JP6494414B2 - 太陽電池セルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安価に製造でき信頼性が高く変換効率の高い太陽電池セル及び太陽電池セルの製造方法に関する。
一般に、太陽電池セルは図1に示すような断面構造を有する。太陽電池セル100は、半導体基板101、エミッタ層102、反射防止膜兼パッシベーション膜103、表面電極104、BSF層105、及び裏面電極106を備える。半導体基板101は、多結晶や単結晶シリコン等からなる第1導電型を持つ半導体基板である。第1導電型はp型とn型のいずれでもよいが、例えばボロン等のp型不純物が添加されたp型シリコン基板が用いられることが多い。
半導体基板101の受光面には複数の凹凸からなるテクスチャと呼ばれる凹凸構造が形成される。凹凸構造は、受光面において光の多重反射を生じさせるため、形成により実効的に反射率が低減し、変換効率が向上する。凹凸構造は、基板を酸性またはアルカリ性の溶液に一定時間浸漬することで形成することができる。凹凸構造が形成された半導体基板101の受光面には、第1導電型と反対の第2導電型を持つエミッタ層102が形成される。エミッタ層102は半導体基板101との間でpn接合を形成する。エミッタ層102は、例えばリン等のn型不純物を半導体基板101に熱拡散させることにより形成される。更にエミッタ層102上に、エミッタ層102を覆うように第1反射防止膜兼パッシベーション膜103を形成される。第1反射防止膜兼パッシベーション膜103を設ける目的は、基板の表面で光が反射するのを防止して基板内に光を有効に取り込めるようにするとともに、シリコン基板表面の欠陥を終端するパッシベーション効果によりキャリア再結合を抑制することにある。第1反射防止膜兼パッシベーション膜103としては、例えば窒化シリコンなどが利用される。また、エミッタ層102上には更に、光生成されたキャリアを取り出すための表面電極104が第1反射防止膜兼パッシベーション膜103を貫通して形成される。表面電極104は、例えば、スクリーン印刷法を用いてガラスフリットなどを含んだ導電性銀ペーストを第1反射防止膜兼パッシベーション膜103に印刷後、乾燥して焼成することにより形成される。このとき、熱処理により銀ペーストが第1反射防止膜兼パッシベーション膜103を貫通(ファイヤースルー)するため、反射防止膜兼パッシベーション膜103を別途除去することなく表面電極104をエミッタ層102に接触させることができる。
半導体基板101の受光面の反対側、すなわち裏面には、光生成されたキャリアが裏面電極106で再結合しないようにするため、BSF(Back Surface Field)層105が形成される。また、更にBSF層105上に、光生成されたキャリアを取り出すための裏面電極106が形成される。BSF層105は、半導体基板101と同じ導電型を発現させる不純物を半導体基板101の裏面に拡散させることにより形成される。p型シリコン基板の場合、BSF層105と裏面電極106は同時に形成することが可能である。例えば、スクリーン印刷法を用いて半導体基板101の裏面に導電性アルミニウムペーストを印刷した後、シリコンとアルミニウムの共融点以上の温度で熱処理を行う。これにより、冷却の過程でシリコンが多くのアルミニウムを取り込みながら再結晶化してBSF層105が形成されるとともに、シリコンとの接触界面から離れたところのアルミニウムペーストはそのまま残って裏面電極106となる。
もっとも、上記のようにアルミニウムペースト用いて形成されたBSF層によるキャリア再結合の抑制効果は限定的であり、また光の吸収係数が大きいため光学的損失が大きく、更に太陽電池セルの反りが大きくなって取扱いが困難になる等の問題があった。そこで、このような問題を回避し太陽電池セルを高効率化するために、図2に示すようなPR(Passivated Rear)構造型太陽電池セルが提案されている。
PR構造型太陽電池セル200は、半導体基板201、エミッタ層102、第1反射防止膜兼パッシベーション膜103、表面電極104、BSF層105、第2反射防止膜兼パッシベーション膜202、及び裏面電極203を備える。図1と同じ符号を付したエミッタ層102、反射防止膜兼パッシベーション膜103、表面電極104、及びBSF層105については、太陽電池セル100と同様のものである。
PR構造型太陽電池セル200の具体的構成例及び製造工程例を説明する。半導体基板201は、単結晶または多結晶シリコンなどからなり、p型、n型のいずれでもよいが、ボロンなどのp型の半導体不純物を含み、比抵抗が0.1〜4.0Ω・cmのp型シリコン基板が用いられることが多い。以下、p型シリコン基板を用いた場合について説明する。基板の大きさは100〜150mm角、厚みは0.05〜0.30mmの板状のものが好適に用いられる。半導体基板201には凹凸構造が両面に形成される。凹凸構造は、基板を例えば酸性溶液中に浸漬してスライスなどによるダメージを除去し、続いて水酸化カリウム水溶液などのアルカリ溶液で化学エッチングして洗浄、乾燥することにより形成することができる。
次に半導体基板201を、例えばBBrなどを含む800〜1100℃の高温ガス中に設置し、基板にボロンなどのp型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が20〜300Ω/□程度のp型拡散層であるBSF層105を基板の裏面に形成する。熱拡散を行う際には、基板の受光面へのp型拡散層形成を防ぐため、基板の受光面同士を2枚向かい合わせて重ねた状態で行うとよい。熱拡散法によりBSF層105を形成すると、同時にBSF層105上にドーパント原子を含むガラス層が形成される。そのため、形成されたガラス層を、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより除去し、純水で洗浄する。
