<全体構造>
図1は本発明の一実施形態の係るスロットマシン100の斜視図である。図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<内部構造>
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収容した基板収容ユニットAが取付部Bを介して背面板242に取り付けられている。主制御基板はCPU等を備え、遊技の進行を制御する回路基板である。基板収容ユニットAの下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。
リール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収容した基板収容ユニット220が配設してある。副制御基板は演出を制御する回路基板である。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード264を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード264が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、下部の音孔143に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
係る構成のスロットマシン100では、遊技者がメダルを投入し、スタートレバー135に対して開始操作を行うと、リール110乃至112が一斉に回転すると共に入賞役の内部抽選が行われる。続いて、ストップボタン137乃至139に対する遊技者の各停止操作が行われると、対応するリールの回転を停止させる。このとき、内部抽選結果に応じたリールの停止制御が行われる。そして、全リール110乃至112停止時にこれらのリールにより表示された図柄の組み合わせがいずれかの入賞役に対応する図柄の組み合わせであった場合にはその入賞役に入賞し、入賞した入賞役にメダルの払い出しが定められている場合はメダルが払い出される。主制御基板は、このようなスロットマシン100の遊技の進行に関わる制御を実行する。以下、主制御基板を収納する基板収容ユニットAおよび取付部Bについて説明する。
<基板収容ユニットおよび取付部>
基板収容ユニットAおよび取付部Bについて概説する。図3は基板収容ユニットAおよび取付部Bの斜視図であり、図4は基板収容ユニットAおよび取付部Bの斜視図である。基板収容ユニットAは、主制御基板2を収容する基板収容ケース1を備える。本実施形態の場合、基板収容ユニットAは実質的に基板収容ケース1から構成されている。基板収容ケース1は全体として奥行き方向に薄い直方体形状を有している。取付部Bは板状の本体4を有し、基板収容ケース1の背面(図6等に示す背面21)と対向する正面4aを有する。図3は基板収容ユニットAが固定位置に位置している状態を示しており、この場合、背面21と正面4aとが互いに対向し、かつ、少なくとも部分的に接触した状態にある。なお、以下の説明において特にことわらない場合、正面、背面などの方向を言う場合は基板収容ユニットAが固定位置に位置している場合を想定する。
基板収容ユニットAおよび取付部3の正面視で左端部には、ヒンジ部30が設けられており、上下方向に延びるヒンジ軸31を回動中心として、基板収容ケース1が固定位置から正面側へ回動自在に取付部3に支持されている。
ヒンジ部30は、ヒンジ軸31と、ヒンジ軸31を軸支する軸孔32aを有する軸支ユニット32とを備える。本実施形態の場合、ヒンジ軸31は取付部Bに設けられ、軸支ユニット32は基板収容ユニットAに設けられている。しかし、これとは逆にヒンジ軸31を基板収容ユニットAに設け、軸支ユニット32を取付部Bに設ける構成も採用可能である。
取付部Bは、正面視で本体4の左端部にヒンジ軸31が一体的に形成されている。本実施形態の場合、ヒンジ軸31は上下方向の同軸上に二か所設けられている。ヒンジ軸31は円形の断面形状の部分を含む軸部材である。本体4には、また、背面板242に取付部Bを固定するための複数の取付孔4bと、取付部Bに基板収容ユニットAを固定するための複数の取付孔4cとが形成されている。本体4の正面視で右端部には係合部4dが設けられている。この係合部4dは基板収容ケース1の右端部に係合して、基板収容ユニットAを固定位置に保持する。
