JP4605023B2 - 内燃機関の可変動弁機構制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構制御装置 Download PDF

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本発明は、内燃機関の可変動弁機構制御装置に関する。
電動式のアクチュエータにてコントロールシャフトをその軸方向に往復動させるとともに、同コントロールシャフトの軸方向位置に応じて機関のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構が知られている(例えば特許文献1参照。)。こうした可変動弁機構では、機関バルブを閉弁方向に付勢する力に基づいて、コントロールシャフトに軸方向の一方側へのスラスト力が作用することとなる。
図6は内燃機関の回転速度とコントロールシャフトに作用するスラスト力の大きさとの関係を示したグラフである。
図6に示されるように、スラスト力FTは、機関の回転速度NEが所定の回転速度(例えば600rpm)よりも高い領域では略一定であるのに対して、機関の回転速度NEが同所定の回転速度よりも低い領域では回転速度NEが低いほど大きい傾向にある。そして、機関の回転速度NEが更に低い領域では(例えば300rpm以下)、スラスト力FTは回転速度NEの低下とともに急激に大きくなる傾向にある。
特開2003―129810号公報
ところで、上記可変動弁機構を備えた内燃機関においては、機関の停止制御に際して、次回の機関始動を円滑に行うべくコントロールシャフトを機関始動時に対応した所定位置へと移動させるようにしている。このとき、コントロールシャフトの移動は機関への燃料供給を停止した後に行われるが、通常であれば上記スラスト力FTが過度に大きくなる前にコントロールシャフトの移動は完了する。
しかし、何らかの原因によって、コントロールシャフトが上記所定位置に移動するまでにコントロールシャフトに作用するスラスト力FTが過度に大きくなると、スラスト力FTに抗してコントロールシャフトを移動させることができなくなる。この場合、コントロールシャフトを移動させるために大きな駆動力が必要となるため、電動式のアクチュエータにかかる負荷が大きくなる。その結果、アクチュエータの過熱や耐久性の低下を招くおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関の停止制御に際して、電動式のアクチュエータにかかる負荷が過度に大きくなることを抑制することのできる内燃機関の可変動弁機構制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、電動式のアクチュエータにてコントロールシャフトを軸方向に往復動させるとともにその軸方向位置に応じて機関のバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備え、機関の停止制御に際して前記コントロールシャフトを所定位置まで移動させるように制御する内燃機関の可変動弁機構制御装置において、前記可変動弁機構は、機関バルブを閉弁方向に付勢する力によって前記コントロールシャフトが軸方向の一方側に付勢される構造を有しており、前記機関の停止制御によって機関回転速度が低下していく途中の同機関回転速度が、前記アクチュエータにかかる負荷が所定の大きさ以上となる機関回転速度以下になったときに前記アクチュエータへの通電を遮断することをその要旨とする。
上記構成によれば、機関の停止制御に際して、アクチュエータにかかる負荷が所定の大きさ以上となる機関回転速度以下になったときにはアクチュエータへの通電が遮断される。このため、機関の回転速度の低下に伴ってコントロールシャフトに作用するスラスト力が大きくなったとしても、コントロールシャフトが上記所定位置に移動するまでにスラスト力が過度に大きくなる場合にはアクチュエータへの通電が遮断されることとなる。その結果、機関の停止制御に際して、電動式のアクチュエータにかかる負荷が過度に大きくなることを抑制することができる。
具体的には、請求項2に記載される発明によるように、可変動弁機構は、カムの回転に基づいて揺動する入力部と、機関バルブに駆動力を伝達する出力部と、前記入力部と前記出力部とをヘリカルスプラインを通じて連結するスライダギアとを備え、前記コントロールシャフトにより前記スライダギアを軸方向に往復動させることにより前記入力部に対する前記出力部の揺動位相差を変更するといった構成を採用することができる。