次にBSF層105が形成された半導体基板201を、例えばPOClなどを含む850〜1100℃の高温ガス中に設置し、基板にリンなどのn型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が30〜300Ω/□程度のn型拡散層であるエミッタ層102を基板の受光面に形成する。熱拡散を行う際には、基板の裏面へのn型拡散層形成を防ぐため、基板の裏面同士を2枚向かい合わせて重ねた状態で行うとよい。熱拡散法によりエミッタ層102を形成すると、同時にエミッタ層102上に不純物原子を含むガラス層が形成される。そのため、形成されたガラス層を、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより除去し、純水で洗浄する。
なお、BSF層105とエミッタ層102を形成する順序は逆でも構わない。
次に、エミッタ層102上に第1反射防止膜兼パッシベーション膜103を、BSF層105上に第2反射防止膜兼パッシベーション膜202を、それぞれ形成する。各反射防止膜兼パッシベーション膜としては、窒化シリコン、酸化シリコン、炭化シリコン、非晶質シリコン、酸化アルミニウム、及び酸化チタンなどの単層膜、又はこれらを組み合わせた積層膜を用いることができる。窒化シリコン膜を形成する場合、例えば、SiHとNHとの混合ガスをNで希釈し、希釈した混合ガスを、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法により形成することができる。各反射防止膜兼パッシベーション膜は、基板との屈折率差などを考慮して屈折率が1.8〜2.3程度になるように、また、厚さが500〜1000Å程度の厚みになるように形成される。なお、第1反射防止膜兼パッシベーション膜103と第2反射防止膜兼パッシベーション膜202とで異なる膜を用いても構わない。
次に、エミッタ層102上に表面電極104を、BSF層105上に裏面電極203を、それぞれ局在化して形成する。表面電極104については、主に基板内への光入射を遮る領域を小さくする目的で局在化し、裏面電極203については、主に第2反射防止膜兼パッシベーション膜202で得られるパッシベーション効果の減少を抑制する目的で局在化する。各電極は、例えばスクリーン印刷法により、銀粉末、ガラスフリット、ワニスなどを含む導電性ペーストを第1反射防止膜兼パッシベーション膜103及び第2反射防止膜兼パッシベーション膜202にそれぞれ印刷した後、乾燥して焼成することにより、第1反射防止膜兼パッシベーション膜103及び第2反射防止膜兼パッシベーション膜202をそれぞれ貫通して形成される。例えば、導電性ペーストを500〜950℃程度の温度で1〜60秒程度焼成し、これにより各反射防止膜兼パッシベーション膜を貫通させて、銀粉末を焼結させることにより各電極を形成し、基板と導通させる。
図2に示す構造は、基板の裏面に凹凸が形成されていることで反射率が低減される反面、界面準位が増加し、裏面でのキャリア再結合が発生しやすくなるという問題がある。しかし一方で、スクリーン印刷法と焼成により形成される電極は、基板と電極との界面に凹凸が形成されていた方がコンタクト抵抗が低くなり、かつ基板と電極との密着性が良くなるという特性がある。この特性は特に導電性銀ペーストを用いた電極形成において顕著である。これは、基板に形成された凹凸が、基板と電極とのコンタクト面積を広げ、かつガラスフリットによるファイヤースルーを効率よく進める効果を生み出すためであるといわれている。そのため、基板の裏面は、電極との界面には凹凸が形成されている一方、電極が形成されていない領域には凹凸が形成されていないことが望ましい。
また、図1及び図2の構造においてBSF層は、基板と電極の界面では、不純物表面濃度が高いほうが良好なコンタクトを形成しやすく、かつ拡散電位差が大きくなる一方、電極が形成されていない領域では、不純物表面濃度が低いほうがキャリアの表面再結合を低減できる。
受光面のみを反応性イオンやエッチングガスに曝すことによって受光面のみに凹凸構造を形成する方法は特許文献1に開示されている。また、裏面の電極が形成されていない領域について凹凸が除去された太陽電池セルの構造は特許文献2に開示されている。
特開2014−502444号公報 特開2014−239150号公報
特許文献1の方法は面全体に凹凸構造を形成するものであり、面の一部に限定して凹凸構造を形成することはできない。また、面全体に凹凸構造を形成する場合においても、反応性イオンを使用する装置は装置自体の面積が大きくなってコスト増大につながりやすい、面内均一に凹凸を形成することが困難である、などの問題がある。特許文献2には、面の一部に限定して凹凸構造を形成する方法が開示されているが、BSF層の不純物表面濃度を基板と電極との界面と、電極が形成されていない領域との間で相違させることが困難である。
本発明の目的は、高い接着強度と低い接触抵抗が両立された電極、界面準位密度の低い非電極形成領域、及び半導体基板の高いライフタイムを実現し、よって、安価で信頼性が高く変換効率の高い太陽電池セル及び太陽電池セルの製造方法を提供することにある。
(1) 本発明の太陽電池セルは、半導体基板と、当該半導体基板の一方の面に形成される当該半導体基板と同じ導電型の不純物拡散層と、当該不純物拡散層上に形成される電極と、を備える太陽電池セルであって、不純物拡散層が形成される面の、一部の領域が複数の凹凸からなる凹凸構造とされ、その他の領域は凹凸構造よりも平滑化され、当該一部の領域に形成される第1の不純物拡散層の不純物表面濃度は、当該その他の領域に形成される第2の不純物拡散層の不純物表面濃度より高く、電極が第1の不純物拡散層上に形成される。このように太陽電池セルを構成することで、高い接着強度と低い接触抵抗が両立された電極、界面準位密度の低い非電極形成領域、及び半導体基板の高いライフタイムを実現でき、よって、安価で信頼性が高く変換効率の高い太陽電池セルを提供することができる。
