JP6492153B2 - 車両用駆動機構の制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、電動パワーステアリング装置の制御装置において、ラックエンドに近づいたことを判定するラックエンド判定部或いは操舵限界を判定する操舵限界判定部を具備し、ラックエンドに近づいたとき或いは操舵限界に達したときに電流指令値を制限し、制限した電流指令値が零となるタイミングでモータに電磁ブレーキをかけることが開示されている。
上記の学習処理においては、ストッパを当接させるときの制御軸の回転速度を速くすれば、学習に要する時間を短縮することができるが、制御軸の回転速度が速い状態でストッパが当接すると、ストッパに加わる衝撃力が大きくなる。
ここで、ストッパが当接する直前までは制御軸を速く回転させ、その後モータトルクを小さくしてストッパを当接させるようにすれば、学習時間の短縮と衝撃力の緩和とを図ることが可能である。
このため、トルク制限を開始する前にストッパが当接してしまうことを回避するには、モータトルクをより小さく変更するタイミングを早める必要が生じ、学習時間を可及的に短縮することができないという問題が生じる。
このため、ストッパの当接状態でのセンサ出力の学習を、初回学習時であっても当接の衝撃力を許容範囲内としつつ可及的に短い時間で実施できるようになる。
図1は、本発明に係る制御装置及び制御方法を適用する車両用駆動機構の一例としての可変圧縮比機構を備えた車両用内燃機関1のシステム構成を示す。
図1の内燃機関1は、複リンク式ピストンクランク機構を利用した可変圧縮比機構2を備えた4サイクルの火花点火機関である。
吸気弁4は吸気ポート7を開閉し、排気弁5は排気ポート11を開閉する。
吸気ポート7の下方には、燃焼室3内に燃料を直接に噴射する筒内噴射用燃料噴射弁8が配置されている。また、吸気ポート7には、吸気ポート7内へ向けて燃料を噴射するポート噴射用燃料噴射弁41が配置されている。
なお、内燃機関1は、ポート噴射用燃料噴射弁41と筒内噴射用燃料噴射弁8とのいずれか一方を備えることができる。
そして、エンジン制御ユニット9は、入力した検出信号に基づき、燃料噴射弁8,41による燃料噴射量および噴射時期、点火プラグ6による点火時期などを制御する。
可変圧縮比機構2は、クランクシャフト21のクランクピン21aに回転自在に支持されたロアリンク22と、ロアリンク22の一端部のアッパピン23とピストン24のピストンピン24aとを互いに連結するアッパリンク25と、ロアリンク22の他端部のコントロールピン26に一端が連結されたコントロールリンク27と、コントロールリンク27の他端を揺動可能に支持する制御軸(第1制御軸、第1移動体)28と、を主体として構成されている。
制御軸28は、該制御軸28の回動に伴って位置が変化する偏心軸部28aを有し、コントロールリンク27の端部は、偏心軸部28aに回転可能に嵌合している。
係る構造の可変圧縮比機構2においては、制御軸28の回動に伴ってピストン24の上死点位置が上下に変位し、内燃機関1の機械的な圧縮比が変化する。
減速機32の出力軸(第2制御軸、第2移動体)32aは、電動モータ31の出力軸(図示せず)と同軸上に位置している。
つまり、電動モータ31が回転すると、減速機32により減速されて出力軸32aの角度が変化する。減速機32の出力軸32aの回動は、第1アーム33から中間リンク35を介して第2アーム34へ伝達されて制御軸28が回動し、制御軸28の角度が変化することで、ピストン24の上死点位置が上下に変位し、内燃機関1の機械的な圧縮比が変化する。
なお、エンジン制御ユニット9とは別体であって、エンジン制御ユニット9とCANなどを介して通信可能に構成された制御ユニットが、可変圧縮比機構2の電動モータ31を駆動制御する構成とすることができる。
ここで、エンジン制御ユニット9は、可変圧縮比機構2の目標圧縮比として制御軸28(又は出力軸32a)の目標角度位置を演算し、制御軸28(又は出力軸32a)の角度位置を検出する角度センサ36の出力信号から求めた実際の角度位置が目標角度位置に近づくように電動モータ31の操作量を演算し、演算した操作量に基づき電動モータ31への通電を制御する。
つまり、可変圧縮比機構2は、制御軸28(及び出力軸32a)の回転可能な角度領域の両端を規定する2つのストッパ37a,37bを備え、ストッパ37a,37bのうちの一方が当接する制御軸28(及び出力軸32a)の角度位置で圧縮比が最大となり、他方が当接する制御軸28(及び出力軸32a)の角度位置で圧縮比が最小となる。
図2(A)、(B)に示す例では、ストッパ37a,37bのうちの一方のストッパ37aは出力軸32aに設けられ、他方のストッパ37bは制御軸28に設けられる。
