JP6485599B2 - エレベータかごの照明装置 - Google Patents

Description

この発明は、ＬＥＤを光源とするエレベータかごの照明装置に関する。

エレベータかご室の照明装置の光源に、従来からの蛍光灯ではなくＬＥＤが用いられてきている。しかし、蛍光灯は光が拡散するのに対し、ＬＥＤは指向性が強いため光の照射範囲が狭い。このため、従来と同じ構造のまま蛍光灯をＬＥＤに置き代えると光ムラとなり易い。例えば、照明装置の容量が大きい場合に、透光板は分割され目地枠に挿嵌されるが、ＬＥＤの照射による目地枠の影が透光板に生じてしまう。この対策として、ＬＥＤの一部を目地枠の真上に目地枠に沿って配置し、目地枠に隣接するＬＥＤから照射された光が目地枠に当たって透光板の拡散面に生じる影を打ち消すようにした照明装置が提案されている(例えば特許文献１)。

特許第５５９１７７５号 (第２図)

しかしながら、ＬＥＤを目地枠の真上に沿って配置することは設計の制約が増える。さらに、透光板に生じる目地枠の影を打ち消すようにするため、目地枠の両側に隣接して多数のＬＥＤを配設しなければならない。

また、ＬＥＤは単体の光量が少ないため複数個並べる必要があり、隣同士のＬＥＤの照射による目地枠の影の先端部が重なり合って透光板に黒い線が生じていた。この黒い線に光を当てて消すために、多数のＬＥＤを配設しなければならなかった。

この発明は上記課題を解決するためになされたもので、ＬＥＤの照射により生じる目地枠の影による光ムラが低減することを目的とする。

この発明に係るエレベータの照明装置は、天板に異なる高さで取付けられ、かご室内に光を照射する複数のＬＥＤと、前記ＬＥＤの光を前記かご室内に透過する透過板と、前記透過板を保持し、前記天板に吊設される目地とを備え、前記ＬＥＤは前記天板に異なる高さで複数個取付けられている。

この発明によれば、かごの天板に高さを変えてＬＥＤを取付けているので、目地の影が重なって生じる光ムラを少なくすることができる。

この発明の実施の形態１のかご室内を示す図である。 図１における照明装置の断面図（ａ）、下方から見た図（ｂ）、側面図（ｃ）である。 図２（ａ）のＥ部詳細図である。 この発明の実施の形態２の照明装置の断面図（ａ）、下方から見た図（ｂ）、側面図（ｃ）である。

以下、この発明の詳細について、上記図面を用いて説明する。

実施の形態１
図１〜図３は、この発明の実施の形態１を説明する図である。
図１に示すかご室１は、床２に立設した壁３の上部に天板４が設けられ、この天板４に照明装置５が設けられている。また、出入口６はドア７で開閉される。袖壁８には行先階登録等の操作を行う操作盤９が設けられている。

図２に示す照明装置５は、天板４にＬＥＤ１１を設けている。ＬＥＤ１１の下方に透過板１２を配設しており、ＬＥＤ１１の光は、透過板１２を透過してかご室１内に照射される。透過板１２は目地１３に保持され、この目地１３がワイヤ１４により天板４に吊設されている。これにより、透過板１２は天板４に吊設されている。また、照明装置５は側面部の全周を側板１５で覆われている。

ＬＥＤ１１は、天板４に固定されたブラケット１６またはブラケット１７に取付けられている。また、ＬＥＤ１１は、先端部に拡散レンズを備えている。

ブラケット１６とブラケット１７は、交互に図の上下方向に一列に並べて天板４に固定されている。ブラケット１６、１７は、ＬＥＤ１１を取付ける高さが異なり、図２（ｃ）に示す様にブラケット１６よりもブラケット１７の方がＬＥＤ１１の天板４からの高さが高い。この実施の形態では、ＬＥＤ１１の天板４からの高さが15ｍｍ異なっている。ブラケット１６、１７は、それぞれ複数個天板４に固定されているので、ＬＥＤ１１は天板４に異なる高さで複数個取付けられている。

透過板１２は透過板１２ａと透過板１２ｂとに分割されている。これは、この実施の形態における照明装置５の容量が大きいことによる。透過板１２ａ及び透過板１２ｂは目地１３に保持され、この目地１３がワイヤ１４により天板４に吊設されている。

図２、図３において、ブラケット１６に取付けたＬＥＤ１１の光の照射１１ａを一点鎖線で表し、ブラケット１７に取付けたＬＥＤ１１の光の照射１１ｂを実線で表している。図２（ａ）に示すように、ＬＥＤ１１から照射された光による目地１３の影が透過板１２に生じる。この時、ブラケット１６に取付けたＬＥＤ１１の光の照射１１ａ（一点鎖線）により、目地１３の影の先端部が１１ｅに生じる。そして、ブラケット１７に取付けたＬＥＤ１１の光の照射１１ｂ（実線）により、目地１３の影の先端部が１１ｄに生じる。この様に、ブラケット１６、１７に取付けたＬＥＤ１１の天板４からの高さが異なるので、透過板１２に生じる目地１３の影の先端部の位置が異なり重なっていない。図で示すように、影の先端部１１ｄと１１ｅとの間に間隔ｆができている。

