JP2021102723A - コーティング液、コート膜、コート膜を有する基材、及びコート膜を有する空気調和機 - Google Patents

コーティング液、コート膜、コート膜を有する基材、及びコート膜を有する空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】撥液性が高く、且つ表面抵抗の低いコート膜、当該コート膜を形成するためのコーティング液を提供する。【解決手段】少なくとも含フッ素有機化合物、二酸化ケイ素粒子3、ガラス転移温度が60℃以上のカルボキシ基含有樹脂、及び溶剤を含み、前記溶剤は、沸点が100℃以下のアルコールを含む、コーティング液。【選択図】図1

Description

本発明は、表面に油汚れ、ホコリ等を付着しにくくするコート膜を有する基材、当該コート膜を形成するコーティング液に関する。また本発明は、コート膜を筐体内部、送風ファン表面、又はフィルター表面等に有する空気調和機に関する。なお、空気調和機とは、室内の空気を熱交換器内に循環させることで加熱、冷却、又は除湿された空気を得て、これら空気を室内に放出することにより、室内空気の温度、又は湿度を適切に管理する機器であり、一般的にはエアーコンディショナー、或いはエアコンと呼ばれている。
空気中に漂うオイルミスト、ホコリといった汚れの成分が表面に付着することにより、家の中の家電、家具表面が汚れることは万人の経験することである。汚れによっては細菌の栄養素になり、そこからカビ、病原菌の繁殖を引き起こし、生活に支障を与えることもある。そのためこれら汚れが家電、家具などに極力付着しないことが望まれる。
家電のうち、特に汚れに曝されるのは一般にエアコンと呼ばれる空気調和機である。空気調和機は室内の空気を強制的に取り込むため、空気中の汚れを取り込む割合も高い。取り込まれた空気は、内部の熱交換器により加熱、冷却、又は除湿され、空気調和機から室内に放出される。空気調和機を長期にわたって使用した場合、室内の汚れが空気とともに空気調和機内部に入り込み、空気調和機内部に付着する。我々が分析したところ、主な汚れは、ホコリ、及び油分であった。これらが空気調和機の筐体内面、筒状の送風ファン、フィルター、タラップ等に付着している。特に樹脂部品表面への付着が著しく多い傾向がある。
油汚れに関しては、基材表面にコーティングすることにより油汚れの付着を抑制する含フッ素共重合体が特許文献1に記載されている。当該発明は、表面エネルギーの小さな含フッ素樹脂を基材表面にコートすることにより、油汚れの付着を抑制するものである。
ホコリについては、表面の抵抗が大きいほど静電的に付着しやすくなる。そのため、樹脂表面を低抵抗の膜でコートすることにより、ホコリの付着を抑制する旨の発明が特許文献2に記載されている。
特開2001−163927号公報 特開2012−236941号公報
上記特許文献のコート膜は、オイルミスト又はホコリに対する付着抑制効果がある。しかし、オイルミスト及びホコリの両方の付着抑制効果を持つコート膜ではない。
特許文献1に記載の撥液性の高い種々の含フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド等は、表面抵抗がおおよそ1018Ω/□と、汎用的に用いられているアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の1016Ω/□よりも高い。そのため表面が帯電しやすく、ホコリを付着させやすい。
一方、特許文献2に記載の塗膜は、表面抵抗は置かれている環境の相対湿度により異なるものの108〜10Ω/□と、汎用の樹脂に比べてかなり小さい。そのためホコリは付着しにくい。しかし、水との接触角が10°以下であり、液体を付着させやすい。そのため、オイルミストが付着しやすい問題がある。
以上より、オイルミスト及びホコリの両方の付着を抑制するには、撥液性が高く、且つ表面抵抗の低いコート膜が求められる。
我々は鋭意検討を行った結果、含フッ素有機化合物、二酸化ケイ素粒子、及びガラス転移温度が60℃以上のカルボキシ基含有樹脂を含有するアルコール溶液(コーティング液)を種々の基材に塗布し、乾燥することにより形成されるコート膜が高い撥液性を示し、且つ表面抵抗が低いことを見出し、本発明に至った。前記カルボキシ基含有樹脂は、実用上十分な耐水性を持ち、且つ家電の筐体内部の想定される最高温度での変形が生じないようにガラス転移温度が60℃以上のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合物を使用することが好ましい。
また、本発明のコーティング液は、溶剤がケトン系、エステル系溶剤ではなくアルコールであるため、エアコン、テレビ等の家電の筐体等で多用されているアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリル樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の種々の樹脂を溶解しないので、コーティングにより非常に多くの樹脂基材に本発明のコート膜を形成可能である。
