JP6480910B6 - 無血清懸濁培養物系で組み換えレンチウイルスベクターを産生するための拡張可能な生産プロセス - Google Patents

無血清懸濁培養物系で組み換えレンチウイルスベクターを産生するための拡張可能な生産プロセス Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月15日に出願された米国特許仮出願第61/787,818号に対する優先権を主張し、この内容は参照により全体として本明細書に明示的に組み込まれる。
本発明は、分子生物学および遺伝子治療の分野に関連する。より具体的には、本発明は、臨床利用用の医学的に有益な産物をコードする導入遺伝子を含んでなるウイルスベクター、好ましくはレンチウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクターを大量生産するための改良プロセスを提供する。
はじめに
本発明に関連する技術の現状を記述する目的で、いくつかの出版物と特許資料が本明細書の全体を通じて引用されている。これら引用の各々は、参照することによりその全体が本明細書の一部をなすものと見なされる。
組み換えレンチウイルスをベースにした(rレンチ)ベクターは、多くの重大なヒトの疾患のための研究用遺伝子導入製品として開発され、広範に利用されてきた。レンチウイルスベクターは、幹細胞などの複製細胞および非複製細胞の双方に感染能を有するため、形質導入の観点から非常に生産性が高いことがわかっている。
多くの臨床試験が、HIV−1をベースにしたVSVG偽型レンチウイルスベクターを用いて世界中で実施され、非常に有望な臨床効果が観察されている。しかしながら、現時点の本分野における重大な問題は、先進的な臨床研究に必要となる十分量のrレンチを作成する手法がないことである。研究および臨床治験のデータにより、rレンチベクター(rLentivector)は、原発性免疫不全(Fischerら)等の遺伝疾患に対するヒト遺伝子治療、ならびにがん免疫療法(Juneら)のための有望な遺伝子送達担体であることが示されている。
しかしながら、臨床応用の後期段階を支援するための製造能力と治験薬の品質要件を満たす大量のrレンチベクターのcGMP製造に適した拡張可能な生産および精製の方法を開発することは、本分野において決定的に必要なことである。例えば、ある非常に有望な白血病治療の第I相のブログラムでは、現在利用可能な方法よりも少なくとも100倍高い生産能力が、第III相試験および初期の認可製品の上市に必要となると見込まれている。従って、この遺伝子治療ベクターの生産規模をスケールアップする方法が早急に必要である。
本発明に従い、拡張可能な無血清懸濁細胞培養での高力価のrレンチベクターの産生、および拡張可能な産業標準カラムクロマトグラフィー技法を用いた該ベクターの精製のための方法が提供される。本方法に準拠して産生されるrLV粒子を含んでなるrLVベクター製剤を作成することが可能であり、随意にこれを薬学的に許容される担体に包含することもできる。
ある実施形態においては、ウイルスベクター精製の方法は以下の工程を含む。a)導入遺伝子を含んでなる組み換えウイルスベクターを、無血清懸濁培養物から採取する工程、b)ステップaの採取物をろ過で澄明化する工程、c)テップbのろ液を採取し、随意でDNA/RNA不純物除去のために前記ろ液をヌクレアーゼ消化に付す工程、d)ステップcのろ液をPEG変調アフィニティまたはイオン交換カラムクロマトグラフィーに付すことによって前記ウイルスベクターを単離する工程、e)ステップdで得られたウイルスベクターをタンジェンシャルフローろ過(tangential flow filtration)で更に精製し、容積および緩衝液交換を減らす工程、f)ステップeのろ液をサイズ排除カラムクロマトグラフィーに付し、前記ウイルスベクターを更に精製する工程、g)ステップfのベクターをタンジェンシャルフローろ過に付し、最終ベクター力価を得る工程、h)ステップgで得たベクター溶液をフィルタでろ過する工程、及びi)前記の精製済ウイルスベクターを回収する。
別の実施形態においては、ウイルスベクター精製の方法は以下の工程を含む。a)導入遺伝子を含んでなる組み換えウイルスベクターを無血清懸濁培養物から採取する工程、b)ステップaの採取物をろ過で澄明化する工程、c)ステップbの澄明化した懸濁液をタンジェンシャルフローろ過に付し、容積及び緩衝液交換を減らす工程、d)ステップcのろ液を採取し、随意でDNA/RNA不純物除去のために前記ろ液をヌクレアーゼ消化に付す工程、e)ステップdのろ液をPEG変調アフィニティまたはイオン交換カラムクロマトグラフィーに付すことによって前記ウイルスベクターを単離する工程、f)ステップeで得られたウイルスベクターをサイズ排除カラムクロマトグラフィーに付し、前記ウイルスベクターを更に精製する工程、g)ステップfのベクターをタンジェンシャルフローろ過に付し、最終ベクター力価を得る、h)ステップgで得たベクター溶液をフィルタでろ過する工程、及びi)前記の精製済ウイルスベクターを回収する工程。
また別の実施形態においては、ウイルスベクター精製の方法は以下のステップを含む。a)導入遺伝子を含んでなる組み換えウイルスベクターを無血清懸濁培養物から採取する工程、b)ステップaの採取物をろ過で澄明化する工程、c)ステップbの澄明化した懸濁液をタンジェンシャルフローろ過に付し、容積及び緩衝液交換を減らす工程、d)ステップcのろ液を採取し、随意でDNA/RNA不純物除去のために前記ろ液をヌクレアーゼ消化に付す工程、e)ステップdのろ液をPEG変調アフィニティまたはイオン交換カラムクロマトグラフィーに付すことによって前記ウイルスベクターを単離する工程、f)ステップeで得られたウイルスベクターをタンジェンシャルフローろ過で更に精製し、容積および緩衝液交換を減らす工程、g)ステップfのろ液をサイズ排除カラムクロマトグラフィーに付し、前記ウイルスベクターを更に精製する工程、h)ステップgのベクターをタンジェンシャルフローろ過に付し、最終ベクター力価を得る工程、i)ステップhのベクター溶液をフィルタでろ過する工程、及びj)前記の精製済ウイルスベクターを回収する工程。
本発明の方法は、レンチウイルスベクター(rLV)に応用可能である。特定の実施形態においては、組み換えレンチウイルスベクター(rLV)を含んでなるrLVは、HIV−1、HIV−2、HIV−1/HIV−2偽型、HIV−1/SIV、FIV、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、ウマ伝染性貧血ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、HIVおよびその偽型、または水疱性口内炎ウイルスG偽型レンチウイルス(VSVG偽型)ベクターである。
本発明のウイルスベクターは導入遺伝子を含む。特定の実施形態においては、導入遺伝子は、siRNA、アンチセンス分子、miRNA、リボザイム、およびshRNAを含む群から選択された核酸をコードしている。他の特定の実施形態では、導入遺伝子は遺伝子産物(タンパク質またはポリペプチド)をコードしている。
ある特定の形態においては、遺伝子産物(タンパク質またはポリペプチド)は、インシュリン、グルカゴン、成長ホルモン(GH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、成長ホルモン放出因子(GRF)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ヒト性腺刺激ホルモン(hCG)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポイエチン、アンギオスタチン、果粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリスロポエチン(EPO)、結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性繊維芽細胞増殖因子(aFGF)、上皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子α(TGFα)、血小板由来成長因子(PDGF)、インシュリン成長因子IおよびII(IGF−IおよびIGF−II)、TGFβ、アクチビン、インヒビン、骨形成タンパク質(BMP)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT−3およびNT4/5、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アグリン、ネトリン−1およびネトリン−2、肝細胞増殖因子(HGF)、エフリン、ノギン、ソニックヘッジホッグ、またはチロシンヒドロキシラーゼである。他の特定の形態においては、遺伝子産物(タンパク質またはポリペプチド)は、トロンボポイエチン(TPO)、インターロイキン類(IL1からIL17)、単球走化性タンパク質、白血病阻止因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、Fasリガンド、腫瘍壊死因子αおよびβ、インターフェロンα、βおよびγ、幹細胞因子、flk−2/flt3リガンド、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE、キメラ免疫グロブリン、ヒト化抗体、単鎖抗体、T細胞受容体、キメラT細胞受容体、単鎖T細胞受容体、Gタンパク質共役受容体(GPCRs)、CCR5、およびクラスIおよびクラスII MHC分子である。
さらに別の特定の実施形態においては、遺伝子産物(タンパク質またはポリペプチド)は、骨内の代謝エラー修正に役立つタンパク質をコードした核酸であり、該タンパク質は、カルバモイルシンセターゼI、オルニチントランスカルバミラーゼ、アルギノコハク酸シンテターゼ、アルギノコハク酸リアーゼ、アルギナーゼ、フマリルアセト酸加水分解酵素、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、アルファ1アンチトリプシン、グルコース−6−ホスファターゼ、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ、第V因子、第VIII因子、第IX因子、シスタチオニンベータシンターゼ、分枝鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、アルブミン、イソバレリル−CoAデヒドロゲナーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニルCoAムターゼ、グルタリルCoAデヒドロゲナーゼ、インシュリン、ベータグルコシダーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、肝ホスホリラーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、グリシンデカルボキシラーゼ、網膜色素上皮特異的65kDaタンパク質(retinal pigment epithelium−specific 65kDa protein; RPE65)、Hタンパク質、Tタンパク質、嚢胞性線維症膜貫通調節因子(cystic fibrosis transmembrane regulator ; CFTR)配列、またはジストロフィンcDNA配列から成る群から選択される。さらに別の特定の形態においては、遺伝子産物(タンパク質またはポリペプチド)は、第VIII因子または第IX因子である。
また別の特定の形態では、導入遺伝子は腫瘍関連抗原(TAA)をコードする。さらに別の特定の形態では、導入遺伝子は、CAIX、CD19、CD20、CD20、CD22、CD30、CD33、CD44v7/8、CEA、EGF−RIII(上皮細胞増殖因子受容体変異型3)EGP−2、erb−B2、erb−B2、3、4、FBP、胎児アセチルコリン受容体、GD2、Her2/neu、IL−13R−a2、KDR、k−軽鎖、LeY、L1細胞接着分子、MAGE−A1、メソテリン、MUC1、NKG2D、がん胎児抗原(h5T4)、PSCA、PSMA、mAb IgE標的TAA、TAG−72またはVEGF−R2のいずれかの遺伝子産物をコードする。
