JP6478297B2 - 鉛フリー錫合金及びそれを使用した錫メッキ銅線 - Google Patents
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Description
例えば、錫メッキ銅線は銅線(導線の一種)表面を一層の錫で披覆する製品である。
錫披覆層は内部の銅線と外界との接触を隔絶し、銅線の酸化を防止し、後続の溶接工程により良い溶接性を提供する。
錫メッキ銅線において、常用される製造法は、特許文献1に示す通り、錫液を入れた錫槽を用い浸錫工程を行い、銅線に錫液をメッキするものである。
しかも冷卻後には、図1に示す通り、錫メッキ銅線10全体は、銅線11表面に錫メッキ層12を形成し、これにより銅線表面は銅線の酸化を防止する錫層で覆われる。
従来の技術においては、錫メッキ層12は、錫及び鉛を含む錫鉛合金を、銅線11表面の錫メッキ層12とする。
しかし、鉛及びその化合物は、環境を著しく汚染する。
そのため、環境保護意識が高まる近年において、鉛の有害性が重視されるようになり、鉛を含む錫鉛合金は、国際的に使用が制限される趨勢にある。
こうして、鉛フリー錫合金に置換されるようになっている。
一般的には、銅含量が相対的に高い従来の鉛フリー錫合金は、前記浸錫プロセスの錫槽中の錫液の流動性があまり良くない。
そのため、従来の鉛フリー錫合金は、銅線11の局部表面に過度に残留しやすく、錫メッキ層12表面の凹凸(厚みの不均一)を招くばかりか、過量の鉛フリー錫合金は、隣り合う2個の錫メッキ銅線10間に、ショートを引き起こす錫ブリッジ(bridge)現象を形成する。
従来の鉛フリー錫合金の錫液の流動性を高めるためには、錫液の温度をさらに上げる必要がある。
しかしこれにより、細い銅線11を高温の錫槽中に暴露することになり、細い銅線11は前記の浸錫プロセスにおいて、錫液中の高温により、錫液による侵蝕溶解が加速されて破壊されスレンダー化を招き、さらには完全に折れてしまう恐れもある。
こうして、後続の溶接工程において、錫メッキ銅線10の導電品質不良或いは導電できないという状況を招いてしまう。
銅線が錫液に侵蝕溶解される現象は、銅蝕(copper erosion)現象、或いは銅蝕性と呼ばれ、鉛フリー錫合金の錫液の、銅線11に対する侵蝕程度を指す。
錫液温度が高ければ高いほど、銅線の銅が溶出する速度も速くなり、銅線のスレンダー化の程度もより深刻となり、断線の確率も高く、かつ容易に発生するようになってしまう。
フラックスを使用することで、比較的低温の錫槽中で作業することができるが、しかしフラックス残留の問題がある。
これら錫メッキ層12に残留するフラックスは、錫メッキ層12に腐蝕現象を起こさせる可能性があり、これにより後続溶接工程における錫メッキ銅線10の溶接性が悪くなり、さらには使用不能に陥る恐れもある。
これにより、銅線にフラックスを塗布する必要がない状況下で、該鉛フリー錫合金を入れた高温錫槽に銅線を直接浸し、錫メッキ作業を行い、錫メッキ銅線を製造することができる。
しかも、従来の鉛フリー錫合金に比べ、本発明の鉛フリー錫合金は、流動性及び湿潤性に優れるため、形成される錫メッキ層の厚みは相対的に均一で、しかもブリッジ現象を低下させられ、及びより良い抗銅蝕性を備え、製造工程における銅線の断裂を防止することができる。
さらに、該鉛フリー錫合金を使用する錫メッキ銅線は、表面錫メッキ層の厚みが均一であるばかりか、相対的に信頼性が高い機械構造強度及び抗酸化能力を実現することができる。
鉛フリー錫合金は、実質的に鉛(Pb)を含まない。
実質的に鉛を含まないとは、原則的に錫合金中に意図的には鉛を添加しないということである。
例えば、製造工程において、意図的にではない不可避な雑質或いは接触は、本発明の主旨に基づき、実質的に鉛を含まない或いは鉛フリーとみなすことができる。
しかも、鉛はしばしば雑質(Impurity)の状態で錫(Sn)或いは他の金属中に存在するため、類似のごく少量の雑質は、一般の冶金技術で完全に除去することは非常に難しい。
