以下に、本願に係る情報管理装置、情報管理方法および情報管理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
[危機管理マネジメントシステムの概要]
本発明の情報管理装置は、危機管理マネジメントシステムに含まれる装置、または危機管理マネジメントシステムの1つの機能として実現されてもよい。ここで、危機管理マネジメントシステムとは、自治体や企業の危機管理室が災害やサイバー攻撃といった危機に対応するためのマネジメントを支援するシステムのことである。そして、ある危機管理に対して、様々な危機管理対応業務を束ねたものをボードと定義する。ボード内には、危機管理を遂行する上で必要となる各種情報がまとめられ、危機管理マネジメントシステムでは、これらの情報を、Plan,Do,Seeの3つの観点で総覧することによって、ユーザによる意思決定や組織間連携を支援する。
図1は、危機管理マネジメントシステムの概要を説明するための図である。図1に示すように、危機管理マネジメントシステム100は、ネットワークNを介して、複数の利用者端末1、危機管理マネジメントシステムサーバ2(情報管理装置)及びメールサーバ3が接続する構成を有する。なお、ネットワークNは、接続される各装置が相互に通信可能に構成されていればよく、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等で構成することができる。
また、利用者端末1は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話等である。ユーザは、各利用者端末1のWebブラウザを介して、危機管理マネジメントシステムサーバ2から提供される危機対応情報の参照や、危機管理マネジメントシステムサーバ2への情報の送信等を行うことができる。また、ユーザは、各利用者端末のメール環境を介して、危機管理マネジメントシステムサーバ2から提供される危機対応情報の参照や、危機管理マネジメントシステムサーバ2への情報の送信等を行うことができる。
危機管理マネジメントシステムサーバ2は、危機に対する組織の対応状態を示す危機対応情報を管理する。危機管理マネジメントシステムサーバ2は、危機管理対策本部および担当部局に備えられた利用者端末1に、Plan画面、Do画面およびSee画面を表示させることによって、危機対応情報を各利用者端末1に提供する。ここで、Plan画面は、対策本部運営のプロセスおよび各フェーズにおける実施項目を提示する画面である。Do画面は、非定型業務についての重要度や進捗状況等の情報を管理する画面である。また、See画面は、対応や被害の状況を地図や表で俯瞰的に表示する画面である。危機管理マネジメントシステムサーバ2は、利用者端末1から送信された情報を、危機対応情報に登録する。
メールサーバ3は、ネットワークN内の利用者端末1及び危機管理マネジメントシステムサーバ2におけるメールの送信や受信を行う。
本実施の形態では、利用者端末1が、システムにアクセスするためのブラウザが使えない環境であっても、メールを用いることによって、タスク(対応業務)、会議時間、チェックリスト、ある時間におけるホワイトボードなどの危機対応情報の共有を可能とする。
また、本実施の形態では、危機管理マネジメントシステムサーバ2からタスクの状態を利用者端末1にメールで送ることによって、どのツールを使っていてもユーザが状況を把握することが可能になる。また、各ツールを用いて収集された情報は、危機管理マネジメントシステムサーバ2において一元管理されるため、危機管理室では状況を容易に把握でき、的確な指示を出すことが可能となる。そこで、危機管理マネジメントシステムサーバ2の構成について説明する。ここでは、特にDo画面におけるタスクのメール連携機能について説明する。
[危機管理マネジメントシステムサーバの構成]
図2は、図1に示す危機管理マネジメントシステムサーバ2の構成を示すブロック図である。図1に示すように、危機管理マネジメントシステムサーバ2は、データ通信が可能なネットワークNによって利用者端末1及びメールサーバ3に接続されている。図2に示すように、危機管理マネジメントシステムサーバ2は、データ格納部21(記憶部)とデータ処理部22とを有する。
データ格納部21は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、危機管理マネジメントシステムサーバ2を動作させる処理プログラムや、処理プログラムの実行中に使用されるデータなどが記憶される。ここで、本システムの運用のために運用管理者が任命されると、この運用管理者は、ユーザ情報など危機対応に必要な情報を登録する。データ格納部21は、これらの情報を格納する。言い換えると、データ格納部21は、危機対応に関する危機対応情報として、危機への対応業務を示す識別情報と、対応業務に含まれる各対応指示及び各対応内容とを対応付けて記憶する。データ格納部21は、組織情報格納部211、ユーザ情報格納部212、アクセス制御情報格納部213、ボード情報格納部214及びログ情報格納部215を有する。