具体的な解決手段は下記のとおりである。
(1)
少なくとも含フッ素有機化合物、二酸化ケイ素粒子、ガラス転移温度が60℃以上のカルボキシ基含有樹脂、及び溶剤を含み、前記溶剤は、沸点が100℃以下のアルコールを含む、コーティング液。
(2)
前記カルボキシ基含有樹脂は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物である、(1)に記載のコーティング液。
(3)
前記スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物は、酸価が160以上である、(2)に記載のコーティング液。
(4)
前記二酸化ケイ素粒子は、平均粒子径が10〜40nmである、(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング液。
(5)
前記二酸化ケイ素粒子は、不定形であり、短辺が10〜20nm、長辺が50〜100nmである、(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング液。
(6)
前記コーティング液中の前記二酸化ケイ素粒子の含有割合は、前記カルボキシ基含有樹脂と前記二酸化ケイ素粒子の合計量に対して20〜80質量%である、(1)〜(5)のいずれかに記載のコーティング液。
(7)
前記コーティング液中の前記含フッ素有機化合物の含有割合は、0.5〜2.5質量%である、(1)〜(6)のいずれかに記載のコーティング液。
(8)
前記含フッ素有機化合物は、主鎖が炭化水素鎖であり、前記炭化水素鎖に含フッ素基を有するベンゼン環が結合している化合物である、(1)〜(7)のいずれかに記載のコーティング液。
(9)
前記含フッ素基は、フルオロアルキル基である、(8)に記載のコーティング液。
(10)
さらに、ピリジニウム塩を含有する、(1)〜(9)のいずれかに記載のコーティング液。
(11)
少なくとも含フッ素有機化合物、二酸化ケイ素粒子、及びガラス転移温度が60℃以上のカルボキシ基含有樹脂を含む、コート膜。
(12)
前記カルボキシ基含有樹脂は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物である、(11)に記載のコート膜。
(13)
前記スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物は、酸価が160以上である、(12)に記載のコート膜。
(14)
前記二酸化ケイ素粒子は、平均粒子径が10〜40nmである、(11)〜(13)のいずれかに記載のコート膜。
(15)
前記二酸化ケイ素粒子は、不定形であり、短辺が10〜20nm、長辺が50〜100nmである、(11)〜(13)のいずれかに記載のコート膜。
(16)
前記コート膜中の前記二酸化ケイ素粒子の含有割合は、前記カルボキシ基含有樹脂と前記二酸化ケイ素粒子の合計量に対して20〜80質量%である、(11)〜(15)のいずれかに記載のコート膜。
(17)
前記コート膜中の前記含フッ素有機化合物の含有割合は、5〜40質量%である、(11)〜(16)のいずれかに記載のコート膜。
(18)
前記含フッ素有機化合物は、主鎖が炭化水素鎖であり、前記炭化水素鎖に含フッ素基を有するベンゼン環が結合している化合物である、(11)〜(17)のいずれかに記載のコート膜。
(19)
前記含フッ素基は、フルオロアルキル基である、(18)に記載のコート膜。
(20)
さらに、ピリジニウム塩を含有する、(11)〜(19)のいずれかに記載のコート膜。
(21)
平均膜厚が0.8μm以上である、(11)〜(20)のいずれかに記載のコート膜。
(22)
膜表面の算術平均粗さが0.1μm以下である、(11)〜(21)のいずれかに記載のコート膜。
(23)
基材表面の一部又は全面に(11)〜(22)のいずれかに記載のコート膜を有する、基材。
(24)
少なくとも熱交換器、前記熱交換器に空気を通すための送風ファン、前記熱交換器から出た空気の方向を調整する風向板、及び前記熱交換器と前記送風ファンを内部に納めた筐体を含む空気調和機であって、
前記送風ファン、前記風向板、及び前記筐体からなる群より選択される少なくとも1つの部品の表面に(11)〜(22)のいずれかに記載のコート膜を有する、空気調和機。
本発明のコーティング液によれば、多くの基材表面にオイルミスト及びホコリを付着させにくい高撥液かつ低表面抵抗のコート膜を形成することができる。また、コーティング液中の主溶剤はアルコールであるため、ケトン系又はエステル系溶剤に溶解するABS樹脂、アクリル樹脂、又はポリカーボネート樹脂等で形成されている部品表面にも塗布・乾燥の工程でコート膜の形成が可能である。なお、本発明では、製膜時の溶剤の乾燥が速やかに進むように、常圧での沸点が100℃以下のアルコールを主溶剤として用いている。
