JP3939566B2 - フィン用塗料組成物、フィン及びその製造方法並びに熱交換器 - Google Patents

フィン用塗料組成物、フィン及びその製造方法並びに熱交換器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィン用塗料組成物、フィン及びその製造方法並びに熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ルームエアコン、工業用熱交換器などの熱交換器のフィンに軽量性、加工性、熱伝導性からアルミニウムやアルミニウム合金(以下併せて、アルミニウム材という)が広く使用されている。
熱交換器のフィンに空気中から凝縮した水滴が付着すると通風抵抗の増加、熱交換器の能力低下をもたらすのでこれを防止するため、表面に親水性を付与することが行われている。
又、アルミニウム材は本来耐蝕性に優れているが凝縮水がフィン表面に長期間滞留すると、酸素濃淡電池を形成したり、大気中の汚染性分が付着・濃縮されて水和反応が生じたりして腐食が促進される。この腐食生成物はフィン表面に堆積し、熱交換特性を阻害するとともに、冬季の暖房運転時には白い粉となって温風とともに送風機から排出される。
【0003】
又、マンションなどの密封型住宅では、フローリングフロアーが多く施され、フロワーワックスによる床磨きが行われていることなどから、このフロワーワックスをはじめとして、蚊取り線香、防臭剤及びてんぷら油などの微粒子などがエアコンの熱交換器に吸い込まれてフィン表面に付着し、エアコンの熱交換性能を低下させていることが判明し、問題視されている。
【0004】
これらの問題を改善するため、フィンの耐蝕性を向上させるとともに、フィン表面の親水性を、フロアーワックスや蚊取り線香、防臭剤及びてんぷら油などの微粒子を付着させない親水性皮膜や、付着してもエアコン運転時に発生する凝縮水により上記の微粒子などの汚染物質を流出させるというフィンの耐汚染性付与皮膜が提案されている。
【0005】
例えば、特開昭63−108084号公報には、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性セルロース樹脂又はその変性物100重量部に、水溶性アミノ樹脂5〜50重量部を含有させた表面処理用樹脂組成物が開示されている。この水溶性セルロース樹脂の変性物としては、水溶性セルロース樹脂とN−メチロールアクリルアミド等の親水性合成高分子との混合物を使用しており、水溶性アミノ樹脂として、メチル化尿素等を使用している。しかし、この組成物では充分な親水性とフィンの耐汚染性能をともに満たすことができない。
【0006】
更に、特開平2−258874号公報には、固形分換算で、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリウム塩5〜25重量部と、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩25〜50重量部と、N−メチロールアクリルアミド25〜70重量部とからなる成分の合計100重量部に対して、ポリアクリル酸1.5〜15重量部と、ジルコニウム化合物をZr換算で0.6〜9重量部とを含有する親水性表面処理剤、処理浴及び処理方法が開示されているが、親水持続性と耐汚染性能の点で充分とはいえない。
【0007】
更に、特開平6−322552号公報には、固形分換算で、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリウム塩5〜25重量部と、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩25〜50重量部と、N−メチロールアクリルアミド25〜70重量部とからなる成分の合計100重量部に対して、ポリアクリル酸5〜50重量部とポリエチレンオキサイド5〜50重量部とを含有させた親水性表面処理剤、処理浴及び処理方法が開示されているが、本発明の課題である耐汚染性という問題にはあまり触れておらず、皮膜形成性が不充分なため、耐久性の点で充分とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、過去の提案・開示の中で、何が本発明の課題とする「汚染性」の解決手段となり得るかを、種々、検討及び調査の結果、耐汚染性には、上記特開平2−258874号公報及び特開平6−322552号公報に開示されたカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリウム塩と、カルボキシメチルセルロースのアンモニウムが効果ありとの調査結果が得られた。しかし、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリウム塩は、N−メチロールアクリルアミド及びポリアクリル酸を架橋剤としても、皮膜形成成分とはなり得ないことも判明した。一方、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩は、皮膜形成性能は著しく良好であるも、多量の使用は、親水性能の低下を招くことが判明した。
【0009】
更に、特開平8−81650号公報に開示・提案されている共重合体の酸基が塩基性化合物で部分中和又は中和することにより構成された親水性樹脂を主成分とするフィン用塗料組成物から形成された皮膜にも、耐汚染性を有することが判明した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような状況に鑑み、鋭意検討の結果、耐クレージング性能、耐汚染性能及び親水持続性能を有するフィン用塗料組成物を見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明における第一の発明の要旨は、親水性樹脂(A)と、1,3−ジオキサン環を2個以上有する複素環系有機化合物(B)と、グルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)と、カルボキシメチルセルロースの塩(D)とからなり、
親水性樹脂(A)が、グルコピラノシル基を有する単量体(a1)と、ニトリル基を有する単量体(a2)と、ヒドロキシ基を有する単量体(a3)と、カルボキシル基を有する単量体(a4)と、アルキル基を有する単量体(a5)とから構成された五元共重合体(a)の酸基が、塩基性化合物で部分中和されてなる親水性樹脂であり、
複素環系有機化合物(B)が、下記一般式1で表される1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)から誘導される、1,3−ジオキサン環を2個以上有する複素環系有機化合物であり、
複素環系有機化合物(C)が、下記一般式2で表される1,3−ジオキソラン環を有するアルコール(c)及び下記一般式3で表される1,3−ジオキサン環を有するアルコール(d)からなる群より選ばれる1種以上から誘導される、1,3−ジオキソラン環及び1,3−ジオキサン環から選ばれる1種以上の環を2個以上有するグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物
であることを特徴とする塗料組成物にある。
【0011】
【化4】
Figure 0003939566
【0012】
(一般式1において、R1、R2はH又は側鎖を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
【0013】
【化5】
Figure 0003939566
(一般式2において、R4、R5はH又は側鎖を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
【0014】
【化6】
Figure 0003939566