軸支ユニット32は、基板収容ユニットAに固定された軸支部33と、基板収容ユニットAに着脱自在に装着される着脱部材34とを備え、軸支部33と着脱部材34とにより軸孔32aが形成される。軸支ユニット32は、ヒンジ軸31が二か所設けられていることに対応して二か所設けられている。
<基板収容ケース>
基板収容ケース1について説明する。図5および図6は基板収容ケース1の分解斜視図であり、図5は正面側から見た図、図6は背面側から見た図である。図6において主制御基板2は省略されている。
主制御基板2は、CPU、ROM、RAM等のIC(集積回路)や抵抗等の各種電子部品が実装された基板であり、スロットマシン100の遊技の進行に関わる制御を司る。
基板収容ケース1は、正面側の上ケース部材10と背面側の下ケース部材20とを互いに組み合わせて箱状に構成されており、その内部に主制御基板2を収容する収容空間を形成する。上ケース部材10と下ケース部材20とには、これらを嵌め合わせるための幾つかの係止部14、24が設けられ、対応する係止部14、24を互いに係止することで基板収容ケース1が完成する。
上ケース部材10及び下ケース部材20は透過性を有する材料(例えば透明又は半透明の樹脂材料)から構成することが望ましい。本実施形態の場合、上ケース部材10及び下ケース部材20はその全体が透明の部材から構成される場合を想定している。
封印シール3は主制御基板2の個体情報(シリアル番号、QRコード(登録商標))等が印刷されたシールであり、上ケース部材10の一部と下ケース部材20の一部に跨いで貼着されている。
基板収容ケース1は、上ケース部材10及び下ケース部材20を分離すると不可逆的に破壊される封印部として、上ケース部材10に設けた挿入部12、下ケース部材20に設けた挿嵌部22及び封印ピンP1を備える。封印ピンP1は挿入部12を通って挿嵌部22に離脱不能に嵌合する。
封印ピンP1が嵌合された状態で、上ケース部材10及び下ケース部材20を分離するためには挿嵌部12を上ケース部材10から切除し、封印ピンP1の先端を切断する必要があり、その痕跡が残ることになる。
また、基板収容ケース1は、上ケース部材10及び下ケース部材20を分離すると不可逆的に破壊される封印部として、上ケース部材10および下ケース部材20を固着する固着部40を備える。固着部40は上下方向に離間して二か所設けられている。固着部40の詳細は後述する。
また、基板収容ケース1は基板収容ケース1をスロットマシン100から分離すると不可逆的に破壊される封印部として、上ケース部材10に設けた挿嵌部13、下ケース部材20に設けた挿通部23及び封印ピンP2を備える。挿嵌部13には封印ピンP2が離脱不能に嵌合する。挿通部23は封印ピンP2の先端が通過して下ケース部材20の背面に突出させるための貫通穴形成部である。
封印ピンP2は、取付部Bの取付孔4cと係合して、基板収容ユニットAを固定位置に回動不能に固定する固定部材である。封印ピンP2が挿嵌された状態で、基板収容ケース1を取付部Bに対して回動する、あるいは、取り外すためには、挿嵌部13を上ケース部材10から切除して封印ピンP2を取り外す必要があり、その痕跡が残ることになる。
このように本実施形態では、主制御基板2が不正基板に交換することを困難とするために複数種類の封印部を設けている。
<ヒンジ部>
ヒンジ部30の構成について、図4〜6に加えて、図7、図8及び図11(a)を参照して説明する。図7(a)は軸支部33を背面側から見た斜視図であり、図7(b)はヒンジ軸31を背面側から見た斜視図である。図8(A)は着脱部材34の斜視図であり、図8(b)はヒンジ部30を背面側から見た斜視図である。図11(a)は図8(b)のI−I線断面図である。
軸支部33は下ケース部材20に一体的に形成されている。軸支部33は、軸孔32aの内壁の一部を構成する内壁33aを有している。内壁33a周辺は背面側に向かって開放したU字形状を有しており、内壁33aはその曲面の部分として形成されている。内壁33aは図11(a)に示すように、軸孔32aの内壁の一周分(360度分)のうち、半分の180度分の領域の内壁を形成している。
軸支部33は、また、着脱部材34が係合解除自在に係合する係合部33b、33dを有する。このような係合部は一つでもよいが、本実施形態の場合、二か所の係合部33b、33dが形成されており、着脱部材34の係合をより確実なものとしている。本実施形態の場合、係合部33bは、軸支部33の外面を構成する肩部であり、係合部33dは、着脱部材34の一部が挿入されるスロット33cの内壁に形成された係合孔である。
