JP6476869B2 - 電子デバイス、電子機器および移動体 - Google Patents

電子デバイス、電子機器および移動体 Download PDF

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Description

本発明は、電子デバイス、電子デバイスの製造方法、物理量センサー、電子機器および移動体に関する。
一般に、機械的に可動な構造体を備えた電気機械系構造体としての物理量センサーが知られている。物理量センサーとしては、例えば、物理量(加速度、角速度など)の作用に応じて変位する可動電極と、この可動電極に対向する固定電極との間の静電容量に基づいて物理量を検出する容量型センサーが知られている(例えば、特許文献1に記載の半導体力学センサー)。これは、例えば、支持用の基板と、この基板上に設けられたセンサー素子(固定電極、固定部(アンカー部)、固定部から延出する支持部、支持部によって基板に遊離して支えられた可動電極等)などからなる。また、センサー素子は、例えば、基板(ガラス基板など)に貼り合わせた半導体基板(シリコン基板など)をフォトエッチングなどにより精密加工することにより得られる。
このような容量型センサーにおいては、センサー素子の構成において形成される寄生容量がセンサーの感度を低下させる場合がある。これに対し、特許文献2に記載の半導体力学センサーでは、センサー素子の外周に配置された外周部の電位を固定する手段(シールド電極)を備えることにより、センサー感度の低下を防止する技術が提案されている。
特開平9−211022号公報 特開2007−279056号公報
しかしながら、上述の特許文献2に記載されている半導体力学センサーのように、センサー素子の外周に外周部を備える物理量センサーでは、使用される温度環境により、センサーとしての検出特性が変動してしまうという問題があった。具体的には、外周部からセンサー素子の可動部(可動電極)に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力が、センサー素子の可動部(可動電極)の変位に影響を与え、検出特性が変動してしまう。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電子デバイスは、第1機能素子と、前記第1機能素子の外周の少なくとも一部に配置されている外縁部と、を備え、前記外縁部を平面視したときに、前記外縁部には、溝が第1方向に延在または前記第1方向に沿うように並んで配置された第1溝部が設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、電子デバイスは、第1機能素子と、第1機能素子の外周(電子デバイスを平面視したときの外周)に配置された外縁部とを備えている。そして、外縁部には、第1方向に延在または第1方向に沿うように並んで配置された第1溝部を有している。このような構成において、外縁部は、例えば、外縁部に溝が第1方向に延在または第1方向に沿うように並んで配置された第1溝部が設けられていることにより、外縁部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力は、第1溝部によってその伝達が緩和される。したがって、外部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した電子デバイスを提供することができる。
なお、溝は、外縁部を貫通する溝であっても良いし、有底の溝であっても良い。
[適用例2]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記外縁部を平面視したときに、前記外縁部には、前記溝が前記第1方向と交差する第2方向に延在または前記第2方向に沿うように並んで配置された第2溝部が設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、電子デバイスは、第1機能素子の外縁部に、第1溝部に加えて、第1方向と交差する第2方向に延在または第2方向に沿うように並んで配置された第2溝部を有している。外縁部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力は、少なくとも第1方向あるいは第1方向と交差する第2方向のいずれかの方向のベクトル成分に分解される。本適用例のように、第1溝部と第2溝部とが設けられていることにより、溝に対して、溝の延在方向と交差する方向に作用する応力は、溝によってその伝達が緩和される。したがって、外部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した電子デバイスを提供することができる。
[適用例3]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記第1溝部および前記第2溝部は、前記第1機能素子の外周における少なくとも一方の側に並んで配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、第1方向に延在または並ぶ第1溝部と、第1方向と交差する第2方向に延在または並ぶ第2溝部とが並んで配置されている。この第1溝部と第2溝部により、第1溝部と第2溝部に交差する両方向の、外縁部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力、あるいは応力(歪み)などの伝達を、さらに効果的に抑制することができる。したがって、外部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した電子デバイスを提供することができる。
[適用例4]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記外縁部を平面視したときに、前記外縁部には、前記第1機能素子の中心を通る中心線に対して直交する方向に前記溝が延在または並んで配置されている第3溝部が設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、第1機能素子の中心線に対して直交する方向に溝が延在または並んで配置されている第3溝部により、歪みの比較的大きな角部から中央部に向けて順次角度を変えた溝部を設けることができる。これにより、外縁部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力、あるいは応力(歪み)などの伝達を効率よく抑制することができる。
[適用例5]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記外縁部は、矩形形状であり、前記第3溝部は、前記外縁部の対角線となる前記中心線に対して直交する方向に前記溝が延在または並んで配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、第1方向および第2方向から加わる歪みの比較的大きな外縁部の角部に、対角線に直交する方向に設けられた溝部(第3溝部)を設けることより、第1方向および第2方向から加わる歪み応力を効率よく緩和、抑制することができる。
対角線が設けられる外縁部の角部は、第1機能素子の中心からの距離が大きくなるため、熱膨張などによる歪み(反り)が大きくなる。また、外縁部の角部には、第1方向および第2方向の両方向から歪み(応力)が加わる。これに対して、第3溝部が対角線に直交する方向に設けられているため、第1方向および第2方向から加わる歪み(応力)を、分散しながら効率よく緩和、抑制することができる。
なお、第3溝部は、上述の対角線を中心として、+−(プラスマイナス)10度程度の範囲に設けられていれば、同等の効果を有している。
[適用例6]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記第1機能素子は、固定部と、前記固定部から延出している支持部と、前記支持部によって変位可能に支えられている可動部と、を備えていることが好ましい。
本適用例によれば、電子デバイスは、第1機能素子の外周に配置された外縁部に、第1溝部、第2溝部、および第3溝の少なくとも一つを有している。そのため、第1機能素子が可動部(可動電極)を備え、外縁部に第1機能素子の可動部(可動電極)に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力などを生じた場合であっても、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つによって、その漏れ振動や漏れ力が緩和されることにより、可動部の変位に対する影響が抑制され、第1機能素子における電気的特性の変動が抑制される。つまり、本適用例によれば、可動部を備える電子デバイスにおいて、電気的特性の変動を抑制し、より安定させることができる。
[適用例7]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、第2機能素子を備え、前記第1溝部、前記第2溝部、および前記第3溝部の少なくとも一つが、前記第1機能素子と前記第2機能素子との間に設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、電子デバイスは、第1機能素子に加えて、更に第2機能素子を備えている。また、電子デバイスは、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つを、第1機能素子と第2機能素子との間の領域の絶縁部および基板の外縁部と重なる領域の少なくとも一方に備えている。したがって、第1機能素子と第2機能素子との間に働く応力や、第1機能素子および第2機能素子の一方から他方に伝達される漏れ振動などのエネルギーは、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つの溝部によってその伝達が緩和され、特性に与える影響を抑制させることができる。詳細には、電子デバイスが複数の機能素子を備える場合の、一方の機能素子が発生するノイズが他方の機能素子に影響を与えるなどの、所謂複数の機能素子の相互間の振動干渉により生じる、電子デバイスにおける電気的特性の悪化を抑制することが可能となる。このノイズは、電気的なものだけではなく、外乱などの漏れ振動や漏れ力、あるいは振動など機械的なエネルギーによる場合がある。具体的には、機能素子の構造体が発生あるいは有する熱応力や残留応力や、可動部を有する場合などにおいては、隣接する機能素子に伝達される振動漏れなどがある(以下に記載される「ノイズ」も同様であるため、以下での説明は省略する)。
[適用例8]本適用例に係る電子デバイスは、第1機能素子と、前記第1機能素子の外周の少なくとも一部に配置されている外縁部と、基板を備え、前記第1機能素子は、前記基板の主面上に設けられ、前記基板を平面視したときに、前記外縁部および前記基板の前記外縁部と重なる領域の少なくとも一方には、溝が第1方向に延在または並んで配置された第1溝部、前記溝が前記第1方向と交差する第2方向に延在または並んで配置された第2溝部、および前記第1機能素子の中心を通る中心線に対して直交する方向に前記溝が延在または並んで配置されている第3溝部、の少なくとも一つが設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、電子デバイスは、基板と、基板の主面上に設けられた第1機能素子と、第1機能素子の外周(基板を平面視したときの外周)に配置された外縁部とを備えている。そして、外縁部および基板の外縁部と重なる領域の少なくとも一方には、第1方向に延在または並んで配置された第1溝部、溝が第1方向と交差する第2方向に延在または並んで配置された第2溝部、および第1機能素子の中心を通る中心線に対して直交する方向に溝が延在または並んで配置されている第3溝部、の少なくとも一つを有している。このような構成において、外縁部は、例えば、外縁部に第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つが設けられていることにより、外縁部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力の伝達を抑制することができる。したがって、外部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動や使用される環境の温度変化による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した電子デバイスを提供することができる。
なお、溝は、外縁部および基板の少なくとも一方を貫通する溝であっても良いし、有底の溝であっても良い。
具体的には、基板と基板の主面上の外縁部との間に生ずる熱応力も、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つの溝部によって緩和される。例えば、熱応力によって基板が反ってしまう場合においては、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つによって、その反りが緩和される。その結果、熱膨張係数の差により発生する熱応力が、第1機能素子を変形させてしまったり、第1機能素子が可動部(可動電極)を備える場合には、その変位に影響を与えてしまったりすることが抑制され、第1機能素子が使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制される。つまり、本適用例によれば、第1機能素子が検出する信号の漏れを遮断あるいは低減しながら、使用される環境の温度変化による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した電子デバイスを提供することができる。
[適用例9]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記第1機能素子は、固定部と、前記固定部から延出している支持部と、前記支持部によって変位可能に支えられている可動部と、を備えていることが好ましい。
本適用例によれば、電子デバイスは、第1機能素子の外周に配置された外縁部に、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つを有している。そのため、第1機能素子が可動部(可動電極)を備え、外縁部に第1機能素子の可動部(可動電極)に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力などを生じた場合であっても、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つの溝部によって、その漏れ振動や漏れ力が緩和されることにより、可動部の変位に対する影響が抑制され、第1機能素子における電気的特性の変動が抑制される。つまり、本適用例によれば、可動部を備える電子デバイスにおいて、電気的特性の変動を抑制し、より安定させることができる。
[適用例10]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記固定部は、前記基板の主面上に固定され、前記可動部は、前記支持部によって前記基板から遊離して変位可能に支えられていることが好ましい。
本適用例によれば、基板に支持部を介して支えられている第1機能素子の外周に配置された外縁部は、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つを有している。そのため、第1機能素子が可動部(可動電極)を備え、熱応力や熱応力による変形などを生じた場合であっても、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つの溝部によって、その反りや熱応力が緩和されることにより、可動部の変位に対する影響が抑制され、第1機能素子が使用される環境の温度変化による電気的特性の変動が抑制される。つまり、本適用例によれば、可動部を備える電子デバイスにおいて、使用される環境の温度変化による電気的特性の変動を抑制し、より安定させることができる。
[適用例11]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記基板の主面上には、前記第2機能素子が備えられ、前記第1溝部、前記第2溝部、および前記第3溝部の少なくとも一つが、前記第1機能素子と前記第2機能素子との間に設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、電子デバイスは、基板の主面上に設けられている第1機能素子に加えて、更に第2機能素子を備えている。また、電子デバイスは、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つを、第1機能素子と第2機能素子との間の領域の絶縁部および基板の外縁部と重なる領域の少なくとも一方に備えている。したがって、第1機能素子と第2機能素子との間に働く応力や、一方から他方に伝達される漏れ振動などのエネルギーは、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つの溝部によってその伝達が緩和され、特性に与える影響を抑制させることができる。詳細には、共通の基板上に複数の機能素子を備える場合の、一方の機能素子が発生するノイズが他方の機能素子に影響を与えるなどにより、電子デバイスとしての電気的特性を悪化させることを抑制することが可能となる。
[適用例12]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記第1機能素子と、前記外縁部とは、同一材料であることが好ましい。
本適用例によれば、第1機能素子と、外縁部とが同一材料で形成されていることにより、第1機能素子と外縁部とを同一工程で形成することが可能となり、製造の簡易化を図ることができる。
[適用例13]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記第1方向が、前記第1機能素子の平面視における前記可動部の変位方向であることが好ましい。
