JP6492153B2 - 車両用駆動機構の制御装置及び制御方法 - Google Patents

車両用駆動機構の制御装置及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両用駆動機構の制御装置及び制御方法に関し、詳しくは、移動可能領域の両端が2つのストッパで規定される移動体の位置を検出する技術に関する。
特許文献1には、アクチュエータによって制御軸の回転位置を変更することで、内燃機関のピストンの上死点位置と下死点位置の少なくとも一方を変化させて、機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構が開示されている。
特許文献2には、電動パワーステアリング装置の制御装置において、ラックエンドに近づいたことを判定するラックエンド判定部或いは操舵限界を判定する操舵限界判定部を具備し、ラックエンドに近づいたとき或いは操舵限界に達したときに電流指令値を制限し、制限した電流指令値が零となるタイミングでモータに電磁ブレーキをかけることが開示されている。
特開2012−251446号公報 特開2007−045394号公報
例えば可変圧縮比機構のように、制御軸の角度に応じて制御量を可変とする車両用駆動機構であって、制御軸の回転がストッパで制限される車両用駆動機構では、制御軸の角度を検出するセンサがストッパの当接位置で出力する信号を学習し、学習したセンサ出力に基づいて制御軸の角度制御が行われる場合がある。
上記の学習処理においては、ストッパを当接させるときの制御軸の回転速度を速くすれば、学習に要する時間を短縮することができるが、制御軸の回転速度が速い状態でストッパが当接すると、ストッパに加わる衝撃力が大きくなる。
このため、ストッパの剛性が低い場合、学習時間を短くするために回転速度を速くするとストッパの当接時にストッパの破損が発生する可能性があり、ストッパの破損を防ぐために回転速度を遅くすると学習時間が長くなってしまうという問題があった。
ここで、ストッパが当接する直前までは制御軸を速く回転させ、その後モータトルクを小さくしてストッパを当接させるようにすれば、学習時間の短縮と衝撃力の緩和とを図ることが可能である。
しかし、学習処理の初回、つまり、センサの組み付け直後などであってストッパの当接状態でのセンサ出力の学習を全く経験していない状態では、組み付け不良などによってストッパが当接する位置のばらつきが大きい。
このため、トルク制限を開始する前にストッパが当接してしまうことを回避するには、モータトルクをより小さく変更するタイミングを早める必要が生じ、学習時間を可及的に短縮することができないという問題が生じる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、ストッパの当接状態でのセンサ出力の学習を、初回学習時であっても当接の衝撃力を許容範囲内としつつ可及的に短い時間で実施できる、車両用駆動機構の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
そのため、本願発明に係る制御装置は、移動可能に支持される移動体と、前記移動体の移動可能領域の両端を規定する2つのストッパと、前記移動体を移動方向に駆動するアクチュエータと、前記移動体の位置を検出するセンサと、を含む車両用駆動機構を制御する制御装置であって、前記2つのストッパそれぞれの当接状態における前記センサの出力を学習する学習部であって、前記2つのストッパのうちの剛性が高い側のストッパについての学習を、剛性が低い側のストッパについての学習に先行して実施する前記学習部を備え、前記学習部は、前記剛性が低い側のストッパを当接させるときに、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量の増大に応じて前記アクチュエータの操作量の上限値をより小さい値に切り替える上限値設定部を含み、前記上限値設定部は、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量が前記2つのストッパの間隔のばらつき下限に達する前に前記上限値を最も小さい値に切り替える。
また、本願発明に係る制御方法は、移動可能に支持される移動体と、前記移動体の移動可能領域の両端を規定する2つのストッパと、前記移動体を移動方向に駆動するアクチュエータと、前記移動体の位置を検出するセンサと、を含む車両用駆動機構を制御する制御方法であって、前記2つのストッパのうちの剛性が高い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるステップと、前記剛性が高い側のストッパの当接状態で前記センサの出力を学習するステップと、前記剛性が高い側のストッパの当接状態から前記剛性が低い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるステップと、前記剛性が高い側のストッパの当接状態から前記剛性が低い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるときに、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量の増大に応じて前記アクチュエータの操作量の上限値をより小さい値に切り替えるステップと、前記剛性が低い側のストッパの当接状態で前記センサの出力を学習するステップと、前記センサの出力の学習値に基づいて前記アクチュエータを制御するステップとを含み、前記上限値を切り替えるステップは、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量が前記2つのストッパの間隔のばらつき下限に達する前に前記上限値を最も小さい値に切り替える。