各種鉛フリー合金中の、鉛雑質に対する上限は、現在未だ未統一だが、日米欧の重要な協会組織の定義では、それぞれ以下の通り規定されている。
EU RoHSの0.lwt%Pb
米国JEDECの0.2wt%Pb
日本JEIDAの0.lwt%Pb
その内、wt%は重量パーセントを指し、本文中以下のwt%は同様に重量パーセントを指す。
鉛フリー錫合金は、3.0〜6.0wt%の銅、0.05〜0.35wt%のニッケル、0.005〜0.1wt%のアンチモニー、0.005〜0.1wt%のビスマスを含み、その他は錫である。
アンチモニーの重量パーセント数値とビスマスの重量パーセント数値の総合計は、0.15wt%より小さい。
上述の用語は、他の製造工程において、無意であるが不可避である雑質を排除すると、理解されるべきではない。
よって、「その他は錫」とは、仮に雑質が存在するなら、鉛フリー錫合金を、100wt%の重量パーセントまで補足するために、錫に、不可避の雑質を加えて組成されると理解されるべきである。
また本発明及び特許請求の範囲でいう数値範囲の限定は、常に終了値を含む。
本発明による鉛フリー錫合金の製造:
本発明による鉛フリー錫合金は、
以下のステップを含む方法により製造される。
(1)対応する金属成分及び重量パーセントに基づき、対応する金属材料を準備する。
(2)準備ができた材料を加熱熔化及び鋳造し、鉛フリー錫合金を形成する。
特許文献1に開示する製造方法を用いて、本発明による鉛フリー錫合金を製造することもできる。
本発明による鉛フリー錫合金の運用は、図2に示す。
本発明による鉛フリー錫合金を結合して、錫メッキ銅線20を形成する。
錫メッキ銅線20は、銅線21の表面を、鉛フリー錫合金で被覆し、錫メッキ層22を形成する。
鉛フリー錫合金は、錫槽(図示なし)中において、銅線21に対して、より優れた湿潤性を有するため、錫メッキの速度を速め、錫メッキの速度が速まったことで、生産速度も上がり、生産量を増やすことができ、しかも銅蝕現象を減らすことができる。
同時に、本発明による鉛フリー錫合金は、錫槽中で良好な流動性を備え、銅線21表面に、均一な厚みの錫メッキ層22を形成でき、しかもブリッジ現象を回避できる。
錫メッキ層22の組成と鉛フリー錫合金とは相同である。
鉛フリー錫合金は、抗銅蝕試験により、銅蝕現象を評価される。
鉛フリー錫合金は、潤湿性試験により、錫メッキ速度を試験される。
鉛フリー錫合金は、流動性試験により、流動性を試験される。
線径が0.1mmの銅線を、実施例或いは比較例の鉛フリー錫合金に浸し、480°Cの錫液中で試験を行う。
銅線を回路に接続し、銅線が完全に熔化され切断されるまでにかかった時間を測定する。
切断までに2.5秒を越えれば、抗銅蝕性良好と判定し、「○」と表示する。
2.0〜2.5秒の間なら、抗銅蝕性可と判定し、「△」と表示する。
2.0秒以下なら、抗銅蝕性失敗と判定し、「X」と表示する。
本実験では、鉄フレームを特別に製造し、線径0.1mmの銅線を、間隔距離0.2mmでその上に巻きつけ、隣り合う2本の銅線間の銅線間隔距離を20個形成する。
銅線を巻きつけ、及び20個の銅線間隔距離を有する鉄フレームを、実施例或いは比較例の鉛フリー錫合金を入れ形成した480°Cの錫液に1秒浸した後、鉄フレームを錫液中から取り出し靜置して冷卻する。
これを光学顕微鏡で拡大し、2本の隣り合う銅線間に、錫ブリッジが出現したか否か、出現したなら、その錫ブリッジの数量を観察する。
2本の隣り合う銅線間に、1個より小さいか等しい錫ブリッジが形成されたなら、流動性良好と判定し、「○」と表示する。
錫ブリッジが2〜4個なら、流動性可と判定し、「△」と表示する。
錫ブリッジが5個より大きいか等しいなら、流動性失敗と判定し、「X」と表示する。
厚みが0.3mmで、幅が10mm及び長さが30mmの銅片を使用する。
銅片を酸蝕処理後、実施例或いは比較例の鉛フリー錫合金を入れ形成した380°Cの錫液中において、ウェッティングバランス法(wetting balance)で潤湿性試験を行う。
この試験は、潤湿時間t0を標準とする。
