JP5121306B2 - 送風ファン、および送風ファンのコーティング方法 - Google Patents

送風ファン、および送風ファンのコーティング方法 Download PDF

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Description

本発明は、空気調和機等に用いられる送風ファン、および送風ファンのコーティング方法に関するものである。
従来技術において、空気調和機(以下ルームエアコンと記載)の室内機内部の主要な3部品である送風ファン、熱交換器、フィルタのうち、熱交換器、フィルタには、ホコリ、カビ、タバコ等のほかに結露、水滴付着を防止するために親水あるいは撥水コーティングが施されている。
例えば、下記特許文献1を参照して、撥水性処理を施した熱交換器について説明する。まず、アルミニウムまたはアルミニウム合金材の表面を予め平面粗さ0.2μm以上となるように粗面化した後、耐食性被膜を形成する。次に、100mg/m2以上の厚さで微細凹凸を有する水ガラス被膜を設け、この水ガラス皮膜の上に0.1〜20mg/dm2の厚さでフッ素系、シリコン系またはそれらの混合物からなる撥水性被膜を設ける。このように撥水性処理を施すことによって、撥水性及び水滴の落下性が優れ、着霜防止性が優れたフィンを備えた熱交換器が得られる。
次に、下記特許文献2を参照して、表面にコーティングを施したフィルタについて説明する。まず、フィルタ網はポリプロピレン、ABS等の合成樹脂を用いて支持枠と一体に平面に成形される。次にフィルタ網の表面に起毛を施し、さらにシリコン樹脂またはフッ素樹脂をコーティングする。このようなコーティングを施すことによって、水洗いが可能となり清掃性が向上し、さらに集塵効果に優れるフィルタが得られる。
特開平11−43777号公報 特開2001−208416号公報
しかしながら、特許文献1に記載の熱交換器および特許文献2に記載のフィルタは、いずれも付着水、ホコリ等の除去を目的としたものであるが、熱交換器とエアフィルタの2部品にコーティングを施すだけではルームエアコン全体としては十分な効果を得ることができない。
特に、近年住環境の変化で、フローリング仕様の洋間が増加し、細かいホコリが舞い易くルームエアコン内部にまで入りやすくなっている。また、キッチンやダイニングと一体になったリビングルームが増え、油汚れのホコリがルームエアコン内部に付きやすくなる等、ルームエアコン内部が一層汚れやすくなっている。このため、細かいホコリ(油粒子を含む)等は、フィルタや熱交換器を通過し奥まで進入し、送風ファンに付着するという問題があった。また、冷房運転時に結露した凝縮水等が送風ファンに付着したりすることで、カビや菌の繁殖母胎になるという問題があった。また、これらの汚れに伴い、暖房・冷房性能を低下させるという問題があった。
そこで本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、防汚性能および耐久性に優れたコーティング膜を形成した送風ファンを得ることを目的としている。
本発明における送風ファンは、空気調和機等に用いられる送風ファンであって、送風ファンの表面に、平均粒径が2〜10nmのシリカ微粒子からなる親水部と、前記親水部から突出する平均粒径が50〜500nmのフッ素樹脂微粒子からなる疎水部とを含有する親疎水コーティング膜を備え、さらに送風ファンの陽圧面端部に前記親疎水コーティング膜の前記親水部とは同一材料ではない撥水性コーティング材を施したことを特徴とする。
