JP3526341B2 - アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法 - Google Patents

アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2核μ−オキソマンガ
ン錯体を触媒として用いて、アリールアルキル炭化水素
を酸素含有気体にて酸化して、対応するアリールアルキ
ルヒドロペルオキシド類に選択的に且つ高濃度に転化す
ることによるアリールアルキルヒドロペルオキシド類の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒の存在下にアリールアルキル基を有
する炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、対応するア
リールアルキルヒドロペルオキシド類を製造する方法
は、従来、種々知られている。
【0003】例えば、特公昭55−50020号公報に
は、ポリアミノカルボン酸類を配位子とするコバルト、
ニッケル、マンガン、銅又は鉄の水溶性錯体(キレート
化合物)を触媒として用いて、水の存在下に、3,5−ジ
メチルクメン等のような第2級アルキル基を有するメチ
ルベンゼン類を酸素含有気体にて酸化して、対応するヒ
ドロペルオキシド類に転化する方法が記載されている。
この方法によれば、蟻酸や酢酸等が副生し、触媒活性が
低下するのを避けるために、アルカリを逐次転化して、
触媒を含む水溶液のpHを僅かに酸性側に調節しなが
ら、反応を行なうことが必要である。
【0004】近年、多核μ−オキソ錯体が光反応の触媒
や洗剤成分としての機能が注目され、種々の金属を電子
受容体として有するμ−オキソ多核錯体が報告されてい
る。例えば、J. Am. Chem. Soc., 106, 7984 (1984) や
J. Am. Chem. Soc., 107,8009 (1985) にはμ−オキソ
鉄錯体が記載されている。また、J. Am. Chem.Soc., 11
0, 7398 (1988)には、μ−オキソマンガン錯体が記載さ
れている。
【0005】最近においては、ある種の多核μ−オキソ
錯体が炭化水素からのヒドロペルオキシドの酸化反応に
触媒として有用であることが見出されている。例えば、
特開平5−194375号公報には、4核μ4 −オキソ
マンガン錯体を触媒として用いて、アリールアルキル炭
化水素を酸素含有気体にて酸化して、対応するアリール
アルキルヒドロペルオキシド類を製造する方法が提案さ
れている。しかし、上記4核μ4 −オキソマンガン錯体
は、その調製が必ずしも容易ではなく、また、触媒活性
も、再現性が十分でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した4
核μ4 −オキソマンガン錯体を触媒として用いるアリー
ルアルキルヒドロペルオキシド類の製造における上記問
題を解決するためになされたものであって、それ自体、
既に知られている前記多核μ−オキソマンガン錯体がア
リールアルキル炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、
対応するアリールアルキルヒドロペルオキシド類に転化
するのに有用な触媒であることを見出して、本発明に至
ったものである。
【0007】即ち、本発明は、2核μ−オキソマンガン
錯体を触媒として用いて、アリールアルキル炭化水素を
酸素含有気体にて酸化して、対応するアリールアルキル
ヒドロペルオキシド類を製造する方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるアリールア
ルキルヒドロペルオキシド類の製造方法は、分子内に3
つの窒素原子を有する環状トリアミン化合物からなる3
座配位子2つがそれぞれマンガンイオンに配位してお
り、マンガンイオン:配位窒素原子の数比が1:3であ
る2核μ−オキソマンガン錯体からなる触媒の存在下
に、一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、P及びQは、水素又はアルキル基
を示し、相互に同じであってもよく、異なっていてもよ
く、nは1〜3の整数を示し、Arはn価の芳香族炭化
水素基を示す。)で表わされるアリールアルキル炭化水
素を酸素含有気体にて酸化して、対応するアリールアル
キルヒドロペルオキシド類に選択的に転化することを特
徴とする。
【0011】本発明による方法において、原料として用
いるアリールアルキル炭化水素は、一般式(I)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、P及びQは、水素又はアルキル基
