JP5477434B2 - 容量式物理量センサ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば加速度センサやヨーレートセンサ等の、物理量(力学量)を静電容量の変化として検出する容量式物理量センサに関する。
この種の容量式物理量センサとして、例えば自動車のエアバッグ用の加速度センサ装置に用いられる半導体加速度センサがある。この半導体加速度センサ(センサチップ)は、周知のように、例えば支持基板上に酸化膜を介して単結晶シリコン層を有した半導体基板(SOI基板)をベースとし、その単結晶シリコン層に対するマイクロマシニング加工により、可動電極部と一対の固定電極部とからなる加速度検出部(センサエレメント)を形成して得られるようになっている。
前記可動電極部は、検出軸(例えば前後方向であるY軸)方向に長い錘部、この錘部から左右(X軸)方向に櫛歯状に延びる可動電極、錘部の両端に位置される梁部(ばね部)、それらの両端側あるいは一端側に配置されるアンカ部、を一体的に有している。そのうちアンカ部は、支持基板に固定支持され、アンカ部以外の部位は、支持基板上に浮いた状態とされる。前記アンカ部の上面には、例えばアルミニウムからなる四角形の電極パッドが設けられるようになっている。前記固定電極部は、前記櫛歯状の可動電極に対し、前後方向に隙間を介して配置される櫛歯状の固定電極を有して構成される。
これにて、可動電極部(可動電極)と固定電極部(固定電極)との間にコンデンサが形成され、これらコンデンサの静電容量は、Y軸方向の加速度の作用に伴う可動電極部の変位に応じて差動的に変化することになり、もって、加速度を容量値の変化として取出すことができるようになっている。尚、この半導体加速度センサ(センサチップ)は、例えば信号処理回路を有する回路チップ上に接着により実装され、その回路チップがセラミックパッケージに対し接着により収容されるようになっている。このとき、半導体加速度センサと回路チップとの電気的接続、及び、回路チップとパッケージ側との電気的接続は、夫々ボンディングワイヤによりなされるようになっている。
ところで、この種の半導体加速度センサにあっては、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されているように、例えば温度変化を受けることによりセンサエレメント部分に外部からの応力が作用し、反り等の変形が生ずる事情がある。特に、アルミからなる電極パッドとシリコンからなる基板との間の熱膨張係数の差に起因して、可動電極部に検出軸方向の変形が生じ、その結果、可動電極と固定電極との間の隙間が変化してしまい、センサ出力が変動して検出精度の低下を招いてしまう問題点がある。
そこで、そのような問題点を解消するために、特許文献1では、センサエレメントをチップの中心に配置すると共に、センサエレメント(可動電極部及び左右の固定電極部)のパターンをY軸方向に延びる中心軸に対して線対称(左右対称)に配置するといった工夫がなされている。また、特許文献2では、可動電極部の電極パッド及び左右の固定電極部の電極パッドに対し、センサエレメントの中心に関して点対称となるように、3個のダミーの電極パッドを付加する構成が開示されている。
特開2002−303636号公報 特開2003−14777号公報
しかしながら、上記特許文献1、特許文献2のような、外部応力による可動電極部の変形を、センサエレメントのパターンや電極パッドに対称性を付与することにより抑制しようとする構成では、センサチップ全体の面積の大形化を招いたり、あるいは、センサエレメントのパターンや電極パッドの配置等に関する設計の自由度が低下したりする不具合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、全体の大形化を抑えながらも、外部応力に起因する可動電極部の変形を効果的に防止することができる容量式物理量センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の容量式物理量センサは、支持基板上に、可動電極部と固定電極部とを有するセンサエレメントを設けて構成される容量式物理量センサであって、前記可動電極部は、前記支持基板に固定支持され上面に電極パッドが設けられたアンカ部と、このアンカ部に、前記支持基板上に浮いた状態の梁部を介して支持され物理量の作用に応じて変位する可動電極とを一体的に有して構成されていると共に、前記アンカ部は、前記梁部と電極パッドとの離間距離が、100μm以上となるように設けられているところに特徴を有する。
