JP6487082B1 - 車椅子兼用エレベータの制御システムおよび制御方法 - Google Patents

車椅子兼用エレベータの制御システムおよび制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車椅子利用者の安全性向上とスムーズな運行とを両立できる車椅子兼用エレベータの制御システムおよび制御方法を提供する。【解決手段】実施形態の車椅子兼用エレベータの制御システムは、カメラと、映像解析装置と、制御装置と、を備える。カメラは、乗りかごのドア付近から乗場の方向に向けて所定範囲を撮影可能である。映像解析装置は、カメラにより撮影された映像を解析して、乗場に乗車意思のある乗客がいるか否かを判定し、乗車意思のある乗客がいると判定した場合、さらに、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいるか否かを判定する。制御装置は、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいないと判定されたにも関わらず乗りかご内で車椅子専用呼びボタンが操作された場合に、該操作に応じた車椅子呼びを一般呼びに変更して登録し、車椅子用制御を行わない。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、車椅子兼用エレベータの制御システムおよび制御方法に関する。
車椅子兼用エレベータは、乗りかご内に車椅子専用呼びボタンと一般呼びボタンとが設けられ、車椅子専用呼びボタンが操作されると該操作に応じた車椅子呼びを登録し、登録された車椅子呼びの行先階に乗りかごが到着する際に車椅子用制御を行う。車椅子用制御は、例えば、行先階における乗りかごのドアの開放時間を長くする戸開延長制御や、行先階で乗りかごが完全に停止してからドアを開放させる停止戸開制御などを含む。これにより、車椅子利用者が乗りかごから降りる際の安全性を高めることができる。
しかし、実際には、車椅子利用者ではない一般の乗客が、乗りかご内に設けられた車椅子専用呼びボタンを操作する場合もある。この場合、車椅子呼びの行先階で車椅子利用者が降りないにも関わらず車椅子用制御が行われ、スムーズな運行の妨げとなる。このため、車椅子専用呼びボタンの操作が車椅子利用者によるものであった場合のみ車椅子用制御を行うことで、車椅子利用者の安全性向上とスムーズな運行とを両立できるようにすることが望まれている。
特開2010−184796号公報 特許第6092433号公報
本発明が解決しようとする課題は、車椅子利用者の安全性向上とスムーズな運行とを両立できる車椅子兼用エレベータの制御システムおよび制御方法を提供することである。
実施形態の制御システムは、乗りかご内に車椅子専用呼びボタンと一般呼びボタンとが設けられ、車椅子専用呼びボタンが操作されると該操作に応じた車椅子呼びを登録し、登録された車椅子呼びの行先階に前記乗りかごが到着する際に車椅子用制御を行う車椅子兼用エレベータの制御システムであって、カメラと、映像解析装置と、制御装置と、を備える。カメラは、前記乗りかごのドア付近から乗場の方向に向けて所定範囲を撮影可能である。映像解析装置は、前記カメラにより撮影された映像を解析して、前記乗場に乗車意思のある乗客がいるか否かを判定し、乗車意思のある乗客がいると判定した場合、さらに、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいるか否かを判定する。制御装置は、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいないと判定されたにも関わらず前記乗りかご内で前記車椅子専用呼びボタンが操作された場合に、該操作に応じた車椅子呼びを前記一般呼びボタンが操作された場合と同様の一般呼びに変更して登録し、前記車椅子用制御を行わない。
図1は、実施形態に係る車椅子兼用エレベータの制御システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、車椅子兼用エレベータの乗りかごの内部を示す図である。 図3は、映像解析装置の動作例を示すフローチャートである。 図4は、呼び登録の手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、車椅子呼びの行先階に到着したときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、実施形態の車椅子兼用エレベータの制御システムおよび制御方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、乗りかご内に設けられた車椅子専用呼びボタンの操作が車椅子利用者によるものであった場合のみ車椅子用制御を行うことで、車椅子利用者の安全性向上とスムーズな運行とを両立できるようにしたものである。