図7(b)に示すようにヒンジ軸31の背面側は部分的に肉抜きがされており、軽量化が図られている。
図8(a)に示すように、着脱部材34は本実施形態の場合、ベース部34bと、ベース部34bから起立した内壁形成部34dと、内壁形成部34dに連続するつづら折り部34eとを含み、樹脂材料等、弾性変形可能な部材により形成される。既に述べたようにしたケース部材20は全体が透明の部材で構成されており、軸支部33も同様に透明であるが、着脱部材34を赤色等の有色の部材とすることで、着脱部材34が軸支部33に装着されているか否かを目視で確認し易くなる。
ベース部34bの一端部は、操作者が操作する操作部34gを構成し、他端部には係合部34cが形成されている。本実施形態の場合、係合部34cは軸支部33の係合部33bと係合する楔形をなしている。内壁形成部34dの一部は、軸孔32aの内壁の一部を構成する内壁34aを有している。内壁34aは図11(a)に示すように、軸孔32aの内壁の一周分(360度分)のうち、1/4の90度分の領域の内壁を形成している。内壁34aは内壁33aと比べると軸孔32aの内壁を形成する周方向の範囲が小さくされており、内壁33aが主としてヒンジ軸31を軸支し、内壁34aは主としてヒンジ軸31の脱落を抑制する。また、軸孔32aは、その内壁が無い隙間の部分も有しているが、内壁33aと、内壁34aとが径方向に対向した配置されている部分を含むため、ヒンジ軸31を円滑かつ脱落なく軸支可能である。
つづら折り部34eの開放側の端部は操作部34hを構成し、その近傍には係合部34fが形成されている。つづら折り部34eの一部は軸支部33のスロット33cに挿入される大きさを有しており、係合部34fは係合部33dと係合する楔形をなしている。
操作部34gと操作部34hとは互いに離間しつつ対向した配置関係とされており、着脱部材34は、これらの操作部34g、34hをつまんで操作することにより弾性変形するクリップを構成している。操作部34hおよび操作部34gをつまんで近接させることで、係合部34cと係合部33bとの係合および係合解除操作、および、係合部34fと係合部33dとの係合および係合解除操作が可能である。
すなわち、つづら折り部34eが内壁形成部34dを介して、ベース部34bの操作部34gと係合部34cとの中間部分に接続されているため、操作部34hおよび操作部34gをつまんで近接させると、係合部34cは操作部34gのつまみ方向と逆方向に変位し、係合部34fは操作部34hのつまみ方向と同方向に変位する。このため、一のつまみ操作で二か所の係合部の係合および係合解除操作が可能となっている。
次に、基板収容ユニットAの取付部Bに対する封印手順について説明する。まず、基板収容ケース1の上ケース部材10および下ケース部材20の封印を行ったのち、基板収容ユニットAの軸支ユニット32を取付部Bのヒンジ軸31に装着する。図9(a)および(b)を参照してヒンジ部30の組み立てについて説明する。図9(a)に示すように、軸支部33から着脱部材34が取り外された状態で、軸支部33の内壁33aを左右方向一方の側から(本実施形態では正面視で左側から)ヒンジ軸31に装着する。続いて、図9(b)に示すように軸支部33に左右方向他方の側から(本実施形態では正面視で右側から)、d1方向に着脱部材34を装着する。係合部34cおよび係合部33bと、係合部34fおよび係合部33dとがそれぞれ係合することで、軸支部33に着脱部材34が係合して軸支ユニット32が完成する。これにより、基板収容ケース1がヒンジ軸31周りに回動自在となる。
図10(a)において矢印d2方向に回動すると図10(b)に示すように、基板収容ケース1が(つまり基板収容ユニットAが)、固定位置に位置することになる。このとき、その後、封印ピンP2により基板収容ユニットAを固定位置に回動不能に固定する。その際、取付部Bの係合部4dが基板収容ケース1と係合することで基板収容ケース1を固定位置に仮止めした状態で封印ピンP2の差込みを行うことができ、作業性が向上する。これにより基板収容ユニットAの取付部Bに対する封印が完了する。