組織情報格納部211は、危機に対応するための組織を示す組織管理テーブルを格納する。図3は、組織管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図3のテーブルT1に示すように、組織管理テーブルは、組織ID、組織名、開始日時、廃止日時等が組織ごとに登録される。例えば、組織として、危機管理室、統括班、応急対策班、情報班などが登録されており、各組織には、組織IDが割り当てられる。
ユーザ情報格納部212は、危機管理マネジメントシステム100のユーザ情報を示すユーザアカウント管理テーブルを格納する。図4は、ユーザアカウント管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図4のテーブルT2に示すように、ユーザアカウント管理テーブルは、ユーザID、氏名、読み仮名、ログインID、パスワード、メールアドレス及び登録日時等、ユーザに対応する各種情報が登録される。なお、ユーザアカウント管理テーブルには、メール送受信のための専用アカウントが用意されている。テーブルT2では、ユーザID「0」である「危機管理マネジメントシステムメール対応ユーザ」(以下、メール対応ユーザと略す。)が、メール送受信用の専用アカウントに該当する。このメール対応ユーザは、メールの送受信を専用に受け持つため、危機管理マネジメントシステム100へのログインIDは持たない。
また、ユーザ情報格納部212は、組織管理テーブルとユーザアカウント管理テーブルと、を関連付けるためのユーザ所属組織管理テーブルを格納する。図5は、ユーザ所属組織管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図5のテーブルT3に示すように、ユーザ所属組織管理テーブルは、ユーザID、組織ID、各々の役割を対応付けたものである。例えば、役割として、「運用管理者」の他、ボードの管理を行う「リーダ」、ボードでの情報のやり取りを行う「担当」がある。
アクセス制御情報格納部213は、各役割におけるデータのアクセス制御に関連する情報を格納する。すなわち、アクセス制御情報格納部213は、どの役割がどのようなことができるのか、といった情報を格納する。
ボード情報格納部214は、ボードIDと該IDに対応する危機の各種情報とを対応付けたボード管理テーブル、各タスクにタスクIDと該タスクが属するボードのボードIDとを対応付けたタスク管理テーブル、及び、各タスクログにタスクログIDと対応タスクIDとを対応付けたタスクログ管理テーブルを格納する。本実施の形態では、タスクログは、あるタスクに関する個々の情報である。したがって、タスクログと、本システムの使用時に出力されるログや、操作内容を表すログとは異なる。
図6は、ボード管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図6のテーブルT4に示すように、ボード管理テーブルには、ボードID、ボードの名前、このボードの概要、発生日時、状態、対応組織、登録日時、登録元組織などが登録される。運用管理者及びリーダは、ボード管理部223(後述)を用いてボードを作成することができ、このボードに対し、プロセスやフェーズ、チェックリストなどの危機管理対応に必要となる計画に関する設定を行なう。
図7は、タスク管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図7のテーブルT5に示すように、タスク管理テーブルは、払い出されたタスクIDと、タスクの名称であるタスク名、このタスクIDに対応するタスクがいずれのボードに関係するかを示すボードID、タスクの優先度などが登録される。
図8は、タスクログ管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図8のテーブルT6に示すように、タスクログ管理テーブルには、タスクログID、対応タスクID、内容、起票元か否かを示す起票元タスクログフラグ、起票元組織、起票者情報、送信元のメールアドレスであるMessage-ID、起票者情報に示された起票者のメールアドレスであるIn-Reply-Toが登録される。なお、テーブルT6の起票元タスクログフラグ欄には、起票元である場合には「true」フラグが立ち、起票元でない場合「false」フラグが立つ。
Do画面管理部225(後述)は、ボード情報格納部214が格納するボード管理テーブル、タスク管理テーブル及びタスクログ管理テーブルを基に、利用者端末1の画面に表示させるDo画面を作成する。
ログ情報格納部215は、本システムを使用したときのユーザの認証結果、操作内容等を格納する。システム監査人は、監査時に、このログ情報格納部215に格納されているログを確認することで、誰がいつ何を変更したのか、不正な処理が行なわれていないかといった内容を把握することができる。
データ処理部22は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。例えば、データ処理部22は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。データ処理部22は、処理受付部221、認証処理部222、ボード管理部223、Plan画面管理部224、Do画面管理部225、See画面管理部226、メール処理部227及びログ出力部228を有する。
