JP6485714B2 - 防汚被覆膜が形成された熱交換器 - Google Patents

防汚被覆膜が形成された熱交換器 Download PDF

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Description

本発明は、防汚被覆膜が形成された熱交換器に関し、特に、乾性の汚れの付着を有効に抑制または防止することが可能な熱交換器に関する。
冷凍サイクルは、空気調和装置(空気調和器)、冷蔵庫、冷凍ショーケース、自動販売機等のように様々な冷凍機の分野に広く用いられている。冷凍サイクルは、低温熱源から吸熱して高温熱源に排熱するために熱交換器を備えているが、この熱交換器には様々な物質が「汚れ」として付着しやすくなっている。
例えば、空気調和装置は、吸引した空気を熱交換器により熱交換するため、空気中に含まれる様々な物質が「汚れ」として熱交換器に付着しやすくなる。このような汚れが熱交換器に付着すれば、熱交換器の性能が低下するだけでなく、カビまたは細菌等の微生物が繁殖し衛生上の問題を発生させるおそれもある。
そこで、例えば、特許文献1には、空気調和機の熱交換器に親水性の汚れおよび親油性(疎水性)の汚れの双方が付着することを抑制するために、15nm以下の平均粒径を有するシリカ超微粒子とフッ素樹脂粒子とを含む、これらを所定の質量比で配合したコーティング組成物が開示されている。
国際公開第2008/087877号
特許文献1に開示されるように、物品に付着する汚れとしては、親水性の汚れ(ウェットな汚れ)および親油性の汚れ(オイリーな汚れ)が存在する。これらの汚れは、いずれも、水または油等の「液体」を媒体(溶媒または分散媒等)とする「湿性」の汚れである。物品に付着する汚れは、このような「湿性」の汚れという側面だけでなく、塵埃等の「乾性」の汚れという側面も有している。前述した特許文献1に開示の技術では、物品に付着する汚れの抑制を「湿性」という側面のみに基づいて検討しているため、乾性の汚れの付着を十分に防止または抑制することが困難となっている。
本発明者らの鋭意検討の結果、「乾性」の汚れについては、相対的に比重が大きく硬いものと、相対的に比重が小さく柔らかいものとの2種類に区分して検討した方がよいことが明らかとなった。説明の便宜上、前者の「乾性」の汚れを「大比重硬直型」と称し、後者の「乾性」の汚れを「小比重柔軟型」と称すれば、親油性の汚れであるカーボンも親水性の汚れである粉塵も、「乾性」の汚れとして見れば「大比重硬直型」の汚れとなる。
ここで、特許文献1では、親油性(疎水性)の汚れとして油煙、煙草のヤニ、カーボン等を例示しており、親水性の汚れとして粉塵を例示している。そして、特許文献1の実施例では、この「親水性の汚れ」である「粉塵」として、関東ローム粉塵およびカーボンブラックを挙げており、これら粉塵をエアーでコーティング膜に吹き付けてその付着性を評価している。つまり、特許文献1では、「大比重硬直型」の「乾性」の汚れを「親水性の汚れ」と見なして、その付着性を評価しているので、この特許文献1では、「大比重硬直型」の「乾性」の汚れに関して十分な評価ができていないと判断される。
一方、「小比重柔軟型」の汚れとしては、例えば、糸くずまたは綿ぼこりのような繊維系塵埃、あるいは、小麦粉や片栗粉のような食品粉末系塵埃が挙げられる。特許文献1では、このような「小比重柔軟型」の「乾性」の汚れについては何ら評価していない。それゆえ、特許文献1に開示のコーティング組成物では、「乾性」の汚れの防止については十分に検討されていないことになる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、少なくとも乾性の汚れの付着を有効に抑制または防止することが可能な熱交換器を提供することを目的とする。
本発明に係る熱交換器は、前記の課題を解決するために、防汚対象となる表面に防汚被覆膜が形成されている熱交換器であって、前記防汚被覆膜は、少なくともナノ粒子により構成され、当該防汚被覆膜の表面は、算術平均粗さRaが2.5〜100nmの範囲内の凹凸を有している構成である。