基板収容ケース1が固定位置に位置している状態では、着脱部材34の取り外しが規制される。すなわち、図11(a)に示すように、基板収容ケース1が固定位置に位置している状態で、着脱部材34を取り外すためには、着脱部材34を矢印d3方向に抜き出す必要があるが、取付部Bや背面板242が抜出方向に存在するため、着脱部材34の抜き出しが困難である。また、操作部34hが取付部B内に格納された状態となり、外部から操作部34hを操作することが困難である。このため、係合部34fと係合部33dとの係合解除が困難であり、この点からも着脱部材34の取り外しが困難である。したがって、基板収容ユニットAの封印中、着脱部材34の取り外しによる不正行為の困難性を高めることができる。
次に、主制御基板2の点検時の操作について説明する。主制御基板2の正面側は、基板収容ケース1の外部から視認可能であるが、背面側は背面板242等の存在により困難である。主制御基板2の背面を点検するため、まず、封印ピンP2を除去して取付部Bに対する基板収容ユニットAの封印を解除する。これにより、基板収容ケース1がヒンジ軸31周りに回動自在となる。図11(b)および図12に示すように、基板収容ケース1を正面側へ回動する。これにより、基板収容ケース1の背面21が露出し、背面21を通して主制御基板2の背面の点検が可能となる。本実施形態では、基板収容ケース1を回動する構成なので、スライドさせる構成に比べて省スペース化を図れる。また、基板収容ケース1が固定位置から一定量回動した位置に至ると、着脱部材34の取り外しが可能となる。着脱部材34を取り外すと、ヒンジ軸31と軸孔32aとが分離可能となり、基板収容ケース1を取付部Bから取り外すことができる。
本実施形態の場合、基板収容ケース1は、固定位置から90度以上、正面側へ回動可能である。主制御基板2の背面の確認は、例えば、回動角度θ(図12)が90度を超える角度に達すると容易に行うことができる。図12の例は120度である。回動角度θが90度を超えると、着脱部材34の着脱も容易になる。したがって、基板収容ケース1を通した主制御基板2の背面の確認の結果、詳細な点検が必要となった場合、着脱部材34を取り外して基板収容ケース1を取付部Bから分離することができる。目視点検と基板収容ケース1の取り外しを連続的に行えるので作業工数を減らすことができる。また、基板収容ケース1を廃棄する場合でも、着脱部材34は再利用可能である。
<固着部>
固着部40の構成について説明する。固着部40は硬化性樹脂により上ケース部材10としたケース部材20とを固着する部分である。硬化性樹脂は、液体の状態から硬化する樹脂であれば何でもよく、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性樹脂であってもよい。
図5および図6を参照して、固着部40は、上ケース部材10に一体的に形成されるケース部41と、下ケース部材20に一体的に形成されるケース部42と、ケース部41および42とは別部材の支持部材43と、支持部材43に支持される封印部材44と、を含む。
ケース部41および42は、硬化性樹脂の充填空間(図13等の充填空間S)を画定する壁部を構成する部分である。本実施形態の場合、充填空間Sは全体として直方体形状の空間であり、ケース部41はその側壁部(上下左右側の壁部)を構成し、ケース部42はその底壁(背面側の壁部)を構成する。ケース部41内には左右方向に延びる梁状の被固着部41aが一体に形成されている。また、ケース部42には奥行き方向に延びる楔状の被固着部42aが一対形成されている。被固着部41aおよび42aは必ずしも設ける必要はないが、これらを設けることで、硬化性樹脂による上ケース部材10としたケース部材20との固着力を高めることができる。
支持部材43は、一対の脚部43Aと、一対の脚部43Aの端部を結ぶ天部43Bとを有するコ字型あるいは門型の部材である。脚部43Aには被固着部42aと係合する係合部43aが形成されており、本実施形態の場合、係合孔である。本実施形態の場合、支持部材43は金属部材であるが、樹脂部材であってもよい。
本実施形態の場合、封印部材44は天部43Bに貼り付けられて支持されている。封印部材44は充填空間Sに充填された硬化性樹脂に埋設され、硬化性樹脂を除去した痕跡を残す部材である。図17(a)は封印部材44の構成例を示す分解図である。同図の例では、封印部材44は、複数の層(4層)からなる積層体のシート部材で構成している。詳細には、封印部材44は、最表層のホログラム箔44aと、接着材44bと、基材44cと、接着剤44dとを積層して構成されている。