処理受付部221は、入出力インタフェースからなり、利用者端末1の操作によって入力された操作データを受信する。認証処理部222は、処理受付部221により利用者端末1のログインIDやパスワードなどの識別情報を受信した場合に、ユーザ情報格納部212に格納されたユーザ情報をもとに認証を行なう。
ボード管理部223は、運用管理者及びリーダが操作する利用者端末1からの操作データにしたがって、ボードを作成する。ボード管理部223は、例えば、図6のテーブルT4のように、「台風1号危機管理対応」のボードを作成し、該ボードに対して、ボードID「1」を付与し、ボード管理テーブルに登録する。
Plan画面管理部224は、データ格納部21に格納される情報をもとに、Plan画面に必要な情報を表示する。Plan画面管理部224は、Plan画面として、全体マネジメントを支援するためのプロセス、個々のプロセスで実施すべきチェックリスト、及び、危機管理におけるフェーズを示す。
図9は、風水害におけるプロセスを示す画面表示例を示す図である。風水害対応の場合には、利用者端末1の画面に、図9に示すプロセスが表示される。そして、図10は、フェーズ、「T1:平時、T0:解除」プロセスにおけるチェックリストの画面表示例を示す図である。図10のリストT7に示すように、「T1:平時、T0:解除」プロセスにおけるチェックリストとして、各番号「No」に、評価・チェックリスト及び対応組織が対応付けられたものが、利用者端末1の画面に表示される。
続いて、図11は、風水害におけるフェーズの画面表示例を示す図である。図11のテーブルT8に示すように、風水害におけるフェーズ画面として、発災前、発災後の各経過時間に応じた対応を示すフェーズ画面が、利用者端末1の画面に表示される。このPlan画面を確認することによって、運用管理者及びリーダは、その時点で誰が何をやるべきなのかを確認し、的確な指示を出せるようにしている。
Do画面管理部225は、データ格納部21に格納される情報をもとに、Do画面に表示されるボードを構成する情報として、タスク及びタスクログを保存する。Do画面管理部225は、利用者端末1のDo画面表示要求に応じて、風水害時における情報のやり取りを各タスクIDに対応付けたDo画面を作成し、利用者端末1の画面に表示させる。そして、Do画面管理部225によって利用者端末1の画面に表示されたDo画面を確認することによって、運用管理者及びリーダは、風水害の対応状態を認識することができる。
図12は、風水害時における情報のやり取りの画面表示例を示す図である。図12の画面T9に示すように、Do画面管理部225は、Do画面として、タスクID、優先度、状態、タスク名、更新日時、起票日時、送信側、受信側及び連絡内容等が対応付けられた画面が、利用者端末1の画面に表示される。例えば、画面T9に示すように、タスクID「360」のタスクは、タスク名が「土砂崩れ発生」である。そして、このタスクには、テーブルT6(図8参照)のタスクログID「622」〜「626」に示す5つのタスクログが関連付けられている。なお、タスクID「360」の優先度は、テーブルT5(図7参照)のタスク管理テーブルから取得されたものである。
See画面管理部226は、例えば、Do画面で報告があった項目を集計した情報を加工してSee画面を作成し、該作成したSee画面を、利用者端末1の画面に表示させる。See画面管理部226は、例えば、See画面としてグラフや一覧表を作成する。図13は、風水害時における避難所状況確認結果の画面表示例である。図13の画面T10に示すように、See画面管理部226は、避難所状況として収集された情報を用いて、報告対象である各避難所の避難所状況を示す画面を、See画面として、利用者端末1の画面に表示させる。避難所状況は、状況及び食事、水、トイレ、入浴及び生活必需品の充足状態を示している。このようなSee画面は、収集された情報に基づき、運用管理者及びリーダが全体の状況を俯瞰するために使用される。
メール処理部227は、対応指示を含むメールの送信指示を受けた場合に送信対象の端末に対応状況及び対応指示を含むメールを送信するとともに、該送信した対応指示を、該対応指示が対応する対応業務の識別情報に対応付けた状態で危機対応情報に登録する。言い換えると、メール処理部227は、送信対象の利用者端末1に対し、タスクログをメール送信する。ユーザは、このメールを受信することによって、メール環境しか使えない場合であっても、危機対応の状況を把握することが可能になる。
或いは、メール処理部227は、或いは、危機対応情報に変更があった場合に変更内容を含むメールを送信対象の利用者端末1に送信してもよい。もちろん、メール処理部227は、定期的に、アラームメールとして、危機対応情報に関する情報を含むメールを送信対象の利用者端末1に送信してもよい。
また、メール処理部227は、利用者端末1から該利用者端末1のユーザの対応内容を含む返信メールを受信した場合に、対応内容を、該対応内容が対応する対応業務の識別情報に対応付けた状態で、データ格納部21が格納する危機対応情報に登録する。これによって、ユーザは、メール環境しか使えない場合であっても、危機管理マネジメントシステムサーバ2に迅速に報告を行うことができるため、危機管理マネジメントシステムサーバ2は、危機管理情報を一元管理することができる。
また、メール処理部227は、一つのタスクが完了した場合に、該タスクに関する組織に属する利用者端末1に、該タスクが完了した旨を示す完了メールを送信する。これによって、ユーザは、メール環境しか使えない場合であっても、タスクが完了したことを即座に把握することができる。