本適用例によれば、第1方向は、第1機能素子が備える可動部の変位方向(基板の平面視における変位方向)である。つまり、第1機能素子の外周に配置された外縁部は、第1機能素子を平面視したときに、第1機能素子が備える可動部が変位する方向と同じ方向に延在する第1溝部と、第1機能素子が備える可動部が変位する方向と交差する方向に延在する第2溝部と、第1機能素子の中心を通る中心線に対して直交する方向に溝が延在または並んで配置されている第3溝部とを備えている。これにより、外縁部から第1機能素子の可動部(可動電極)に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力の伝達を、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つによって抑制することができる。これらにより、第1機能素子が検出する信号の漏れや、外部から第1機能素子に与えられるノイズを遮断あるいは低減しながら、外部から第1機能素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した電子デバイスを提供することができる。
また、外縁部が基板の熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する場合、外縁部は、第1機能素子が備える可動部の変位方向と交差する方向に延在する第2溝部を備えるため、第2溝部により、可動部の変位方向に生ずる熱応力をより効果的に緩和することができる。特に、第2溝部が、可動部の変位方向と直角方向に交差して延在する場合に、より効果的に熱応力が緩和される。また、外縁部が第1溝部を備えることにより、基板が外縁部から受ける熱応力自体が抑制される。具体的には、外縁部が、第1機能素子が備える可動部の変位方向に延在する第1溝部を備えることにより、可動部の変位方向において、基板と外縁部との接合面積が減少するため、基板が外縁部から受ける可動部の変位方向に発生する熱応力自体が抑制される。その結果、熱膨張係数の差により発生する熱応力が、第1機能素子を変形させてしまったり、第1機能素子が可動部(可動電極)を備える場合には、その変位に影響を与えてしまったりすることが抑制される。これにより、第1機能素子が使用される環境の温度変化による電子デバイスの電気的特性の変動が抑制される。
[適用例14]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記第1機能素子を平面視したとき、前記第1溝部、前記第2溝部、および前記第3溝部によって構成される図形は、回転対称となるように配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、第1機能素子を平面視したとき、第1溝部、第2溝部、および第3溝部によって構成される図形が回転対称となるように第1溝部、第2溝部、および第3溝部を配置することにより、外縁部から第1機能素子の可動部(可動電極)に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力の伝達をより効果的に抑制することができることや温度変化による検出特性の変動をより効果的に抑制することができる。
具体的には、第1機能素子を平面視したとき、外部応力や熱応力などを緩和することが可能な第1溝部および第2溝部によって構成される図形が、回転対称となるように配置されている。すなわち、外部応力や熱応力などを緩和する効果は、少なくとも回転対称として重なる領域同士のバランスが取れる。従って、例えば、基板に反りなどが発生する場合であっても、応力バランスが崩れて、意図しない歪が発生してしまうことなどが軽減され、より安定して応力緩和をすることができる。なお、回転対称となるように配置されるとは、自然数nにおいて、n+1回回転対称に配置されることを意味している。
[適用例15]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記第1溝部、前記第2溝部、および前記第3溝部の少なくとも一つが、前記第1機能素子の厚さ方向において、前記外縁部または前記基板を貫通していることが好ましい。
本適用例のように、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つが、第1機能素子の厚さ方向において、外縁部または基板を貫通して設けられることにより、より効果的に温度変化による検出特性の変動を抑制することができる。具体的には、例えば上述した応力緩和効果において、応力を緩和する溝(第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つ)が、外縁部または基板を貫通する溝として形成されているため、溝の底部として残された外縁部または基板(残留底部)が無く、従って、その残留底部において伝達される応力が無くなる。また、溝を貫通させることにより、基板と外縁部との接合面積が減少するため、基板と外縁部との熱膨張係数の差により発生する熱応力自体の大きさもより小さくすることができる。その結果、熱応力をより効果的に緩和することができ、より効果的に温度変化による電子デバイスの電気的特性の変動を抑制することができる。
[適用例16]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記外縁部は、固定電位であることが好ましい。
本適用例によれば、外縁部が固定電位で構成されているため、より効果的にシールド効果を得ることができる。
[適用例17]上記適用例に係る電子デバイスにおいて、前記溝部は、複数の前記溝を含む溝群であることが好ましい。
本適用例によれば、溝部が複数の溝で構成されていても、外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動を抑制することができる。
[適用例18]本適用例に係る電子デバイスの製造方法は、基板に凹陥部を形成する工程と、前記基板に前記凹陥部に対向させて機能素子基板を接合する工程と、前記機能素子基板をパターニング加工し、機能素子と、外縁部と、前記外縁部にあって、溝が第1方向に延在または並んで配置された第1溝部、および前記第1方向と交差する第2方向に前記溝が延在または並んで配置された第2溝部と、を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、基板に形成された凹陥部に対向させて機能素子基板を接合し、その後機能素子基板をパターニング加工し、機能素子と、外縁部と、外縁部にあって第1方向に延在または並んで配置された第1溝部および第1方向と交差する第2方向に延在または並んで配置された第2溝部とを形成する。このように、基板に接合された機能素子基板から、機能素子と、外縁部と、第1溝部と、第2溝部とを、同一工程で形成することができる。換言すれば、容易に機能素子と、外縁部と、第1溝部と、第2溝部とを形成することができる。
[適用例19]本適用例に係る物理量センサーは、第1センサー素子と、前記第1センサー素子の外周の少なくも一部に配置されている外縁部と、を備え、前記外縁部を平面視したときに、前記外縁部には、溝が第1方向に延在または前記第1方向に沿うように並んで配置された第1溝部が設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、物理量センサーは、第1センサー素子と、第1センサー素子の外周(基板を平面視したときの外周)に配置された外縁部とを備えている。そして、外縁部には、第1方向に溝が延在または第1方向に沿うように並んで配置された第1溝部を有している。このような構成において、外縁部は、例えば、第1センサー素子が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子に与えるノイズを遮断あるいは低減する効果を有するシールド電極として構成することができる。外縁部をシールド電極として構成する場合には、第1センサー素子の外周をより広い面積で取り囲むことがより効果的である。本適用例のように、外縁部に、第1方向に延在または並んで配置された第1溝部が設けられていることにより、外縁部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力は、第1溝部によってその伝達が緩和される。したがって、第1センサー素子の外周をより広い面積で取り囲むことが可能となる。これらにより、外部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサーを提供することができる。
なお、溝は、外縁部を貫通する溝であっても良いし、有底の溝であっても良い。
[適用例20]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記外縁部を平面視したときに、前記外縁部には、前記溝が前記第1方向と交差する第2方向に延在または前記第2方向に沿うように並んで配置された第2溝部が設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、物理量センサーは、第1センサー素子の外縁部に、第1方向に延在または第2方向に沿うように並んで配置された第1溝部に加えて、第1方向と交差する第2方向に延在または並んで配置された第2溝部を有している。外縁部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力は、少なくとも第1方向あるいは第1方向と交差する第2方向のいずれかの方向のベクトル成分に分解される。本適用例のように、第1方向に延在または並んで配置された第1溝部と、第1方向と交差する第2方向に延在または並んで配置された第2溝部とが設けられていることにより、第1溝部または第2溝部に対して、溝の延在する方向または並ぶ方向と交差する方向に作用する応力は、溝によってその伝達が緩和される。したがって、外部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサーを提供することができる。
[適用例21]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記第1溝部および前記第2溝部は、前記第1センサー素子の外周における少なくとも一方の側に並んで配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、物理量センサーは、第1方向に延在または並ぶ第1溝部と、第1方向と交差する第2方向に延在または並ぶ第2溝部とが並んで配置されている。この第1溝部と第2溝部により、第1溝部と第2溝部に交差する両方向の、外縁部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力、あるいは応力(歪み)などの伝達を抑制することができる。したがって、外部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサーを提供することができる。
[適用例22]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記外縁部を平面視したときに、前記外縁部には、前記第1センサー素子の中心を通る中心線に対して直交する方向に前記溝が延在または並んで配置されている第3溝部が設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、物理量センサーは、第1センサー素子の中心線に対して直交する方向に溝が延在または並んで配置されている第3溝部により、歪みの比較的大きな角部から中央部に向けて順次角度を変えた溝部を設けることができる。これにより、外縁部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力、あるいは応力(歪み)などの伝達を効率よく抑制することができる。
[適用例23]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記溝部は、複数の前記溝を含む溝群であることが好ましい。
本適用例によれば、溝部が複数の溝で構成されていても、外部からセンサー素子に与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を得ることができる。
[適用例24]本適用例に係る物理量センサーは、第1センサー素子と、前記第1センサー素子の外周の少なくとも一部に配置されている外縁部と、基板を備え、前記第1センサー素子は、前記基板の主面上に設けられ、前記基板を平面視したときに、前記外縁部および前記基板の前記外縁部と重なる領域の少なくとも一方には、溝が第1方向に延在または並んで配置された第1溝部、前記溝が前記第1方向と交差する第2方向に延在または並んで配置された第2溝部、および前記第1センサー素子の中心を通る中心線に対して直交する方向に前記溝が延在または並んで配置されている第3溝部、の少なくとも一つが設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、物理量センサーは、基板と、基板の主面上に設けられた第1センサー素子と、第1センサー素子の外周(基板を平面視したときの外周)に配置された外縁部とを備えている。そして、外縁部および基板の外縁部と重なる領域の少なくとも一方には、溝が第1方向に延在または並んで配置された第1溝部、溝が前記第1方向と交差する第2方向に延在または並んで配置された第2溝部、および前記第1センサー素子の中心を通る中心線に対して直交する方向に前記溝が延在または並んで配置されている第3溝部の少なくとも一つを有している。このような溝部の構成により、外縁部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力の伝達を抑制したり、外縁部と基板とが、異なる熱膨張係数を有する場合に発生する熱応力緩和したりすることができる。これらにより、外部から第1センサー素子に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動や使用される環境の温度変化による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサーを提供することができる。
具体的に、例えは、基板と基板の主面上の外縁部との間に生ずる熱応力も、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つの溝部によって緩和される。例えば、熱応力によって基板が反ってしまう場合においては、第1溝、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つによって、その反りが緩和される。その結果、熱膨張係数の差により発生する熱応力が、第1センサー素子を変形させてしまったり、第1センサー素子が可動部(可動電極)を備える場合には、その変位に影響を与えてしまったりすることが抑制され、第1センサー素子が使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制される。つまり、本適用例によれば、第1センサー素子が検出する信号の漏れを遮断あるいは低減しながら、使用される環境の温度変化による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサーを提供することができる。
なお、溝は、外縁部および基板の少なくとも一方を貫通する溝であっても良いし、有底の溝であっても良い。
[適用例25]上記適用例に係る物理量センサーにおいて、前記基板の主面上に設けられている第2センサー素子を備え、前記第1溝部、前記第2溝部、および前記第3溝部の少なくとも一つが、前記第1センサー素子と前記第2センサー素子との間に設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、物理量センサーは、物理量センサーは、第1センサー素子に加えて、更に第2センサー素子を備えている。また、物理量センサーは、第1溝部、第2溝部、および第3溝部を、第1センサー素子と第2センサー素子との間の領域の絶縁部に備えている。したがって、第1センサー素子と第2センサー素子との間に働く応力や、第1センサー素子および第2センサー素子の一方から他方に伝達される漏れ振動などのエネルギーは、第1溝部、第2溝部、および第3溝部の少なくとも一つの溝によってその伝達が抑制され、特性に与える影響を減少させることができる。詳細には、物理量センサーが複数のセンサー素子を備える場合の、一方のセンサー素子が発生するノイズが他方のセンサー素子に影響を与えるなどの、所謂複数のセンサー素子の相互間の振動干渉により生じる、物理量センサーにおける電気的特性の悪化を抑制することが可能となる。
[適用例26]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に係る電子デバイスを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器として、使用される環境の温度変化などによる検出特性の変動が抑制され、より安定した検出特性の電子デバイスを備えることにより、より温度特性が安定した電子機器を提供することができる。
[適用例27]本適用例に係る移動体は、上記適用例に係る電子デバイスを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、移動体として、使用される環境の温度変化などによる検出特性の変動が抑制され、より安定した検出特性の電子デバイスを備えることにより、より温度変化などの環境特性が安定した移動体を提供することができる。