図2(A)、(B)に示すストッパ構造では、ストッパ37aの突起部38aは出力軸32aに一体的に設けられ、係合部39aは、突起部38aが図2で時計回りに回動して12時の位置付近で当接するように出力軸32aの近傍に配置されている。
そして、図2(A)は、ストッパ37bの突起部38bが係合部39bに当接した状態であり、係る状態から制御軸28及び出力軸32aが更に反時計回りの方向に回動することはできず、時計回りの方向への回動が許容される。
このように、ストッパ37aが当接する角度位置が制御軸28及び出力軸32aの時計回りの方向への回動制限位置となり、ストッパ37bが当接する角度位置が制御軸28及び出力軸32aの反時計回りの方向への回動制限位置となる。
換言すれば、ストッパ37aが当接する角度位置とストッパ37bが当接する角度位置とで圧縮比の最大圧縮比と最小圧縮比とが規定され、ストッパ37aが当接する角度位置での圧縮比とストッパ37bが当接する角度位置での圧縮比との間が圧縮比可変領域となる。
なお、図2に示した例では制御軸28の可動角度領域の大きさを略180degとしてあるが、可動角度領域の大きさは180degに限定されるものでないことは明らかである。
そこで、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aが当接する角度位置での角度センサ36の出力、及び、ストッパ37bが当接する角度位置での角度センサ36の出力を検出してそれぞれ基準出力値として記憶するストッパ位置学習を行う。つまり、エンジン制御ユニット9は、ストッパ位置学習を行う学習部としての機能をソフトウエア的に備えている。
そして、エンジン制御ユニット9は、角度センサ36の出力及び基準出力値から制御軸28(出力軸32a)の角度を検出し、角度検出値に基づいて可変圧縮比機構2の電動モータ31の操作量を演算して出力する。
図3のフローチャートは、エンジン制御ユニット9によるストッパ位置の学習処理の流れを示す。
エンジン制御ユニット9は、ステップS102で、ストッパ位置学習の初回であるか否かを判定する。
但し、学習の初回にステップS103以降に進む構成に限定されるものではなく、ステップS102の判定処理を省略することができる。また、整備工場などにおいてセンサやアクチュエータなどの調整、交換作業が行われたときに、エンジン制御ユニット9に対し初回学習の指令を出力するための手段を備える構成とすることができる。
ストッパ位置学習の初回である場合、エンジン制御ユニット9は、ステップS103に進み、最初に学習を実施するストッパとして記憶されている一方のストッパが当接する回転方向に制御軸28及び出力軸32aを回動させるように電動モータ31を制御する。
最初に学習を実施するストッパとしては、制御軸28の可動角度領域の両端を規定する2つのストッパ37a,37bのうちのより剛性が高い側(耐衝撃性が高い側)が予め選定されている。
剛性の高い側のストッパ37aは剛性が低い側のストッパ37bよりも耐衝撃性が高く、より速い速度で当接させることが可能で、初期位置(学習開始時の制御軸28の角度位置)からストッパ当接位置までより短時間で制御軸28を回動させることができ、学習時間の短縮を図れる。
たとえば、剛性が相対的に低いストッパ37bの学習を行わせる場合は、剛性が低い分だけ当接時の耐衝撃性がストッパ37aに比べて低く、当接位置に向けて制御軸28を回転させるときの速度(トルク)をストッパ37aの学習を行わせる場合に比べて遅く(小さく)する必要がある。このため、ストッパ当接位置まで回転させるのに要する時間がより長くなり、学習時間が長くなってしまう。
そこで、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37a,37bのうち、より剛性が高く耐衝撃性が高いストッパ37a、換言すれば、より速い回転速度(より高いトルク)での当接が許容され当接状態にするまでの時間を短くできるストッパ37aについて、最初のストッパ位置学習を行う。
このため、エンジン制御ユニット9は、ステップS104で角度センサ36の出力が略一定値を保持するようになったか否かを判定することで、ストッパ37aが当接状態に安定したか否かを検出する。
そして、角度センサ36の出力が変動している場合、エンジン制御ユニット9は、ステップS103に戻って、ストッパ37aを当接させるための駆動制御を継続し、角度センサ36の出力が略一定値を保持するようになると、ステップS105へ進む。
次いで、エンジン制御ユニット9は、ステップS106に進み、制御軸28の回転駆動方向を逆転させ、ストッパ37aの当接位置からストッパ37bの当接位置に向けて制御軸28を回転させるように電動モータ31を制御する。