請求項1に記載のように、送風ファンに親・疎水性のコーティングを施すことによって、室内におけるタバコのヤニ、ホコリ等様々な汚れの付着を防止することがきる。また、様々な汚れに起因する空気調和機の性能低下も防止できる。さらに、本発明によれば、撥水コーティング材を水が付着しやすいファン端部にコーティングを施すことで、最小限の塗布量でホコリ、付着水を除去し、微少水滴のままで排除することができる。これによりファン上で液滴成長させない、また乾燥させないため、防カビ抑制も得られる。さらに微粒化した抗菌剤を添加することで、長期間にわたって抗菌性および抗カビ性を維持することも可能になる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の送風ファン3が搭載されたルームエアコン10の概略外観図である。また、図2は、送風ファン3の概略外観図である。以下にルーエアコン10の構成について説明する。ルームエアコン10は、室内機4と、室外機(図示せず)で構成されており、室内機4は、筐体5と外箱を形成する。
外箱内部には、吸引した室内の空気中に含まれるホコリ等を除塵するフィルタ1、室内の空気を冷却/加熱する熱交換器2、フィルタ1および熱交換器2の奥に設置され、吸引した室内の空気を冷却/加熱して再び室内に循環させる送風ファン3とを備えている。
送風ファン3には、フィルタ1や熱交換器2を通過して吸い込んだハウスダストやタバコのヤニなどが原因で汚れが付着することが考えられ、一般的に汚れを除去するときは、専門業者によってルームエアコン10を分解して掃除する必要がある。そこで、本発明の実施の形態1における送風ファン3の特徴は、表面に親・疎水性のコーティング処理を施し、ホコリや油などの汚れの付着を防止する点である。このコーティング材は、シリカ微粒子とフッ素樹脂微粒子とを含有し、防汚性および耐久性を有する親・疎水性の水系コーティング材である。さらに、水が付着しやすいファン端部に撥水性コーティング層を備えている。
次に、送風ファン3の表面にコーティングするシリカ微粒子とフッ素樹脂微粒子とを含有したコーティング材について説明する。本実施の形態で用いられるシリカ微粒子の平均粒径は、光散乱法により測定した場合、10nm以下、好ましくは2nm〜10nmである。かかる範囲の平均粒径を有するシリカ微粒子を水系コーティング組成物に含有させることで、水系コーティング組成物中で平衡して溶存するシリカ成分が増えるため、バインダーとしての効果が大きくなるとともに、高強度で緻密化されたコーティング膜を得ることができる。ここで、平均粒径が10nmを超える場合は、得られたコーティング膜に十分な強度が得られない。一方、平均粒径が2nm未満の場合は、水系コーティング液組成物として流動性や得られる膜特性の安定性が低くなってしまう恐れがある。
また、水系コーティング組成物におけるシリカ微粒子の含有量は、0.1〜5質量パーセント(以下質量%と記載)であり、好ましくは0.3〜2.5質量%である。かかる範囲の含有量であれば、送風ファン3表面の色や風合いを損なうことなく均一で薄いコーティング膜を形成することができる。ここで、シリカ微粒子の含有量が0.1質量%未満の場合、室温でコーティング膜が形成し難くなる。一方、シリカ微粒子の含有量が5質量%を超える場合、コーティング膜が不均一な白濁膜となり、クラックが入り剥離しやすくなる。
本実施の形態で用いられるフッ素樹脂微粒子の平均粒径は、特に制限されることはないが、光錯乱法により測定した場合、好ましくは50nm〜500nm、より好ましくは100nm〜250nmである。ここで、平均粒径が500nmを超える場合、得られるコーティング膜において疎水性部分の領域が大きくなりすぎたり、コーティング膜の凹凸が大きくなりすぎたりして所望の防汚性能が得られないことがある。一方、平均粒径が50nm未満の場合は、水系コーティング組成物の安定性が得られず、安定してコーティングすることができないことがある。
本実施の形態における水系コーティング材に含有するシリカ微粒子とフッ素樹脂微粒子との質量比は、40:60〜95:5であり、好ましくは50:50〜90:10である。この範囲の質量比であれば、シリカ微粒子に起因する親水部と、フッ素樹脂微粒子に起因する疎水部とがバランスよく混在したコーティング膜が常温での乾燥により得られ、良好な防汚性を得ることができる。フッ素樹脂微粒子の比率が40:60の割合よりも高いと、コーティング膜が常温での乾燥だけでは固化し難くなる。また、例え加熱して固化させても、コーティング膜が白濁して物品表面の色や風合いを損なったり、所望の強度を有するコーティング膜が得られなかったりする。一方、フッ素樹脂微粒子の比率が95:5の割合よりも低いと、フッ素樹脂微粒子を含有させることによる効果が十分に得られず、所望の防汚性能が得られない。