を示し、相互に同じであってもよく、異なっていてもよ
く、nは1〜3の整数を示し、Arはn価の芳香族炭化
水素基を示す。)で表わされる。
【0014】本発明によれば、上記一般式(I)で表わ
されるアリールアルキル炭化水素は、α水素を有するこ
とが必要であり、特に、第3級水素を有することが好ま
しい。従って、本発明によれば、上記一般式(I)にお
いて、P及びQの少なくともいずれかがアルキル基であ
ることが好ましく、特に、いずれもがアルキル基である
ことが好ましい。上記アルキル基としては、特に、メチ
ル基が好ましい。芳香族炭化水素基として、例えば、ベ
ンゼン、ナフタレン、ビフェニル等から導かれるn価の
炭化水素基を挙げることができるが、好ましくは、ベン
ゼン又はナフタレンから導かれるn価の炭化水素基であ
る。
【0015】従って、本発明において、アリールアルキ
ル炭化水素の好ましい具体例としては、例えば、クメ
ン、サイメン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイ
ソプロピルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼ
ン、イソプロピルナフタレン、2,6−ジイソプロピルナ
フタレン、イソプロピルビフェニル、4,4'−ジイソプロ
ピルビフェニルや、これらの2種以上の混合物を挙げる
ことができる。しかし、これらに限定されるものではな
い。
【0016】本発明においては、このようなアリールア
ルキル炭化水素を2核μ−オキソマンガン錯体からなる
触媒の存在下に酸素含有気体にて酸化して、対応するア
リールアルキルヒドロペルオキシド類に選択的に転化す
る。
【0017】一般に、2核μ−オキソ錯体とは、2つの
電子受容体金属が1つ又は複数の酸素で架橋された構造
を有する金属錯体であり、本発明においては、このよう
な2核μ−オキソ錯体として、分子内に3つの窒素原子
を有する環状トリアミン化合物からなる3座配位子2つ
がそれぞれマンガンイオンに1:1にて配位しており、
マンガンイオン:配位窒素原子の数の比が1:3である
2核μ−オキソマンガン錯体を触媒として用いて、酸素
含有気体にてアリールアルキル炭化水素を酸化して、対
応するアリールアルキルヒドロペルオキシド類に選択的
に転化するものである。
【0018】本発明において用いるこのような2核μ−
オキソマンガン錯体は、好ましくは、一般式(II)
【0019】
【化5】
【0020】(式中、R1 、R2 及びR3 は、水素、炭
素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル
基、シクロアルキル基、アリールアルキル基又はアリー
ル基を示し、これらの置換基は、不活性な置換基を有し
ていてもよい。R1 、R2 及びR 3 は、それぞれ同一で
あっても、異なっていてもよい。X1 及びX2 は、−O
−、−OO−、−S−、−NR4 −、−O−CO−O
−、−O−CS−O−、−OC(R5 6 )−O−又は
−OSO2 O−を示し、X1 及びX2 は同一であって
も、異なっていてもよい。R4 は、水素又は炭素数1〜
8のアルキル基を示し、R5 及びR6 は、水素又は炭素
数1〜8のアルキル基を示し、R5 及びR6 は、それぞ
れ同一であっても、異なっていてもよい。Yは、酸化的
に安定な1価又は2価の対イオンを示し、Yが1価の対
イオンであるときは、nは2を示し、Yが2価の対イオ
ンであるときは、nは1を示す。)で表わされる。
【0021】上記一般式(II)において、R1 、R2
びR3 は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1
〜8のアルケニル基、シクロアルキル基、アリールアル
キル基又はアリール基を示し、アルキル基としては、例
えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル又はオクチル基を、アルケニル基と
しては、例えば、ビニル基やプロペニル基等を、シクロ
アルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基等を、
アリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基を、
また、アリール基としては、例えば、フェニルやナフチ
ル基を挙げることができる。
【0022】R1 、R2 及びR3 は、不活性な置換基を
有していてもよく、そのような不活性な置換基として、
例えば、塩素、臭素等のようなハロゲンを挙げることが
できるが、しかし、これらに限定されるものではない。
