JP6481007B1 - プレスブレーキ用のフロントテーブル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下部フレーム20の正面側へのフロントテーブル装置32の取付に要するコストの低減を図りつつ、ワークWを下部金型14に対して奥行方向に適切に位置決めすること。
【解決手段】下部フレーム20の正面の取付部20aには、長さ方向に延びたガイド部材34が取付けられている。ガイド部材34には、スライド部材38が長さ方向へ移動可能に設けられており、スライド部材38の支持ブロック42の支持穴42hには、調整バー44が昇降可能かつ回転可能に設けられている。調整バー44の上側には、サポートテーブル62が支持プレート50及び取付プレート58等を介して設けられている。フロントテーブル装置32は、矩形状の取付プレート58の4隅に配置された4つの平行調整用のネジ機構60からなりかつサポートテーブル62の支持面を奥行方向に対して平行に調整するための平行調整機構74を具備したこと。
【選択図】 図3

Description

本発明は、プレスブレーキにおける下部フレームの正面側に取付けられかつワークを支持するフロントテーブル装置に関する。
従来のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置として特許文献1に示すものがある。そして、その先行技術に係るプレスブレーキ用のフロントテーブル装置の構成について簡単に説明すると、次の通りである。
プレスブレーキにおける下部フレームの正面の取付部には、長さ方向(プレスブレーキの長さ方向)に延びたガイド部材が設けられている。ガイド部材には、スライド部材が長さ方向(ガイド部材の長手方向)へ位置調整可能に設けられている。また、スライド部材には、昇降部材が昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられており、昇降部材には、支持穴が貫通して形成されている。更に、昇降部材の支持穴には、上下方向に延びた調整バーが挿通した状態で設けられている。調整バーの高さ位置は、昇降部材の昇降によって使用予定の下部金型の高さに対応して調整可能に構成されている。そして、調整バーの上側(上方側)には、ワークを支持するサポートテーブルが設けられている。
なお、本発明に関連する技術として特許文献1の他に、特許文献2及び特許文献3に示すものがある。
特開2010−64088号公報 特許第2521011号公報 実用新案登録第2602953号公報
ところで、下部フレームは曲げ荷重を受ける部品であり、厚い大型の金属板からなっている。通常、厚い大型の金属板の面精度は高くなく、サポートテーブルの支持面(上面)の水平度を十分に確保するには、下部フレームの正面の取付部を機械加工によって高精度(高い面精度)に仕上げる必要がある。そのため、下部フレームの正面側へのフロントテーブル装置の取付に要するコストが高くなる。
下部フレームの正面の取付部を高精度に仕上げても、フロントテーブル装置における複数の部品の累積公差及びフロントテーブル装置の組立誤差の影響によってサポートテーブルの支持面の水平度を十分に確保できず、サポートテーブルの支持面が奥行方向(プレスブレーキの奥行方向)に対して傾斜することがある。このような場合には、サポートテーブルの支持面上においてワークを滑らせながら後方向へ移動させると、ワークの後端面が下部金型の正面に突き当たり又はプレスブレーキにおけるバックゲージ装置の突き当て部材から上方向に外れた位置に位置することになる。その結果、ワークを前記下部金型に対して奥行方向に適切に位置決めして、ワークに対して高精度な曲げ加工を行う安定的に行うことが困難になる。
つまり、下部フレームの正面側へのフロントテーブル装置の取付に要するコストの低減を図りつつ、ワークに対して高精度な曲げ加工を安定的に行うことは困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成からなるプレスブレーキ用のフロントテーブル装置を提供することを目的とする。
本発明の実施態様は、プレスブレーキにおける下部フレームの正面側に取付けられ、ワークを支持するフロントテーブル装置において、前記プレスブレーキにおける下部フレームの正面の取付部に取付可能であって、長さ方向(前記プレスブレーキの長さ方向)に延びたガイド部材と、前記ガイド部材に長さ方向(前記ガイド部材の長手方向)へ位置調整可能に設けられ、支持穴が貫通して形成されたスライド部材と、前記スライド部材の前記支持穴に挿通した状態で設けられ、上下方向に延びており、高さ位置が使用予定の下部金型の高さに対応して調整可能に構成された調整バーと、前記調整バーの上側(上方側)に設けられ、ワークを支持するサポートテーブルと、前記サポートテーブルの支持面(上面)を奥行方向(前記プレスブレーキの奥行方向)に対して平行に調整するための平行調整機構と、を具備したことである。
