JP2005068078A - ポリフェニレン基を有する新規なピリジン配位子及び該配位子とPdとの錯体から成る酸化触媒 - Google Patents
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Abstract
【目的】 1気圧の空気下におけるアルコール類の酸化反応に有用なPd錯体触媒、特に溶媒中で均一系を形成するPd錯体触媒を提供する配位子の提供
【構成】 下記の一般式1で表されるポリフェニレン基を有する新規なピリジン配位子。
【化1】
式中R1は、H、フェニル基またはポリフェニレン基並びに炭素数1−3のアルキル基、電子供与基からなる群から選択される置換基を有していても良いフェニル基またはポリフェニレン基であり、Nに対し4位又は5位の置換基であり、GはNに対し2位又は3位の置換基であり、フェニル基またはポリフェニレン基並びに炭素数1−3のアルキル基、電子供与基からなる群から選択される置換基を有していても良いフェニル基またはポリフェニレン基である。
一般式Pd(OAc)2L2(但し、Lは前記配位子)で表されるピリジン配位子Lが配位した一気圧の空気を酸化剤とするアルコール類の酸化触媒。
【選択図】 なし
【構成】 下記の一般式1で表されるポリフェニレン基を有する新規なピリジン配位子。
【化1】
式中R1は、H、フェニル基またはポリフェニレン基並びに炭素数1−3のアルキル基、電子供与基からなる群から選択される置換基を有していても良いフェニル基またはポリフェニレン基であり、Nに対し4位又は5位の置換基であり、GはNに対し2位又は3位の置換基であり、フェニル基またはポリフェニレン基並びに炭素数1−3のアルキル基、電子供与基からなる群から選択される置換基を有していても良いフェニル基またはポリフェニレン基である。
一般式Pd(OAc)2L2(但し、Lは前記配位子)で表されるピリジン配位子Lが配位した一気圧の空気を酸化剤とするアルコール類の酸化触媒。
【選択図】 なし
Description
本発明は、均一系において、大気圧の空気を酸化剤とし、重金属の廃棄物を発生することなく、アルコールを酸化してケトン又はアルデヒドを合成する反応を触媒する遷移金属、特にPdの錯体を形成するポリフェニレン基を有する新規なピリリジン配位子に関する。
医薬、農薬などファインケミカルの合成において重要なアルコールの酸化物類は、従来化学量論量の無機質酸化剤を用いた製造方法が採用されていた。しかしながら、該製造方法においては、酸化剤にコストがかかること、及び反応後に重金属の廃棄物が生成するなどの問題があることから、酸化剤として大気圧の空気を用い、かつ、もう一つの環境問題を持つ塩素化有機溶媒を使わないで、アルコールの酸化物類を合成するのに、いわゆるグリーンケミストリーの開発に多くの関心が向けられてきた。
Science,Istvan E. Marko,et al.Vol.274,p2044-2046,20DECEMBER(1996)
Angew.Chem.Int.Ed.Noritaka Mizuno,et al. 41,No.23,p4538-4542
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Tetrahedron Lett.Sakae Uemura,39,p6011-6014(1998)
Science,A.Sheldon,287,p1636-1639,(2000)
J.Am.Chem.Soc.Kiyotomi Kaneda,et al.p11572-11573,(2000)
酸化剤として空気や酸素を用いることが可能で、アルデヒドやモレキュラーシーブを必要としない方法としては、前記非特許文献1に記載の銅触媒による方法があるが、触媒回転数は20回程度であり、2当量の炭酸カリウムが必要であり、基質濃度もやや薄い、0.5Mといった問題点がある。これに対し、ルテニウムやパラジウムを用いるアルコール類の酸化物の合成系が精力的に研究されている。ルテニウムを用いる系で高い触媒回転数を達成しているものとしてはルテニウム/アルミナ触媒(前記非特許文献2)やルテニウム/ホスフィン系触媒(前記非特許文献3)などがあり、それぞれ980回、466回の触媒回転数を達成している。しかしさらに高い触媒回転数が求められる。