上記発明によると、剛性が高い側のストッパについて学習させるときには、剛性が低い側のストッパについて学習させる場合に比べて、移動体をストッパ当接位置に向けて速く移動させることができ、また、剛性が高い側のストッパについて学習を行った後は、センサ出力と移動体の位置との相関が大略既知となるから、剛性が低い側のストッパを許容範囲内の衝撃力でかつ可及的に短い時間で当接させるようにアクチュエータを制御することが可能となる。
このため、ストッパの当接状態でのセンサ出力の学習を、初回学習時であっても当接の衝撃力を許容範囲内としつつ可及的に短い時間で実施できるようになる。
本発明の実施形態における可変圧縮比機構を備えた車両用内燃機関のシステム図である。 本発明の実施形態における可変圧縮比機構のストッパ構造を示す図である。 本発明の実施形態におけるストッパ位置学習の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるストッパ位置学習状態での角度変化及び学習期間(制限値の切替えタイミング)の一例を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における第1及び第2学習期間で適用する電流制限値を例示する図である。 本発明の実施形態におけるストッパ位置学習状態での角度、回転数、モータ電流の変化を例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態における第2学習期間で適用する電流制限値を例示する図である。 本発明の実施形態におけるストッパ位置学習状態での角度変化及び学習期間(制限値の切替えタイミング)の一例を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における第1−第3学習期間で適用する電流制限値を例示する図である。 本発明の実施形態における第3学習期間で適用する電圧制限値を例示する図である。 本発明の実施形態におけるストッパ位置学習状態で電流制限を行った場合及び電圧制限を行った場合の角度、電流の変化を例示するタイムチャートである。 本発明の実施形態における可変圧縮比機構のストッパ構造を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る制御装置及び制御方法を適用する車両用駆動機構の一例としての可変圧縮比機構を備えた車両用内燃機関1のシステム構成を示す。
図1の内燃機関1は、複リンク式ピストンクランク機構を利用した可変圧縮比機構2を備えた4サイクルの火花点火機関である。
内燃機関1の燃焼室3の天井壁面には、一対の吸気弁4および一対の排気弁5が配置されているとともに、これらの吸気弁4および排気弁5に囲まれた中央部に点火プラグ6が配置されている。
吸気弁4は吸気ポート7を開閉し、排気弁5は排気ポート11を開閉する。
吸気ポート7の下方には、燃焼室3内に燃料を直接に噴射する筒内噴射用燃料噴射弁8が配置されている。また、吸気ポート7には、吸気ポート7内へ向けて燃料を噴射するポート噴射用燃料噴射弁41が配置されている。
これらの筒内噴射用燃料噴射弁8およびポート噴射用燃料噴射弁41は、いずれも駆動パルス信号が印加されることによって開弁する電磁式ないし圧電式の噴射弁であって、駆動パルス信号のパルス幅に実質的に比例した量の燃料を噴射する。
なお、内燃機関1は、ポート噴射用燃料噴射弁41と筒内噴射用燃料噴射弁8とのいずれか一方を備えることができる。
マイクロコンピュータを備えて構成されるエンジン制御ユニット9には、内燃機関1の吸入空気流量を検出するエアフローセンサ10、内燃機関1の排気中の酸素濃度に基づき混合気の空燃比を検出する空燃比センサ14、クランクシャフト21の回転角を検出するクランク角センサ15、内燃機関1の冷却水の温度を検出する水温センサ16、運転者により操作されるアクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ17、などの各種センサの検出信号が入力される。
そして、エンジン制御ユニット9は、入力した検出信号に基づき、燃料噴射弁8,41による燃料噴射量および噴射時期、点火プラグ6による点火時期などを制御する。
一方、車両用駆動機構の一例としての可変圧縮比機構2は、公知の複リンク式ピストンクランク機構を利用したものである。
可変圧縮比機構2は、クランクシャフト21のクランクピン21aに回転自在に支持されたロアリンク22と、ロアリンク22の一端部のアッパピン23とピストン24のピストンピン24aとを互いに連結するアッパリンク25と、ロアリンク22の他端部のコントロールピン26に一端が連結されたコントロールリンク27と、コントロールリンク27の他端を揺動可能に支持する制御軸(第1制御軸、第1移動体)28と、を主体として構成されている。
クランクシャフト21および制御軸28は、シリンダブロック29下部のクランクケース内で図示を省略した軸受構造により回転自在に支持されている。
制御軸28は、該制御軸28の回動に伴って位置が変化する偏心軸部28aを有し、コントロールリンク27の端部は、偏心軸部28aに回転可能に嵌合している。
係る構造の可変圧縮比機構2においては、制御軸28の回動に伴ってピストン24の上死点位置が上下に変位し、内燃機関1の機械的な圧縮比が変化する。
また、制御軸28を回転方向に駆動する駆動装置として、クランクシャフト21と平行な回転中心軸を有する電動モータ(アクチュエータ)31がシリンダブロック29下部に配置され、電動モータ31と軸方向に直列に並ぶように減速機32が接続されている。
減速機32の出力軸(第2制御軸、第2移動体)32aは、電動モータ31の出力軸(図示せず)と同軸上に位置している。
従って、出力軸32aと制御軸28とは互いに平行に位置しており、両者が連動して回動するように、出力軸32aに固定された第1アーム33と制御軸28に固定された第2アーム34とが中間リンク35によって互いに連結されている。