本発明のウイルスベクターは、細胞によって産生される可能性がある。特定の実施形態においては、組み換えウイルスベクターは哺乳類細胞により産生される。特定の形態においては、組み換えウイルスベクターは、HEK293T(ATCC)、HEK293F(ライフテクノロジーズ)、HEK293(ATCC)、293S(ATCC)、BHK(ATCC)、BHK−21(ATCC)、CHO(ATCC)、CHO/dhFr−(ATCC)l、またはCHO K1(ATCC)細胞により産生される。
本発明の組み換えウイルスベクターを産生する細胞は、通常は増殖培地中懸濁状態で増殖される。細胞用の増殖培地には、無血清細胞増殖培地がある。特定の形態においては、無血清増殖培地は、FreeStyleTM293(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、DMEM/F12(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、SFM4Transfx−293(HyCloneTM、サーモ・サイエンティフィック)、CDM4HEK293(HyCloneTM、サーモ・サイエンティフィック)、StemPro−34SFM(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、FreeStyle F17(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、293SFM II(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、またはCD293(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、もしくはこれらの組み合わせである。
本発明の方法において、ヌクレアーゼを用いることができる。特定の実施形態においては、ヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせである。他の特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせである。他の特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、ベンゾナーゼまたはDNaseである。
本発明の方法においては、種々の樹脂またはクロマトグラフィー基材(媒体)も利用できる。特定の実施形態においては、アフィニティまたはイオン交換樹脂もしくは基材(媒体)が利用できる。特定の形態においては、イオン交換カラムクロマトグラフィーは、陰イオンまたは陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、強もしくは弱陰イオン交換、または強もしくは弱陽イオン交換を含んでなる。
本発明の方法は、カラムクロマトグラフィーに関連する結合、洗浄および/または溶出の段階をさらに含む。そのような結合、洗浄および/または溶出の段階は、1回または複数回(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回)実施することができる。種々の実施形態では、前段階のろ液を調整して結合溶液とすること(ウイルスをカラムの樹脂または媒体に結合させるため)、および/または該ろ液をアフィニティまたはイオン交換カラムに接触させることによってウイルスベクターを該アフィニティまたはイオン交換カラムに結合させること、および/または不純物を除去するために結合したウイルスベクターを洗浄溶液で洗浄すること(該洗浄液は随意にPEGまたはPEGと塩を含んでよい]、および/または溶出液を用いて前記アフィニティまたはイオン交換カラムからウイルスベクターを溶出させることが、方法に含まれる。
特定の形態では、結合溶液は、約0%から10%重量/容積、または約0%から5%重量/容積、または約0%から2%重量/容積の量のPEGを含む。他の特定の形態では、結合溶液は、分子量約2,000kDaから約40,000kDaのPEGを含む。
特定の形態では、洗浄溶液は、約1%から10%重量/容積、または約1%から5%重量/容積、または約1%から2%重量/容積の量のPEGを含む。他の特定の形態では、洗浄溶液は、分子量約2,000kDaから約40,000kDaのPEGを含む。
特定の形態では、溶出液は、約0%から10%重量/容積の量のPEGを含む。他の特定の形態では、溶出液は、分子量約2,000kDaから約40,000 kDaのPEGを含む。
本発明の方法においては、結合溶液、洗浄溶液、および/または溶出液は、随意に1種以上の塩類を含むことができる。特定の実施形態では、結合溶液、洗浄溶液、および/または溶出液は、約20mMから約1,000mM(1M)の量の1種以上の塩類を含む。本発明の範囲を限定しない(非限定的な)塩類には、塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウムが含まれる。
他の実施形態では、ウイルスベクター精製の方法は、1段階以上のろ過段階を含む。特定の形態では、ろ過は、孔径約0.20−0.5umのフィルタを用いて行われる。特定の形態では、ろ過は、孔径0.20umのフィルタ、孔径0.22umのフィルタ、または孔径0.45umのフィルタを用いて行われる。
ここで開示する通り、本発明の方法は、高力価の精製ウイルスベクターを産生することができ、例えばその力価は1x105感染単位(IU)/mlから最大約1x109感染単位(IU)/mlである。特定の実施形態では、約5x105感染単位(IU)/mlでウイルスベクターが産生されるか、約6x106感染単位(IU)/mlでウイルスベクターが産生されるか、または約3x108感染単位(IU)/mlでウイルスベクターが産生される。
本発明のレンチウイルスベクターの精製の典型的方法のフローチャートである。 本発明のレンチウイルスベクターの精製の典型的方法のフローチャートである。 本発明のレンチウイルスベクターの精製の典型的方法のフローチャートである。 本発明のレンチウイルスベクターの精製の典型的方法のフローチャートである。
図2A〜Cは適応したHEK293T細胞の無血清懸濁培養物における増殖特性を示す。
CD293無血清培地に適応した細胞集団を示す光学顕微鏡像。細胞凝集は観察されない。 スピナーフラスコを用いた細胞培養条件の最適化を示す。CO2濃度8%、130回転/分の条件下で、細胞は4日間、約3x106細胞/mlで培養することができる。 細胞増殖速度は、約20時間の倍加時間と一致する。
無血清懸濁培養物中のPEI導入HEK293T細胞でのeGEP発現を示す蛍光顕微鏡像。パネルA、B、C、およびDは、異なる無血清培地中の細胞である。eGFP陽性細胞はパネルDでのみ検出される。
無血清懸濁培養物中のPEI導入HEK293T細胞でのeGEP発現を示す蛍光顕微鏡像。パネルA−PEI25,000kDaを用いてトランスフェクション、パネルB−PEI MAX(40,000kDa)を用いてトランスフェクション、パネルC−PEI proを用いてトランスフェクション。PEI MAXが最も高い導入効率を示した。
無血清懸濁培養物(A)におけるHEK293TのPEI導入効率、およびHEK293細胞のレンチウイルスベクター形質導入を示す蛍光顕微鏡像。パネルA−最適条件でPEI MAX(40,000kDa)を用いてトランスフェクション、パネルBはレンチベクター形質導入を示す(採取上清50ulを使用)。
DEAEカラムクロマトグラフィーおよびPEG変調DEAEカラムクロマトグラフィーからのレンチベクター回収率の分析。上段パネルは、カラムクロマトグラフィー画分からのサンプルのeGEP発現を図示する。A:クロマトグラフィーはPEG変調を含まない。B、CおよびDでは、それぞれ4%PEG(4K)、4%PEG(6K)および8%PEG(4K)を用いた洗浄ステップが追加されている。各画分の100ulをHEK293細胞の形質導入に用い、eGFP陽性細胞は蛍光顕微鏡とFACSを用いて検出された(下段パネル)。レンチベクターのほぼ100%が溶出画分で検出された。
UV280nmの吸収を用いたレンチベクター溶出の分析。澄明化したレンチベクター採取物30mlを16mlのDEAEセファロースFFカラムにロードした。レンチベクターはPEG変調有り(パネルB、CおよびD)またはPEG変調無し(A)で精製された。ベクター溶出ピークはUV280nmの吸収を用いて積分され、ピーク面積は5倍からおよそ20倍に減少した。UV280/UV260のUV吸収比がUV280優位(パネルA)からUV260優位(パネルB、CおよびD)に変化したことは興味深いが、これはベクター純度の改善を示している。
カラムクロマトグラフィーから溶出させたレンチベクターの純度のSDS−PAGE分析。各サンプル10ulを4〜12%NuePage Bis−Trisゲルにロードし、電気泳動後に銀染色した。溶出AはPEG変調なしのカラムクロマトグラフィーからのレンチベクター溶出サンプルである。溶出B、CおよびDはそれぞれ、4% 4K PEG、4% 6K PEGおよび8% 4K PEGを用いたPEG変調カラムクロマトグラフィーからの溶出画分である。レンチベクターの回収率はこれらすべての溶出サンプルでかなり同等であるが、タンパク質不純物はPEG変調した画分で有意に減少する。
rレンチベクター産生能のFACS分析。eGFPを発現する組み換えレンチベクターは、12穴プレート(1.5ml細胞培養)またはスピナーフラスコ(40ml細胞培養)からの無血清懸濁培養物における最適トランスフェクション法を用いて産生された。ベクター収量はFACS分析で決定した。1mlあたり最高6x106形質導入単位(TU)のベクター産生能が、12穴プレートおよびスピナーフラスコ培養でともに観察された。
組み換えレンチウイルスベクターは、研究では通常、トランスフェクション法を用いて産生される。rLVビリオン産生にはいくつかの方法が当該技術分野で知られており、例えば、ベクターとrLVヘルパー配列を用いたトランスフェクションが挙げられる(例えばMertenら2011を参照)。しかしながら、臨床応用、特に臨床応用の後期用にrレンチベクターを製造する際は、十分な製造能を確保するために規模を拡張できる無血清懸濁産生システムを用いてベクターを製造し、製造されたベクターのより高い安全性を担保することが大変好ましい。
本明細書で開示されるのは、拡張可能な無血清細胞培養システムで高力価のレンチウイルスベクターを産生する、トランスフェクションベースの産生法である。付着性増殖に適応された市販の細胞は、無血清細胞培地に適応させることができた。我々は無血清懸濁細胞培養に使用できるとされている細胞培養培地を5種以上評価したが、適応後凝集していない健全な細胞増殖が、速い細胞増殖速度で得られる培地は1種類しか同定できなかった。適応した細胞を無血清懸濁培養条件で数か月間培養し、研究用細胞バンクが構築された。
レンチウイルスはエンベロープウイルスであり、アデノ随伴ウイルス(AAV)のような核酸の細胞送達に使用される他のウイルスとは、ウイルス構造とライフサイクルの点で著しく異なる。レンチウイルスは、2コピーのRNA、核カプシド(NC)、カプシド(CA)、膜結合マトリックス(MA)、表面糖タンパク質および膜貫通タンパク質などのエンベロープタンパク質、インテグラーゼ(IN)、プロテアーゼ(PR)、逆転写酵素(RT)などの酵素、およびアクセサリータンパク質(例えばNef、Vif、Vpu、Vpr)から構成される。レンチウイルスは、ウイルスの表面糖タンパク質が細胞上の受容体に結合することにより細胞に感染する。その後、ウイルスのエンベロープの膜と細胞の膜とが融合し、ウイルスが細胞内に侵入することが可能となる。侵入後、ウイルスRNAの脱殻と逆転写が起こり、続いて二重鎖DNA、RT、IN、Vpr(またはHIV−2のVpx) NC、および数コピーのMAが含まれる、組み込み前複合体が形成される(SuzukiおよびCraigie 2007、Depienneら2000、Bukrinskyら1993およびMillerら1997)。プロウイルスが核エンベロープに入ると、ウイルスDNAは細胞ゲノムに統合される。通常の細胞の転写および翻訳の働きに続いて、ウイルスの構造タンパク質とウイルスRNAとのアセンブリが起こり、その後ウイルスが出芽する。
レンチウイルスは、核エンベロープを通じて能動的に細胞核に侵入することによって非分離細胞に感染できることからも、核酸の細胞内送達に適している。対照的に、他のレトロウイルスは、非分裂細胞の核エンベロープに入ることができないので、感染には細胞分裂を要する。