ログ出力部228は、危機管理マネジメントシステムサーバ2を使用した場合のユーザの認証結果、操作内容等を、ログ情報格納部215に格納する。
[メール処理部のメール送信処理]
次に、メール処理部227の処理について詳細に説明する。前述したように、メール処理部227は、送信対象のユーザが持つ利用者端末1に対し、タスクログをメールで送る。
メール処理部227では、起票者が誰であっても、メール対応ユーザが、起票元組織および送信先組織に含まれるユーザに対してメールを送るようにメール本文を作成し、メールサーバ3にメールを送信する。また、メール送信時には、Bcc(ブラインドコピー)でメール対応ユーザにメールを送信する。
図14は、風水害における送信メールの文面例を示す図である。この図14では、画面T9(図12参照)の領域R1に示す、タスクID「360」の起票日時「8/4 02:41」の連絡内容をメールで送信する指示をメール処理部227が受けた場合を例に説明する。この内容は、タスクログID「623」(図8のテーブルT6参照)に対応する。
図14に示すメールM1のように、メール処理部227は、画面T9の領域R1に示す内容を基に、「応急対策班」に属するユーザへ、ボード名「台風1号危機管理対応」、タスク名「土砂崩れ発生」、優先度「緊急」、連絡内容「付近の現地の状況確認をしてください。」としたメール本文を作成する。メール本文の後半には、返信時における対応内容等に関する記載欄を設け、ユーザが容易かつ適切に返信メールを作成できるようにしている。この場合、メール処理部227は、起票元組織「統括班」及び送信先組織「応急対策班」のユーザのメールアドレスを送信先アドレスとして設定する。
そして、メール処理部227は、ユーザが対応タスクを容易に認識できるように、このメールの件名として、<ボード名:タスク名>を入れる。言い換えると、メール処理部227は、対応業務の識別情報を件名として記載する。したがって、メール処理部227は、メールM1の件名として、ボード名である「台風1号危機管理対応」及びタスク名である「土砂崩れ発生」を入れる。メール処理部227は、例えば、図14に示す一定のフォーマットで送信メールを作成する。
続いて、メール処理部227は、作成したメールM1を、メールサーバ3を介して、送信対象の利用者端末1に送信する。この結果、メールしかない環境のユーザも、このメールを確認することによって、危機対応状態を認識することができる。
なお、メール対応ユーザは、ユーザからの返信メールを受信したときに、例えば、タスクログ管理テーブル(図8のテーブルT6参照)の内容と、メール本文中の連絡内容とのマッチングを取って、タスクログIDを特定する。その後、メール対応ユーザは、メールのヘッダに付くMessage-IDをタスクログ管理テーブルのカラムに書き込む。図15は、図14に示すメールM1に対する返信メールの文面例を示す図である。図15に示すメールM2のように、定型フォーマットのメールM1に対し、一定のフォーマットを用いてユーザからメールが返信された場合には、該メールM2の参照メール(メールM1)のMessage-IDがIn-Reply-Toに設定される。
[メール処理部による返信メールに対する処理]
次に、メール処理部227が、利用者端末1のユーザによる返信メールに対する処理について説明する。
まず、危機管理マネジメントシステムサーバ2が、図15に示す定型フォーマットを用いたメールM2を受信した場合の処理について説明する。この場合、メール処理部227は、返信メールのヘッダを見て、In-Reply-Toに設定されたMessage-IDを特定する。この場合には、Message-IDとして、送信元の「32ga3sg-poe4-ws323201mwl@foo.or.jp」を特定する。
ここで、前述のように、メールM2は、タスクログID「623」のメールに対する返信メールである。このタスクログID「623」のタスクIDは「360」であるため、メール処理部227は、このメールM2の内容に対応する新規タスクログIDとして「625」を登録し(図8のテーブルT6参照)、このタスクIDを「360」とする。そして、メール処理部227は、メール本文の連絡内容に記載している文章を基に、ボード名、タスク名、起票元組織、送信先組織、優先度、状態をそれぞれ登録する。
具体的には、メール処理部227は、ボード管理テーブル(図6のテーブルT4参照)、タスク管理テーブル(図7のテーブルT5参照)を参照し、メールM2記載のボード名「台風1号危機管理対応」、タスク名「土砂崩れ発生」が、ボードID「1」及びタスクID「360」に対応することを認識する。
このとき、メール処理部227は、メールM2は、タスクログID「623」のメールに対する返信メールであるため、このメールM2の内容に対し、タスクID「360」に含まれる新規タスクログID「625」を登録する(図8のテーブルT6の領域R3参照)。そして、メール処理部227は、タスクログ管理テーブルのタスクログID「625」の内容欄に、メールM2の連絡内容「4:08市道△線は、土砂のため通行できません。住民安否は、消防団によると人的被害はないとのことです。」を登録する(図8のテーブルT6の領域R3参照)。また、メール処理部227は、タスクログID「625」の起票元組織欄にメールM2に記載の「応急対策班」を登録する(図8のテーブルT6の領域R3参照)。そして、メール処理部227は、タスクログを出力する。