本実施の形態における水系コーティング材に含まれる水としては、特に制限されることはない。また、水の含有量も特に制限されることはなく、コーティング方法などにあわせて適宜調整すればよいが、一般に30〜99.5質量%である。また、水液コーティング組成物としての安定性、塗布性、乾燥性を調整するために有機溶剤等が混合されていてもよい。
次に、本実施の形態の水系コーティング材の他の構成として、20nm〜10μmの平均粒径を有するシリカ微粒子をさらに含むことができる。この範囲の平均粒径を有するシリカ微粒子を含有させることにより、得られるコーティング膜の表面に微少な凹凸を形成させて親水性を向上することができる。ここで、シリカ微粒子の粒径が20nm未満の場合、コーティング膜の表面に所望の大きさの凹凸が形成されず、シリカ微粒子を添加した効果が得られないことがある。一方、シリカ微粒子の粒径が10μmを超える場合、コーティング膜の表面の凹凸が大きくなりすぎ、膜強度が低下することがあり好ましくない。
水系コーティング材がこのシリカ微粒子を含有する場合、コーティング材におけるシリカ微粒子の含有量は、0.01〜3質量%であることが好ましい。この範囲の含有量のシリカ微粒子を含有させることにより、得られるコーティング膜の表面に微少な凹凸を形成させて親水性を向上することができる。ここで、シリカ微粒子の含有量が0.01質量%未満であると、シリカ微粒子を含有させることによる親水性向上効果が得られないことがある。一方、かかるシリカ微粒子の含有量が3質量%を超えると、コーティング膜の強度が低下してしまうことがある。
また、本実施の形態の水系コーティング材は、コーティング組成物の濡れ性やコーティング膜の密着性を向上させる観点から、界面活性剤や有機溶剤等を含有してもよい。また、カップリング材やシラン化合物を含有してもよく、これらを添加した場合には、上述のコーティング組成物の濡れ性やコーティング膜の密着性を向上する効果のほか、コーティング膜の透明性向上や膜強度向上、さらには、コーティング膜の親水性調整の効果が得られる。
使用可能な界面活性剤としては、各種のアニオン系またはノニオン系の界面活性剤が挙げられる。ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックポリマーやポリカルボン酸型アニオン系界面活性剤等の起泡性の低い界面活性剤は使用しやすく好ましい。有機溶剤としては、アルコール系、グリコール系、エステル系、エーテル系等の各種のものが挙げられる。カップリング剤としては、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のメタクリロキシ系やメルカプト系、スルフィド系、ビニル系、ウレイド系等、シラン化合物としては、トリフルオロプロピルトリメトキシランやメチルトリクロロシラン等のハロゲン含有物、ジメチルジメトキシシランやメチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有物、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物、メチルメトキシシロキサン等のオリゴマー等が挙げられる。
これら成分の含有量は、本実施の形態の水系コーティング材の特性を損なわない範囲であれば特に制限されることはなく、選択した成分にあわせて適宜調整すればよい。
次に、本実施の形態の水系コーティング材の製造方法について説明する。水系コーティング材の製造方法は、特に制限されることはないが、例えば、シリカ微粒子の分散液と、フッ素樹脂微粒子の分散液とを混合することによって製造することができる。