本発明にかかる内燃機関の可変動弁機構制御装置について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は本実施形態における内燃機関(以下、エンジンと称する。)の可変動弁機構の断面構造を示したものである。尚、本実施形態ではエンジンの一例として4つの気筒が直列に配置された車両用の直列4気筒エンジンを採用している。
エンジン2は、シリンダブロック4、ピストン6、及びこれらの上側に取り付けられたシリンダヘッド8を備えている。
シリンダブロック4には、4つの気筒が形成されており、各気筒に対応して、シリンダブロック4、ピストン6、及びシリンダヘッド8にて区画された燃焼室10がそれぞれ形成されている。
シリンダヘッド8において、各気筒には、吸気通路の一部をなす2つの吸気ポート12が形成されている。尚、図1では吸気ポート12が1つだけ示されている。
各気筒には、各吸気ポート12を開閉する吸気バルブ16が配置されている。吸気バルブ16は棒状に形成された吸気バルブステム16Aと傘状に形成された吸気バルブヘッド16Bとを備えて構成されている。
吸気バルブ16の吸気バルブステム16Aの外周には、吸気バルブ16を閉弁方向に付勢するための吸気バルブスプリング20が圧縮された状態で配設されている。
シリンダヘッド8の上方には、吸気バルブ16に対応して、吸気カム40Aの固定された吸気カムシャフト40、可変動弁機構100を構成する仲介駆動機構110、及びローラロッカーアーム50が配設されている。エンジン2の出力軸であるクランクシャフトの回転にともなって吸気カムシャフト40及び吸気カム40Aが回転駆動されると、吸気カム40Aのトルクが仲介駆動機構110及びローラロッカーアーム50を介して吸気バルブ16に駆動力として伝達される。こうした駆動力の伝達機構において、仲介駆動機構110による駆動力の伝達状態が変更されることで吸気バルブ16の最大バルブリフト量及び作用角が変更される。
シリンダヘッド8において、各気筒には、排気通路の一部をなす2つの排気ポート14が形成されている。尚、図1では排気ポート14が1つだけ示されている。
各気筒には、各排気ポート14を開閉する排気バルブ18が配置されている。排気バルブ18は棒状に形成された排気バルブステム18Aと傘状に形成された排気バルブヘッド18Bとを備えて構成されている。
排気バルブ18の排気バルブステム18Aの外周には、排気バルブ18を閉弁方向に付勢するための排気バルブスプリング22が圧縮された状態で配設されている。
シリンダヘッド8の上方には、排気バルブ18に対応して、排気カム42Aの固定された排気カムシャフト42、及びローラロッカーアーム52が配設されている。エンジン2の出力軸であるクランクシャフトの回転にともなって排気カムシャフト42及び排気カム42Aが回転駆動されると、排気カム42Aのトルクがローラロッカーアーム52を介して排気バルブ18に駆動力として伝達される。
次に、可変動弁機構100の構成について説明する。
可変動弁機構100は、仲介駆動機構110及び電動式のスライドアクチュエータ102を備えて構成されている。
図2は仲介駆動機構110及びスライドアクチュエータ102の平面構造を示したものである。尚、図2では、仲介駆動機構110において1つの気筒に対応する構成のみが部分的に示されている。
図2に示されるように、シリンダヘッド8に固定された支持パイプ112には、入力部114が設けられている。入力部114は、吸気カムシャフト40に固定された吸気カム40Aの回転に基づいて支持パイプ112を中心に揺動する。また、支持パイプ112には、第1出力部116及び第2出力部118が設けられている。第1出力部116及び第2出力部118は、入力部114の揺動に伴い支持パイプ112を中心に揺動するとともにローラロッカーアーム50を介して上記各吸気バルブ16に駆動力を伝達する。
入力部114は、吸気カム40Aに当接するローラ114A、ローラ114Aを支持する入力アーム114B、及び入力ギア114Cを備えており、入力ギア114Cの内周面にはヘリカルスプラインが形成されている。
第1出力部116は、ローラロッカーアーム50に駆動力を伝達する第1出力アーム116B、及び第1出力ギア116Cを備えており、第1出力ギア116Cの内周面にはヘリカルスプラインが形成されている。
第2出力部118は、ローラロッカーアーム50に駆動力を伝達する第2出力アーム118B及び第2出力ギア118Cを備えており、第2出力ギア118Cの内周面には第1出力ギア116Cと同様のヘリカルスプラインが形成されている。
これら入力ギア114Cのヘリカルスプラインと、第1出力ギア116C及び第2出力ギア118Cのヘリカルスプラインとは、歯すじの傾斜方向が反対となっている。