本発明のコート膜を有する基材の断面の模式図である。 本発明の空気調和機の断面の模式図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のコート膜を有する基材の断面模式図である。基材1の上にコート膜2が形成されている。コート膜2は、二酸化ケイ素粒子3、及びカルボキシ基含有樹脂と含フッ素有機化合物の混合物4を含む。コーティング液は、常圧での沸点が100℃以下のアルコールにこれら材料を溶解、或いは分散した液からなる。
以下、コーティング液、コート膜、及び空気調和機について説明する。
<コーティング液>
1.含フッ素有機化合物
本発明に用いる含フッ素有機化合物は、コート膜に撥液性を付与するために添加される。含フッ素有機化合物は、沸点が100℃以下のアルコールに可溶なものであれば特に制限されないが、以下の2つのカテゴリーの化合物が好適である。
(1)側鎖にカルボキシ基又はスルホン酸基を有する化合物
本発明に用いる含フッ素有機化合物は、主鎖が炭化水素鎖であり、前記炭化水素鎖に含フッ素基(フッ素を含有する官能基)、及びカルボキシ基が結合した化合物が好適である。当該化学構造を有する含フッ素有機化合物は、例えば、下記化合物A群で示される。
Figure 2021102723
親水性のカルボキシ基を有することにより、化合物としての極性が高まりアルコールに溶解し易くなる。また、撥液性を付与するための含フッ素基を併せ持った化学構造を有する。化合物A群の化合物は、化合物A1群と化合物A2を用いたラジカル反応により合成することができる。
Figure 2021102723
Figure 2021102723
化合物A群の化学構造をより具体化したものとして、下記化合物1群〜4群の化合物が挙げられる。
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
ところで、化合物A群のカルボキシ基以外の親水性置換基であるスルホン酸基を有する化合物もアルコールへの溶解性が良好であり、コーティングで形成されるコート膜は撥液性を発揮可能である。当該化学構造を有する含フッ素有機化合物は、例えば、下記化合物B群で示される。
Figure 2021102723
親水性のスルホン酸基を有することにより、化合物としての極性が高まりアルコールに溶解し易くなる。また、撥液性を付与するための含フッ素基を併せ持った化学構造を有する。化合物B群の化合物は、化合物A1群と化合物B2を用いたラジカル反応により合成することができる。
Figure 2021102723
Figure 2021102723
化合物B群の化学構造をより具体化したものとして、下記化合物5群〜8群の化合物が挙げられる。
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
(2)側鎖にベンゼン環を有する化合物
本発明に用いる含フッ素有機化合物は、主鎖が炭化水素鎖であり、前記炭化水素鎖に含フッ素基(フッ素を含有する官能基)を有するベンゼン環が結合した化合物が好適である。その理由は、立体障害の大きいベンゼン環が炭化水素鎖の整列を妨げ、非晶質になることで、形成されるコート膜の平坦性が向上するとともに、炭化水素鎖間に隙間を設けてコーティング液に含まれるアルコールが入りやすくなることで、溶剤に対する含フッ素有機化合物の溶解性が向上するからである。当該化学構造を有する含フッ素有機化合物は、例えば、下記化合物C群で示される。
Figure 2021102723
化合物C群の化合物は、化合物C1群を用いたラジカル反応により合成することができる。
Figure 2021102723
化合物C群の化学構造をより具体化したものとして、下記化合物9群〜12群の化合物が挙げられる。
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
本発明に用いる含フッ素有機化合物は、沸点が100℃以下のアルコールに可溶であればこれら以外の化学構造の化合物でもよい。前記化合物1群〜化合物8群は、炭化水素鎖に撥液性基として水素原子がないか、水素原子を1個、2個、又は4個有するフルオロアルキル鎖が結合した構造になっている。ここで、炭化水素鎖の長さを示すx及びyは特に限定されない。
前記フルオロアルキル鎖の炭素数は多いほど撥液性が高まる。検討の結果、形成されるコート膜の水との接触角を100°以上にするには、nは3以上である必要がある。一方、nが8を超えるとアルコールへの溶解性が低くなり、コーティング液中で一部分離して、コーティング液が濁る現象が見られた。よって、好適なnの上限は8と判断される。なお、nが8を超えてもコーティング液を撹拌してからコーティングすることが可能であるが、nが8以下であれば元々コーティング液中に溶解しているので撹拌等の振動を与える必要がない。
化合物9群〜化合物12群は、炭化水素鎖にベンゼン環が結合している化学構造を有する。前記ベンゼン環は、撥液性基として、水素原子がないか、水素原子を1個、2個、又は4個有するフルオロアルキル鎖を有する。ここで、炭化水素鎖の長さを示すx及びyは特に限定されない。