但し、ストッパ37aの当接位置からの動き出しから、当接の衝撃力が許容範囲内になるようなトルクに制限すると、ストッパ37bの当接位置まで回転させるのに要する時間が長くなってしまう。一方、ストッパ37aの当接位置でのセンサ出力を既に学習してあることで、エンジン制御ユニット9は、角度センサ36の出力がどの程度になったらストッパ37bが当接するようになるかの予測ができる。
つまり、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aの当接位置からの動き出し直後の所定角度域では、ストッパ37bが当接することはないと推定されるので、制御軸28をストッパ37bの当接時における許容最大トルクよりも高いトルク(許容最大速度よりも速い速度)で回転駆動させるようにして学習時間(移動時間)の短縮を図る。
エンジン制御ユニット9は、上記の緩衝制御を実施することによって、ストッパ37aの当接位置からストッパ37bの当接位置にまで回転するのに要する時間(ストッパ37bについての学習時間)の短縮を図りつつ、ストッパ37bが当接時の衝撃力で撓んだり変形したりすることを抑制する。
角度センサ36の出力が略一定値を保持するようになるまでは、エンジン制御ユニット9は、ステップS106に戻って、ストッパ37bを当接させるための電動モータ31の駆動制御を継続する。
上記のようにして、まず、ストッパ37aの当接位置でのセンサ出力値を学習し、次いで、ストッパ37bの当接位置でのセンサ出力値を学習すると、エンジン制御ユニット9は、角度センサ36の出力と制御軸28の角度位置(実圧縮比)との相関を学習値に基づき校正し、角度センサ36の出力に基づく電動モータ31の制御を実施する。
図4のタイムチャートは、電動モータ31の電流指令値の制限値(上限値)CLを変更する緩衝制御の一例を説明するための図である。
なお、エンジン制御ユニット9は、電動モータ31の電流指令値が電流制限値CLを上回るときに電流制限値CLを電流指令値とすることで、電流指令値が電流制限値CLを上回ることがないようにする。
一方、ストッパ37aの当接位置からの制御軸28の回転角度(角度変化量)Δθが所定角度θαに達した時刻t2からストッパ37bについてのストッパ位置学習が完了するまでの第2学習期間(移動後半)では、エンジン制御ユニット9は、電流制限値CLとして図5(B)に示す特性の電流制限値を用いる。
つまり、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aの当接位置でのセンサ出力値(学習値)からの角度センサ36の出力変化量に基づき電流制限値CLの切替えタイミングを検出し、電流制限値CLの切替えを実施する。
換言すれば、初期位置から剛性が比較的高いストッパ37aに当接するようになるまでの間、及び、ストッパ37aの当接位置からの回転角が所定角度になるまでの間は、制御軸28を応答良く移動させるように比較的高いモータトルクを発生させるようにする。一方、ストッパ37aの当接位置からの回転角が所定角度θαに達してからストッパ37bが当接するようになるまでの間でのモータトルクは、ストッパ37bの当接時における衝撃力が許容範囲内になるように移動開始初期よりも低く制限される。
第1学習期間で用いる図5(A)の電流制限値CLは、マイナスの回転速度での制限値がプラスの回転速度での制限値よりも低く設定され、プラスの回転速度での制限値は全回転速度域で一定値CL0を保持し、マイナスの回転速度での制限値は、回転速度が零のときに制限値CL0と同じ値で回転速度の絶対値が増大するに従って低下し所定速度RSL1以上では一定値CL1を保持する特性としてある。
なお、第1学習期間において電流制限を行わないように緩衝制御を設定することができる。
但し、フリクションなどが小さいために、モータ回転時のトルクに比べてモータ起動トルクがそれほど必要ない場合には、ストッパ37aの当接位置からの動き出しにおいても制限値CL1を用いるように、マイナスの回転速度域での制限値を一律にCL1とすることができる。
一方、第2学習期間で用いる図5(B)の電流制限値は、剛性の低いストッパ37bを当接させるときに用いる制限値であるため、プラスの回転速度域及びマイナスの回転速度域との双方で図5(A)の制限値CL1よりも低い値に設定される。
つまり、ストッパ37aの当接位置からストッパ37bの当接位置に近づけるときに、当初(第1学習期間)は電流制限値CLを制限値CL1とすることで高い応答でストッパ37bの当接位置に近づけることができるモータトルクを発生させる。そして、ストッパ37bの当接位置に十分に近づいたと推定される第2学習期間では、電流制限値CLを制限値CL1からより小さい制限値CL2に切替えて、当接時にストッパ37bに加わる衝撃力が許容範囲内となるモータトルクにまで低下させる。