パラジウム触媒を用いる系では、酢酸パラジウム/ピリジン系触媒(前記非特許文献4)や酢酸パラジウム/フェナンスロリン系触媒(前記非特許文献5)などがあり、それぞれ20回、400回の触媒回転数を達成している。しかしやはりさらに高い触媒回転数が求められている。また基質濃度も0.1−0.4Mと高くできないという問題がある。前記問題に対しては、ヒドロキシアパタイト上に固定化した触媒を用いる製造方法(前記非特許文献6)では24万回という触媒回転数が達成されている。しかし現在の報告ではこの触媒回転数は基質が1−フェニルエタノールである場合に限定され、他の基質では500回程度である。従って、基質一般性の観点からすると十分とはいえない、さらにヒドロキシアパタイト固定化触媒の調製方法が煩雑である等の問題点がある。
これらパラジウム触媒を用いた場合の問題、すなわち触媒回転数が上がらない、あるいは基質濃度を大きくできない等の問題は触媒サイクル中発生する0価パラジウムが凝集し、不活性化することが原因と考えられている。0価パラジウムが凝集し触媒の失活がするが、外見上変わらない場合もあるが、金属パラジウム(パラジウムブラック)となって析出してくる場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、前記従来のパラジウム触媒が持つ問題である、空気酸化反応において発生する触媒の失活の問題を防ぎ、安定で長寿命であり、より高い基質濃度においても活性であり、更に、広範囲のアルコール類の酸化反応を触媒できる、高い基質一般性を持ったパラジウム触媒を構成できる新規なピリジン環のNを配位原子とする配位子類を提供することである。
前記課題を解決すべく、大気圧下の空気を酸化剤として用いたアルコール類の酸化を触媒する反応系においてパラジウムの凝集が起こらない、安定な均一系の触媒サイクルを構成するパラジウムの配位子を見出すべく、ピリジンの置換基としてポリフェニレン基を結合した配位子を合成し、大気圧下の空気を用いた種々のアルコール類の酸化反応の触媒サイクル特性を検討し、合成した配位子類の中に有用な配位子類があることを見出し、前記本発明の課題を解決することができた。
前記課題を解決すべく、大気圧下の空気を酸化剤として用いたアルコール類の酸化を触媒する反応系においてパラジウムの凝集が起こらない、安定な均一系の触媒サイクルを構成するパラジウムの配位子を見出すべく、ピリジンの置換基としてポリフェニレン基を結合した配位子を合成し、大気圧下の空気を用いた種々のアルコール類の酸化反応の触媒サイクル特性を検討し、合成した配位子類の中に有用な配位子類があることを見出し、前記本発明の課題を解決することができた。
本発明の第1は、(1)下記の一般式1で表されるポリフェニレン基を有する新規なピリジン配位子である。
式中R1は、H、フェニル基またはポリフェニレン基並びに炭素数1−3のアルキル基、電子供与基からなる群から選択される置換基を有していても良いフェニル基またはポリフェニレン基であり、Nに対し4位又は5位の置換基であり、GはNに対し2位又は3位の置換基であり、フェニル基またはポリフェニレン基並びにフェニル基又は炭素数1−3のアルキル基、電子供与基からなる群から選択される。
好ましくは、(2)R1がGと同じである前記(1)に記載のフェニル基またはポリフェニレン基を有する新規なピリジン配位子であり、
より好ましくは、(3)Gが下記のG1のポリフェニレン基からなる前記(1)または(2)に記載の新規なピリジン配位子であり、
一層好ましくは、(4)G1がピリジンのNに対し2位又は/及び3位に置換している請求項1または2に記載の新規なピリジン配位子である。
本発明の第2は、(5)前記一般式1のフェニレン基またはポリフェニレン基を有する新規なピリジン配位子を配位子Lとするパラジウム錯体からなるアルコール類の酸化触媒であり、好ましくは、(6)一般式Pd(OAc)2L2で表されるピリジン配位子Lが配位した前記(5)に記載のアルコール類の酸化触媒であり、より好ましくは、(7)Lが前記(2)に記載のフェニレン基またはポリフェニレン基を置換したものである前記(6)に記載のアルコール類の酸化触媒であり、一層好ましくは、(8)Lが前記(3)に記載のポリフェニレン基を置換したものである前記(7)に記載のアルコール類の酸化触媒であり、より一層好ましくは、(9)Lが前記前記(4)に記載のポリフェニレン基を置換したものである前記(8)に記載のアルコール類の酸化触媒である。