「レンチウイルス」には、ウシレンチウイルス群、ウマレンチウイルス群、ネコレンチウイルス群、ヒツジ・ヤギレンチウイルス群、および霊長類レンチウイルス群のメンバーが含まれる。本発明の方法と使用に適したレンチウイルスの例には、HIVおよびその偽型(HIV−1、HIV−2、HIV−1/HIV−2偽型、HIV−1/SIV等)、FIV、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、ウマ感染性貧血ウイルス、ウシ免疫不全ウイルスおよび水疱性口内炎ウイルスG偽型レンチウイルス(VSVG偽型)があるが、これらに限定されない。
遺伝子治療用レンチウイルスベクターの開発は、Klimatchevaら(Frontiers in Bioscience 4: 481−496, 1999)に概説されている。遺伝子治療に適したレンチウイルスベクターの設計と使用は、例えば米国特許第6207455号(2001年3月27日発行)および同第6165782号(2000年12月26日発行)に記載されている。他のシステムがMertenら(2011)により開示されている。
「gagポリタンパク質」、「polポリタンパク質」、および「envポリタンパク質」という用語は、レトロウイルスのgag、polおよびenv遺伝子によりコードされる複数のタンパク質を指し、通常それらのタンパク質は単一の前駆体「ポリタンパク質」として発現される。例えば、HIV gagは、数あるタンパク質のなかで特に、p17、p24、p9およびp6をコードする。HIV polは、数あるタンパク質のなかで特に、プロテアーゼ(PR)、逆転写酵素(RT)およびインテグラーゼ(IN)をコードする。HIV envは、数あるタンパク質のなかで特に、Vpu、gp120およびgp41をコードする。ここで使用されるように、「ポリタンパク質」という用語は、gag、polおよびenvポリタンパク質の全体または任意の一部を含むものとする。
「Vpx」および「Vpr」という用語は、それぞれレンチウイルスのVpxタンパク質とレンチウイルスのVprタンパク質を指し、これらのタンパク質は、例えばWO96/07741で述べられており、該出願は参照することによりその全体が本明細書に含まれる。これら用語はまた、p6と会合する能力を保持したVprおよびVpxの断片、突然変異体、相同体、および変異体も指す。
「融合タンパク質」という用語は、互いに連結された2以上のタンパク質を含んでなる分子を指す。典型的には、融合タンパク質は、2以上のタンパク質配列を含んでなるアミノ酸配列である。
「ベクター」とは、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビリオン等の、適切な制御要素と結びついた場合に複製能を有し、かつ細胞間で遺伝子配列を移動できる遺伝子要素を意味する。従って、本用語には、クローニング用および発現用の運搬体、ならびにウイルスベクターが含まれる。
本明細書において用いられているように、ベクター等の配列の修飾語として、ならびにウイルスの修飾語としての「組み換え」という用語は、組成物が自然界では一般に生じない様態で操作されている(すなわち改変されている)ことを意味する。
「組み換えレンチウイルスベクター」または「rLV」は、レンチウイルスの直線状の二本鎖核酸ゲノムを含んでなる遺伝子要素である。該「レンチウイルスの直線状の二本鎖核酸ゲノム」は、例えば異種核酸構築物の付加または挿入によって遺伝子改変されている。
「組み換えウイルス」とは、例えば粒子中に異種核酸構築物を付加または挿入することによって遺伝子改変されたウイルスを意味する。組み換えウイルスには、自然界に存在する感染性ウィルスは含まれない。
「LVビリオン」は、rLVエンベロープに関連する野生型(wt)LVウイルス粒子の様な完全なウイルス粒子を指す。「rLVビリオン」とは、直線状の二本鎖LV核酸ゲノムとrLVエンベロープに関連する関心の異種ヌクレオチド配列とを含んでなるrLVウイルス粒子の様な完全なウイルス粒子を指す。本発明の方法と使用に適したrLVの例には、HIVおよびその偽型(HIV−1、HIV−2、HIV−1/HIV−2偽型、HIV−1/SIV等)、FIV、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、ウマ感染性貧血ウイルス、ウシ免疫不全ウイルスおよび水疱性口内炎ウイルスG偽型レンチウイルス(VSVG偽型))が含まれるが、これに限定されない。
「組み換えrLVビリオン」、「rLVベクター粒子」および「完全粒子」は、ここではrLV膜エンベロープと対象の異種ヌクレオチド配列を含んでなる導入遺伝子を含んだ感染性の複製欠損ウイルスとして定義される。rLVの分子特長に関する概説が、Dropulic(2011)により提供されている。ここでに記載の通り、感染性LVは自然界に存在するので、「組み換えrLVビリオン」には含まれない。
「宿主細胞」という用語は、例えば微生物、酵母細胞、昆虫細胞および哺乳類細胞であって、rLVヘルパー構築物、rLVベクタープラスミド、補助機能ベクター、またはその他のトランスファーDNAの受領体(recipient)として利用可能、または利用された細胞を指す。本用語は、形質導入された原細胞の子孫を含む。従って、ここで用いる「宿主細胞」は、一般的に外来DNA配列を導入された細胞を指す。単一の親細胞の子孫は、自然、偶発的または意図的な突然変異のために、形態、あるいはゲノムまたは全DNAの相補体が必ずしも原親細胞と完全に同一ではない可能性があることがわかっている。
補助機能ベクターは、一般には補助またはヘルパー機能を提供する配列を含む核酸を指す。補助機能ベクターは宿主細胞に導入することができ、該ベクターは宿主細胞内での、または該細胞によるrLVベクタービリオンの産生を補助する機能を果たすタンパク質を提供またはコードすることができる。補助機能ベクターは、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、またはエピソームの形態をとる場合、あるいは宿主細胞ゲノムに統合されている場合がある。
「トランスフェクション(形質導入)」という用語は、ある細胞による異種核酸(例えばDNA)の取り込みを指すために用いられ、外来核酸(例えばDNA)が細胞膜の内側に導入された場合に、細胞は「形質導入された」という。多くのトランスフェクション技術が当該技術分野で一般的に知られている。例えば、Grahamら(1973) Virology,52:456、Sambrookら(1989) Molecular Cloning,a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York、Davisら(1986) Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier、およびChuら (1981) Gene 13:197を参照のこと。これらの技術は、適切な宿主細胞内に1以上の外来DNA部分を導入するために利用できる。
ここで使用される様に、「細胞株」という用語は、試験管内(in vitro)で連続的または長期的に増殖および分裂する能力を有する細胞の集団を指す。多くの場合、細胞株は、単一の前駆細胞に由来するクローン集団である。さらに、その様なクローン集団の保存または移動中に核型の変化が自然発生または誘発されることが、当該技術分野で知られている。従って、言及された細胞株に由来する細胞はその祖先細胞または培養物と厳密に同一ではない可能性があり、言及された細胞株はその様な変異体を含む。
本発明の方法に準拠する懸濁状態での無血清増殖に適した細胞および細胞株は、哺乳類細胞を含む。細胞の非限定的な例には、例えばHEK 293T(ATCC)、HEK293F(ライフテクノロジーズ)、HEK293(ATCC)、293S(ATCC)、BHK(ATCC)、BHK−21(ATCC)、CHO(ATCC)、CHO/dhFr−(ATCC)l、およびCHO K1(ATCC)の細胞が含まれる。
本発明の方法で使用する無血清細胞増殖培地は、市販されている、または作成可能である。無血清増殖培地の非限定的な例には、例えばFreeStyleTM293(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、DMEM/F12(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、SFM4Transfx−293(HyCloneTM、サーモサイエンティフィック)、CDM4HEK293(HyCloneTM、サーモサイエンティフィック),StemPro−34SFM(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、FreeStyle F17(GibcoR、ライフテクノロジーズ),293SFM II(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、および CD293(GibcoR、ライフテクノロジーズ)の培地が含まれる。
本発明の方法では、核酸不純物の量を低減または減少させる処理または方法の段階を使用することができる。特定の実施形態では、ヌクレアーゼが、採取した組み換えウイルスベクターまたはその調製物中の核酸不純物量を低減または減少させるために使用される。特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、ベンゾナーゼなどのエンドヌクレアーゼ、エクソヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせである。特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせである。特定の実施形態では、ヌクレアーゼはDNaseである。
本発明の方法では、1段階以上のカラムクロマトグラフィーが実施される。種々の物質が、カラムクロマトグラフィー用の樹脂または媒体(固定相)に適している。その様な樹脂または媒体(固定相)には、電荷に基づく(イオン交換)またはアフィニティ樹脂もしくは媒体が含まれる。
特定の実施形態では、イオン交換カラムクロマトグラフィーは、陰イオン(強または弱)交換カラムクロマトグラフィー、または陽イオン(強または弱)交換カラムクロマトグラフィーである。より具体的な実施形態では、イオン交換カラムは、四級化ポリエチレンイミンに基づく樹脂または媒体、あるいは四級アミンに基づく樹脂または媒体である。さらに具体的な実施形態では、イオン交換カラムは、ポリエチレンイミンに基づく樹脂、ジエチルアミノエチル(DEAE)に基づく樹脂、またはジエチルアミノプロピルに基づく樹脂である。
特定の実施形態では、アフィニティカラムは、スルホプロピルに基づく樹脂または媒体、あるいはカルボキシルメチルに基づく樹脂または媒体である。別の実施形態では、アフィニティカラムは、多機能クロマトグラフィー樹脂または媒体、金属キレートアフィニティ樹脂または媒体、ヘパリンに基づく樹脂または媒体、あるいは群特異的アフィニティ樹脂または媒体である。
本発明の方法においてカラムクロマトグラフィーに適した他の樹脂または媒体には、ヒドロキシアパタイト((Ca5(PO43OH)2)に基づく樹脂または媒体、多モード弱陽イオン交換樹脂または媒体、N−ベンジル−n−メチルエタノールアミンに基づく樹脂または媒体、あるいはオクチルアミンに基づく樹脂または媒体が含まれる。
本発明の方法では、結合溶液、洗浄溶液および溶出溶液などの溶液を使用する。これらの用語は、各溶液のクロマトグラフィーでの目的を示すのに便利であるため利用される。
そうした溶液には、ポリエチレングリコール(PEG)の様な成分を随意に含めることができる。そうした溶液には、塩の様な成分を随意に含めることもできる。また、そうした溶液には、緩衝剤(トリスまたはリン酸緩衝の)の様な成分を随意に含めることもできる。さらに、そうした溶液には、例えばEDTA等のキレート剤の様な成分を含めることもできる。
特定の実施形態では、結合溶液中のPEG量は、約0%から10%重量/容積、または約0%から5%重量/容積、または約0%から2%重量/容積である。特定の実施形態では、洗浄溶液中のPEG量は、約1%から10%重量/容積、または約1%から5%重量/容積、または約1%から2%重量/容積である。特定の実施形態では、溶出溶液中のPEG量は、約0%から20%重量/容積である。