(2) 本発明の太陽電池セルの製造方法は、半導体基板と、当該半導体基板の一方の面に形成される当該半導体基板と同じ導電型の不純物拡散層と、当該不純物拡散層上に形成される電極と、を備える太陽電池セルの製造方法であって、当該一方の面に複数の凹凸からなる凹凸構造を形成する凹凸形成ステップと、凹凸構造が形成された当該一方の面に、半導体基板と同じ導電型を発現させる不純物を拡散させることにより、第1の不純物拡散層を形成する第1不純物拡散層形成ステップと、第1の不純物拡散層の電極が形成される電極形成領域以外の領域について第1の不純物拡散層を除去し、露出した凹凸構造を平滑化して平滑化領域を形成する平滑化ステップと、平滑化領域に、半導体基板と同じ導電型を発言させる不純物を拡散させることにより、第1の不純物拡散層より不純物表面濃度が低い第2の不純物拡散層を形成する第2不純物拡散層形成ステップと、電極形成領域に電極を形成する電極形成ステップと、を実行する。これにより、高い接着強度と低い接触抵抗が両立された電極、界面準位密度の低い非電極形成領域、及び半導体基板の高いライフタイムが実現された、安価で信頼性が高く変換効率の高い太陽電池セルを、簡便な方法で製造することができる。
(3) (2)の製造方法の平滑化ステップにおいて、例えば、第1の不純物拡散層に保護膜を形成した上で当該保護膜を電極形成領域以外の領域について除去するサブステップと、保護膜を除去した領域について、エッチングにより第1の不純物拡散層の除去及び平滑化領域の形成を行うサブステップと、電極形成領域に残存する保護膜を除去するサブステップと、を実行するとよい。
(4) (2)の製造方法の第1不純物拡散層形成ステップにおいて、第1の不純物拡散層上に更にガラス層を形成し、平滑化ステップにおいて、電極形成領域以外の領域に形成されたガラス層を更に除去し、第2不純物拡散層形成ステップにおいて、第2の不純物拡散層をガラス層が形成された電極形成領域に更に形成するようにしてもよい。既に第1の不純物拡散層とガラス層が形成された電極形成領域に、更に第2の不純物拡散層を形成することで、形成の際の拡散熱処理によりガラス層に含まれている不純物が拡散し、高濃度拡散層の不純物表面濃度を更に濃くすることができる。これにより、電極とのコンタクト抵抗が低減されるとともに、拡散電位差を増大させることができる。また、電極形成領域に形成されたガラス層を除去する必要がないため、保護膜を形成した場合に必要であった、電極形成領域に残存する保護膜を除去し洗浄する工程を無くすことができる。これにより、製造コストを削減できるとともに、基板の不純物汚染の発生可能性を減らして基板のライフタイムを高く保つことができる。
(5) (4)の製造方法の平滑化ステップにおいて、エッチングにより、電極形成領域以外の領域に形成されたガラス層及び第1の不純物拡散層の除去、並びに平滑化領域の形成を行ってもよい。この方法では、ガラス層をエッチング時の保護膜として利用する。ガラス層は、第1の不純物拡散層の形成時に同時に形成されるため、保護膜を形成する工程を経る必要がない。そのため、製造コストを削減できるとともに、基板の不純物汚染の発生可能性を減らして基板のライフタイムを高く保つことができる。
(6) (2)又は(4)の製造方法の平滑化ステップにおいて、レーザーの照射、ダイシングソーによる掘削、又は半導体基板エッチングペーストの塗布により、電極形成領域以外の領域に形成されたガラス層及び第1の不純物拡散層の除去、並びに平滑化領域の形成を行ってもよい。これにより、煩雑で高コストな保護膜形成・除去工程や洗浄工程を削減することができ、よって、製造コストと不純物汚染の発生可能性の低減を図ることができる。
従来の太陽電池セルの構成の一例を示す図である。 従来のPR構造型太陽電池セルの構成の一例を示す図である。 本発明の太陽電池セルの構成の一例を示す図である。 第1実施形態の製造フローの一例を示す図である。 第1実施形態の製造工程を説明する図(1/4)である。 第1実施形態の製造工程を説明する図(2/4)である。 第1実施形態の製造工程を説明する図(3/4)である。 第1実施形態の製造工程を説明する図(4/4)である。 第2実施形態の製造フローの一例を示す図である。 第2実施形態の製造工程を説明する図(1/2)である。 第2実施形態の製造工程を説明する図(2/2)である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。背景技術の説明に用いた図も含め、各図面において共通の構成要素については同じ符号を付し、その説明を省略するか、簡略にとどめる場合がある。
<太陽電池セル>
図3に本発明の太陽電池セルの構成の一例を示す。太陽電池セル300は、半導体基板201、エミッタ層102、第1反射防止膜兼パッシベーション膜103、表面電極104、第1BSF層105a、第2BSF層105b、第2反射防止膜兼パッシベーション膜202、及び裏面電極203を備える。
半導体基板201は、p型、n型のいずれの導電型でもよいが、p型が用いられることが多い。エミッタ層102は、半導体基板201の受光面に形成され、半導体基板201と異なる導電型を有し、半導体基板201との間でpn接合を形成する。第1反射防止膜兼パッシベーション膜103は、エミッタ層103上に形成され、入射光の反射を抑え基板内に光を有効に取り込むとともに少数キャリアの再結合を防止し変換効率を高める。表面電極104は、エミッタ層102上に第1反射防止膜兼パッシベーション膜103を貫通して形成され、光生成されたキャリアを取り出す。第1BSF層105a及び第2BSF層105は、半導体基板201の受光面の反対側、すなわち裏面に形成される、半導体基板201と同じ導電型を発現させる不純物が拡散された不純物拡散層であり、光生成されたキャリアが裏面電極106で再結合するのを防止する。第2反射防止膜兼パッシベーション膜202は、第1BSF層105a及び第2BSF層105上に形成され、入射光の反射を抑え基板内に光を有効に取り込むとともに少数キャリアの再結合を防止し変換効率を高める。裏面電極106は、第1BSF層105a上に形成され、光生成されたキャリアを取り出す。