また、図２（ｂ）にも示すように、ＬＥＤ１１の照射により、透過板１２ｂに目地１３の影の先端部１１ｄと１１ｅとが生じている。しかしながら、影の先端部１１ｄと１１ｅとの間に間隔ｆができており、影の先端部同士は重なっていない。

上記実施の形態１により、以下の効果を得ることができる。
天板４に取付けられ、かご室１内に光を照射するＬＥＤ１１と、ＬＥＤ１１の光をかご室１内に透過する透過板１２と、透過板１２を保持し天板４に吊設される目地１３とを備え、ＬＥＤ１１は天板４に異なる高さで複数個取付けられているので、ＬＥＤ１１の照射光による目地１３の影が、先端部が重ならずに生じる。これにより、影が分散されて重ならないので、影の先端部が重なることによる黒い線が生じることがない。つまり、光ムラを軽減できる。このため、黒い線を緩和するための照明を設ける必要がない。

また、ＬＥＤ１１は、ＬＥＤ１１の取付ける高さが異なるブラケット１６，１７に取付けられているので、高低差を簡単に設定することができる。

さらに、ＬＥＤ１１は、先端部に拡散レンズを備えているので、通常のＬＥＤよりも強い光を照射させることができ、照射角度も広くすることができる。

実施の形態２
図４は、この発明の実施の形態２を説明する図である。図中の符号が実施の形態１と同じものは同一品を示し、説明を省略する。
実施の形態２では、一つのブラケットにＬＥＤ１１を複数個取付けている。図４に示す第１のＬＥＤユニット２０と第２のＬＥＤユニット２１はそれぞれＬＥＤ１１を３個取付けている。そして、第１のＬＥＤユニット２０と第２のＬＥＤユニット２１はＬＥＤ１１を取付ける高さが異なっている。

図４（ａ）に示すように、第１のＬＥＤユニット２０に取付けたＬＥＤ１１の光の照射１１ａ（一点鎖線）により、目地１３の影の先端部が２０ａに生じる。そして、第２のＬＥＤユニット２１に取付けたＬＥＤ１１の光の照射１１ｂ（実線）により、目地１３の影の先端部が２１ａに生じる。

図４（ｂ）に示すように、ＬＥＤ１１の照射により、透過板１２ｂに目地１３の影の先端部２１ａが生じている。そして、影の先端部２１ａの上方に影の先端部２０ａが生じている。また、影の先端部２０ａと２１ａでは、横方向に間隔ｇがあり、影の先端部同士は重なっていない。

上記実施の形態２により、以下の効果を得ることができる。
ＬＥＤ１１を複数個取付け、天板４に固定された第１のＬＥＤユニット２０と、ＬＥＤ１１を第１のＬＥＤユニット２０と異なる高さで複数個取付け、天板４に固定された第２のＬＥＤユニット２１とを備えているので、ＬＥＤ１１の照射光による目地１３の影が、先端部が重ならずに生じる。これにより、影の先端部が重なることによる黒い線が生じることがない。このため、黒い線を緩和するための照明をさらに設ける必要がない。

１１ ＬＥＤ、 １１ａ・ｂ 光の照射、 １１ｄ・ｅ 影の先端部、 １６・１７ ブラケット、 ２０ 第１のＬＥＤユニット、 ２１ 第２のＬＥＤユニット。

Claims (4)

1. 天板に取付けられ、かご室内に光を照射するＬＥＤと、
   前記ＬＥＤの下方に配設され、前記ＬＥＤの光を前記かご室内に透過する複数に分割された透過板と、
   前記透過板を保持し、前記天板に吊設される目地と、を備え、
   前記ＬＥＤは、前記天板に、異なる高さで前記透過板の方向を向き、さらに光軸を前記透過板に対して垂直に設定して複数個一列に取付けられている、
   ことを特徴とするエレベータかごの照明装置。
2. 前記ＬＥＤを複数個取付け、前記天板に固定された第１のＬＥＤユニットと、
   前記ＬＥＤを前記第１のＬＥＤユニットと異なる高さで複数個取付け、前記天板に固定された第２のＬＥＤユニットと、
   を備えたことを特徴とする請求項１に記載のエレベータかごの照明装置。
3. 前記ＬＥＤは、高さの異なるブラケットに取り付けられている、
   ことを特徴とする請求項１に記載のエレベータかごの照明装置。
4. 前記ＬＥＤは、先端部に光を拡散する拡散レンズを備えている、
   ことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載のエレベータかごの照明装置。

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