特定の実施形態では、結合溶液、洗浄溶液または溶出溶液中のPEGは、約2,000kDaから約40,000kDaの分子量を有する。他の特定の実施形態では、結合溶液、洗浄溶液または溶出溶液中のPEGは、約2,000kDaから約10,000kDaの分子量を有する。
特定の実施形態では、塩は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、または塩化カルシウムを含んでなる、またはこれらのいずれかからなる。特定の実施形態では、結合溶液、洗浄溶液、または溶出溶液中の塩の量は、約20mMから約1Mである。より具体的な実施形態では、結合溶液中の塩の量は、約20mMから約200mM(例えば約100mM)である。より具体的な実施形態では、洗浄溶液中の塩の量は、約20mMから約200mM(例えば約100mM)である。より具体的な実施形態では、溶出溶液中の塩の量は、約20 mMから約1M(例えば約200mM、250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、または500mM)、または約500〜1,000mM、もしくは600〜800mMである。
本発明の方法では、フィルターを使用してよい。フィルターは、様々な孔径のものであってよい。孔径は便宜上、数値で表現できる。孔径の例は、約0.20〜0.5 um(ミクロン)の範囲である。他の孔径の例は、約0.20 um(ミクロン)から0.22 um(ミクロン)の範囲、またはより特定すれば約0.22 um(ミクロン)である。また別の孔径の例は、約0.22 um(ミクロン)から約0.30 um(ミクロン)、または約0.30 um(ミクロン)から約0.45 um(ミクロン)の範囲、またはより特定すれば約0.45 um(ミクロン)である。
本発明の方法は、rLVビリオンの精製済ストック内に含まれるrLVベクターに関連する不純物(例えばrLV関連核酸不純物)を、該ストックに含まれるrLVベクター粒子またはビリオンの損失を最小限にしつつ、低減、減少または排除しながら、大量産生中にrLVの力価を高める。不純物には、タンパク質、核酸(DNA,RNA)、破片、および存在する可能性のあるrLVベクター粒子またはビリオンとは異なる他の物質が含まれる。発明の方法は、不純物を低減、減少、または排除しつつrLVベクター粒子/ビリオンの量を増加させるのに役立つ。
特定の実施形態では、本発明の方法により、約5x105感染単位(IU)/ml以上で産生されたウイルスベクターが得られる。特定の実施形態では、本発明の方法により、約6x106感染単位(IU)/ml以上で産生されたウイルスベクターが得られる。特定の実施形態では、本発明の方法により、約3x108感染単位(IU)/mlで産生されたウイルスベクターが得られる。
ここで用いる様に、量または単位の測定値について使用される「約(about)」または「約(approximately)」という用語は、表示された数値に許容される統計的偏差の範囲を指す。通常その範囲は、表示された数値の約+/−10%、または+/−5%である。
ここで開示する様に、組み換え(ウイルス)ベクターは、導入遺伝子の様な核酸を含むことがある。「核酸」配列は、DNAまたはRNAの配列を指す。本用語は、以下に挙げるDNAおよびRNAの既知の塩基類似体のいずれかを含む配列をカバーするが、それらに限定はされるものではない。4−アセチルシトシン、8−ヒドロキシ−N6−メチルアデノシン、アジリジニルシトシン、シュードイソシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウラシル、5−カルボキシルメチルアミノメチルウラシル−、ジヒドロウラシル、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルアデニン、1−メチルシュードウラシル、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルケウオシン、5’−メトキシカルボニルメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、オキシブトキソシン、シュードウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキソ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキソ酢酸、シュードウラシル、ケウオシン、2−チオシトシン、および2,6−ジアミノプリン。
「コード配列」、または選択されたポリペプチドを「コードする」配列は、適切な制御配列の管理下に置かれた場合に生体内(in vivo)で転写(DNAの場合)およびポリペプチドに翻訳(RNAの場合)される核酸分子である。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端にある開始コドンと3’(カルボキシ)末端にある翻訳終止コドンにより決定される。転写停止配列が、コード配列の3’末端側に位置する可能性がある。
DNA「制御配列」という用語は、受領細胞で集合的にコード配列の複製、転写、および翻訳を規定する、プロモーター配列、ポリアデニル化信号、転写停止配列、上流制御ドメイン、複製開始点、内部リボソーム進入部位(「IRES」)、エンハンサー等を集合的に指す。選択されたコード配列が適切な宿主細胞で複製、転写、および翻訳可能である限り、これら制御配列のすべてが必ずしも存在する必要はない。
「プロモーター」という用語は、ここでは通常の意味で使用され、RNAポリメラーゼに結合して下流(3’−方向)のコード配列の転写を開始できる遺伝子に由来するDNA制御配列を含んでなるヌクレオチド領域を指す。転写プロモーターは、「誘導性プロモーター」(作動可能な様にプロモーターに連結されたポリヌクレオチド配列の発現が、被分析物、補因子、制御タンパク質等により誘導される)、「抑制性プロモーター」(作動可能な様にプロモーターに連結されたポリヌクレオチド配列の発現が、被分析物、補因子、制御タンパク質等により誘導される)、および「構成的プロモーター」を包含することができる。
「作動可能な様に連結された」とは、記載の構成要素がそれらの通常の機能を発揮するように構成された要素の配置を指す。従って、作動可能な様にコード配列に連結された制御配列は、コード配列の発現を生じさせることができる。制御配列とコード配列とは、該制御配列が該コード配列の発現を導くよう機能する限り、隣接している必要はない。従って、例えば、翻訳されないが転写される介在配列が、プロモーター配列とコード配列との間に存在してよく、このような場合も該プロモーター配列は該コード配列に「作動可能な様に連結」されているとみなすことができる。
本出願全体を通して、ある特定の核酸分子におけるヌクレオチド配列の相対的位置を記述する目的で、ある特定のヌクレオチド配列が他の配列に対して「上流」、「下流」、「3’」または「5’」にあると記述する場合等は、当該技術分野の慣
例と同様、言及されているDNA分子の「センス」または「コード」鎖中の該配列の位置であると解すること。
コード配列および制御配列の様な核酸配列と関連して用いられる「異種」という用語は、通常は互いに結合されていない、および/または通常はある特定の細胞と関連していない配列を意味する。従って、核酸構築物またはベクターの「異種」領域は、自然界では他方の分子と関連して存在しない別の核酸分子内の、またはそれに結合した核酸の断片である。例えば、核酸構築物の異種領域は、自然界ではそのコード配列と関連して存在しない配列が両側に隣接したコード配列を含むこともある。別の異種コード配列の例は、そのコード配列自体が自然界に存在しない構築物である(例えば、天然遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)。同様に、その細胞中に通常は存在しない構築物を用いて形質転換された細胞は、本発明の目的には異種とみなす。対立遺伝子変異または自然発生する突然変異事象は、ここで用いる様な異種DNAを生じさせない。
ある実施形態における「治療的分子」とは、あるタンパク質が細胞または被験体で不在または異常であることに起因する症状を緩和または低減する可能性があるペプチドまたはタンパク質である。あるいは、導入遺伝子によってコードされた「治療的」ペプチドまたはタンパク質は、例えば遺伝子異常を修正する、遺伝子の(発現または機能的)欠損を修正する、または抗がん作用等、被験体に有益な効果を与えるものである。従って、異種核酸を含んでなる導入遺伝子は、多くの有用な産物がコードされ得る。これらには、例えばsiRNA、アンチセンス分子、およびmiRNAが含まれる。
導入遺伝子は、以下に挙げるホルモンおよび成長・分化因子をコードできるが、これらに限定されない:インシュリン、グルカゴン、成長ホルモン(GH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、成長ホルモン放出因子(GRF)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ヒト性腺刺激ホルモン(hCG)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポイエチン、アンギオスタチン、果粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリスロポエチン(EPO)、結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性繊維芽細胞増殖因子(aFGF)、上皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子α (TGFα)、血小板由来成長因子(PDGF)、インシュリン成長因子IおよびII(IGF−IおよびIGF−II)、形質転換成長因子βスーパーファミリーのいずれか1つ(TGFβ、アクチビン、インヒビン、または骨形成タンパク質(BMP)BMP 1〜15のいずれかを含む)、heregluin/neuregulin/ARIA/neu分化因子(NDF)ファミリーの成長因子のいずれか1つ、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT−3およびNT4/5、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アグリン、セマフォリン/コラプシンファミリーのいずれか1つ、ネトリン−1およびネトリン−2、肝細胞増殖因子(HGF)、エフリン、ノギン、ソニックヘッジホッグおよびチロシンヒドロキシラーゼ。
他の有用な導入遺伝子産物には、以下の様なサイトカインおよびリンフォカインのような免疫系を制御するタンパク質が含まれるが、これらに限定されない。トロンボポイエチン(TPO)、インターロイキン(IL)類IL1からIL17、単球走化性タンパク質、白血病阻止因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、Fasリガンド、腫瘍壊死因子αおよびβ、インターフェロンα、βおよびγ、幹細胞因子、flk−2/flt3リガンド。免疫系が産生する遺伝子産物も本発明において有用である。これらには、免疫グロブリンIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgE、キメラ免疫グロブリン、ヒト化抗体、単鎖抗体、T細胞受容体、キメラT細胞受容体、単鎖T細胞受容体(例えば、Kalosら2011、Porterら2011)、CCR5の様なGタンパク質共役受容体(GPCRs)、クラスIおよびクラスII MHC分子、ならびに改変された免疫グロブリンおよびMHC分子が含まれるが、これらに限定されない。有用な遺伝子産物には、補体調節タンパク質、膜補因子タンパク質(MCP)、分解促進因子(DAF)、CR1、CF2およびCD59などの制御タンパク質も含まれる。