ここで、シリカ微粒子の分散液は、10nm以下の平均粒径を有するシリカ微粒子が水等の極性溶媒中に分散されたもので、例えば、市販のクロイダルシリカを用いることができる。かかる分散液では、シリカ微粒子の体積比率が、20%以下であることが好ましい。この体積比率が20%を超えると、分散液の安定性が低下してしまうことがあるので好ましくない。
また、フッ素樹脂微粒子の分散液は、フッ素樹脂微粒子が水に分散されたものを用いることが好ましい。なお、かかる分散液では、フッ素樹脂微粒子を均一に分散させるために界面活性剤等を用いてもよい。
また、シリカ微粒子の分散液と、フッ素樹脂微粒子の分散液とを混合する際には、シリカ微粒子が凝集するのを防止する観点から、両者の分散液のpHを同程度にすることが好ましい。
このようにして製造された水系コーティング材を送風ファン3にコーティングする方法としては、特に制限されることはない。具体的には、スプレー塗布や浸漬してコーティング膜を形成させることもできる。また、送風ファン3にコーティングを施す際に、水系コーティング材の濡れ性やコーティング膜の密着性を向上させる観点から、コロナ処理、UV処理等の前処理を物品表面に施してもよい。
このようなコーティング方法は、シリカ微粒子が乾燥のみで固化するため、加熱等を必要とせず、フッ素系微粒子をコーティング膜表面に固着することが可能となる。
本実施の形態の水系コーティング材およびコーティング方法を用いて形成されたコーティング膜は、シリカ微粒子をベースとするシリカ薄膜であるので帯電防止効果を有するとともに、フッ素樹脂微粒子を含むため油性汚れに対する防汚性能に優れている。
かかるコーティング膜は、親水性のシリカ部分と疎水性のフッ素樹脂部分とがサブミクロンレベルで分布した親・疎水性の表面を有している。かかるシリカ部分では、親水性であるシリカ微粒子が積層して形成されているため、シリカそのものによる親水性のほか、微少な表面の凹凸による親水性の増強効果もあって親水性が非常に高くなる。一方、フッ素樹脂部分では、疎水性であるフッ素樹脂微粒子がサブミクロンの微少部分としてコーティング膜に含まれており、フッ素樹脂そのものによる撥水・撥油性によって疎水性が非常に高くなる。
また、フッ素樹脂微粒子の粒径がシリカ微粒子の粒径より大きいので、撥水性のフッ素樹脂の粒子がシリカが結合した親水性のマトリクスから表面に突出した膜となりやすい。このようにサブミクロン〜ミクロンサイズの疎水性の突出部分が分布する表面によって撥水性が良好となると考えられる。また、フッ素樹脂に対するシリカの割合を多くすると、親水性のシリカのマトリクス部分が増えて、全体として親水性と疎水性の両特性を備えた膜となる。よって、かかるコーティング膜は、サブミクロンレベルで親水性と疎水性とがそれぞれ非常に高いため、コーティング材全体で見ても、防汚性能が大きくなる。
本実施の形態におけるコーティング膜は、水系コーティング材におけるシリカ微粒子とフッ素樹脂微粒子との質量比率を変化させることによってマクロ的な特性を調整することができる。すなわち、親水性であるシリカ微粒子の量に対して、疎水性であるフッ素樹脂微粒子の量を多くすれば、マクロ的に疎水性の高いコーティング膜が得られる。逆に、親水性であるシリカ微粒子の量に対して、疎水性であるフッ素樹脂微粒子の量を少なくすれば、マクロ的に親水性の高いコーティング膜が得られる。また、一般に、マクロ的に疎水性の高い通常のコーティング膜では、帯電等の影響によりホコリ等の汚れが付着しやすくなるものの、本実施の形態のように水系コーティング組成物により形成したコーティング膜では、シリカ微粒子をベースとするシリカ薄膜なので、マクロ的に疎水性が高い場合でも帯電などが生じず、防汚性能が高い。