本発明の第3は、(10)アルコール類を前記(5)に記載の酸化触媒を用い大気圧の空気を導入し無反応溶媒の反応系にてアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法である。好ましくは、(11)アルコール類に加える酸化触媒が一般式Pd(OAc)2L2で表されるピリジン配位子Lが配位した錯体である前記(10)に記載の大気圧の空気を導入してアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法であり、より好ましくは、(12)Lが前記(2)に記載のフェニル基またはポリフェニレン基を置換したものである前記(11)に記載の大気圧の空気を導入してアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法であり、一層好ましくは、(13)Lが前記(3)に記載のポリフェニレン基を置換したものである前記(12)に記載の大気圧の空気を導入してアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法であり、より一層好ましくは、(14)Lが前記(4)に記載のポリフェニレン基を置換したものである前記(13)に記載の大気圧の空気を導入してアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法である。
本発明は、大気圧(101325Pa)下の空気を酸化剤として用いて、種々のアルコール類の酸化反応を溶媒中または無溶媒において触媒する、特に前記溶媒中で均一系を形成する高い回転率の安定なPd錯体触媒を提供する、という効果をもたらすものである。
本発明の構成要件を詳細に説明し、発明におけるそれぞれのファクターを明らかにする。
A.1気圧の空気下におけるアルコール類の酸化反応を触媒する回転数を改善した遷移金属、特にPd錯体触媒、換言すれば、前記反応において均一系として存在し、遷移金属の不活性化された沈殿物が生成しない安定な前記錯体触媒を形成する1つの配位子としては、前記一般式1で表される新規なフェニル基またはポリフェニレン基を有するピリジン化合物であれば本願発明の目的を達成することができる。好ましくは、前記一般式1において、ポリフェニレン基が前記G1であること、より好ましくは、Nに対して2位又は/及び4位に置換している新規なピリジン配位子であることが種々のアルコール類の酸化反応において触媒活性および触媒回転数が優れていることが確認された。
前記配位子による安定化は、反応溶媒、例えばトルエンに対する前記配位子による溶解性を改善することが1つの要因として考えられるから、配位子の化学構造は反応溶媒との関連で設計するのが好ましい。また、配位子上における置換基も前記安定性に関与することが予想されるので、配位子の設計においても考慮すべきである。
A.1気圧の空気下におけるアルコール類の酸化反応を触媒する回転数を改善した遷移金属、特にPd錯体触媒、換言すれば、前記反応において均一系として存在し、遷移金属の不活性化された沈殿物が生成しない安定な前記錯体触媒を形成する1つの配位子としては、前記一般式1で表される新規なフェニル基またはポリフェニレン基を有するピリジン化合物であれば本願発明の目的を達成することができる。好ましくは、前記一般式1において、ポリフェニレン基が前記G1であること、より好ましくは、Nに対して2位又は/及び4位に置換している新規なピリジン配位子であることが種々のアルコール類の酸化反応において触媒活性および触媒回転数が優れていることが確認された。
前記配位子による安定化は、反応溶媒、例えばトルエンに対する前記配位子による溶解性を改善することが1つの要因として考えられるから、配位子の化学構造は反応溶媒との関連で設計するのが好ましい。また、配位子上における置換基も前記安定性に関与することが予想されるので、配位子の設計においても考慮すべきである。