その他の有用な遺伝子産物には、代謝の先天的欠陥を修正できるものが含まれる。そのような導入遺伝子は、例えば、カルバモイルシンセターゼI、オルニチントランスカルバミラーゼ、アルギノコハク酸シンテターゼ、アルギノコハク酸リアーゼ、アルギナーゼ、フマリルアセト酸加水分解酵素、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、アルファ1アンチトリプシン、グルコース−6−ホスファターゼ、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ、血液凝固因子(第V因子、第VIIa因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、またはプロテインC等)、シスタチオニンベータシンターゼ、分枝鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、アルブミン、イソバレリル−CoAデヒドロゲナーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニルCoAムターゼ、グルタリルCoAデヒドロゲナーゼ、インシュリン、ベータグルコシダーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、肝ホスホリラーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、グリシンデカルボキシラーゼ、Hタンパク質、Tタンパク質、嚢胞性線維症膜貫通調節因子(CFTR)配列、およびジストロフィンcDNA配列をコードできる。
さらにその他の有用な遺伝子産物には、機能または活性の異常、不足、または欠損に役立つものがあり、例えば以下のものが挙げられる。網膜色素上皮特異的65kDaタンパク質(RPE65)、エリスロポエチン、LDL受容体、リポタンパク質リパーゼ、オルニチントランスカルバミラーゼ、β−グロビン、α−グロビン、スペクトリン、α−アンチトリプシン、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、金属輸送体(ATP7AまたはATP7)、スルファミダーゼ、リソソーム蓄積症に関与する酵素(ARSA)、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、β−25グルコセレブロシダーゼ、スフィンゴミエリナーゼ、リソソームヘキソサミニダーゼ、分枝鎖ケト酸脱水素酵素、ホルモン、成長因子(例えば、インシュリン様成長因子1および2、血小板由来増殖因子、上皮成長因子、神経成長因子、神経栄養因子3および4、脳由来神経栄養因子、グリア細胞由来成長因子、形質転換成長因子αおよびβ等)、サイトカイン(例えば、α−インターフェロン、β−インターフェロン、インターフェロン−γ、インターロイキン−2、インターロイキン−4、インターロイキン12、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、リンホトキシン等)、自殺遺伝子産物(例えば、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ、ジフテリア毒素、チトクロームP450、デオキシシチジンキナーゼ、腫瘍壊死因子等)、薬剤耐性タンパク質(例えば、がん治療で使用される薬剤に対する抵抗性を付与するもの)、腫瘍抑制タンパク質(例えば、p53、Rb、Wt−1、NF1、フォン・ヒッペル・リンドウ(Von Hippel−Lindau; VHL)、大腸腺腫様ポリポーシス(APC))、免疫調節性を有するペプチド、寛容原性または免疫原性のペプチドあるいはタンパク質Tregitopes(制御性T細胞エピトープ)、またはhCDR1、インシュリン、グルコキナーゼ、グアニル酸シクラーゼ2D(LCA−GUCY2D)、Rabエスコートタンパク質1(先天性脈絡膜欠如)、LCA5(LCA−レベルシリン)、オルニチンケト酸アミノ基転移酵素(脳回転状萎縮症)、レチノスキシン1(X連鎖性網膜分離症)、USH1C(アッシャー症候群1C)、X連鎖性網膜色素変性症GTPアーゼ(XLRP)、MERTK(RPのAR型:網膜色素変性症)、DFNB1(コネキシン26難聴)、ACHM2、3および4(色覚異常)、PKD−1またはPKD−2(多発性嚢胞腎)、TPP1、CLN2、リソソーム蓄積症の原因となる遺伝子欠損(例えば、スルファターゼ、N−アセチルグルコサミン−1−リン酸トランスフェラーゼ、カテプシンA、GM2−AP、NPC1、VPC2、スフィンゴ脂質活性化因子タンパク質等)、ゲノムエディティングに用いられる一つあるいは複数のジンク・フィンガーヌクレアーゼ、あるいはゲノムエディティングで修復テンプレートとして用いられるドナー配列。
導入遺伝子はまた、腫瘍関連抗原(TAAs)もコードすることができる。非限定的なTAAは以下のものを含む。腫瘍関連精巣特異的抗原(例えば、MAGE、BAGE、およびGAGE)、メラノサイト分化抗原(例えば、チロシナーゼ、メラン−A/MART−1)、CDK4、MUM−1、ベータカテニン、gp100/pmel 17、TRP−1、TRP−2、MITF、MITF−AおよびMITF−M(Kingら、Am J Pathol 155:731, 1999)。腫瘍により発現されるTAAの他の非限定的な例には、メラノーマGP75、アネキシンI、アネキシンII、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、PGP9.5(Rodeら、Histopathology 9:147, 1985)、大腸関連抗原(CRC)−−C017−1A/GA733、Ab2 BR3E4、CI17−1A/GA733、Hsp70(Chenら、Immunol Lett 84:81, 2002)、Hsp90、Hsp96、Hsp105、Hsp110、HSPPC−96(Caudill, M. M.とZ. Li、Expert Opin Biol Ther 1:539, 2001)、ストレスタンパク質gp96(Heikeら、Int J Can 86:489, 2000)、gp96関連細胞ペプチド、G250、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、マンマグロビン (Tanakaら、Surgery 133:74, 2003)、チログロブリン、STn(Morse, M. A、Curr Opin Mol Ther 2:453, 2000)、がん胎児性抗原(CEA)、がん胎児性抗原(CEA)エピトープCAP−1、がん胎児性抗原(CEA)エピトープCAP−2、etv6、aml1、前立腺特異的抗原(PSA)、PSAエピトープPSA−1、PSA−2、PSA−3(Correaleら、J Immunol 161:3186, 1998)、Ad5−PSA、副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTH−rP)、EGFR(Plunkettら、J Mammary Gland Biol Neoplasia 6:467, 2001)、PLU1(Plunkettら、J Mammary Gland Biol Neoplasia 6:467, 2001)、がん胎児性抗原未熟ラミニン受容体(OFA−iLR)、MN/CA IX(CA9)(Shimizuら、Oncol. Rep. Sep−Oct; 10:1307, 2003)、HP59、チトクロームオキシダーゼ1、sp100、msa(Devineら、Cancer Res 51:5826, 1991)、Ran GTPアーゼ活性化タンパク質、Rab−GAP(Rab GTPアーゼ活性化)タンパク質、PARIS−1(Zhouら、Biochem Biophys Res Commun 290:830, 2002)、T細胞受容体/CD3−ゼータ鎖、cTAGE−1、SCP−1、糖脂質抗原−GM2、GD2またはGD3、GM3(Badaら、Hum Exp Toxicol 21:263, 2002)、フコシルGM1、糖タンパク質(ムチン)抗原−Tn、シアリル−Tn(Lundinら、Oncology 57:70, 1999)、TFおよびムチン−1(Mukherjeeら、J Immunother 26:47, 2003)、CA125(MUC−16)(Reinartzら、Cancer Res 63:3234, 2003)、MAGEファミリー抗原、GAGE−1、2、BAGE、RAGE、LAGE−1(Eichmullerら、 Int J Cancer 104:482, 2003)(Chenら、Proc Natl Acad Sci USA 95:6919, 1998)、GnT−V(Murataら、Dis Colon Rectum 44:A2−A4, 2001)、MUM−1(Kawakamiら、Keio J Med 45:100, 1996)、EP−CAM/KSA(Ullenhagら、Clin Cancer Res 9:2447, 2003)、CDK4、MUCファミリー抗原、HER2/neu、ErbB−2/neu、p21ras、RCAS1、α−フェトプロテイン、E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニンおよびγ−カテニン、NeuGcGM3(Carrら、 J Clin Oncol 21:1015, 2003)、Fos関連抗原(Luoら、Proc Natl Acad Sci USA 100:8850, 2003)、シクロフィリンB(Tamuraら、Jpn J Cancer Res 92:762, 2001)、RCAS1、S2(Kogaら、Tissue Antigens 61:136, 2003)、L10a(Kogaら、上記参照,2003)、L10a、テロメアーゼrtペプチド(Wangら、Oncogene 20:7699, 2001)、cdc27、フォドリン、p120ctn、PRAME、GA733/EoCam(Rossら、Biochem Biophys Res Commun 135:297, 1986)、NY−BR−1、NY−BR−2、NY−BR−3、NY−BR−4 、NY−BR−5、NY−BR−6、NY−BR−7(Jagerら、Cancer Res 61:2055, 2001)、NY−ESO−1、L19H1、MAZ(Daheronら、Leukemia 12:326, 1998)、PINCH(Greinerら、Exp Hematol 28:1413, 2000)、PRAME(Ikedaら、Immunity 6:199, 1997)、Prp1p/Zer1p、WT1(Okaら、Curr Cancer Drug Targets 2:45, 2002)、大腸腺腫様ポリポーシスタンパク質(APC)、PHF3、LAGE−1、SART3(Miyagiら、Clin Cancer Res 7:3950, 2001)、SCP−1(Jagerら、Cancer Immun 2:5, 2002)、SSX−1、SSX−2、 SSX−4、TAG−72(Buchsbaumら、Clin Cancer Res 5(10 Suppl): 3048s−3055s, 1999)、TRAG−3(Chenら、Lung Cancer 38:101, 2002)、MBTAA(Basuら、Int J Cancer 105:377, 2003)、Smad腫瘍抗原、lmp−1、HPV−16 E7、c−erbB−2、EBV由来核抗原(EBNA)−1、単純ヘルペスチミジンキナーゼ(HSVtk)、XAGE−1の選択的スプライシングアイソフォーム(L552S; Wang、Oncogene 20:7699, 2001)、TGF ベータRII フレームシフト変異(Saeterdalら、Proc Natl Acad Sci USA 98:13255, 2001)、BAX フレームシフト変異(Saeterdalら、Proc Natl Acad Sci USA 98:13255, 2001)が含まれる。
導入遺伝子はさらに、以下に挙げる遺伝子産物をコードできる:CAIX、CD19、CD20、CD20、CD22、CD30、CD33、CD44v7/8、CEA、EGF−RIII(上皮細胞成長因子受容体変異体3)EGP−2、erb−B2、erb−B2、3、4、FBP、胎児アセチルコリン受容体、GD2、Her2/neu、IL−13R−a2、KDR、k−軽鎖、LeY、L1細胞接着分子、MAGE−A1、メソテリン、MUC1、NKG2D、がん胎児抗原(h5T4)、PSCA、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、前立腺上皮由来Ets転写因子(PDEF)、mAb IgE標的TAA、TAG−72、およびVEGF−R2。