ホログラム箔44aはホログラムが表示された金属箔であり、例えば、厚さが0.05μmのアルミニウム箔である。接着材44bは基材44cとホログラム箔44aとを接着する部材である。基材44cは封印部材44を、取り扱いを容易にするために、その強度を確保するための部材であり、例えば、厚さ120μmのPETシートである。接着材44dは、天部43Bと封印部材44とを接着する部材である。封印部材44を支持部材43に貼り付けるシート部材とすることで、その設置や不正行為発見後の交換等が容易であり、作業性が向上する。
次に、図13〜図15を参照して固着部40の組立て手順および組み立て後の構造について説明する。図13(a)は上ケース部材10と下ケース部材20とを組み合わせた状態を示しており、ケース部41は、ケース部42上に重ね合せた状態となり、正面側(同図で上側)のみが開放した充填空間Sが形成される。充填空間Sの開放端はケース部41の端縁41bにより画定され、ここが支持部材43の挿入口や硬化性樹脂の注入口となる。端縁41bのことを注入口41bと呼ぶ場合がある。
次に、予め封印部材44が貼り付けられた支持部材43を充填空間S内に挿入する。図13(b)および図14(a)は支持部材43の挿入後の態様を示し、図15(a)は図14(a)のII−II線断面図である。支持部材43の各係合部43aは、ケース部42の被固着部42aと係合しており、係合解除なくして支持部材43の取り外しは困難な状態となっている。被固着部41aは、支持部材43の天部43Bと充填空間Sの底壁部(ケース部42の一部)との間に介在している。このため、被固着部41aと被固着部42aとを正面−背面方向(同図で上下方向)に離間しようとしても、支持部材43に拘束され、離間困難となる。換言すると、支持部材43によって、上ケース部材10と下ケース部材20とを分離することが困難となっている。
図14(b)は、注入口41bから充填空間Sへ硬化性樹脂45を充填した状態を示し、図15(b)は図14(b)のIII−III線断面図である。充填空間S内の封印部材44、支持部材43、被固着部41aおよび42aは硬化性樹脂45に埋設された状態にあり、硬化性樹脂45の硬化によって固着部40が完成し、基板収容ケース1が封印される。封印部材44は開口部41bに臨んだ位置に位置しており、硬化性樹脂45が透過性を有する樹脂であることにより、外部から封印部材44を目視で確認することが可能である。
図16は固着部40に対する不正行為の一例を示している。硬化性樹脂45を加熱して軟化させる等した後、ドライバ等の工具Tにより、硬化性樹脂45を掘り出して不正に除去している。このような不正行為については、封印部材44にその痕跡が残るので、不正行為を発見することができる。図17(b)および(c)はその説明図である。
図17(b)は、封印部材44が充填空間S内で硬化性樹脂45に埋設された状態を示している。図17(c)は、図16に例示した手法等により硬化性樹脂45が除去されている状態を示している。硬化性樹脂45が除去されると、硬化性樹脂45と固着している封印部材44の少なくとも一部(同図ではホログラム箔44aの一部)が硬化性樹脂45と共に除去され、その痕跡が残ることになる。
本実施形態の場合、硬化性樹脂45により、特に、被固着部41aおよび42a間が固着されており、不正行為により基板収容ケース1を開封する場合、これら被固着部41aおよび42aの分離が必須となり、その周囲の硬化性樹脂45の除去が必須となる。封印部材44は、注入口41bと、被固着部41aおよび42aとの間に位置しているため、注入興41bから工具Tを差し込んで被固着部41aおよび42aの周囲の硬化性樹脂45を除去すると、封印部材44を破損せざる得ず、不正行為の痕跡が高い確率で残ることになる。また、封印部材44は支持部材43の天部43Bに支持されているので、充填空間S内における封印部材44の位置は定位置である。したがって、封印部材44自体に視認可能な痕跡が残らなくても、封印部材44の位置がずれる等の痕跡が残る可能性があり、やはり不正行為の痕跡が高い確率で残ることになる。封印部材44を定位置に配置するに際し、支持部材43は必須ではないが、支持部材43で支持することにより定位置に配置し易く、しかも、支持部材43が金属部材であることにより、より強固に定位置に配置することが可能である。