前記構成によれば、熱交換器の防汚対象となる表面に、ナノ粒子により構成された微細な表面凹凸を有する防汚被覆膜が形成されている。これにより、熱交換器の表面に乾性の汚れが付着することを有効に抑制または防止することが可能となる。
本発明では、以上の構成により、少なくとも乾性の汚れの付着を有効に抑制または防止することが可能な熱交換器を提供することができる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る熱交換器の一例であるフィンアンドチューブ型熱交換器の構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係る熱交換器の一例であるプレート積層型熱交換器の構成を示す模式的断面図である。
本開示に係る熱交換器は、防汚対象となる表面に防汚被覆膜が形成されている熱交換器であって、前記防汚被覆膜は、少なくともナノ粒子により構成され、当該防汚被覆膜の表面は、算術平均粗さRaが2.5〜100nmの範囲内の凹凸を有している構成である。
前記構成によれば、熱交換器の防汚対象となる表面に、ナノ粒子により構成された微細な表面凹凸を有する防汚被覆膜が形成されている。これにより、熱交換器の表面に乾性の汚れが付着することを有効に抑制または防止することが可能となる。
前記構成の熱交換器においては、前記ナノ粒子の平均粒径は5〜100nmの範囲内にある構成であってもよい。
前記構成によれば、ナノ粒子の平均粒径が前記の範囲内であれば、微細な表面凹凸をより良好に実現することができる。
また、前記構成の熱交換器においては、前記ナノ粒子が、金属ナノ粒子、無機酸化物ナノ粒子、無機窒化物ナノ粒子、無機カルコゲン化物ナノ粒子、(メタ)アクリル系樹脂ナノ粒子、フッ素樹脂ナノ粒子からなる群より選択される少なくとも1種である構成であってもよい。
前記構成によれば、ナノ粒子が前記群の少なくともいずれかの材質からなる粒子であれば、良好な防汚被覆膜を形成することができる。
また、前記構成の熱交換器においては、前記防汚被覆膜の膜厚は500nm以下である構成であってもよい。
前記構成によれば、防汚被覆膜の帯電性を良好に軽減させ、乾性の汚れの付着を良好に抑制または防止することができる。
また、前記構成の熱交換器においては、前記防汚被覆膜は、前記ナノ粒子に加えて、当該ナノ粒子との親和性を有する材料から少なくとも構成される接着成分を含有する構成であってもよい。
前記構成によれば、防汚被覆膜の強度または耐久性を向上することができるとともに、表面の微細な凹凸が維持されやすくなり、乾性の汚れの付着を抑制または防止する効果を向上することができる。
また、前記構成の熱交換器においては、有機系の模擬塵埃および無機系の模擬塵埃を混合した混合模擬塵埃をふりかけてふるい落とした後に、光学顕微鏡で撮影した画像を二値化処理することにより算出される、残存する前記混合模擬塵埃の面積比率を、塵埃付着面積とし、前記被覆膜が形成されない前記表面での塵埃付着面積に対する、前記被覆膜上での塵埃付着面積の比率を塵埃付着率としたときに、前記防汚被覆膜の塵埃付着率が15%以下である構成であってもよい。
前記構成によれば、防汚被覆膜の塵埃付着率が15%以下であるため、特に乾性の汚れの付着を良好に抑制または回避することができる。
また、前記構成の熱交換器においては、前記防汚被覆膜の表面抵抗率が、1013Ω/□以下である構成であってもよい。
前記構成によれば、防汚被覆膜の帯電性を良好に軽減させることができるので、乾性の汚れの付着を良好に抑制または防止することができる。
以下、本開示の代表的な構成例について、具体的に説明する。
[防汚被覆膜]
本開示に係る熱交換器に形成されている防汚被覆膜は、少なくともナノ粒子により構成され、その表面の算術平均粗さRaが2.5〜100nmの範囲内の凹凸を有する膜である。防汚被覆膜を構成するナノ粒子は特に限定されないが、代表的には、金属ナノ粒子、無機酸化物ナノ粒子、無機窒化物ナノ粒子、無機カルコゲン化物ナノ粒子(無機酸化物ナノ粒子を除く)、(メタ)アクリル系樹脂ナノ粒子、フッ素樹脂ナノ粒子等を挙げることができる。