潤湿時間t0とは、銅片が錫液に接触してから、錫液表面を突破後に、錫液が、銅片に対して潤湿角九十度を形成するまでにかかった時間を指す。
潤湿時間t0が1.5秒より短ければ、潤湿性良好と判定し、「○」と表示する。
潤湿時間t0が1.5〜2.0秒なら、潤湿性可と判定し、「△」と表示する。
潤湿時間t0が2秒を超えたなら、潤湿性失敗と判定し、「X」と表示する。
表1は、本発明による実施例1〜実施例14の鉛フリー錫合金、及び実施例と比較するための比較例1〜比較例8を含む。
しかも、本発明による鉛フリー錫合金の効果評価と試験により、実施例1〜実施例14及び比較例1〜比較例8にそれぞれ抗銅蝕試験、流動性試験及び潤湿性試験を行った。
よって、「その他は錫」或いは「残り量」という用語の意味は、鉛フリー錫合金が100wt%の重量パーセントになるまで補足されると理解されるべきである。
同一実施例或いは同一比較例で、抗銅蝕試験、流動性試験、潤湿性試験の三つの試験を行い、試験結果に任意の「X」が一個出現したなら、表1中の「全体評価結果」欄に「X」が表示され、その実施例或いは比較例は、本発明の要求に符合しないということである。
試験結果中に、任意の「△」が一個出現したなら、表1中の「全体評価結果」欄に「△」が表示され、その実施例或いは比較例は、本発明の要求に符合するということである。
三つの試験結果中にすべて「○」が出現したなら、表1中の「全体評価結果」欄に「○」が表示され、その実施例は本発明の要求に符合するばかりか、最良の実施例であるということである。
鉛フリー錫合金は、4.5wt%の銅、0.2wt%のニッケル、0.05wt%のアンチモニー、0.05wt%のビスマスを含み、その他は錫で、しかもアンチモニーの重量パーセント数値(本実施例は0.05wt%)とビスマスの重量パーセント数値(本実施例は0.05wt%)の総合計は、0.15wt%より小さい(本実施例は0.1wt%に等しい)。
しかも、近似の性質を有する金属或いは成分を絶えず徐々に変化させることで、必要な特性を備えるものを探し、こうして各金属或いは成分の性質が、鉛フリー錫合金の組成物に、より優れた抗銅蝕性、流動性、湿潤性を備えさせられるか否かを最終的に確定する。
よって、表1中の実施例と比較例を以下の通り説明する。
鉛フリー錫合金中に添加する銅の重量パーセントは、抗銅蝕試験の優劣に影響を及ぼす。
銅の重量パーセントが過度に低ければ、鉛フリー錫合金は、抗銅蝕試験を通過することはできない。
銅の重量パーセントが過度に高ければ、好ましい抗銅蝕性を実現できるが、鉛フリー錫合金は、流動性試験及び潤湿性試験を通過することはできない。
比較例7は2.0wt%の銅を採用し、それは抗銅蝕試験では「X」と表示され、銅の重量パーセントが過度に低ければ、合金は抗銅蝕性を通過できないことを示している。
比較例8は、7.0wt%の銅を採用し、それは抗銅蝕試験では「○」と表示されているが、流動性試験、潤湿性試験、「全体評価結果」欄では、「X」と表示されており、銅の重量パーセントが過度に高いなら、合金は、流動性試験及び潤湿性試験を通過できないことを示している。
実施例12は、3.0wt%の銅を採用し、実施例11は4.0wt%の銅を採用し、実施例1〜実施例10は4.5wt%の銅を採用し、実施例13は5.0wt%の銅を採用し、実施例14は6.0wt%の銅を採用するが、それらは表1中の「全体評価結果」欄に「△」或いは「○」が表示されており、鉛フリー錫合金中に3.0〜6.0wt%の銅を含めば、本発明の要求に符合できるということを示している。
特に2.0wt%の銅を採用する比較例7に比べ、銅の含量を3.0wt%まで増やした実施例12を比較すると、実施例12の鉛フリー錫合金は、本発明の要求に符合している。
7.0wt%の銅を採用する比較例8に比べ、銅の含量を6.0wt%まで減らした実施例14を比較すると、実施例14の鉛フリー錫合金は、本発明の要求に符合している。
鉛フリー錫合金中に、添加するニッケルの重量パーセントを高めると、好ましい抗銅蝕性が得られるが、鉛フリー錫合金が、流動性試験及び潤湿性試験を通過できないリスクを招く恐れがある。