前記フルオロアルキル鎖の炭素数は多いほど撥液性が高まる。検討の結果、形成されるコート膜の水との接触角を100°以上にするには、nは3以上である必要がある。一方、nが8を超えるとアルコールへの溶解性が低くなり、コーティング液中で一部分離して、コーティング液が濁る現象が見られた。よって、好適なnの上限は8と判断される。なお、nが8を超えてもコーティング液を撹拌してからコーティングすることが可能であるが、nが8以下であれば元々コーティング液中に溶解しているので撹拌等の振動を与える必要がない。
コーティング液中の含フッ素有機化合物の含有割合は特に制限されないが、溶剤以外の全成分に対して、撥液性が高いコート膜を得る観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、形成されるコート膜の物理的強度確保の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
2.二酸化ケイ素粒子
本発明に用いる二酸化ケイ素粒子は、コート膜の表面抵抗を低減するため添加される。二酸化ケイ素粒子の表面抵抗は、コーティング液に用いるバインダー樹脂に比べて低いので、添加率を高めるとコート膜の表面抵抗が下がり、防塵性が向上する。
(1)粒子サイズ
二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が小さいほど、単位質量当たりの表面積が大きくなるので、コート膜の表面抵抗を低減しやすくなる。また、平均粒子径が40nmを超える二酸化ケイ素粒子を用いて作製したコーティング液を静置した場合、1か月程度で二酸化ケイ素粒子が沈殿することがわかった。具体的には、平均粒子径が50nm又は70nmの二酸化ケイ素粒子を用いて作製したコーティング液を静置した場合、1か月程度で沈殿が生じた。しかし、平均粒子径が40nmの二酸化ケイ素粒子を用いて作製したコーティング液を静置した場合、1か月経っても沈殿は生じなかった。よって、二酸化ケイ素粒子の平均粒子径は、40nm以下が望ましい。但し、平均粒子径が小さすぎると、コーティング液調製時の秤量の際、容器に入らず空気中に舞ってしまう割合が増える。そのため、二酸化ケイ素粒子の形状が球形(略球形を含む)の場合、コーティング液調製時のハンドリング性を考慮して、平均粒子径は、10〜40nmであることが好ましい。なお、ここで平均粒子径は動的光散乱法で測定した場合の値である。
(2)形状
二酸化ケイ素粒子の形状は、球形より不定形の方が単位重量当たりの表面積が大きくなるので、コート膜の表面抵抗を下げやすくなり好適である。粒子サイズが小さいほど単位質量当たりの表面積が大きくなるので好適であるが、球形の粒子の場合と同様、コーティング液調製時のハンドリング性を考慮して、不定形の粒子の場合、短辺は10〜20nm、長辺は50〜100nmであることが好ましい。なお、ここで不定形の粒子の短辺、長辺の測定は粒子の電子顕微鏡写真から求めた値である。
コーティング液中の二酸化ケイ素粒子の含有割合は特に制限されないが、溶剤以外の全成分に対して、表面抵抗の低いコート膜を得る観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上であり、形成されるコート膜の物理的強度確保の観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
また、コーティング液中の二酸化ケイ素粒子の含有割合は、カルボキシ基含有樹脂と二酸化ケイ素粒子の合計量に対して、高撥液かつ低表面抵抗のコート膜を得る観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、コート膜の物理的強度の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
3.カルボキシ基含有樹脂
本発明に用いるカルボキシ基含有樹脂は、ガラス転移温度が60℃以上であり、沸点が100℃以下のアルコールに可溶なものであれば特に制限されず、例えば、(メタ)アクリル/(メタ)アクリル酸樹脂、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物、水酸基を有するポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、又はこれらの混合物を意味する。(メタ)アクリルについても同様である。我々がこれら樹脂を検討した結果、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物を含むコート膜の表面抵抗は、他の樹脂を用いた場合より小さいことがわかった。したがって、カルボキシ基含有樹脂は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物であることが好ましい。特に、酸価が大きい樹脂の方が、表面抵抗が低い傾向があった。また、酸価が大きい樹脂の方がアルコールへの溶解性も高かった。特に、酸価が160以上の樹脂は、僅かな撹拌時間でアルコールに溶解するので好適である。前記樹脂の酸価は、より好ましくは200以上であり、更に好ましくは230以上である。