本実施形態では、乗りかご内に設けられた車椅子専用呼びボタンの操作が車椅子利用者によるものか、車椅子利用者ではない一般の乗客によるものかを判定するために、特許文献2に開示される乗車検知技術を応用する。特許文献2に開示される乗車検知技術は、乗りかごが乗場に到着したときに、乗りかごに設置したカメラで乗りかごのドア付近から乗場の方向に向けて所定の範囲を撮影し、このカメラにより撮影した映像を解析して乗車意思のある乗客の有無を検知し、乗車意思のある乗客を検知した場合に乗りかごのドアの開放を維持したり、閉じかけのドアを再度開放したりといった制御を行うものである。
本実施形態では、この技術を応用し、乗場に乗車意思のある乗客がいると判定した場合に、さらに、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいるか否かを判定する。そして、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいないと判定されたにも関わらず乗りかご内で車椅子専用呼びボタンが操作された場合は、この車椅子専用呼びボタンの操作は車椅子利用者ではなく一般の乗客によるものと判断し、この車椅子専用呼びボタンの操作に応じた車椅子呼びを一般呼びに変更して登録する。そして、この車椅子専用呼びボタンで指定された行先階に乗りかごが到着する際には、車椅子用制御を行わないようにする。
図1は、本実施形態に係る車椅子兼用エレベータの制御システム1の構成例を示すブロック図であり、図2は、車椅子兼用エレベータの乗りかご10の内部を示す図である。本実施形態に係る制御システム1は、図1に示すように、カメラ2と、映像解析装置3と、車椅子専用かご操作盤4と、一般かご操作盤5と、エレベータ制御盤(制御装置)6と、音声案内装置7とを備える。
カメラ2は、例えば図2に示すように、乗りかご10の出入口上部の幕板11の中に、レンズ部分を乗場に向けた状態で設置される。カメラ2は、乗りかご10が各階に到着してドア12が開放されたときに、乗りかご10のドア12付近から乗場の方向に向けて所定範囲を撮影する。カメラ2により撮影された映像は、映像解析装置3に送られる。
映像解析装置3は、カメラ2により撮影された映像を解析し、乗場に乗車意思のある乗客がいるか否かを判定する。また、この映像解析装置3は、乗車意思のある乗客がいると判定した場合に、さらに、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいるか否かを判定する。車椅子利用者については、例えば、カメラ2により撮影された映像を解析して、車椅子の車輪、車椅子を動作させるために両手で車輪を進めるなどの動き、一般の乗客の歩き方とは異なるスムーズな動きなど、車椅子利用者の特徴を認識することにより検知できる。なお、乗車意思のある乗客がいるか否かを判定する方法は特許文献2に詳しく記載されているため、ここでは説明を省略する。
映像解析装置3がカメラ2により撮影された映像を解析した結果、乗車意思のある乗客がいると判定した場合は、映像解析装置3からエレベータ制御盤6に対して乗客検知信号が送信される。また、映像解析装置3は、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいると判定した場合は、車椅子検知信号をエレベータ制御盤6に送信する。
また、映像解析装置3は、乗りかご10が到着した乗場が車椅子呼びの行先階の乗場である場合は、カメラ2により撮影された映像を解析することで、さらに、乗りかご10から車椅子利用者が降りたか否かを判定する。そして、乗りかご10から車椅子利用者が降りた場合は、車椅子降車検知信号をエレベータ制御盤6に送信する。
車椅子専用かご操作盤4は、例えば図2に示すように、乗りかご10の側壁13の比較的低い位置など、乗りかご10内に乗り込んだ車椅子利用者が操作し易い位置に設置される。この車椅子専用かご操作盤4は、行先階ごとの車椅子専用呼びボタン4Aを有し、いずれかの車椅子専用呼びボタン4Aが操作されると、行先階を指定した車椅子呼び信号をエレベータ制御盤6に送信する。
一般かご操作盤5は、例えば図2に示すように、乗りかご10の袖壁14の比較的高い位置など、乗りかご10内に乗り込んだ一般の乗客(車椅子利用者ではない乗客)が操作し易い位置に設置される。この一般かご操作盤5は、行先階ごとの一般呼びボタン5Aを有し、いずれかの一般呼びボタン5Aが操作されると、行先階を指定した一般呼び信号をエレベータ制御盤6に送信する。