つまり、電動モータ31が回転すると、減速機32により減速されて出力軸32aの角度が変化する。減速機32の出力軸32aの回動は、第1アーム33から中間リンク35を介して第2アーム34へ伝達されて制御軸28が回動し、制御軸28の角度が変化することで、ピストン24の上死点位置が上下に変位し、内燃機関1の機械的な圧縮比が変化する。
なお、図1に例示した複リンク式ピストンクランク機構では、第1アーム33および第2アーム34が互いに同方向に延びており、例えば減速機32の出力軸32aが時計回り方向に回動すると制御軸28も時計回り方向に回動する構成となっているが、出力軸32aと制御軸28とが相互に逆方向に回動するようにリンク機構を構成することも可能である。
エンジン制御ユニット9は、可変圧縮比機構2の目標圧縮比を機関運転条件(例えば、機関負荷と機関回転速度)に基づいて演算し、目標圧縮比と実圧縮比とに基づき電動モータ31を駆動制御する。
なお、エンジン制御ユニット9とは別体であって、エンジン制御ユニット9とCANなどを介して通信可能に構成された制御ユニットが、可変圧縮比機構2の電動モータ31を駆動制御する構成とすることができる。
ここで、エンジン制御ユニット9は、可変圧縮比機構2の目標圧縮比として制御軸28(又は出力軸32a)の目標角度位置を演算し、制御軸28(又は出力軸32a)の角度位置を検出する角度センサ36の出力信号から求めた実際の角度位置が目標角度位置に近づくように電動モータ31の操作量を演算し、演算した操作量に基づき電動モータ31への通電を制御する。
また、制御軸28(及び出力軸32a)は、圧縮比の調整範囲に対応する所定の角度領域を超えて回動することがないようにストッパによって可動角度域(移動可能領域)が機械的に制限される。
つまり、可変圧縮比機構2は、制御軸28(及び出力軸32a)の回転可能な角度領域の両端を規定する2つのストッパ37a,37bを備え、ストッパ37a,37bのうちの一方が当接する制御軸28(及び出力軸32a)の角度位置で圧縮比が最大となり、他方が当接する制御軸28(及び出力軸32a)の角度位置で圧縮比が最小となる。
ストッパ37a,37bは、例えば、制御軸28及び/又は出力軸32aの外周に突出する突起部(可動部)38a,38bと、シリンダブロック29などに設けられ突起部38a,38bの移動空間に配置される係合部(固定部)39a,39bとから構成され、突起部38a,38bが軸回りに回動することで係合部39a,39bに対して離接し、突起部38a,38bが係合部39a,39bに突き当たることで制御軸28(及び出力軸32a)の回動(移動)が制限される。
図2(A)、(B)は、ストッパ37a,37bの構造の一例を示す。
図2(A)、(B)に示す例では、ストッパ37a,37bのうちの一方のストッパ37aは出力軸32aに設けられ、他方のストッパ37bは制御軸28に設けられる。
図2(A)、(B)に示すストッパ構造では、ストッパ37aの突起部38aは出力軸32aに一体的に設けられ、係合部39aは、突起部38aが図2で時計回りに回動して12時の位置付近で当接するように出力軸32aの近傍に配置されている。
また、ストッパ37bの突起部38bは制御軸28に一体的に設けられ、係合部39bは、突起部38bが図2で反時計回りに回動して6時の位置付近で当接するように制御軸28の近傍に配置されている。
そして、図2(A)は、ストッパ37bの突起部38bが係合部39bに当接した状態であり、係る状態から制御軸28及び出力軸32aが更に反時計回りの方向に回動することはできず、時計回りの方向への回動が許容される。
図2(A)の状態から制御軸28及び出力軸32aが時計回りの方向に回動して、回動角が180deg程度に達すると、ストッパ37aの突起部38aが係合部39aに当接する図2(B)の状態になり、制御軸28及び出力軸32aが更に時計回りの方向に回動することができなくなる。
このように、ストッパ37aが当接する角度位置が制御軸28及び出力軸32aの時計回りの方向への回動制限位置となり、ストッパ37bが当接する角度位置が制御軸28及び出力軸32aの反時計回りの方向への回動制限位置となる。
そして、ストッパ37aが当接する角度位置とストッパ37bが当接する角度位置との間の略180degの角度領域が、制御軸28及び出力軸32aの回転可能な角度領域となる。
換言すれば、ストッパ37aが当接する角度位置とストッパ37bが当接する角度位置とで圧縮比の最大圧縮比と最小圧縮比とが規定され、ストッパ37aが当接する角度位置での圧縮比とストッパ37bが当接する角度位置での圧縮比との間が圧縮比可変領域となる。
なお、図2に示した例では制御軸28の可動角度領域の大きさを略180degとしてあるが、可動角度領域の大きさは180degに限定されるものでないことは明らかである。
ところで、角度センサ36の取り付け位置のばらつきや角度センサ36の出力特性のばらつきなどによって、制御軸28及び出力軸32aが可動角度領域内のどの角度に位置しているかの検出精度が低下し、引いては、圧縮比の制御精度が低下する。
そこで、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aが当接する角度位置での角度センサ36の出力、及び、ストッパ37bが当接する角度位置での角度センサ36の出力を検出してそれぞれ基準出力値として記憶するストッパ位置学習を行う。つまり、エンジン制御ユニット9は、ストッパ位置学習を行う学習部としての機能をソフトウエア的に備えている。
そして、エンジン制御ユニット9は、角度センサ36の出力及び基準出力値から制御軸28(出力軸32a)の角度を検出し、角度検出値に基づいて可変圧縮比機構2の電動モータ31の操作量を演算して出力する。
以下では、エンジン制御ユニット9が実施するストッパ位置学習の処理内容を詳細に説明する。
図3のフローチャートは、エンジン制御ユニット9によるストッパ位置の学習処理の流れを示す。
エンジン制御ユニット9は、ステップS101で、内燃機関1の運転状態などが学習実施条件を満たしているか否かを判定し、学習実施条件を満たしていればステップS102に進む。ここで、例えば、内燃機関1の暖機完了後であって、内燃機関1が所定運転領域で定常運転されていることなどを学習実施条件とすることができる。