また、図5(B)に点線で示したようにプラス及びマイナスの回転速度で制限値CL2が適用される特性とすること、つまり、第2学習期間での電流制限値を一律に制限値CL2(CL3=CL2)とすることができる。
図6において、時刻t0から時刻t1までの制御軸28の角度位置がストッパ37bの当接位置に達するまでの間、更に、ストッパ37bが当接状態を維持する時刻t1から時刻t2までの間は、当接時の衝撃力が許容範囲内となるモータトルクに制限できる電流制限値CL2により電流指令値が制限され、ストッパ37bが当接するときの衝撃力が十分に緩和される。
そして、時刻t3で、制御軸28の回転方向がストッパ37bの当接位置に近づくマイナス方向に戻ると、電流制限値CLが電流制限値CL2に再び戻され、ストッパ37bが当接するときの衝撃力を抑制する。
時刻t4でストッパ37bが当接し、その後、ストッパ37bが当接状態を保持するようになると、そのときの角度センサ36の出力値が、ストッパ37bの当接状態でのセンサ出力として学習される。
図7に示す第2学習期間用の電流制限値は、ストッパ37bに向かう方向であるマイナスの回転方向での電流制限値のうち、回転速度が0から所定回転速度RSL2までの間で、電流制限値CL2よりも更に低い電流制限値CL4(CL4<CL2<CL3<CL1)に設定され、所定回転速度RSL2から所定回転速度RSL3までの間では回転速度の増大に応じて徐々に電流制限値CLを電流制限値CL4から電流制限値CL2にまで増大させ、所定回転速度RSL3以上で電流制限値CL2を保持する特性に設定される。
また、図7の特性において、プラス側の回転速度域では、図5(B)と同様に電流制限値CL3(CL2<CL3<CL1)が適用される。
また、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aの当接状態からストッパ37bの当接位置に向けて制御軸28を回転させるときに、ストッパ37aの当接状態からの角度変化量(移動量)の増大に応じた電流制限値(回転速度−電流制限値テーブル)の切替えを2回以上実施することができる。
図8に示したストッパ37aの当接状態から角度変化量Δθが第1角度θ1に達するまでの第1学習期間(マイナス方向への起動期間)では、図9(A)に示す特性の電流制限値CLを適用する。
尚、第1学習期間におけるプラス方向の回転速度域では、電流制限値CLによる制限を行わない設定とすることができる。
第2学習期間は、ストッパ37aの位置とストッパ37bの位置との間隔角度のばらつきを考慮し、ストッパ37bの当接が発生しないと推定される角度域になるように第2角度θ2が設定され、係る第2学習期間では、ストッパ37bに近づく方向に制御軸28を速やかに回転させることで学習時間の短縮を図れる。
また、第2学習期間でのプラス方向の電流制限値CL13は、ストッパ37bが当接して跳ね返ったときにストッパ37bに向けて再加速することを抑制できるように適合され、CL12<CL13<CL10に設定される。
但し、第2学習期間は、前述のようにストッパ37a,37bの位置ばらつきがあってもストッパ37bの当接が発生しないと推定される角度域であるから、電流制限値CL12をマイナス回転方向とプラス回転方向との双方で用いる設定とすることができる。
第3学習期間は、ストッパ37bを当接させる期間であるため、マイナス方向の回転速度域では、図7に示した電流制限値CL4と同等の電流制限値CL14(CL14≦CL12)を適用し、プラス方向の回転速度域では、第2学習期間でのプラス方向の電流制限値CL13と同等の値を適用する。
なお、電流制限値CLを制御軸28の回転速度毎に割り付けることを省略し、回転方向及び角度変化量Δθに応じて電流制限値CLを切替える構成とすることができ、更に、回転速度及び回転方向に応じた電流制限値CLの割り付けを省略し、角度変化量Δθの増大に応じて電流制限値CLをより小さい値に切替える構成とすることができる。
ここで、角度変化量Δθは、前述したように、ストッパ37aの当接位置からの制御軸28の回転角度である。
更に、角度変化量Δθがストッパ37bの当接が発生し得る角度域になったとき、つまり、図4の第2学習期間若しくは図8の第3学習期間である移動後半において、角度変化量Δθの増大に応じて設定される電流制限値CLを初期値とし、その後に単位角度だけ角度変化量が増す毎(或いは所定単位時間の経過毎)に電流制限値CLをより小さい値に設定することができる。
そこで、エンジン制御ユニット9は、図4の第2学習期間若しくは図8の第3学習期間において、電流制限と共にモータ印加電圧を上限値以下に制限する電圧制限処理を行うことができる。
