JP6480061B1 - 既設排水管の漏水補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設配水管のスラブを貫通する露出しない部分の漏水箇所をスラブを破壊するような手間を掛けることなく、短時間で簡便にスラブを貫通する漏水箇所の補修をする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】既設排水管のスラブから出る突出部分を残すようにして、既設排水管の一部分を切断して取り除いて残存する残存既設排水管を形成する工程、残存既設排水管の内面を研磨する工程、既設排水管の内径よりもわずかに外径が小さい主部と、主部の一端側に既設排水管の内径よりも大きい外径の径大部とを有し、且つ、長さがスラブの厚さよりも長い短管を準備する工程、短管の外表面に液状の止水剤を塗布した後、該短管を残存既設排水管に挿入し、外表面を残存既設排水管の内表面に止水剤を介して密着させる工程と、を備える漏水補修方法を用いる。
【選択図】図4

Description

本発明は、集合住宅等の高層建物に設置されている既設排水管の床スラブや天井スラブや壁スラブを貫通する部分からの漏水を簡便に補修できる既設排水管の漏水補修に関する。
集合住宅等の高層建物の流し台、洗面所、浴室、トイレ等の設備から発生する排水は、各設備に配された室内から通じる横枝管を経て、各階を貫通する共用の排水立管から汚水槽に流される。
高層建物の排水立管等の既設排水管は、数十年の経年により、サビや劣化による破れにより漏水を生じさせることがある。漏水を止めるために既設排水管を更生補修する種々の方法は知られている。代表的な補修方法としては、既設排水管の内面をエポキシ樹脂等の樹脂でコートして漏水箇所を埋める樹脂ライニング工法、既設排水管の内部に新たな管を挿入して新たな管により通水路を確保するパイプインパイプ工法、または、既設排水管の漏水箇所を外側から樹脂等で埋めるパッチ工法等が知られている。
例えば、下記特許文献1は、樹脂ライニング工法として、複数階のスラブ床面を構成するコンクリートスラブを貫通して配設された排水立管の更生方法であって、更生する当階とその上階の間の排水立管を、当階のスラブ床面から所定の位置および上階のスラブ天井面から所定の位置で切断して、その間の連結部を除去する切断工程と、当階のスラブ床面及び/又は上階のスラブ天井面に残存する排水立管のスラブ貫通部の内面を研磨洗浄後、その内面にエポキシ樹脂皮膜を形成する貫通部更生工程と、切断工程で除去した部分に、新たな管を継ぎ足す連結部更生工程と、からなることを特徴とする排水立管の更生方法を開示する。
また、例えば、下記特許文献2は、パイプインパイプ工法として、老朽化した既設配水管の中に、この既設配水管より小さな管径の新管を挿入し、管内側から突合せ溶接して新管同士を接合した後、この新管と既設配水管との空隙部にモルタル等の充填材を圧入充填して、既設配水管の内面を補修する工法を開示する。
また、例えば、下記特許文献3は、パッチ工法として、内部に液体が流れる流水管を補修するための流水管補修工法であって、流水管の補修対象箇所の上にパッチ部材を貼着又は接着材を配置する工程1;パッチ部材が貼着又は接着材が配置された流水管を防水性に囲んで覆う包囲カバーを取り付ける工程2を有し、流水管が、建築物内に配管され、工程1の後から工程2において包囲カバーを取り付けるまでの間、補修対象箇所からの液体の漏洩が停止している流水管補修工法を開示する。
上述した各工法には何れも解決課題があった。例えば、樹脂ライニング工法の場合、既設配水管の内面に樹脂を均一な厚みで塗布する作業が煩雑であるという問題があった。また、パイプインパイプ工法の場合、既設配水管の径に比べて挿入されるパイプの径が大幅に小さくなるために、通水量が大幅に低下するという問題があった。そのために、建築基準に関する法令要件や規格を満たさないために、補修できないことがあった。また、パッチ工法の場合、既設配水管の露出している漏水箇所に対しては、外側から樹脂等で埋めることができるが、コンクリートスラブ等のスラブを貫通する既設配水管の外部に露出しない部分の漏水箇所に対しては、スラブを破壊し、漏水箇所を特定し、その部分を樹脂等で埋めた後、さらに、スラブを再生させるような手間が掛かるという問題があった。