あるいは、導入遺伝子は、例えばsiRNA、アンチセンス分子、およびmiRNAを含むことができる。臨床的に有用なレンチウイルスベクターはまた、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)(Levineら2006)および他の重要なヒト病原体に対するアンチセンス遺伝子を発現してもよい。rLVと関連ベクターのこれらおよびその他有用な応用については、最近Naldini(2011)によって概説および引用されている。
rLVベクターに含むことができるアンチセンス遺伝子は、以下の発現を阻害することが可能である。ハンチンチン(HTT)遺伝子、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症関連遺伝子(例えば、アトロフィン1、ATN1);球脊髄性筋萎縮症のX染色体上のアンドロゲン受容体、ヒトアタキシン−1、−2、−3、および−7、Cav2.1 P/Q 電位依存性カルシウムチャンネルは(CACNA1A)によりコードされる、TATA結合タンパク質、アタキシン8逆ストランド(ATXN8OSとしても知られる)、脊髄小脳失調におけるセリン/トレオニンタンパク質ホスファターゼ2A 55 kDa調節サブユニットBベータアイソフォーム(タイプ1、2、3、6、7、8、12、17)、脆弱性X症候群におけるFMR1(脆弱性X精神遅滞1)、脆弱性X関連性振戦/運動失調症候群におけるFMR1(脆弱性X精神遅滞1)、脆弱性XE精神遅滞におけるFMR1(脆弱性X精神遅滞2)またはAF4/FMR2 ファミリーメンバー2;筋強直性ジストロフィーにおけるミオトニンタンパク質キナーゼ(MT−PK);フリードライヒ運動失調症におけるフラタキシン;筋萎縮性側索硬化症におけるスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子;パーキンソン病および/またはアルツハイマー病の発病に関連する遺伝子;アポリポタンパク質B(APOB)および前駆タンパク質変換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)、高コレステロール血症;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染におけるHIV転写トランス活性化因子遺伝子、HIV Tat;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染におけるHIVトランス活性化因子応答エレメント遺伝子、HIV TAR;HIV感染におけるC−C ケモカイン受容体(CCR5);ラウス肉腫ウイルス(RSV)感染におけるRSV ヌクレオカプシドタンパク質、C型肝炎ウイルス感染における肝臓特異的マイクロRNA(miR−122); p53、急性腎臓損傷または移植腎機能発現遅延または腎損傷急性腎不全;進行再発性または転移性固形悪性腫瘍におけるタンパク質キナーゼN3(PKN3);LMP2、プロテアソームサブユニットベータ−9型(PSMB 9)としても知られるLMP2、転移性メラノーマ;プロテアソームサブユニットベータ−8型(PSMB 8)としても知られるLMP7、転移性メラノーマ;プロテアソームサブユニットベータ−10型(PSMB 10)としても知られるMECL1、転移性メラノーマ;固形腫瘍における血管内皮成長因子(VEGF);固形腫瘍におけるキネシン紡錘タンパク質、慢性骨髄性白血病におけるアポトーシス抑制B細胞CLL/リンパ腫(BCL−2);固形腫瘍におけるリボヌクレオチド還元酵素M2(RRM2); 固形腫瘍におけるフーリン;肝腫瘍におけるpolo様キナーゼ1(PLK1)、C型肝炎感染におけるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)、家族性腺腫性ポリポーシスにおけるベータカテニン;ベータ2アドレナリン受容体;糖尿病黄斑浮腫(DME)または加齢性黄斑変性におけるDNA損傷誘導性転写物4タンパク質としても知られるRTP801/Redd1;加齢性黄斑変性または脈絡膜血管新生における血管内皮成長因子受容体I(VEGFR1)、非動脈炎性虚血性視神経症におけるカスパーゼ2;先天性爪肥厚症におけるケラチン6A N17K変異型タンパク質;インフルエンザ感染におけるA型インフルエンザウイルスゲノム/遺伝子配列;重症急性呼吸器症候群(SARS)感染におけるSARSコロナウイルスゲノム/遺伝子配列;呼吸器合胞体ウイルス感染における呼吸器抱合体ウイルスゲノム/遺伝子配列;エボラ感染におけるエボラフィロウイルスゲノム/遺伝子配列;B型およびC型肝炎感染におけるB型およびC型肝炎ウイルスゲノム/遺伝子配列;単純ヘルペスウイルス(HSV)感染におけるHSVゲノム/遺伝子配列、コクサッキーウイルスB3感染におけるコクサッキーウイルスB3ゲノム/遺伝子配列;原発性筋失調症におけるトルシンA(TOR1A)の様な遺伝子の病原性対立遺伝子のサイレンシング(対立遺伝子特異的サイレンシング)、移植手術における汎クラスIおよびHLA対立遺伝子特異的;常染色体優性網膜色素変性症(adRP)における変異型ロドプシン遺伝子(RHO);または前記の遺伝子または配列のいずれかの転写物に結合する抑制的核酸。
ヌクレオチド配列に言及する際の「単離された」とは、指示した分子が同種の他の生物学的高分子が実質的に存在しない状態で存在することを意味する。従って、「特定のポリペプチドをコードする単離された核酸」は、目的のポリペプチドをコードしない他の核酸分子を実質的に含まない核酸分子を指す。しかしながら、該分子は、組成物の基本特性に有害な影響を与えない他の塩基または成分を含んでよい。
別途定義しない限り、ここで使用される全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。ここで記述したものに類似または等価な方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、適した方法と材料についてここに記述する。
ここに開示される全ての出願、出版物、特許、および他の参照物、GenBank引用およびATCC引用は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。相反する場合には、定義を含めて、本明細書が優先する。
ここで開示される全ての特性は、どの様な組み合わせで組み合わせてもよい。明細書で開示された個々の特性は、同じ、同等または類似の目的を果たす代替的特性で置換してよい。従って、別途明示的に記述しない限り、開示された特性(例えば組み換えベクター(例えばrLV)ベクター、または組み換えウイルス粒子)は、同等または類似の特性の属の一例である。
ここで用いられる様に、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈からそうでないと明らかでない限り、複数形の指示対象を含む。従って、例えば、「ポリヌクレオチド(a polynucleotide)」を参照する際には、複数のその様なポリヌクレオチドが含まれ、「ベクター(a vector)」を参照する際には、複数のその様なベクターが含まれ、「ウイルス(a virus)」または「粒子(a particle)」を参照する際には、複数のその様なビリオン/粒子が含まれる。
ここで用いられる様に、すべての数値または数値範囲は、文脈からそうでないと明らかでない限り、その様な範囲内の整数および範囲内の小数値または整数値を含む。従って、例を挙げると、少なくとも1〜10%の同一性とは、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、ならびに1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%等、 2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%等を含む。
ある数を上回る(より大きい)または下回る数を参照する際には、それぞれ参照される数を上回る、または下回る数はすべて含まれる。従って、例えば、40,000を下回る(未満)との言及には、39,999、39,998、39,997等、1に至るまでのすべての数が含まれる。また100を下回る(未満)の場合は、99、98、97等、1に至るまでのすべての数が含まれる。
ここで用いられる様に、すべての数値または数値範囲は、文脈からそうでないと明らかでない限り、その様な範囲内の整数および範囲内の小数値または整数値を含む。従って、例を挙げると、2,000〜40,000の様な数値範囲への言及には、2,000、3,000、4, 000、5,000、6,000等、ならびに2,100、3,100、4,100、5,100、6,100等が含まれる。従って20〜100の範囲については、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40等、100を含めて100まで、ならびに21.1、21.2、21.3、21.4、21.5等、22.1、22.2、22.3、22.4、22.5等が含まれる。
連続した複数の範囲のシリーズに言及する際には、そのシリーズ内の異なる範囲の境界値を結合した範囲を含む。従って、例を示すと、20〜100または100〜1,000(例えば20mM〜100mMまたは100mM〜1M)の連続した範囲に言及する場合は、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜75、75〜100、100〜150、150〜200、200〜250、250〜300、300〜400、400〜500、500〜750、750〜1,000等が含まれる。
本発明は、多くの実施形態および態様の記述に一般的に肯定的文体を用いて、ここに開示される。本発明は、物質または材料、方法のステップと条件、プロトコル、または手順等、特定の対象の全部または一部が除外された実施形態を特に含む。例えば、本発明のある実施形態または態様では、材料および/または方法のステップが除外されている。従って、本発明は、一般的に本発明が含まないものはここでは表示されないが、本発明で明示的に除外されていない態様は、前記にかかわらずここに開示されるものとする。
本発明の多くの実施形態が記載されている。しかしながら、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、種々の用途および条件に適応させるために、本発明に種々の変更および修飾を行うことができる。従って、下記の例は説明を目的とするもので、請求する発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
レンチウイルスベクターは、通常、接着細胞培養システムにおいてリン酸カルシウム沈殿法を用いるトランスフェクション法によって産生される(3,4)。しかしながら、臨床応用用にレンチベクターを製造する場合、特に臨床応用の後期では、ベクター産生量を確保するためにスケールアップが可能で、製造されたベクターの安全特性を高めることができる無血清懸濁生産システムでベクターを製造することが重要である。
現在利用可能なレンチベクター生産システムに存在する制限を克服するために、高力価のレンチベクターを産生する、拡張可能な無血清懸濁細胞培養システムをここに開示する。この新しい拡張可能な生産システムの第一段階は、無血清条件で培養可能で、高レベルのレンチベクターを産生する細胞株の開発である。HEK239T細胞は、現在ウイルスベクターの産生に広く利用されているので、該細胞を無血清懸濁培養物に適応させることは実施可能であるはずだと我々は仮定した。この目的を達成するため、我々は段階的適応プロトコルをデザインし、市販の無血清培地数種と、HEK293T細胞がこれらの培地で活発に増殖する能力を系統的に評価した。ある培地(CD293)が、適応後に凝集していない健全な細胞を速い増殖速度で増殖させる点で、他の検体全てを凌駕することがわかった(図2、パネルA)。最適化された細胞培養条件は、高細胞密度と安定した細胞増殖を支持する(図2、パネルBおよびC)。適応された細胞を無血清懸濁培養条件で数ヶ月間培養し、研究細胞バンクを設立した。