比較例5は0.01wt%のニッケルを採用し、抗銅蝕試験では「X」と表示されており、重量パーセントが過度に低いニッケルにより、合金は抗銅蝕性を通過できないことを示している。
比較例6は0.4wt%のニッケルを採用し、抗銅蝕試験では「○」と表示されているが、流動性試験、潤湿性試験、「全体評価結果」欄では、「X」と表示されており、重量パーセントが過度に高いニッケル合金は、流動性試験及び潤湿性試験を通過できないことを示している。
実施例8は0.05wt%のニッケルを採用し、実施例7は0.15wt%のニッケルを採用し、実施例9は0.25wt%のニッケルを採用し、実施例1〜実施例6及び実施例11〜実施例14は0.2wt%のニッケルを採用し、実施例10は0.35wt%のニッケルを採用し、表1中「全体評価結果」欄に「△」或いは「○」が表示されており、鉛フリー錫合金中に0.05〜0.35wt%のニッケルを含めば、本発明の要求に符合できることを示している。
0.01wt%のニッケルを採用する比較例5に比べ、ニッケルの含量を0.05wt%まで増やした実施例8を比較すると、実施例8の鉛フリー錫合金は、本発明の要求に符合している。
0.4wt%のニッケルを採用する比較例6に比べ、ニッケルの含量を0.35wt%まで減らした実施例10を比較すると、実施例10の鉛フリー錫合金は、本発明の要求に符合している。
すなわち、本発明による鉛フリー錫合金は、4.0〜5.0wt%の銅及び0.15〜0.25wt%のニッケルを含む場合が、最も優れている。
比較例5〜8が採用する銅及びニッケルの重量パーセントは、上述の条件にすでに符合しないため、以下では、表1中のすべての実施例と比較例1〜4を討論の対象とする。
比較例1〜3が採用するアンチモニーの重量パーセント数値とビスマスの重量パーセント数値の総合計は、0.15wt%に等しい。
比較例4が採用するアンチモニーの重量パーセント数値とビスマスの重量パーセント数値の総合計は、0.2wt%に等しい。
比較例1〜4は、抗銅蝕試験ですべて「X」と表示されており、すべて抗銅蝕試験を通過していないが、良好な流動性及び潤湿性を備えるということを示している。
実施例6が採用するアンチモニー及びビスマスは共に0.01wt%で、実施例4及び実施例5が採用するアンチモニー及びビスマスは共に0.055wt%で、実施例2及び実施例3が採用するアンチモニー及びビスマスは共に0.105wt%で、実施例7〜実施例14及び実施例1が採用するアンチモニー及びビスマスは共に0.1wt%であるが、表1中「全体評価結果」欄に「△」或いは「○」が表示されており、鉛フリー錫合金中に含まれるアンチモニーの重量パーセント数値とビスマスの重量パーセント数値の総合計が0.15wt%より小さいと、本発明の要求に符合できるということを示している。
特に共に0.15wt%のアンチモニー及びビスマスを採用する比較例1に比べ、アンチモニー及びビスマスの合計含量を0.15wt%以下に減らしたアンチモニー及びビスマスの共同含量の実施例1(実施例1中の数値は0.1wt%)を比較すると、実施例1の鉛フリー錫合金は、本発明の要求に符合している。
鉛フリー錫合金中に添加するアンチモニーの重量パーセントを高めると、好ましい流動性が実現できるが、抗銅蝕性が低下するリスクがある。
実施例2、5、6中において、銅、ニッケル及びビスマスの重量パーセントはすべて相同で、アンチモニーの重量パーセントは、それぞれ実施例6の0.005wt%、実施例5の0.05wt%で、しかも実施例2の0.1wt%まで高める。
以下には注意を要する。
流動性試験結果は、実施例6の受入可(「△」と表示)から、実施例5及び実施例2の良好(「○」と表示)まで引き上げられているが、抗銅蝕試験の結果は、流動性試験の結果とちょうど反対である。
抗銅蝕試験結果は、実施例6の良好(「○」と表示)から、実施例2の受入可(「△」と表示)へと引き下げられている。
実施例2、5、6、1では、表1中「全体評価結果」欄に「△」或いは「○」が表示されており、鉛フリー錫合金中に0.005〜0.1wt%のアンチモニーを含む場合に、本発明の要求に符合できるということを示している。