コーティング液中のカルボキシ基含有樹脂の含有割合は特に制限されないが、溶剤以外の全成分に対して、撥液性が高く、且つ表面抵抗の低いコート膜を得る観点から、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、アルコールへの溶解性等の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下である。
4.溶剤
先に記載したように、本発明では、溶剤として常圧で沸点が100℃以下のアルコールを用いる。前記アルコールとしては、具体的には、メタノール(沸点:約65℃)、エタノール(沸点:約78℃)、1−プロパノール(沸点:約97℃)、2−プロパノール(沸点:約82℃)、2−ブタノール(沸点:約98℃)、2−メチル−2−プロパノール(沸点:約82℃)等が挙げられる。これらのアルコールは、コーティング液を基材に塗布後、放置することにより比較的短時間で乾燥・硬化するため好ましい。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、常圧で沸点が100℃を超えるのアルコールを併用してもよい。
前述のように、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶剤や、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤は、家電製品等の筐体、各種部品に使われるABS樹脂、アクリル樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の樹脂を溶解するので、コーティング液の溶剤としては好ましくないが、上記問題が生じない範囲で用いてもよい。
5.その他の添加剤
前記必須成分以外の添加剤としては、例えば、コート膜の強度を高めるために添加する架橋剤、コート膜の抗菌性を高める抗菌剤等が挙げられる。
(a)架橋剤
架橋剤としては、例えば、前記樹脂中のカルボキシ基、又は水酸基等と架橋可能なアルコキシシリル基を有する化合物が挙げられる。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グルシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グルシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、及びp−スチリルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、アルコキシチタン基を有する化合物が挙げられる。具体的には、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレート、及びチタンエチルアセトアセテート等が挙げられる。
これら架橋剤を添加することにより、前記樹脂間の架橋が生じ、コート膜の物理的強度が向上する利点がある。
(b)抗菌剤
抗菌剤は、アルコールに可溶なものが好ましく、例えば、ピリジニウム塩が挙げられる。ピリジニウム塩としては、例えば、ヘキシルピリジニウムクロライド、オクチルピリジニウムクロライド、デシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ヘキシルピリジニウムブロマイド、オクチルピリジニウムブロマイド、デシルピリジニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムブロマイド、及びセチルピリジニウムブロマイド等が挙げられる。これらはブドウ球菌を始めとするグラム陽性菌やカビ等の真菌に対して強い殺菌作用を示す。
また、アルコールに可溶なヒノキチオール、2−フリルアルデヒド(慣用名はフルフラール)等の抗菌剤も使用可能である。
これらをコーティング液に加えることにより、コート膜を形成した空気調和機内部で僅かに付着するカビなどの細菌の増殖を抑制し、悪臭等の発生を抑制することができる。
コーティング液中の抗菌剤の含有割合は特に制限されないが、溶剤以外の全成分に対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。
<コート膜>
本発明のコート膜は、前記コーティング液を基材(部品)表面に塗布し、乾燥・硬化することにより形成することができる。コート膜を基材上に形成する際は、種々のウエットコーティング方式で行うことが可能である。具体的には、ディップコート、スピンコート、フローコート、バーコート、及びスプレーコート等が挙げられる。基材の形状が平面の場合は、これらコーティング方法はどれでも使えるが、基材に種々の凹凸がある場合は、スプレーコートが好適である。