<他の実施形態>
上記実施形態では、基板収容ユニットAを基板収容ケース1から構成したが、基板収容ケース1を覆うカバーを設けてもよい。図18はその構成例を示す模式図である。同図の例では、基板収容ユニットAが、基板収容ケース1と、基板収容ケース1を収容する筒状のカバー5と、を含んで構成されている。図18(a)は基板収容ケース1とカバー5とを分離した状態を示し、図18(b)はカバー5に基板収容ケース1を収容した状態を示す。この構成例の場合、軸支ユニット32は基板収容ケース1ではなく、カバー5に設けており、封印ピンP2は、カバー5に設けられて基板収容ケース1の孔1aを通って取付部B(不図示)の取付孔4cに係合する構成としている。基板収容ケース1をカバー5に収容することで、基板収容ケース1の保護性能を向上できる。カバー5は透過性を有する部材で構成することができ、これにより、基板収容ケース1内の主制御基板2を目視で点検することが可能となる。
また、上記実施形態では、主制御基板2を収容する構成例を説明したが、主制御基板2以外の基板(例えば副制御基板)に上記実施形態を適用してもよい。また、基板収容ユニットAおよび取付部Bの設置個所は背面板242に限られず、遊技台の筐体内の各部を選択することができる。
また、上記実施形態では本発明をスロットマシンに適用した例を例示したが、本発明はぱちんこ機、封入式遊技機、じゃん球といったスロットマシン以外の遊技台にも適用可能である。
<実施形態のまとめ>
A1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
基板(例えば2)を収容する基板収容ケース(例えば1)を備えた遊技台であって、
前記基板収容ケースは、
第一のケース部材(例えば10)と、
第二のケース部材(例えば20)と、
前記第一のケース部材と前記第二のケース部材とを固着する固着部(例えば40)と、を含み、
前記固着部は、硬化性樹脂(例えば45)が充填された充填空間(例えばS)を備え、
前記充填空間に充填された前記硬化性樹脂には、該硬化性樹脂を除去された場合にその痕跡を残す封印部材(例えば44)が埋設されている、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記硬化性樹脂を除去すると前記封印部材にその痕跡が残ることにより、前記基板収容ケースの不正な開封を発見することができる。
A2.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記固着部は、前記硬化性樹脂を前記充填空間に充填するための注入口(例えば41b)を含み、
前記第一のケース部材は、前記充填空間に配置された第一の被固着部(例えば41a)を含み、
前記第二のケース部材は、前記充填空間に配置された第二の被固着部(例えば42a)を含み、
前記封印部材は、前記注入口と、前記第一の被固着部および前記第二の被固着部との間の予め定めた位置に埋設されている、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記封印部材の位置確認によって、前記基板収容ケースの不正な開封の判断を行うことができる。
A3.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記充填空間に充填された前記硬化性樹脂には、前記封印部材を支持する支持部材(例えば43)が埋設されており、
前記封印部材は、前記支持部材に貼り付けられたシート部材である、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、不正発見後に前記封印部材を剥がして新しい封印部材に交換し易く、作業性が向上する。
A4.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
請求項3に記載の遊技台であって、
前記支持部材は、前記第一の被固着部と前記第二の被固着部とを離間困難に拘束する部材である、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記支持部材を、前記封印部材の支持に加えて、前記第一および第二のケース部材間の拘束にも活用できる。