(a)〜(c)は電子デバイスの実施形態1に係る物理量センサーを示す模式図。 (a)〜(c)は電子デバイスの実施形態1に係る物理量センサーの変形例1〜3を模式的に示す平面図。 (a)、(b)は電子デバイスの実施形態1に係る物理量センサーの変形例4、5を模式的に示す平面図、(c)は溝の形状の変形例を示す平面図。 (a)〜(c)は電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサーを示す模式図。 (a)は実施形態2に係る物理量センサーにおける基板とシリコン基板とを貼り合わせた状態を示す模式図。(b)は図4(a)のB−B断面図。 (a)〜(d)は、実施形態2に係る物理量センサーの製造方法を模式的に示す正断面図。 (a)〜(c)は電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサーの変形例6〜8を模式的に示す平面図。 (a)、(b)は電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサーの変形例9、10を模式的に示す平面図。 (a)〜(c)は電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサーの変形例11〜13を模式的に示す平面図。 (a)、(b)は電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサーの変形例14、15を模式的に示す平面図。 電子デバイスの実施形態3に係る物理量センサーを示す断面図。 (a)は外縁部の第1溝部、第2溝部、および第3溝部の変形例16を示す平面図、(b)は外縁部の第1溝部、第2溝部、および第3溝部の変形例17を示す平面図。 (a)は電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図、(b)電子機器の一例としての携帯電話機の構成を示す斜視図。 電子機器の一例としてのデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。 移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図。
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。
(実施形態1)
まず、電子デバイスの実施形態1に係る物理量センサーについて説明する。図1(a)〜図1(c)は、電子デバイスの実施形態1に係る物理量センサーを示す模式図であり、図1(a)は、平面図、図1(b)は、物理量センサーが備えるセンサー部としての第1センサー素子の平面図、図1(c)は図1(b)のA−A断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図に付記するXYZ軸において、X方向を右方向、X軸方向(±X方向)を横方向、Y方向を奥行方向、Y軸方向(±Y方向)を前後方向、Z方向を上方向、Z軸方向(±Z方向)を上下方向として説明する。
(物理量センサーの構成)
物理量センサー1は、センサー部としての第1センサー素子(第1機能素子)98、および外縁部90などを備えている。第1センサー素子98は、センシング部2、配線30などを備えている。センシング部2は、可動部としての可動電極50、固定電極60などを備えている。可動電極50は、固定部41,42、固定部41から延出している支持部51,52、可動電極指53,54、可動基部55などを備えている。なお、センサー部を構成する第1センサー素子(第1機能素子)98、および外縁部90は、同一材料から形成されている。第1センサー素子(第1機能素子)98、および外縁部90が、同一材料で形成された構成は、第1センサー素子(第1機能素子)98と外縁部90とが別々に形成される構成と比較して物理量センサー1を容易に形成することが可能となる。なお、物理量センサー1は、被接合部材としての板状体の基板3に接合されていてもよい。基板3は、主面としての上面に、凹陥部70が設けられている。この凹陥部70は、第1センサー素子98を平面視したときに、センシング部2の可動電極50(支持部51,52、可動電極指53,54、可動基部55)が収まる領域に形成されていることが好ましい。凹陥部70は、可動電極50(支持部51,52、可動電極指53,54、可動基部55)を基板3から遊離させるための逃げ部として形成される。
可動基部55は、長手方向がX方向を向く長方形の板状体であり、外縁部90との間に支持部51,52を介して支えられている。より具体的には、可動基部55の図中左側の端部が支持部51を介して外縁部90に連結されるとともに、可動基部55の図中右側の端部が支持部52を介して外縁部90に連結されている。
可動基部55の+Y側の長辺部分からは、複数の(本実施形態では3つの)梁状の可動電極指53が+Y方向に、可動基部55の−Y側の長辺部分からは、複数の(本実施形態では3つの)梁状の可動電極指54が−Y方向に延出している。
支持部51,52は、可動基部55を外縁部90に対して変位可能に連結している。本実施形態では、支持部51,52は、図1(b)にて矢印aで示すように、X軸方向に可動基部55を変位し得るように構成されている。
Y軸方向に延出する複数の可動電極指53および複数の可動電極指54は、それぞれ、可動電極50の変位するX軸方向に並んで設けられている。
支持部51は、具体的には、2つ(一対)の梁で構成されており、それぞれ、Y軸方向に蛇行しながら+X方向に延びる形状をなしている。換言すると、それぞれの梁は、Y軸方向に複数回(本実施形態では3回)折り返された形状をなしている。なお、各梁の折り返し回数は、1回または2回であってもよいし、4回以上であってもよい。
支持部52も同様に、Y軸方向に蛇行しながら−X方向に延びる形状をなす一対の梁で構成されている。
固定電極60は、可動電極50の複数の可動電極指53,54に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指61,62を備えている。
固定電極指61は、1つの可動電極指53を、間隔を隔てて挟むように、X軸方向の両側に対向して一対ずつ配置されている。換言すれば、一対の固定電極指61、即ち2つの固定電極指61が3か所に配置されている。また、同様に、固定電極指62は、1つの可動電極指54を、間隔を隔てて挟むように、X軸方向の両側に一対ずつ対向して配置されている。換言すれば、一対の固定電極指62、即ち2つの固定電極指62が3か所に配置されている。
固定電極指61,62は、第1センサー素子98(物理量センサー1)の主面上において、第1センサー素子98を平面視したときに、第1センサー素子98の外縁部90側の領域に、それぞれ一方の端部が接合されている。具体的には、固定電極指61は、可動電極50側とは反対側(可動電極50に対して+Y側)の端部が、それぞれ、第1センサー素子98の外縁部90側に接合されている。また、各固定電極指61は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が−Y方向へ延出している。同様に、固定電極指62は、可動電極50側とは反対側(可動電極50に対して−Y側)の端部が、それぞれ、第1センサー素子98の外縁部90側に接合されており、その固定された側の端を固定端とし、自由端が+Y方向へ延出している。
このような構成により、固定電極指61の内の可動電極指53の+X側に位置する固定電極指61(以下第1固定電極指と言う。)と可動電極指53との間の静電容量、および、固定電極指61の内の可動電極指53の−X側に位置する固定電極指61(以下第2固定電極指と言う。)と可動電極指53との間の静電容量を可動電極50の変位に応じて変化させることができる。
同様に、固定電極指62の内の可動電極指54の+X側に位置する固定電極指62(以下、同様に第1固定電極指と言う。)と可動電極指54との間の静電容量、および、固定電極指62の内の可動電極指54の−X側に位置する固定電極指62(以下、同様に第2固定電極指と言う。)と可動電極指54との間の静電容量を可動電極50の変位に応じて変化させることができる。
第1固定電極指と第2固定電極指とは、互いに分離しており、電気的に絶縁されている。そのため、第1固定電極指と可動電極50(可動電極指53,54)との間の静電容量、および第2固定電極指と可動電極50(可動電極指53,54)との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
つまり、センシング部2は、例えば、加速度や角速度などの物理量の変化に応じて、可動電極50(可動電極指53,54)が、支持部51,52を弾性変形させながら、X軸方向(+X方向または−X方向)に変位する。第1センサー素子98は、このような変位に伴って変化する静電容量に基づいて、加速度や角速度などの物理量を検出することができる。つまり、第1センサー素子98は、容量型加速度センサーである。
なお、可動電極50および固定電極60の形状は、センシング部2を構成する各部の形状、大きさなどに応じて決められるものであり、上述した構成に限定されない。
配線30は、上記の静電容量を検出するための電気接続配線であり、物理量センサー1の主面(第1センサー素子98の主面)に形成された凹部71に沿って敷設されている。配線30は、第1固定電極指を結線し外部回路と接続するための電極31aに接続する配線と、第2固定電極指を結線し外部回路と接続するための電極31bに接続する配線と、可動電極50と外部回路と接続するための電極31cに接続する配線とがそれぞれ設けられている。配線30と凹部71との間に絶縁層を有していてもよい。絶縁層としては、例えば二酸化ケイ素(SiO2)などがある。すなわち、配線30と外縁部90とは、電気的に絶縁されていてもよい。
凹部71は、第1センサー素子98の外縁部90側の領域において、配線30が敷設される領域として設けられている。すなわち、凹部71は、第1センサー素子98を平面視したときに、配線30の敷設されている領域が凹部71の領域に収まるように形成されている。凹部71の深さ寸法(第1センサー素子98の厚み方向の寸法)は、後述するコンタクト部を除き、配線30の厚さ寸法よりも大きくなっている。配線30と、第1、第2固定電極指の結線は、コンタクト部80によって行われる。
配線30の構成材料としては、それぞれ、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができるが、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium zinc oxide)、In23、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnOなどの酸化物(透明電極材料)、Au、Pt、Ag、Cu、Alまたはこれらを含む合金などが挙げられ、これらの内の1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
外縁部90は、第1センサー素子98が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子98に与えるノイズを遮断あるいは低減する効果を有するシールド電極としての機能を含んでいる。外縁部90は、図1(a)に示すように、物理量センサー1の主面上において、物理量センサー1を平面視したとき、第1センサー素子98の外周領域に配置されている。
具体的には、物理量センサー1の主面上中央部において、第1センサー素子98は、平面視矩形の領域を占めて構成されている。また、物理量センサー1の主面上中央部において、外縁部90は、第1センサー素子98を囲むように、額縁状に形成されている。外縁部90には、配線(図示省略)により、例えば接地電位などの固定電位が与えられる。このように外縁部90を、接地電位や定電位などの固定電位とすることで、外縁部90がシールド電極としての効果を有する。
また、外縁部90は、物理量センサー1を平面視したときに、第1方向としてのX軸方向に延在する複数の第1溝部92を有している。つまり、第1溝部92が延在する第1方向は、可動部(可動電極50)の変位方向である。第1溝部92は、外縁部90の上面から下面に貫通する孔溝(溝)であり、X軸方向の長さW1が、額縁状を成す外縁部90の枠幅WL1の約70%、Y軸方向の幅W2が外縁部90の枠幅WL2の約10%の大きさである。なお、枠幅、孔溝(溝)の幅については、以下の説明においても同様に定義している。第1溝部92は、外縁部90の枠の領域に略等間隔で配置されている。なお、第1溝部92の大きさや数は、上述した内容に限定するものではない。例えば、長さや幅をより小さくして、より数多く配置する構成でも良い。ただし、シールド電極としての効果を損なわない範囲で設ける必要がある。本形態のように、複数の第1溝部92が、所定の間隔を有して配列されていることにより、一つの溝を外縁部に沿って設ける構成と比して、外縁部90aの強度低下を防止することができるとともに、シールド電極としての効果の低減を防止することもできる。
物理量センサー1を構成する材料には、好適例としてシリコンを用いている。このように、第1センサー素子98と、外縁部90とが同一材料から形成されていることにより、その製造に当たって、それらは、一体に、例えば、一枚のシリコン基板をパターニング加工することにより形成されることが可能となり、製造の簡易化を図ることができる。
また、シリコン基板は、エッチングにより高精度に加工することができる。そのため、物理量センサー1を、シリコン基板を主材料として構成することにより、センシング部2などの寸法精度を優れたものとし、その結果、第1センサー素子98の高感度化を図ることができる。
また、物理量センサー1を構成するシリコン材料には、リン、ボロンなどの不純物がドープされていることが好ましい。これにより、物理量センサー1は、第1センサー素子98(センシング部2)の導電性、および外縁部90のシールド電極としてのシールド性を優れたものとすることができる。
なお、物理量センサー1の構成材料としては、シリコン基板に限定するものではなく、静電容量の変化に基づく物理量の検出が可能な材料であれば良い。
以上述べたように、本実施形態による物理量センサー1によれば、以下の効果を得ることができる。
物理量センサー1は、第1機能素子としての第1センサー素子98の外周(物理量センサー1を平面視したときの外周)に配置された外縁部90とを備えている。そして、外縁部90には、第1方向に延在する第1溝部92が並設されている。このような構成において、外縁部90は、例えば、第1センサー素子98が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子98に与えるノイズを遮断あるいは低減する効果を有するシールド電極とすることができる。外縁部90をシールド電極として構成する場合には、第1センサー素子98の外周をより広い面積で取り囲むことがより効果的である。本適用例のように、外縁部90に第1溝部92が設けられていることにより、外縁部90から第1センサー素子98に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力は、第1溝部92によってその伝達が緩和される。したがって、第1センサー素子98の外周をより広い面積で取り囲むことが可能となる。これらにより、第1センサー素子98が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子98に与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有しながら、外部から第1センサー素子98に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した電子デバイスとしての物理量センサー1を得ることができる。
また、第1センサー素子98と、外縁部90と、外縁部90の第1溝部92とが、同一材料から形成されていることにより、その製造に当たって、一体に、例えば、一枚のシリコン基板をパターニング加工することにより形成されることが可能となり、物理量センサー1を容易に製造することができる。
(実施形態1の変形例)
ここで、実施形態1に係る物理量センサー1の変形例について、図2および図3を参照して説明する。図2は、実施形態1に係る物理量センサー1の変形例1〜変形例3を模式的に示す平面図であり、図2(a)は変形例1、図2(b)は変形例2、図2(c)は変形例3を示す。図3は、実施形態1に係る物理量センサー1の変形例4、変形例5を模式的に示す平面図であり、図3(a)は変形例4、図3(b)は変形例5、図3(c)は溝の形状の変形例を示す。図2(a)〜図2(c)に示す変形例の物理量センサー1a,1b,1c、および図3(a)、図3(b)に示す変形例の物理量センサー1d,1eは、実施形態1の物理量センサー1と、外縁部90に設けられている溝部(物理量センサー1では第1溝部92)の構成が異なっている。以下、変形例1〜5の説明では、前述の実施形態1の物理量センサー1との相違点を中心に説明し、同様構成については同符号を付して説明を省略することもある。
(変形例1)
図2(a)に示す物理量センサー1aは、前述の物理量センサー1と同様にセンサー部としての第1センサー素子(第1機能素子)98、および外縁部90などを備えている。なお、第1センサー素子98は、前述の物理量センサー1と同様であるので説明を省略する。
第1センサー素子98の外周領域に配置されている外縁部90には、物理量センサー1aを平面視したときに、第1方向としてのX軸方向に延在する複数の第1溝部92と、第1方向(X軸方向)と交差する第2方向としてのY軸方向に延在する複数の第2溝部93とを有している。なお、第1溝部92が延在する第1方向は、可動部(可動電極50:図1参照)の変位方向である。
第1溝部92は、外縁部90の上面から下面に貫通する孔溝(溝)であり、X軸方向の長さが、額縁状を成す外縁部90の枠幅の約70%、Y軸方向の幅が外縁部90の枠幅の約10%の大きさである。第1溝部92は、外縁部90の枠の領域に略等間隔で配置されている。
第2溝部93は、第1溝部92と同様に、外縁部90を貫通する孔溝(溝)であり、Y軸方向の長さが、額縁状を成す外縁部90の枠幅の約70%、X軸方向の幅が外縁部90の枠幅の約10%の大きさである。第2溝部93は、略等間隔に配置された第1溝部92の間あるいはその隣に交互に並ぶように略等間隔に配置されている。このように、第1溝部92と第2溝部93とが並んで配置されることにより、外乱などの漏れ振動や漏れ力の伝達をさらに効果的に抑制することができる。
また、第1溝部92および第2溝部93は、物理量センサー1aを平面視したとき、第1溝部92および第2溝部93によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