半導体基板201の裏面の一部の領域は、複数の凹凸からなる凹凸構造とされ、裏面のその他の領域は凹凸構造よりも平滑化されている。第1BSF層105aは、半導体基板201の裏面の、凹凸構造とされている領域に高い不純物表面濃度で形成される不純物拡散層である。第2BSF層105bは、半導体基板201の裏面の、凹凸構造よりも平滑化された領域に低い不純物表面濃度で形成される不純物拡散層である。
基板の裏面への凹凸構造の形成は、界面準位の増加によりキャリアの再結合を発生させやすくするというデメリットがある一方、基板と電極との界面においては良好なコンタクト、すなわち、高い接着強度と低い接触抵抗が得られるというメリットがある。そのため、基板裏面の電極が形成される領域については凹凸構造が形成され、電極が形成されない領域については平滑化されていることが望ましい。
また、基板裏面のBSF層の不純物表面濃度は、基板と電極の界面では濃度が高い方が良好なコンタクトが得られ、かつ拡散電位差が大きくなる一方、電極が形成されない領域では濃度が低い方がキャリアの再結合を低減することができる。
本発明の太陽電池セル300は、このような要求条件を満たす構成を備え、高い接着強度と低い接触抵抗が両立された電極、界面準位密度の低い非電極形成領域、及び半導体基板の高いライフタイムを実現することができる。そのため、安価で信頼性が高く、変換効率が高い太陽電池セルを提供することが可能となる。
<太陽電池セルの製造方法:第1実施形態>
太陽電池セル300の製造工程の一例を説明する。図4は製造フローの一例を示す図である。半導体基板201は、単結晶または多結晶シリコンなどからなり、p型、n型のいずれでもよいが、ボロンなどのp型の半導体不純物を含み、比抵抗が0.1〜4.0Ω・cmのp型シリコン基板が用いられることが多い。以下、p型シリコン基板を用いた場合について説明する。基板の大きさは100〜150mm角、厚みは0.05〜0.30mmの板状のものが好適に用いられる。この半導体基板201の両面又は裏面に凹凸構造を形成する(S1、図5(a))。凹凸構造は、基板を例えば酸性溶液中に浸漬してスライスなどによるダメージを除去し、続いて水酸化カリウム水溶液などのアルカリ溶液で化学エッチングして洗浄、乾燥することにより形成することができる。
次に、半導体基板201の裏面に高濃度p型拡散層である第1BSF層105aを形成する(S2、図5(b))。具体的には、例えば基板をBBrなどを含む900〜1100℃の高温ガス中に設置し、基板にボロンなどのp型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が20〜100Ω/□程度の高濃度p型拡散層を形成する。熱拡散を行う際には、基板の受光面へのp型拡散層形成を防ぐため、基板の受光面同士を2枚向かい合わせて重ねた状態で行うとよい。熱拡散法により第1BSF層105aを形成すると、同時に第1BSF層105a上にドーパント原子を含むガラス層105agが形成される。そのため、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に基板を浸漬することによりガラス層105agを除去し(図5(c))、純水で洗浄する。
次に、第1BSF層105aの裏面電極203が形成される領域以外の領域について第1BSF層105aを除去するとともに、半導体基板201の凹凸構造を平滑化して平滑化領域303を形成する(S3)。除去及び平滑化は、例えば次のように行う。
第1BSF層105a上に保護膜301を形成した上で、裏面電極203が形成される領域以外の領域の保護膜301を除去する(S3−1)。具体的には、まず、第1BSF層105a上に保護膜301を形成する(図5(d))。保護膜301は化学エッチングの際のマスキングに用いるものであり、例えば、酸化シリコンを利用することができる。この場合、例えば半導体基板201を酸素雰囲気下の800〜1100℃の高温中に設置し、熱酸化法により膜厚が30〜300μm程度の酸化シリコン膜を形成する。続いて、裏面電極203が形成される領域について、例えば、保護膜301の裏面電極203が形成される領域に、レジストペースト302をスクリーン印刷でパターン状に塗布・硬化した上で(図6(a))、レジストペースト302が塗布されていない領域の保護膜301である酸化シリコン膜を、フッ酸水溶液に浸漬することにより除去する(図6(b))。
そして、保護膜301の除去により第1BSF層105aが露出した領域を更に水酸化カリウム溶液などのアルカリ溶液に浸漬することにより、当該領域の第1BSF層105aを除去するとともに、半導体基板201の凹凸構造を平滑化して平滑化領域303を形成する(S3−2、図6(c))。最後に、裏面電極203が形成される領域に残存する保護膜301を除去する(S3−3、図6(d))。具体的には例えば、レジストペースト302をアセトンなどに浸漬することにより除去し、更に、希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬することにより保護膜301である酸化シリコン膜を除去して、純水で洗浄する。