また、既設排水管のスラブを貫通する露出しない部分を補修する技術としては、漏水の補修に関するものではないが、下記特許文献4は、その開示された図面を引用すれば、図7に示すように、住宅の各階の居住区内で既設排水管の中間部分だけを撤去することによりその既設排水管の各階でのスラブ貫通部を残存させることにより形成された管160に挿通されて新設管路を形成する既設排水管の補修用スリーブ150を開示する。具体的には、主部151と、主部151の上端部に形成されたガイド部152と、このガイド部152に連設されたストレート部153と、ストレート部153の上端に連設された鍔部154とを有し、主部151が管160の内径よりも少し短い寸法の外径を有し、ストレート部153が管160の内径と同等の外径を備え、鍔部154の下面をパッキン157に対する座面156とする補修用スリーブ150を開示する。そして、このような補修用スリーブ150は、鍔部154とストレート部153とガイド部152とを、ステンレス管の端部を機械加工することによって形成されることが記載されている。また、補修用スリーブ150のガイド部152の案内作用によってストレート部153が管160の同心位置に自然に嵌まり込むので、管160に対するスリーブの挿通作業を容易にかつ短時間で楽に行うことができることが記載されている。
特開2006−57643号公報 昭和62−266287号公報 特開2014−5930号公報 特開2003−253720号公報
特許文献4に開示された補修用スリーブを用いることによれば、既設配水管のスラブを貫通する露出しない部分にスラブを破壊せずに補修用スリーブを挿入して補修することができる。しかしながら、このような補修用スリーブを用いる場合、次のような問題があった。特許文献4に開示された補修用スリーブを配置するためには、鍔部154の下面をパッキン157の座面とし、管160の端面と補修用スリーブ150との隙間をパッキン157で密閉する必要があるために、管160の端面の仕上精度が低い場合には、管160の端面をパッキン157で完全にシールできなくなるおそれがあった。また、ステンレス管の端部を機械加工することによって形成される鍔部154の水平度と管160の端面の水平度にずれがある場合、管160と鍔部154の下面のパッキン157とが均質に抑えられず、密閉性を維持させるための作業に手間がかかるという問題があった。このような問題があるために、ステンレス管の端部を機械加工するための高い精度、及び、管160の端面の高い仕上精度が求められ、補修作業に手間が掛かるおそれがあった。また、壁スラブを貫通する既設配水管の露出しない部分の漏水箇所を補修する場合、既設配水管が水平方向を向いているために、パッキンを管の同心位置に対して均等に配置して完全にシールするように位置合わせする作業が容易ではなく、手間が掛かるという問題があった。
また、特許文献4に開示された補修用スリーブを用いることによれば、ステンレス管である補修用スリーブを、鉄製の既設排水管に挿入した場合、鉄製の既設排水管は異種金属であるステンレス管と接触したときには、接触した部分が腐食して著しく劣化することがあった。鉄製の既設排水管にステンレス管を挿入した場合、互いに接触した部分が著しく腐食して大きな孔が空いて劣化することがあった。このような場合に、既設排水管の切断された端部とステンレス管の端部との隙間をシールするパッキンが劣化して既設排水管とステンレス管との隙間に水が浸入した場合、孔から漏水するという問題があった。また、既設排水管に接触させないようにステンレス管のパイプの径を小さくした場合には、通水量が低下するという問題、及びそれに伴い、建築基準に関する法令要件や規格を満たさないという問題が生じる。