エンジン制御ユニット9は、ステップS102で、ストッパ位置学習の初回であるか否かを判定する。
ストッパ位置学習の初回とは、角度センサ36を組み付けた後にストッパ37a,37bの双方についてストッパ位置学習の実施履歴がなく、基準出力値が不定の状態であり、例えば、車両の組み立て工場における検査調整工程での学習や整備工場で角度センサ36の交換を行った直後などが該当する。
但し、学習の初回にステップS103以降に進む構成に限定されるものではなく、ステップS102の判定処理を省略することができる。また、整備工場などにおいてセンサやアクチュエータなどの調整、交換作業が行われたときに、エンジン制御ユニット9に対し初回学習の指令を出力するための手段を備える構成とすることができる。
ストッパ位置学習の初回である場合、エンジン制御ユニット9は、ステップS103に進み、最初に学習を実施するストッパとして記憶されている一方のストッパが当接する回転方向に制御軸28及び出力軸32aを回動させるように電動モータ31を制御する。
ここで、エンジン制御ユニット9は、例えば、学習対象のストッパで回転が制限される角度位置を超える角度位置を目標角度位置として設定して、角度センサ36の出力と目標角度位置とから電動モータ31を制御したり、電動モータ31の回転速度を学習用の目標回転速度に制御したりして、学習対象のストッパが当接する回転方向に電動モータ31を駆動する。
最初に学習を実施するストッパとしては、制御軸28の可動角度領域の両端を規定する2つのストッパ37a,37bのうちのより剛性が高い側(耐衝撃性が高い側)が予め選定されている。
例えば、図2に示したストッパ構造では、各ストッパ37a,37bを構成する突起部38a,38b及び係合部39a,39bが同等の剛性を有していても、ストッパ37bは、ストッパ37aに比べて電動モータ31から離れていて、電動モータ31からストッパ37bまでの部品は電動モータ31からストッパ37aまでの部品よりも多いため、ストッパ37bの剛性はストッパ37aの剛性よりも低くなる。
このため、図2に示したストッパ構造を採用する場合には、最初に学習を実施するストッパとして、剛性が相対的に高いストッパ37aが選定される。
剛性の高い側のストッパ37aは剛性が低い側のストッパ37bよりも耐衝撃性が高く、より速い速度で当接させることが可能で、初期位置(学習開始時の制御軸28の角度位置)からストッパ当接位置までより短時間で制御軸28を回動させることができ、学習時間の短縮を図れる。
つまり、エンジン制御ユニット9は、ステップS103において、相対的に高い剛性を有するストッパ37aが耐え得る衝撃力が発生する可及的に速い速度で、制御軸28を回動させるように電動モータ31を制御する。
たとえば、剛性が相対的に低いストッパ37bの学習を行わせる場合は、剛性が低い分だけ当接時の耐衝撃性がストッパ37aに比べて低く、当接位置に向けて制御軸28を回転させるときの速度(トルク)をストッパ37aの学習を行わせる場合に比べて遅く(小さく)する必要がある。このため、ストッパ当接位置まで回転させるのに要する時間がより長くなり、学習時間が長くなってしまう。
更に、いずれのストッパ37a,37bについてもストッパ位置学習を行っていない状態では、ストッパが当接する位置のばらつき範囲が広く、当接直前でモータトルクを弱めるなどの衝撃緩和のための制御を的確に行うことが難しいため、剛性が低いストッパ37bの学習を、当接の衝撃力を十分に抑制しつつ短時間で実施することは難しい。
そこで、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37a,37bのうち、より剛性が高く耐衝撃性が高いストッパ37a、換言すれば、より速い回転速度(より高いトルク)での当接が許容され当接状態にするまでの時間を短くできるストッパ37aについて、最初のストッパ位置学習を行う。
ストッパ37aが当接する回転方向に制御軸28を回転駆動して突起部38aが係合部39aに突き当たると、その位置で制御軸28の回転が停止し、角度センサ36の出力が略一定値に保持されるようになる。
このため、エンジン制御ユニット9は、ステップS104で角度センサ36の出力が略一定値を保持するようになったか否かを判定することで、ストッパ37aが当接状態に安定したか否かを検出する。
具体的には、エンジン制御ユニット9は、角度センサ36の出力が前回値と略同等である状態が所定時間以上継続しているときに、角度センサ36の出力が安定状態になったと判定する。
そして、角度センサ36の出力が変動している場合、エンジン制御ユニット9は、ステップS103に戻って、ストッパ37aを当接させるための駆動制御を継続し、角度センサ36の出力が略一定値を保持するようになると、ステップS105へ進む。
エンジン制御ユニット9は、ステップS105において、そのときの角度センサ36の出力値を、ストッパ37aの当接位置(圧縮比の上限値又は下限値)でのセンサ出力として記憶する。
次いで、エンジン制御ユニット9は、ステップS106に進み、制御軸28の回転駆動方向を逆転させ、ストッパ37aの当接位置からストッパ37bの当接位置に向けて制御軸28を回転させるように電動モータ31を制御する。
ここで、ストッパ37bは、ストッパ37aに比べて剛性の低いストッパであるため、ストッパ37aを当接させたときと同等のトルクで当接させると、当接時の衝撃力で部品の撓みや変形などが生じる可能性がある。このため、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37bが当接するときの衝撃力を、ストッパ37aを当接させるときに比べて弱める緩衝制御を実施する。
