JP2006057643A - 排水立て管の更生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数階のスラブ床面1a、2aを構成するコンクリートスラブ1、2を貫通して配設された排水立て管10の更生方法。更生する当階とその上階の間の排水立て管10を、当階のスラブ床面から所定の位置および上階のスラブ天井面から所定の位置で切断して、その間の連結部を除去する切断工程(A)と、当階のスラブ床面及び/又は上階のスラブ天井面に残存する排水立て管のスラブ貫通部11,12の内面を研磨洗浄後、その内面にエポキシ樹脂皮膜を形成する貫通部更生工程(B)と、切断工程で除去した部分に、新たな管13bを継ぎ足す連結部更生工程(C)とからなる。
【選択図】 図1
Description
更生する当階とその上階の間の排水立て管を、当階のスラブ床面から所定の位置および上階のスラブ天井面から所定の位置で切断して、その間の連結部を除去する切断工程と、
当階のスラブ床面及び/又は上階のスラブ天井面に残存する排水立て管のスラブ貫通部の内面を研磨洗浄後、その内面にエポキシ樹脂皮膜を形成する貫通部更生工程と、
切断工程で除去した部分に、新たな管を継ぎ足す連結部更生工程と、からなることを特徴とする排水立て管の更生方法が提供される。
例えば、更生する所定階において、スラブ床面1aから所定寸法H1、スラブ天井面2bから所定寸法H2を残して、既設の排水立て管の直管部分を切除する。この際、最終的に新規直管13bを接続する際に、装着しやすくするために若干直管部を残すようにする。従って、所定寸法H1、H2は、25cmから50cm程度の寸法にするのがよい。
この場合、所定階の下階も更生工事を行うので、ほぼ所定寸法H2に相当する部分まで、研磨洗浄およびエポキシ樹脂皮膜の形成を行えばよい。
なお必要により、当階のスラブ貫通部11の代わりに、上階のスラブ貫通部12の内面を研磨洗浄し、その後、その内面にエポキシ樹脂皮膜を形成してもよく、或いは、当階と上階のスラブ貫通部11,12の両方を並行して研磨洗浄しエポキシ樹脂皮膜を形成してもよい。
尚、スラブ貫通部12の内面を研磨洗浄して樹脂皮膜を形成する際は、スラブ貫通部11の処理と同様に、スラブ床面2から所定寸法H1を残して上部の排水立て管の直管部分を除去する。
以下、当階のスラブ貫通部11を対象として説明する。
なおこの際、既設の排水立て管から切り出した直管を並行して更生し、これを新管の代わりに再使用してもよいが、その分手間と時間がかかるので、新規の直管を接続する方が好ましい。
また、上階からとか下階からといった制約がなく、所定階のみを一工程として施工できるので、集合住宅の居住者の都合に合わせて順次実施できる。
以下、液状のエポキシ樹脂を含浸させた筒状の布製シートで皮膜形成する方法を説明する。
筒状布製シート21は、液状のエポキシ樹脂を含浸できる布製シートである。布製シートは、エポキシ樹脂を強化するための繊維(例えばガラス繊維やポリエステル繊維)からなる布製であり、筒状に形成されている。また貫通部21aは、上述したスラブ貫通部11の内面に密着する筒状に成形され、枝管部21bは、スラブ貫通部11に接続される枝管に対応する筒状に成形されている。貫通部21aと枝管部21bは連続的に接続している。すなわち、排水立て管から分岐する枝管に対応して、枝管部21bを分岐してある。排水立て管に対応する筒状布製シート(貫通部21a)に一部孔を開け、枝管部21bに対応する筒状布シートを縫い付けることでできている。尚、枝管部21bの短部は開口している。
この図において、ト字状の二枚のビニールシートを重ね、シートの側縁部を加熱融着して筒状に形成し、筒状体の一端に開口を設ける以外は塞ぐことで、いわゆる筒状の袋になっている。尚、ビニールシートは、透明のものが好ましい。
以下に、この図を参照して施工方法を説明する。
この場合、ビニールシートが透明であれば、筒状布製シート21へのエポキシ樹脂の含浸状況を確認できる。
図3(B)のように、筒状布製シート21を内在させた筒状ビニールシート22を筒状布製シート21が外側になるように反転させながら、既設配管(スラブ貫通部11)に挿入するので、既設配管の内面に、エポキシ樹脂を含浸させた筒状布製シート21が付着し、その中に袋状の筒状ビニールシート22が内在することになる。
所定時間、エポキシ樹脂を含浸させた筒状布製シート21を密着させ、エポキシ樹脂がほぼ固化した段階で袋状の筒状ビニールシート22の空気を抜き、袋状の筒状ビニールシートを引き出し、既設配管11の開口部からはみ出した樹脂層を切除し、その後、エポキシ樹脂が完全に固化すれば完了である。