なお、第1溝部92および第2溝部93の大きさや数は、上述した内容に限定するものではない。例えば、長さや幅をより小さくして、より数多く配置する構成でも良い。また、第1溝部92および第2溝部93を連続させ、例えば十字形やT字形やL字形に構成しても良い。ただし、シールド電極としての効果を損なわない範囲で設ける必要がある。また、第1溝部92および第2溝部93によって構成される図形が回転対称となる配置とすることが好ましい。
このような変形例1に係る物理量センサー1aによれば、第1センサー素子98の外縁部90に、第1方向に延在する第1溝部92に加えて、第1方向と交差する第2方向に延在する第2溝部93を有している。外縁部90から第1センサー素子98に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力は、少なくとも第1方向あるいは第1方向と交差する第2方向のいずれかの方向のベクトル成分に分解される。本適用例のように、第1溝部92と第2溝部93とが設けられていることにより、溝に対して、溝の延在方向と交差する方向に作用する応力は、溝によってその伝達が緩和される。したがって、第1センサー素子98が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子98に与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有しながら、外部から第1センサー素子98に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー1aを得ることができる。
(変形例2)
図2(b)に示す物理量センサー1bは、前述の物理量センサー1と同様にセンサー部としての第1センサー素子(第1機能素子)98、および外縁部90などを備えている。なお、第1センサー素子98は、前述の物理量センサー1と同様であるので説明を省略する。
第1センサー素子98の外周領域に配置されている外縁部90には、物理量センサー1bを平面視したときに、第1方向としてのX軸方向にドット状の溝9が並んで配置された第1溝群92´と、第1方向(X軸方向)と交差する第2方向としてのY軸方向にドット状の溝9が並んで配置された第2溝群93´とを有している。なお、第1溝群92´および第2溝群93´は、複数設けられている。また、第1溝群92´が延在する第1方向は、可動部(可動電極50:図1参照)の変位方向である。また、第1溝群92´は、第1溝部92に、第2溝群93´は、第2溝部93に、それぞれ置き換えることもできる。
第1溝群92´および第2溝群93´を構成するドット状の溝9は、外縁部90の上面から下面に貫通する、平面形状が略円形を成した孔溝(溝)である。複数のドット状の溝9で構成された第1溝群92´は、X軸方向の長さが、額縁状を成す外縁部90の枠幅の約70%、Y軸方向の幅が外縁部90の枠幅の約10%の大きさである。第1溝群92´は、外縁部90の枠の領域に略等間隔で配置されている。
複数のドット状の溝9で構成された第2溝群93´は、第1溝群92´と同様に、Y軸方向の長さが、額縁状を成す外縁部90の枠幅の約70%、X軸方向の幅が外縁部90の枠幅の約10%の大きさである。第2溝群93´は、略等間隔に配置された第1溝群92´の間あるいはその隣に交互に並ぶように略等間隔に配置されている。
また、第1溝群92´および第2溝群93´は、物理量センサー1bを平面視したとき、第1溝群92´および第2溝群93´によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
なお、ドット状の溝9の数や第1溝群92´および第2溝群93´の大きさや数は、上述した内容に限定するものではない。例えば、ドット状の溝9の数を減らして第1溝群92´および第2溝群93´の長さを短くしたり、ドット状の溝9の直径を小さくして第1溝群92´および第2溝群93´の幅を狭くしたりして、より数多く配置する構成でも良い。また、変形例1と同様に、第1溝群92´および第2溝群93´を連続させ、例えば十字形やT字形やL字形に構成しても良い。ただし、シールド電極としての効果を損なわない範囲で設ける必要がある。また、第1溝群92´および第2溝群93´によって構成される図形が回転対称となる配置とすることが好ましい。
このような変形例2に係る物理量センサー1bによれば、第1センサー素子98の外縁部90に、第1方向にドット状の溝9が並んで配置された第1溝群92´と、第1方向と交差する第2方向にドット状の溝9が並んで配置された第2溝群93´を有している。このような構成の第1溝群92´および第2溝群93´が設けられていることにより、変形例1と同様に、溝に対して、溝の延在方向と交差する方向に作用する応力は、この第1溝群92´および第2溝群93´によってその伝達が緩和される。したがって、第1センサー素子98が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子98に与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有しながら、外部から第1センサー素子98に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー1bを得ることができる。
(変形例3)
図2(c)に示す物理量センサー1cは、前述の物理量センサー1と同様にセンサー部としての第1センサー素子(第1機能素子)98、および外縁部90などを備えている。なお、第1センサー素子98は、前述の物理量センサー1と同様であるので説明を省略する。
変形例3の物理量センサー1cは、平面形状が矩形形状をなした外縁部90を備えており、この外縁部90に、前述した変形例1の物理量センサー1aと同様な第1溝部92および第2溝部93に加えて、第3溝部91が設けられている。
第3溝部91は、物理量センサー1cを平面視したときに、外縁部90の四隅を通る二つの対角線CL1,CL2に対して直交する方向に延在している。なお、対角線CL1,CL2は、物理量センサー1cの中心Gを通る中心線と言い換えることができる。そして、第3溝部91は、外縁部90の四隅に在って、対角線CL1,CL2に対して略対称形状に配置されている。
第3溝部91は、第1溝部92および第2溝部93と同様に、外縁部90の上面から下面に貫通する孔溝(溝)である。なお、第3溝部91の延在方向の長さや幅は、第1溝部92および第2溝部93と同程度に設けられる。また、第3溝部91は、複数のドット状の溝9からなる第3溝群91´(図示せず)であってもよい。
なお、第3溝部91は、対角線CL1,CL2を中心とした+−(プラスマイナス)10度程度の範囲に設けられていれば、同等の効果を有している。
また、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91は、物理量センサー1cを平面視したとき、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
また、第3溝部91は、例えば、物理量センサー1cの中心Gを基準とした同心円に重なる一部を用いるなど、円弧状をなしていても良い。
このような変形例3に係る物理量センサー1cによれば、第1センサー素子98の外縁部90に、第1方向に延在する第1溝部92および第1方向と交差する第2方向に延在する第2溝部93に加えて、外縁部90の四隅を通る二つの対角線CL1,CL2に対して直交する方向に延在する第3溝部91が設けられている。したがって、変形例1と同様に、溝に対して、溝の延在方向と交差する方向に作用する応力は、この第1溝部92および第2溝部93によってその伝達が緩和される。
また、これに加えて、外縁部90の四隅に設けられた第3溝部91により、第1方向および第2方向からの例えば熱歪みなどが集中し、比較的大きな歪み応力を生じる角部(四隅部分)の歪み応力を効率よく緩和、抑制することができる。対角線CL1,CL2が設けられる外縁部90の角部(四隅)は、第1センサー素子98の中心Gからの距離が大きくなるため、熱膨張などによる歪み(反り)が大きくなる。また、外縁部90の角部(四隅)には、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)の両方向から歪み(応力)が加わる。これに対して、第3溝部91が対角線に直交する方向に設けられているため、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)から加わる歪み(応力)を、分散しながら効率よく緩和、抑制することができる。
これらにより、第1センサー素子98が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子98に与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有しながら、外部から第1センサー素子98に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー1cを得ることができる。
(変形例4)
図3(a)に示す物理量センサー1dは、前述の物理量センサー1と同様にセンサー部としての第1センサー素子(第1機能素子)98、および外縁部90などを備えている。なお、第1センサー素子98は、前述の物理量センサー1と同様であるので説明を省略する。
変形例4の物理量センサー1dは、物理量センサー1dを平面視したときに、長辺方向の外縁部90に配置された変形例1と同様の第1溝部92および第2溝部93とが設けられている。また、同様に、短辺方向に対向する外縁部90には、第1センサー素子の中心を通る中心線CL1〜CL5に対して直交する方向に延在されている第3溝部91,91a,91bが設けられている。ここで、外縁部90の四隅を通る二つの中心線(対角線)CL1,CL2に対して直交する方向に延在する溝部が変形例3で説明した第3溝部91である。また、外縁部90の延在方向と直交する方向(X軸方向)に沿った中心線CL4上には、第2溝部93が設けられることになる。
第3溝部91,91a,91bは、第1溝部92および第2溝部93と同様に、外縁部90の上面から下面に貫通する孔溝(溝)である。なお、第3溝部91,91a,91bの延在方向の長さや幅は、第1溝部92および第2溝部93と同程度に設けられる。
なお、第3溝部91,91a,91bは、中心線(対角線)CL1,CL2を中心とした+−(プラスマイナス)10度程度の範囲に設けられていれば、同等の効果を有している。
また、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91,91a,91bは、物理量センサー1dを平面視したとき、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91,91a,91bによって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
また、第3溝部91,91a,91bは、例えば、物理量センサー1dの中心Gを基準とした同心円に重なる一部を用いるなど、円弧状をなしていても良い。
このような変形例4に係る物理量センサー1dによれば、第1センサー素子98の外縁部90に、第1方向に延在する第1溝部92および第1方向と交差する第2方向に延在する第2溝部93に加えて、外縁部90の四隅を通る二つの中心線(対角線)CL1,CL2および中心線CL3,CL5に対して直交する方向に延在する第3溝部91,91a,91bが設けられている。したがって、変形例1と同様に、溝に対して、溝の延在方向と交差する方向に作用する応力は、この第1溝部92および第2溝部93によってその伝達が緩和される。
また、これに加えて、外縁部90の四隅に設けられた第3溝部91および他の第3溝部91a,91bにより、第1方向および第2方向からの例えば熱歪みなどが集中し、比較的大きな歪み応力を生じる角部(四隅部分)の歪み応力を、さらに効率よく緩和、抑制することができる。これらにより、第1センサー素子98が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子98に与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有しながら、外部から第1センサー素子98に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー1dを得ることができる。
(変形例5)
図3(b)に示す物理量センサー1eは、前述の物理量センサー1と同様にセンサー部としての第1センサー素子(第1機能素子)98、および外縁部90などを備えている。第1センサー素子98は、前述の物理量センサー1と同様であるので説明を省略する。
変形例5の物理量センサー1eは、物理量センサー1eを平面視したときに、長辺方向の外縁部90に配置された第1溝群92´と、短辺方向の外縁部90に配置された第2溝群93´とが設けられている。本形態における第1溝群92´は、第1方向としてのX軸方向にドット状の溝9が並んで配置されて構成されている。また、第2溝群93´は、第1方向(X軸方向)と交差する第2方向としてのY軸方向にドット状の溝9が並んで配置されて構成されている。また、第1溝群92´が延在する第1方向は、可動部(可動電極50:図1参照)の変位方向である。
なお、ドット状の溝9の数や第1溝群92´および第2溝群93´の大きさや数は、上述した内容に限定するものではない。例えば、ドット状の溝9の数を減らして第1溝群92´および第2溝群93´の長さを短くしたり、ドット状の溝9の直径を小さくして第1溝群92´および第2溝群93´の幅を狭くしたりしても良い。また、例えば、ドット状の溝9の列を複数列としたり、ドット状の溝9と隣のドット状の溝9との間隔をランダムにしたりしても良い。ただし、シールド電極としての効果を損なわない範囲で設ける必要がある。
このような変形例5に係る物理量センサー1eによれば、第1センサー素子98の外縁部90の長辺側に、第1方向(X軸方向)にドット状の溝9が並んで配置された第1溝群92´と、外縁部90の短辺側に、第1方向と交差する第2方向にドット状の溝9が並んで配置された第2溝群93´を有している。このような構成の第1溝群92´および第2溝群93´が設けられていることにより、変形例1と同様に、ドット状の溝9の並び方向(第1溝群92´および第2溝群93´の延在方向)に対して、ドット状の溝9の並び方向と交差する方向に作用する応力は、この第1溝群92´および第2溝群93´によってその伝達が緩和される。したがって、第1センサー素子98が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子98に与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有しながら、外部から第1センサー素子98に伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー1eを得ることができる。
なお、上述した変形例の第1溝部92(または第1溝群92´)、第2溝部93(または第2溝群93´)、および第3溝部91(または第3溝群91´)の構成は、一つの溝が延在する構成と、ドット状の溝9が並んで配置された構成とを区別して説明したが、これに限らない。第1溝部92(または第1溝群92´)、第2溝部93(または第2溝群93´)、および第3溝部91(または第3溝群91´)などで構成される溝部の構成は、一つの溝が延在する構成と、ドット状の溝9が並んで配置された構成と、が混在して設けられていてもよい。
(溝の形状の変形例)
上述したドット状の溝9の平面形状は、円形に限らず他の形状であってもよい。ドット状の溝9の平面形状は、図3(c)に示すように、円形をなしたドット状の溝9以外にも、例えば正方形をなしたドット状の溝9a、三角形をなしたドット状の溝9b、長方形(四角形)をなしたドット状の溝9c、六角形をなしたドット状の溝9dなどの多角形や楕円などの曲線部を有する形状であってもよい。また、例えば第1溝部92(または第1溝群92´)の構成に、異なる平面形状のドット状の溝や長穴状の溝を組み合わせて用いてもよい。
(実施形態2)
まず、電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサーについて説明する。図4(a)〜図4(c)は、電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサーを示す模式図であり、図4(a)は、平面図、図4(b)は、物理量センサーが備えるセンサー素子の平面図、図4(c)は図4(b)のA−A断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図に付記するXYZ軸において、X方向を右方向、X軸方向(±X方向)を横方向、Y方向を奥行方向、Y軸方向(±Y方向)を前後方向、Z方向を上方向、Z軸方向(±Z方向)を上下方向、あるいは、後述する基板10の厚さ方向として説明する。
(物理量センサーの構成)
物理量センサー100は、基板10、センサー部としての第1センサー素子(第1機能素子)99、および外縁部90などを備えている。基板10は、ベース基板として物理量センサー100を支持する板状体であり、平面視したときに矩形の形状を呈している。また、第1センサー素子99は、基板10の主面上に設けられている。基板10は、第1センサー素子99のベース基板をも兼ねている。第1センサー素子99は、センシング部20、配線30などを備えている。センシング部20は、固定部41,42、可動部としての可動電極50、固定電極60などを備えている。可動電極50は、支持部51,52、可動電極指53,54、可動基部55などを備えている。なお、センサー部を構成する第1センサー素子(第1機能素子)99、および外縁部90は、別々に形成されてもよいが、同一材料から形成されることがより好ましい。第1センサー素子(第1機能素子)99、および外縁部90が、同一材料で形成された構成は、第1センサー素子(第1機能素子)99と外縁部90とが別々に形成される構成と比較してセンサー部を容易に形成することが可能となる。
基板10は、主面としての上面に、凹陥部70が設けられている。この凹陥部70は、基板10を平面視したときに、センシング部20の可動電極50(支持部51,52、可動電極指53,54、可動基部55)が収まる領域に形成されている。