具体的には、例えば、金属ナノ粒子としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄白金(FePt)等の周期表第11族元素またはその合金;ニッケル(Ni,第10族元素)、スズ(Sn,第14族元素)等の周期表第11族元素以外のメッキ用金属元素等を挙げることができる。また、無機酸化物ナノ粒子としては、シリカ(酸化ケイ素、SiO2 )、酸化イットリウム(Y23)、チタン酸バリウム(BaTiO3 )、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化チタン(TiO2 )、酸化インジウム(In23)等を挙げることができる。無機窒化物ナノ粒子としては、窒化ガリウム(GaN)等を挙げることができる。無機カルコゲン化物ナノ粒子としては、セレン化カドミウム(CdSe)等を挙げることができる。(メタ)アクリル系樹脂ナノ粒子としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等を挙げることができる。フッ素樹脂ナノ粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。
これらナノ粒子は、基本的には、1種類のみで防汚被覆膜を構成するが、複数種類が組み合わせられて防汚被覆膜を構成することもできる。これらの中でも、汎用性、コスト、平均粒径の調整のしやすさ等から、シリカナノ粒子が特に好ましく用いられる。また、防汚被覆膜は、基本的には、ナノ粒子のみで構成されるが、防汚被覆膜による防汚性能を妨げない限りでナノ粒子以外の成分を含んでもよい。例えば、防汚被覆膜は、ナノ粒子に加えて帯電防止剤を含んでもよい。
ナノ粒子の粒径は、ナノレベル(1μm未満)であれば特に限定されないが、本開示においては、100nm以下であることが好ましく、5〜100nmの範囲内であることがより好ましい。また、平均粒径のより好ましい範囲としては、15nm超100nm未満の範囲内、あるいは、20nm〜100nmの範囲内を挙げることもできる。
ナノ粒子の粒径が100nm以下であれば、防汚被覆膜の表面においてナノレベルの凹凸構造を実現しやすくなる。また、防汚被覆膜の具体的な構成にもよるが、ナノ粒子の粒径が5〜100nmの範囲内であれば、ナノレベルの凹凸構造をより好適な範囲内に調整しやすくすることができる。さらに、防汚被覆膜が後述するように接着成分を含む場合には、ナノ粒子の粒径が15nm超100nm未満の範囲内、もしくは、20〜100nmの範囲内に設定することで、ナノレベルの凹凸構造をより好適な範囲内に調整しやすくすることができる。
なお、防汚被覆膜の具体的な成分、防汚被覆膜の形成方法、被覆対象物である熱交換器の表面状態等の諸条件にもよるが、ナノ粒子の粒径は小さ過ぎない方がよい傾向にある。ナノ粒子の粒径を小さくし過ぎると、ナノ粒子同士が凝集して粗大化する傾向にある。これにより、得られる防汚被覆膜においては、その表面の凹凸が、所定の算術平均粗さRaの範囲内を超えて大きくなってしまう。この場合、乾性の汚れが、表面の大きな凹凸に引っかかりやすくなり、結果的に乾性の汚れが付着しやすくなる。
防汚被覆膜の表面の算術平均粗さRaは、2.5〜100nmの範囲内であればよい。算術平均粗さRaがこの範囲内であれば、このような防汚被覆膜を被覆対象物である熱交換器に形成することで、少なくとも乾性の汚れの付着を有効に抑制または防止することが可能になる。
また、防汚被覆膜は、前記の通り、少なくともナノ粒子により構成され、表面の算術平均粗さRaが前記の範囲内であればよく、それ以外の具体的構成は特に限定されない。例えば、防汚被覆膜の膜厚は特に限定されないが、一般的には、1μm(1,000nm)未満であればよく、500nm以下であることが好ましく、20〜500nmの範囲内であることがより好ましい。
防汚被覆膜の膜厚が1μm未満すなわちナノレベルであれば、相対的に膜厚が小さく(薄く)なるため防汚被覆膜の帯電性を良好に軽減させ、乾性の汚れの付着を良好に抑制または防止することができるとともに、防汚被覆膜の透明性を向上することができる。また、諸条件にもよるが、膜厚が500nm以下であれば、防汚被覆膜の帯電性をより一層良好に軽減させるとともに透明性をさらに向上することが可能となる。さらに、諸条件にもよるが、膜厚が20〜500nmの範囲内であれば、透明性の向上および帯電性のさらなる軽減を実現でき、乾性の汚れの付着をより一層良好に抑制または防止することができる。