本発明の実施形態によると、前記下部フレームの正面側(前側)に前記フロントテーブル装置を取付けた後に、前記平行調整機構によって前記サポートテーブルの支持面を奥行方向に対して平行に調整する。これにより、前記下部フレームの正面の取付部を機械加工することなく、前記サポートテーブルの支持面の水平度を十分に確保できる。また、前記フロントテーブル装置における複数の部品の累積公差及び前記フロントテーブル装置の組立誤差の影響を受けることなく、前記サポートテーブルの支持面の水平度を十分に確保できる。
記サポートテーブルの支持面を奥行方向に対して平行に調整した後に、前記スライド部材を長さ方向へ位置調整することにより、前記サポートテーブルを曲げ加工の作業に応じた長さ方向の所定位置に位置させる。また、前記調整バーの高さ位置を使用予定の前記下部金型の高さに対応して調整することにより、前記サポートテーブルの支持面を使用予定の前記下部金型の上面と同一平面上に位置させる。これにより、ワークの曲げ加工の準備を行うことができる。
曲げ加工の準備を行った後に、前記サポートテーブルの支持面上においてワークを滑らせながら後方向へ移動させて、ワークの後端面を前記プレスブレーキにおけるバックゲージ装置の突き当て部材に突き当てる。これにより、ワークを前記下部金型に対して奥行方向に位置決めする。その後、前記プレスブレーキを適宜に作動させることにより、ワークの曲げ加工を行う。
本発明の他の実施態様は、プレスブレーキにおける下部フレームの正面側に取付けられ、ワークを支持するフロントテーブル装置において、前記プレスブレーキにおける下部フレームの正面の取付部に取付けられ、長さ方向に延びたガイド部材と、前記ガイド部材に長さ方向(前記ガイド部材の長手方向)へ位置調整可能かつ回転可能に設けられ、支持穴が貫通して形成されたスライド部材と、前記スライド部材の前記支持穴に挿通した状態で設けられ、上下方向に延びており、高さ位置が使用予定の下部金型の高さに対応して調整可能に構成された調整バーと、前記調整バーの上側(上方側)に設けられ、一対の長辺部と一対の短辺部を含む矩形状に形成され、前記調整バーの回転によって前記長辺部を奥行方向に平行にした作業姿勢と、前記長辺部を長さ方向に平行にした待機姿勢とに切り替わるように構成され、ワークを支持するサポートテーブルと、前記サポートテーブルの前記待機姿勢の位置から前記プレスブレーキにおけるバックゲージ装置側への移動を規制するストッパと、を具備したことである。
本発明の他の実施形態によると、前記スライド部材を長さ方向へ位置調整することにより、前記サポートテーブルを曲げ加工の作業に応じた長さ方向の所定位置に位置させる。また、前記調整バーの高さ位置を使用予定の前記下部金型の高さに対応して調整することにより、前記サポートテーブルの支持面を使用予定の前記下部金型の上面と同一平面上に位置させる。更に、前記調整バーを回転させることにより、前記サポートテーブルを前記待機姿勢から前記作業姿勢に切り替える。これにより、ワークの曲げ加工の準備を行うことができる。
曲げ加工の準備を行った後に、前記サポートテーブルの支持面上においてワークを滑らせながら後方向へ移動させて、ワークの後端面を前記プレスブレーキにおけるバックゲージ装置の突き当て部材に突き当てる。これにより、ワークを前記下部金型に対して奥行方向に位置決めする。その後、前記プレスブレーキを適宜に作動させることにより、ワークの曲げ加工を行う。
曲げ加工を終了した後に、前記スライド部材を長さ方向へ位置調整することにより、前記サポートテーブルを長さ方向の片側の待機位置に位置させる。また、前記調整バーを回転させることにより、前記ストッパによって前記サポートテーブルの前記待機姿勢の位置から前記バックゲージ装置側への移動を規制した状態で、前記サポートテーブルを前記作業姿勢から前記待機姿勢に切り替える。これにより、前記サポートテーブルを長さ方向の片側の待機位置に待機させることができる。
前述のように、前記サポートテーブルを前記待機位置に待機させる際に、前記ストッパによって前記サポートテーブルの前記待機姿勢の位置から前記バックゲージ装置側への移動を規制している。そのため、前記サポートテーブルの待機中において、前記サポートテーブルと下部金型等との干渉を確実に回避することができる。