本発明は上述したような問題を解決した、既設配水管のスラブを貫通する露出しない部分の漏水箇所をスラブを破壊するような手間を掛けることなく、短時間で簡便にスラブを貫通する漏水箇所の補修をする技術を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、スラブを貫通する既設排水管の、スラブ貫通部からの漏水を補修する方法であって、スラブを貫通する既設排水管のスラブから出る突出部分を残すようにして、既設排水管の一部分を切断して取り除き、残存する残存既設排水管を形成する工程と、残存既設排水管の内面を研磨する工程と、既設排水管の内径よりもわずかに外径が小さい主部と、主部の一端側に既設排水管の内径よりも大きい外径の径大部とを有する樹脂製の短管を準備する工程と、短管の少なくとも主部の外表面に液状の水硬化性の止水剤を塗布した後、該短管を残存既設排水管に挿入し、外表面を残存既設排水管の内表面に止水剤を介して密着させる工程と、を備える既設排水管の漏水補修方法である。このような既設排水管の漏水補修方法によれば、既設配水管のスラブを貫通する部分の漏水箇所をスラブを破壊して新設管に入れ替えた後、スラブを再生するような手間を掛けることなく、短時間で簡便に漏水箇所を補修することができる。なお、本発明におけるスラブは、床の構造体である床スラブの他、天井の構造体である天井スラブ、壁を形成する壁スラブ等、既設排水管が貫通する全ての隔壁を含む。短管は、スラブを通過する長さを有することが既設排水管のスラブを貫通する部分全体を確実に漏水補修処理ができる点から好ましい。
また、止水剤は水硬化性一液型ポリウレタン樹脂であることが、水分と接触することのみで硬化が進行し、また、硬化収縮しにくいために高い止水効果が得られる点から好ましい。
また、スラブが床スラブであり、残存既設排水管を形成したときの、床スラブに対向する天井側に残存する天井側残存既設排水管に排水ホースを接続し、天井側残存既設排水管からの排水を既存排水設備から放出する工程をさらに備えることが、作業中に上階から排出される排水を効率的に処理できる点から好ましい。高層建物に設置されている排水立管である既設排水管を補修施工する場合、従来の方法によれば、排水立管が通過する全階の断水や排水停止を行って作業しなければ、施工中に既設排水管の切断された部分から上階の排水が排出され、作業している居住階の床に排水が溢れ出すことがあった。本発明によれば、天井側残存既設排水管に排水ホースを接続し、天井側残存既設排水管からの排水を既存排水設備から放出することにより、全階の断水や排水停止を行うことなく作業することができる。
また、径大部に既設排水管の一部分を切断して取り除いた部分に新設管を接続する工程をさらに備えること、さらには、径大部の外径が既設排水管の外径に一致し、径大部の端面と新設管の端面とを突き合わせて接続する工程をさらに備えることが、既設排水管を簡便に再生させることができる点から好ましい。
また、短管は樹脂製であるために、短管の製造が容易であるとともに、異種金属の接触による腐食を生じさせないために金属製の既設排水管を錆びさせにくくする。
また、本発明の他の一局面は、既設排水管を切断して形成されるスラブを貫通する残存既設排水管の内面に、外表面を密着させてスラブ貫通部からの漏水を補修するための短管であって、残存既設排水管の内径よりもわずかに外径が小さい主部と、主部の一端側に既設排水管の内径よりも大きい外径の径大部とを有する、硬質塩化ビニル樹脂製の短管であり、短管の少なくとも主部の外表面に止水剤が塗布されている短管である。このような短管によれば、既設配水管のスラブを貫通する露出しない部分の漏水箇所を短時間で簡便に漏水箇所を補修することができる。また、硬質塩化ビニル樹脂製の短管によれば、異種金属の接触による腐食を生じさせないために金属製の既設排水管を錆びさせにくい。
本発明によれば、既設配水管のスラブを貫通する露出しない部分の漏水箇所を、スラブを破壊するような手間を掛けることなく、短時間で簡便に漏水箇所の補修を行うことができる。
図1は、実施形態の既設排水管の漏水補修方法の前半の工程を説明するための概略説明図である。 図2は、実施形態の天井側既設排水管に排水ホースを接続し、天井側既設排水管からの排水を既存排水設備から放出する工程を説明するための概略説明図である。 図3は、実施形態の既設排水管の漏水補修方法に用いる短管10の模式図である。 図4は、実施形態の既設排水管の漏水補修方法の後半の工程を説明するための概略説明図である。 図5は、実施形態の既設排水管の漏水補修方法による補修後に新設管を接続する工程を説明するための概略説明図である。 図6は、他の実施形態の壁スラブを通過する既設排水管の漏水補修方法を説明するための概略説明図である。 従来技術を説明するための説明図である。