固定部41,42は、基板10を平面視したときに、凹陥部70の領域の外側の領域に、基板10の主面に接合し設けられている。具体的には、固定部41は、基板10の主面の凹陥部70に対して−X方向側(図中左側)の部分に接合され、固定部42は、凹陥部70に対して+X方向側(図中右側)の部分に接合されている。また、固定部41,42は、平面視したときに、それぞれ、凹陥部70の外周縁部に跨るように設けられている。
可動基部55は、長手方向がX方向を向く長方形の板状体であり、固定部41,42との間に支持部51,52を介して基板10に遊離して支えられている。より具体的には、可動基部55の図中左側の端部が支持部51を介して固定部41に連結されるとともに、可動基部55の図中右側の端部が支持部52を介して固定部42に連結されている。
可動基部55の+Y側の長辺部分からは、複数の(本実施形態では3つの)梁状の可動電極指53が+Y方向に、可動基部55の−Y側の長辺部分からは、複数の(本実施形態では3つの)梁状の可動電極指54が−Y方向に延出している。
凹陥部70は、可動電極50(支持部51,52、可動電極指53,54、可動基部55)を基板10から遊離させるための逃げ部として形成されている。なお、本実施形態では、凹陥部70の平面視形状は、矩形を呈しているが、これに限定されるものではない。
支持部51,52は、可動基部55を固定部41,42に対して変位可能に連結している。本実施形態では、支持部51,52は、図4(b)にて矢印aで示すように、X軸方向に可動基部55を変位し得るように構成されている。
Y軸方向に延出する複数の可動電極指53および複数の可動電極指54は、それぞれ、可動電極50の変位するX軸方向に並んで設けられている。
支持部51は、具体的には、2つ(一対)の梁で構成されており、それぞれ、Y軸方向に蛇行しながら+X方向に延びる形状をなしている。換言すると、それぞれの梁は、Y軸方向に複数回(本実施形態では3回)折り返された形状をなしている。なお、各梁の折り返し回数は、1回または2回であってもよいし、4回以上であってもよい。
支持部52も同様に、Y軸方向に蛇行しながら−X方向に延びる形状をなす一対の梁で構成されている。
固定電極60は、可動電極50の複数の可動電極指53,54に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指61,62を備えている。
固定電極指61は、1つの可動電極指53を、間隔を隔てて挟むように、X軸方向の両側に対向して一対ずつ配置されている。換言すれば、一対の固定電極指61、即ち2つの固定電極指61が3か所に配置されている。また、同様に、固定電極指62は、1つの可動電極指54を、間隔を隔てて挟むように、X軸方向の両側に一対ずつ対向して配置されている。換言すれば、一対の固定電極指62、即ち2つの固定電極指62が3か所に配置されている。
固定電極指61,62は、基板10の主面上において、基板10を平面視したときに、凹陥部70の領域の外側の領域に、それぞれ一方の端部が主面に接合し設けられている。具体的には、固定電極指61は、可動電極50側とは反対側(可動電極50に対して+Y側)の端部が、それぞれ、凹陥部70に対して+Y方向側の基板10の上面に接合されている。また、各固定電極指61は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が−Y方向へ延出している。同様に、固定電極指62は、可動電極50側とは反対側(可動電極50に対して−Y側)の端部が、それぞれ、凹陥部70に対して−Y方向側の基板10の上面に接合されており、その固定された側の端を固定端とし、自由端が+Y方向へ延出している。
このような構成により、固定電極指61の内の可動電極指53の+X側に位置する固定電極指61(以下第1固定電極指と言う。)と可動電極指53との間の静電容量、および、固定電極指61の内の可動電極指53の−X側に位置する固定電極指61(以下第2固定電極指と言う。)と可動電極指53との間の静電容量を可動電極50の変位に応じて変化させることができる。
同様に、固定電極指62の内の可動電極指54の+X側に位置する固定電極指62(以下、同様に第1固定電極指と言う。)と可動電極指54との間の静電容量、および、固定電極指62の内の可動電極指54の−X側に位置する固定電極指62(以下、同様に第2固定電極指と言う。)と可動電極指54との間の静電容量を可動電極50の変位に応じて変化させることができる。
第1固定電極指と第2固定電極指とは、基板10上で互いに分離しており、電気的に絶縁されている。そのため、第1固定電極指と可動電極50(可動電極指53,54)との間の静電容量、および第2固定電極指と可動電極50(可動電極指53,54)との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
つまり、センシング部20は、例えば、加速度や角速度などの物理量の変化に応じて、可動電極50(可動電極指53,54)が、支持部51,52を弾性変形させながら、X軸方向(+X方向または−X方向)に変位する。第1センサー素子99は、このような変位に伴って変化する静電容量に基づいて、加速度や角速度などの物理量を検出することができる。つまり、第1センサー素子99は、容量型加速度センサーである。
なお、可動電極50および固定電極60の形状は、センシング部20を構成する各部の形状、大きさなどに応じて決められるものであり、上述した構成に限定されない。
配線30は、上記の静電容量を検出するための電気接続配線であり、基板10の主面に形成された凹部71に沿って敷設されている。配線30は、第1固定電極指を結線し外部回路と接続するための電極31aに接続する配線と、第2固定電極指を結線し外部回路と接続するための電極31bに接続する配線と、可動電極50と外部回路と接続するための電極31cに接続する配線とがそれぞれ設けられている。
凹部71は、凹陥部70の外側の領域において、配線30が敷設される領域として設けられている。すなわち、凹部71は、基板10を平面視したときに、配線30の敷設されている領域が凹部71の領域に収まるように形成されている。
凹部71の深さ寸法(基板10の厚み方向の寸法)は、後述するコンタクト部を除き、配線30の厚さ寸法よりも大きく、凹陥部70の深さ寸法より小さくなっている。
上述したように、基板10の主面上に凹部71を形成し、凹部71の領域内に凹部71の深さより薄い配線30を敷設する構成とすることで、所定の電気接続部以外の領域における配線30と基板10の上層に積層されるセンシング部20との接触が回避される。
所定の電気接続部とは、配線30の一部を覆うようにセンシング部20を構成する上層が積層して配線30とその上層とが当接し、電気的に接続されるコンタクト部である。
図4(b)に示すように、配線30による第1、第2固定電極指の結線や、配線30と固定部41との接続は、コンタクト部81によって行われる。可動電極50は、固定部41を介して、配線30と電気的に接続されている。なお、配線30の構成材料は、前述の実施形態1と同様であるので説明を省略する。
また、配線30とセンシング部20を構成する上層とが当接するコンタクト部を除き、配線30上には、絶縁膜を設けても良い。この絶縁膜は、配線30とセンシング部20の非接続部との電気的接続(短絡)を回避する機能を有する。絶縁膜の構成材料としては、特に限定されず、絶縁性を有する各種材料を用いることができるが、基板10がガラス材料(特に、アルカリ金属イオンが添加されたガラス材料)で構成されている場合、二酸化珪素(SiO2)を用いることが好ましい。
外縁部90は、第1センサー素子99が検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子99に与えるノイズを遮断あるいは低減する効果を有するシールド電極としての機能を含んでいる。外縁部90は、図4(a)に示すように、基板10の主面上において、基板10を平面視したとき、第1センサー素子99の外周領域に配置されている。
具体的には、基板10の主面上中央部において、第1センサー素子99は、平面視矩形の領域を占めて構成されている。また、基板10の主面上中央部において、外縁部90は、第1センサー素子99を囲むように、額縁状に形成されている。外縁部90には、配線(図示省略)により、例えば接地電位などの固定電位が与えられる。このように外縁部90を、接地電位などの固定電位とすることで、外縁部90がシールド電極としての効果を有する。
また、外縁部90は、基板10を平面視したときに、第1方向としてのX軸方向に延在する複数の第1溝部92と、第1方向(X軸方向)と交差する第2方向としてのY軸方向に延在する複数の第2溝部93とを有している。つまり、第1溝部92が延在する第1方向は、可動部(可動電極50)の変位方向である。
第1溝部92は、外縁部90の上面から下面に貫通する孔溝(溝)であり、X軸方向の長さが、額縁状を成す外縁部90の枠幅の約70%、Y軸方向の幅が外縁部90の枠幅の約10%の大きさである。第1溝部92は、外縁部90の枠の領域に略等間隔で配置されている。
第2溝部93は、第1溝部92と同様に、外縁部90を貫通する孔溝(溝)であり、Y軸方向の長さが、額縁状を成す外縁部90の枠幅の約70%、X軸方向の幅が外縁部90の枠幅の約10%の大きさである。第2溝部93は、略等間隔に配置された第1溝部92の間あるいはその隣に交互に並ぶように略等間隔に配置されている。
また、第1溝部92および第2溝部93は、基板10を平面視したとき、第1溝部92および第2溝部93によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
なお、第1溝部92および第2溝部93の大きさや数は、上述した内容に限定するものではない。例えば、長さや幅をより小さくして、より数多く配置する構成でも良い。また、第1溝部92および第2溝部93を連続させ、例えば十字形やT字形やL字形に構成しても良い。ただし、シールド電極としての効果を損なわない範囲で設ける必要がある。また、第1溝部92および第2溝部93によって構成される図形が回転対称となる配置とすることが好ましい。
センシング部20(固定部41,42、支持部51,52、可動電極指53,54、可動基部55、固定電極指61,62)および外縁部90を構成する材料には、好適例としてシリコンを用いている。その製造に当たって、それらは、一体に、例えば、一枚のシリコン基板をパターニング加工することにより形成されることが好ましい。
シリコン基板は、エッチングにより高精度に加工することができる。そのため、センシング部20を、シリコン基板を主材料として構成することにより、センシング部20の寸法精度を優れたものとし、その結果、第1センサー素子99の高感度化を図ることができる。
また、センシング部20、外縁部90を構成するシリコン材料には、リン、ボロンなどの不純物がドープされていることが好ましい。これにより、第1センサー素子99は、センシング部20の導電性、および外縁部90のシールド電極としてのシールド性を優れたものとすることができる。
なお、センシング部20の構成材料としては、シリコン基板に限定するものではなく、静電容量の変化に基づく物理量の検出が可能な材料であれば良い。
基板10の構成材料には、好適例として、絶縁性を有するガラス材料を用いている。また、特に、センシング部20がシリコン基板で構成されている場合、アルカリ金属イオン(可動イオン)を含むガラス材料(例えば、パイレックス(登録商標)ガラスのような硼珪酸ガラス)を用いるのが好ましい。これにより、第1センサー素子99は、基板10(ガラス基板)とセンシング部20(シリコン基板)とを陽極接合することにより構成することができる。
図5(a)は、ガラス基板と外縁部やセンシング部を構成するシリコン基板とを貼り合わせたときの状態を示す模式図である。
前述したように、基板(ガラス基板など)にセンシング部や外縁部(シールド電極)を構成する層(シリコン基板など)を貼り合わせた積層構造を有する物理量センサーでは、使用される温度環境により、センサーとしての検出特性が変動してしまうという問題があった。具体的には、図5(a)に示すように、ガラス基板と、ガラス基板に積層されるシリコン基板との熱膨張係数の差により発生する熱応力が、ガラス基板を反らせてしまうことなどにより、センサー素子を変形させてしまったり、センサー素子の可動部(可動電極)の変位に影響を与えてしまったりするために、検出特性が変動してしまうという問題であった。
これに対し、本実施形態のように、外縁部90(シリコン基板)に第1溝部92および第2溝部93を設けることで、熱応力を緩和することができる。
図5(b)は、図4(a)のB−B断面図であり、外縁部90に第1溝部92および第2溝部93が設けられた状態を示している。この図からもわかるように、外縁部90に第1溝部92や第2溝部93を貫通させることにより、発生する熱応力自体の緩和や、発生した熱応力の伝達を抑制することが可能となる。つまり、基板10と外縁部90との接合面積が減少することで、発生する熱応力が緩和され(減少し)、また、外縁部90が不連続となることで、熱応力の伝達が分断される。その結果、図5(a)に示されるような反りの発生が抑制される。
(物理量センサーの製造方法)
次に、電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサー100の製造方法について説明する。図6(a)〜図6(d)は、電子デバイスの実施形態2に係る物理量センサー100の製造方法を模式的に示す正断面図である。
まず、図6(a)に示すように、基板10の表面に凹陥部70および凹部71を形成する。基板10の材料は絶縁体であり、例えばガラスである。凹陥部70および凹部71の形成は、フォトリソグラフィー法を用いて行い、例えば図示しないクロム(Cr)層、金(Au)層をマスクパターンとしたエッチング加工により形成する。これにより、上面から掘り込まれた凹陥部70および凹部71を形成する。エッチング加工は、例えばフッ酸を含む溶液によるウェットエッチングあるいはプラズマによるドライエッチングにより行われる。
また、凹部71の底面に配線30やコンタクト部81を構成する導電体を成膜、パターニングする。導電体を形成する導電体材料としては特に限定されず、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料や、ITO、ZnO等の電極材料を用いることができる。
次に、図6(b)に示すように、センサー部を構成する機能素子基板40を基板10に貼り合わせる。機能素子基板40は、シリコン基板であり、基板10との貼り合わせは、例えば陽極接合によって行われる。機能素子基板40は、基板10の凹陥部70および凹部71を除く平面部分に貼り合わされる。
次に、図6(c)に示すように、機能素子基板40を、フォトリソグラフィー法を用いたエッチング加工により、センサー部を形成する。エッチング加工は、ドライエッチングあるいはウェットエッチングを用い、所定の位置にレジスト層48をパターニングした後、露出した機能素子基板40の部分をエッチングして、固定部41、支持部51、固定電極指62の内の可動電極指54、可動基部55、および外縁部90などを形成する。このとき、外縁部90にあって、外縁部90を貫通して第1方向(X軸方向)に延在する第1溝部92および第1方向と交差する第2方向(Y軸方向)に延在する第2溝部93も併せて形成する。なお、この工程において、第3溝部91も併せて形成することもできる。
以上のような工程により、図6(d)に示すように、基板10と、基板10に貼り合わされた機能素子基板40から形成されたセンサー部としての第1センサー素子(第1機能素子)99を備えている物理量センサー100を形成することができる。
上述した物理量センサー100の製造方法によれば、基板10に形成された凹陥部70に対向させて機能素子基板40を接合し、その後機能素子基板40をパターニング加工し、第1センサー素子(第1機能素子)99と、外縁部90と、外縁部90の第1溝部92および第2溝部93とを形成する。このように、基板10に接合された機能素子基板40から、第1センサー素子(第1機能素子)99と、外縁部90と、外縁部90の第1溝部92および第2溝部93とを、同一工程で形成することができる。換言すれば、容易に第1センサー素子(第1機能素子)99と、外縁部90と、外縁部90の第1溝部92および第2溝部93とを形成することができる。
以上述べたように、本実施形態による物理量センサー100によれば、以下の効果を得ることができる。
物理量センサー100は、基板10と、基板10の主面上に設けられた第1センサー素子99と、第1センサー素子99の外周(基板10を平面視したときの外周)に配置された外縁部90とを備えている。外縁部90は、第1方向(X軸方向)に延在する第1溝部92と、第1方向と交差する第2方向(Y軸方向)に延在する第2溝部93とを有している。そのため、外縁部90が基板10の熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する場合に発生する熱応力は、少なくとも、これらの溝のいずれかによって緩和される。
具体的には、溝に対して、溝の延在方向と交差する方向に作用する応力は、溝によってその伝達が緩和される。従って、基板10と基板10の主面上の外縁部90との間に生ずる熱応力も、これらの溝(第1溝部92および第2溝部93、あるいは、少なくともこれらの一方の溝)によって緩和される。例えば、熱応力によって基板10が反ってしまう場合においては、これらの溝によって、その反りが緩和される。その結果、熱膨張係数の差により発生する熱応力が、第1センサー素子99を変形させてしまったり、第1センサー素子99が備える可動部(可動電極50)の変位に影響を与えてしまったりすることが抑制され、第1センサー素子99が使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制される。
また、外縁部90と、外縁部90の第1溝部92および第2溝部93とを、同一工程で形成することができるため、容易に第1センサー素子(第1機能素子)99と、外縁部90と、外縁部90の第1溝部92および第2溝部93とを形成することができる。