本発明によれば、前述のように、前記下部フレームの正面の取付部を機械加工することなく、かつ前記フロントテーブル装置における複数の部品の累積公差等の影響を受けることなく、前記サポートテーブルの支持面の水平度を十分に確保できる。よって、本発明によれば、前記下部フレームの正面側への前記フロントテーブル装置の取付に要するコストの低減を図りつつ、ワークを前記下部金型に対して奥行方向に適切に位置決めして、ワークに対して高精度な曲げ加工を安定的に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係るプレスブレーキの部分側面図である。 図2Aは、本発明の実施形態に係るプレスブレーキの部分正面図であり、フロントテーブル装置における各サポートテーブルを作業姿勢に切り替えた状態を示している。 図2Bは、本発明の実施形態に係るプレスブレーキの部分正面図であり、フロントテーブル装置における各サポートテーブルを待機姿勢に切り替えた状態を示している。 図3は、本発明の実施形態に係るフロントテーブル装置の周辺の側面図である。 図4Aは、本発明の実施形態に係るフロントテーブル装置の周辺の斜視図であり、調整バーの高さ位置を最大の高さ位置に位置させた状態を示している。 図4Bは、本発明の実施形態に係るフロントテーブル装置の周辺の斜視図であり、調整バーの高さ位置を最大の高さ位置に位置させた状態を示している。 図5は、本発明の実施形態に係るフロントテーブル装置の部分斜視図である。 図6(a)は、図3におけるVIA部を示す拡大図であり、図6(b)は、調整ピンをその長手方向に直交する方向から見た拡大図である。 図7(a)は、図3におけるVIIA部を-示す図であり、図7(b)は、図3におけるVIIB部を示す図である。 図8(a)は、図3におけるVIIIA-VIIIA線に沿った拡大端面図であり、図8(b)は、図3におけるVIIIB-VIIIB線に沿った拡大端面図である。
以下、本発明の実施形態について図1から図8を参照して説明する。
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「設けられる」とは、直接的に設けられることの他に、別部材を介して間接的に設けられることを含む意である。「長さ方向」とは、水平方向の1つである、プレスブレーキの長さ方向のことをいい、本発明の実施形態にあっては、左右方向のことをいう。「奥行方向」とは、水平方向の1つである、プレスブレーキの奥行方向のことをいい、本発明の実施形態にあっては、前後方向のことである。図面中、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向、「L」は、左方向、「R」は、右方向、「U」は、上方向、「D」は、下方向をそれぞれ指している。
図1から図2Bに示すように、本発明の実施形態に係るプレスブレーキ10は、上部金型(パンチ金型)12と下部金型(ダイ金型)14の協働により板状のワーク(板金)Wに対して曲げ加工を行う加工機である。また、プレスブレーキ10は、本体フレーム16を具備しており、本体フレーム16は、長さ方向(左右方向)に離隔対向した一対のサイドプレート18と、一対のサイドプレート18を連結する複数の連結部材(図示省略)とを有している。
本体フレーム16の下部には、長さ方向(左右方向)に延びた下部フレーム20が設けられている。下部フレーム20の上側には、下部金型14を着脱可能に保持する下部金型ホルダ22が設けられている。また、本体フレーム16の上部には、長さ方向に延びた上部フレーム24が昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられている。上部フレーム24の下側には、上部金型12を着脱可能に保持する上部金型ホルダ26が設けられている。各サイドプレート18の上部には、上部フレーム24を昇降させるための昇降アクチュエータとして油圧シリンダ(図示省略)が設けられている。なお、昇降アクチュエータとして油圧シリンダの代わりに、電動モータ(図示省略)を用いてもよい。
下部フレーム20の背面側(後方)には、ワークWを下部金型14に対して奥行方向(前後方向)に位置決めするためのバックゲージ装置28が設けられている。バックゲージ装置28は、ワークWの端面を突き当て可能な突き当て部材30を有しており、突き当て部材30は、奥行方向へ移動可能になっている。また、下部フレーム20の正面側(前面側)には、ワークWを支持するフロントテーブル装置(作業テーブル装置)32が設けられている。
続いて、本発明の実施形態に係るフロントテーブル装置32の具体的な構成について説明する。
図3から図6(a)(b)に示すように、下部フレーム20の正面(前面)の取付部20aには、長さ方向(左右方向)に延びた側断面T字形状(側面視T字形状)のガイド部材34が複数の取付ボルト36を介して取付けられている。換言すれば、フロントテーブル装置32は、下部フレーム20の正面(前面)の取付部20aに取付可能なガイド部材34を具備している。また、ガイド部材34は、長さ方向に沿って分割されたガイドセグメント34sにより構成されている。