4 は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、こ
こに、上記炭素数1〜8のアルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル又はオクチル基を挙げることができ
る。R5 及びR6 も、同様に、水素又は炭素数1〜8の
アルキル基を示し、ここに、炭素数1〜8のアルキル基
としては、上記と同様のものを挙げることができる。
【0023】前記一般式(II)において、Yとしては、
例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、S
4 2-、CF3 SO3 - 、CH3 COO- 、PF6 -
BPh4 -(Phはフェニル基を示す。)、NO3 -
CN- 又はNCS- を挙げることができる。
【0024】これらの2核μ−オキソマンガン錯体のう
ち、R1 、R2 及びR3 がいずれもメチル基であり、X
1 及びX2 がいずれも−OCH(CH3 )−O−であ
り、YがClO4 - であるもの、即ち、 〔(C9H21N3)2Mn2(μ-O)(μ-OCH(CH3)-O-)2〕(ClO4)2 …A は、既に知られており、J. Am. Chem. Soc., 110, 7398
(1988)に、その製造と構造が記載されている。
【0025】また、R1 、R2 及びR3 がいずれもメチ
ル基であり、X1 及びX2 がいずれも酸素であり、Yが
PF6 - であるもの、即ち、 〔(C9H21N3)2Mn2(μ-O)3〕(PF6)2 …B も、J. C. S. Chem. Comn., 1985, 347 に記載されてい
るように、前記2核μ−オキソマンガン錯体Aを原料に
して合成することができる。
【0026】本発明において触媒として用いる前記2核
μ−オキソマンガン錯体の製造において、酢酸マンガン
(III)を原料として用いるが、酢酸マンガンにおけるマ
ンガンの酸化数と、得られる2核μ−オキソマンガン錯
体におけるマンガンの原子価とが同じであるとは限ら
ず、異なっていてもよい。
【0027】本発明の方法において、上記触媒は、出発
原料である前記アリールアルキル炭化水素100重量部
に対して、通常、0.01〜1.0重量部の範囲で用いら
れ、好ましくは、0.005〜0.5重量部の範囲で用いら
れる。
【0028】酸化剤としての酸素含有気体としては、通
常、空気が用いられる。反応は、通常、常圧下で行なえ
ばよいが、必要に応じて、加圧下に行なってもよい。反
応温度は、通常、50〜100℃の範囲であるが、好ま
しくは、60〜90℃の範囲である。
【0029】本発明による反応は、回分式、連続式のい
ずれでも行なうことができる。回分式で反応を行なう場
合は、出発物質であるアリールアルキル炭化水素が反応
温度で液体であれば、それに触媒を加え、加熱攪拌下
に、通常、空気を吹き込むことによって、酸化反応を行
なう。必要であれば、反応に不活性な有機溶剤を反応溶
剤として用いてもよい。他方、出発物質であるアリール
アルキル炭化水素が反応温度で固体であれば、不活性な
有機溶剤に溶解させて、溶液とし、それに触媒を加え、
加熱攪拌下に、空気を吹き込んで、酸化反応を行なえば
よい。
【0030】また、本発明において、系中に水、または
アルカリ水を加え、二相系で反応を行なってもよい。更
に、本発明においては、必要に応じて、反応の開始に際
して、アリールアルキル炭化水素に、これに対応する少
量のアリールアルキルヒドロペルオキシドを開始剤とし
て存在させてもよい。
【0031】また、触媒を固定床に形成し、出発物質で
あるアリールアルキル炭化水素又はその溶液と空気を混
合しつつ、この固定床を通過させてもよい。本発明の方
法によれば、目的とするアリールアルキルヒドロペルオ
キシドは、反応終了後、必要に応じて、触媒を濾別した
後、得られた反応混合物を蒸留等の通常の手段によっ
て、反応混合物から容易に回収することができる。
【0032】
【実施例】以下に参考例として触媒の調製例を挙げ、そ
のような触媒を用いるアリールアルキル炭化水素からの
有機ヒドロペルオキシド類の製造を実施例として説明す
る。しかし、本発明は、これら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
【0033】参考例1 (μ−オキソマンガン(III)錯体A、即ち、〔(C9H
21N3)2Mn2(μ-O)(μ-OCH(CH3)-O-)2〕(ClO4)2 の合成)
エタノール13mlと水2mlとの混合溶剤に1,4,7−
トリメチルトリアザシクロノナン0.5g(2.9mmol)と
酢酸マンガン(III)2水和物0.45g(1.7mmol)を溶
解させた。
【0034】得られた溶液に酢酸ナトリウム1g(12.