特に、膜厚が500nm以下(もしくは20〜500nmの範囲内)であれば、被覆対象物である熱交換器は基本的に金属で構成されているため、防汚被覆膜が帯電しても熱交換器の導電性によりアース(接地)されることができるため、実質的な帯電を回避することが可能になる。これにより、乾性の汚れの付着をより一層有効に抑制または防止することができる。また、防汚被覆膜の膜厚が大きく(厚く)なると、当該防汚被覆膜がナノ粒子を主成分とするためクラックが生じやすくなるが、膜厚が500nm以下であればクラックの発生を実質的に回避することができる。
防汚被覆膜の表面特性も特に限定されないが、表面抵抗率は1013Ω/□以下であればよい。これにより、防汚被覆膜の帯電性を良好に軽減させることができるので、乾性の汚れの付着を良好に抑制または防止することができる。また、防汚被覆膜の水接触角は15°未満であればよく、諸条件にもよるが10°以下であってもよい。このように防汚被覆膜の水接触角が小さければ、その表面の親水性が向上する。そのため、乾性の汚れが防汚被覆膜の表面に堆積しても、水洗することで堆積した乾性の汚れを容易に除去することができる。
なお、ナノ粒子の粒径の測定方法は特に限定されず、公知の方法(拡散法、慣性法、沈降法、顕微鏡法、光散乱回折法等)を好適に用いることができる。本実施の計値では、公知の方法で測定された粒径がナノレベルにあればよい。また、防汚被覆膜の算術平均粗さRaの測定(評価)方法は特に限定されず、例えば、レーザ顕微鏡または原子間力顕微鏡(AFM)を用いて算術平均粗さRaを測定(評価)し、JIS B0601に基づいて算出すればよい。さらに、防汚被覆膜の膜厚の測定方法も特に限定されないが、本実施の形態では、後述する実施例で説明するように、電子顕微鏡により被覆断面を観察し、複数の観察画像から測定した膜厚の平均値を算出している。また、防汚被覆膜の水接触角の測定(評価)方法も特に限定されず、例えば、協和界面科学(株)製接触角計、製品名:DMo−501を用いて測定(評価)すればよい。
防汚被覆膜の具体的な形成方法(製造方法)は特に限定されず、ナノ粒子による微細な凹凸を形成することが可能であれば、公知のさまざまな方法を用いることができる。代表的な形成方法としては、ナノ粒子を含む塗工液(コーティング剤)を調製してこれを塗工する公知の塗工方法、ゾルゲル法、ナノインプリント、陽極酸化金型を用いた転写、サンドブラスト、セラミックスの自己組織化等を挙げることができる。
防汚被覆膜は、前記の通り、少なくともナノ粒子で構成されていればよいが、さらに、このナノ粒子との親和性を有する材料から少なくとも構成される接着成分を含有してもよい。接着成分の機能としては、ナノ粒子同士を接着させる機能とともに、ナノ粒子を被覆対象物である熱交換器の表面に接着させる機能とを有していればよい。それゆえ、少なくともナノ粒子に対して親和性を有する材料が主成分となっていればよい。
防汚被覆膜が接着成分を含有することで、ナノ粒子で構成される防汚被覆膜の強度または耐久性を向上することができる。また、ナノ粒子が防汚被覆膜の表面で良好に維持されることから、表面の微細な凹凸が維持されやすくなり、乾性の汚れの付着を抑制または防止する効果を向上することができる。
具体的な接着成分の組成については特に限定されず、ナノ粒子に対して親和性を有していればよい。例えば、ナノ粒子がシリカナノ粒子であれば、シリカとの親和性を有する材料を接着成分として用いることができる。シリカとの親和性を有する材料としては、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシラン等のシラン化合物、アクリル樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。また、接着成分には、これら材料に加えて公知の添加剤が含まれてもよい。したがって、本開示に係る熱交換器では、防汚被覆膜は、少なくともナノ粒子で構成されていればよいが、ナノ粒子に加えて接着成分を含有する構成であってもよく、ナノ粒子および接着成分に加えて公知の添加剤を含有する構成であってもよい。