続いて、メール処理部227は、メールM2のFrom欄のメールアドレス「takahashi.hideo@foo.or.jp」からユーザアカウント管理テーブル(図4のテーブルT2参照)を参照し、起票者情報として「高橋 英夫」を設定する(図8のテーブルT6の領域R3参照)。その後、メール処理部227は、メールのヘッダに記載されているMessage-ID「32ga3sg-poe4-ws323201mwl@foo.or.jp」とIn-Reply-To「EG2LOI8ANOM5432WGS@foo.or.jp」とをタスクログ管理テーブル(図8のテーブルT6の領域R3参照)に設定する。なお、起票元タスクログフラグは、From欄のメールアドレスが、メール対応ユーザでないため、「false」となる(詳細は、インターネットメッセージフォーマット RFC5322、[online]、[平成28年10月17日検索]、インターネット<URL:http://srgia.com/docs/rfc5322j.html参照>)。
次に、新規タスク立ち上げが必要となる返信メールを利用者端末1から受信した場合のメール処理部227の処理について説明する。具体的には、メールでのやり取りしかできないような環境において、新規のタスクを立ち上げる場合である。例えば、風水害で見回りをしていた応急対策班の人が、土手が破れて川の水が道路にあふれているのを発見した場合を例に説明する。
図16は、ユーザからのメールの文面例の他の例を示す図である。図16に示すメールM3は、定型フォーマットにしたがってメールが記載されている。この場合、メール処理部227は、文面を解釈し、ボード名から登録すべきボードを特定する。この場合は、ボード名として「台風1号危機管理対応」が記載されており、登録すべきボードが、ボードID「1」であることが特定できる。そして、このメールM3は、新規タスク立ち上げのためのものであるため、メールにはIn-Reply-To欄が記載されていない。メール処理部227は、このメールM3が示す内容を、新規タスクとしてボードに登録する。図16の例ではタスク名が空欄になっているため、メール処理部227は、空欄のまま新規タスクを登録し、システム上でタスク名を記載する。或いは、メール処理部227は、連絡内容の文章の先頭から数文字をタスク名として登録してもよい。
図17は、ユーザからのメールの文面例の他の例を示す図である。図17に示すメールM4は、非定型フォーマットで記載されている。この場合、登録するボードが記載されていないため、メール処理部227は、ボード管理部223に問い合わせて、各々のボードを作成した組織に属する運用管理者およびリーダ権限を持つユーザの情報を取得する。そして、メール処理部227は、運用管理者およびリーダ権限を持つユーザに対して、新規タスクが来たことを通知し、新規タスクに対応するメールM4の登録指示の依頼を送信する。
図18は、風水害における登録指示依頼の画面例を示す図である。メール処理部227は、図18に示す画面M5を作成し、運用管理者およびリーダ権限を持つユーザの利用者端末1の画面に表示させる。例えば、本危機管理マネジメントシステムサーバ2にアクセスし、登録指示画面を確認するよう依頼するメールを、運用管理者およびリーダ権限を持つユーザの利用者端末1に送信してもよい。また、この画面M5のURLを本文中に記載したメールを、運用管理者およびリーダ権限を持つユーザの利用者端末1に送信し、ユーザが、このメールのURLをクリックすると、画面M5に接続できるようにしてもよい。
画面M5では、登録指示の依頼内容となる連絡内容と、起票元組織とを示す。そして、そして、画面M5では、ボード名、タスク名、送信先組織、優先度、状態のそれぞれが、選択可能に表示される(画面M5の白抜き欄)。
ここで、ボードは危機管理の事象により作成されるため、同じ時期に類似の内容のボードが作成されることは考えにくい。そのため、メール処理部227は、複数のボードが作成されていたとしても、ボード管理テーブル(図6のテーブルT4参照)を基に、新規タスクに対して該当するボードを、特定することができる。メール処理部227は、特定したボードを画面M5のボード名欄に示す。そして、メール処理部227は、メール起票者が所属する組織を、組織情報格納部211及びユーザ情報格納部212から特定し、起票元組織として設定する。メール処理部227は、特定した起票元組織を画面M5の起票元組織欄に示す。
そして、該当する組織の運用管理者またはリーダは、自身が有する利用者端末1を操作し、表示された画面M5の、ボード名、タスク名、送信先組織、優先度を記載、或いは、選択し、登録ボタンを押下することで、図17のメールM4を新規タスクとして登録する。実際には、メール処理部227は、運用管理者またはリーダが有する利用者端末1から、ボード名、タスク名、送信先組織、優先度を記載、或いは、選択する情報を登録内容として受信し、新規タスクとしてボードに登録する。新規タスクログIDの設定、タスクログ登録、起票者情報の設定及びタスクログ管理テーブルへのメールアドレス設定は、前述したものと同様である。
