JPH11293154A - 防カビ性コーティング膜 - Google Patents

防カビ性コーティング膜

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JPH11293154A
JPH11293154A JP9913498A JP9913498A JPH11293154A JP H11293154 A JPH11293154 A JP H11293154A JP 9913498 A JP9913498 A JP 9913498A JP 9913498 A JP9913498 A JP 9913498A JP H11293154 A JPH11293154 A JP H11293154A
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resin
group
coating film
resins
coating
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JP9913498A
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Masahiro Henmi
昌弘 辺見
Hiroshi Hosono
博 細野
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防カビ性に優れたコーティング膜を提供するこ
と。 【解決手段】空気中から水中に浸漬した際に、空気膜を
形成することを特徴とする防カ性ビコーティング膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防カビコーティング
膜およびそれに用いられる塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】日本の気候は温暖で湿度が高く、カビの
発生に適している。カビの発生は、建築物等の美観を損
ねると共に、カビからの分泌物等が塗膜や素地を劣化さ
せる。さらに、発生するカビの種類によっては喘息や他
のアレルギー症状の原因となる等、人体への悪影響が指
摘されている。このような様々な問題に対し、従来、住
宅や食品工場等において壁や床などの建築構造物に、防
カビ剤が添加された、いわゆる防カビ塗料が広く用いら
れてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
防カビ塗料を塗布した場合、防カビ剤がブリードアウト
して、防カビ性能が低下する傾向がある。そのため、こ
のような防カビ剤を用いないか、防カビ剤を塗料中の樹
脂等に固定した防カビ塗料が求められている。すなわち
本発明では、カビの発生抑止能力の高い防カビ塗料、お
よびコーティング膜を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、水中
に浸漬した際に、空気膜を形成するコーティング膜が、
水分の付着を防ぎ、防カビ性能を有することを見出し
た。
【0005】即ち、本発明は、次の構成を有する。
【0006】「空気中から水中に浸漬した際に、空気膜
を形成することを特徴とする防菌・防カビ性コーティン
グ膜。」、「液体および樹脂を必須成分とする塗料であ
って、塗布、液体の気化の後に得られるコーティング膜
が、空気中から水中に浸漬した際に、空気膜を形成する
ものである防カビ用塗料。」、「前記いずれかの防カビ
コーティング膜を表層に有する建築内装または建築外装
材料。」からなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の防カビコーティン
グ膜について詳細に説明する。
【0008】本発明の防カビコーティング膜は、水中に
浸漬した際に、空気膜を形成することを特徴とする。こ
れは、該コーティング膜が水よりも空気との親和性が大
きいことを示している。
【0009】通常コーティング膜表面の接触角は、ポリ
テトラフルオロエチレンで108°、理論上、CF3
面でも136°である。このようなコーティング膜表面
では、水中で空気膜を形成することはない。しかし、接
触角が90°を超える物質の表面に、微細な凹凸を与え
ると、表面積が大きくなり接触角が大きくなる。このよ
うな表面では、水滴は球状に近づき、傾けると転がり落
ちる。接触角が大きくなるに従って、小さな傾きで転が
るようになり、微小な水滴も転がり落ちるようになる。
このようなコーティング表面は、水中で空気膜を形成
し、また、高湿度の環境でも水滴が付着しないため、菌
体やカビが生育しにくくなる。
【0010】本発明の防カビコーティング膜は、水中で
空気膜を形成するものであれば特に限定されないが、例
えば、ポリテトラフルオロエチレンなどの疎水性樹脂の
表面に凹凸を付けたもの、疎水性の微粒子を疎水性の樹
脂バインダーなどで固めた物などを挙げることができ
る。
【0011】前者の疎水性樹脂としては、樹脂のみから
得た膜の水の静止接触角が90°以上の樹脂であれば良
い。例えば、フッ素含有樹脂、オレフィン系樹脂、シリ
コーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレ
タン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホ
ン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂から選ば
れる少なくとも1種からなる樹脂、アルキル基又はフッ
化アルキル基を含有するシランカップリング剤及び/又
は該シランカップリング剤の反応生成物を含む樹脂を挙
げることができる。
【0012】フッ素含有樹脂としては、例えば、テトラ
フルオロエチレン単独重合体、テトラフルオロエチレン
とエチレンの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキ
サフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチ
レンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体、テ
トラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとパ
ーフルオロアルコキシエチレンの共重合体、クロロトリ
フルオロエチレン単独重合体、フッ化ビニリデン単独重
合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの共
重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン
の共重合体、フッ化ビニル単独重合体等を挙げることが
できる。
【0013】オレフィン系樹脂としては、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン,4−
メチル−2−ペンテンなどのオレフィン系モノマーの単
独重合体、2種以上の共重合体を挙げることができる。
【0014】シリコーン系樹脂としては、主鎖がSi−
O結合の繰り返し構造からなるシリコーンオイル、シリ
コーンレジンの側鎖又は末端基を変性し、反応性をもた
せたものである。これらのうち、反応性基に対応する硬
化剤で硬化して用いられるものがあるが、反応性基とし
ては、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル
基、カルビノール基、メルカプト基、フェノール基、メ
タクリル基、ビニル基、ヒドロシリル基等を挙げること
ができる。また、加水分解性シリル基で変性したシリコ
ーン系樹脂も好適に用いられる。加水分解性シリル基と
しては、アルコキシ基、ハロゲノ基、アシロキシ基、ア
ルキルケトキシム基が挙げられる。アルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。ハロゲ
ノ基としては、クロル基が好ましい。アシロキシ基とし
ては、アセトキシ基、プロピオノキシ基、ブタノキシ基
等を挙げることができる。アルキルケトキシム基として
は、メチルエチルケトキシム基等を挙げることができ
る。尚、主鎖中のSi原子の置換基は、特に限定されな
いが、通常、メチル基、エチル基等のアルキル基や、シ
クロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アリール
基がフッ素、塩素、臭素等のハロゲノ基、シアノ基、カ
ルボキシル基、スルホン酸基、ニトロ基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基等の各種置換基で置換されたものが用
いられるが、Si原子との結合の安定性や価格等から、
メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基が好適
に用いられる。
【0015】アクリル系樹脂としては、樹脂膜の水の静
止接触角が90°以上であれば、公知のアクリル系モノ
マーの単量体、他のアクリルモノマーや他のビニル系モ
ノマーとの共重合体を用いることができる。アクリル系
モノマーとしては、アクリル酸エステル類、メタクリル
酸エステル類等を挙げることができるが、疎水性の点で
アルキル基、フッ化アルキル基を有するものが好まし
い。(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸イソオ
クチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アク
リル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、
(メタ)アクリル酸イソミリスチル、(メタ)アクリル
酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリ
ル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)
アクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、
(メタ)アクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフ
ルオロブチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチ
ルエチル等を挙げることができる。また、反応性基を有
する(メタ)アクリル系モノマーを共重合成分として用
い、適当な硬化剤で反応硬化させるものも用いることが
できる。該モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