防汚被覆膜が接着成分を含有する場合、その含有量(含有率)は特に限定されないが、例えば、防汚被覆膜の全重量を100重量%としたときに、好ましい範囲として5〜60重量%の範囲内を挙げることができ、より好ましい範囲として10〜50重量%の範囲内を挙げることができる。諸条件にもよるが、接着成分が60重量%を超えれば、ナノ粒子に対して接着成分の量が多くなりすぎて、防汚被覆膜の表面の算術平均粗さRaが所定の範囲から外れるおそれがある。また接着成分が5重量%未満であれば、接着成分の含有量に見合った強度または耐久性の向上等の効果が十分に得られないおそれがある。
[防汚被覆膜の塵埃付着率]
前記構成の防汚被覆膜は、その塵埃付着率が15%以下となっている。ここで、本開示における塵埃付着率とは、防汚被覆膜が形成されない熱交換器(被覆対象物)の表面(被覆前表面)における模擬塵埃の付着量に対する、防汚被覆膜が形成された熱交換器の表面(防汚被覆膜により構成される被覆表面)における模擬塵埃の付着量として算出される。
前述した通り、「乾性」の汚れには、相対的に比重が大きく硬い「大比重硬直型」のものと、相対的に比重が小さく柔らかい「小比重柔軟型」のものとが存在する。本開示においては、塵埃付着率の算出に用いられる模擬塵埃は、「大比重硬直型」の模擬塵埃および「小比重柔軟型」の模擬塵埃を混合した混合模擬塵埃が好適に用いられる。一般に、「大比重硬直型」の模擬塵埃は、無機系材料で構成される塵埃であり、「小比重柔軟型」の模擬塵埃は、有機系材料で構成される模擬塵埃である。
「大比重硬直型」の模擬塵埃および「小比重柔軟型」の模擬塵埃の具体的な種類は特に限定されないが、JIS(日本工業規格)等のような各種規格で定められる試験用粉体等のうち、「大比重硬直型」または「小比重柔軟型」に該当するものを適宜選択して用いることができる。また、「大比重硬直型」の模擬塵埃および「小比重柔軟型」の模擬塵埃は、いずれも1種類であってもよいが、2種類以上が組み合わせて用いられることが好ましい。
本開示では、後述する実施例に示すように、「大比重硬直型」の模擬塵埃として、無機系材料であるである2種類のけい砂を用いるとともに、「小比重柔軟型」の模擬塵埃として、有機材材料であるコットンリンタおよびコーンスターチを用いている。具体的なけい砂としては、JIS Z 8901に規定される1種けい砂および3種けい砂の2種類が用いられる。
コットンリンタとしては、公益社団法人日本空気清浄協会(JACA)により試験用粉体の1種として販売されるものが用いられる。コーンスターチは市販のものである。けい砂は「大比重硬直型」の付着を評価するために用いられ、コットンリンタは「小比重柔軟型」のうち繊維系塵埃の付着を評価するために用いられ、コーンスターチは「小比重柔軟型」のうち食品粉末系塵埃の付着を評価するために用いられる。したがって、「大比重硬直型」の模擬塵埃および「小比重柔軟型」の模擬塵埃の混合塵埃の好適な一例としては、有機系の模擬塵埃および無機系の模擬塵埃を混合した混合模擬塵埃を挙げることができる。
特許文献1の実施例および比較例では、模擬塵埃として、関東ローム粉塵またはカーボンブラックをそれぞれ単独で用いて、塵埃の付着性(防汚性能)を評価している。しかしながら、通常、生活空間に存在する塵埃は多種多様なものが混在しているため、本開示のように、乾性の汚れの防汚性能を評価する上では、単独種の塵埃をそれぞれ用いて付着性(防汚性能)を評価しても、十分な評価結果を得ることができない。また、関東ローム粉塵は、親水性の汚れの評価用に用いられており、カーボンブラックは、親油性の汚れの評価用に用いられているが、これらは、いずれも「大比重硬直型」の「乾性」の汚れとなる。特許文献1では、繊維系塵埃または食品粉末系塵埃等のように、「小比重柔軟型」の「乾性」の汚れについては何ら評価していない。