エレベータ制御盤6は、車椅子兼用エレベータの各種の動作を制御する。例えばエレベータ制御盤6は、乗りかご10のドア12の開閉動作を制御する。エレベータ制御盤6は、乗りかご10が乗場に到着するとドア12を開放し、短めに設定した所定のドア開放時間が経過するとドア12を閉じるように制御するが、映像解析装置3から乗客検知信号を受信した場合は、ドア12の開放を維持する。また、エレベータ制御盤6は、ドア開放時間が経過してドア12の閉動作が開始された後、ドア12が完全に閉じて乗りかご10が出発するまでの間に映像解析装置3から乗客検知信号を受信した場合は、ドア12を再度開放する。
また、エレベータ制御盤6は、乗りかご10内で一般呼びボタン5Aが操作され、一般かご操作盤5から行先階を指定した一般呼び信号を受信した場合や、乗りかご10内で車椅子専用呼びボタン4Aが操作され、車椅子専用かご操作盤4から行先階を指定した車椅子呼び信号を受信した場合、これらの操作に応じた一般呼びや車椅子呼びを登録し、登録した一般呼びや車椅子呼びの行先階に乗りかご10が到着するように、乗りかご10の昇降動作を制御する。また、エレベータ制御盤6は、登録された車椅子呼びの行先階に乗りかご10が到着する際に車椅子用制御を行うことで、車椅子利用者の安全性を向上させる。
ここで、特に本実施形態のエレベータ制御盤6は、車椅子専用かご操作盤4から車椅子呼び信号を受信したときに、車椅子呼びをそのまま登録するか、車椅子呼びを一般呼びに変更して登録するかを判断するために、上述の車椅子検知信号を利用する。例えばエレベータ制御盤6は、車椅子利用者が乗りかご10に乗り込んだか否かを示す車椅子乗車フラグを保持し、映像解析装置3から車椅子検知信号を受信すると、この車椅子乗車フラグをオフ(例えば0)からオン(例えば1)に切り替える。その後、車椅子専用かご操作盤4から車椅子呼び信号を受信した場合、エレベータ制御盤6は、車椅子乗車フラグがオンであれば、車椅子専用呼びボタン4Aの操作に応じた車椅子呼びをそのまま登録し、車椅子乗車フラグがオフであれば、車椅子専用呼びボタン4Aの操作に応じた車椅子呼びを一般呼びに変更して登録する。つまり、エレベータ制御盤6は、映像解析装置3によって乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいないと判定されたにも関わらず、乗りかご10内で車椅子専用呼びボタン4Aが操作された場合は、この車椅子専用呼びボタン4Aの操作は車椅子利用者ではなく一般の乗客によるものと判断し、この車椅子専用呼びボタン4Aの操作に応じた車椅子呼びを一般呼びに変更して登録する。これにより、一般の乗客が車椅子専用呼びボタン4Aを操作した場合に無駄な車椅子用制御を行わないようにして、スムーズな運行を実現できる。
また、エレベータ制御盤6は、映像解析装置3から車椅子検知信号を受信して車椅子乗車フラグをオフからオンに切り替えたにも関わらず、その後、車椅子専用かご操作盤4からの車椅子呼び信号を受信しない場合は、すでに登録されている呼びの種類を確認する。そして、すでに登録されている呼びが一般呼びのみであり、車椅子呼びが登録されていない場合、エレベータ制御盤6は、すでに登録されている一般呼びを車椅子呼びに変更する。
車椅子専用かご操作盤4や一般かご操作盤5は、呼びが登録された行先階をその行先階に対応する車椅子専用呼びボタン4Aや一般呼びボタン5Aの点灯により乗りかご10内の乗客に示す構成が一般的である。この場合、乗りかご10に乗り込んだ車椅子利用者の行先階に対応する車椅子専用呼びボタン4Aや一般呼びボタン5Aが点灯していると、車椅子利用者が車椅子専用呼びボタン4Aを操作しないことも想定される。ここで、車椅子利用者の行先階が車椅子呼びとして登録されていれば、車椅子利用者の行先階に乗りかご10が到着する際に車椅子用制御が行われるが、一般の乗客による車椅子専用呼びボタン4Aの操作による車椅子呼びが一般呼びに変更されて登録されている場合や、一般呼びボタン5Aの操作による一般呼びのみが登録されている場合は、車椅子利用者の行先階に乗りかご10が到着する際に車椅子用制御が行われなくなる。そこで、エレベータ制御盤6は、車椅子乗車フラグをオフからオンに切り替えた後、車椅子専用かご操作盤4からの車椅子呼び信号を受信しない場合に、すでに登録されている呼びが一般呼びのみであれば、すでに登録されている一般呼びを車椅子呼びに変更することで、車椅子呼びの行先階に乗りかご10が到着する際に、車椅子用制御が行われるようにする。
また、エレベータ制御盤6は、車椅子呼びの行先階に乗りかご10が到着した後、映像解析装置3から車椅子降車検知信号を受信すると、車椅子呼びの行先階で車椅子利用者が乗りかご10から降りたものと判断する。そして、エレベータ制御盤6は、乗りかご10から車椅子利用者が降りて、乗りかご10内に車椅子利用者がいないにも関わらず車椅子呼びの登録が残っている場合には、登録されている車椅子呼びを一般呼びに変更する。これにより、登録されている一般呼びを車椅子呼びに変更した場合であっても、車椅子利用者が降りない行先階で車椅子用制御が行われないようにして、スムーズな運行を実現できる。