ガイド部材34には、一対のスライド部材38が長さ方向(ガイド部材34の長手方向)へ移動可能に設けられており、各スライド部材38には、ガイド部材34を嵌合させるための側断面T字形状の嵌合溝38gが形成されている。更に、各スライド部材38の正面には、各スライド部材38をガイド部材34に対して長さ方向へ移動不能に固定する長さ方向用の固定手段としてのロックレバー40が設けられている。各ロックレバー40は、その回転操作によってガイド部材34を押圧及び押圧解除(押圧状態を解除)しつつ、各スライド部材38をガイド部材34に対して固定及び固定解除(固定状態を解除)する。換言すれば、各スライド部材38は、各ロックレバー40の回転操作等によってガイド部材34に沿って長さ方向へ位置調整可能に構成されている。
各スライド部材38は、その正面側(前側)に、支持ブロック(ブロック部)42を有しており、各支持ブロック42は、各スライド部材38の一部を構成する。各支持ブロック42には、支持穴42hが貫通して形成されており、各支持ブロック42の支持穴42hの上側の周縁には、環状の段部42mが形成されている。各支持ブロック42の一部分(前側の一部分)には、支持穴42h及び段部42mに連通した割溝42gが上下方向に沿って形成されている。各支持ブロック42の前部42aは、支持穴42hの内周面の一部を有し、割溝42gによって前後方向へ僅かに弾性変形(僅かに変位)する。
各支持ブロック42の支持穴42hには、上下方向に延びた丸パイプ状の調整バー(昇降バー)44が挿通した状態で昇降可能(上下方向へ移動可能)かつ回転可能に設けられている。また、各支持ブロック42には、調整バー44を各支持ブロック42に対して回転不能に固定する回り止め手段としてのロックボルト46が設けられている。各ロックボルト46は、その回転操作によって各支持ブロック42の前部42aを僅かに弾性変形させつつ、各調整バー44を各支持ブロック42に対して固定及び固定解除(固定状態を解除)する。換言すれば、各支持ブロック42の前部42aは、各ロックボルト46の回転操作によって各調整バー44を押圧及び押圧解除するクランプ爪に相当する。
各調整バー44における使用予定の下部金型14の高さに対応する複数箇所には、対向(整合)する一対のピン穴44hがそれぞれ貫通して形成されている。また、各調整バー44におけるいずれかの対向する一対のピン穴44hには、各調整バー44の高さ位置を使用予定の下部金型14の高さに対応して調整するための高さ調整手段としての調整ピン48が挿通されている。換言すれば、各調整バー44の高さ位置は、各調整ピン48をいずれか(所定)の対向する一対のピン穴44hに挿通させることによって、使用予定の下部金型14の高さに対応して調整可能に構成されている。
ここで、図6(a)(b)に示すように、各調整ピン48の両端部(一端部及び他端部)は、各支持ブロック42の段部42m内にそれぞれ位置している。各調整ピン48は、その一端側に頭部48aを有しており、各調整ピン48の頭部48aには、切欠面48nが形成されている。また、各調整ピン48の切欠面48nは、各調整ピン48の長手方向に直交する方向から見たときに、各調整ピン48の外周面48fに直線状に連続している。
図3から図5、及び図7(a)(b)に示すように、各調整バー44の上端部(上端部側)には、水平方向に延びた矩形状の支持プレート50が設けられており、各支持プレート50の一端部は、各調整バー44の上端部に回り止めピンとしてのボルトピン52によって回転不能に連結されている。また、各調整バー44の下端部には、略L字状の支持アーム54の下端部が固定ボルト56によって一体的に連結されている。各支持アーム54の上端部には、各支持プレート50の他端部が溶接等によって固定されている。換言すれば、各調整バー44の上端部と対応する支持アーム54の上端部の間には、支持プレート50が掛け渡すように設けられている。更に、各支持プレート50には、4つの挿通孔50hが貫通して形成されており、4つの挿通孔50hは、矩形状の支持プレート50の4隅に配置されている。
各支持プレート50の上側(上方側)には、水平方向に延びた矩形状の取付プレート58が4つの平行調整用のネジ機構60を介して設けられている。4つの平行調整用のネジ機構60は、矩形状の取付プレート58の4隅に配置されている。各取付プレート58には、4つのネジ穴58nが各支持プレート50の4つの挿通孔50hに整合するように形成されている。各取付プレート58には、複数の挿通穴58hが貫通して形成されている。なお、平行調整用のネジ機構60の構成については、後述する。