これに対して、本開示では、乾性の汚れとして、単独の模擬塵埃を用いずに、生活空間に存在する実際の塵埃をモデル化し、「大比重硬直型」の模擬塵埃および「小比重柔軟型」の模擬塵埃を混合した混合模擬塵埃を用いている。そのため、乾性の汚れの防汚性能を良好に評価することができる。また、乾性の汚れである粉体系塵埃の中には、関東ローム粉塵のように親水性を呈するものも含まれるが、本開示の混合模擬塵埃では、繊維系の模擬塵埃であるコットンリンタに加えて、食品粉末系の模擬塵埃として、親水性であるコーンスターチを用いている。コーンスターチは、乾燥状態では乾性の汚れとして振る舞うが、湿気が存在すると、吸水して親水性の汚れとしても振る舞い得る。模擬塵埃として、このような特性を有するコーンスターチを用いることで、実際の塵埃に対する防汚性能を良好に評価することが可能となる。
塵埃付着率は、前述したように、熱交換器における防汚被覆膜の被覆前表面における混合模擬塵埃の付着量に対する、防汚被覆膜による構成される被覆表面における混合模擬塵埃の付着量の比率として定義される。本開示では、被覆前表面または被覆表面における混合模擬塵埃の付着量は、光学顕微鏡で撮影した画像を二値化処理することにより算出される、残存する混合模擬塵埃の面積比率として算出される。なお、この面積比率を塵埃付着面積とする。被覆前表面での塵埃付着面積をA0 とし、被覆表面での塵埃付着面積をA1 としたときに、塵埃付着率AR は、次式(1)で算出することができる。
Figure 0006485714
防汚被覆膜の塵埃付着率は15%以下であればよいが、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、2%以下であることが特に好ましい。塵埃付着率が15%以下であれば、目視による塵埃の付着が目立たないため、十分な防汚性能が得られていると判断することができる。
塵埃付着率を算出する際には、例えば、熱交換器の表面の一部もしくは熱交換器の一部を断片化したものに防汚被覆膜を形成することで、これを評価用サンプルとして用いることができる。評価用サンプルにおいて、防汚被覆膜が形成された表面を「被覆表面」としたときに、混合模擬塵埃は、この被覆表面に付着させることになるが、混合模擬塵埃を付着させる前に、評価用サンプルを除電することが好ましい。
また、評価用サンプルに混合模擬塵埃を付着させる方法、並びに、付着した混合模擬塵埃をふるい落す方法も特に限定されず、種々の方法を好適に用いることができる。例えば、後述する実施例では、混合模擬塵埃を被覆表面に所定量堆積させてから、評価用サンプルを垂直に傾けて落下させることにより、混合模擬塵埃をふるい落している。また、光学顕微鏡による被覆表面の画像撮影についても特に限定されず、混合模擬塵埃を観察可能な倍率で複数の画像を撮影すればよい。撮影した画像の二値化処理についても特に限定されず、公知の画像処理ソフトウェア等を用いればよい。
[熱交換器]
本開示に係る熱交換器は、前記構成の防汚被覆膜を防汚対象となる表面に形成したものであればよい。ここで防汚対象となる表面としては、熱交換器の表面のうち一部分であってもよいし、熱交換器の表面のうち複数の部分であってもよいし、熱交換器の表面の全面であってもよい。
本開示に係る熱交換器の構成、すなわち、防汚被覆膜の被覆対象物である熱交換器の具体的構成については特に限定されず、冷凍サイクル等に用いられるものであればよい。具体的には、例えば、空気調和装置(空気調和器)、冷蔵庫、冷凍ショーケース、自動販売機等に用いられるものを挙げることができる。
本実施の形態では、代表的な熱交換器として、空気調和装置に用いられる熱交換器を例示して説明する。空気調和装置に用いられる熱交換器の具体的な構成は特に限定されず、公知のものであればよいが、代表的には、図1に模式的に示すフィンアンドチューブ型熱交換器10A、あるいは、図2に模式的に示すプレート積層型熱交換器10B等を挙げることができる。
図1に示すように、フィンアンドチューブ型熱交換器10Aは、代表的には、平板状のフィン11が複数積層され、これらフィン11を貫通するように、複数の折り返し部分を有する冷媒管12が設けられている構成を有している。冷媒管12は、冷媒流路を形成しており、例えば図中ブロック矢印に示す方向に、冷媒管12内に冷媒が流通することで、媒管12およびフィン11を介して冷媒と外気とが熱交換する。