レンチウイルスベクターは、リン酸カルシウム沈殿共トランスフェクションによって標的細胞に2から5のプラスミドを導入することにより産生されてきた。最新世代の多プラスミド産生システム(活性化システムにおけるそれ)は、複製能を有するレンチウイルスを生ずるリスクが低いレンチベクターの産生において万能であることが示されているが、カルシウム共沈殿は大規模製造における制約となる。DNAのリン酸カルシウム共沈殿は、40年以上前に開発されたが(5)、研究規模の接着細胞培養に対しては良好に機能する。しかしながら、この方法では無血清懸濁細胞培養において効率的なトランスフェクションが得られず、またスケールアップが非常に困難である。
ポリエチレンイミン(PEI)は、市販されており、新たに適応されたHEK293T細胞への効率的なプラスミドDNAの導入について試験された(6)。初期実験では、無血清細胞培養用に選択された培地では、PEIをトランスフェクション試薬として用いた形質導入が全く得られないことが明らかになり、PEIを用いた細胞のトランスフェクションを支持することができる無血清培地の特定に作業が向けられた。スクリーニングしたある特定の培地タイプはトランスフェクションを支持したが(図3パネルD)、この培地は長期細胞培養での細胞の懸濁増殖を支持しなかった(データは非表示)。そのため我々は、無血清懸濁条件でレンチベクターを生産するための2段階システムをデザイン・開発した。まず初めに、無血清条件下懸濁状態で活発かつ迅速な増殖を支持する培地中で細胞を増殖させる。次いで、細胞培養培地を、PEIを用いたトランスフェクションを支持する第2の培地タイプに交換するか、またはそれと混合する。PEIトランスフェクション効率を最適化するために、異なる販売業者から得た数種のPEI分子を評価した。25−kDa直鎖PEIの様な低分子量直鎖PEIは、数種の生物学的製剤の製造に使用されてきた(6)が、我々は、分枝PEIは1分子につき複数の官能基が利用可能なので、多プラスミドトランスフェクションでより高い送達効率を示す可能性があると仮定した。評価した種々のPEIの中で、低分子の分枝PEIであるPEI MAX (40,000 kDa、Polyscience.com)が、特定された培地中で適応したHEK293T細胞の最も高いトランスフェクション効率を与えた(図4)。PEI MAXを使いトランスフェクション条件を最適化することで、我々はほぼ100パーセントの細胞のトランスフェクションを達成した(図5パネルA)。我々の予備的半定量データは、現行の産生法で1mlあたり1x106形質導入単位の水準でレンチウイルスベクターが産生されたことを示した。我々の知り得る限り、我々の研究室で発明された方法は、無血清懸濁細胞培養システムにおける最初の真に拡張可能なレンチベクター生産方法であることを信じている。
ベクター特異的な生産性改良のため、更なる試みがなされた。トランスフェクション時の細胞密度、トランスフェクションに用いる総DNA量、DNA/PEI複合体の調製法、ベクター採取時期などのパラメータを評価した。適応したHEK 293T細胞を、CD293培地(4 mMグルタミン添加)で3E+06個/mlの密度に培養した。細胞培養培地を、遠心分離と再懸濁、またはタンジェンシャルフローろ過技術のいずれかを用いてSFM4Transfx−293(4 mMグルタミン添加)(HyCloneTM、サーモサイエンティフィック)に交換し、細胞密度を1.5E+06細胞/mlに調整し、培養器で培養した。スピナーフラスコ細胞培養には、130 RPM/分および 8% CO2を用いた。計12 ugのDNAを1.5E+06細胞のトランスフェクションに使用し、4つのプラスミドのDNAモル比は1:1:1:1であった。ポリエチレンイミン「MAX」(Polysciences.com)を、Tris緩衝溶液を用いて濃度1 mg/mlで調製し、pHを7.15に調整した。DNA混合物をPEI溶液に重量比1:1で添加し、溶液を穏やかに撹拌し、短時間培養した。DNA/PEI混合液をpH 7.15の5 mM Tris緩衝溶液でさらに希釈した。希釈後のDNA/PEI溶液の終容積は、トランスフェクションを行う細胞培養物の1/15である。そしてDNA/PEI溶液を、1/15の容積比で懸濁細胞培養物に添加し、トランスフェクションの48時間後、72時間後および96時間後に細胞培養培地を採取した。採取した細胞培養採取物でHEK 293細胞に形質導入し、FACSを用いてeGFPの発現を分析した。プレートおよび、より拡張可能な細胞培養プラットフォームであるスピナーフラスコで6E+06 TU/mlを超える、高いベクター産生が観察された。
カラムクロマトグラフィー技術は、大規模な生物学的材料の精製に工業的に広く利用される。レンチベクターは現在、遠心分離技術を用いてベクターを沈殿するか(3)、もしくはカラムクロマトグラフィー技術を用いた粒子の単離(6)のいずれかで精製される。カラムクロマトグラフィーに基づくプロセスは、古典的な遠心分離技術を用いた場合の製造上の規模の問題に対処するが、しかしながら、高純度のレンチベクターを単離するには、いまだ課題が残っている。典型的な陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにおいては、採取されたレンチベクターをカラムにロードし、低濃度の塩(100mM NaCl等)で洗浄し、ベクターを高塩濃度の緩衝液(650mM NaClから1M NaCl)で溶出した(6)。このタイプのクロマトグラフィー手法を用いると、多くの細胞タンパク質が共溶出した(図8、レーン2)。我々は、アデノ随伴ウイルスベクターの精製のためのPEG変調カラムクロマトグラフィー手法(7)を報告し、PEG変調クロマトグラフィーから単離したrAAVベクターの純度は有意に改善された。我々は、PEG変調クロマトグラフィーは、使用する樹脂はサイズ排除樹脂ではないものの、その分離は分子のサイズに基づくため、細胞タンパク質からレンチベクターを分離し、ベクターの純度を高めるためにも応用できるはずであると仮定した。
DEAEセファロースFast Flow樹脂を用いて、PEG変調クロマトグラフィーの手法を開発した。eGFP発現細胞のFACS分析に基づくと、この手法でレンチウイルスベクターは95 %以上の形質転換単位で回収され(図5)、ベクター純度は、古典的カラムクロマトグラフィーを用いた純度よりも20倍改善された(図6および7)。我々はレンチベクター用PEG変調精製プロトコルの開発に弱陰イオン交換樹脂を使用したが、我々は、本手法の背後にある原理は、ベクターが樹脂に結合する限り、アフィニティ樹脂、強および弱陰イオン交換樹脂、強および弱陽イオン交換樹脂、その他樹脂などのあらゆるカラムクロマトグラフィー樹脂に当てはまるはずであると信じている。革新的なPEG変調カラムクロマトグラフィーに基づき、完全な拡張可能精製プロセスがデザイン・開発された。ここで記述した手法のフローチャートを図1に示す。
上記の技法は、新たに出現している興奮に満ちた臨床応用の支援に必要な大量のrLentiを十分量製造することを可能にすることができる、十分に拡張可能なプロセスである。驚くことに、これらの方法および産生されたrLV組成物は、レンチウイルスベクターに現在利用可能な製造能力を凌ぎ、治験用製品の品質要件を満足する。

Claims (42)

  1. 大規模な組み換えレンチウイルスベクター精製の方法であって、
    a)導入遺伝子を含んでなる組み換えウイルスベクターを無血清懸濁培養物から採取する工程と、
    b)工程aの採取物をろ過により澄明化する工程と、
    c)工程bのろ液を採取し、随意でDNA/RNA不純物を除去するために前記ろ液をヌクレアーゼ消化に曝す工程と、
    d)工程cのろ液をイオン交換カラムクロマトグラフィーに付すことによって、前記組み換えレンチウイルスベクターを単離する工程と、
    e)工程dで得られた前記組み換えレンチウイルスベクターをタンジェンシャルフローろ過により更に精製し、容積および交換緩衝液を減少させる工程と、
    f)工程eのろ液をサイズ排除カラムクロマトグラフィーに付し、前記組み換えレンチウイルスベクターを更に精製する工程と、
    g)工程fの前記組み換えレンチウイルスベクターをタンジェンシャルフローろ過に付すことによって、最終ベクター力価を得る工程と、
    h)工程gで得られた組み換えレンチウイルスベクター溶液を0.2から0.5umの孔径を有するフィルタでろ過する工程と、
    i)前記精製組み換えレンチウイルスベクターを回収する工程と、
    を含んでなる、方法。
  2. 大規模な組み換えレンチウイルスベクター精製の方法であって、
    a)導入遺伝子を含んでなる組み換えレンチウイルスベクターを無血清懸濁培養物から採取する工程と、
    b)工程aの採取物をろ過により澄明化する工程と、
    c)工程bの澄明化した懸濁液をタンジェンシャルフローろ過に付し、容積及び交換緩衝液を減少させる工程と、
    d)工程cのろ液を採取し、随意でDNA/RNA不純物を除去するために前記ろ液をヌクレアーゼ消化に曝す工程と、
    e)工程dのろ液をイオン交換カラムクロマトグラフィーに付すことによって、前記組み換えレンチウイルスベクターを単離する工程と、
    f)工程eで得られたウイルスベクターをサイズ排除カラムクロマトグラフィーに付し、前記組み換えレンチウイルスベクターを更に精製する工程と、
    g)工程fの組み換えレンチウイルスベクターをタンジェンシャルフローろ過に付すことによって、最終ベクター力価を得る工程と、
    h)工程gで得られた組み換えレンチウイルスベクター溶液を0.2から0.5umの孔径を有するフィルタでろ過する工程と、
    i)前記精製組み換えレンチウイルスベクターを回収する工程と、
    を含んでなる、方法。
  3. 大規模な組み換えレンチウイルスベクター精製の方法であって、
    a)導入遺伝子を含んでなる組み換えレンチウイルスベクターを無血清懸濁培養物から採取する工程と、
    b)工程aの採取物をろ過により澄明化する工程と、
    c)工程bの澄明化した懸濁液をタンジェンシャルフローろ過に付し、容積を減少させ、緩衝液を交換する工程と、
    d)工程cのろ液を採取し、随意でDNA/RNA不純物を除去するために前記ろ液をヌクレアーゼ消化に曝す工程と、
    e)工程dのろ液をイオン交換カラムクロマトグラフィーに付すことによって、前記組み換えレンチウイルスベクターを単離する工程と、
    f)工程eで得られた組み換えレンチウイルスベクターをタンジェンシャルフローろ過により更に精製し、容積および交換緩衝液を減少させる工程と、
    g)工程fで得られたろ液をサイズ排除カラムクロマトグラフィーに付し、前記組み換えレンチウイルスベクターを更に精製する工程と、
    h)工程gの組み換えレンチウイルスベクターをタンジェンシャルフローろ過に付すことによって、最終ベクター力価を得る工程と、
    i)工程hで得られた組み換えレンチウイルスベクター溶液を0.2から0.5umの孔径を有するフィルタでろ過する工程と、
    j)前記精製組み換えレンチウイルスベクターを回収する工程と、
    を含んでなる、方法。