各取付プレート58の上面(上側)には、ワークWを支持するサポートテーブル62が設けられている。換言すれば、各調整バー44の上側(上方側)には、サポートテーブル62が支持プレート50及び取付プレート58等を介して設けられている。また、各サポートテーブル62は、一対の長辺部62aと一対の短辺部62bを含む矩形状に形成されている。更に、各サポートテーブル62の下面には、長辺部62aに平行な方向に延びた断面T字形状の複数の嵌合溝62gが形成されており、各嵌合溝62gは、各取付プレート58の挿通穴58hに対応(整合)する位置に位置している。
図1、図2A、図2B、図3、及び図7(a)に示すように、各サポートテーブル62は、各調整バー44の回転によって作業姿勢と待機姿勢とに切り替わるように構成されている。作業姿勢とは、長辺部62aを奥行方向(前後方向)に平行にした姿勢のことをいい(図2A及び図3参照)、待機姿勢とは、長辺部62aを長さ方向(左右方向)に平行にした姿勢のこという(図2B参照)。また、各支持ブロック42の両側部には、各サポートテーブル62の待機姿勢の位置からバックゲージ装置28側への移動を規制するストッパ64が複数の取付ボルト66を介してそれぞれ設けられている。
図3、図7(a)、及び図8(a)に示すように、フロントテーブル装置32は、作業姿勢の各サポートテーブル62を取付プレート58に対して奥行方向(前後方向)へ位置調整するための奥行方向用の位置調整機構68を具備している。具体的には、各サポートテーブル62の各嵌合溝62gの水平部には、矩形の調整ナット70が回転不能に嵌合している。また、各取付プレート58の挿通穴58hには、各取付プレート58の下面を押圧する調整ボルト72が設けられており、各調整ボルト72は、対応する調整ナット70に螺合されている。
前述のように、フロントテーブル装置32は、矩形状の取付プレート58の4隅に配置された4つの平行調整用のネジ機構60を具備しており、4つの平行調整用のネジ機構60は、各サポートテーブル62の支持面(上面)を奥行方向(前後方向)に対して平行に調整するための平行調整機構74である。そして、平行調整機構74(各平行調整用のネジ機構60)の具体的な構成は、次の通りである。
図3、図7(b)、及び図8(b)に示すように、各取付プレート58の各ネジ穴58nには、ネジ部材76の上端部が螺合されており、各ネジ部材76における取付プレート58の下側には、取付プレート58の下面を支持する支持ナット78が螺合されている。換言すれば、各取付プレート58の下面には、4つのネジ部材76の上端部が固定されている。また、各ネジ部材76における支持プレート50の上側には、各ネジ部材76の高さ位置を調整するための調整ナット80が螺合されている。各ネジ部材76における支持プレート50の下側には、調整ナット80と協働して支持プレート50を上下方向(垂直方向)から挟持するロックナット82が螺合されている。なお、ネジ部材76の上端部を取付プレート58の下面に溶接によって固定してもよく、この場合には、支持ナット78等を省略することができる。平行調整機構74を構成する平行調整用のネジ機構60の数は、4つに限るものでなく、3つ以上であればよい。
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
図3及び図8(b)に示すように、下部フレーム20の正面側(前側)にフロントテーブル装置32を取付けた後に、各サポートテーブル62の支持面を奥行方向に対して平行になるように、各平行調整用のネジ機構60における調整ナット78及びロックナット82の回転操作によって各平行調整用のネジ機構60におけるネジ部材76の高さ位置を調整する。換言すれば、平行調整機構74によって各サポートテーブル62の支持面を奥行方向に対して平行に調整する。これにより、下部フレーム20の正面の取付部20aを機械加工することなく、各サポートテーブル62の支持面の水平度を十分に確保できる。また、フロントテーブル装置32における複数の部品の累積公差及びフロントテーブル装置32の組立誤差の影響を受けることなく、各サポートテーブル62の支持面の水平度を十分に確保できる。
各サポートテーブル62の支持面を奥行方向に対して平行に調整した後に、図2A、図3、及び図8(a)に示すように、各ロックレバー40の回転操作等によってスライド部材38を長さ方向へ位置調整することにより、各サポートテーブル62を曲げ加工の作業に応じた長さ方向の所定位置に位置させる。また、各調整ピン48を所定の対向する一対のピン穴44hに挿通させて、各調整バー44の高さ位置を使用予定の下部金型14の高さに対応して調整することにより、各サポートテーブル62の支持面を使用予定の下部金型14の上面と同一平面上に位置させる。更に、各サポートテーブル62を作業姿勢に保った状態で、各ロックボルト46の回転操作によって各調整バー44を各支持ブロック42に対して回転不能に固定する。そして、各奥行方向用の位置調整機構68における調整ボルト72の回転操作等によって各サポートテーブル62を取付プレート58に対して奥行方向へ位置調整することにより、図3において二点鎖線で示すように、各サポートテーブル62の後端を使用予定の下部金型14に接近させる。これにより、ワークWの曲げ加工の準備を行うことができる。