以下、本発明に係る既設排水管の漏水補修方法の一実施形態について詳しく説明する。
図1は本実施形態の既設排水管の漏水補修方法の前半の工程を説明するための概略説明図である。図1中、50は高層住宅の各階を通過する排水立管である既設排水管であり、fは漏水補修施工をする階の床スラブ、cは漏水補修施工する階の天井スラブ(または、上階の床スラブ)であり、これらのスラブは例えばコンクリートスラブとして形成されている。また、h1,h2は補修対象となる漏水の原因となっている床スラブ内の既設排水管50に発生した孔である漏水箇所である。漏水箇所h1,h2は既設排水管50の外面が露出していない床スラブfの内部で発生しているために、外側からは、直接、補修できない。また、rは既設排水管50の内部に発生したサビ等の汚物である。図1中の各要素は、何れも既設排水管50の長手方向の断面を模式的に示している。また、シャフトにコアビット31を装着させた回転ドリル30のみ、概念図である。
本実施形態の既設排水管の漏水補修方法の実施に際しては、はじめに、図1(a)に示すように、漏水補修を実施する階の居住区を通過する既設排水管50の床スラブfから突出する部分を残すために、x1の断面とx2の断面との間の既設排水管50の一部分である既設排水管片51を切断して取り除き、図1(b)に示すような、既設排水管片51を切断して取り除いた後に残存する残存既設排水管52を形成する。
残存既設排水管の内面には、居住年数や使用環境によってその程度は異なるが、既設排水管への通水により発生したサビやスラッジ等の汚物が付着している。このような床側既設排水管の内面に付着したサビやスラッジ等の汚物は、後述する短管を侵入させにくくするとともに、止水剤による止水効果を低下させる。そのために、図1(c)に示すように、残存既設排水管52の内面を、例えばコアビット31のような研磨装置を装着させた回転ドリル30を用い、その内面を研磨して平坦化する。このように研磨する工程により、汚物rが剥離して漏水箇所h1,h2が顕在化することもある。
このとき、既設排水管50から既設排水管片51を取り除き、残存既設排水管52を形成したときに、天井側にも天井側の残存既設排水管53が残される。高層建物に設置されている排水立管である既設排水管の補修施工をする場合において、排水立管が通過する全階の断水や排水停止を行わない場合、施工中に天井側の残存既設排水管から上階の排水が排出され、作業階の床に排水が溢れ出すことがある。全階の断水や排水停止を行わずに、作業階への排水の漏出を抑制するためには、図2に示すように、天井側の残存既設排水管53にカップリング部材21を用いて排水ホース12を接続してバイパスを形成することにより、残存既設排水管53からの排水Lを、既設排水管50に接続された横管35を通じて排水するトイレ設備や入浴設備等に備えられた既存排水設備30から放出することにより、既設排水管50から作業階へ排水を漏出させずに作業することができる。
次に、本実施形態の既設排水管の漏水補修方法に用いる短管10について説明する。図3は本実施形態の既設排水管の漏水補修方法に用いる短管10の模式図であり、図3(a)は破断線で内部構造を示した部分模式断面図、図3(b)は図3(a)の短管10を上方から見たときの上面模式図である。図3中、短管10は、既設排水管50の内径よりもわずかに外径が小さい主部1と、主部1の一端側に既設排水管50の内径よりも大きい外径を有する径大部2とを有する。
短管10は、後述するように短管10を残存既設排水管52に挿入したときに、径大部2が残存既設排水管52の端部に係合することにより短管10の進行を止める作用をする。このような径大部2を設けることにより、短管10が残存既設排水管52を通り抜けることなく、残存既設排水管52に短管10をセットすることができる。