(一般式3において、R6、R7はH又は側鎖を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基を示し、R8は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
【0015】
又、本発明における第二の発明の要旨は、上記塗料組成物を含有する塗料で形成した塗膜を表面に形成してなるフィンにある。
又、本発明における第三の発明の要旨は、上記塗料組成物を含有する塗料をアルミニウム又はアルミニウム合金の表面に塗布、焼付けした後、該アルミニウム又はアルミニウム合金をフィンに加工することを特徴とするフィンの製造方法にある。
又、本発明における第四の発明の要旨は、上記フィンが組み込まれていることを特徴とする熱交換器にある。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる五元共重合体(a)の構成成分であるグルコピラノシル基を有する単量体(a1)におけるグルコピラノシル基は、本発明の最も重要な役割である親水性能と耐汚染性能を発揮する官能基であり、グルコピラノシル基を有する単量体(a1)のホモポリマーが水に溶解する性質を有していることからも判るように、五元共重合体(a)に高い親水性能を与える。
また、グルコピラノシル基を有する単量体(a1)は、皮膜自体に耐汚染性能を発揮させる極性の高い物質(即ち、油性の低い性質)であり、一方、フロワーワックス、蚊取り線香、防臭剤及びてんぷら油などの微粒子の汚染物質は、油性の高い物質、(即ち、極性の低い性質)であるため、皮膜にこれらの汚染物質の難付着性を付与する。
更に、グルコピラノシル基に有する水酸基は、上記複素環系有機化合物(B)及びグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)と反応し、アルミニウム合金材表面との密着性の優れた強固な皮膜形成性架橋構造を生成させる。
本発明において用いられるグルコピラノシル基を有する単量体(a1)の具体例としては、例えば、アクリル酸グルコピラノシルエチル、アクリル酸グルコピラノシルプロピル、メタクリル酸グルコピラノシルエチル、メタクリル酸グルコピラノシルプロピル、マレイン酸ジグルコピラノシルエチル、マレイン酸ジグルコピラノシルプロピル、イタコン酸ジグルコピラノシルエチル、イタコン酸ジグルコピラノシルプロピルなどが挙げられる。中でも、アクリル酸グルコピラノシルエチル、メタクリル酸グルコピラノシルエチルが好ましく用いられ、これらは、単独又は複数種組み合わせて用いられる。
なお、グルコピラノシル基とは、下記構造の基である。
【0017】
【化7】
Figure 0003939566
【0018】
上記五元共重合体(a)の構成成分であるニトリル基を有する単量体(a2)におけるニトリル基は、CN結合、即ち炭素元素と窒素元素間の三重結合に起因するπ電子により双極子能率が著しく高くなっているので、樹脂の親水性を高める。しかし、樹脂自体のアルミニウム合金に対する密着性を低下させる水溶化という現象を起させる程の力(極性又は双極子能率)はない。それにより、この双極子能率の大きいニトリル基の存在によってアルミニウム合金に対する密着性が向上するものとなっている。
更に、ニトリル基を有する単量体(a2)は、ブナN、GA―A、ペルブナン、NBRの商品名で有名なブタジエンニトリルゴムの製造に欠かせない単量体であり、その加硫物は抗張力、弾性共に大きく、耐油性、耐摩耗性には優秀である(有機合成化学協会編、有機化学ハンドブック、p1096(昭和35年)技報堂)ことからも判るように特に耐油性、即ち、汚染物質を寄せ付けない性質を皮膜に付与する効果が非常に大きい。
このようなニトリル基を有する単量体(a2)としては、(メタ)アクリル酸−2−シアノエチル、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。中でも、アクリロニトリルが好ましい。
【0019】
上記五元共重合体(a)の構成成分であるヒドロキシ基を有する単量体(a3)は、上記の複素環系有機化合物(B)及びグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)と反応し、強固な皮膜を形成させる役割を有し、架橋反応を起すことにより、アルミニウム合金材表面との密着性、機械的強度(強靭性)、可撓性などの特性に優れた塗膜を構成するものとなる。
このようなヒドロキシ基を有する単量体(a3)としては、例えば(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2又は3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3又は4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−2,3−ジヒドロキシプロピルや、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2又は3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル及び4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。中でも、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2,3−ジヒドロキシプロピル及び2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等が好ましい。
【0020】
上記五元共重合体(a)の構成成分である上記カルボキシル基を有する単量体(a4)は、アニオン系の親水性を有しており、上記複素環系有機化合物(B)及びグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)の酸基の塩基性化合物、好ましくはアルカリ金属の水酸化物による部分中和は五元共重合体(a)の親水性を一層高める。 更に、特筆するのは、上記複素環系有機化合物(B)及びグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)が、グルコピラノシル基やヒドロキシ基を有する単量体(a3)に有する水酸基と、上記複素環系有機化合物(B)及びグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)と反応して架橋構造を形成する際に、上記のアルカリ金属の水酸化物との部分中和によって残存させている五元共重合体(a)の酸残基が、架橋反応の触媒として働くことである。
このようなカルボキシル基を有する単量体(a4)としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及びイタコン酸、マレイン酸の炭素数1〜6の飽和の直又は側鎖を有するアルキルアルコールのハーフエステル等が挙げられる。
中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びマレイン酸の炭素数1〜2の飽和アルキルアルコールのハーフエステルが好ましく用いられ、これらは、単独又は複数種組み合わせて用いられる。
【0021】
上記単量体(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)のみによって構成された樹脂はガラス転移温度が高すぎるものとなり、アルミニウム合金材への密着性が劣り、更に強靭性及び柔軟性に劣ることによってプレス加工時に割れなどのトラブルの発生要因となる。
そこで、上記五元共重合体(a)の構成成分であるアルキル基を有する単量体(a5)は、本発明の五元共重合体(a)のガラス転移温度を調整させるために用いられるものである。即ち、この単量体(a5)を用いることによって、アルミニウム合金材への密着性、強靭性及び柔軟性の特徴が向上し、塗膜性が高まると共に、形成される皮膜のプレス加工が良好となる。