また、メール処理部227は、新規タスクに限らず、定型フォーマットを使わずにメールで報告があった場合も同様の処理を行う。図19は、風水害における登録指示依頼の画面例の他の例を示す図である。メール処理部227は、この場合も、同様に、各々のボードを作成した組織に属する運用管理者およびリーダ権限を持つユーザの利用者端末1に、図19の画面M6に例示する登録指示画面を表示させる。
この場合、運用管理者またはリーダは、画面M6を用いて、ボード名やタスク名、送信先組織、優先度に加えて、状態や関連するタスクのIDを記載、或いは、選択して登録することによって、該当するタスクをタスクログとして登録することができる。
言い換えると、メール処理部227は、返信メールに対応業務の識別情報が記載されていない場合には、組織の責任者である運用管理者およびリーダ権限を持つユーザが有する利用者端末1に対し、返信メールの内容とともに、返信メールに対応する対応業務の識別情報を含む危機対応情報への登録内容の指示依頼を送信する。そして、メール処理部227は、運用管理者およびリーダ権限を持つユーザが有する利用者端末1から返信された指示内容にしたがって危機対応情報への登録を行う。
なお、上記では、画面M5,M6を表示する相手として、「各々のボードを作成した組織に属する運用管理者およびリーダ権限を持つユーザ」と記載したが、これに限られるものではなく、あくまでも一例である。危機管理に対応する方針により、誰でも対応できるようにするために、メール処理部227は、「メール起票者が属する組織のユーザ全員」の全利用者端末1に対して画面M5,M6を表示させてもよい。或いは、組織で責任を持つ方針に則るのであれば、メール処理部227は、「メール起票者が属する組織の、運用管理者およびリーダ権限を持つユーザ」の全利用者端末1に対して画面M5,M6を表示することで、危機対応は可能となる。
[タスク完了時におけるメール処理部の処理]
次に、タスク完了時におけるメール処理部227の処理について説明する。タスクを完了させる場合は、タスクの起票者もしくは起票者が所属する組織が、状態を変更(図19の画面M6の「状態」を「完了」に変更)する。この登録内容を受信することによって、メール処理部227は、このタスクが完了したことを、データ格納部21の対応データに登録する。続いて、メール処理部227は、このタスク全体に関わった組織に属するユーザの全利用者端末1に対して、タスク完了メールを送信する。タスク完了メールには、完了したタスクの識別情報、及び、該タスクが完了した旨が記載される。
なお、メール本文で、「状態」が「完了」と書かれていたとしても、メールの起票者の所属組織が、タスクの起票組織と一致しない場合は、メール処理部227は、データ格納部21の対応データに対して、「状態」を変更しないようにする。また、「状態」が「完了」となったタスクに対し、ユーザがタスク登録のためのメールを出しても、このメールの内容は、データ格納部21の対応データに登録されない。メール処理部227は、タスク完了メール送信後に該タスクに対する返信メールを受信した場合、何もメール返信しないとしてもよいし、自動で「このタスクは完了しました」というメールを再度送って、送信者に状態を再認識させ、別のタスクを遂行させてもよい。
また、危機管理マネジメントシステムサーバ2では、タスクがスケジュール、チェックリスト、ホワイトボードなどに置き換わったとしても、メールで内容を通知するという処理内容は同じである。危機管理マネジメントシステムサーバ2は、Plan画面の情報共有の場合には、Do画面のタスクとして表示してもよいし、表示しないようにしてもよい。Plan画面にある内容を情報共有する場合、Do画面のタスクの内容として、会議開催通知、やるべき項目のチェックリスト、あるいはホワイトボードに記述された内容(画面キャプチャ、あるいはすべての履歴を保存していた場合は、表示したい時間情報とホワイトボードの場所の提供等)などが記述されることになる。
[メール送信処理の処理手順]
次に、メール処理部227によるメール送信処理の処理手順について説明する。図20は、図2に示すメール処理部227によるメール送信処理の処理手順を示すフローチャートである。
図20に示すように、メール処理部227は、タスクログのメール送信の指示を受けると(ステップS1)、まず、危機管理情報であるデータ格納部21の各データを参照する(ステップS2)。起票元組織及び送信先組織に含まれるユーザをメールの送信先に設定する(ステップS3)。そして、メール処理部227は、メールの件名として、<ボード名:タスク名>を入れる(ステップS4)。続いて、メール処理部227は、送信を指示された連絡内容を含むメール本文を作成する(ステップS5)。この場合、メール処理部227は、例えば、図14のメールM1で示す定型フォーマットにしたがって、メール本文を作成する。そして、メール処理部227は、作成したメールを、送信対象の利用者端末1に送信して(ステップS6)、処理を終了する。なお、メール処理部227は、送信された連絡内容(対応指示)を、該対応指示が対応するタスクIDに対応付けた状態で危機対応情報に登録する。
[返信メールに対する処理の処理手順]