2mmol)を攪拌下に加えて、黒褐色の均一な溶液を得
た。この溶液に過塩素酸を少量づつ適下し、pHを5に
調整することによって濃赤紫色の溶液を得た。これに過
塩素酸ナトリウム1.76g(12.2mmol)を添加した
後、室温で1時間攪拌し、窒素気流で溶媒を一部留去し
て、赤紫色の沈殿を析出させた。これを濾過し、トルエ
ンで洗浄した後、真空乾燥して、上記μ−オキソマンガ
ン(III)錯体A2.4gを赤紫色の固体として得た。
【0035】実施例1 クメン90gとクメンモノヒドロペルオキシド(CH
P)10gとの混合物に参考例1にて調製したμ−オキ
ソマンガン(III)錯体A20mgを加え、80℃とし、
これに攪拌下、空気を60ml/分の割合にて吹き込
み、7時間、クメンを空気酸化した。反応終了後の反応
混合物中のヒドロペルオキシドの濃度(モノヒドロペル
オキシド換算)は23.5重量%(CHP蓄積速度1.95
重量%/時)であり、モノヒドロペルオキシドの選択率
は80%であった。
【0036】参考例2 (μ−オキソマンガン(IV)錯体B、即ち、〔(C9H
21N3)2Mn2(μ-O)3〕(PF6)2の合成)参考例1において調
製したμ−オキソマンガン(III)錯体A0.5gをエタノ
ール15mlと水15mlとの混合溶媒に溶解させ、得
られた溶液にトリエチルアミン3mlを加え、室温で1
0分間攪拌した後、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム2
gを加えたところ、2分後に茶色固体が析出した。これ
を濾過によって除去した後、得られた濾液を窒素気流下
に一部留去して濃縮すると、赤茶色の固体が析出した。
これを濾過し、トルエンで洗浄した後、減圧下に乾燥し
て、上記μ−オキソマンガン(IV)錯体B0.17gを赤
茶色粉末として得た。
【0037】実施例2 クメン90gとクメンモノヒドロペルオキシド10gと
の混合物に参考例2にて調製したμ−オキソマンガン
(IV)錯体B20mgを加え、80℃とし、これに攪拌
下、空気を60ml/分の割合にて吹き込み、7時間、
クメンを空気酸化した。反応終了後の反応混合物中のヒ
ドロペルオキシドの濃度(モノヒドロペルオキシド換
算)は25.6重量%(CHP蓄積速度2.31重量%/
時)であり、モノヒドロペルオキシドの選択率は81%
であった。
【0038】比較例1 実施例1において、触媒を用いることなく、実施例1と
同様にして、クメンの空気酸化を行なった。反応終了後
の反応混合物中のヒドロペルオキシドの濃度(モノヒド
ロペルオキシド換算)は11.6重量%(CHP蓄積速度
0.23重量%/時)であり、モノヒドロペルオキシドの
選択率は93%であった。
【0039】比較例2 実施例1において、特開平5−194375号公報の記
載に従って4核μ4 −オキソマンガン錯体を合成し、こ
れを触媒として、実施例1と同様にして、クメンの空気
酸化を行なった。反応終了後の反応混合物中のヒドロペ
ルオキシドの濃度(モノヒドロペルオキシド換算)は1
3.9重量%(CHP蓄積速度0.55重量%/時)であ
り、モノヒドロペルオキシドの選択率は93%であっ
た。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、前記一
般式で表わされる2核μ−オキソマンガン錯体を触媒と
して用いて、アリールアルキル炭化水素を酸素含有気体
によって酸化することによって、実質的に蟻酸、酢酸等
の副生なしに、高い転化率にて、且つ、生成したヒドロ
ペルオキシド類の分解を抑制しつつ、対応するヒドロペ
ルオキシド類を高濃度にて得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−194375(JP,A) 特開 平7−8801(JP,A) 特開 平6−55078(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 407/00 C07C 409/08 - 409/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に3つの窒素原子を有する環状トリ
    アミン化合物2分子がそれぞれマンガンイオンに配位し
    ており、マンガンイオン:配位窒素原子の数比が1:3
    である2核μ−オキソマンガン錯体からなる触媒の存在
    下に、一般式(I) 【化1】 (式中、P及びQは、水素又はアルキル基を示し、相互
    に同じであってもよく、異なっていてもよく、nは1〜
    3の整数を示し、Arはn価の芳香族炭化水素基を示
    す。)で表わされるアリールアルキル炭化水素を酸素含
    有気体にて酸化して、対応するアリールアルキルヒドロ
    ペルオキシド類に選択的に転化することを特徴とするア
    リールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法。
  2. 【請求項2】2核μ−オキソマンガン錯体が一般式(I
    I) 【化2】 (式中、R1 、R2 及びR3 は、水素、炭素数1〜8の
    アルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、シクロアル
    キル基、アリールアルキル基又はアリール基を示し、こ
    れらの置換基は、不活性な置換基を有していてもよい。
    1 、R2 及びR 3 は、それぞれ同一であっても、異な
    っていてもよい。X1 及びX2 は、−O−、−OO−、
    −S−、−NR4 −、−O−CO−O−、−O−CS−
    O−、−OC(R5 6 )−O−又は−OSO2 O−を
    示し、X1 及びX2 は同一であっても、異なっていても
    よい。R4 は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示
    し、R5 及びR6 は、水素又は炭素数1〜8のアルキル
    基を示し、R5 及びR6 は、それぞれ同一であっても、
    異なっていてもよい。Yは、酸化的に安定な1価又は2
    価の対イオンを示し、Yが1価の対イオンであるとき
    は、nは2を示し、Yが2価の対イオンであるときは、
    nは1を示す。)で表わされる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】一般式(II)において、YがCl- 、Br
    - 、I- 、ClO4 - 、SO4 2-、CF3 SO3 - 、C
    3 COO- 、PF6 - 、BPh4 - 、NO3 - 、CN
    - 又はNCS- である請求項2記載の方法。
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