94℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂G)の収率は、71.8%であった。
(比較例1)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、フェノール1000g、パラホルムアルデヒド(92%)200g、ホルマリン(37%)230gを仕込み、触媒として塩酸1.0gを加え、130℃に設定したオイルバスに浸し、還流状態で、3時間加熱還流を行い、更に塩酸2.0gを加え3時間加熱還流を行った。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)882gを得た。オルソ率は、26%、軟化点は98℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂H)の収率は、69.2%であった。
(比較例2)
温度計、ジムロートコンデンサー、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、フェノール1000g、パラホルムアルデヒド(92%)200g、ホルマリン(37%)230gを仕込み、触媒として酢酸亜鉛3.6gを加え、130℃に設定したオイルバスに浸し、昇温し、還流状態で、4時間加熱還流を行った。次に、常圧蒸留と減圧蒸留を順次行い、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)750gを得た。オルソ率は、68%、軟化点は95℃であった。また、得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂I)の収率は、58.8%であった。
表1に、実施例1〜7および比較例1、2より得たフェノール類ノボラック樹脂A〜Iの特性(オルソ率、軟化点、収率)を示した。
なお、フェノール類ノボラック樹脂のオルソ率は赤外分光光度計を用いて測定した任意の透過率により、次式によって求めた。
オルソ率(%)=(log100/T)/(1.44×log100/T+log100/T)×100
;820cm−1 透過率(パラ結合体)
;760cm−1 透過率(オルソ結合体)
また、軟化点はリング&ボール法で測定した。さらに、フェノール類ノボラック樹脂の収率は、(フェノール類の重量+ホルムアルデヒド類の重量+添加剤の重量)を100%として計算した。
Figure 0004478901

比較例1〜2で得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂H〜I)のオルソ率は、26%と68%であり、また収率も69.2%と58.8%と、70%未満であった。
それに対し、実施例1〜7で得られたフェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂A〜G)のオルソ率は、40〜59%であり、また収率も70.8〜78.3%と、70%以上であった。
触媒として金属化合物を用い、さらに金属化合物の触媒作用を失活するためにキレート剤を用いることにより、オルソ率を調整する混合調整工程を必要とせず、好適なオルソ率で、かつ高収率で、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)が得られた。よって、キレート剤の添加時期を選択することにより、任意に、オルソ率の制御が可能であることがわかる。それに対し、金属化合物(触媒)やキレート剤を使用しない場合は、好適なオルソ率のものが得られないことがわかる。また、キレート剤を使用しない場合は、オルソ率の制御が困難であること、さらに、フェノール樹脂(フェノール類ノボラック樹脂)の収率も低いことがわかる。

Claims (5)

  1. フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応させて得られるフェノール類ノボラック樹脂の製造方法において、触媒としてキレート化能力を有する金属化合物の存在下で、フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応させる工程、その後、前記金属化合物の触媒作用を失活させるためにキレート剤を添加する工程を有し、キレート剤の添加後、さらに反応を継続させることを特徴とするフェノール類ノボラック樹脂の製造方法(但し、金属化合物としてアルカリ金属類は除く。)
  2. フェノール類が、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、フェニルフェノール、t−ブチルフェノール、t−アミルフェノール、ビスフェノールAおよびレゾルシノールのうちから選択される1または2以上であることを特徴とする請求項1記載のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法。
  3. ホルムアルデヒド類が、ホルマリン、パラホルムアルデヒドおよびトリオキサンのうちから選択される1または2以上であることを特徴とする請求項1または2記載のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法。
  4. 金属化合物が、1価〜6価の金属の酸化物、有機塩、無機塩および水酸化物のうちから選択される1または2以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法。
  5. キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、トランス−1,2−シクロヘキサジアミン−N,N,N’,N’―四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ハイドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、エチレンジアミン二プロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸(EDTPO)、ハイドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(EDTA−OH)、ジアミノプロパノール四酢酸(DPTA−OH)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTPO)、ビス(アミノフェニル)エチレングリコール四酢酸(BAPTA)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)およびグリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)のうちから選択される1または2以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のフェノール類ノボラック樹脂の製造方法。
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