短管の長さは、既設排水管のスラブを貫通する部分に発生した漏水箇所を塞ぐために、スラブを通過する長さを有することが、既設排水管のスラブを貫通する部分を完全に補修することができる点から好ましい。短管の長さは、漏水箇所を塞ぐ限り特に限定されないが、好ましくはスラブを通過する長さを有する。具体的には、例えば、床スラブの補修に用いられる場合、床スラブの厚さや既設排水管の床スラブから立ち上がる部分の長さにもよるが、短管の長さは、全長が20cm〜100cm、さらには25cm〜60cm程度であることが好ましい。
このような短管は、例えば、既設排水管の内径よりもわずかに外径が小さい管材の一端に、その管材の外径に一致する内径を有する管状の部材を例えば接着剤で接着して固定することにより製造される。また、短管は、樹脂成形により製造された一体成形体であってもよい。このような短管は、硬質塩化ビニル樹脂等の樹脂材料で形成されていても、金属管であってもよいが、硬質塩化ビニル樹脂等であることがとくに好ましい。硬質塩化ビニル樹脂を用いた場合には、既設排水管が金属管である場合に、異種金属の接触による腐食を生じさせないために既設排水管を錆びさせにくい。
次に、短管10を用いた、本実施形態の既設排水管の漏水補修方法の後半の工程を詳しく説明する。図4は、上述した短管10を用いた、本実施形態の既設排水管の漏水補修方法の後半の工程を説明するための概略説明図である。
本実施形態の既設排水管の漏水補修方法の実施においては、図4(a)に示すように短管10を準備し、短管10の外周に図4(b)に示すように止水剤3を塗布する。止水剤は、残存既設排水管に短管を挿入したときに形成される空隙を埋めて塞ぐことにより、漏水箇所からの空隙への水の浸入を止める作用をする。止水剤で止水しない場合、漏水箇所から侵入した水が残存既設排水管と短管との間の空隙に侵入し、毛細管現象により水を吸収して短管の上部まで水を侵入させ、外部に漏水させるおそれがある。このような空隙を止水剤で埋めることにより、簡便な作業で毛細管現象により水を吸収して短管の上部まで水を侵入させてしまうことを抑制できる。
止水剤としては、残存既設排水管に挿入したときに、短管の外表面を残存既設排水管の内表面に止水剤を介して密着させて空隙を埋めることのできる透水性の低い止水剤であれば特に限定なく用いられる。このような止水剤の具体例としては、例えば、水と接触する前は液状または半固体状であり、硬化により空隙を埋めて塞ぐ、例えば、一液型ポリウレタン樹脂系の止水剤や、二液型ポリウレタン樹脂系の止水剤が挙げられる。本実施形態の漏水補修方法の実施においては、一液型ポリウレタン樹脂系の止水剤、とくには所定量の水と混合することにより所定の時間で硬化する水硬化性一液型ポリウレタン樹脂の止水剤であって硬化物がゴム弾性を示す止水剤が、水の存在により硬化し、また、発泡倍率が1倍以上である無発泡または低発泡のポリウレタン弾性体であるために、硬化収縮せずに剛性を保つために高い止水効果が得られる点から好ましい。このような水硬化性一液型ポリウレタン樹脂の止水剤の具体例としては、例えばハイセル(登録商標)OH(東邦化学工業(株)製)が挙げられる。
そして、図4(c)に示すように、図1で示したように作成した、既設排水管片51を切断して取り除いた後に残存する床スラブfを貫通する残存既設排水管52に、止水剤3を塗布した短管10である止水剤塗布短管11を挿入する。このとき、止水剤3は未硬化の液状であるために、潤滑剤の役割をして残存既設排水管52に短管10を滑らかに侵入させる。また、短管10を残存既設排水管52に挿入したときに、径大部2が残存既設排水管52の端部に係合することにより短管10の進行が止められ、短管10が残存既設排水管52を通り抜けることを抑制する。
このようにして、図4(d)に示すように、残存既設排水管52に挿入された短管10の外表面を、残存既設排水管52の内表面に止水剤3を介して密着させ、所定の硬化時間放置する。所定の硬化時間が経過することにより、止水剤3が硬化する。このようにして、本実施形態の既設排水管の漏水補修方法が完了する。