このようなアルキル基を有する単量体(a5)としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n又はi−プロピル、(メタ)アクリル酸−n又はi又はt−ブチル、(メタ)アクリル酸−n又はi−ペンチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジ−n又はi−プロピル、イタコン酸ジ−n又はi又はt−ブチル、イタコン酸−n又はi−ペンチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−n又はi−プロピル、マレイン酸ジ−n又はi又はt−ブチル、マレイン酸−ジn又はi−ペンチル等が挙げられる。中でも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−i−プロピル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル及びマレイン酸ジ−i−プロピルが好ましい一例であり、これらは単独又は複数種組み合わせて用いられる。
【0022】
本発明において、五元共重合体(a)としては、これを構成する単量体(a1)/(a2)/(a3)/(a4)/(a5)の比率が、質量比で、18〜50/8〜20/2〜6/10〜20/2〜4であることが好ましく、20〜35/12〜18/3〜5/12〜18/3〜4であることがより好ましい。
五元共重合体(a)の数平均分子量が1,000〜50、000であることが好ましく、2,000〜35,000であることがより好ましい。
この五元共重合体(a)は、通常の既知の重合方法で製造することができる。重合方法としては、レドックス重合法が好ましく、重合触媒は特に限定されるものではないが、望ましくは、得られる塗料の防食性を考慮すると、ハロゲン系化合物やイオン、硫酸などの強酸性化合物やイオンが配合されていない触媒が好ましい。特に、過酸化水素水―有機酸系レドックス触媒が良好である。
【0023】
更に、本発明の塗料組成物を構成する親水性の樹脂(A)は、この五元共重合体(a)を塩基性化合物で部分中和することによって製造され、五元共重合体(a)の酸基が、塩基性化合物で部分中和することにより親水性が発揮される。塩基性化合物としては、アルカリ金属水酸化物が好ましく、なかでも水酸化ナトリウムと水酸化カリウムがより好ましく、このいずれかを単独で使用してもよく、両者を混合して使用してもよい。
【0024】
本発明において、前記一般式1で表される1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)としては、5−メチル−5−オキシカルボニルー1,3−ジオキサン、5−エチル−5−オキシカルボニル−1,3−ジオキサン,2,2−ジメチル−5−メチル−5−オキシカルボニル−1,3−ジオキサン、2,2−ジメチル−5−エチル−5−オキシカルボニル−1,3−ジオキサン、2−メチル−2−エチル−5−メチル−5−オキシカルボニル−1,3−ジオキサン,2−メチル−2−エチル−5−エチル−5−オキシカルボニル−1,3−ジオキサン、2−メチル−2−イソブチル−5−メチル−5−オキシカルボニル−1,3−ジオキサン,2−メチル−2−イソブチル−5−エチル−5−オキシカルボニル−1,3−ジオキサン等を例示できる。
前記一般式2で表される1,3−ジオキソラン環を有するアルコール(c)としては、4−オキシメチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−4−オキシメチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−2−エチル−4−オキシメチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−2−イソブチル−4−オキシメチル−1,3−ジオキソラン等を例示でき、前記一般式3で表される1,3−ジオキサン環を有するアルコール(d)としては、5−オキシメチル−1,3−ジオキサン、2,2−ジメチル−5−エチル−5−オキシメチル−1,3−ジオキサン、2−メチル−2−エチル−5−オキシメチル−1,3−ジオキサン、2−メチル−2−イソブチル−5−オキシメチル−1,3−ジオキサン等を例示できる。
【0025】
又、複素環系有機化合物(B)が、複素環系有機化合物(B)は分子量1500未満の低分子量複素環系有機化合物(B1)と、分子量1500〜20,000の中分子量複素環系有機化合物(B2)と、分子量20,000を超える高分子量複素環系有機化合物(B3)の混合物であることが好ましい。この低分子量複素環系有機化合物と中分子量複素環系有機化合物と高分子量複素環系有機化合物の質量比が25〜45:15〜35:10〜60であることが好ましく、28〜38:20〜30:20〜45であることがより好ましい。
【0026】
この低分子複素環系有機化合物(B1)としては、ポリエチレングリコール200#、ポリエチレングリコール400#、ポリエチレングリコール600#、ポリエチレングリコール1000#等の1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)のジエステル、グリセリン、ジグリセリン,ポリグリセリン310#、500#、750#等の1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)のジエステル又はトリエステル等を例示できる。
これらのうち、好ましいものとしては、ポリエチレングリコール400#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール600#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール1000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリグリセリン#500ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリグリセリン#750トリ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール400#ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール600#ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール1000#ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリグリセリン#500ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリグリセリン#750トリ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート等が特に好ましい。
【0027】
中分子量複素環系有機化合物(B2)としては、ポリエチレングリコール1500#、ポリエチレングリコール2000#、ポリエチレングリコール4000#、ポリエチレングリコール6000#、ポリエチレングリコール10000#、ポリエチレングリコール13000#、ポリエチレングリコール20000#、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール(ニューポールPE−108,PE−128など),ポリオキシエチレン(9900)−12−ヒドロキシステアリルトリグリセリドエーテル等の1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)のジエステル等を例示できる。