B.配位子の合成方法は、一方工程においてピリジン環上のポリフェニレンユニット形成する前駆体を、例えばF.Morgenroth,K.Mullen,Terahedron,1997,53.15349-15366に記載のMullenらの方法に従って合成し、他方の工程においてピリジンの2位、3位、5位、6位のいずれか、又は前記2つの組み合わせの位置に前記前駆体との反応により、前記ポリフェニレン基の導入反応をするアルキニル基を置換したピリジン化合物を合成し、次いで、前記ポリフェニレンユニット形成前駆体とアルキニルピリジンを反応させる方法により実施される。前記合成工程の概念としては、例えば次の反応式Aを挙げることができる。
反応式AにおいてTMSはトリメチルシリル基(Trimethylsilyl)、n及びPh1〜Ph4は前記新規なピリジン配位子に対応する内容を意味する。
本発明で提供する配位子群および比較例に用いる配位子群を図1にまとめて示した。
本発明で提供する配位子群および比較例に用いる配位子群を図1にまとめて示した。
図1の配位子1の合成。
反応工程を反応式1に示す。
反応工程を反応式1に示す。
3,5−ジブロモ−ピリジン3.55 g(15 mmol)とトチメチルシリルアセチレン3.24 g(33mmol)とを、PdCl2(PPh3)22mol、CuI4molを加えたピペリジン34mL中に加え、60℃で48時間反応させる(工程1)。K2CO30.97g(7mmol)を加えたメタノールを加え、3,5−ジアルキニル−ピリジン0.36g(2.7mmol)を得た(工程2)。得られた3,5−ジアリキニル−ピリジン191mg(1.5mmol)をo−キシレン15mL中に加え、これに2,3.4.5−テトラフェニル−(2.4)−シクロペンタジェン−1−オン(化合物1)を加え24時間還流下に反応させ目的化合物である配位子1、1.10gを得た(工程3)。得られた配位子1をCHCl3/MeOHから再結晶して精製した。収率は3段階で17%である。
配位子1の物性;MS(FD) m/z; 839.4
図1の配位子1の合成。
前記反応式1において、3−ブロモ−ピリジン5.0g(32mmol)とトチメチルシリルアセチレン3.44g(35mmol)とを、PdCl2(PPh3)21mol、CuI2molを加えたピペリジン36mL中に加え、60℃において40時間反応させる(工程1に代えて)。K2CO310.6g(75mmol)を加えたメタノールを加え、3−アリキニル−ピリジン1.40g(13.5mmol)を得た(工程2に代えて)。得られた3−アリキニル−ピリジン0.37g(3.6mmol)をo−キシレン20mL中に加え、前記化合物1を加え24時間還流下に反応させ目的化合物である配位子1.24gを得た(工程3に代えて)。得られた配位子2をMeCNから再結晶して精製した。収率は3段階で38%である。
前記反応式1において、3−ブロモ−ピリジン5.0g(32mmol)とトチメチルシリルアセチレン3.44g(35mmol)とを、PdCl2(PPh3)21mol、CuI2molを加えたピペリジン36mL中に加え、60℃において40時間反応させる(工程1に代えて)。K2CO310.6g(75mmol)を加えたメタノールを加え、3−アリキニル−ピリジン1.40g(13.5mmol)を得た(工程2に代えて)。得られた3−アリキニル−ピリジン0.37g(3.6mmol)をo−キシレン20mL中に加え、前記化合物1を加え24時間還流下に反応させ目的化合物である配位子1.24gを得た(工程3に代えて)。得られた配位子2をMeCNから再結晶して精製した。収率は3段階で38%である。
配位子2の物性;MS(FD) m/z; 459.3
図1の配位子3の合成。
反応工程を反応式2に示す。
反応工程を反応式2に示す。
化合物6は文献、J.Am.Chem.Soc.K.Mullen.et al.123,p8101-8108(2001)、に記載の方法に従って合成した。化合物0.57g(0.5mmol)のo−キシレン20mL溶液に3−アルキニル−ピリジン87mg(0.75mmol)をに加え、48時間還流して目的の配位子3を得た(収率86%)。
配位子3の物性;MS(FD) m/z; 1219.5
ここでは、合成した本発明の配位子を配位させたPd(OAc)2(L)2(但し、Acはアセチル基、Lは本発明の配位子である。)のパラジウム錯体触媒を合成し、