これによれば、アンカ部の梁部と電極パッドとの間の離間距離を長くとることにより、アンカ部における応力の緩衝作用を呈し応力が可動電極部に及ぶことを抑えることができる。本発明者の研究によれば、離間距離を100μm以上とすることにより、応力緩和の効果に優れることが明らかとなった。この結果、外部応力に起因する可動電極部の変形を防止することができる。この場合も、ダミーの電極パッドを付加したり、センサエレメントのパターンに対称性を与えたりする構成は不要となるので、全体の大形化を抑制することができ、また設計の自由度を低下させることなく済ませることができる。尚、梁部と電極パッドとの離間距離の上限についても、チップ全体の大きさ(面積)や配線抵抗との兼ね合いにより、適宜決定することができ、例えば270μm以下の範囲内で決定することができる。
以下、いくつかの参考例及び本発明を具体化した実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、以下に述べる各参考例及び実施例は、例えば自動車のエアバッグシステム(衝突検出)用の容量式の加速度センサ装置に適用したものである。
(1)第1の参考例
まず、図1ないし図5を参照して、第1の参考例について述べる。図1は、本参考例に係る容量式物理量センサたる半導体加速度センサチップ1の全体構成を概略的に示している。
図示及び詳しい説明は省略するが、この半導体加速度センサチップ1は、例えば信号処理回路を有する回路チップ上に接着シートを介して接合され、その回路チップがセラミックパッケージに対し接着材により接着された状態で収容され、もって加速度センサ装置とされるようになっている。このとき、半導体加速度センサチップ1(後述する電極パッド)と回路チップとの電気的接続、及び、回路チップとパッケージ側との電気的接続は、夫々ボンディングワイヤによりなされるようになっている。
本例の半導体加速度センサチップ1は、図1(b)及び図2(b)にも示すように、例えば、シリコンからなる支持基板2上に絶縁層(酸化膜)3を介して単結晶シリコン層4を形成した矩形状(正方形状)のSOI基板をベースとし、マイクロマシニング技術によって、その表面の単結晶シリコン層4に溝を形成することにより、中央部のぽぼ矩形の領域に位置してセンサエレメント(力学量(加速度)検出部)5を有している。この場合、このセンサエレメント5は、図1(a)で前後方向(Y軸方向)の加速度を検出するものとされ、一方向の検出軸(Y軸)を有するものとなっている。尚、前記単結晶シリコン層4の厚み寸法は、例えば22μmとされている。
図1(a)に示すように、前記センサエレメント5は、加速度の作用に応じてY軸方向に変位する可動電極部6と、左右一対の固定電極部7,8とを有して構成される。そのうち可動電極部6は、センサエレメント5の中心部を前後方向に延びる錘部6aの前後両端部に左右方向に細長い矩形枠状をなす梁部6bを有すると共に、図で手前側の梁部6bの更に前端側に第1のアンカ部6cを有し、後部側の梁部6bの更に後端側に第2のアンカ部6eを有している。そして、前記錘部6aから左右方向に夫々いわば櫛歯状に延びる多数本の細幅状の可動電極6dを有して構成されている。
また、前記第1のアンカ部6cの上面部には、例えばアルミニウム製の矩形状の電極パッド9が設けられている。このとき、前記可動電極部6は、前記アンカ部6c,6eを除いて下面側の絶縁膜3が除去されており、アンカ部6c,6eのみが支持基板2に支持された状態、つまり残りの部分は宙に浮いた状態とされている。尚、前記可動電極6dは、実際には多数本が設けられているが、図1では便宜上大部分を省略し、左右各2本ずつのみを図示している。また、前記電極パッド9は、例えば1.3μmの厚み寸法で形成されている。
これに対し、左側の固定電極部7は、図1で左辺側部分に前後に延びて位置する縦長矩形状の基部7aから、右方にいわば櫛歯状に延びる多数本の細幅状の固定電極7b(2本のみ図示)を有して構成されている。これら固定電極7bは、前記可動電極6dのすぐ後側に微小な隙間を介して平行に隣合うように設けられている。前記基部7aは、前方(図で手前側)に延びて設けられ、その前端部の上面に、前記電極パッド9の左方に並ぶように、やはりアルミ製の電極パッド10が設けられている。