これらのうち、好ましいものとしては、ポリエチレングリコール2000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール4000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール6000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール10000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリオキシエチレンオキシプレングリコール(ニューポールPE−128)ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート,ポリオキシエチレン(9900)−12−ヒドロキシステアリルトリグリセリドエーテルトリ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール2000#ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール4000#ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール6000#ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレングリコール10000#ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリオキシエチレンオキシプレングリコール(ニューポールPE−128)ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート,ポリオキシエチレン(9900)−12−ヒドロキシステアリルトリグリセリドエーテルトリ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネートが特に好ましい。
【0028】
高分子量複素環系有機化合物(B3)としては、ポリエチレンオキサイドPEO−1、PEO−3、PEO−8、PEO−15、PEO−18等の1、3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)とのジエステル等を例示できる。
これらのうち、好ましいものとしては、ポリエチレンオキサイドPEO−1ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、PEO−3ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、PEO−8ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、ポリエチレンオキサイドPEO−1ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、PEO−3ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート、PEO−8ジ[α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネートが特に好ましい。
【0029】
親水性の樹脂(A)と複素環系有機化合物(B)の比率が質量比で100:200〜300であることが好ましく、100:230〜280であることがより好ましい。
【0030】
グルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)は、耐汚染性増強の役割を発揮させるため配合されている。これは、親水性樹脂(A)やカルボキシメチルセルロースの塩(D)にもグルコピラノシル基を有して耐油性を発揮させている。しかし、両成分ともに高分子性物質のため、複素環系有機化合物との架橋構造形成後には、水分が全く無い高濃度樹脂状態のために、樹脂自体の量子力学的な動きが封じられてしまう。
即ち、高分子性物質は、高濃度の溶液状態では螺旋状になって溶液中に存在し、量子力学的な動きを行っているとされており、その状態で焼付・乾燥されて皮膜化すると部分的に高分子中に存在させている官能基は皮膜表面に出ることなく、皮膜表面下に沈んでしまって本来の樹脂設計によって期待する性能が発揮されないことがしばしば発生する。
本発明者らはこの現象を長年の経験と長期に渡る調査結果から察知し、塗料組成物に新たな耐油性成分であるグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)の添加により、本発明を完成させた。更に、単にグルコピラノシル基を有する有機化合物を添加するだけでは、エアコンの稼動時に生成する凝縮水によって塗料組成物が短期間のうちに流出することを考慮して、1,3−ジオキサン環という反応性を有するグルコピラノシル基を有する有機化合物を発明しこれを添加させて本発明を完成させた。
【0031】
又、五元共重合体(a)とグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)は、上記の説明のように高分子性物質であってはいけないので、1,3−ジオキソラン環を有するアルコール(c)や1,3−ジオキサン環を有するアルコール(d)と、α−D−キシロース(木糖)、α−D−グルコース(ブドウ糖)、α−D−ガラクトース、β−D−フルクトース(果糖)、マルトース(麦芽糖)及びサッカロース(ショ糖)との反応によって得られるグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物が挙げられ、親水性の樹脂(A)とグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)の比率が質量比で100:30〜100であること好ましく、100: 45〜80であることがより好ましい。
【0032】
これらのうち、好ましいものとしては、1,3−ジオキソラン環を有するアルコール(c)由来のものとして、3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−キシロピラノース、2,2−ジメチル−4−(1,3−ジオキソラニル)メチル−α−D−キシロピラノース、1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノース、2,2−ジメチル−4−(1,3−ジオキソラニル)メチル−α−D−グルコピラノース、3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−ガラクトピラノース、2,2−ジメチル−4−(1,3−ジオキソラニル)メチル−α−D−ガラクトピラノース、3−ジオキソラン−4−メチル−β−D−フルクトピラノース、2,2−ジメチル−4−(1,3−ジオキソラニル)メチル−β−D−フルクトピラノース、3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース、2,2−ジメチル−4−(1,3−ジオキソラニル)メチル−4−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース、1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド、2,2−ジメチル−4−(1,3−ジオキソラニル)メチル−4−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド等が例示できる。
【0033】