ブチル、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイ
ロキシエチルコハク酸、(メタ)アクリル酸3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピル、2−(メタ)アクリロイロ
キシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエ
チル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等を挙げることが
できる。ビニル系モノマーとしては、ハロゲン化ビニル
類、モノビニル芳香族化合物類、モノビニル脂肪族化合
物類等を挙げることができる。ハロゲン化ビニル類とし
ては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン等を挙げることができる。モノ
ビニル芳香族化合物類としては、例えば、スチレン、核
置換スチレン、2−ビニルナフタレン、4−ビニルビフ
ェニル等を挙げることができ、核置換基としては、メチ
ル基、クロル基、ブロム基、メトキシ基等を挙げること
ができる。モノビニル脂肪族化合物類としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、イソブテン等を挙げること
ができる。
【0016】エポキシ系樹脂としては、樹脂膜の水の静
止接触角が90°以上であれば、例えば、ビスフェノー
ル系エポキシ樹脂を用いることができる。ウレタン系樹
脂としては、アクリルポリオール、シリコーンポリオー
ルやポリオレフィンポリオールとポリイソシアネートか
らなる疎水性ウレタン樹脂が好ましい。
【0017】本発明のシランカップリング剤は、無機材
料に対して親和性あるいは反応性を有する加水分解性の
シリル基に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、
シクロアルキル、フッ素原子を含有する化学種を化学的
に結合させた構造を持つシラン化合物である。ケイ素に
結合した加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲ
ノ基、アシロキシ基、アルキルケトキシム基が挙げられ
る。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等を挙げ
ることができる。ハロゲンとしては、クロル基が好まし
い。アシロキシ基としては、アセトキシ基、プロピオノ
キシ基、ブタノキシ基等を挙げることができる。アルキ
ルケトキシム基としては、メチルエチルケトキシム基等
を挙げることができる。このような官能基の加水分解に
よって生成したシラノール基が、無機材料のOH基(例
えばシラノール基)と脱水縮合してSi−O−M(Mは
金属元素を示し、Si、Ti、Alなどである)結合を
生成する。アルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、ネオペンチル基、へキシル基、オク
チル基、ラウリル基等を挙げることができる。アリール
基としてはフェニル基等を、アラルキル基としてはベン
ジル基、フェネチル基等を挙げることができる。シクロ
アルキル基としては、シクロヘキシル基、シクロヘプチ
ル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げること
ができる。フッ素原子を含有する化学種としては、フッ
化アルキル基、フッ化アリール基、フッ化アラルキル
基、フッ化シクロアルキル基を挙げることができる。こ
の中でも、フッ化アルキル基、例えば、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基、パーフルオロブチルエチル基、
パーフルオロオクチルエチル基等が好ましく用いられ
る。加水分解性基は、ケイ素に1〜3個結合できるが、
これら加水分解性基以外にアルキル基、アリール基が1
〜2個結合していても良い。アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等を、ア
リール基としては、フェニル基等を挙げることができ
る。
【0018】本発明のアルキル基を有するシランカップ
リング剤としては、アルキル基の長さとして炭素数1、
4、8、10及び18のもの、加水分解性基としては、
モノクロロ体、ジクロロ体、トリクロロ体、モノアルコ
キシ体、ジアルコキシ体、トリアルコキシ体を挙げるこ
とができる。実例としては、メチルトリクロロシラン、
ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、オクチルトリメトキシシラン、メチルオクチルジ
メトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、メチル
オクチルジエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシ
シラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、オクタ
デシルトリエトキシシラン、メチルオクタデシルジエト
キシシラン等を挙げることができるが、これに限定され
るものではない。フッ化アルキル基を有するシリル化剤
の実例としては、パーフルオロオクチルエチルトリエト
キシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシ
シラン、パーフルオロブチルエチルトリメトキシシラ
ン、パーフルオロブチルエチルトリエトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシ
ランなどを挙げることができる。
【0019】さらに、上記シランカップリング剤に、前
記加水分解性シリル基と、有機官能性基を化学的に結合
させた構造を持つシラン化合物を併用することが可能で
ある。有機官能性基としては、アミノ基、メタクリル
基、アクリル基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基
を挙げることができる。例えば、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−ジブチルアミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシ
シラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどを例示
することができる。
【0020】本発明の樹脂マクの凹凸の形成方法は、任意
であるが、例えば、樹脂膜の表面をヤスリで粗面化した
り、サンドブラストなどの方法、さらには、樹脂溶液を
フィルム状にキャストし、非溶媒に浸漬して表面に多孔
構造を付与する方法などを挙げることができる。
【0021】後者の疎水性の微粒子を疎水性の樹脂バイ
ンダーなどで固めた物において、疎水性の微粒子として
は、有機樹脂微粒子、無機微粒子どちらも用いることが
できる。有機樹脂微粒子としては、フッ素系樹脂微粒
子、ポリスチレン系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微粒
子、エポキシ系樹脂微粒子、ポリエステル系樹脂微粒
子、ポリオレフィン系樹脂微粒子等を挙げることができ
るが、撥水性の点から、特にフッ素系樹脂微粒子が好ま
しく用いられる。フッ素系樹脂微粒子としては任意のも
のを使用することができるが、例えば、テトラフルオロ
エチレン単独重合体、テトラフルオロエチレンとエチレ
ンの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオ
ロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレンとパ
ーフルオロアルコキシエチレンの共重合体、テトラフル
オロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとパーフルオ
ロアルコキシエチレンの共重合体、クロロトリフルオロ
エチレン単独重合体、クロロトリフルオロエチレンとエ
チレンの共重合体、フッ化ビニリデン単独重合体、フッ
化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの共重合体、フ
ッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合
体、フッ化ビニル単独重合体などを挙げることができ
る。
【0022】本発明の無機微粒子としては、ケイ素、チ
タン、アルミニウム、ジルコニウム、アンチモン、ス
ズ、タングステンの酸化物、さらに、炭素を挙げること
ができる。該無機微粒子は、親水性であるので、少なく
とも表層をシランカップリング剤やチタンカップリング
剤などで疎水化したものが好ましく用いられる。
【0023】本発明のシランカップリング剤は、前記の
ものが用いられる。
【0024】本発明の防カビコーティング膜の製造方法
は任意であるが、通常は液体および樹脂を必須成分とす
る塗料を製造し、それを塗布、液体を気化させることで
得られる。具体的には、疎水性樹脂と微粒子を溶媒に分
散して塗料を作製し、スプレー、刷毛、ローラー等で壁
面、床面等に直接塗布する方法、壁用、床用等のパネ
ル、板に、工場等で該塗料をコーティングし、施工する
方法等を挙げることができる。本発明のコーティング膜
が基材上に設けられた材料は、その防カビ性から建築内
装材または建築外装材として公的である。さらに水道の
蛇口のような水が放出される出口を有する室内、例えば
浴室、台所、洗面所、トイレなどの屋内に使用すること
ができる。
【0025】本発明では防カビ性に注目して検討してき
たが、カビの発生を抑止するという観点から推測する
と、当然、カビの原因である抗菌性をも具備している可
能性がある。
【0026】さらに、本発明のコーティング膜には、カ
ビが付着しないので、カビ培養装置の内面コーティング
にも用いることができる。
【0027】
【実施例】以下実施例を述べるが、これによって何ら制
限されるものではない。
【0028】コーティング膜の水の静止接触角(以下接
触角と略す)は、接触角計(協和界面科学(株)、CA
−D型)を用いて測定した。塗料をスライドガラスに塗
布し、乾燥硬化させたものをサンプルとして用いた。
【0029】<実施例1>オキシム脱離タイプの室温硬
化型シリコーン樹脂塗料(固形分50重量%、クリア)
の塗膜の接触角は95°であった。3,3,3−トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン10重量部を2−プ