本実施形態では、車椅子呼びの行先階に乗りかご10が到着する際に行う車椅子用制御として、行先階におけるドア開放時間を長くする戸開延長制御と、行先階で乗りかご10が完全に停止してからドア12を開放させる停止戸開制御とを想定する。ただし、車椅子用制御は、これら戸開延長制御と停止戸開制御のいずれか一方であってもよいし、他の制御を含んでいてもよい。例えば、乗りかご10の出入口と対向する壁に設置されたミラーに映像を表示する機能を持つ場合、車椅子呼びの行先階に乗りかご10が到着する際に、この機能を停止させる制御を車椅子用制御として行うようにしてもよい。
また、乗りかご10内に複数の車椅子利用者がいる場合、車椅子用制御として行う戸開延長制御は、車椅子呼びの行先階で降りる車椅子利用者の数に応じてドア開放時間の延長時間を可変としてもよい。例えば、車椅子呼びの行先階で降りる車椅子利用者が2名であれば、1名の場合の2倍の長さの延長時間でドア開放時間を長くする。車椅子呼びの行先階で降りる車椅子利用者の数は、例えば、映像解析装置3により判定された車椅子利用者の数と登録された車椅子呼びの数とから推定できる。
音声案内装置7は、例えば図2に示すように乗りかご10に設置されたスピーカ7Aを用いて、乗りかご10内の乗客に向けた各種の音声案内を行う。例えば、音声案内装置7は、車椅子乗車フラグがオンの状態で車椅子専用呼びボタン4Aが操作され、この操作に応じた車椅子呼びが登録された場合は、その車椅子呼びの行先階において車椅子用制御を行うことを、乗りかご10内で音声案内する。また、音声案内装置7は、車椅子乗車フラグがオフの状態で車椅子専用呼びボタン4Aが操作され、この操作に応じた車椅子呼びが一般呼びに変更されて登録された場合は、その呼びの行先階において車椅子用制御を行わないことを、乗りかご10内で音声案内する。
また、音声案内装置7は、その他の様々な音声案内を行うように構成されていてもよい。例えば、音声案内装置7は、上述の車椅子用制御の一つとして、登録された車椅子呼びの行先階に乗りかご10が近づいたときに、「車椅子利用者が降ります。ドアの前をあけてください」といった音声をスピーカ7Aから出力させるようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る車椅子兼用エレベータの制御システムの主要な動作について、図3乃至図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、図3を参照し、乗りかご10が乗場に到着してドア12が開放されたときの映像解析装置3の動作を説明する。図3は、映像解析装置3の動作例を示すフローチャートである。
乗りかご10が乗場に到着してドア12が開放されると、映像解析装置3は、カメラ2から送られる映像を解析し(ステップS101)、乗場に乗車意思のある乗客がいるか否かを判定する(ステップS102)。そして、乗車意思のある乗客がいると判定した場合(ステップS102:Yes)、映像解析装置3は乗車検知信号をエレベータ制御盤6に送信し(ステップS103)、さらに、乗車意思のある乗客が車椅子利用者であるか否かを判定する(ステップS104)。そして、乗車意思のある乗客が車椅子利用者であれば(ステップS104:Yes)、映像解析装置3は車椅子検知信号をエレベータ制御盤6に送信する(ステップS105)。
なお、乗車意思のある乗客が検知されない場合は(ステップS102:No)、そのままステップS106に進み、乗車意思のある乗客が車椅子利用者でない場合は(ステップS104:No)、車椅子検知信号が送信されずにステップS106に進む。その後、ステップS106において、乗りかご10のドア12が閉じられていなければ(ステップS106:No)、ステップS101に戻って以降の処理が繰り返される。そして、乗りかご10のドア12が閉じられると(ステップS106:Yes)、一連の処理が終了する。
なお、図3のフローチャートでは図示していないが、映像解析装置3は、車椅子呼びの行先階の乗場で乗りかご10のドア12が開放されている間は、カメラ2から送られる映像を解析することで、乗りかご10から車椅子利用者が降りたか否かを判定する。そして、乗りかご10から車椅子利用者が降りた場合は、車椅子降車検知信号をエレベータ制御盤6に送信する。
また、エレベータ制御盤6は、上述したように、映像解析装置3からの乗客検知信号の有無に応じて、乗りかご10のドア12の開閉を制御する。すなわち、エレベータ制御盤6は、乗客検知信号を受信するとドア開放時間に関わらずドア12が開放された状態を維持し、ドア12の閉動作が開始された後に乗客検知信号を受信すると、ドア12を再度開放するように制御する。