曲げ加工の準備を行った後に、図1に示すように、一対のサポートテーブル62の支持面上においてワークWを滑らせながら後方向へ移動させて、ワークWの後端面をバックゲージ装置28の突き当て部材30に突き当てる。これにより、ワークWを下部金型14に対して奥行方向(前後方向)に位置決めする。その後、一対の油圧シリンダの駆動により上部フレーム24を下降(下方向へ移動)させる。これにより、上部金型12と下部金型14の協働によりワークWに対して曲げ加工を行う。
曲げ加工を終了した後に、図1、図2B、及び図3に示すように、各ロックレバー40の回転操作等によってスライド部材38を長さ方向へ位置調整することにより、各サポートテーブル62を長さ方向の片側の待機位置に位置させる。また、各ロックボルト46の回転操作によって各調整バー44を各支持ブロック42に対して固定解除して、回転させることにより、各一対のストッパ64によって各サポートテーブル62の待機姿勢の位置からバックゲージ装置28側への移動を規制した状態で、サポートテーブル62を作業姿勢から待機姿勢に切り替える。これにより、各サポートテーブル62を長さ方向の片側の待機位置に待機させることができる。
ここで、前述のように、各調整ピン48の両端部が各支持ブロック42の段部42m内にそれぞれ位置している。各調整ピン48の切欠面48nは、各調整ピン48の長手方向に直交する方向から見たときに、各調整ピン48の外周面48fに直線状に連続している。そのため、各調整ピン48が各支持ブロック42から離脱することなく、各調整バー44の高さ位置、換言すれば、各サポートテーブル62の支持面の高さ位置を安定的に保つことができる。
従って、本発明の実施形態によれば、前述のように、下部フレーム20の正面の取付部20aを機械加工することなく、かつフロントテーブル装置32における複数の部品の累積公差等の影響を受けることなく、各サポートテーブル62の支持面の水平度を十分に確保できる。そのため、本発明の実施形態によれば、下部フレーム20の正面側へのフロントテーブル装置32の取付に要するコストの低減を図りつつ、ワークWを下部金型14に対して奥行方向に適切に位置決めして、ワークWに対して高精度な曲げ加工を安定的に行うことができる。
特に、前述のように、ワークWに対して曲げ加工を行う前に、各サポートテーブル62の後端を使用予定の下部金型14に接近させることができる。また、各調整ピン48が各支持ブロック42から離脱することなく、各サポートテーブル62の支持面の水平度を十分に確保各サポートテーブル62の支持面の高さ位置を安定的に保つことができる。そのため、本発明の実施形態によれば、ワークWに対して高精度な曲げ加工をより安定的に行うことができる。
更に、前述のように、各サポートテーブル62を待機位置に待機させる際に、各一対のストッパ64によって各サポートテーブル62の待機姿勢の位置からバックゲージ装置28側への移動を規制している。そのため、各サポートテーブル62の待機中において、各サポートテーブル62と下部金型14等との干渉を確実に回避することができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、種々の変更を行うことにより、その他、種々の態様で実施可能である。そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の実施形態に限定されないものでなく、フロントテーブル装置32を具備したプレスブレーキ10にも及ぶものである。
10 プレスブレーキ
12 上部金型
14 下部金型
16 本体フレーム
18 サイドプレート
20 下部フレーム
20a 下部フレームの取付部
24 上部フレーム
28 バックゲージ装置
30 突き当て部材
32 フロントテーブル装置
34 ガイド部材
34s ガイドセグメント
36 取付ボルト
38 スライド部材
40 ロックレバー
42 支持ブロック
42a 支持ブロックの前部
42g 割溝
42h 支持穴
42m 段部
44 調整バー(昇降バー)
44h ピン穴
46 ロックボルト
48 調整ピン
48a 調整ピンの頭部
48f 調整ピンの外周面
48n 切欠面
50 支持プレート
50h 挿通孔
52 ボルトピン
54 支持アーム
56 固定ボルト
58 取付プレート
58h 挿通穴
58n ネジ穴