つまり、使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制された、より検出特性が安定した物理量センサーを容易に形成し、提供することが可能となる。
また、第1方向は、第1センサー素子99が備える可動部の変位方向(基板10の平面視における変位方向)である。つまり、第1センサー素子99の外周に配置された外縁部90は、基板10を平面視したときに、第1センサー素子99が備える可動部が変位する方向と同じ方向に延在する第1溝部92と、第1センサー素子99が備える可動部が変位する方向と交差する方向に延在する第2溝部93とを備えている。
外縁部90が基板10の熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する場合、外縁部90は、第1センサー素子99が備える可動部の変位方向と交差する方向に延在する第2溝部93を備えるため、第2溝部93により、可動部の変位方向に生ずる熱応力をより効果的に緩和することができる。特に、第2溝部93が、可動部の変位方向と略直角方向に交差して延在しているため、より効果的に熱応力が緩和される。
また、外縁部90が第1溝部92を備えることにより、基板10が外縁部90から受ける熱応力自体が抑制される。外縁部90が、第1センサー素子99が備える可動部の変位方向に延在する第1溝部92を備えることにより、基板10が外縁部90から受ける可動部の変位方向に発生する熱応力自体が抑制される。
これらの結果、熱膨張係数の差により発生する熱応力が、第1センサー素子99を変形させてしまったり、第1センサー素子99が備える可動部(可動電極50)の変位に影響を与えてしまったりすることが抑制され、第1センサー素子99が使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制される。
(変形例6〜13)
次に、図7〜図10を参照して、実施形態2に係る物理量センサーの変形例6〜15について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態2と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。なお、以下の変形例6〜15では、説明の便宜上、図7〜図10に付記するXYZ軸において、X方向を右方向、X軸方向(±X方向)を横方向、Y方向を奥行方向、Y軸方向(±Y方向)を前後方向、Z方向を上方向、Z軸方向(±Z方向)を上下方向、あるいは、後述する基板10の厚さ方向として説明することがある。
(変形例6)
先ず、変形例6に係る物理量センサーについて図7(a)を用いて説明する。図7(a)は、変形例6に係る物理量センサー101の概略を示す平面図である。
図7(a)に示す変形例6の物理量センサー101は、センサー部の構成に、第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の間の領域の外縁部に第1溝部92を備えていることを特徴としている。
物理量センサー101は、基板10、第1センサー素子99、第2機能素子としての第2センサー素子99aおよび第3センサー素子99b、外縁部90aなどを備えている。
第2センサー素子99aは、例えば、第1センサー素子99と同じ構成で、その設置方向(向き)が異なる容量型加速度センサーである。第1センサー素子99がX軸方向の加速度を検出するのに対して、第2センサー素子99aは、Y軸方向の加速度を検出する向きに配置されている。
第3センサー素子99bは、例えば、角速度を検出するジャイロセンサーである。内部に、可動部として振動子を備えている。
第1センサー素子99、第2センサー素子99a、第3センサー素子99bは、図7(a)に示すように、基板10の主面上にそれぞれ間隔を置いて配置されている。具体的には、矩形状の基板10の図中右下領域(+X、−Y側の領域)に第1センサー素子99が、その図中奥行方向の領域(+X、+Y側の領域)に第3センサー素子99bが、第1センサー素子99と第3センサー素子99bの図中左側領域(−X側のY軸方向中央の領域)に第2センサー素子99aが配置されている。
それぞれのセンサー素子の外周には、外縁部90aが配置されている。換言すると、基板10の主面上のそれぞれのセンサー素子が占める領域以外の領域に外縁部90aが形成されている。外縁部90aには、配線(図示省略)により、例えば接地電位が与えられる。
それぞれのセンサー素子の間の領域の外縁部90aには、第1溝部92が設けられている。具体的には、第1センサー素子99と第3センサー素子99bとの間の領域の外縁部90aには、第1溝部92がX軸方向に並ぶ溝列94が設けられている。また、第1センサー素子99と第2センサー素子99aとの間、および第3センサー素子99bと第2センサー素子99aとの間の領域の外縁部90aには、第1溝部92がY軸方向に並ぶ溝列95が設けられている。
なお、必ずしも溝列94および溝列95の両方を設ける必要はなく、センサー素子相互間に発生する応力の緩和が必要な領域に溝列を設ければ良い。
以上述べたように、本変形例6による物理量センサー101によれば、以下の効果を得ることができる。
物理量センサー101は、基板10の主面上に設けられた第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備えている。このように、共通の基板上に複数のセンサー素子を備える場合には、一方のセンサー素子が発生するノイズが他方のセンサー素子に影響を与えるなど、物理量センサーとしての検出特性を悪化させる場合がある。このノイズは、電気的なものだけではなく、応力や振動など機械的なエネルギーによる場合がある。具体的には、センサー素子構造体が発生あるいは有する熱応力や残留応力が、また、可動部を有する場合などにおいては、可動部の振動漏れが隣接するセンサー素子に伝達されて隣接するセンサー素子の検出特性に影響を与える場合がある。
本変形例6によれば、第1溝部92は、少なくとも、第1センサー素子99と第2センサー素子99aとの間、第1センサー素子99と第3センサー素子99bとの間、第2センサー素子99aと第3センサー素子99bとの間のいずれかの領域の外縁部90aに設けられている。従って、それぞれのセンサー素子間に働く応力や、一方から他方に伝達される漏れ振動などのエネルギーは、第1溝部92によってその伝達が緩和され、特性に与える影響を抑制させることができる。
(変形例7)
次に、変形例7に係る物理量センサーについて図7(b)を用いて説明する。図7(b)は、変形例7に係る物理量センサー102の概略を示す平面図である。
図7(b)に示す変形例7の物理量センサー102は、変形例6と同様に第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の間の外縁部90aに、第1溝部92および第2溝部93を備えていることを特徴としている。
なお、第1機能素子(第1センサー素子99)、および第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)の構成や配置については、変形例6と同様であるので説明を省略する。
それぞれのセンサー素子の外周には、外縁部90aが配置されている。換言すると、基板10の主面上のそれぞれのセンサー素子が占める領域以外の領域に外縁部90aが形成されている。外縁部90aには、配線(図示省略)により、例えば接地電位が与えられる。
それぞれのセンサー素子の間の領域の外縁部90aには、第1溝部92および第2溝部93が設けられている。具体的には、第1センサー素子99と第3センサー素子99bとの間の領域の外縁部90aには、第1溝部92および第2溝部93がX軸方向に交互に並ぶ列からなる溝列94が設けられている。また、第1センサー素子99と第2センサー素子99aとの間、および第3センサー素子99bと第2センサー素子99aとの間の領域の外縁部90aには、第1溝部92および第2溝部93がY軸方向に交互に並ぶ列からなる溝列95が設けられている。
溝列94および溝列95のそれぞれにおいて、基板10を平面視したとき、第1溝部92および第2溝部93によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
なお、必ずしも溝列94および溝列95の両方を設ける必要はなく、センサー素子相互間に発生する応力の緩和が必要な領域に溝列を設ければ良い。
以上述べたように、本実施形態による物理量センサー102によれば、以下の効果を得ることができる。
物理量センサー102は、基板10の主面上に設けられた第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備えている。このように、共通の基板上に複数のセンサー素子を備える場合には、一方のセンサー素子が発生するノイズが他方のセンサー素子に影響を与えるなど、物理量センサーとしての検出特性を悪化させる場合がある。このノイズは、電気的なものだけではなく、応力や振動など機械的なエネルギーによる場合がある。具体的には、センサー素子構造体が発生あるいは有する熱応力や残留応力が、また、可動部を有する場合などにおいては、可動部の振動漏れが隣接するセンサー素子に伝達されて隣接するセンサー素子の検出特性に影響を与える場合がある。
本実施形態によれば、第1溝部92および第2溝部93は、少なくとも、第1センサー素子99と第2センサー素子99aとの間、第1センサー素子99と第3センサー素子99bとの間、第2センサー素子99aと第3センサー素子99bとの間のいずれかの領域の外縁部90aに設けられている。従って、それぞれのセンサー素子間に働く応力や、一方から他方に伝達される漏れ振動などのエネルギーは、第1溝部92および第2溝部93、あるいは、少なくとも一方の溝によってその伝達が緩和され、特性に与える影響を抑制させることができる。
(変形例8)
次に、変形例8に係る物理量センサーについて説明する。図7(c)は、変形例8に係る物理量センサー103の概略を示す平面図である。
図7(c)は、変形例8に係る物理量センサー103の概略を示す平面図である。図7(c)に示す変形例8の物理量センサー103は、変形例7と同様に第1機能素子と第2機能素子とを備え、それぞれのセンサー素子の外周をとり囲む外縁部90aの全領域(全面)に亘って第1溝部92および第2溝部93を備えていることを特徴としている。
物理量センサー103は、外縁部90aが備える第1溝部92および第2溝部93の位置や数が異なる点を除き、物理量センサー102と同様である。物理量センサー103は、図7(c)に示すように、外縁部90aの全領域に亘って、第1溝部92および第2溝部93がX軸方向、Y軸方向に交互に並ぶように配置されている。また、第1溝部92および第2溝部93は、基板10を平面視したとき、第1溝部92および第2溝部93によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
本変形例の物理量センサー103によれば、以下の効果を得ることができる。
外縁部90aが基板10の熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する場合に発生する熱応力は、これらの溝(第1溝部92および第2溝部93、あるいは、少なくともこれらの一方の溝)によって緩和される。また、基板10と基板10の主面上の外縁部90aとの間に生ずる熱応力も、これらの溝によって緩和される。その結果、熱膨張係数の差により発生する熱応力が、基板10の主面上に設けられたセンサー素子(第1センサー素子99、第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を変形させてしまったり、センサー素子が備える可動部の変位に影響を与えてしまったりすることが抑制され、センサー素子が使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制される。
また、複数のセンサー素子間に働く応力や、一方から他方に伝達される漏れ振動などのエネルギーは、第1溝部92および第2溝部93、あるいは、少なくともこれらの一方の溝によってその伝達が緩和され、特性に与える影響を抑制させることができる。
このように、外縁部90aの全領域に亘って、第1溝部92および第2溝部93がX軸方向、Y軸方向に交互に並ぶように配置されることで、より効果的に検出特性の安定化をはかることができる。
(変形例9)
次に、変形例9に係る物理量センサー104について、図8(a)を用いて説明する。図8(a)は、変形例9に係る物理量センサー104の概略を示す平面図である。
図8(a)に示す変形例9に係る物理量センサー104は、変形例6と同様に、第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の間の領域の外縁部90aに第1溝部92がX軸方向に並ぶ列からなる溝列94を備えている。また、加えて、物理量センサー104は、第1機能素子(第1センサー素子99)および第2機能素子(第3センサー素子99b)の外縁部90aに第3溝部91(91e)を備えていることを特徴としている。本変形例9の説明では、変形例6と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
第3溝部91は、物理量センサー104を平面視したときに、第1センサー素子99および第3センサー素子99bのそれぞれの四隅を通る四つの対角線CL1a,CL2a,CL3a,CL4aに対して直交する方向に、対角線CL1a,CL2a,CL3a,CL4aを介して両側に延在している。なお、対角線CL1a,CL2a,CL3a,CL4aは、第1センサー素子99および第3センサー素子99bそれぞれの中心Gを通る中心線と言い換えることができる。そして、第3溝部91は、第1センサー素子99および第3センサー素子99bそれぞれの外縁部90aの四隅に在って、対角線CL1a,CL2a,CL3a,CL4aに対して略対称形状に配置されている。また、第3溝部91は、例えば第1センサー素子99および第3センサー素子99bの対向する側に位置する対角線CL1および対角線CL4上の二つの溝部(第3溝部91)が連なった形状(本例ではV字状)の第3溝部91eとすることもできる。
第3溝部91(91e)は、第1溝部92と同様に、外縁部90aの上面から下面に貫通する孔溝(溝)である。なお、第3溝部91(91e)の延在方向の長さや幅は、第1溝部92と同程度であっても良いし、異なっていても良い。
なお、第3溝部91(91e)は、対角線CL1a,CL2a,CL3a,CL4aを中心とした+−(プラスマイナス)10度程度の範囲に設けられていれば、同等の効果を有している。
また、第1溝部92および第3溝部91(91e)は、物理量センサー104を平面視したとき、第1溝部92および第3溝部91(91e)によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
また、第3溝部91(91e)は、第2センサー素子99aの外縁部90aに設けることもできる。
また、第3溝部91(91e)は、例えば、それぞれのセンサー素子の中心を基準とした同心円に重なる一部を用いるなど、円弧状をなしていても良い。
本変形例9に係る物理量センサー104によれば、前述の変形例6の物理量センサー101の効果に加え、以下の効果を有している。
物理量センサー104は、第1溝部92に加えて第1センサー素子99および第3センサー素子99bの四隅の外縁部90aに第3溝部91(91e)を備えている。この第3溝部91(91e)により、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)からの例えば熱歪みなどが集中し、比較的大きな歪み応力を生じる角部(四隅部分)の歪み応力を効率よく緩和、抑制することができる。
対角線CL1a,CL2a,CL3a,CL4aが設けられる外縁部90aの角部(四隅)は、第1センサー素子99の中心からの距離が大きくなるため、熱膨張などによる歪み(反り)や基板10と外縁部90aとの熱膨張の違いによる歪み(応力)が大きくなる。また、外縁部90aの角部(四隅)には、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)の両方向から歪み(応力)が加わる。これに対して、第3溝部91(91e)が対角線に直交する方向に設けられているため、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)から加わる歪み(応力)を、分散しながら効率よく緩和、抑制することができる。これらにより、第1センサー素子99や第3センサー素子99bが検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子99や第3センサー素子99bに与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有しながら、外部から第1センサー素子99や第3センサー素子99bに伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー104を得ることができる。
なお、第3溝部91(91e)を、第2センサー素子99aの外縁部90aに設ければ、上述と同様な効果を奏することになる。
(変形例10)
次に、変形例10に係る物理量センサー105について、図8(b)を用いて説明する。図8(b)は、変形例10に係る物理量センサー105の概略を示す平面図である。
図8(b)に示す変形例10に係る物理量センサー105は、変形例7と同様に、第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の間の領域の外縁部90aに第1溝部92および第2溝部93がX軸方向に交互に並ぶ列からなる溝列94を備えている。また、加えて、物理量センサー105は、変形例9と同様に、第1機能素子(第1センサー素子99)および第2機能素子(第3センサー素子99b)の外縁部90aに第3溝部91(91b,91d)を備えていることを特徴としている。本変形例9の説明では、変形例7および変形例9と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