1,3−ジオキサン環を有するアルコール(d)由来のものとしては、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−キシロピラノース、2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)メチル−α−D−キシロピラノース、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノース、2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)メチル−α−D−グルコピラノース、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−ガラクトピラノース、2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)メチル−α−D−ガラクトピラノース、3−ジオキサン−5−メチル−β−D−フルクトピラノース、2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)メチル−β−D−フルクトピラノース、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース、2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド、2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド等が例示でき、この中でも、1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノース、1.3−ジオキソラン−4−メチル−β−D−フルクピラノース、1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース、1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノース、1,3−ジオキサン−5−メチル−β−D−フルクトピラノース、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシドが特に好ましい。
【0034】
カルボキシメチルセルロースの塩(D)が、カルボキシメチルセルロースのナトリウム又はカリウム塩(D1)とアンモニウム塩(D2)の混合物であることが好ましい。このナトリウム塩又はカリウム塩(D1)とアンモニウム塩(D2)の質量比は5〜45:95〜55が好ましく、10〜35:90〜65がより好ましく、15〜30:85〜70がさらに好ましい。
このナトリウム塩又はカリウム塩(D1)とアンモニウム塩(D2)の2成分の最大役割は、本発明の耐汚染性能を有する塗料組成物の耐汚染性能を発揮させる第一の成分であり、特に、セルロース自体に有するグルコピラノース環が最大の耐汚染性能を発揮する官能基である。
アンモニウム塩は、物質中に有しているカルボン酸のアンモニウム塩とセルロースとの極性比率が低いため、親水性はあるものの、単独で皮膜形成性があって、その乾燥皮膜はもはや水に溶解しないほどの親水性能が低いか殆どない皮膜を形成する物質である。
更に、通常、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩として使用されるカルボキシシメチルセルロースは、一般的には、CMCと言われ、工業的に生産されているものはいずれもナトリウム塩である。そのナトリウム塩はナトリウムカルボキシメチルセルロースのことであり、化学構造は、下記化学式に示すように、セルロースの水酸基にカルボキシメチル基がエーテル結合したものである。
【0035】
【化8】
Figure 0003939566
【0036】
上記化学式では、ピラノース環1つあたり1つのカルボキシメチル基が付加した状態(置換度=1)の例を示しているが、置換度は種々異なっているものもある。また、カルボキシメチル基は6位炭素に付加した水酸基の位置にのみ記入してあるが、当然、2位や3位等その他の水酸基の位置にも入っているものもある。ところで、本発明のフィン用塗料組成物に使用するカルボキシメチルセルロースの重合度は、30〜800のものがよく、望ましくは80〜500の重合度ものが良い。
五元共重合体(a)とカルボキシメチルセルロースの塩(D)の比率が質量比で100:130〜600であることが好ましく、100:200〜400であることがより好ましい。
【0037】
本発明の塗料組成物は、その成分中に、即ち、五元共重合体(a)の酸基が部分中和されてなる親水性樹脂(A)、グルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)及びカルボキシメチルセルロースの塩(D)に、グルコピラノシル基を有するので親水性能を発揮するとともに、皮膜形成時において、低分子量複素環系有機化合物(B1)と中分子量複素環系有機化合物(B2)との反応によって架橋構造を形成し、親水性能を有し、かつ、耐水性をも有する皮膜が完成される。また、極性の低い物質が大部分を占める汚染物質は、このグルコピラノシル基が有する高い極性から発揮する耐汚染性能とニトリル基が有する耐油性とともに耐汚染物質を寄せ付けぬ役割を発揮することになる。
【0038】
また、高分子量複素環系有機化合物(B3)も、1,3−ジオキサン環の反応性により五元共重合体(a)と反応して架橋構造を形成させるが、化合物内に存在する多数個のオキシアルキレン結合により親水性発揮の役割と潤滑性発揮の役割を持たせているが、親水性が高すぎて徐々に凝縮水により流出する皮膜が形成させるという役割を待たせていることにより、ニトリル基による耐油性能やグルコピラノシル基による耐汚染性能にもかかわらずアルミニウム合金材表面に付着した汚染性物質を流出させるという役割を発揮する。
【0039】
更に、中分子量複素環系有機化合物(B2)と高分子量複素環系有機化合物(B3)は、水存在下ではオキシアルキレンのエーテル結合の酸素に水が配位して親水性を発揮し、水が存在しない状態ではワックス性を発揮し高潤滑性を示すため、本発明の塗料組成物をアルミニウム合金材に塗布、焼付け後のプレス加工時、特に、ドローレス加工に際しての潤滑特性に優れるという特徴を有する。
【0040】
そして、本発明になる塗料組成物からなる塗料が塗布されてなるアルミニウム合金コイルに対して所定の加工が施されてフィンが構成される。この加工に際して、アルミニウム合金材の表面には上記特徴の塗膜が設けられているから、金型の耐久性が良い。即ち、アルミニウム合金材の表面に設けられた塗膜自身に潤滑機能があることから、金型に損傷が起き難いのである。しかも、アルミニウム合金材及び潤滑性を有する塗膜の形成は1回の塗布で済むものであり、極めて簡単な物であるから、フィンの製造コストは低廉である。又、このフィンが組み込まれた熱交換器も耐クレージング性能、耐汚染性能及び親水持続性能を有する。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例を用いて、本発明を更に詳しく説明する。
(参考例1〜4)[1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)の製造]
α、α−ジメチロールプロピオン酸1モルとα−パラオキシメチレン1.35モル(参考例1)又はアセトン1.8モル(参考例2)、p−トルエンスルホン酸12gを触媒として8時間反応させて、α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕プロピオン酸(参考例1)、α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕プロピオン酸(参考例2)を得た。
又、α,α−ジメチロールプロピオン酸の代わりに同モルのα,α−ジメチロールブタン酸を用いて参考例1、2と同様にして、ともに淡黄色粘性液体のα−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕ブタン酸(参考例3)、α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕ブタン酸(参考例4)を得た。
【0042】
(参考例5〜6)[1,3−ジオキソラン環を有するアルコール(c)の製造]グリセリン1モルとα−パラオキシメチレン1.35モル(参考例5)又はアセトン1.71モル(参考例6)に、p−トルエンスルホン酸2gを触媒として8時間反応させて、淡黄色液体の4−(1,3−ジオキソラニル)メチルアルコール(参考例5)又は黒色粘性液体の2,2−ジメチル−4−(1,3−ジオキソラニル)メチルアルコール(参考例6)を得た。