但し、ストッパ37aの当接位置からの動き出しから、当接の衝撃力が許容範囲内になるようなトルクに制限すると、ストッパ37bの当接位置まで回転させるのに要する時間が長くなってしまう。一方、ストッパ37aの当接位置でのセンサ出力を既に学習してあることで、エンジン制御ユニット9は、角度センサ36の出力がどの程度になったらストッパ37bが当接するようになるかの予測ができる。
そこで、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aの当接位置からの回転角の変化(角度センサ36の出力値の変化)に基づいて検出される角度変化の途中のタイミングで電動モータ31の操作量をより小さく制限し、ストッパ37bの当接位置まで応答良く移動させつつ、ストッパ37bが当接するときの衝撃力を弱める緩衝制御を実施する。
つまり、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aの当接位置からの動き出し直後の所定角度域では、ストッパ37bが当接することはないと推定されるので、制御軸28をストッパ37bの当接時における許容最大トルクよりも高いトルク(許容最大速度よりも速い速度)で回転駆動させるようにして学習時間(移動時間)の短縮を図る。
更に、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37bが当接する可能性がある角度域に達したことをストッパ37aの当接位置からの回転角の変化に基づいて検出し、ストッパ37bの当接時における許容最大トルク以下のモータトルク(許容最大速度以下の回転速度)になるように、電動モータ31の操作量をそれまでよりも小さく制限する。
エンジン制御ユニット9は、上記の緩衝制御を実施することによって、ストッパ37aの当接位置からストッパ37bの当接位置にまで回転するのに要する時間(ストッパ37bについての学習時間)の短縮を図りつつ、ストッパ37bが当接時の衝撃力で撓んだり変形したりすることを抑制する。
エンジン制御ユニット9は、ストッパ37bの当接位置に向けて制御軸28を回転駆動している状態で、ステップS107へ進み、角度センサ36の出力が略一定値を保持するようになったか否かを判定することで、ストッパ37bが当接状態に安定したか否かを、ステップS104と同様に検出する。
角度センサ36の出力が略一定値を保持するようになるまでは、エンジン制御ユニット9は、ステップS106に戻って、ストッパ37bを当接させるための電動モータ31の駆動制御を継続する。
そして、ストッパ37bが当接状態に安定し、角度センサ36の出力が略一定値を保持するようになると、エンジン制御ユニット9は、ステップS108へ進み、そのときの角度センサ36の出力値を、ストッパ37bの当接位置でのセンサ出力として記憶する。
上記のようにして、まず、ストッパ37aの当接位置でのセンサ出力値を学習し、次いで、ストッパ37bの当接位置でのセンサ出力値を学習すると、エンジン制御ユニット9は、角度センサ36の出力と制御軸28の角度位置(実圧縮比)との相関を学習値に基づき校正し、角度センサ36の出力に基づく電動モータ31の制御を実施する。
以下では、上記ステップS106における緩衝制御をより詳細に説明する。
図4のタイムチャートは、電動モータ31の電流指令値の制限値(上限値)CLを変更する緩衝制御の一例を説明するための図である。
なお、エンジン制御ユニット9は、電動モータ31の電流指令値が電流制限値CLを上回るときに電流制限値CLを電流指令値とすることで、電流指令値が電流制限値CLを上回ることがないようにする。
図4に示すように、エンジン制御ユニット9は、時刻t0の学習開始時点から時刻t1のストッパ37aの当接安定状態を経て、ストッパ37aの当接位置からの制御軸28の回転角度が所定角度θαに達する時刻t2になるまでの第1学習期間(移動前半)では、電流制限値CLとして図5(A)に示す特性の電流制限値CLを用いる。
一方、ストッパ37aの当接位置からの制御軸28の回転角度(角度変化量)Δθが所定角度θαに達した時刻t2からストッパ37bについてのストッパ位置学習が完了するまでの第2学習期間(移動後半)では、エンジン制御ユニット9は、電流制限値CLとして図5(B)に示す特性の電流制限値を用いる。
なお、エンジン制御ユニット9は、回転角度Δθを、ストッパ37aの当接位置でのセンサ出力値からの角度センサ36の出力変化量に基づき検出する。
つまり、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aの当接位置でのセンサ出力値(学習値)からの角度センサ36の出力変化量に基づき電流制限値CLの切替えタイミングを検出し、電流制限値CLの切替えを実施する。
ここで、図5(B)に示す電流制限値CLは、図5(A)に示す電流制限値CLよりも低く、これにより、第1学習期間でのモータトルクよりも第2学習期間でのモータトルクが小さく制限されるようにしてある。
換言すれば、初期位置から剛性が比較的高いストッパ37aに当接するようになるまでの間、及び、ストッパ37aの当接位置からの回転角が所定角度になるまでの間は、制御軸28を応答良く移動させるように比較的高いモータトルクを発生させるようにする。一方、ストッパ37aの当接位置からの回転角が所定角度θαに達してからストッパ37bが当接するようになるまでの間でのモータトルクは、ストッパ37bの当接時における衝撃力が許容範囲内になるように移動開始初期よりも低く制限される。
電流制限値CLは、電動モータ31の回転速度及び回転方向に応じて割り付けられており、本願では、ストッパ37aの当接位置に近づく回転方向をプラスの回転速度で表し、ストッパ37bの当接位置に近づく回転方向をマイナスの回転速度で表すものとする。
第1学習期間で用いる図5(A)の電流制限値CLは、マイナスの回転速度での制限値がプラスの回転速度での制限値よりも低く設定され、プラスの回転速度での制限値は全回転速度域で一定値CL0を保持し、マイナスの回転速度での制限値は、回転速度が零のときに制限値CL0と同じ値で回転速度の絶対値が増大するに従って低下し所定速度RSL1以上では一定値CL1を保持する特性としてある。