次に、図4を参照し、乗りかご10内の乗客の操作に応じた呼び登録の手順について説明する。図4は、呼び登録の手順の一例を示すフローチャートである。
エレベータ制御盤6は、まず、映像解析装置3からの車椅子検知信号の受信を監視し(ステップS201)、車椅子検知信号を受信した場合(ステップS201:Yes)、車椅子乗車フラグをオンにする(ステップS202)。
その後、エレベータ制御盤6は、車椅子専用かご操作盤4からの車椅子呼び信号の受信や一般かご操作盤5からの一般呼び信号の受信を監視し(ステップS203、ステップS209)、車椅子呼び信号や一般呼び信号の受信の有無に応じて以降の処理を分岐する。
すなわち、エレベータ制御盤6は、車椅子専用かご操作盤4から車椅子呼び信号を受信した場合は(ステップS203:Yes)、車椅子乗車フラグがオンであるかオフであるかを確認し(ステップS204)、車椅子乗車フラグがオンであれば(ステップS204:Yes)、そのまま車椅子呼びを登録する(ステップS205)。この場合、登録した車椅子呼びの行先階に乗りかご10が到着する際に車椅子用制御が行われることが、音声案内装置7によって乗りかご10内で音声案内される(ステップS206)。
一方、車椅子乗車フラグがオフであれば(ステップS204:No)、エレベータ制御盤6は、車椅子呼びを一般呼びに変更して登録する(ステップS207)。この場合、登録された一般呼び、つまり車椅子呼びから変更された一般呼びの行先階に乗りかご10が到着する際に車椅子用制御が行われないことが、音声案内装置7によって乗りかご10内で音声案内される(ステップS208)。
また、エレベータ制御盤6は、一般かご操作盤5から一般呼び信号を受信した場合は(ステップS209:Yes)、一般呼びを登録する(ステップS210)。
また、エレベータ制御盤6は、車椅子専用かご操作盤4からの車椅子呼び信号も一般かご操作盤5からの一般呼び信号も受信しない場合は(ステップS203:No、ステップS209:No)、車椅子乗車フラグがオンであるかオフであるかを確認し(ステップS211)、車椅子乗車フラグがオンであれば(ステップS211:Yes)、さらに、その時点で登録されている呼びが一般呼びのみであるか否かを判定する(ステップS212)。そして、登録されている呼びが一般呼びのみであれば(ステップS212:Yes)、登録されている一般呼びを車椅子呼びに変更する(ステップS213)。この場合、一般呼びから変更された車椅子呼びの行先階に乗りかご10が到着する際に車椅子用制御が行われることが、音声案内装置7によって乗りかご10内で音声案内される(ステップS214)。
なお、ステップS211で車椅子乗車フラグがオフである場合(ステップS211:No)、ステップS212で車椅子呼びが登録されている場合は(ステップS212:No)、そのまま処理を終了する。
次に、図5を参照し、車椅子呼びの行先階に到着したときの処理手順について説明する。図5は、車椅子呼びの行先階に到着したときの処理手順の一例を示すフローチャートである。
乗りかご10が車椅子呼びの行先階に到着する際には、まず、上述の車椅子用制御が行われる(ステップS301)。このとき、エレベータ制御盤6は、映像解析装置3からの車椅子降車検知信号の受信を監視し(ステップS302)、車椅子降車検知信号を受信した場合(ステップS302:Yes)、車椅子呼びの登録が残っているか否かを確認する(ステップS303)。そして、車椅子呼びの登録が残っていれば(ステップS303:Yes)、この登録されている車椅子呼びを一般呼びに変更する(ステップS304)。この場合、車椅子呼びから変更された一般呼びの行先階に乗りかご10が到着する際に車椅子用制御が行われないことが、音声案内装置7によって乗りかご10内で音声案内される(ステップS305)。なお、映像解析装置3から車椅子降車検知信号を受信しない場合や(ステップS302:No)、車椅子呼びの登録が残っていない場合は(ステップS303:No)、そのまま処理を終了する。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態に係る車椅子兼用エレベータの制御システム1は、乗りかご10が乗場に到着するすると、カメラ2により撮影された映像を映像解析装置3により解析し、乗場に乗車意思のある乗客がいるか否か、乗車意思のある乗客がいると判定した場合は、さらに、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいるか否かを判定する。そして、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいないと判定されたにも関わらず乗りかご10内で車椅子専用呼びボタン4Aが操作された場合は、エレベータ制御盤6が、車椅子呼びを一般呼びに変更して登録し、その行先階に乗りかご10が到着する際には車椅子用制御を行わないようにしている。したがって、本実施形態によれば、車椅子専用呼びボタン4Aを車椅子利用者でない一般の乗客が操作した場合の無駄な車椅子用制御が行われないので、車椅子利用者の安全性向上とスムーズな運行とを両立できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 制御システム、2 カメラ、3 映像解析装置、4 車椅子専用かご操作盤、4A 車椅子専用呼びボタン、5 一般かご操作盤、5A 一般呼びボタン、6 エレベータ制御盤、7 音声案内装置、10 乗りかご。