右側の固定電極部8は、図1で右辺側部分に前後に延びて位置する縦長矩形状の基部8aから、左方にいわば櫛歯状に延びる多数本の細幅状の固定電極8b(2本のみ図示)を有して構成されている。これら固定電極8bは、前記可動電極6dのすぐ前側に微小な隙間を介して平行に隣合うように設けられている。前記基部8aは、前方(図で手前側)に延びて設けられ、その前端部の上面に、前記電極パッド9の右方に並ぶように、やはりアルミ製の電極パッド11が設けられている。尚、これら固定電極部7,8においては、基部7a,8aを除く部分、つまり、固定電極7b,8b部分の下面側の絶縁膜3が除去されている。
これにて、前記可動電極部6(可動電極6d)と固定電極部7(固定電極7b)との間、及び、可動電極部6(可動電極6d)と固定電極部8(固定電極8b)との間に夫々コンデンサが形成され、これらコンデンサの静電容量は、Y軸方向の加速度の作用に伴う可動電極部6(可動電極6d)の変位に応じて差動的に変化することになり、もって、加速度を容量値の変化として取出すことができるようになっているのである。
さて、本例では、図1、図2に示すように、前記可動電極部6の第1のアンカ部6cには、前記梁部6bと電極パッド9との間に位置して、応力遮断用の2本のスリット12が形成されている。図2(b)に示すように、これらスリット12は、単結晶シリコン層4全体が除去される深さで形成されている。尚、製造方法によっては、その下部の絶縁層3まで除去される深さで形成されていても良い。
これら2本のスリット12は、前記第1のアンカ部6cの左右の両側縁部から内側に向けて延び、各スリット12が、前記電極パッド9の左右の両端縁部を梁部6b側(Y軸方向)に延ばした仮想延長線Lを夫々横切る位置まで延びて形成されている。これらスリット12は、前記仮想延長線Lよりも、前記電極パッド9の両側縁部間の幅寸法に対して5%以上の長さ内側に延びて形成されている。さらに、これらスリット12は、そのスリット幅寸法cが5μm以上となるように形成されている。
具体例をあげると、第1のアンカ部6cの左右の幅寸法aが180μm、前後(梁部6bまで)の長さ寸法eが253μm、電極パッド9の縦横寸法(寸法f)が120μm×120μm、スリット12の横方向長さ寸法dが各40μm、第1のアンカ部6cの繋がり部分(スリット12を除く部分)の幅寸法bが100μm、スリット12の幅寸法cが30μm、電極パッド9の端部から梁部6bまでの長さ寸法gが113μm、電極パッド9の端部からスリット12までの長さ寸法hが20μmとされている。
以上のように構成された半導体加速度センサチップ1においては、使用時に、例えば温度変化を受けることによりセンサエレメント5部分に外部からの応力が作用し、反り等の変形が生ずることが考えられる。特に、アルミからなる電極パッド9と、第1のアンカ部6cとの間の熱膨張係数の差に起因して、可動電極部6に検出軸(Y軸)方向の変形が生じてしまい、ひいては、可動電極6dと固定電極7b、8bとの間の隙間が変化し、センサ出力が変動して検出精度の低下を招いてしまう虞がある。
ところが、本参考例では、第1のアンカ部6cの梁部6bと電極パッド9との間の位置に、応力遮断用のスリット12が設けられていることにより、第1のアンカ部6cにおける応力がそのスリット12部分にて緩衝され、錘部6aや可動電極6d部分に及ぶことを抑えることができる。この結果、外部応力に起因する可動電極部6の変形を防止することができ、検出精度の低下を防止することができたのである。
ここで、本発明者は、本例におけるスリット12の効果を確認すべく、半導体加速度センサチップにおいて、アンカ部にスリットを形成したものと有しないものとの2種類各10個のサンプルS1及びS2に関して、実際の昇温試験を行い、温度と出力との関係を求めた。図3及び図4は、サンプルS1及びS2となったセンサチップの形状(a)及びその試験結果(b)を示している。
図3(a)及び図4(a)に示すように、サンプルS1及びS2は、比較的大きいSOI基板に対し、その中心から手前側にずれた位置にセンサエレメントE1及びE2を形成した。また、電極パッドは、片側だけに(非対称に)設けられている。図3(a)のサンプルS1では、アンカ部に上記したような2本のスリットが形成され、図4(a)のサンプルS2では、アンカ部にスリットが存在しない。