図2に示すように、プレート積層型熱交換器10Bは、代表的には、長方形状の伝熱プレート13を複数枚積層することにより、略直方体状(四角柱状)のプレート積層構造14を形成するとともに、プレート積層構造14の両端にそれぞれ冷媒タンク15が設けられている構成を有している。冷媒タンク15は、プレート積層構造14を構成するそれぞれの伝熱プレート13の内部に連通している。それぞれの伝熱プレート13では、例えば図中ブロック矢印に示すように、一方の冷媒タンク15から他方の冷媒タンク15に向かって冷媒が流通し、これにより伝熱プレート13を介して冷媒と外気とが熱交換する。
本開示に係る熱交換器は、フィンアンドチューブ型であってもプレート積層型であっても、その表面の少なくとも一部に前記構成の防汚被覆膜が形成されている。これにより、熱交換器の表面(特にフィンの表面または伝熱プレートの表面等)に乾性の汚れ(塵埃等)が接触しても、防汚被覆膜の表面の微細な凹凸により乾性の汚れが表面に付着することが有効に抑制または防止される。
特に、防汚被覆膜の膜厚を限定することで、表面抵抗率を相対的に低下させることになるので、表面の微細な凹凸との相乗効果により、乾性の汚れの付着をより一層有効に抑制または防止することができる。しかも、ナノ粒子としてシリカ粒子等の親水性のものを用いれば、熱交換器を水洗することにより堆積した乾性の汚れを容易に除去することができる。
このように、本開示に係る熱交換器は、少なくともナノ粒子により構成され、その表面の算術平均粗さRaが2.5〜100nmの範囲内の凹凸を有する防汚被覆膜が、防汚対象となる表面に形成されているものである。これにより、熱交換器の表面に乾性の汚れが付着することを有効に抑制または防止することが可能となる。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
(混合模擬塵埃)
「大比重硬直型」の模擬塵埃として、JIS Z 8901に規定される1種けい砂および3種けい砂を用いるとともに、「小比重柔軟型」の模擬塵埃として、公益社団法人日本空気清浄協会(JACA)により試験用粉体に販売されるコットンリンタと、市販のコーンスターチとを用いた。これら4種の模擬塵埃を等重量となるように秤量して十分に混合して混合模擬塵埃とした。
(防汚被覆膜の算術平均粗さRa)
走査型プローブ顕微鏡(株式会社日立ハイテクサイエンス製、製品名:AFM5300)を用いて算術平均粗さRaを測定し、JIS B0601に基づいて算出した。
(塵埃付着率の評価)
評価用サンプルを除電した上で、当該評価用サンプルに混合模擬粉末をふりかけてふるい落とし、その後に、評価用サンプルの表面を光学顕微鏡で撮影し、撮影画像を二値化処理し、表面における塵埃付着面積を測定した。評価用サンプルの表面のうち、防汚被覆膜が形成されていない表面を基準面とし、防汚被覆膜が形成されている面を評価面としたときに、基準面での塵埃付着面積に対する評価面上での塵埃付着面積の比率を塵埃付着率とした。塵埃付着面積が5%以下であれば塵埃付着率を「◎」、5%超15%以下であれば「○」、15%超であれば「×」として評価した。
(実施例1)
アルミニウム製金属板を、熱交換器の一部を断片化したものとして準備した。平均粒径20nmのシリカ粒子を、分散媒であるエタノールにpH調整等により十分に分散させた塗工液を公知の方法で調製し、アルミニウム製金属板の表面の約半分に当該塗工液を塗工して乾燥させることにより、実施例1の防汚被覆膜が形成された評価用サンプルを作製した。この評価用サンプルにおいては、その表面の半分には防汚被覆膜が形成され、残りの半分位には防汚被覆膜は形成されていない。この評価用サンプルについて、形成された防汚被覆膜の表面は、算術平均粗さRaが10nmの凹凸を有していた。また、この評価用サンプルの塵埃付着率は「◎」であった。
(実施例2)
シリカ粒子として、平均粒径を100nmのものを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の防汚被覆膜が形成された評価用サンプルを作製した。この評価用サンプルについて、形成された防汚被覆膜の表面は、算術平均粗さRaが40nmの凹凸を有していた。また、この評価用サンプルの塵埃付着率は「○」であった。
(比較例1)