【0043】
(参考例7〜10)[1,3−ジオキサン環を有するアルコール(d)の製造]2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロピレングリコール1モルとα−パラオキシメチレン1.35モル(参考例7)又はアセトン1.71モル(参考例8)を用い、参考例4と同様にして、淡黄色粘性液体の5−(1,3−ジオキサニル)メチルアルコール(参考例7)又は黒色粘性液体の2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)メチルアルコール(参考例8)を得た。
又、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロピレングリコールの代わりに同モルの2−エチル−2−ヒドロキシメチルー1,3−プロピレングリコールを用いて参考例6、7と同様にして、5−(1,3−ジオキサニル)エチルアルコール(参考例9)及び2,2−ジメチルー5−(1,3−ジオキサニル)エチルアルコール(参考例10)を得た。
【0044】
(参考例11)〔グルコピラノシル基を有する単量体の製造〕
攪拌器、温度計、ガス導入管及び還流冷却器を備えた1Lの四ツ口フラスコに、ブドウ糖、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル又はメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルを各々1モル投入し、重合禁止剤として、ハイドロキノンを各成分の総量の1%重量部を加えて攪拌しながらフラスコ内液に空気を少量ずつバブリングしながら、105〜110℃で3時間反応させてグルコピラノシル基を有する単量体を得た。
【0045】
(参考例12)〔五元共重合体(a)の製造〕
攪拌器、温度計、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えた1Lの五つ口フラスコに、280gのイオン交換水と、表1記載の各成分を表1に記載の量投入し、レドックス助触媒として、L−アスコルビン酸を各成分総量の0.005%重量部を加えて攪拌しながらフラスコ内を窒素置換し、窒素を少量ずつ流しながら、滴下ロートから重合触媒として35%過酸化水素水を各成分総量の0.1%重量部滴下し30〜40℃で14時間反応をさせて、樹脂濃度が20重量%の五元共重合体(a01)〜(a05)、四元共重合体(a06)、三元共重合体(a07)を得た。
【0046】
【表1】
Figure 0003939566
【0047】
但し、表中において、各符号は以下の化合物を示す。
GEA:メタクリル酸グルコピラノシルエチルエステル(三菱アルミニウム株式会社製)
GEMA:メタクリル酸グルコグルコピラノシルエチルエステル(共栄社化学株式会社製)
HM:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル(アクリエステルHO、三菱レイヨン株式会社製)
HA:アクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル(三菱レイヨン株式会社製)、AA:アクリル酸(株式会社日触製)
MA:メタクリル酸(三菱レイヨン株式会社製)
MM:メタクリル酸メチルエステル(アクリエステルM、三菱レイヨン株式会社製)
EM:メタクリル酸エチルエステル(アクリエステルE、三菱レイヨン株式会社製)
PM:メタクリル酸−n−プロピルエステル(ライトエステルNP、共栄社化学株式会社製)
LM:メタクリル酸ドデシルエステル(アクリエステルL、三菱レイヨン株式会社製)、
HM:メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル(アクリエステルEH、三菱レイヨン株式会社製)
【0048】
(参考例13〜22)[親水性樹脂(A)の製造]
表2に記載の各成分を用い、中和反応を行い、表1に記載の五元共重合体(a01〜a05)からの親水性樹脂(A01)〜(A10)と、四元共重合体(a06)及び三元共重合体(a07)からの比較例用親水性の樹脂(A11)〜(A12)及び(A13)〜(A14)のそれぞれ20%水溶液を得た。
【0049】
【表2】
Figure 0003939566
【0050】
但し、表中のNAは10%水酸化ナトリウム水溶液、Kは10%水酸化カリウム水溶液を示す。
【0051】
(参考例23〜32)[1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)からの低分子量複素環系有機化合物(B1)の製造]
表3に記載の各成分を用い、エステル化反応を行い、低分子量複素環系有機化合物(B1)の20%水溶液を得た。
【0052】
【表3】
Figure 0003939566
【0053】
表3において、各符号は以下の化合物を示す。
B1aP1:ポリエチレングリコール400#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例23)
B1aP2:ポリエチレングリコール600#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例24)
B1aP3:ポリエチレングリコール1000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例25)
B1aP4:ポリグリセリン500#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例26)
B1aP5:ポリグリセリン750#トリ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例27)
5DOXA:α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕プロピオン酸
5DOXMA:α−〔2,2−ジメチル−5−(1,3−ジオキサニル)〕プロピオン酸
PEG−4:ポリエチレングリコール400#
PEG−6:ポリエチレングリコール600#
PEG−10:ポリエチレングリコール10000#
PG−50:ポリグリセリン500#
PG−75:ポリグリセリン750#
また、B1aP6(参考例28)、B1aP7(参考例29)、B1aP8(参考例30)、B1aP9(参考例31)、B1aP10(参考例32)はそれぞれB1aP1、B1aP2、B1aP3、B1aP4、B1aP5の1,3−ジオキサニル基の2,2−置換体を示す。
【0054】
(参考例33〜44)[1,3―ジオキサン環を有するカルボン酸(b)からの中分子量複素環系有機化合物(B2)の製造
表4に記載の各成分を用い、エステル化反応を行い、中分子量複素環系有機化合物(B2)の20%水溶液を得た。
【0055】
【表4】
Figure 0003939566
【0056】
表4において、各符号は以下の化合物を示す。
B2−1:ポリエチレングリコール2000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例33)
B2−2:ポリエチレングリコール4000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例34)
B2−3:ポリエチレングリコール6000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例35)
B2−4:ポリエチレングリコール10000#ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例36)