第3溝部91は、物理量センサー105を平面視したときに、第1センサー素子99および第3センサー素子99bのそれぞれの四隅を通る四つの対角線CL1b,CL2b,CL3b,CL4bに対して直交する方向に、対角線CL1b,CL2b,CL3b,CL4bを介して両側に延在している。なお、対角線CL1b,CL2b,CL3b,CL4bは、第1センサー素子99および第3センサー素子99bそれぞれの中心Gを通る中心線と言い換えることができる。そして、八隅に設けられた第3溝部91は、第1センサー素子99および第3センサー素子99bそれぞれの外縁部90aの四隅に在って、対角線CLb1,CL2b,CL3b,CL4bに対して略対称形状に配置されている。加えて、物理量センサー105では、第1センサー素子99の対角線CL1bと対角線CL2bとの間に配置される二つの中心線CL5b,CL6b、および第3センサー素子99bの対角線CL3bと対角線CL4bの間に配置される二つの中心線CL7b,CL8bに対して直交する方向に、中心線CL5b,CL6b,CL7b,CL8bを介して両側に延在する他の第3溝部91b,91dが設けられている。
第3溝部91(91b,91d)は、第1溝部92および第2溝部93と同様に、外縁部90aの上面から下面に貫通する孔溝(溝)である。なお、第3溝部91(91b,91d)の延在方向の長さや幅は、第1溝部92および第2溝部93と同程度であっても良いし、異なっていても良い。
なお、第3溝部91(91b,91d)は、対角線CL1b,CL2b,CL3b,CL4bまたは中心線CL5b,CL6b,CL7b,CL8bを中心とした+−(プラスマイナス)10度程度の範囲に設けられていれば、同等の効果を有している。
また、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91(91b,91d)は、物理量センサー104を平面視したとき、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
また、第3溝部91(91b,91d)は、第2センサー素子99aの外縁部90aに設けることもできる。
また、第3溝部91(他の第3溝部91b,91d)は、例えば、それぞれのセンサー素子の中心を基準とした同心円に重なる一部を用いるなど、円弧状をなしていても良い。
本変形例10に係る物理量センサー105によれば、前述の変形例7の物理量センサー102の効果に加え、以下の効果を有している。
物理量センサー105は、第1溝部92および第2溝部93に加えて第1センサー素子99および第3センサー素子99bの四隅の外縁部90aに第3溝部91を備え、この内側の外縁部90aに他の第3溝部91b,91dを備えている。この第3溝部91(91b,91d)により、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)からの例えば熱歪みなどが集中し、比較的大きな歪み応力を生じる角部(四隅部分)の歪み応力を効率よく緩和、抑制することができる。これらにより、第1センサー素子99や第3センサー素子99bが検出する信号の漏れや、外部から第1センサー素子99や第3センサー素子99bに与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有しながら、外部から第1センサー素子99や第3センサー素子99bに伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー105を得ることができる。
なお、第3溝部91(91b,91d)を、第2センサー素子99aの外縁部90aに設ければ、上述と同様な効果を奏することになる。
(変形例11)
次に、変形例11に係る物理量センサー106について、図9(a)を用いて説明する。図9(a)は、変形例11に係る物理量センサー106の概略を示す平面図である。
図9(a)に示す変形例11に係る物理量センサー106は、変形例6と同様に、第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の間の領域の外縁部90aに第1溝部92がX軸方向に並ぶ列からなる溝列94、および第1溝部92がY軸方向に並ぶ列からなる溝列95を備えている。
本変形例11の変形例6との相違点は、変形例6における第1溝部92が、複数のドット状の溝9(本例では、三つの溝9)をX軸方向に並べて配置している第1溝群92´となっていることである。したがって、本変形例11の説明では、変形例6と同様な構成については、同符号を付して説明を省略するが、物理量センサー106によれば、前述の変形例6の物理量センサー101と同様な効果を奏すること ができる。なお、第1溝群92´を構成するドット状の溝9の数は問わない。
(変形例12)
次に、変形例12に係る物理量センサー107について、図9(b)を用いて説明する。図9(b)は、変形例12に係る物理量センサー107の概略を示す平面図である。
図9(b)に示す変形例12に係る物理量センサー107は、変形例7と同様に、第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の間の領域の外縁部90aに変形例7の第1溝部92に相当する第1溝群92´および変形例7の第2溝部93に相当する第2溝群93´を備えている。具体的には、第1センサー素子99と第3センサー素子99bとの間の領域の外縁部90aは、第1溝群92´および第2溝群93´がX軸方向に交互に並ぶ列からなる溝列94が設けられ、第1センサー素子99と第2センサー素子99aとの間、および第3センサー素子99bと第2センサー素子99aとの間の領域の外縁部90aに、第1溝群92´および第2溝群93´がY軸方向に交互に並ぶ列からなる溝列95が設けられている。
本変形例12と変形例7との相違点は、第1溝群92´および第2溝部93が、複数のドット状の溝9(本例では、三つの溝9)を、X軸方向またはY軸方向に並べて配置している構成となっていることである。したがって、本変形例12の説明では、変形例7と同様な構成については、同符号を付して説明を省略するが、物理量センサー107によれば、前述の変形例7の物理量センサー102と同様な効果を奏すること ができる。なお、第1溝群92´および第2溝群93´を構成するドット状の溝9の数は問わず、幾つであっても良い。
(変形例13)
次に、変形例13に係る物理量センサー108について、図9(c)を用いて説明する。図9(c)は、変形例13に係る物理量センサー108の概略を示す平面図である。
図9(c)に示す変形例13に係る物理量センサー108は、変形例8と同様に、第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の外周をとり囲む外縁部90aの全領域(全面)に亘って変形例8の第1溝部92に相当する第1溝群92´および変形例8の第2溝部93に相当する第2溝群93´を備えている。
本変形例13と変形例8との相違点は、変形例8の第1溝部92および第2溝部93が、複数のドット状の溝9(本例では、三つの溝9)を、X軸方向またはY軸方向に並べて配置している第1溝群92´および第2溝群93´となっていることである。したがって、本変形例13の説明では、変形例8と同様な構成については、同符号を付して説明を省略するが、物理量センサー108によれば、前述の変形例8の物理量センサー103と同様な効果を奏すること ができる。なお、第1溝群92´、第2溝群93´を構成するドット状の溝9の数は問わず、幾つであっても良い。
(変形例14)
次に、変形例14に係る物理量センサー109aについて、図10(a)を用いて説明する。図10(a)は、変形例14に係る物理量センサー109aの概略を示す平面図である。
図10(a)に示す変形例14に係る物理量センサー109aは、変形例6と同様に、第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の間の領域の外縁部90aに第1溝部92がX軸方向に並ぶ列からなる溝列94を備えている。また、加えて、物理量センサー109aは、基板10の外周部に重なる、第1機能素子(第1センサー素子99)および第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を囲む外縁部90aに第3溝部91を備えていることを特徴としている。本変形例14の説明では、変形例6と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
第3溝部91は、物理量センサー104を平面視したときに、第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bを囲む領域にあって、外縁部90aの四隅を通る四つの対角線CL11,CL12に対して直交する方向に、対角線CL11,CL12を介して両側に延在している。なお、対角線CL11,CL12は、物理量センサー109aの中心を通る中心線と言い換えることができる。そして、第3溝部91は、対角線CL11,CL12に対して略対称形状に配置されている。第3溝部91は、第1溝部92と同様に、外縁部90aの上面から下面に貫通する孔溝(溝)である。なお、第3溝部91の延在方向の長さや幅は、第1溝部92と同程度であっても良いし、異なっていても良い。
なお、第3溝部91は、対角線CL11,CL12を中心とした+−(プラスマイナス)10度程度の範囲に設けられていれば、同等の効果を有している。
また、第1溝部92および第3溝部91は、物理量センサー109aを平面視したとき、第1溝部92および第3溝部91によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
また、第3溝部91は、例えば、物理量センサー109aの中心を基準とした同心円に重なる一部を用いるなど、円弧状をなしていても良い。
また、第1溝部92および第3溝部91は、溝が並んで配置されている構成であっても良い。
本変形例14に係る物理量センサー109aによれば、前述の変形例6の物理量センサー101の効果に加え、以下の効果を有している。
物理量センサー109aは、基板10の外周部に重なる外縁部90aの四隅に第3溝部91を備えている。この第3溝部91により、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)からの例えば熱歪みなどが集中し、比較的大きな歪み応力を生じる角部(四隅部分)の歪み応力を効率よく緩和、抑制することができる。
対角線CL11,CL12が設けられる基板10の外周部に重なる外縁部90aの角部(四隅)は、物理量センサー109aの中心からの距離が大きくなるため、熱膨張などによる歪み(反り)や基板10と外縁部90aとの熱膨張の違いによる歪み(応力)が大きくなる。また、外縁部90aの角部(四隅)には、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)の両方向から歪み(応力)が加わる。これに対して、第3溝部91が対角線に直交する方向に設けられているため、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)から加わる歪み(応力)を、分散しながら効率よく緩和、抑制することができる。
これらにより、第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bが検出する信号の漏れや、基板10側から第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bに与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有する。これらにより、外部から第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bに伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー109aを得ることができる。
(変形例15)
次に、変形例15に係る物理量センサー109bについて、図10(b)を用いて説明する。図10(b)は、変形例15に係る物理量センサー109bの概略を示す平面図である。
変形例15に係る物理量センサー109bは、変形例7と同様に第1機能素子(第1センサー素子99)に加えて、更に第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)を備え、それぞれのセンサー素子の間の外縁部90aに、第1溝部92および第2溝部93を備えている。また、加えて、物理量センサー109bは、基板10の外周部に重なる外縁部90aの四隅に第3溝部91を備え、外周辺部の外縁部90aの領域に第1溝部92、第2溝部93、および他の第3溝部91a,91b,91c,91dを備えている。このように物理量センサー109bは、基板10の外周部に重なる外縁部90aに、第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bを囲むようにそれぞれの溝部を備えていることを特徴としている。本変形例15の説明では、第1センサー素子99と第3センサー素子99bとの間の領域の外縁部90aに設けられている第1溝部92および第2溝部93など、変形例7と同様な構成については、同符号を付して説明を省略する。
基板10の外周部に重なる外縁部90aの四隅に設けられた第3溝部91は、物理量センサー104を平面視したときに、第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bを囲む領域にあって、物理量センサー109bの四隅を通る四つの対角線CL11,CL12に対して直交する方向に、対角線CL11,CL12を介して両側に延在している。また、基板10の外周部に重なる外縁部90aに設けられた他の第3溝部91a,91b,91c,91dは、対角線CL11と対角線CL12との間に配置される中心線CL13,CL15,CL16,CL18に対して直交する方向に、中心線CL13,CL15,CL16,CL18を介して両側に延在する他の第3溝部91a,91b,91C,91dが一対ずつ設けられている。また、対角線CL11と対角線CL12とを等分する中心線CL14,CL17上の基板10の外周部に重なる外縁部90aには、第1溝部92または第2溝部93が設けられている。
第3溝部91や他の第3溝部91a,91b,91c,91dは、第1溝部92および第2溝部93と同様に、外縁部90aの上面から下面に貫通する孔溝(溝)である。なお、第3溝部91や他の第3溝部91a,91b,91c,91dの延在方向の長さや幅は、第1溝部92あるいは第2溝部93と同程度であっても良いし、異なっていても良い。
なお、第3溝部91や他の第3溝部91a,91b,91c,91dは、対角線CL11,CL12または中心線CL13,CL15,CL16,CL18を中心とした+−(プラスマイナス)10度程度の範囲に設けられていれば、同等の効果を有している。
また、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91(他の第3溝部91a,91b,91c,91d)は、物理量センサー109bを平面視したとき、これらの溝部によって構成される図形が2回回転対称となるように配置されている。
また、基板10と重なる外縁部90aに設けられた第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91(他の第3溝部91a,91b,91c,91d)は、例えば、物理量センサー109bの中心を基準とした同心円に重なる一部を用いるなど、円弧状をなしていても良い。
また、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91(他の第3溝部91a,91b,91c,91d)は、変形例10のように溝が並んで配置されている構成であっても良い。
本変形例15に係る物理量センサー109bによれば、前述の変形例7の物理量センサー102の効果に加え、以下の効果を有している。
物理量センサー109bは、基板10の外周部に重なる外縁部90aの四隅に第3溝部91を備え、外周辺部の外縁部90aの領域に第1溝部92、第2溝部93、および他の第3溝部91a,91b,91c,91dを備えている。このように基板10の外周部と重なる外縁部90aに、第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bを囲むようにそれぞれの溝部を設けることにより、第1方向(X軸方向)および第2方向(Y軸方向)から受ける応力、例えば基板10とそれぞれのセンサー素子の外縁部90aとの熱歪みなどが集中し、比較的大きな歪み応力を生じる基板10の角部(四隅部分)、即ち第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bの外縁部90aの歪み応力を効率よく緩和、抑制することができる。これらにより、第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bが検出する信号の漏れや、基板10側から第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bに与えられるノイズを遮断あるいは低減するシールド効果を有する。これらにより、外部から第1センサー素子99、第2センサー素子99a、および第3センサー素子99bに伝わる外乱などの漏れ振動や漏れ力による電気的特性の変動が抑制された、より電気的特性が安定した物理量センサー109bを得ることができる。
なお、上述の変形例6〜15においては、センサー部の構成に、実施形態2で説明した第1機能素子(第1センサー素子99)と、それに加えた第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)と、を備えた構成で説明したが、これに限らない。センサー部の構成は、実施形態2の機能素子に替えて、実施形態1で説明した第1機能素子(第1センサー素子98)と、それに加えた第2機能素子(第2センサー素子98a、第3センサー素子98b)と、を備えた構成としてもよい。具体的には、第1センサー素子99を第1センサー素子98に替え、第2センサー素子99aを第2センサー素子98aに替え、第3センサー素子99bを第3センサー素子98bに替えてもよい。