次に、平滑化領域303に、低濃度p型拡散層である第2BSF層105bを形成する(S4、図7(a))。具体的には、例えば基板をBBrなどを含む800〜1000℃の高温ガス中に設置し、基板にボロンなどのp型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が50〜300Ω/□程度の低濃度p型拡散層を基板の裏面に形成する。このとき、第1BSF層105aに対しても同時に熱拡散の効果が及ぶため、第1BSF層105aの不純物表面濃度をより高くすることができる。熱拡散を行う際には、基板の受光面へのp型拡散層の形成を防ぐため、基板の受光面同士を2枚向かい合わせて重ねた状態で行うとよい。熱拡散法により第2BSF層105bを形成すると、同時に第2BSF層105b上にドーパント原子を含むガラス層105bgが形成される。そのため、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に基板を浸漬させることによりガラス層105bgを除去し(図7(b))、純水で洗浄する。
そして、裏面電極106を第1BSF層105a上に形成する(S5)とともに、半導体基板201の受光面にエミッタ層102、第1反射防止膜兼パッシベーション膜103、及び表面電極104を、裏面に第1反射防止膜兼パッシベーション膜103をそれぞれ形成する。なお、受光面側に形成するものについては、いつ形成しても構わない。
具体的には、例えば次のように形成する。
第1BSF層105a及び第2BSF層105bが形成された半導体基板201を、例えばPOClなどを含む850〜1100℃の高温ガス中に設置し、基板にリンなどのn型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が30〜300Ω/□程度のn型拡散層であるエミッタ層102を基板の受光面に形成する(図7(c))。熱拡散を行う際には、基板の裏面へのn型拡散層の形成を防ぐため、基板の裏面同士を2枚向かい合わせて重ねた状態で行うとよい。熱拡散法によりエミッタ層102を形成すると、同時にエミッタ層102上に不純物原子を含むガラス層102gが形成される。そのため、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより形成されたガラス層を除去し(図7(d))、純水で洗浄する。
次に、エミッタ層102上に第1反射防止膜兼パッシベーション膜103を、第1BSF層105a及び第2BSF層105b上に第2反射防止膜兼パッシベーション膜202を、それぞれ形成する(図8(a))。各反射防止膜兼パッシベーション膜としては、窒化シリコン、酸化シリコン、炭化シリコン、非晶質シリコン、酸化アルミニウム、及び酸化チタンなどの単層膜、又はこれらを組み合わせた積層膜を用いることができる。窒化シリコン膜を形成する場合、例えば、SiHとNHとの混合ガスをNで希釈し、希釈した混合ガスを、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法により形成することができる。各反射防止膜兼パッシベーション膜は、基板との屈折率差などを考慮して屈折率が1.8〜2.3程度になるように、また、厚さが500〜1000Å程度の厚みになるように形成される。なお、第1反射防止膜兼パッシベーション膜103と第2反射防止膜兼パッシベーション膜202とで異なる膜を用いても構わない。
次に、エミッタ層102上に表面電極104を、第1BSF層105a上に裏面電極203を、それぞれ局在化して形成する(図8(b))。各電極は、例えばスクリーン印刷法により、銀粉末、ガラスフリット、ワニスなどを含む導電性ペーストを第1反射防止膜兼パッシベーション膜103及び第2反射防止膜兼パッシベーション膜202にそれぞれ印刷した後、乾燥して焼成することにより、第1反射防止膜兼パッシベーション膜103及び第2反射防止膜兼パッシベーション膜202をそれぞれ貫通して形成される。例えば、導電性ペーストを500〜950℃程度の温度で1〜60秒程度焼成し、これにより各反射防止膜兼パッシベーション膜を貫通させて、銀粉末を焼結させることにより各電極を形成し、基板と導通させる。
<太陽電池セルの製造方法:第2実施形態>
第1実施形態の製造方法の場合、裏面の形成にあたり、高濃度p型拡散層、保護膜、及び低濃度p型拡散層の形成に三度の高温熱処理プロセスを必要とする上、その間に洗浄工程が必要になる。また、熱拡散法によりBSF層を形成した際に形成されたガラス層をその都度除去している。そのため、プロセスが複雑となってコストが増大し、更に、基板の洗浄が不十分な場合は不純物による汚染を招き、太陽電池セルの性能を劣化させる恐れがある。第2実施形態は、このような要請に基づき、より簡便な方法を提供する。
図9は第2実施形態の製造フローの一例を示す図である。半導体基板201に凹凸構造を形成する工程(S1、図10(a))については、第1実施形態と同様である。凹凸構造が形成された半導体基板201に第1BSF層105aを形成する工程(S2a、図10(b))については、形成方法は第1実施形態(製造フローS2)と同様であるが、第1BSF層105aを形成した際に同時に形成されるガラス層105agを除去せず、形成状態を維持する点において異なる。第2実施形態では、このガラス層105agを保護膜301の代わりに利用する。
次に、第1BSF層105a及びガラス層105agの裏面電極203が形成される領域以外の領域について、第1BSF層105a及びガラス層105agを除去するとともに、半導体基板201の凹凸構造を平滑化して平滑化領域303を形成する(S3a)。除去及び平滑化は、例えば次のように行う。
ガラス層105agの裏面電極203が形成される領域以外の領域について、ガラス層105agを除去する(S3−4)。例えば、ガラス層105agの裏面電極203が形成される領域に、レジストペースト302をスクリーン印刷でパターン状に塗布・硬化し(図10(c))、フッ酸水溶液に浸漬することでレジストペースト302が塗布されていない領域のガラス層105agを除去する(図10(d))。
そして、ガラス層105agの除去により第1BSF層105aが露出した領域を更に水酸化カリウム溶液などのアルカリ溶液に浸漬することにより、当該領域の第1BSF層105aを除去するとともに、半導体基板201の凹凸構造を平滑化して平滑化領域303を形成する(S3−5、図11(a))。このとき、ガラス層105agが保護膜として機能する。レジストペースト302は、アセトンなどに浸漬することにより除去する。