B2−5:ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール(ニューポールPE−128)ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例37)
B2−6:ポリオキシエチレン(9900)−12−ヒドロキシステアリルトリグリセリドエーテルトリ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例38)
PEG−20:ポリエチレングリコール2000#
PEG−40:ポリエチレングリコール4000#
PEG−60:ポリエチレングリコール6000#
PEG−100:ポリエチレングリコール10000#
PEPG:ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール(ニューポールPE−128)
EST:ポリオキシエチレン(9900)−12−ヒドロキシステアリルトリグリセリドエーテル
また、B2−7(参考例39)、B2−8(参考例40)、B2−9(参考例41)、B2−10(参考例42)、B2−11(参考例43)、B2−12(参考例44)はそれぞれB2−1、B2−2、B2−3、B2−4、B2−5、B2−6の1,3−ジオキサニル基の2,2−置換体を示し、5DOXA、5DOXMAは表2におけると同様の意味を有す。
【0057】
(参考例45〜50)[1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)からの高分子量複素環系有機化合物(B3)の製造 ]
表5に記載の各成分を用い、エステル化反応を行い、1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)からの高分子量複素環系有機化合物(B3)の20%水溶液を得た。
【0058】
【表5】
Figure 0003939566
【0059】
表5において、各符号は以下の化合物を示す。
B3−1:ポリエチレンオキサイドPEO−1ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例45)
B3−2:ポリエチレンオキサイドPEO−3ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例46)
B3−3:ポリエチレンオキサイドPEO−8ジ[α−〔5−(1,3−ジオキサニル)〕]プロピオネート(参考例47)
PEO−1:ポリエチレンオキサイドPEO−1
PEO−3:ポリエチレンオキサイドPEO−3
PEO−8:ポリエチレンオキサイドPEO−8
また、B3−4(参考例48)、B3−5(参考例49)、B3−6(参考例50)はB3−1、B3−2、B3−3の1,3−ジオキサニル基の2,2−置換体を示し、5DOXA、5DOXMAは表2におけると同様の意味を有す。
【0060】
(参考例51〜58)[1,3−ジオキソラン環を有するアルコール(c)からのグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C1)及び1,3−ジオキサン環を有するアルコール(d)からのグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C2)の製造]
4−(1,3−ジオキソラニル)メチルアルコール1モルとブドウ糖1モル(参考例51)とをp−トルエンスルホン酸20gを触媒として14時間反応させて、淡黄色粘性液体の1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノース(参考例51)の20%水溶液を得た。
同様にして、表6に記載の各成分を用いて、1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−フルクトピラノース(参考例52)、1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース(参考例53)、1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド(参考例54)、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノース(参考例55)、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−フルクトピラノース(参考例56)、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース(参考例57)、1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド(参考例58)を得た。
【0061】
【表6】
Figure 0003939566
【0062】
表6において、各符号は以下の化合物を示す。
C1−1:1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノース(参考例59)
C1−2:1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−フルクトピラノース(参考例60)
C1−3:1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース(参考例61)
C1−4:1,3−ジオキソラン−4−メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド(参考例62)
C2−1:1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノース(参考例63)
C2−2:1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−フルクトピラノース(参考例64)
C2−3:1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース(参考例65)
C2−4:1,3−ジオキサン−5−メチル−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド(参考例66)
4DOXM:〔4−(1,3−ジオキソラニル)〕メチルアルコール
5DOXM:〔5−(1,3−ジオキサニル)〕−メチルアルコール
DGS:α−D−グルコース(ブドウ糖)
DFS:β−D−フルクトース(果糖)
MTS:マルトース(麦芽糖)
SKS:サッカロース(ショ糖)
【0063】
(実施例1〜25、比較例1〜5)
表2に示す親水性の樹脂と表3、4、5に示す複素環系有機化合物と、表6に示すグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物と、カルボキシルメチルセルロースの塩と、イオン交換水とを表6に記載の配合で混合して10%濃度の塗料を得た。表7に実施例1〜25の塗料の成分を、表8に比較例1〜5で得た塗料の成分を示す。
【0064】
【表7】
Figure 0003939566
【0065】
【表8】
Figure 0003939566
【0066】
但し、表7,8中のCMCS:カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、CMCK:カルボキシメチルセルロースのカリウム塩、CMCN:カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩を示し、20%水溶液で、数値は質量部を表す。
【0067】
これらの塗料をそれぞれアルミニウム合金材の表面に1μmの厚さに塗布、焼付けし、このアルミ合金材からドローレスプレス加工でフィンを製造し、熱交換器に組み込んだ。
このフィン表面の水濡性(親水性接触角)、塗膜の密着性、潤滑性、耐汚染性及びプレス加工性について評価した。その結果を表9に示す。
【0068】
【表9】
Figure 0003939566
【0069】
なお、評価及びその基準を以下に示す。