前記触媒を、トルエン溶媒に1当量、0.1当量のNaOACを加えた反応系または溶媒無しで種々のアルコール基質、例えば図2の基質群Aに記載の基質を加え、1気圧の空気下、80℃において所定の基質S/触媒C比で所定の時間反応させて、前記配位子の有効性を測定した結果を示す。
前記触媒を、トルエン溶媒に1当量、0.1当量のNaOACを加えた反応系または溶媒無しで種々のアルコール基質、例えば図2の基質群Aに記載の基質を加え、1気圧の空気下、80℃において所定の基質S/触媒C比で所定の時間反応させて、前記配位子の有効性を測定した結果を示す。
実施例においては、配位子1,2,5,及び4を用い、比較例1として配位子比を用いた場合を示す。
前記配位子類を用い、基質として基質12、6及び11に対する触媒の効果を前記反応系で実施した結果を表1に示す。
前記配位子類を用い、基質として基質12、6及び11に対する触媒の効果を前記反応系で実施した結果を表1に示す。
比較例の配位子比を用いた場合に比べて改善されていること、特にピリジンの置換基として前記G1を導入した配位子が触媒の寿命の改善、触媒活性の改善に有効であることが理解された。
比較例の配位子比を用いた場合に比べて改善されていること、特にピリジンの置換基として前記G1を導入した配位子が触媒の寿命の改善、触媒活性の改善に有効であることが理解された。
ここでは、配位子として、配位子2及び配位子比を用い、種々のアルコールの酸化反応に対する本発明で提案した配位子を用いた場合のPd錯体触媒の基質一般性について検討した結果を表2に示す。
基質12を、表3に示す無溶媒の条件、1気圧(101325Pa)の空気下で酸化して対応するアルデヒドを製造する例を示す。
配位子2を用いた場合パラジウムブラックの析出がないことが観察された。
本発明で提案した、新規な配位子を用いたPd錯体触媒は1気圧の空気下におけるアルコール類の酸化反応における触媒として有効性が明らかであり、産業上の利用性が高いことが明らかである。
Claims (14)
- R1がGと同じである請求項1に記載のフェニル基またはポリフェニレン基を有する新規なピリジン配位子。
- G1がピリジンのNに対し2位又は/及び3位に置換している請求項1または2に記載の新規なピリジン配位子。
- 前記一般式1のフェニレン基またはポリフェニレン基を有する新規なピリジン配位子を配位子Lとするパラジウム錯体からなるアルコール類の酸化触媒。
- 一般式Pd(OAc)2L2で表されるピリジン配位子Lが配位した請求項5に記載のアルコール類の酸化触媒。
- Lが請求項2に記載のフェニル基またはポリフェニレン基を置換したものである請求項6に記載のアルコール類の酸化触媒。
- Lが請求項3に記載のポリフェニレン基を置換したものである請求項7に記載のアルコール類の酸化触媒。
- Lが請求項4に記載のポリフェニレン基を置換したものである請求項8に記載のアルコール類の酸化触媒。
- アルコール類を請求項5に記載の酸化触媒を用い大気圧の空気を導入し無反応溶媒の反応系にてアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法。
- アルコール類に加える酸化触媒が一般式Pd(OAc)2L2で表されるピリジン配位子Lが配位した錯体である請求項10に記載の大気圧の空気を導入してアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法。
- Lが請求項2に記載のフェニル基またはポリフェニレン基を置換したものである請求項11に記載の大気圧の空気を導入してアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法。
- Lが請求項3に記載のポリフェニレン基を置換したものである請求項12に記載の大気圧の空気を導入してアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法。
- Lが請求項4に記載のポリフェニレン基を置換したものである請求項13に記載の大気圧の空気を導入してアルコール類の酸化生成物であるケトンおよび/又はアルデヒドを製造する方法。
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