A5.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記支持部材は、金属部材である、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記封印部材の支持剛性を向上することができる。
A6.以下の構成も採用可能である。
前記封印部材は、前記硬化性樹脂の破壊により前記硬化性樹脂と共に破断する脆弱部材であってもよい。前記封印部材は、薄膜部材であってもよく、その厚さは1mm以下であってもよく、0.5mm以下であってもよく、0.1mm以下であってもよく、0.1μm以下であってもよい。前記封印部材は金属箔であってもよい。前記封印部材は紙であってもよい。前記封印部材は積層体であってもよく、該積層体は基材層と接着層とを含んでもよい。痕跡は、前記封印部材の破断、破損、変位、すり替えのいずれかであってもよい。
前記封印部材は、前記支持部材を用いないで支持されていてもよく、例えば、前記硬化性樹脂中に浮遊状態で支持されていてもよく、前記充填空間の内壁に貼り付けられて支持されていてもよく、該内壁は底壁であってもよいし、側壁であってもよい。前記封印部材は前記注入口に隣接して配置されてもよい。
前記封印部材には文字または意匠等の表示が施されており、前記硬化性樹脂が透過性を有する樹脂であり、前記注入口から該表示が視認可能であってもよい。前記充填空間を画定する壁部の少なくとも一部が透明であり、前記硬化性樹脂が透過性を有する樹脂であり、前記固着部の外部から前記封印部材が視認可能であってもよい。表示はホログラムであってもよい。
前記支持部材と、前記第一の被固着部または前記第二の被固着部の少なくともいずれか一方とが互いに係合してもよい。前記支持部材はコ字型であってもよいし、前記第一の被固着部および前記第二の被固着部を囲む環状の部材であってもよいし、前記第一の被固着部および前記第二の被固着部を貫通するピン状の部材であってもよい。
前記充填空間は全体として直方体形状を有していてもよく、前記注入口は該直方体の一面に相当する部分であってもよい。前記封印部材は該一面と平行に配置されるシート部材であってもよい。前記充填空間を画定する壁部は、前記第一のケース部材の一部と、前記第二のケース部材の一部とによって形成されてもよく、前記第一のケース部材または前記第二のケース部材のいずれかによって全部が形成されてもよい。前記注入口を塞ぐ蓋部材を固着してもよい。前記硬化性樹脂は紫外線硬化樹脂であってもよい。
前記基板収容ケースは、その一方端部において取付部に回動自在に支持され、その他方端部に前記固着部が配置されてもよい。前記固着部は複数設けられていてもよい。前記基板収容ケースは、三以上のケース部材から構成されてもよく、前記固着部は全部のケース部材を固着してもよい。
B1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
基板(例えば2)を収容する基板収容手段(例えばA)と、
前記基板収容手段が取り付けられる取付部(例えばB)と、
を備えた遊技台であって、
前記基板収容手段を回動自在に前記取付部に支持するヒンジ手段(例えば30)と、
前記基板収容手段を固定位置に回動不能に固定する固定手段(例えばP2)と、を備え、
前記ヒンジ手段は、
前記基板収容手段および前記取付部の一方に設けられたヒンジ軸(例えば31)と、
前記基板収容手段および前記取付部の他方に設けられ、前記ヒンジ軸を軸支する軸孔(例えば32a)と、を含み、
前記軸孔の内壁の一部(例えば34a)は、前記他方に着脱自在に装着される着脱部材(例えば34)により形成され、
前記着脱部材が前記他方から取り外されることにより、前記ヒンジ軸と前記軸孔とを分離可能であり(例えば図9)、
前記着脱部材は、前記基板収容手段が前記固定位置に位置する場合に、前記他方からの取り外しが規制される(例えば図10,図11(a))、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、基板の設置構造に特徴がある遊技台を提供することができる。前記基板収容手段が前記取付部に対して回動自在であることにより、前記基板収容手段の前記取付部側を確認することが容易化し、かつ、スライドする構成もよりも省スペース化を図れる。また、前記着脱部材の取り外しにより前記基板収容手段を取り外して内部の前記基板を確認することができる一方、前記基板収容手段が前記固定位置に位置している場合は前記着脱部材の取り外しが規制されるので、不正な取り外し行為の困難性を高めることができる。