図10において、剛性が相対的に高いストッパ37aに近づく方向であるプラスの回転速度域においては、前述の電流制限値CL3、CL13の電流値に相当する印加電圧を電圧制限値(印加電圧上限値)VL0とする。一方、剛性が相対的に低いストッパ37bに近づく方向であるマイナスの回転速度域においては、当接時の最大許容電流値(許容最大トルク)となる電圧を電圧制限値VL1(VL1<VL0)とする。
なお、剛性が低いストッパ37bに当接させるときに、モータ電流の制限値を変更することなく、角度変化量が所定値になったタイミングでモータ印加電圧をより小さく制限する(電圧制限値VLをより小さい値に変更する)構成とすることができる。
例えば、剛性が相互に異なる2つのストッパは、2つ異なる回転体(制御軸28、減速機32の出力軸32a)にそれぞれ設けられたストッパに限定されず、1つの回転体に2つの剛性が異なるストッパが配設される駆動機構に本願発明を適用することができる。
係る構成により、出力軸32aの角度可変領域は、ストッパ37aが当接する角度位置とストッパ37bが当接する角度位置との間の角度領域となる。
図12に示すストッパ構造の場合、ストッパ37aの剛性はストッパ37bの剛性よりも高いので、エンジン制御ユニット9は、ストッパ位置学習を行うときに、まず、ストッパ37a(第1係合部40aと突起部38aと)を当接させてストッパ37aの当接位置での角度センサ36の出力を学習する。
また、図12に示した例では、出力軸32aに2つのストッパ37a,37bを設けたが、制御軸28に2つのストッパ37a,37bを設けることができる。
更に、駆動機構を構成する移動体は、中心軸周りに回転する軸に限定されず、例えば、ラックアンドピニオンのラックを移動体とし、このラックの前後方向の直線運動をストッパで制限する構造の駆動機構において、本願発明を適用することができる。
Claims (2)
- 移動可能に支持される移動体と、前記移動体の移動可能領域の両端を規定する2つのストッパと、前記移動体を移動方向に駆動するアクチュエータと、前記移動体の位置を検出するセンサと、を含む車両用駆動機構を制御する制御装置であって、
前記2つのストッパそれぞれの当接状態における前記センサの出力を学習する学習部であって、前記2つのストッパのうちの剛性が高い側のストッパについての学習を、剛性が低い側のストッパについての学習に先行して実施する前記学習部を備え、
前記学習部は、前記剛性が低い側のストッパを当接させるときに、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量の増大に応じて前記アクチュエータの操作量の上限値をより小さい値に切り替える上限値設定部を含み、
前記上限値設定部は、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量が前記2つのストッパの間隔のばらつき下限に達する前に前記上限値を最も小さい値に切り替える、
車両用駆動機構の制御装置。 - 移動可能に支持される移動体と、前記移動体の移動可能領域の両端を規定する2つのストッパと、前記移動体を移動方向に駆動するアクチュエータと、前記移動体の位置を検出するセンサと、を含む車両用駆動機構を制御する制御方法であって、
前記2つのストッパのうちの剛性が高い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるステップと、
前記剛性が高い側のストッパの当接状態で前記センサの出力を学習するステップと、
前記剛性が高い側のストッパの当接状態から前記剛性が低い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるステップと、
前記剛性が高い側のストッパの当接状態から前記剛性が低い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるときに、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量の増大に応じて前記アクチュエータの操作量の上限値をより小さい値に切り替えるステップと、
前記剛性が低い側のストッパの当接状態で前記センサの出力を学習するステップと、
前記センサの出力の学習値に基づいて前記アクチュエータを制御するステップと、
を含み、
前記上限値を切り替えるステップは、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量が前記2つのストッパの間隔のばらつき下限に達する前に前記上限値を最も小さい値に切り替える、
車両用駆動機構の制御方法。
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