以下、本実施の形態における製造方法により形成した水系コーティング膜の実施例を用いて本実施の形態の詳細を説明する。純水に対して、表1に示す組成割合で平均粒径6nmのシリカ微粒子を含むコロイダルシリカ(触媒化成工業株式会社製、pH10)と、平均粒径150nmのフッ素樹脂微粒子を含むフッ素樹脂ディスパージョン(旭硝子株式会社製、pH10)を攪拌しながら添加した後、非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエステル)0.1質量%をさらに加えることにより水系コーティング材を調製する。このコーティング材に送風ファン3を浸漬し、コーティング膜を形成させた後、コーティング膜の性状、接触角、ならびに防汚性能(粉塵付着性および着色性)を評価する。その結果を表2に示す。
Figure 0005121306
Figure 0005121306
ここで、コーティング膜の性状は、目視観察により評価した。接触角は、接触角計(協和界面化学株式会社製DM100)で測定した。粉塵付着性は、カーボンブラックをエアーでコーティング表面に吹き付けることによりカーボンブラックの付着による着色を目視観察にて5段階評価した。この評価において、カーボンブラックの付着がほとんどないものを1とし、カーボンブラックの付着が多いものを5と表記する。着色性は、コーティング膜を有する基材をタバコの煙中に2時間放置することにより、着色の度合いを目視観察にて5段階評価した。この評価において、着色がほとんどないものを1とし、着色が著しいものを5と表記する。
表2に示されているように、実施例1,2の水系コーティング材から得られたコーティング膜は、比較例としてコーティング無しの場合に比べて、粉塵付着性および着色性の評価値が低く、防汚性能が良好であった。
また、実施例1,2の水系コーティング組成物から得られたコーティング膜の接触角評価結果に示されているように、シリカ微粒子とフッ素樹脂微粒子との含有量(質量比率)により、コーティング膜のマクロ的な特性(親水性または疎水性)を調整することができることがわかる。
以上説明したように、本発明の水系コーティング材は、容易にコーティングすることができると共に、防汚性能および耐久性に優れたコーティング膜を得ることができる。
図3は、送風ファン3の陽圧面(凹面側)端部に、撥水コーティング材をコーティングした送風ファン3の一部である。コーティングパターンは、端部に1〜2mm程度の幅で全面あるいは一部にコーティングしても効果は得られるが、図に示すパターン6でのコーティングにより、パターン6に沿って微水滴が滑落し、さらなる効果を得ることができる。
本実施の形態の撥水コーティング材で用いられる撥水性樹脂としては特に制限されず、公知の様々な撥水性樹脂を用いることができる。このような撥水性樹脂としては、各種のシリコン樹脂、ポリオレフィン類、主鎖又は側鎖にハロゲン原子を有する各種の高分子が挙げられる。具体的には、様々なフッ化アルキル(メタ)アクリレートの各種重合体、4フッ化エチレン共重合体、6フッ化プロピレン共重合体、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、2フッ化ビニリデン単独重合体及び共重合体、3フッ化エチレン重合体、1フッ化エチレン重合体、塩化3フッ化エチレン重合体等を単独又は組み合わせて用いることができる。
一例として、フッ素樹脂を2%含む撥水性樹脂PCH−004VC(株式会社エヌアイマテリアル製)10ccにトリメチルシリル基で表面処理した平均粒径12nmの疎水性シリカAEROSIL RX200(日本エアロジル製)0.2gを混合攪拌し、撥水コーティング材を調製した。フッ素樹脂はフッ素系溶剤に2〜10質量%含まれていることが望ましく、2質量%以下の場合は十分な疎水性が得られず、10質量%以上の場合は分散不良で凝集する可能性がある。また、疎水性シリカの平均粒径は7〜40nmが望ましい。平均粒径が7nm以下の場合は、コーティング膜の表面に所望の大きさの凹凸が形成されず、また40nm以上の場合は、分散が不十分で膜強度の劣化を招く可能性がある。
このコーティング材を基材(たとえばガラス繊維入りAS樹脂板)上にコーティング膜を形成させた。密着性改善を目的に、基材への塗布前にコロナ放電や表面処理を施すことにより、より密着性を向上させることができる。