鉛フリー錫合金中に添加するビスマスの重量パーセントを高めると、好ましい潤湿性を実現できるが、抗銅蝕性が悪くなるリスクがある。
実施例3、4、6中の銅、ニッケル及びアンチモニーの重量パーセントはどれも相同だが、ビスマスの重量パーセントはそれぞれ実施例6の0.005wt%、実施例4の0.05wt%で、しかも実施例3では0.1wt%まで引き上げられている。
以下には注意を要する。
湿潤性試験結果は、実施例6の受入可(「△」と表示)から、実施例3の良好(「○」と表示)へと引き上げられているが、抗銅蝕試験の結果は、湿潤性試験の結果とちょうど反対である。
抗銅蝕試験結果は、実施例6の良好(「○」と表示)から、実施例3の受入可(「△」と表示)へと低下している。
実施例3、4、6、1の表1中「全体評価結果」欄には「△」或いは「○」が表示されており、鉛フリー錫合金中に0.005〜0.1wt%のビスマスを含めば、本発明の要求に符合できるということを示している。
その接合プロセスは、銅線と被接合物とを先に物理方式で、仮結合した後、銅線と被接合物をいっしょに錫槽内に浸し、銅線と被接合物との間は、本発明の鉛フリー錫合金が形成する接合部位により結合される。
本発明は銅蝕現象を緩和し、錫液の流動性を高められるため、この接合部位の銅蝕現象を低下させ、接合部位の外観を改善し、接合部位のブリッジ現象を低下させることができる。
これにより、銅線にフラックスを塗布する必要がない状況下で、鉛フリー錫合金を入れた高温錫槽に銅線を直接浸し、錫メッキ作業を行い、錫メッキ銅線を製造することができる。
しかも、従来の鉛フリー錫合金に比べ、本発明の鉛フリー錫合金は、流動性及び湿潤性に優れるため、形成される錫メッキ層の厚みは相対的に均一で、しかもブリッジ現象を低下させられ、及びより良い抗銅蝕性を備え、製造工程における銅線の断裂を防止することができる。
鉛フリー錫合金を使用する錫メッキ銅線は、表面錫メッキ層の厚みが均一であるばかりか、相対的に信頼性が高い機械構造強度及び抗酸化能力を実現することができる。
11 銅線
12 錫メッキ層
20 錫メッキ銅線
21 銅線
22 錫メッキ層
Claims (9)
- 鉛フリー錫合金は、3.0〜6.0wt%の銅、0.05〜0.35wt%のニッケル、0.005〜0.1wt%のアンチモニー及び0.005〜0.1wt%のビスマスを含み、その他は錫であり、前記アンチモニーの重量パーセント数値と前記ビスマスの重量パーセント数値の総合計は、0.105wt%より小さいことを特徴とする鉛フリー錫合金。
- 前記アンチモニーの重量パーセント数値とビスマスの重量パーセント数値の総合計は、0.1wt%より小さいか、或いは等しいことを特徴とする請求項1に記載の鉛フリー錫合金。
- 前記鉛フリー錫合金は、4.0〜5.0wt%の銅を含むことを特徴とする請求項1に記載の鉛フリー錫合金。
- 前記鉛フリー錫合金は、0.15〜0.25wt%のニッケルを含むことを特徴とする請求項3に記載の鉛フリー錫合金。
- 前記鉛フリー錫合金は、0.005〜0.05wt%のアンチモニーを含むことを特徴とする請求項4に記載の鉛フリー錫合金。
- 前記鉛フリー錫合金は、0.005〜0.05wt%のビスマスを含むことを特徴とする請求項5に記載の鉛フリー錫合金。
- 前記アンチモニーの重量パーセント数値とビスマスの重量パーセント数値の総合計は、0.1wt%より小さいか、或いは等しいことを特徴とする請求項6に記載の鉛フリー錫合金。
- 前記鉛フリー錫合金は、4.5wt%の銅、0.2wt%のニッケル、0.05wt%のアンチモニー及び0.05wt%のビスマスを含むことを特徴とする請求項7に記載の鉛フリー錫合金。
- 請求項1に記載の鉛フリー錫合金により銅線の表面を被覆し、錫メッキ層を形成することを特徴とする鉛フリー錫合金を使用した錫メッキ銅線。
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