なお、第1学習期間において電流制限を行わないように緩衝制御を設定することができる。
図5(A)におけるマイナスの回転速度での制限値は、ストッパ37aの当接位置からストッパ37bの当接位置に近づけるときに用いる電流制限値であるが、ストッパ37aの当接位置からの動き出しにおいては大きな起動電流を確保するために制限値CL1よりも大きな制限値CLを用い、その後のストッパ37bの当接位置の直前までは、所期の回転速度を保持できる電流制限値CL1にまで低下させる特性としてある。
但し、フリクションなどが小さいために、モータ回転時のトルクに比べてモータ起動トルクがそれほど必要ない場合には、ストッパ37aの当接位置からの動き出しにおいても制限値CL1を用いるように、マイナスの回転速度域での制限値を一律にCL1とすることができる。
また、図5(A)におけるプラスの回転速度での制限値CL0は、ストッパ37aを当接させるときに用いる電流制限値であり、ストッパ37aは比較的高い剛性を有していて耐衝撃性が高いから、電流制限値CL1よりも高い制限値CL0として、より大きなトルクでの制御軸28の駆動を許容する。
一方、第2学習期間で用いる図5(B)の電流制限値は、剛性の低いストッパ37bを当接させるときに用いる制限値であるため、プラスの回転速度域及びマイナスの回転速度域との双方で図5(A)の制限値CL1よりも低い値に設定される。
図5(B)におけるマイナスの回転速度での制限値CL2は、剛性の低いストッパ37bを当接させるときに適用されることになるため、制限値CL1よりも小さく、ストッパ37bを当接させるときの許容最大トルク以下に制御できる値に設定される。
つまり、ストッパ37aの当接位置からストッパ37bの当接位置に近づけるときに、当初(第1学習期間)は電流制限値CLを制限値CL1とすることで高い応答でストッパ37bの当接位置に近づけることができるモータトルクを発生させる。そして、ストッパ37bの当接位置に十分に近づいたと推定される第2学習期間では、電流制限値CLを制限値CL1からより小さい制限値CL2に切替えて、当接時にストッパ37bに加わる衝撃力が許容範囲内となるモータトルクにまで低下させる。
また、図5(B)におけるプラスの回転速度での制限値CL3は、ストッパ37bが当接した衝撃で跳ね返り(ストッパ37bの当接位置から離れストッパ37aの当接位置に向かう回転変化)が発生したときに適用されることになるため、跳ね返りから復帰するモータトルクが得られるように、電流制限値CL3は制限値CL1と制限値CL2との中間値に設定される(CL2<CL3<CL1)。なお、図5(B)に点線で示したように回転速度が零からプラス方向に増加するに従って制限値CLがCL2から徐々に増大し、制限値CL3に達した後制限値CL3を保持する特性とすることができる。
また、図5(B)に点線で示したようにプラス及びマイナスの回転速度で制限値CL2が適用される特性とすること、つまり、第2学習期間での電流制限値を一律に制限値CL2(CL3=CL2)とすることができる。
図6のタイムチャートは、第2学習期間で図5(B)の電流制限値CLを適用したときの制御軸28の角度、制御軸28の回転速度(回転数rpm)、モータ電流、モータ電流制限値CLの変化を例示する。
図6において、時刻t0から時刻t1までの制御軸28の角度位置がストッパ37bの当接位置に達するまでの間、更に、ストッパ37bが当接状態を維持する時刻t1から時刻t2までの間は、当接時の衝撃力が許容範囲内となるモータトルクに制限できる電流制限値CL2により電流指令値が制限され、ストッパ37bが当接するときの衝撃力が十分に緩和される。
ストッパ37bが突き当たったことによる跳ね返りによって時刻t2からストッパ37aの当接位置に近づくプラス方向の回転が生じると、電流制限値CLが電流制限値CL2からより大きな電流制限値CL3に切替えられ、ストッパ37bに近づくマイナス方向に回転方向を転じさせるモータトルクを発生させる。
そして、時刻t3で、制御軸28の回転方向がストッパ37bの当接位置に近づくマイナス方向に戻ると、電流制限値CLが電流制限値CL2に再び戻され、ストッパ37bが当接するときの衝撃力を抑制する。
時刻t4でストッパ37bが当接し、その後、ストッパ37bが当接状態を保持するようになると、そのときの角度センサ36の出力値が、ストッパ37bの当接状態でのセンサ出力として学習される。
ところで、第2学習期間でマイナス方向に回転しているときの電流制限値CLは、図5(B)に示したように一律に制限値CL2とすることができる他、図7に示すように、マイナス方向の低回転速度域で制限値をより低くすることができる。
図7に示す第2学習期間用の電流制限値は、ストッパ37bに向かう方向であるマイナスの回転方向での電流制限値のうち、回転速度が0から所定回転速度RSL2までの間で、電流制限値CL2よりも更に低い電流制限値CL4(CL4<CL2<CL3<CL1)に設定され、所定回転速度RSL2から所定回転速度RSL3までの間では回転速度の増大に応じて徐々に電流制限値CLを電流制限値CL4から電流制限値CL2にまで増大させ、所定回転速度RSL3以上で電流制限値CL2を保持する特性に設定される。
マイナスの回転方向の低回転域で適用される電流制限値CL4は、ストッパ37bが当接したときの許容トルクに基づき適合され、ストッパ37bが当接したときの衝撃を更に弱めることができる。
また、図7の特性において、プラス側の回転速度域では、図5(B)と同様に電流制限値CL3(CL2<CL3<CL1)が適用される。
また、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37aの当接状態からストッパ37bの当接位置に向けて制御軸28を回転させるときに、ストッパ37aの当接状態からの角度変化量(移動量)の増大に応じた電流制限値(回転速度−電流制限値テーブル)の切替えを2回以上実施することができる。