次に、平滑化領域303に、低濃度p型拡散層である第2BSF層105bを形成する(S4、図11(b))。具体的には、例えば基板をBBrなどを含む800〜1000℃の高温ガス中に設置し、基板にボロンなどのp型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が50〜300Ω/□程度の低濃度p型拡散層を基板の裏面に形成する。既に第1BSF層105aとガラス層105agが形成された電極形成領域に、更に第2BSF層105bを形成することで、形成の際の拡散熱処理によりガラス層105agに含まれている不純物が拡散し、高濃度拡散層の不純物表面濃度を更に濃くすることができる。熱拡散を行う際には、基板の受光面へのp型拡散層形成を防ぐため、基板の受光面同士を2枚向かい合わせて重ねた状態で行うとよい。熱拡散法により第2BSF層105bを形成すると、同時に第2BSF層105b上にドーパント原子を含むガラス層105bgが形成される。そのため、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に基板を浸漬させることにより、ガラス層105bgをガラス層105agとともに除去し(図11(c))、純水で洗浄する。
以降の工程については、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、ガラス層105agをエッチング時の保護膜として利用する。ガラス層105agは、第1BSF層105aの形成時に同時に形成されるため、保護膜を形成する工程を無くすことができる。また、ガラス層105agが形成された状態でその上に第2BSF層105bを形成するため、第2BSF層105bの形成に先立ちガラス層105agを除去する必要がない。そのため、保護膜を形成した場合に必要であった、電極形成領域に残存する保護膜を除去し洗浄する工程を無くすことができる。そして、保護膜の形成及び除去の工程が無くなることで、製造コストを削減できるとともに、基板の不純物汚染の発生可能性を減らして基板のライフタイムを高く保つことができる。
また、高濃度拡散層の不純物表面濃度を更に濃くすることができるため、電極とのコンタクト抵抗が低減されるとともに、拡散電位差を増大させることができ、変換効率を高めることができる。
<太陽電池セルの製造方法:第3実施形態>
第1BSF層105aの裏面電極203が形成される領域以外の領域について、第1BSF層105a及びガラス層105agを除去するとともに、半導体基板201の凹凸構造を平滑化して平滑化領域303を形成する方法は、第1実施形態と第2実施形態で説明したエッチングによる方法以外に、レーザーの照射、ダイシングソーによる掘削、半導体基板エッチングペーストの塗布などの方法を採ることができる。この場合、煩雑で高コストな保護膜の形成・除去、ガラス層の除去、基板の洗浄などの工程を省くことができる。
例えば、第1実施形態の場合、図5(d)から図6(c)に至る工程を省くことができ、図5(c)の状態から図6(d)の状態に移行させることができる。また、第2実施形態の場合、図10(c),(d)の工程を省くことができ、図10(b)の状態から図11(a)の状態に移行させることができる。そのため、製造コストと不純物汚染の発生可能性の低減を図ることができる。
以上の各実施形態はp型シリコン基板を用いた場合であるが、上記の通りn型シリコン基板を用いた太陽電池セルにも適用することができる。その場合、エミッタ層はp型拡散層、BSF層はn型拡散層により構成するのが好適である。また、本発明は非受光面にエミッタ層が形成された太陽電池セルや非受光面にエミッタ層とBSF層の両方が形成された裏面電極型太陽電池セルにも適用することが可能である。
本発明の太陽電池セルの構成及び製造方法は、必要に応じ併合・分割・順序の変更などを行っても構わない。また、各実施形態はあくまで例示であり、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能である。そして、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが請求の範囲の記載から明らかである。
以下に本発明の実施例および比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、幅広い用途で活用できるものである。
ボロンがドープされ、厚さ0.2mmにスライスして作製された比抵抗が約1Ω・cmのp型の単結晶シリコンからなるp型シリコン基板に外径加工を行うことによって、一辺15cmの正方形の基板を生成した。そして、この基板をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチングをし、さらに2%のKOHと2%のIPAを含む70℃の溶液で5分間化学エッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで、基板の両面にテクスチャ構造を形成した。
<比較例:従来構造の太陽電池セルのp型拡散層の形成>
上記テクスチャ形成済みp型シリコン基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、950℃の温度で30分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面にBSF層としてのp型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板表面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約50Ω/□、p層拡散深さは0.7μmであった。その後、前処理済み基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。