*親水性接触角A:試料を240時間水道流水に浸漬した後、水滴の接触角を測定した。
○;30°未満、×;30°以上
*親水性接触角B:試料を240時間蒸留水中に浸漬した後、水滴の接触角を測定した。
○;30°未満、×;30°以上
*親水性接触角C:試料を揮発性プレス油に60秒間浸漬した後、150℃で3分間熱処理したものの水滴の接触角を測定した。
○;30°未満、×;30°以上
*親水性接触角D:試料を水道流水に8時間浸漬した後、80℃のオーブンで16時間乾燥する工程を14回繰り返し行い、その後水滴の接触角を測定した。
○;30°未満、×;30°以上
【0070】
*塗膜の密着性:試料表面に揮発性プレス油を塗布後、トリクレンで脱脂した後、JIS H4001に準拠した碁盤目試験を行った。
○;剥離全く無し、△;一部は剥離有り、×;全面的に剥離
*潤滑性;試料表面に揮発性プレス油を塗布し、バウデン式摩擦試験器で表面の動摩擦係数を測定した。
○;動摩擦係数0.1未満、×;動摩擦係数0.1以上
*耐汚染性 ;15Lのガラス容器の底に4種類(フタル酸ジオクチル、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール)の汚染物質を各3gづつシャーレに入れて置き、ガラス容器に試料を吊るしてラップで密封した。ガラス容器ごと100℃に24時間加熱し、試料が汚染物質の蒸気に晒されて汚染された後、水滴の接触角を測定した。
○;30°未満、×;30°以上
*プレス加工性 ;成型品の良・不良具合と金型への焼付を観察した。
○;製品不良率5%以下であり、金型への焼付無し
△;製品不良率5を越え、15%未満であり、金型への焼付無し
×;製品不良率15%以上、又は金型への焼付けが発生したもの
【0071】
以上から明らかのように、本発明の塗料組成物は優れた親水性、塗膜密着性を示し、熱交換器を稼動させた場合にも、汚染性物質の付着による親水性の低下もなく、優れた潤滑性、加工性を示すことがわかる。
これに対し、本発明の範囲から外れるものは、各比較例に示すように、親水性や耐汚染性が不良であり、配合によっては、密着性も不良となることがわかる。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明になる塗料組成物は水濡性に富み、従って水滴が付着しても、水滴は拡がり、塗膜としたときに通風抵抗を高めることはない。
また、塗膜の密着性が良いので耐久性に富み、このことは水濡れ性の耐久性にも富み、かつ、耐蝕性にも富む。
また、汚染性物質の付着による熱交換器の熱交換効率の低下が無い。
本発明のフィンの製造方法によれば、フィン表面の塗膜が潤滑性に優れているから、予め塗膜を形成しておいた材料をプレス加工しても金型が損傷し難い。従って、金型は耐久性に富み、フィンの製造コストは低廉である。そして、潤滑性に優れていることはプレス加工に際しての潤滑剤の使用量を少なくし、潤滑剤の使用量を少なくした場合には後工程での潤滑剤の除去が簡単となる。

Claims (12)

  1. 親水性樹脂(A)と、1,3−ジオキサン環を2個以上有する複素環系有機化合物(B)と、グルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物(C)と、カルボキシメチルセルロースの塩(D)とからなり、
    親水性樹脂(A)が、グルコピラノシル基を有する単量体(a1)と、ニトリル基を有する単量体(a2)と、ヒドロキシ基を有する単量体(a3)と、カルボキシル基を有する単量体(a4)と、アルキル基を有する単量体(a5)とから構成された五元共重合体(a)の酸基が、塩基性化合物で部分中和されてなる親水性樹脂であり、
    複素環系有機化合物(B)が、下記一般式1で表される1,3−ジオキサン環を有するカルボン酸(b)から誘導される、1,3−ジオキサン環を2個以上有する複素環系有機化合物であり、
    複素環系有機化合物(C)が、下記一般式2で表される1,3−ジオキソラン環を有するアルコール(c)及び下記一般式3で表される1,3−ジオキサン環を有するアルコール(d)からなる群より選ばれる1種以上から誘導される、1,3−ジオキソラン環及び1,3−ジオキサン環から選ばれる1種以上の環を2個以上有するグルコピラノシル基を有する複素環系有機化合物
    であることを特徴とする塗料組成物。
    Figure 0003939566
    (一般式1において、R1、R2はH又は側鎖を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
    Figure 0003939566
    (一般式2において、R4、R5はH又は側鎖を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    Figure 0003939566
    (一般式3において、R6、R7はH又は側鎖を有していてもよい総炭素数1〜4のアルキル基を示し、R8は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
  2. 五元共重合体(a)を構成する単量体(a1)と、単量体(a2)と、単量体(a3)と、単量体(a4)と、単量体(a5)の比率が、質量比で、18〜50/8〜20/2〜6/10〜20/2〜4であり、五元共重合体(a)の数平均分子量が1000〜50000であることを特徴とする請求項1記載の塗料組成物。
  3. 複素環系有機化合物(B)が、分子量1500未満の低分子量複素環系有機化合物(B1)と、分子量1500〜20,000の中分子量複素環系有機化合物(B2)と、分子量20,000を超える高分子量複素環系有機化合物(B3)の混合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料組成物。
  4. 複素環系有機化合物(B)の低分子量複素環系有機化合物(B1)と中分子量複素環系有機化合物(B2)と高分子量複素環系有機化合物(B3)の質量比が25〜45/15〜35/10〜60であることを特徴とする請求項3記載の塗料組成物。
  5. 親水性樹脂(A)と複素環系有機化合物(B)の比率が質量比で100:200〜300であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗料組成物。
  6. 親水性樹脂(A)と複素環系有機化合物(C)の比率が質量比で100:30〜100であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の塗料組成物。
  7. カルボキシメチルセルロースの塩(D)の塩が、ナトリウム塩及び/又はカリウム塩と、アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の塗料組成物。
  8. カルボキシメチルセルロースの塩(D)のナトリウム塩及び/又はカリウム塩と、アンモニウム塩との比率が、5〜45/95〜55であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗料組成物。
  9. 塗料組成物における親水性樹脂(A)とカルボキシメチルセルロースの塩(D)の比率が質量比で100:130〜600であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の塗料組成物。
  10. 請求項1に記載の塗料組成物を含有する塗料で形成した塗膜を表面に形成してなるフィン。
  11. 請求項1に記載の塗料組成物を含有する塗料をアルミニウム又はアルミニウム合金の表面に塗布、焼付けした後、該アルミニウム又はアルミニウム合金をフィンに加工することを特徴とするフィンの製造方法。
  12. 請求項10に記載のフィンが組み込まれていることを特徴とする熱交換器。
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