上記支持パイプ112の外周には、その軸方向に移動可能な状態でスライダギア120が嵌合されている。スライダギア120の外周面には、上記入力ギア114C、第1出力ギア116C、及び第2出力ギア118Cのヘリカルスプラインに対応してヘリカルスプラインがそれぞれ形成されている。スライダギア120は、入力部114と、第1出力部116及び第2出力部118とをこのヘリカルスプラインを通じて連結している。
支持パイプ112の内部には、その軸方向に往復動可能な状態でコントロールシャフト122が挿入されている。これらスライダギア120とコントロールシャフト122とは、図示しない係合ピンによって連結されている。
コントロールシャフト122の一端は、電動式のスライドアクチュエータ102に連結されている。スライドアクチュエータ102は、モータ104及びモータ104による回転運動を直線往復運動に変換する機構を備えている。そして、スライドアクチュエータ102にてコントロールシャフト122が軸方向に往復動されると、これに連動してスライダギア120も軸方向に往復動される。
上記入力部114、第1出力部116、及び第2出力部118の軸方向への往復動が規制された状態において、スライダギア120が軸方向に往復動すると、入力部114、第1出力部116、及び第2出力部118は上記ヘリカルスプラインの作用により支持パイプ112を中心にして回動する。ここで、上述したように、入力ギア114Cのヘリカルスプラインと、第1出力ギア116C及び第2出力ギア118Cのヘリカルスプラインとは歯すじの傾斜方向が反対となっているため、入力部114と、第1出力部116及び第2出力部118とは互いに反対方向へ回動する。その結果、入力部114に対する第1出力部116及び第2出力部118の揺動位相差が変更されて吸気バルブ16の最大バルブリフト量や作用角といったバルブ特性が変更される。
具体的には、図2において、コントロールシャフト122をF方向に移動させると揺動位相差が大きくなり、これに伴って最大バルブリフト量及び作用角が大きくなる。一方、コントロールシャフト122をR方向に移動させると揺動位相差が小さくなり、これに伴って最大バルブリフト量及び作用角が小さくなる。
こうした可変動弁機構100では、吸気バルブ16を閉弁方向に付勢する吸気バルブスプリング20の復元力が上記第1出力アーム116B及び第2出力アーム118Bに作用する。このため、上記第1出力部116及び第2出力部118を揺動させる力が発生し、この力が上記第1出力ギア116C及び第2出力ギア118Cのヘリカルスプラインを通じてスライダギア120に伝達される。その結果、スライダギア120を上記支持パイプ112の軸方向へ押圧する力が発生するため、スライダギア120に連結されたコントロールシャフト122に軸方向の一方側(R方向)へスラスト力FTが作用することとなる。尚、スラスト力FTの作用する方向は、入力部114、第1出力部116、第2出力部118、及びスライダギア120に形成されたヘリカルスプラインの歯すじの傾斜方向によって決定される。本実施形態においては、スラスト力FTはR方向に作用する。また、エンジン2の回転速度NEとスラスト力FTの大きさとの関係が図6に示される傾向にあることは上述したとおりである。
本実施形態では、アイドル運転時にバルブ作用角が最小となるようにコントロールシャフト122を最もR方向側に移動させている。そして、機関停止制御に際しては、次回の機関始動を円滑に行うべく、コントロールシャフト122を機関始動時に対応した所定位置にするためにF方向側に移動させるようにしている。すなわち、スライドアクチュエータ102はR方向に作用するスラスト力FTに抗してコントロールシャフト122をF方向に移動させるように駆動されることとなる。尚、コントロールシャフト122をF方向に移動させるためには、R方向に作用するスラスト力FTよりも大きな力で駆動する必要があるが、このスラスト力FTによってコントロールシャフト122が移動させられることはない。
図3は本実施形態における可変動弁機構100の制御装置としての電子制御装置90及びその周辺装置についての電気的構成を示したブロック図である。
上記各種装置は、大きくは、電動式のスライドアクチュエータ102、スライドアクチュエータ102に電力を供給するバッテリ70、各種センサ80、及び電子制御装置90によって構成される。本実施形態では、バッテリ70として鉛蓄電池式のものが採用されている。
各種センサ80には、エンジン2の回転速度NE、すなわちクランクシャフトの回転速度NEを検出する回転速度センサ82が含まれている。本実施形態では、回転速度センサ82として電磁ピックアップ式のものが採用されている。