B2.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記基板収容手段は、前記固定位置において前記取付部に対向する面(例えば21)を有し、
前記面は、前記基板収容手段に収容された前記基板を視認可能な透過部を有し、
前記基板収容手段は、前記固定位置から、前記面が前記取付部から離間した第一の位置(例えば図11(b))へ回動可能であり、
前記第一の位置は、前記透過部を介して前記基板を視認可能であって、かつ、前記着脱部材が前記他方に着脱可能な位置である、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記第一の位置への回動によって、前記基板収容手段に収容されている前記基板うち、前記面側に位置している電子部品等の確認が容易であり、かつ、確認の結果次第で、そのまま前記着脱部材を取り外して前記基板収容手段を取り外すことが可能であり、正常な点検作業等を円滑に行うことができる。
B3.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記着脱部材は、その弾性変形によって前記他方に係合および係合解除する弾性部材である、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記着脱部材の装着および取り外しを容易化することができる。
B4.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記軸孔の内壁の残りの部分(例えば33a)を形成する部分(例えば33)が透明であり、
前記着脱部材が有色の部材である、
ことを特徴とする。
この実施形態によれば、前記着脱部材が装着されているか否かを外部から目視で確認し易くなり、前記着脱部材の装着忘れや不正行為の確認を行い易くすることができる。
B5.以下の構成も採用可能である。
前記基板収容手段は、前記基板を収容する基板収容ケース(例えば1)を備えていてもよく、前記基板収容ケースに前記ヒンジ軸または前記軸孔が設けられてもよい。前記基板収容ケースが複数のケース部材から構成され、前記ヒンジ軸または前記軸孔が一のケース部材に設けられてもよい。前記基板収容手段は、前記基板を収容する基板収容ケース(例えば1)と、該基板収容ケースをカバーするカバー部材(例えば5)とを備えていてもよく、前記カバー部材に前記ヒンジ軸または前記軸孔が設けられてもよい。
前記着脱部材は、前記基板収容手段が前記固定位置に位置する場合に、その挿抜方向に邪魔部材が存在することによって、前記他方からの取り外しが規制されてもよく、該邪魔部材は、前記遊技台の筐体の一部であってもよいし、前記取付部であってもよい。前記着脱部材が操作部(例えば34g,34h)を有し、前記基板収容手段が前記固定位置に位置する場合に、該操作部に対する操作が困難になることによって、前記他方からの取り外しが規制されてもよく、該操作部に対する操作が困難な態様として、前記操作部が隠れてもよい。前記操作部が隠れる態様として、前記基板収容手段と前記取付部との間に格納される態様であってもよい。前記操作部を一対備え、該一対の操作部をつまむことによって係合解除が可能であってもよい。
前記ヒンジ手段は、前記基板収容手段の一方端部に位置していてもよい。前記基板収容手段は、90度以上回動するように支持されていてもよい。前記ヒンジ軸は、前記基板の基板面を含む仮想面から離れた位置に位置していてもよく、前記基板収容手段が前記固定位置に位置する場合に、前記面からその法線方向に、前記基板よりも遠い位置に位置していてもよい。
前記着脱部材が形成する前記内壁の一部は、前記軸孔の前記内壁のうち、周方向に半分未満の範囲であってもよい。前記着脱部材は、前記ヒンジ軸の径方向に着脱可能な部材であってもよい。前記着脱部材は複数あってもよい。
前記取付部は前記遊技台の筐体の一部であってもよいし、別部材であってもよい。前記ヒンジ軸は前記取付部に設けられてもよい。前記軸孔は前記基板収容手段に設けられてもよく、前記基板収容手段は前記着脱部材と共に前記軸孔を形成する軸支部を有していてもよい。前記ヒンジ軸は前記取付部と一体に形成されてもよい。前記軸支部は前記基板収容手段と一体に形成されてもよい。
前記固定位置において、前記基板収容手段は、前記着脱部材が取り外された状態であっても、構造的に取り外しが困難であってもよい。