Claims (6)

  1. 乗りかご内に車椅子専用呼びボタンと一般呼びボタンとが設けられ、車椅子専用呼びボタンが操作されると該操作に応じた車椅子呼びを登録し、登録された車椅子呼びの行先階に前記乗りかごが到着する際に車椅子用制御を行う車椅子兼用エレベータの制御システムであって、
    前記乗りかごのドア付近から乗場の方向に向けて所定範囲を撮影可能なカメラと、
    前記カメラにより撮影された映像を解析して、前記乗場に乗車意思のある乗客がいるか否かを判定し、乗車意思のある乗客がいると判定した場合、さらに、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいるか否かを判定する映像解析装置と、
    乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいないと判定されたにも関わらず前記乗りかご内で前記車椅子専用呼びボタンが操作された場合に、該操作に応じた車椅子呼びを前記一般呼びボタンが操作された場合と同様の一般呼びに変更して登録し、前記車椅子用制御を行わない制御装置と、を備えること
    を特徴とする車椅子兼用エレベータの制御システム。
  2. 前記車椅子用ボタンの操作に応じた車椅子呼びが一般呼びに変更された場合に、前記車椅子用制御を行わないことを前記乗りかご内で音声案内する音声案内装置をさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載の車椅子兼用エレベータの制御システム。
  3. 前記制御装置は、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいると判定されたにも関わらず前記乗りかご内で前記車椅子専用呼びボタンが操作されず、一般呼びのみがすでに登録されている場合は、すでに登録されている一般呼びを車椅子呼びに変更して前記車椅子用制御を行うこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の車椅子兼用エレベータの制御システム。
  4. 前記映像解析装置は、前記カメラにより撮影された映像を解析して、前記乗りかごから車椅子利用者が降りたか否かをさらに判定し、
    前記制御装置は、前記乗りかごから車椅子利用者が降り、前記乗りかご内に車椅子利用者がいないにも関わらず車椅子呼びの登録が残っている場合は、登録されている車椅子呼びを一般呼びに変更して前記車椅子用制御を行わないこと
    を特徴とする請求項3に記載の車椅子兼用エレベータの制御システム。
  5. 前記車椅子用制御は、行先階における前記乗りかごのドアの開放時間を一般呼びの場合よりも長くする戸開延長制御と、行先階で前記乗りかごが完全に停止してからドアを開放させる停止戸開制御と、の少なくとも一方を含むこと
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車椅子兼用エレベータの制御システム。
  6. 乗りかご内に車椅子専用呼びボタンと一般呼びボタンとが設けられ、車椅子専用呼びボタンが操作されると該操作に応じた車椅子呼びを登録し、登録された車椅子呼びの行先階に前記乗りかごが到着する際に車椅子用制御を行う車椅子兼用エレベータの制御方法であって、
    前記乗りかごのドア付近から乗場の方向に向けて所定範囲を撮影可能なカメラにより映像を撮影し、
    前記カメラにより撮影された映像を映像解析装置により解析して、前記乗場に乗車意思のある乗客がいるか否かを判定し、乗車意思のある乗客がいると判定した場合、さらに、乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいるか否かを判定し、
    乗車意思のある乗客の中に車椅子利用者がいないと判定されたにも関わらず前記乗りかご内で前記車椅子専用呼びボタンが操作された場合に、該操作に応じた車椅子呼びを前記一般呼びボタンが操作された場合と同様の一般呼びに変更して登録し、前記車椅子用制御を行わない
    ことを特徴とする車椅子兼用エレベータの制御方法。
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