スライドアクチュエータ102は、上記バッテリ70から供給される電力により回転駆動されるモータ104及びスイッチ106を備えている。モータ104は、上述したように、電子制御装置90から出力される駆動信号に応じて上記コントロールシャフト122を往復動させるために回転駆動される。スイッチ106は電子制御装置90が出力する通電継続信号及び通電遮断信号のいずれか一方の信号を受けて、バッテリ70からモータ104に対して電力を供給するか否かを切り換えるものである。
電子制御装置90は、バッテリ70から供給される電力により作動されるとともに、各種センサ80から出力される各種信号に基づいて可変動弁機構100等の各種装置を制御する。電子制御装置90は、図3に示されるように、その内部に回転速度比較部92を備えている。回転速度比較部92は、回転速度センサ82からの回転速度信号に基づいて回転速度NEと後述する閾値NTとを比較するとともに、その結果に応じてスライドアクチュエータ102のスイッチ106に対して通電継続信号及び通電遮断信号のいずれか一方の信号を出力する。
次に、エンジン2の停止制御に際してスライドアクチュエータ102への通電を継続するか、或いは通電を遮断するかを決定するための手順について、図4のフローチャートを参照して説明する。尚、このフローチャートに示される一連の処理は、電子制御装置90により所定の周期をもって繰り返し実行される。
図4に示されるように、この一連の処理ではまず、電子制御装置90に対して運転者の操作に基づく機関停止指令が出されたか否かを検出することにより機関停止制御中であるか否かが判定される(ステップ100)。
この判定処理を通じて、機関停止制御中でない旨判定された場合には(ステップ100:NO)、この一連の処理は一旦終了される。
一方、上記判定処理を通じて、機関停止制御中である旨判定された場合には(ステップ100:YES)、現在のエンジン2の回転速度NEが、予め設定されている閾値NT以下であるか否かが判定される(ステップ110)。ここで、上記閾値NTは、スライドアクチュエータ102への通電を遮断するか、或いは通電を継続するかを決定するための回転速度である。そして閾値NTは、上記コントロールシャフト122に作用するスラスト力FTが大きくなることに伴ってスライドアクチュエータ102にかかる負荷Lが所定の大きさ以上となる回転速度(本実施形態においては300rpm)に設定されている。
この判定処理を通じて、エンジン2の回転速度NEが閾値NT以下でない旨判定された場合には(ステップ110:NO)、エンジン2の回転速度NEが閾値NT以下となるまでスライドアクチュエータ102への通電が継続される。具体的には、電子制御装置90からスイッチ106に対して通電継続信号が出力されつづけることで、同スイッチ106のオン状態が継続され、バッテリ70からモータ104への電力の供給が継続される。
一方、上記判定処理を通じて、エンジン2の回転速度NEが閾値NT以下である旨判定された場合には(ステップ110:YES)、スライドアクチュエータ102への通電が遮断される(ステップ120)。具体的には、電子制御装置90からスイッチ106に対して通電遮断信号が出力されることで、同スイッチ106がオン状態からオフ状態となり、バッテリ70からモータ104への電力の供給が遮断される。このようにしてエンジン2の回転速度NEが閾値NT以下となったときにスライドアクチュエータ102への通電が遮断された後、この一連の処理は一旦終了される。
以上説明した可変動弁機構100の制御に基づくモータ104にかかる負荷Lの時間変化について、図5を参照して従来技術と比較の上説明する。尚、同図5は、何らかの原因により、コントロールシャフトが機関始動時に対応した位置に移動するまでにコントロールシャフトに作用するスラスト力FTが過度に大きくなる場合について示している。
図5は、(a)燃料の噴射状態、(b)エンジン2の回転速度NE、(c)コントロールシャフト122に作用するスラスト力FTの大きさ、(d)モータ104への通電状態、及び(e)モータ104にかかる負荷Lの大きさの時間変化を示すものである。尚、図5(d)及び(e)において、実線は、本実施形態の可変動弁機構100の制御が実施された場合におけるモータ104への通電状態及びモータ104にかかる負荷Lの大きさの時間変化を示している。また、一点鎖線は、従来の可変動弁機構100の制御が実施された場合におけるモータ104への通電状態及びモータ104にかかる負荷Lの大きさの時間変化を示している。
エンジン2がアイドル運転状態(例えばエンジン2の回転速度が700rpm)において、機関停止制御が開始されると、図5(a)に示されるように、燃料噴射弁からの燃料噴射が停止され、これに伴って、図5(b)に示されるように、エンジン2の回転速度NEは低下し始める(時刻t1)。