床スラブf内の漏水補修後は、既設排水管の一部分を切断して既設排水管片を取り除いた部分を埋めるために、既設排水管を取り除いた部分と同じ長さの新設管を準備し、取り除いた部分に新設管を接続することが好ましい。具体的には、例えば、図5(a)に示すように、既設排水管50から既設排水管片51を取り除いた部分と同じ長さの新設管60を準備し、図5(b)に示すように新設管60を嵌めあわせ、床側の残存既設排水管52に挿入された短管10の径大部2との継ぎ目及び天井側の残存既設排水管53との継ぎ目を必要に応じて止水処理をした後、図5(c)に示すようにカップリング部材8により固定する。このような接続においては、短管10の径大部2の外径が既設排水管50の外径に一致し、径大部2の端面と新設管60の端面、及び新設管60の他の端面と天井側の残存既設排水管53の端面と、を突き合わせて接続するような方法によれば、縮径締めによって管同士を接続するカップリング部材により、管接続を簡便に行うことができる点から好ましい。このようなカップリング部材としては、例えば、配管の端面を突き合わせ、縮径締めによって管同士を接続するカップリング部材、具体的には、例えば、ストラブカップリング(登録商標、ショーボンドカップリング(株)製)等が好ましく用いられる。このように、新設管を接続することにより、既設排水管から取り除いた部分を再生させ、排水の通水路を再生させることができる。
以上説明した本実施形態の既設排水管の漏水補修方法によれば、既設配水管のスラブを貫通する部分の漏水箇所をスラブを破壊することなく、短時間で簡便に補修することができる。なお、上述した実施形態においては、床スラブを貫通する既設排水管の漏水補修を代表例として説明したが、本発明に係る既設排水管の漏水補修方法は、壁を形成する壁スラブを貫通する既設排水管の漏水補修にも適用できる。例えば、図6に示すように、壁w1,w2を貫通するような横管の既設排水管70において、既設排水管片を取り除いて残存既設排水管72を形成することにより、壁w1内で漏水箇所h3が発生した場合にも同様に適用することができる。
1 主部
2 径大部
3 止水剤
8,21 カップリング部材
10 短管
11 止水剤塗布短管
12 排水ホース
30 回転ドリル
31 コアビット
35 横管
50,70 既設排水管
51 既設排水管片
52 残存既設排水管(床側)
53 残存既設排水管(天井側)
60 新設管
72,73 残存既設排水管(壁)
f 床スラブ
h1 漏水箇所
h2 漏水箇所
h3 漏水箇所
L 排水
r 汚物
w1,w2 壁

Claims (7)

  1. スラブを貫通する既設排水管の、スラブ貫通部からの漏水を補修する方法であって、
    前記スラブを貫通する前記既設排水管の前記スラブから出る突出部分を残すようにして、前記既設排水管の一部分を切断して取り除き、残存する残存既設排水管を形成する工程と、
    前記残存既設排水管の内面を研磨する工程と、
    前記既設排水管の内径よりもわずかに外径が小さい主部と、前記主部の一端側に前記既設排水管の内径よりも大きい外径の径大部とを有する樹脂製である短管を準備する工程と、
    前記短管の少なくとも前記主部の外表面に液状の水硬化性の止水剤を塗布した後、該短管を前記残存既設排水管に挿入し、前記外表面を前記残存既設排水管の内表面に前記止水剤を介して密着させる工程と、を備えることを特徴とする既設排水管の漏水補修方法。
  2. 前記短管は、前記スラブを通過する長さを有する請求項1に記載の既設排水管の漏水補修方法。
  3. 前記止水剤は水硬化性一液型ポリウレタン樹脂である請求項1または2に記載の既設排水管の漏水補修方法。
  4. 前記スラブが床スラブであり、
    前記残存既設排水管を形成したときの、前記床スラブに対向する天井側に残存する天井側残存既設排水管に排水ホースを接続し、前記天井側残存既設排水管からの排水を既存排水設備から放出する工程をさらに備える請求項1〜3の何れか1項に記載の既設排水管の漏水補修方法。
  5. 前記径大部に前記既設排水管の一部分を切断して取り除いた部分に新設管を接続する工程をさらに備える、請求項1〜4の何れか1項に記載の既設排水管の漏水補修方法。
  6. 前記径大部の前記外径が前記既設排水管の外径に一致し、前記径大部の端面と前記新設管の端面とを突き合わせて接続する請求項5に記載の既設排水管の漏水補修方法。
  7. 前記樹脂製である短管は硬質塩化ビニル樹脂製である、請求項1〜6の何れか1項に記載の既設排水管の漏水補修方法。
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