このように、一度基材に付着した汚れ(例えば水)が流れ易くするため、図に示すパターン6をもとに、送風フィン3の中で最も汚れが付きやすい先端部に筆塗りした。これにより、最小限の塗布量でホコリ、付着水を除去することができる。また、微少水滴のままで排除でき、送風ファン3上で液滴成長させない。また、乾燥させないことにより、防カビ抑制も可能になる。
[実施の形態2]
本実施の形態の特徴は、実施の形態1で用いた撥水コーティング材に抗菌剤を添加してコーティング材を調製した点である。抗菌剤としてキャプタンを用い、THFに溶解して5%の抗菌剤溶液を調製した。撥水性樹脂溶液として市販の撥水性樹脂コーティング材PCH−002(株式会社エヌアイマテリアル製)を用いた。市販の撥水性樹脂コーティング材100mlに対して、抗菌剤溶液10mlを混合してコーティング組成物を調製した。
コーティング材は白濁した液となり、抗菌剤の粒子経は平均粒径1.2μmとなった。このコーティング材を用いて、10cm角のガラス板上にスプレーにて塗布し、室温で乾燥させた後、形成されたコーティング膜を流水で洗浄した。かかるコーティング膜は、白濁した透明膜であり、水の接触角が140°の撥水膜であった。
次に、コーティング膜が形成されたガラス板を10mlのエタノールに浸漬させ、フィルムバック中で1時間密閉した。1時間密閉後のエタノール中におけるキャプタン濃度は2ppmであった。次に、このガラス板をナイロン不織布で3回擦った後のキャプタン濃度は260ppmであった。ここで、キャプタン濃度は、液体クロマトグラフィーで測定した。従って、かかるコーティング膜は、通常の状態では抗菌剤は溶出せず、コーティング膜の表面に物理的刺激が加わることで抗菌剤が溶出する膜であると考えられる。
以上のことから、抗菌剤が微粒化されて撥水性樹脂に内包された状態となり、表面に露出していないため、長期間にわたって抗菌性および抗カビ性を維持することができる。
本発明の実施の形態1におけるルームエアコンの概略外観図を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における送風ファンの概略外観図である。 本発明の実施の形態1における撥水コーティング材をコーティングした送風ファンの一部を示した図である。
符号の説明
1 フィルタ、2 熱交換器、3 送風ファン、4 室内機、5 筐体、6 パターン、10 ルームエアコン。

Claims (5)

  1. 空気調和機等に用いられる送風ファンであって、
    前記送風ファンの表面に、平均粒径が2〜10nmのシリカ微粒子からなる親水部と、前記親水部から突出する平均粒径が50〜500nmのフッ素樹脂微粒子からなる疎水部とを含有する親疎水コーティング膜を備え、さらに前記送風ファンの陽圧面端部に前記親疎水コーティング膜の前記親水部とは同一材料ではない撥水性コーティング材を施したことを特徴とする送風ファン。
  2. 前記親水部は前記親疎水コーティング膜のベースとなる薄膜であり、前記フッ素樹脂微粒子は前記薄膜から突出している請求項1に記載の送風ファン。
  3. 前記撥水性コーティング材は、2〜10質量パーセントのフッ素樹脂を含むフッ素系溶剤と、7〜40nmの平均粒径を有する疎水性シリカを含有する請求項1に記載の送風ファン。
  4. 前記撥水性コーティング材は、抗菌剤を含む請求項3に記載の送風ファン。
  5. 空気調和機等に用いられる送風ファンのコーティング方法であって、
    前記送風ファンの表面に、平均粒径が2〜10nmのシリカ微粒子からなる親水部と、前記親水部から突出する平均粒径が50〜500nmのフッ素樹脂微粒子からなる疎水部とを含有する水系コーティング材を塗布した後に、さらに前記送風ファンの陽圧面端部に前記水系コーティング材の前記親水部とは同一材料ではない撥水膜を形成することを特徴とする送風ファンのコーティング方法。
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