また、枝管の形状に合わせた形状の筒状布製シートを用いるので、従来のシートによる樹脂層形成における課題であった複雑な配管形状への対応が容易になる。
この例は、住戸内の枝管も新規の配管に交換する場合に適するが、施工要領としては、上述した例とほぼ同じで、異なるのは、筒状のビニールシートの形状にある。つまり、径の異なる一直線状の2本の筒状ビニールシート24,25を用いる。
手順としては、図4(A)(B)に示すように、エポキシ樹脂を含浸させたト字状の筒状布製シート23を残存配管(スラブ貫通部12)の中に挿入し、まず枝管に筒状ビニールシート25を入れて、空気を注入する。次にスラブ貫通部12に筒状ビニールシート23を入れて空気を注入する。
この例では、単に一直線状の筒状ビニールシート24,25を用いることに特徴があるが、スラブ貫通部12に2本以上の枝管があるときに有効である。
つまり、図3の例では、枝管も含めたスラブ貫通部12の形状に合わせて筒状布製シートや筒状ビニールシートを形成するが、2本以上の枝管があるとき、筒状布製シートの形成はさほど困難ではないが、筒状ビニールシートの形成は手間がかかる。この例は、その手間を解消するものである。
つまり、スラブ床面1およびスラブ床面2のそれぞれから所定寸法H1を残して排水立て管の直管部分を除去した状況において、スラブ床面1においてト字状の筒状布製シート23にエポキシ樹脂を含浸させ、スラブ床面2から誘導線によってスラブ貫通部12の下からト字状の筒状布製シート23を挿入した。
誘導線とは、スラブ貫通部12の上部開口12aと、スラブ貫通部12にある枝管接続口12bからそれぞれ下階に向けて垂らされたひも状体をいい、ト字状の筒状布製シート23におけるスラブ貫通部12の上部開口相当部と枝管接続口相当部にそれぞれ結糸されており、誘導線をスラブ床面2上から牽引することで、ト字状の筒状布製シート23がスラブ貫通部12内に収まる。
こうすることにより、特に枝管に挿入される筒状ビニールシート25の挿入が容易になる。
この場合、更生する排水立て管の当階のみならず、下階の排水立て管の直管を切断除去する工程が加わることになる。
連結部更生工程において、切断工程で除去した部分に、新たな管を継ぎ足す場合、既設配管(スラブ貫通部11、12)と新規の直管13bの接続は、筒状の弾性ゴム体14を鋼製バンド15で締め付け固定するのがよい。
たとえば、新規の直管13bの端部に筒状の弾性ゴム体14と鋼製バンド15を装着し、図5(A)ように鋼製バンド15を所定の位置からずらし、かつ鋼製バンド14を折り返して装着し、その後図5(B)のように配管13bを所定の位置に配置し、図5(C)のように折り返した鋼製バンド14を伸ばし、正規の位置で鋼製バンドを締め付け、固定する。
また、配管の端部小口は、予め防錆処理を行っておく。
10 排水立て管、11、12 スラブ貫通部、13a 連結部、13b 新規直管、
14 筒状の弾性ゴム体、15 鋼製バンド、
20 貫通部更生具、21 筒状布製シート、21a 貫通部、21b 枝管部、
22 可撓性の液密袋(筒状ビニールシート)、22a 開口部
23 筒状布製シート、24,25 筒状ビニールシート、
Claims (4)
- 複数階のスラブ床面を構成するコンクリートスラブを貫通して配設された排水立て管の更生方法であって、
更生する当階とその上階の間の排水立て管を、当階のスラブ床面から所定の位置および上階のスラブ天井面から所定の位置で切断して、その間の連結部を除去する切断工程と、
当階のスラブ床面及び/又は上階のスラブ天井面に残存する排水立て管のスラブ貫通部の内面を研磨洗浄後、その内面にエポキシ樹脂皮膜を形成する貫通部更生工程と、
切断工程で除去した部分に、新たな管を継ぎ足す連結部更生工程と、からなることを特徴とする排水立て管の更生方法。 - 前記貫通部更生工程において、液状のエポキシ樹脂を含浸させた筒状の布製シートを用いてエポキシ樹脂皮膜を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の排水立て管の更生方法。
- 前記布製シートは、排水立て管のスラブ貫通部に接続される枝管に対応する筒状部を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の排水立て管の更生方法。
- 前記切断工程、貫通部更生工程及び連結部更生工程を、任意の階から順次または並行して繰り返す、ことを特徴とする請求項1に記載の排水立て管の更生方法。
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