次に、メール処理部227による、利用者端末1による返信メールに対する処理の処理手順について説明する。図21は、図2に示すメール処理部227による、利用者端末1による返信メールに対する処理の処理手順を示すフローチャートである。メール処理部227は、利用者端末1による返信メールを受信すると(ステップS11)、この返信メールが非定型フォーマットか否かを判断する(ステップS12)。
メール処理部227は、返信メールが非定型フォーマットであると判断した場合(ステップS12:Yes)、返信メールに、登録するボードが記載されていないため、ボード管理部223に問い合わせを行う(ステップS13)。
そして、メール処理部227は、各々のボードを作成した組織に属する運用管理者およびリーダ権限を持つユーザの情報を取得する(ステップS14)。続いて、メール処理部227は、運用管理者およびリーダ権限を持つユーザの利用者端末1に対して、ボード不明のタスクが来たことを通知し、該タスクの登録指示の依頼を送信する(ステップS15)。具体的には、メール処理部227は、図18に示す画面M5或いは図19に示す画面M6を、運用管理者およびリーダ権限を持つユーザの利用者端末1に表示させる。続いて、メール処理部227は、運用管理者またはリーダが有する利用者端末1から、登録内容を受信する(ステップS16)。登録内容は、ボード名、タスク名、送信先組織、優先度等である。
一方、メール処理部227は、返信メールが非定型フォーマットでなく定型フォーマットであると判断した場合(ステップS12:No)、この返信メールのIn-Reply-To欄が記載されているか否かを判断する(ステップS17)。メール処理部227は、返信メールのIn-Reply-To欄が記載されてないと判断した場合には(ステップS17:No)、この返信メールの文面を解釈し(ステップS18)、ボード名から登録先のボードを特定する(ステップS19)。
そして、メール処理部227は、ステップS16終了後、または、ステップS19終了後、返信メールが新規タスクに対応するものであるかを判断する(ステップS20)。メール処理部227は、返信メールが新規タスクに対応するものであると判断した場合(ステップS20:Yes)、新規タスクとしてボードに登録する(ステップS21)。
そして、メール処理部227は、ステップS21終了後、または、返信メールのIn-Reply-To欄が記載されていると判断した場合(ステップS17:Yes)、または、返信メールが新規タスクに対応するものでないと判断した場合(ステップS20:No)、この返信メールの内容に対して、新規タスクログIDを設定する(ステップS22)。続いて、メール処理部227は、この返信メールの内容、及び、運用管理者またはリーダが有する利用者端末1から指示された登録内容を、対応するタスクログに登録し(ステップS23)、タスクログを出力する(ステップS24)。
そして、メール処理部227は、返信メールのFrom欄のメールアドレスと、ユーザアカウント管理テーブル(図4のテーブルT2参照)とを基に、起票者情報を設定する(ステップS25)。続いて、メール処理部227は、返信メールのヘッダの記載内容をタスクログ管理テーブル(図8のテーブルT6の領域R3参照)に設定し(ステップS26)、処理を終了する。
[タスク完了時における処理の処理手順]
図22は、図2に示すメール処理部227のタスク完了時における処理手順を示すフローチャートである。図22に示すように、メール処理部227は、タスクの状態が完了した場合には(ステップS31)、このタスク全体に関わった組織に属するユーザの全利用者端末1に対して、このタスクが完了したことを示したタスク完了メールを送信する(ステップS32)。
また、メール処理部227は、状態が完了となったタスクに対して返信メールを受信したか否かを判断する(ステップS33)。メール処理部227は、タスク完了メール送信後に該タスクに対する返信メールを受信したと判断した場合には(ステップS33:Yes)、タスク完了メールを、該返信メールの送信元に再送信する(ステップS34)。また、メール処理部227は、タスク完了メール送信後に該タスクに対する返信メールを受信していないと判断した場合には(ステップS33:No)、処理を終了する。
[本実施の形態の効果]
本実施の形態に係る危機管理マネジメントシステムサーバ2は、送信対象の利用者端末1に対し、タスクログをメール送信する。すなわち、危機管理マネジメントシステムサーバ2は、危機対応計画の内容や現在の状況を、担当者にメールで送ることができるようにしている。したがって、対応の担当者は、メール環境しか使えない場合であっても、このメールを受信することによって、危機対応の状況等を把握することが可能になる。この結果、本実施の形態によれば、メール環境しか使用できない担当者がいる場合であっても、このメールを受信することによって、危機対応計画を把握でき、今後の対応の進め方に対する指標を立てることができる。
また、メール処理部227は、利用者端末1から該利用者端末1のユーザが実行した対応内容を示した返信メールを受信した場合には、返信メールに示された対応内容を、データ格納部21が格納する危機対応情報に登録する。言い換えると、ユーザは、メール環境しか使えない場合であっても、危機管理マネジメントシステムサーバ2に迅速にメールで報告を行うことができる。そして、危機管理マネジメントシステムサーバ2は、ユーザによる返信メールに示された内容を危機管理情報に登録することによって、危機管理情報を適切に一元管理することができる。