基材が樹脂の場合、コート膜の膜厚が薄すぎると、コート膜の表面抵抗が小さくても基材の表面抵抗が大きい場合は、基材の表面抵抗の影響により、ホコリが付きやすくなる。そのため、コート膜の平均膜厚は、好ましくは0.8μm以上であり、より好ましくは2μm以上である。コート膜の平均膜厚が2μm以上であれば、基材の表面抵抗の影響はほとんど生じない。
コート膜の表面粗さは、小さい方がオイルミスト等の付着を抑制することができる。そのため、コート膜表面の算術平均粗さは、好ましくは0.1μm以下である。なお、含フッ素有機化合物、二酸化ケイ素粒子等を添加しているためか、溶剤であるアルコールが揮発する際に、コート膜表面が海島構造になることがある。その場合は、乾燥温度を高め、揮発速度を高めることで海島構造のサイズを小さくでき、表面凹凸を低減することが可能である。
<空気調和機>
図2は、本発明の空気調和機の断面の模式図である。本発明の空気調和機は、例えば、筐体5、筐体内部の空気の温度と湿度を制御するための熱交換器6、筐体内部に室内の空気を取り込み筐体外に送風するための送風ファン7、室内の空気を取り込む空気吸い込み口8、取り込んだ空気中のホコリ等を除くためのフィルター9、熱交換器から生じる水滴を受ける露受け皿10、熱交換器により温度と湿度を制御された空気が筐体外に排出される際の方向を制御するための横羽根11などから構成される。
筐体5、送風ファン7、フィルター9、及び横羽根11等は、ABS樹脂、アクリル樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の樹脂から形成されるので、これら部品の表面抵抗は約1016Ω/□である。また、水との接触角は80〜95°程度である。これら部品の表面に本発明のコート膜を形成することにより、表面抵抗が約1010Ω/□以下に低減され、水との接触角は100°以上となるため、ホコリやオイルミスト等が部品に付着しにくくなる。その結果、空気調和機内部の通風抵抗の上昇が抑制され、また、ホコリやオイルミスト等の付着部分で増殖する細菌由来の悪臭等の発生も抑制できる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。
実施例1
(1)コーティング液の調製
含フッ素有機化合物として化合物3群の中でnが8の化合物13(2質量部)、平均粒子径が10nmの二酸化ケイ素粒子(5質量部)、樹脂として表1に示す種々の樹脂(5質量部)をエタノール(88質量部)に加え、オーバーヘッドスターラーで撹拌し溶解させてコーティング液を調製した。
Figure 2021102723
(2)コート膜の形成
調製した各コーティング液を厚さ2mmのABS樹脂板にバーコーターで塗布し、その後、60℃の恒温槽に約1時間放置することによりコート膜を形成した。なお、塗布の際用いるバーコーターの番数は、コート膜の平均膜厚が約8〜10μmになるよう選択した。
(3)評価
(a)表面抵抗
三菱化学アナリティック社製の表面抵抗計hiresta−UPを用いてコート膜の表面抵抗を測定した。なお、測定時の電圧は100Vである。
(b)接触角
協和界面科学社製の接触角計CAD−1を用いてコート膜表面の水との接触角を測定した。
(c)ホコリの付着割合の評価
コート膜面を上にした状態で、ホコリの模擬物として、タバコの灰をコート膜表面に降りかけた。その後、コート膜面を垂直にしてABS樹脂板を床に軽く2回打ちつけた。その際、タバコの灰がコート膜表面に付着したまま残る割合を調べ、下記基準で評価した。なお、コート膜表面に残った灰の割合が少ないほどホコリ付着が抑制されていると判断できる。
a:タバコの灰の付着割合が10%未満
b:タバコの灰の付着割合が10%以上
(4)評価結果
評価結果を表1に示す。
Figure 2021102723
コート膜1〜8は、いずれも水との接触角が100°以上の高い撥液性を示した。また、タバコの灰の付着割合を見ると、コート膜1〜4は、タバコの灰の付着割合が10%未満であったが、コート膜5〜8は、タバコの灰の付着割合が10%以上であり、特にコート膜7及び8は、半分程度付着していた。以上より、樹脂としてスチレン/アクリル酸樹脂を用いることによりホコリの付着が抑制されることがわかった。タバコの灰の付着割合とコート膜の表面抵抗を見ると、表面抵抗が低いと、具体的には2×1011Ω/□以下の場合、タバコの灰の付着割合が10%未満となった。つまり、表面抵抗が低いほどホコリの付着が抑制されると判断される。コート膜1及び2は、用いた樹脂の酸価がそれぞれ150と160であり、酸価が10大きいだけでも表面抵抗は約1/10まで低減できることがわかった。よって、用いるスチレン/アクリル酸樹脂の酸価は160以上が好適であることがわかる。
実施例2