また、実施形態1および実施形態2において、第2溝部93は、略等間隔に配置された第1溝部92の間あるいはその隣に交互に並ぶように略等間隔に配置されていると説明したが、必ずしも第1溝部92と第2溝部93とが交互に並ぶ必要はない。また、必ずしも等間隔に配置される必要はない。第1溝部92や第2溝部93が配置される外縁部の平面形状や大きさ、またセンサー素子の配置やその向き、想定する応力緩和の効果により、適宜レイアウトすることが望ましい。
また、センサー素子は、必ずしも上述した構成のセンサーに限定するものではない。物理量センサーとしての構成が、基板の主面上にセンサー素子および外縁部を構成する層を積層させる構造であり、外縁部と基板との熱膨張係数の差によって発生する熱応力や、センサー素子間に配置された外縁部を介して伝達される応力が、センサー素子の検出特性に影響を与える場合の構成であれば、同様の効果が得られる。
(実施形態3)
図11は、実施形態3に係る物理量センサー110を示す断面図であり、図4(a)におけるB−B断面に相当する位置の断面図である。なお、実施形態2では、応力を緩和するための第1溝部92、第2溝部93、または第3溝部91を基板10の主面上の外縁部に設けるとして説明したが、これらの溝を基板10に設けても良い。なお、本実施形態3では、第3溝部91が設けられていない構成で説明する。
物理量センサー110は、外縁部90に第1溝部92、第2溝部93を設けていない。これに代わり、基板10に第3溝96、第4溝97を設けている。この点を除き、物理量センサー110は、実施形態2の物理量センサー100と同様である。なお、第3溝96が第1溝部に相当し、第4溝97が第2溝部に相当する。
第3溝96は、基板10の主面から下面に貫通する孔溝であり、基板10を平面視したとき、物理量センサー100における第1溝部92と同様の位置に配置されている。また、第4溝97も同様に、基板10の主面から下面に貫通する孔溝であり、基板10を平面視したとき、物理量センサー100における第2溝部93と同様の位置に配置されている。つまり、第3溝96、第4溝97は、いずれも外縁部90と重なる領域に設けられている。
本実施形態に係る物理量センサー110よれば、基板10は、外縁部90と重なる領域に、第1方向に延在する第3溝96と、第1方向と交差する第2方向に延在する第4溝97とを有している。そのため、基板10が外縁部90の熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する場合に発生する熱応力は、少なくとも、これらの溝のいずれかによって緩和される。その結果、熱膨張係数の差により発生する熱応力が、第1センサー素子99を変形させてしまったり、第1センサー素子99が備える可動部(可動電極50)の変位に影響を与えてしまったりすることが抑制され、第1センサー素子99が使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制される。
つまり、本実施形態のように基板10に応力を緩和するための溝を設けた場合であっても、使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制された、より検出特性が安定した物理量センサー110を提供することができる。
また、本形態のように、第3溝96および第4溝97を基板10に設けることで、外縁部90に第1溝部92、第2溝部93、または第3溝部91を設ける必要がないこと、若しくは外縁部90に占める溝部の面積を削減することができること、などから、外縁部90によるシールド電極としての効果をより大きく得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態および変形例に限定されず、上述した実施形態および変形例に種々の変更や改良などを加えることが可能である。以下に、他の変形例について述べる。ここで、上述した実施形態および変形例と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(他の変形例)
次に、第1溝部および第2溝部の配置に係る他の変形例について説明する。なお、説明にあたり、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。図12(a)は、第1溝部および第2溝部の変形例16を示す平面図であり、図12(b)は、第1溝部および第2溝部の変形例17を示す平面図である。なお、変形例16および変形例17は、前述の実施形態2に示す構成と、第1溝部92および第2溝部93の配列が異なっている。
(変形例16)
図12(a)に示す変形例16の物理量センサー110は、実施形態2と同様に、第1センサー素子99と第3センサー素子99bとの間の領域の外縁部90aには、第1溝部92および第2溝部93がX軸方向に並ぶ列からなる溝列94が設けられている。また、第1センサー素子99と第2センサー素子99aとの間、および第3センサー素子99bと第2センサー素子99aとの間の領域の外縁部90aには、第1溝部92および第2溝部93がY軸方向に交互に並ぶ列からなる溝列95が設けられている。溝列94における第1溝部92および第2溝部93の配列は、第1溝部92を挟んで第2溝部93aと第2溝部93bとが配置された溝群85が、X軸方向に並んでいる。また、溝列95における第1溝部92および第2溝部93の配列は、第2溝部93を挟んで第1溝部92aと第1溝部92bとが配置された溝群86が、Y軸方向に並んでいる。
(変形例17)
図12(b)に示す変形例17の物理量センサー111は、実施形態2と同様に、第1センサー素子99と第3センサー素子99bとの間の領域の外縁部90aには、第1溝部92および第2溝部93がX軸方向に並ぶ列からなる溝列94が設けられている。また、第1センサー素子99と第2センサー素子99aとの間、および第3センサー素子99bと第2センサー素子99aとの間の領域の外縁部90aには、第1溝部92および第2溝部93がY軸方向に交互に並ぶ列からなる溝列95が設けられている。溝列94および溝列95では、第1溝部92および第2溝部93が、略中央で交差する形、所謂十字形の溝群87が配列されている。変形例17の溝列94および溝列95は、この十字形をなした溝群87が、X軸方向およびY軸方向に並んでいる。
上述の変形例16および変形例17のような配列の第1溝部92および第2溝部93においても、実施形態2と同様に、外縁部90aが基板10の熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する場合に発生する熱応力は、少なくとも、これらの第1溝部92および第2溝部93のいずれかによって緩和される。また、容易に第1センサー素子(第1機能素子)99と、外縁部90aと、外縁部90aの第1溝部92および第2溝部93とを同一工程で形成することができる。つまり、使用される環境の温度変化による検出特性の変動が抑制された、より検出特性が安定した物理量センサーを容易に形成し、提供することが可能となる。
なお、上述の変形例16および変形例17においては、センサー部の構成に、実施形態2で説明した第1機能素子(第1センサー素子99)と、それに加えた第2機能素子(第2センサー素子99a、第3センサー素子99b)と、を備えた構成で説明したが、これに限らない。センサー部の構成は、実施形態2の機能素子に替えて、実施形態1で説明した第1機能素子(第1センサー素子98)と、それに加えた第2機能素子(第2センサー素子98a、第3センサー素子98b)と、を備えた構成としてもよい。具体的には、第1センサー素子99を第1センサー素子98に替え、第2センサー素子99aを第2センサー素子98aに替え、第3センサー素子99bを第3センサー素子98bに替えてもよい。
また、上述の変形例16および変形例17において説明した第1溝部92および第2溝部93は、変形例11のように溝9が並んで配置されている構成であっても良い。
また、上述の実施形態1〜3では、溝列94および溝列95の両方が設けられた構成で説明したが、必ずしも溝列94および溝列95の両方を設ける必要はなく、センサー素子相互間に発生する応力の緩和が必要な領域に溝列を設ければ良い。
また、外縁部90は、センサー素子99を全周に亘って囲っていなくてもよい。すなわち、本発明の効果の少なくとも一部を奏するのであれば、外縁部90の一部が開放されていてもよい。
また、上述の実施形態1〜3では、第1方向を可動部(可動電極50)の変位方向であるX軸方向として説明したが、これに限らない。例えば、Y軸方向を第1方向とし、X軸方向を第2方向とすることも可能である。
また、実施形態1〜3において、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91は、外縁部90,90aの上面から下面に貫通する孔溝であると説明したが、必ずしも貫通していなくとも良い。つまり、第1溝部92、第2溝部93、および第3溝部91は、その両方あるいは一方において外縁部90,90aを貫通せずに底部を有する溝であっても良い。また、その底部は、下面側(基板10側)にあっても、その逆に上面側にあっても良い。
[電子機器]
次いで、本発明の一実施形態に係る電子デバイスとしての物理量センサー100を適用した電子機器について、図13(a)、図13(b)、図14に基づき説明する。なお、以下の説明では、物理量センサー100を適用した例として説明しているが、物理量センサー1,101〜108,109a,109b,110,111であっても良い。
図13(a)は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスを備える電子機器としてのモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する電子デバイスの一例としての物理量センサー100が内蔵されている。
図13(b)は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスを備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1000が配置されている。このような携帯電話機1200には、フィルター、共振器、角速度センサー等として機能する電子デバイスの一例としての物理量センサー100が内蔵されている。
図14は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスを備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1000が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1000は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1000に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。更に、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、フィルター、共振器、角速度センサー等として機能する電子デバイスの一例としての物理量センサー100が内蔵されている。
上述したように、電子機器として、検出精度の低下がより抑制された物理量センサー100を備えることにより、より動作精度の高い電子機器を提供することができる。
なお、本発明の一実施形態に係る物理量センサー100は、図13(a)のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図13(b)の携帯電話機、図14のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
次いで、本発明の一実施形態に係る物理量センサー100を適用した移動体について、図15に基づき説明する。なお、以下の説明では、物理量センサー100を適用した例として説明しているが、物理量センサー1,101〜108,109a,109b,110,111であっても良い。
図15は、物理量センサー100を備える移動体としての自動車1400を概略的に示す斜視図である。自動車1400には本発明に係る物理量センサー100を含んで構成されたジャイロセンサーが搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1400には、タイヤ1401を制御する該ジャイロセンサーを内蔵した電子制御ユニット1402が搭載されている。また、他の例としては、物理量センサー100は、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
上述したように、移動体として、精度の低下がより抑制された物理量センサー100を備えることにより、より温度変化などの環境特性が安定した移動体を提供することができる。
1,100〜108,109a,109b,110,111…電子デバイスとしての物理量センサー、3…被接合部材としての基板、10…基板、20…センシング部、30…配線、31a,31b,31c…電極、40…機能素子基板、41,42…固定部、50…可動電極、51,52…支持部、53,54…可動電極指、55…可動基部、60…固定電極、61,62…固定電極指、70…凹陥部、71…凹部、81…コンタクト部、85,86,87…溝群、90,90a…外縁部、91,91a,91b,91c,91d,91e…第3溝部、92,92a,92b…第1溝部、93,93a,93b…第2溝部、94,95…溝列、96…第3溝、97…第4溝、98,99…第1機能素子としての第1センサー素子、98a,99a…第2機能素子としての第2センサー素子、98b,99b…第2機能素子としての第3センサー素子。

Claims (14)

  1. 互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸としたとき、
    基板と、
    前記Z軸方向からの平面視で、前記基板と重なり、静電容量の変化に基づいて加速度を検出する第1機能素子と、
    前記Z軸方向からの平面視で、前記基板と重なり、前記第1機能素子の外周に沿って配置されている外縁部と、
    を含み、
    前記外縁部は、
    前記Z軸方向からの平面視で、前記第1機能素子を囲んでいる枠であり、
    長手方向が前記X軸方向に沿っている第1外縁部および第2外縁部と、
    長手方向が前記Y軸方向に沿っている第3外縁部および第4外縁部と、
    を含み、
    前記Z軸方向からの平面視で、
    前記第1外縁部、前記第2外縁部、前記第3外縁部および前記第4外縁部の少なくとも1つには、その長手方向に沿って、
    長手形状をなす第1溝部と、
    長手形状をなし、その長手方向が前記第1溝部の長手方向と直交している第2溝部と、
    が交互に断続的に設けられていることを特徴とする電子デバイス。
  2. 請求項1において、
    前記第1機能素子は、
    前記基板から遊離し、前記基板に対して前記X軸方向に変位可能な可動基部と、
    前記可動基部に設けられている可動電極指と、
    前記基板に固定され、前記可動電極指と前記X軸方向に対向して配置され、前記可動電極指との間に静電容量を形成する固定電極指と、
    を含み、
    前記X軸方向の加速度が加わると、前記基板に対して前記可動電極指が前記X軸方向に変位して前記静電容量が変化する電子デバイス。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1機能素子は、
    前記基板に固定されている固定部と、
    前記固定部と前記可動基部とを接続している支持部と、
    を含み、
    前記外縁部は、前記第1機能素子と遊離している電子デバイス。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    変位可能な可動部を含み、当該可動部が前記基板から遊離している第2機能素子を含むことを特徴とする電子デバイス。
  5. 請求項4において、
    平面視で、前記外縁部には、長手方向が、前記第1機能素子および前記第2機能素子の少なくとも何れかの中心を通る線に対して直交している第3溝部が設けられていることを特徴とする電子デバイス。
  6. 請求項5において、
    記第3溝部は、前記外縁部の角部に配置されていることを特徴とする電子デバイス。
  7. 請求項5または6において、
    平面視で、前記第3溝部は、前記中心に対して回転対称となるように配置されていることを特徴とする電子デバイス。
  8. 請求項5乃至7のいずれか一項において、
    平面視で、前記第1機能素子と前記第2機能素子との間の前記外縁部に、前記第1溝部、前記第2溝部、および前記第3溝部の少なくとも何れかが設けられていることを特徴とする電子デバイス。
  9. 請求項2において、
    前記第1溝部の前記長手方向は、前記X軸方向であることを特徴とする電子デバイス。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項において、
    前記第1溝部および前記第2溝部は、それぞれ、前記外縁部を前記Z軸方向に貫通していることを特徴とする電子デバイス。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項において、
    前記外縁部は、固定電位であることを特徴とする電子デバイス。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項において、
    前記第1機能素子の材料と、前記外縁部の材料とは、同一材料であることを特徴とする電子デバイス。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
  14. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする移動体。
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