シリカ粒子として、平均粒径を100nmのものを用いたものの、当該シリカ粒子を十分に分散させずに塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の防汚被覆膜が形成された評価用サンプルを作製した。この評価用サンプルについて、形成された防汚被覆膜の表面は、算術平均粗さRaが140nmの凹凸を有していた。また、この評価用サンプルの塵埃付着率は「×」であった。
(比較例2)
シリカ粒子として、平均粒径を250nmのものを用いたものの、当該シリカ粒子を十分に分散させずに塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の防汚被覆膜が形成された評価用サンプルを作製した。この評価用サンプルについて、形成された防汚被覆膜の表面は、算術平均粗さRaが130nmの凹凸を有していた。また、この評価用サンプルの塵埃付着率は「×」であった。
(実施例および比較例の対比)
実施例1および2の結果から明らかなように、防汚被覆膜がナノ粒子により構成されており、その表面の算術平均粗さRaが2.5〜100nmの範囲内の凹凸を有するものであれば、塵埃付着率を15%以下に抑えることが可能であり、熱交換器において、乾性の汚れの付着を良好に抑制することが可能であることがわかる。これに対して、比較例1または2のように、防汚被覆膜がナノ粒子により構成されていても、防汚被覆膜の表面の凹凸が、算術平均粗さRaの上限100nmを超えていれば、塵埃付着率が15%を超えてしまい、乾性の汚れの付着を良好に抑制できないことがわかる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、特に乾性の汚れの付着を防止することが望まれる熱交換器の分野に広く好適に用いることができる。
10A フィンアンドチューブ型熱交換器(熱交換器)
10B プレート積層型熱交換器(熱交換器)
11 フィン
12 冷媒管
13 伝熱プレート
14 プレート積層構造
15 冷媒タンク

Claims (6)

  1. 防汚対象となる金属表面に防汚被覆膜が形成され、当該防汚被覆膜の下層に光触媒層が形成されていない熱交換器であって、
    前記防汚被覆膜は、少なくともナノ粒子により構成されるとともにポリマー成分を含有せず、当該防汚被覆膜の表面は、算術平均粗さRaが2.5〜100nmの範囲内の凹凸を有しており、
    前記防汚被覆膜の表面抵抗率が、1013Ω/□以下であり、
    さらに、有機系の模擬塵埃および無機系の模擬塵埃を混合した混合模擬塵埃をふりかけてふるい落とした後に、光学顕微鏡で撮影した画像を二値化処理することにより算出される、残存する前記混合模擬塵埃の面積比率を、塵埃付着面積とし、
    前記被覆膜が形成されない前記金属表面での塵埃付着面積に対する、前記被覆膜上での塵埃付着面積の比率を塵埃付着率としたときに、
    前記防汚被覆膜の塵埃付着率が15%以下であることを特徴とする、
    熱交換器。
  2. 前記ナノ粒子の平均粒径は5〜100nmの範囲内にあることを特徴とする、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記ナノ粒子が、金属ナノ粒子、無機酸化物ナノ粒子、無機窒化物ナノ粒子、無機カルコゲン化物ナノ粒子からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記防汚被覆膜の膜厚は500nm以下であることを特徴とする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記防汚被覆膜は、前記ナノ粒子に加えて、当該ナノ粒子との親和性を有する材料から少なくとも構成される接着成分を含有することを特徴とする、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記防汚被覆膜の全重量を100重量%としたときに、前記接着成分の含有量は5〜60重量%の範囲内であることを特徴とする、
    請求項5に記載の熱交換器。
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