また、メール処理部227は、一つのタスクが完了した場合に、該タスクに関する組織に属する利用者端末1に、該タスクが完了した旨を示す完了メールを送信する。これによって、ユーザは、メール環境しか使えない場合であっても、タスクが完了したことを即座に把握することができる。すなわち、本実施の形態によれば、メール環境さえ使用することができれば、担当者に、やるべきことを連絡でき、かつ現状報告も行なえる。言い換えると、完了したタスクについては、その旨通知が来るので、担当者は状況が把握でき、次にやるべきことに取り掛かることができる。また、本実施の形態では、危機管理マネジメントシステムサーバ2が、メールからの情報も一元管理するため、対応を指揮している人は、全体の状況を容易に把握でき、次にやるべきことの指示が的確に出せるようになる。
具体的には、危機管理マネジメントシステム100では、危機対応に対する計画を立案し、それをPlan画面として提示する。危機管理室は、各プロセスにおけるチェックリストに従って具体的なタスクを作成し、タスクに対する情報収集や調査結果を報告するように、各担当者に指示を出している。本危機管理マネジメントシステム100では、Do画面に掲示板を用意し、そこでタスクに関するやり取りが行なわれる。
このようなシステムにおいて、危機管理マネジメントシステムサーバ2では、システムにログインできない担当者がいる場合を考慮し、登録されている担当者に対してはメールでもやり取りを可能とした。また、担当者から、ある依頼に対する返信メールがあった場合、危機管理マネジメントシステム100のDo画面で表示するときには、どの依頼に対する返信であるかが分かるようにするために、依頼内容に加え、タスクの状態も合わせて担当者にメールを送る。これによって、本実施の形態では、通信手段がメールしかない環境においても、ユーザによる進捗状況の判別を可能とする。
また、Plan画面には、会議などの今後のスケジュールやチェックリスト、ホワイトボードなどが提供されている。危機管理マネジメントシステムサーバ2では、例えば、スケジュールであれば、関係者に開始時間をメールなどで通知することで、遠隔からの会議参加を促すことができるようになる。ここで、危機管理マネジメントシステムサーバ2では、ホワイトボードについて、共有したいタイミングで画像キャプチャを取る、或いは、時系列に記載された内容を保存し、遠隔にいるユーザ等には、メールで通知することによって、ある特定の時間の情報を共有することができるようになる。したがって、本実施の形態では、ホワイトボードの内容を、ユーザは、システムにログインしなくても共有できる。また、本実施の形態では、ホワイトボードの内容は、時間情報と併せてDo画面に保存されるため、ユーザは、その時に何が情報として挙がっていたのかを、のちの振り返り時にでも把握できる。
すなわち、本危機管理マネジメントシステムサーバ2は、災害に対処するために、様々なタスクが発生し、その進捗状況については、掲示板で報告がなされる。危機管理マネジメントシステムサーバ2では、各々のタスクの進捗状況などを含む現在の状態や優先順位といった項目を、投稿者が意識しなくても自動的に付与することで、掲示板を見ることができないメール使用者にもタスクの状況が分かるようにする。そして、危機管理マネジメントシステムサーバ2では、メールでやり取りしたものも、掲示板上のタスクの報告として追記されるため、掲示板で情報を共有する人も、すべてのやり取りを閲覧できる。また、本危機管理マネジメントシステムサーバ2では、タスクの状態が変更された場合、自動的にメールを送るようにすることで、メール使用者にも状態を容易に把握できる機能を提供する。
また、本危機管理マネジメントシステムサーバ2では、タスク以外の会議開催時間、やるべき項目のチェックリストやシステムが用意するホワイトボードの画面キャプチャや過去の履歴から特定の時間の記述内容などをメールで通知することによって、様々なツールを連携させて情報共有する機能を提供することができる。
したがって、本実施の形態によれば、どのツールを使用しても危機対応情報の一元管理及び情報の共有が可能である。
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
[プログラム]
図23は、プログラムが実行されることにより、危機管理マネジメントシステムサーバ2が実現されるコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、危機管理マネジメントシステムサーバ2の各処理を規定するプログラムは、コンピュータ1000により実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、危機管理マネジメントシステムサーバ2における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
また、上述した実施の形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して実行する。
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN、WAN等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。