図8及び図9は、ストッパ37aの当接状態からの角度変化量Δθが第1角度θ1に達した時点で第1回目の電流制限値(回転速度−電流制限値のテーブル)の切替えを実施し、更に、角度変化量Δθが第2角度θ2(θ1<θ2)に達した時点で第2回目の電流制限値(回転速度−電流制限値のテーブル)の切替えを実施する緩衝制御を示す。
図8に示したストッパ37aの当接状態から角度変化量Δθが第1角度θ1に達するまでの第1学習期間(マイナス方向への起動期間)では、図9(A)に示す特性の電流制限値CLを適用する。
第1学習期間においてマイナス方向の回転速度で用いる電流制限値CL11は、ストッパ37aの当接状態からのマイナス方向へのモータ起動のための電流を確保できる値に設定され、プラス方向の回転速度で用いる電流制限値CL10は電流制限値CL11よりも大きい値に設定される。
尚、第1学習期間におけるプラス方向の回転速度域では、電流制限値CLによる制限を行わない設定とすることができる。
図8に示した、角度変化量Δθが第1角度θ1から第2角度θ2に達するまでの第2学習期間では、図9(B)に示す特性の電流制限値CLを適用する。
第2学習期間は、ストッパ37aの位置とストッパ37bの位置との間隔角度のばらつきを考慮し、ストッパ37bの当接が発生しないと推定される角度域になるように第2角度θ2が設定され、係る第2学習期間では、ストッパ37bに近づく方向に制御軸28を速やかに回転させることで学習時間の短縮を図れる。
そこで、第2学習期間でのマイナス方向の電流制限値CL12(CL12<CL11)を、所期の回転速度を保持できる値、つまり、図5(A)に示した電流制限値CL1と同等の値とする。
また、第2学習期間でのプラス方向の電流制限値CL13は、ストッパ37bが当接して跳ね返ったときにストッパ37bに向けて再加速することを抑制できるように適合され、CL12<CL13<CL10に設定される。
但し、第2学習期間は、前述のようにストッパ37a,37bの位置ばらつきがあってもストッパ37bの当接が発生しないと推定される角度域であるから、電流制限値CL12をマイナス回転方向とプラス回転方向との双方で用いる設定とすることができる。
図8に示した、角度変化量Δθが第2角度θ2に達した後の第3学習期間では、図9(C)に示す特性の電流制限値CLを適用する。
第3学習期間は、ストッパ37bを当接させる期間であるため、マイナス方向の回転速度域では、図7に示した電流制限値CL4と同等の電流制限値CL14(CL14≦CL12)を適用し、プラス方向の回転速度域では、第2学習期間でのプラス方向の電流制限値CL13と同等の値を適用する。
上記のように、回転速度−電流制限値テーブルの切替えを2回実施する構成とし、ストッパ37aの当接状態からストッパ37bを当接させるまでの移動期間を前半、中盤、後半に区分けすれば、移動前半においてはストッパ37aの当接状態からストッパ37bの当接位置に向けて制御軸28を回転させるためのモータ起動を応答良く行え、次いで、移動中盤においてはストッパ37bの当接位置付近にまで制御軸28を可及的に速く回転させ、更に、移動後半はストッパ37bが当接するときのトルクを十分に抑えて当接の衝撃力を許容範囲内に制御できる。
なお、電流制限値CLを制御軸28の回転速度毎に割り付けることを省略し、回転方向及び角度変化量Δθに応じて電流制限値CLを切替える構成とすることができ、更に、回転速度及び回転方向に応じた電流制限値CLの割り付けを省略し、角度変化量Δθの増大に応じて電流制限値CLをより小さい値に切替える構成とすることができる。
ここで、角度変化量Δθは、前述したように、ストッパ37aの当接位置からの制御軸28の回転角度である。
また、電流制限値CLを目標回転速度と実回転速度との偏差に応じて修正することで、ストッパ37bの当接位置に向けて制御軸28を回転させるときの回転速度の制御精度を向上させることができる。
更に、角度変化量Δθがストッパ37bの当接が発生し得る角度域になったとき、つまり、図4の第2学習期間若しくは図8の第3学習期間である移動後半において、角度変化量Δθの増大に応じて設定される電流制限値CLを初期値とし、その後に単位角度だけ角度変化量が増す毎(或いは所定単位時間の経過毎)に電流制限値CLをより小さい値に設定することができる。
ところで、モータ電流の指令値が電流制限値CLを超えないようにする制御では、ストッパが当接したときに電動モータ31に実際に流れる電流値が誘起電圧変化などによって電流制限値CLを超え、ストッパ当接時のモータトルクが過大になってしまう可能性がある。
そこで、エンジン制御ユニット9は、図4の第2学習期間若しくは図8の第3学習期間において、電流制限と共にモータ印加電圧を上限値以下に制限する電圧制限処理を行うことができる。
図10は、図8の第3学習期間においてモータ印加電圧の制限に用いる電圧制限値(電圧上限値)VLの特性の一例を示す。なお、図10の電圧制限値(電圧上限値)VLの特性は、図4の第2学習期間においても適用することが可能である。
図10において、剛性が相対的に高いストッパ37aに近づく方向であるプラスの回転速度域においては、前述の電流制限値CL3、CL13の電流値に相当する印加電圧を電圧制限値(印加電圧上限値)VL0とする。一方、剛性が相対的に低いストッパ37bに近づく方向であるマイナスの回転速度域においては、当接時の最大許容電流値(許容最大トルク)となる電圧を電圧制限値VL1(VL1<VL0)とする。
上記特性の電圧制限値VLを超えないようにモータ印加電圧を制限すると、図11に示すように、ストッパ当接位置に近づくときの角度変化の応答は遅くなるものの、ストッパが当接したときにモータ電流が許容最大トルクに相当する電流制限値を超えることを抑制できる。