<実施例1:本発明の太陽電池セルの第1実施形態の製法によるp型拡散層の形成>
一方、上記テクスチャ形成済みp型シリコン基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、1000℃の温度で50分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面に高濃度BSF層としての高濃度p型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板裏面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約30Ω/□、p層の拡散深さは1.3μmであった。その後、基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。更に、酸素雰囲気中において、基板を1000℃の温度で120分間の条件で熱酸化することにより、基板の両面に酸化シリコン膜を厚さ700 Åで形成した。そして、基板の裏面の酸化シリコン膜の上に、レジストペーストをスクリーン印刷して、100℃の温度で加熱して乾燥させた。ここで、レジストペーストとしては、LEKTRACHEM社製185ペーストを用いた。その基板を2%フッ酸水溶液に浸漬させることで、酸化シリコン膜を部分的に除去してから、アセトンに浸漬させて、レジストペーストを除去した。さらに25%水酸化カリウム水溶液に浸漬することで、酸化シリコン膜を除去した箇所のみテクスチャと高濃度p型拡散層を除去した。その後、基板を25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、酸化シリコン膜を除去した。次に、基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、900℃の温度で10分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面に低濃度BSF層としての低濃度p型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意したp型シリコン基板裏面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約100Ω/□、p層の拡散深さは0.2μmであった。その後、前処理済み基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。
<実施例2:本発明の太陽電池セルの第2実施形態の製法によるp型拡散層の形成>
一方、上記テクスチャ形成済みp型シリコン基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、1000℃の温度で50分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面に高濃度BSF層としての高濃度p型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板裏面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約30Ω/□、p層の拡散深さは1.3μmであった。その後、基板の裏面に形成されたガラス層の上に、レジストペーストをスクリーン印刷して、100℃の温度で加熱して乾燥させた。ここで、レジストペーストとしては、LEKTRACHEM社製185ペーストを用いた。その基板を2%フッ酸水溶液に浸漬させることで、レジストペーストが形成されていない箇所のガラス層を除去してから、アセトンに浸漬させて、レジストペーストを除去した。さらに25%水酸化カリウム水溶液に浸漬することで、ガラス層を除去した箇所のみテクスチャと高濃度p型拡散層を除去した。次に、基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、900℃の温度で10分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面に低濃度BSF層としての低濃度p型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板裏面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約100Ω/□、p層の拡散深さは0.2μmであった。この時、テクスチャと高濃度p型拡散層・ガラス層が残っている箇所のシート抵抗は、約20Ω/□、p層の拡散深さは1.5μmと、より高濃度化した。その後、前処理済み基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。
<実施例3:本発明の太陽電池セルの第3実施形態の製法によるp型拡散層の形成>