60 平行調整用のネジ機構
62 サポートテーブル
62a 長辺部
62b 短辺部
62g 嵌合溝
64 ストッパ
68 奥行方向用の位置調整機構
70 調整ナット
72 調整ボルト
74 平行調整機構
76 ネジ部材
78 支持ナット
80 調整ナット
82 ロックナット
W ワーク(板金)

Claims (9)

  1. プレスブレーキにおける下部フレームの正面側に取付けられ、ワークを支持するフロントテーブル装置において、
    前記プレスブレーキにおける下部フレームの正面の取付部に取付可能であって、長さ方向に延びたガイド部材と、
    前記ガイド部材に長さ方向へ位置調整可能に設けられ、支持穴が貫通して形成されたスライド部材と、
    前記スライド部材の前記支持穴に設けられ、上下方向に延びており、高さ位置が使用予定の下部金型の高さに対応して調整可能に構成された調整バーと、
    前記調整バーの上側に設けられ、ワークを支持するサポートテーブルと、
    前記サポートテーブルの支持面を奥行方向に対して平行に調整するための平行調整機構と、を具備したことを特徴とするプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
  2. 前記調整バーの上端部側に設けられ、水平方向に延びた支持プレートと、
    前記支持プレートの上側に設けられ、水平方向に延びた取付プレートを具備し、
    前記サポートテーブルが前記支持プレート及び前記取付プレートを介して前記調整バーの上側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
  3. 前記支持プレートに3つ以上の挿通穴が貫通して形成され、前記平行調整機構が3つ以上の平行調整用のネジ機構からなり、
    各平行調整用のネジ機構は、
    上端部が取付プレートに固定され、下端部が前記支持プレートの整合する前記挿通穴に挿通したネジ部材と、
    前記ネジ部材における前記支持プレートの上側に螺合された調整ナットと、
    前記ネジ部材における前記支持プレートの下側に螺合され、前記調整ナットと協働して前記支持プレートを挟持するロックナットと、有したことを特徴とする請求項2に記載のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
  4. 前記支持プレートを前記取付プレートに対して奥行方向へ位置調整するための奥行方向用の位置調整機構を具備したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
  5. 前記調整バーは、丸パイプ状に形成されており、前記調整バーにおける使用予定の下部金型の高さに対応する複数箇所に対向する一対のピン穴がそれぞれ貫通して形成され、
    前記調整バーにおけるいずれかの対向する一対の前記ピン穴に、前記調整バーの高さ位置を使用予定の下部金型の高さに対応して調整するための調整ピンが挿通されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
  6. 前記スライド部材の前記支持穴の上側の周縁に環状の段部が形成され、前記調整ピンの両端部は、前記スライド部材の前記段部内にそれぞれ位置していることを特徴とする請求項5に記載のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
  7. 前記調整ピンは、その一端側に頭部を有し、前記調整ピンの頭部に切欠面が形成され、前記調整ピンの前記切欠面は、前記調整ピンの長手方向に直交する方向から見たときに、前記調整ピンの外周面に直線状に連続していることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
  8. 前記調整バーは、前記スライド部材に対して回転可能に構成されており、
    前記調整バーを前記スライド部材に対して回転不能に固定するめの回り止め手段を具備したことを特徴する請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
  9. 前記サポートテーブルは、一対の長辺部と一対の短辺部を含む矩形状に形成され、かつ前記調整バーの回転によって前記長辺部を奥行方向に平行にした作業姿勢と、前記長辺部を長さ方向に平行にした待機姿勢とに切り替わるように構成され、
    前記サポートテーブルの前記待機姿勢の位置から前記プレスブレーキにおけるバックゲージ装置側への移動を規制するストッパを具備したことを特徴とする請求項8に記載のプレスブレーキ用のフロントテーブル装置。
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