エンジン2の回転速度NEが低下したとしても、図5(c)に示されるように、600rpmまでの領域では、コントロールシャフト122に作用するスラスト力FTは略一定の大きさFT1である(時刻t2)。エンジン2の回転速度NEが600rpmよりも低くなると、上記スラスト力FTは回転速度NEが低くなるほど大きくなる。そして、エンジン2の回転速度NEが更に低くなって300rpmとなるとスラスト力FTは大きさFT2となる(時刻t3)。エンジン2の回転速度NEが更に低くなると(時刻t3以降)、上記スラスト力FTはエンジン2の回転速度NEの低下とともに急激に大きくなる。
このようにコントロールシャフト122の移動方向とは反対方向に作用するスラスト力FTが大きさFT1から大きさFT2へと大きくなると、図5(e)に示されるように、モータ104への通電がなされている状態において、モータ104にかかる負荷Lは大きさL1から大きさL2へと大きくなる(時刻t3)。
従来技術では、図5(d)の一点鎖線にて示されるように、スラスト力FTが大きさFT2よりも大きくなった場合であっても、引き続きスライドアクチュエータ102への通電が継続される。このため、スラスト力FTに抗してコントロールシャフト122を移動させることができなくなり、コントロールシャフト122を移動させるために更に大きな駆動力が必要となる。その結果、図5(e)の一点鎖線にて示されるように、スラスト力FTが大きくなることに伴いモータ104にかかる負荷Lが大きさL2よりも更に大きくなる(時刻t3以降)。
これに対して本実施形態では、図5(d)の実線にて示されるように、エンジン2の回転速度NEが低下して300rpmとなると、バッテリ70からモータ104への通電が遮断される(時刻t3)。その結果、図5(e)の実線にて示されるように、スラスト力FTが大きさFT2よりも大きくなった場合には、モータ104には通電が遮断されているためモータ104にかかる負荷Lの大きさはゼロとなる。尚、この場合、コントロールシャフトを機関始動時に対応した位置まで移動させることはできないが、次回の機関始動時においてコントロールシャフトは機関始動時に対応した位置まで移動させられることとなる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)エンジン2の停止制御に際してエンジン2の回転速度NEが所定の回転速度(300rpm)以下になったときにスライドアクチュエータ102への通電が遮断される。このため、エンジン2の回転速度NEの低下に伴ってコントロールシャフト122に作用するスラスト力FTが大きくなったとしても、コントロールシャフト122が上記所定位置に移動するまでにスラスト力FTが過度に大きくなる場合にはスライドアクチュエータ102への通電が遮断されることとなる。その結果、エンジン2の停止制御に際して、電動式のスライドアクチュエータ102にかかる負荷Lが過度に大きくなることを抑制することができる。 尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、吸気バルブ16のバルブ特性を可変とする可変動弁機構100について説明したが、排気バルブ18のバルブ特性を可変とするものであってもよい。
・上記実施形態では、電動式のアクチュエータとして、モータ104及びモータ104による回転運動を直線往復運動に変換する機構を備えたスライドアクチュエータ102を採用したが、電動式のアクチュエータはこれに限られるものではなく、コントロールシャフト122を軸方向に往復動させるものであればその構成は任意である。
・上記実施形態では、スライドアクチュエータ102のモータ104への通電を遮断するか、或いは通電を継続させるかを決定するための閾値NTを300rpmとしているが、これを300rpmよりも大きい値に設定してもよいし、300rpmよりも小さい値に設定してもよい。こうした閾値NTは、スライドアクチュエータ102にかかる負荷Lの大きさが許容される範囲内に収まるように設定することが望ましい。