表2に記載の平均粒子径、形状の二酸化ケイ素粒子を用い、樹脂を酸価240、重量平均分子量17,000のスチレン/アクリル酸樹脂に統一した以外は、実施例1と同様にしてコート膜をABS板に形成した。そして、実施例1と同様の方法でコート膜の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2021102723
平均粒子径が大きくなるほどコート膜の表面抵抗は上昇する傾向が見られた。形状が球形で平均粒子径が10〜40nmである二酸化ケイ素粒子を用いたコート膜9〜12は、タバコの灰の付着割合が10%未満であった。また、表面抵抗が最大でも5×1010Ω/□であった。平均粒子径が50〜70nmである二酸化ケイ素粒子を用いたコート膜13及び14は、タバコの灰の付着割合が10%以上であり、表面抵抗が最小でも1×1011Ω/□であった。よって、形状が球形の場合、用いる二酸化ケイ素粒子の平均粒子径は10〜40nmが好ましいことがわかった。形状が不定形の場合、短辺が平均10〜20nm、長辺が平均50〜100nmの二酸化ケイ素を用いたコート膜15及び16は、タバコの灰の付着割合が10%未満であり、表面抵抗が最大でも8×1010Ω/□であった。短辺が平均30nm、長辺が平均150nmの二酸化ケイ素を用いたコート膜17は、タバコの灰の付着割合が10%以上であり、表面抵抗が2×1011Ω/□であった。よって、形状が不定形の場合、用いる二酸化ケイ素粒子は、短辺が平均10〜20nm、長辺が平均50〜100nmであるものが好ましいことがわかった。
実施例3
含フッ素有機化合物として化合物13以外に、化合物3群の中でnが3の化合物14(2質量部)、化合物4群の中でnが8の化合物15(2質量部)、化合物4群の中でnが3の化合物16(2質量部)、化合物6群の中でnが8の化合物17(2質量部)、化合物10群の中でnが8の化合物18(2質量部)、化合物10群の中でnが3の化合物19(2質量部)、化合物12群の中でnが8の化合物20(2質量部)をそれぞれ用い、樹脂を酸価240、重量平均分子量17,000のスチレン/アクリル酸樹脂に統一した以外は、実施例1と同様にしてコート膜をABS板に形成した。そして、実施例1と同様の方法でコート膜の評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
Figure 2021102723
いずれのコート膜も接触角は100°以上であり、タバコの灰の付着割合も10%未満であり、表面抵抗は最大でも3×10Ω/□であった。よって、本発明の含フッ素有機化合物を用いたコート膜は防汚性に優れることがわかった。含フッ素有機化合物中のフルオロアルキル基の長さを示すnが大きい方が接触角は大きい傾向があり、また表面抵抗は高い傾向が見られた。
実施例4
コーティング液調製の際、樹脂と二酸化ケイ素粒子の添加割合を種々変えた場合の防汚性を調べた。具体的には、実施例1に示すコーティング液の調製の際、二酸化ケイ素粒子の添加量を0〜9質量部、樹脂の添加量を10〜1質量部と変えたものを調製した。つまり、いずれのコーティング液も二酸化ケイ素粒子と樹脂の合計添加量は10質量部となるよう添加した。それ以外は実施例1と同じ原料を同じ量添加してコーティング液を調製し、調製したコーティング液を用いてコート膜をABS板に形成した。そして、実施例1と同様の方法でコート膜の評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 2021102723
二酸化ケイ素粒子を添加していないコート膜26、及び樹脂と二酸化ケイ素粒子の合計量に対して二酸化ケイ素粒子を10質量%含有しているコート膜27は、タバコの灰の付着割合が10%以上であった。また表面抵抗が1×1011Ω/□以上であった。樹脂と二酸化ケイ素粒子の合計量に対して二酸化ケイ素粒子を20質量%以上含有しているコート膜28〜35は、タバコの灰の付着割合が10%未満であった。また表面抵抗は3×1010Ω/□以下であった。よって、コート膜の組成としては、樹脂と二酸化ケイ素粒子の合計量に対して二酸化ケイ素粒子を20質量%以上含有することが好適であることがわかった。ところで、樹脂と二酸化ケイ素粒子の合計量に対して二酸化ケイ素粒子を90質量%含有しているコート膜35は、物理的強度が低く、ティッシュペーパーを用いて荷重約100gでコート膜表面を擦ると、容易に剥離することが判明した。コート膜28〜34では剥離は見られなかった。コート膜35の物理的強度の低下は、膜材料を保持するため、及び膜の物理的強度を高めるために加えられる樹脂の割合が少ないため生じたと考えられる。コート膜中の樹脂の割合をある程度高めないと実用に足るコート膜の物理的強度が保てないことから、樹脂の含有割合は、樹脂と二酸化ケイ素粒子の合計量に対して20質量%以上が好ましいと考えられる。言い換えれば、二酸化ケイ素粒子の含有割合は、樹脂と二酸化ケイ素粒子の合計量に対して80質量%以下が好ましい。よって、コート膜の組成としては、樹脂と二酸化ケイ素粒子の合計量に対して二酸化ケイ素粒子を20〜80質量%含有することが好適であることがわかった。