なお、剛性が低いストッパ37bに当接させるときに、モータ電流の制限値を変更することなく、角度変化量が所定値になったタイミングでモータ印加電圧をより小さく制限する(電圧制限値VLをより小さい値に変更する)構成とすることができる。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、剛性が相互に異なる2つのストッパは、2つ異なる回転体(制御軸28、減速機32の出力軸32a)にそれぞれ設けられたストッパに限定されず、1つの回転体に2つの剛性が異なるストッパが配設される駆動機構に本願発明を適用することができる。
図12は、減速機32の出力軸32aの外周に突出する突起部38aと、図12で時計回りの方向に出力軸32aが回転したときに12時の付近で突起部38aが突き当たる第1係合部40aとで一方のストッパ37aが構成され、前記突起部38aと、図12で反時計回りの方向に出力軸32aが回転したときに6時の付近で突起部38aが突き当たる第2係合部40bとで他方のストッパ37bが構成される。
係る構成により、出力軸32aの角度可変領域は、ストッパ37aが当接する角度位置とストッパ37bが当接する角度位置との間の角度領域となる。
ここで、突起部38aの回転方向における第1係合部40aの肉厚w1が、突起部38aの回転方向における第2係合部40bの肉厚w2よりも厚く、第1係合部40aと突起部38aとの組み合わせで構成されるストッパ37aの剛性は、第2係合部40bと突起部38aとの組み合わせで構成されるストッパ37bの剛性よりも高い。
図12に示すストッパ構造の場合、ストッパ37aの剛性はストッパ37bの剛性よりも高いので、エンジン制御ユニット9は、ストッパ位置学習を行うときに、まず、ストッパ37a(第1係合部40aと突起部38aと)を当接させてストッパ37aの当接位置での角度センサ36の出力を学習する。
次いで、エンジン制御ユニット9は、ストッパ37bの当接位置に向けて制御軸28を回転駆動するが、このときストッパ37aの当接位置からの角度変化に応じて制限値を切り替えることで、モータ操作量(電流及び/又は電圧)をより小さく制限し、ストッパ37bが当接するときの衝撃力を許容範囲内に抑制しつつ、ストッパ37bの当接位置に応答良く近づけることができる。
また、図12に示した例では、出力軸32aに2つのストッパ37a,37bを設けたが、制御軸28に2つのストッパ37a,37bを設けることができる。
また、駆動機構は可変圧縮比機構2に限定されるものではなく、例えば、制御軸の角度に応じて内燃機関の吸気バルブ若しくは排気バルブのリフト特性を可変とする可変動弁機構などにも、本願発明を適用できることは明らかである。
更に、駆動機構を構成する移動体は、中心軸周りに回転する軸に限定されず、例えば、ラックアンドピニオンのラックを移動体とし、このラックの前後方向の直線運動をストッパで制限する構造の駆動機構において、本願発明を適用することができる。
1…内燃機関、2…可変圧縮比機構(駆動機構)、9…エンジン制御ユニット(制御装置)、28…制御軸(移動体)、31…電動モータ(アクチュエータ)、32…減速機、36…角度センサ、37a…ストッパ(高剛性)、37b…ストッパ(低剛性)

Claims (2)

  1. 移動可能に支持される移動体と、前記移動体の移動可能領域の両端を規定する2つのストッパと、前記移動体を移動方向に駆動するアクチュエータと、前記移動体の位置を検出するセンサと、を含む車両用駆動機構を制御する制御装置であって、
    前記2つのストッパそれぞれの当接状態における前記センサの出力を学習する学習部であって、前記2つのストッパのうちの剛性が高い側のストッパについての学習を、剛性が低い側のストッパについての学習に先行して実施する前記学習部を備え、
    前記学習部は、前記剛性が低い側のストッパを当接させるときに、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量の増大に応じて前記アクチュエータの操作量の上限値をより小さい値に切り替える上限値設定部を含み、
    前記上限値設定部は、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量が前記2つのストッパの間隔のばらつき下限に達する前に前記上限値を最も小さい値に切り替える、
    車両用駆動機構の制御装置。
  2. 移動可能に支持される移動体と、前記移動体の移動可能領域の両端を規定する2つのストッパと、前記移動体を移動方向に駆動するアクチュエータと、前記移動体の位置を検出するセンサと、を含む車両用駆動機構を制御する制御方法であって、
    前記2つのストッパのうちの剛性が高い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるステップと、
    前記剛性が高い側のストッパの当接状態で前記センサの出力を学習するステップと
    前記剛性が高い側のストッパの当接状態から前記剛性が低い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるステップと
    前記剛性が高い側のストッパの当接状態から前記剛性が低い側のストッパに近づく方向に前記移動体を移動させるときに、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量の増大に応じて前記アクチュエータの操作量の上限値をより小さい値に切り替えるステップと、
    前記剛性が低い側のストッパの当接状態で前記センサの出力を学習するステップと
    前記センサの出力の学習値に基づいて前記アクチュエータを制御するステップと
    を含み、
    前記上限値を切り替えるステップは、前記剛性が高い側のストッパの当接状態からの前記センサの出力変化量が前記2つのストッパの間隔のばらつき下限に達する前に前記上限値を最も小さい値に切り替える、
    車両用駆動機構の制御方法。
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