・上記実施形態では、コントロールシャフト122が機関始動時に対応した所定位置まで移動したか否かに関わらずエンジン2の回転速度NEが300rpm以下になるまでモータ104への通電を継続するようにしたが、コントロールシャフト122が同所定位置まで移動したときにはモータ104への通電を遮断してもよい。この場合も、スラスト力FTによってコントロールシャフト122が移動させられることはない。 ・上記実施形態では、可変動弁機構100として、吸気カム40Aの回転に基づいて揺動する入力部114と、吸気バルブ16に駆動力を伝達する第1出力部116及び第2出力部118と、入力部114と第1出力部116及び第2出力部118とをヘリカルスプラインを通じて連結するスライダギア120とを備え、コントロールシャフト122によりスライダギア120を軸方向に往復動させることにより入力部114に対する第1出力部116及び第2出力部118の揺動位相差を変更する構成を採用している。しかし、可変動弁機構の構成としてはこれに限られるものではなく、この他にも例えば、軸方向においてカムプロフィールが変化するように形成された3次元カムをカムシャフト(コントロールシャフト)とともにその軸方向に往復動させるとともにその軸方向位置に応じて吸気バルブのバルブ特性を可変とする構成を採用してもよい。このような構成であっても上記スラスト力に基づく本発明の上記課題が発生するため、本発明を適用することにより上記作用効果を奏することができる。要するに、可変動弁機構は、電動式のアクチュエータにてコントロールシャフトを軸方向に往復動させるとともにその軸方向位置に応じて機関のバルブ特性を可変とするものであって、機関バルブを閉弁方向に付勢する力に基づきコントロールシャフトに軸方向の一方側へのスラスト力が作用するとともに、同スラスト力は機関の回転速度が所定の回転速度よりも低い領域では回転速度が低いほど大きい傾向を有するものであればよい。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関の可変動弁機構の断面図。 同実施形態にかかる可変動弁機構の部分平面図。 同実施形態にかかる可変動弁機構の制御装置及びその周辺装置についての電気的構成を示すブロック図。 同実施形態にかかる可変動弁機構の制御装置における制御の処理手順を示すフローチャート。 モータにかかる負荷の大きさの時間変化を示すタイムチャート。 機関回転速度とスラスト力の大きさとの関係を示すグラフ。
符号の説明
2…エンジン、4…シリンダブロック、6…ピストン、8…シリンダヘッド、10…燃焼室、12…吸気ポート、14…排気ポート、16…吸気バルブ、16A…吸気バルブステム、16B…吸気バルブヘッド、18…排気バルブ、18A…排気バルブステム、18B…排気バルブヘッド、20…吸気バルブスプリング、22…排気バルブスプリング、40…吸気カムシャフト、40A…吸気カム、42…排気カムシャフト、42A…排気カム、50…ローラロッカーアーム、52…ローラロッカーアーム、70…バッテリ、80…各種センサ、82…回転速度センサ、90…電子制御装置、92…回転速度比較部、100…可変動弁機構、102…スライドアクチュエータ、104…モータ、106…スイッチ、110…仲介駆動機構、112…支持パイプ、114…入力部、114A…ローラ、
114B…入力アーム、114C…入力ギア、116…第1出力部、116B…第1出力アーム、116C…第1出力ギア、118…第2出力部、118B…第2出力アーム、118C…第2出力ギア、120…スライダギア、122…コントロールシャフト。

Claims (2)

  1. 電動式のアクチュエータにてコントロールシャフトを軸方向に往復動させるとともにその軸方向位置に応じて機関のバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備え、機関の停止制御に際して前記コントロールシャフトを所定位置まで移動させるように制御する内燃機関の可変動弁機構制御装置において、
    前記可変動弁機構は、機関バルブを閉弁方向に付勢する力によって前記コントロールシャフトが軸方向の一方側に付勢される構造を有しており、
    前記機関の停止制御によって機関回転速度が低下していく途中の同機関回転速度が、前記アクチュエータにかかる負荷が所定の大きさ以上となる機関回転速度以下になったときに前記アクチュエータへの通電を遮断する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置において、
    前記可変動弁機構は、カムの回転に基づいて揺動する入力部と、機関バルブに駆動力を伝達する出力部と、前記入力部と前記出力部とをヘリカルスプラインを通じて連結するスライダギアとを備え、前記コントロールシャフトにより前記スライダギアを軸方向に往復動させることにより前記入力部に対する前記出力部の揺動位相差を変更する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構制御装置。
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