ロパノール100重量部に溶解し、0.05N塩酸1重
量部を加え、さらにシリカ微粒子(数平均粒子径約2μ
m)100重量部を加えて十分分散させた。得られた疎
水性シリカ分散液に、該シリコーン樹脂塗料200重量
部を混合した。これを70mm×150mm×1mmの
アルミ板に、エアースプレーで塗布し、室温で7日間乾
燥硬化させた。乾燥したコーティング膜厚は約55μm
であった。コーティング膜の接触角は155°であり、
水中に浸漬したところ、空気膜を形成した。また、1週
間浸漬を継続しても依然として空気膜を形成していた。
【0030】該コーティング板を、家庭の浴室の壁(床
から1.5mの位置)に貼り付けた。
【0031】本発明のコーティング膜は、水滴の付着が
無く、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後もカビの発生が見
られなかった。
【0032】<実施例2>実施例1の室温硬化型シリコ
ーン樹脂塗料100重量部、疎水性シリカ微粒子(数平
均粒子径約2μm)を2−プロパノール100重量部に
分散混合し、実施例1と同様に塗布した。コーティング
膜の接触角は160°であり、水中に浸漬したところ、
空気膜を形成した。また、1週間浸漬を継続しても依然
として空気膜を形成していた。
【0033】浴室での試験の結果、本発明のコーティン
グ膜は、水滴の付着が無く、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ
月後もカビの発生が見られなかった。
【0034】<比較例1>実施例1の室温硬化型シリコ
ーン樹脂塗料をアルミ板に塗布した。該コーティング膜
を水中に浸漬したところ、空気膜を形成しなかった。こ
れを実施例1と同様に部屋の壁に貼り付けた。大きな水
滴は流れ落ちたが、小さな水滴はコーティング膜面に留
まる傾向にあった。1ヶ月後は、カビの発生はなかった
が、3ヶ月後から見え始め、6ヶ月後には全面にカビが
発生していた。
【0035】<比較例2>実施例1のシリカ60重量部
をメチルエチルケトン90重量部に分散し、ビスフェノ
ール−Aタイプエポキシ樹脂(エポキシ当量:190)
18重量部とポリアルキレンオキシグリコールのジグリ
シジルエーテルタイプエポキシ樹脂(エポキシ当量:3
20)18重量部と硬化剤としてトリエチレンテトラミ
ン3.7重量部を加え良く混合して塗料を調製した。該
塗料を実施例1のアルミ板に塗布した。7日間乾燥硬化
後の接触角は55°であり、シリカを含まない樹脂膜の
水の静止接触角は75°であった。該コーティング膜を
水中に浸漬したところ、空気膜を形成しなかった。ま
た、これを実施例1と同様に部屋の壁に貼り付けた。水
滴が絶えず付着した状態であり、1ヶ月後にはカビが発
生していた。
【0036】<比較例3>ポリテトラフルオロエチレン
のシートの水の接触角は103°であり、該シートを水
中に浸漬したところ、空気膜を形成しなかった。また、
これを実施例1と同様に部屋の壁に貼り付けた。3ヶ月
後までは、カビの発生がなかったが、6ヶ月後にはカビ
の発生が少し見られた。
【0037】
【発明の効果】本発明のコーティング膜は、防カビの効
果がある。 従って、屋内屋外の建築材料として公的に
使用でき、例えば壁用コーティング材や床用コーティン
グ材等として用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気中から水中に浸漬した際に、空気膜を
    形成することを特徴とする防カビ性コーティング膜。
  2. 【請求項2】オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、ア
    クリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ
    スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、および
    ポリエーテルエーテルケトン系樹脂の少なくとも1種以
    上を含有する請求項1記載の防カビ性コーティング膜。
  3. 【請求項3】液体および樹脂を必須成分とする塗料であ
    って、塗布、液体の気化の後に得られるコーティング膜
    が、空気中から水中に浸漬した際に、空気膜を形成する
    ものである防カビ用塗料。
  4. 【請求項4】水を放出する出口を有する室内用である請
    求項3記載の防カビ用塗料。
  5. 【請求項5】樹脂がフッ素含有樹脂、オレフィン系樹
    脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹
    脂、ウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテ
    ルスルホン系樹脂、およびポリエーテルエーテルケトン
    系樹脂の少なくとも1種以上を含有する請求項3または
    4記載の防カビ用塗料。
  6. 【請求項6】請求項1または2いずれかの防カビコーテ
    ィング膜を表層に有する建築内装または建築外装用材
    料。
JP9913498A 1998-04-10 1998-04-10 防カビ性コーティング膜 Pending JPH11293154A (ja)

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