本発明のコーティング液は、表面に油汚れ、ホコリ等を付着しにくくするコート膜の形成に有用である。本発明のコート膜は、例えば、空気調和機の筐体内部、送風ファン表面、及びフィルター表面等に設けられる。
1:基材
2:コート膜
3:二酸化ケイ素粒子
4:カルボキシ基含有樹脂と含フッ素有機化合物の混合物
5:筐体
6:熱交換器
7:送風ファン
8:空気吸い込み口
9:フィルター
10:露受け皿
11:横羽根

Claims (24)

  1. 少なくとも含フッ素有機化合物、二酸化ケイ素粒子、ガラス転移温度が60℃以上のカルボキシ基含有樹脂、及び溶剤を含み、前記溶剤は、沸点が100℃以下のアルコールを含む、コーティング液。
  2. 前記カルボキシ基含有樹脂は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物である、請求項1に記載のコーティング液。
  3. 前記スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物は、酸価が160以上である、請求項2に記載のコーティング液。
  4. 前記二酸化ケイ素粒子は、平均粒子径が10〜40nmである、請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング液。
  5. 前記二酸化ケイ素粒子は、不定形であり、短辺が10〜20nm、長辺が50〜100nmである、請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング液。
  6. 前記コーティング液中の前記二酸化ケイ素粒子の含有割合は、前記カルボキシ基含有樹脂と前記二酸化ケイ素粒子の合計量に対して20〜80質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング液。
  7. 前記コーティング液中の前記含フッ素有機化合物の含有割合は、0.5〜2.5質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載のコーティング液。
  8. 前記含フッ素有機化合物は、主鎖が炭化水素鎖であり、前記炭化水素鎖に含フッ素基を有するベンゼン環が結合している化合物である、請求項1〜7のいずれかに記載のコーティング液。
  9. 前記含フッ素基は、フルオロアルキル基である、請求項8に記載のコーティング液。
  10. さらに、ピリジニウム塩を含有する、請求項1〜9のいずれかに記載のコーティング液。
  11. 少なくとも含フッ素有機化合物、二酸化ケイ素粒子、及びガラス転移温度が60℃以上のカルボキシ基含有樹脂を含む、コート膜。
  12. 前記カルボキシ基含有樹脂は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物である、請求項11に記載のコート膜。
  13. 前記スチレン/(メタ)アクリル酸共重合物は、酸価が160以上である、請求項12に記載のコート膜。
  14. 前記二酸化ケイ素粒子は、平均粒子径が10〜40nmである、請求項11〜13のいずれかに記載のコート膜。
  15. 前記二酸化ケイ素粒子は、不定形であり、短辺が10〜20nm、長辺が50〜100nmである、請求項11〜13のいずれかに記載のコート膜。
  16. 前記コート膜中の前記二酸化ケイ素粒子の含有割合は、前記カルボキシ基含有樹脂と前記二酸化ケイ素粒子の合計量に対して20〜80質量%である、請求項11〜15のいずれかに記載のコート膜。
  17. 前記コート膜中の前記含フッ素有機化合物の含有割合は、5〜40質量%である、請求項11〜16のいずれかに記載のコート膜。
  18. 前記含フッ素有機化合物は、主鎖が炭化水素鎖であり、前記炭化水素鎖に含フッ素基を有するベンゼン環が結合している化合物である、請求項11〜17のいずれかに記載のコート膜。
  19. 前記含フッ素基は、フルオロアルキル基である、請求項18に記載のコート膜。
  20. さらに、ピリジニウム塩を含有する、請求項11〜19のいずれかに記載のコート膜。
  21. 平均膜厚が0.8μm以上である、請求項11〜20のいずれかに記載のコート膜。
  22. 膜表面の算術平均粗さが0.1μm以下である、請求項11〜21のいずれかに記載のコート膜。
  23. 基材表面の一部又は全面に請求項11〜22のいずれかに記載のコート膜を有する、基材。
  24. 少なくとも熱交換器、前記熱交換器に空気を通すための送風ファン、前記熱交換器から出た空気の方向を調整する風向板、及び前記熱交換器と前記送風ファンを内部に納めた筐体を含む空気調和機であって、
    前記送風ファン、前記風向板、及び前記筐体からなる群より選択される少なくとも1つの部品の表面に請求項11〜22のいずれかに記載のコート膜を有する、空気調和機。
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