一方、上記テクスチャ形成済みp型シリコン基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、1000℃の温度で50分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面に高濃度BSF層としての高濃度p型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板裏面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約30Ω/□、p層の拡散深さは1.3μmであった。その後、基板の裏面に形成されたガラス層の上から、幅500μmのブレードを用いて、ダイシングソーで掘削して、ガラス層とテクスチャと高濃度p型拡散層を部分的に除去した。その後、基板の裏面に対して、BBrガス雰囲気中において、900℃の温度で10分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の裏面に低濃度BSF層としての低濃度p型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板裏面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約100Ω/□、p層の拡散深さは0.2μmであった。この時、凹凸と高濃度p型拡散層・ガラス層が残っている箇所のシート抵抗は、約20Ω/□、p層の拡散深さは1.5μmと、より高濃度化した。その後、前処理済み基板を、25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した(実施例2)。
比較例、実施例1、実施例2、及び実施例3のp型拡散層形成済みの基板の受光面に対して、POClガス雰囲気中において、900℃の温度で20分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、基板の受光面にn型拡散層とガラス層を形成した。ここで用意した基板受光面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約60Ω/□、n層の拡散深さは0.4μmであった。その後、基板を25%のフッ酸水溶液に浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥させることで、ガラス層を除去した。
続いて、SiHとNH、Nを用いたプラズマCVD法により、基板の受光面及び裏面上に、反射防止膜兼パッシベーション膜となるSiNを厚さ1000 Åで形成した。
次に、ここまでの処理を施した基板の裏面に、スクリーン印刷法を用いて、導電性銀ペーストを印刷し、150℃で乾燥させた。この場合、各実施例の基板の裏面には、凹凸が残っており、高濃度p型拡散層が形成されている箇所の上に導電性銀ペーストを印刷する。更に、基板の受光面に、スクリーン印刷法を用いて、導電性銀ペーストを印刷し、150℃で乾燥させた。ここで導電性銀ペーストとしては、Heraeus社製SOL9383Mを用いた。その後、前処理済み基板を、最高温度800℃で5秒間導電性ペーストを焼成して電極を形成し、太陽電池セルを作製した。
表1に、上記の比較例、実施例1、実施例2及び実施例3の方法で、それぞれ50枚ずつの太陽電池セルを作製した際の太陽電池セルの平均変換効率を示す。
Figure 0006494414
表1に示すように、本発明による実施例を用いることで、比較例と比較すると、太陽電池セルの平均変換効率を高めることができる。このことから、本発明の太陽電池セル及び太陽電池セルの製造方法により、高品質なPR構造を容易かつ安価に形成することができ、太陽電池セルの高効率化とコスト削減に極めて有効であることがわかる。
100、200、300 太陽電池セル
101、201 半導体基板
102 エミッタ層
102g、105ag、105bg ガラス層
103 第1反射防止膜兼パッシベーション膜
104 表面電極
105 BSF層
105a 第1BSF層
105b 第2BSF層
106、203 裏面電極
202 第2反射防止膜兼パッシベーション膜
301 保護膜
302 レジストペースト
303 平滑化領域

Claims (3)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の一方の面に形成される前記半導体基板と同じ導電型の不純物拡散層と、
    前記不純物拡散層上に形成される電極と、
    を備える太陽電池セルの製造方法であって、
    前記一方の面に複数の凹凸からなる凹凸構造を形成する凹凸形成ステップと、
    前記凹凸構造が形成された前記一方の面に、前記半導体基板と同じ導電型を発現させる不純物を拡散させることにより、第1の前記不純物拡散層を形成する第1不純物拡散層形成ステップと、
    第1の前記不純物拡散層の前記電極が形成される電極形成領域以外の領域について第1の前記不純物拡散層を除去し、露出した前記凹凸構造を平滑化して平滑化領域を形成する平滑化ステップと、
    前記平滑化領域に、前記半導体基板と同じ導電型を発現させる不純物を拡散させることにより、第1の前記不純物拡散層より不純物表面濃度が低い第2の前記不純物拡散層を形成する第2不純物拡散層形成ステップと、
    前記電極形成領域に電極を形成する電極形成ステップと、
    を実行し、
    前記第1不純物拡散層形成ステップでは、第1の前記不純物拡散層上に更にガラス層を形成し、
    前記平滑化ステップでは、前記電極形成領域以外の領域に形成された前記ガラス層を更に除去し、
    前記第2不純物拡散層形成ステップでは、前記半導体基板と同じ導電型を発現させる不純物を前記ガラス層が形成された前記電極形成領域にも拡散させ
    ことを特徴とする太陽電池セルの製造方法。
  2. 前記平滑化ステップは、エッチングにより、前記電極形成領域以外の領域に形成された前記ガラス層及び第1の前記不純物拡散層の除去、並びに前記平滑化領域の形成を行うことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。
  3. 前記平滑化ステップは、レーザーの照射、ダイシングソーによる掘削、又は半導体基板エッチングペーストの塗布により、前記電極形成領域以外の領域に形成された前記ガラス層及び第1の前記不純物拡散層の除去、並びに前記平滑化領域の形成を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池セルの製造方法。
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