  4. 前記組み換えレンチウイルスベクターが、HIV−1、HIV−2、HIV−1/HIV−2偽型、HIV−1/SIV、FIV、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、ウマ伝染性貧血ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、HIVおよびその偽型から選択される組み換えレンチウイルスベクター(rLV)、または水疱性口内炎ウイルスG偽型レンチウィルス(VSVG偽型)ベクターから選択される組み換えレンチウイルスベクターを含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記導入遺伝子が、siRNA、アンチセンス分子、miRNA、リボザイム、およびshRNAを含んでなる群から選択される核酸をコードする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記導入遺伝子が、インシュリン、グルカゴン、成長ホルモン(GH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、成長ホルモン放出因子(GRF)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ヒト性腺刺激ホルモン(hCG)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンジオポイエチン、アンギオスタチン、果粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリスロポエチン(EPO)、結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性繊維芽細胞増殖因子(aFGF)、上皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子α (TGFα)、血小板由来成長因子(PDGF)、インシュリン成長因子IおよびII(IGF−IおよびIGF−II)、TGFβ、アクチビン、インヒビン、骨形成タンパク質(BMP)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT−3およびNT4/5、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、アグリン、ネトリン−1およびネトリン−2、肝細胞増殖因子(HGF)、エフリン、ノギン、ソニックヘッジホッグ、およびチロシンヒドロキシラーゼで構成される群から選択される遺伝子産物をコードする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記導入遺伝子が、トロンボポイエチン(TPO)、インターロイキン類(IL1からIL17)、単球走化性タンパク質、白血病阻止因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、Fasリガンド、腫瘍壊死因子αおよびβ、インターフェロンα、β、およびγ、幹細胞因子、flk−2/flt3リガンド、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE、キメラ免疫グロブリン、ヒト化抗体、単鎖抗体、T細胞受容体、キメラT細胞受容体、単鎖T細胞受容体、Gタンパク質共役受容体(GPCRs)、CCR5、ならびにクラスIおよびクラスII MHC分子で構成される群から選択される遺伝子産物をコードする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記導入遺伝子が、カルバモイルシンセターゼI、オルニチントランスカルバミラーゼ、アルギノコハク酸シンセターゼ、アルギノコハク酸リアーゼ、アルギナーゼ、フマリルアセト酢酸加水分解酵素、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、アルファ1アンチトリプシン、グルコース−6−ホスファターゼ、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ、第V因子、第VIII因子、第IX因子、シスタチオニンベータシンターゼ、分枝鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、アルブミン、イソバレリル−CoAデヒドロゲナーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ、メチルマロニルCoAムターゼ、グルタリルCoAデヒドロゲナーゼ、インシュリン、ベータグルコシダーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、肝ホスホリラーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、グリシンデカルボキシラーゼ、網膜色素上皮特異的65kDaタンパク質(RPE65)、Hタンパク質、Tタンパク質、嚢胞性線維症膜貫通調節因子(CFTR)配列、およびジストロフィンcDNA配列で構成される群から選択される、骨内の代謝エラーの修正に有用なタンパク質をコードする核酸を含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記導入遺伝子が、第VIII因子および第IX因子から選択される遺伝子産物をコードする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記導入遺伝子が腫瘍関連抗原(TAA)をコードする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記導入遺伝子が、CAIX、CD19、CD20、CD20、CD22、CD30、CD33、CD44v7/8、CEA、EGF−RIII(上皮成長因子受容体変異型3)EGP−2、erb−B2、erb−B2、3、4、FBP、胎児アセチルコリン受容体、GD2、Her2/neu、IL−13R−a2、KDR、k−軽鎖、LeY、L1細胞接着分子、MAGE−A1、メソテリン、MUC1、NKG2D、がん胎児抗原(h5T4)、PSCA、PSMA、mAb IgE標的TAA、TAG−72、またはVEGF−R2で構成される群から選択される遺伝子産物をコードする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記組み換えレンチウィルスベクターが哺乳類細胞により産生される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記組み換えレンチウィルスベクターが、HEK 293T(ATCC)、HEK293F(ライフテクノロジーズ)、HEK293(ATCC)、293S(ATCC)、BHK(ATCC)、BHK−21(ATCC)、CHO(ATCC)、CHO/dhFr−(ATCC)l、またはCHO K1(ATCC)の細胞により産生される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記無血清懸濁培養物が無血清細胞増殖培地を含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記無血清増殖培地が、FreeStyleTM293(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、DMEM/F12(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、SFM4Transfx−293(HyCloneTM、サーモサイエンティフィック)、CDM4HEK293(HyCloneTM、サーモサイエンティフィック)、StemPro−34SFM(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、FreeStyle F17(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、293SFM II(GibcoR、ライフテクノロジーズ)、およびCD293(GibcoR、ライフテクノロジーズ)から選択される請求項16に記載の方法。
  16. 前記ヌクレアーゼが、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせを含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記ヌクレアーゼが、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせを含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記ヌクレアーゼが、ベンゾナーゼ(商標)またはDNaseを含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記イオン交換カラムクロマトグラフィーが、強または弱陰イオン交換カラムクロマトグラフィーを含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記イオン交換カラムが、四級化ポリエチレンイミン系樹脂、または四級アミン系樹脂を含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記イオン交換カラムが、ポリエチレンイミン系樹脂、ジエチルアミノエチル(DEAE)系樹脂、またはジエチルアミノプロピル系樹脂を含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記イオン交換カラムが、ヒドロキシアパタイト((Ca5(PO4)3OH)2)系樹脂、N−ベンジル−n−メチルエタノールアミン系樹脂、またはオクチルアミン系樹脂を含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記イオン交換カラムクロマトグラフィーが、
    i)ステップcのろ液を、PEGを随意に含んでなる結合溶液に調整し、前記ろ液を前記イオン交換カラムに接触させることによって前記組み換えレンチウイルスベクター前記陰イオン交換カラムに結合させる工程と、
    ii)不純物を除去するために、PEGを含んでなる洗浄溶液、またはPEGと塩を含んでなる溶液で、結合した前記組み換えレンチウイルスベクターを洗浄する工程と、
    iii)溶出溶液を用いて、前記陰イオン交換カラムから前記組み換えレンチウイルスベクターを溶出させる工程と、
    を含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記結合溶液が、0%から10%重量/容積、または0%から5%重量/容積、または0%から2%重量/容積の量のPEGを含んでなる請求項23に記載の方法。
  25. 前記結合溶液が、2,000kDaから40,000kDaの分子量を有するPEGを含んでなる請求項23に記載の方法。
  26. 前記洗浄溶液が、1%から10%重量/容積、または1%から5%重量/容積、または1%から2%重量/容積の量のPEGを含んでなる請求項23に記載の方法。
  27. 前記洗浄溶液が、2,000kDaから40,000kDaの分子量を有するPEGを含んでなる請求項23に記載の方法。
  28. 前記溶出溶液が、0%から20%重量/容積の量のPEGを含んでなる請求項23に記載の方法。
  29. 前記溶出溶液が、2,000kDaから40,000kDaの分子量を有するPEGを含んでなる請求項23に記載の方法。
  30. 前記結合溶液、洗浄溶液、または溶出溶液が塩をさらに含んでなる、請求項23ないし29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記溶出溶液が、500mMから1,000mMの量の塩を含んでなる、請求項23ないし29のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記塩が、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムを含んでなる、請求項30または31に記載の方法。
  33. 工程hのろ過が孔径0.20μmのフィルタを用いて行われる、請求項1または2に記載の方法。
  34. 工程hのろ過が孔径0.22μmのフィルタを用いて行われる、請求項1または2に記載の方法。
  35. 工程hのろ過が孔径0.45μmのフィルタを用いて行われる、請求項1または2に記載の方法。
  36. 前記組み換えレンチウイルスベクターが1×105〜1×109感染単位(IU)/mlで産生される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記組み換えレンチウイルスベクターが6×106+/−10%感染単位(IU)/mlで産生される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記組み換えレンチウイルスベクターが3×108+/−10%感染単位(IU)/mlで産生される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  39. 請求項1ないし48のいずれか1項に記載の精製方法を実行する工程を含む、組み換えレンチウイルスベクターの生産方法。
  40. 工程iのろ過が孔径0.20μmのフィルタを用いて行われる、請求項3に記載の方法。
  41. 工程iのろ過が孔径0.22μmのフィルタを用いて行われる、請求項3に記載の方法。
  42. 工程iのろ過が孔径0.45μmのフィルタを用いて行われる、請求項3に記載の方法。
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