試験は、上記サンプルS1及びS2を加速度センサ装置として組立て、常温(25℃)から125℃まで温度を上昇させ、静止時つまり加速度が作用していない状態(0G)におけるセンサの出力電圧の変動を調べることにより行った。このとき、25℃から85℃までの出力をフラットになるように補正しながら、125℃における出力変動を比較した。その結果が、図3(b)及び図4(b)に示されている。図3(b)に示すように、アンカ部にスリットを形成したサンプルS1では、125℃まで温度を上昇させても出力の変動は小さく、そのばらつきも小さいものとなっている。これに対し、図4(b)のアンカ部にスリットの存在しないサンプルS2では、温度上昇に伴う出力の変動が大きく、そのばらつきも大きいものとなっていた。
この試験結果から、第1のアンカ部6cに応力遮断用のスリット12を形成したものでは、熱応力(温度変化)による可動電極部6の変形を防止することができ、良好な検出精度を確保することができることが理解できる。また、スリット12を設けることによって、センサエレメント5の形成位置がチップの中心部からずれていても、電極パッド9を対称的に配置しなくても良いことが明らかとなった。
次に、本発明者は、第1のアンカ部6cに形成されるスリット12の幅寸法cが、応力吸収の効果に影響するかどうかを確かめるシミュレーション試験を行った。この試験は、図5(a)に示すような形状(寸法)の可動電極部6に対し、スリット12をいくつかの異なる幅寸法cで形成した場合の変形量を求めることにより行った。その結果を図5(b)に示す。尚、図5(a)では、可動電極6dの図示を省略している。
この場合、可動電極部6全体の形状として、後端部側の第2のアンカ部6eについても、前端側の第1のアンカ部6cと同等の長さ(寸法eが253μm)を有するように設けられている。そして、第1のアンカ部6cの大きさなどの各部の寸法は、上記した通りであるが、該第1のアンカ部6cの繋がり部分(スリット12を除く部分)の幅寸法bを50μm(スリット12の横方向長さ寸法dを各65μm)としている。また、スリット12の幅寸法cを、0(スリットなし)、5μm、10μm、20μm、30μm、50μm、70μm、80μmと変化させている。
この結果から、スリット12を幅寸法cが5μm以上となるように形成することにより、変形量をごく僅かに済ませることができ、応力吸収の効果に優れたものとなることが明らかとなったのである。尚、スリット幅cの上限は特に限定しないが、第1のアンカ部6cの大きさ(面積)や配線抵抗との兼ね合いによって適宜設計すれば良く、例えば80μm以下とすることができる。
さらに、詳しい説明は省略するが、本発明者の研究(シミュレーション)によれば、スリット12を、第1のアンカ部6cの両側縁部から内側に向けて2本形成すると共に、それらスリット12を、電極パッド9の両端縁部を梁部側に延ばした仮想延長線Lを夫々横切る位置まで延びて形成すれば、応力吸収の効果に優れたものとなる。またこのとき、各スリット12を、仮想延長線Lよりも、電極パッド9の両側縁部間の幅寸法fに対して5%以上の長さ(本参考例では、120×0.05=6μm以上)内側に延びて形成することが望ましく、可動電極部6の変形防止効果により優れたものとなることが明らかとなった。
このような第1の参考例によれば、可動電極部6の第1のアンカ部6cに、梁部6bと電極パッド9との間に位置して、応力遮断用のスリット12を形成したので、外部応力に起因する可動電極部6の変形を効果的に防止することができるという優れた効果を奏する。しかも、ダミーの電極パッドを付加する構成や、センサエレメント5のパターンに対称性を与えたり、チップの中心に設けたりする構成は不要となるので、全体の大形化を抑制することができ、また設計の自由度を低下させることなく済ませることができる。
(2)第2〜第4の参考例
図6、図7、図8は、夫々第2、第3、第4の参考例を示している。これら第2〜第4の参考例が、上記第1の参考例と異なる点は、可動電極部6の第1のアンカ部6cに形成されるスリットの形状にある。従って、上記第1の参考例と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、相違する点のみ述べることとする。
図6は、第2の参考例を示すものであり、この第2の参考例では、梁部6bと電極パッド9との間に位置して第1のアンカ部6cに左右方向に延びて形成される2本のスリット21を、該アンカ部6aの側縁部にて開放するのではなく、アンカ部6cの内側に切込みを入れた状態(閉じた状態)に設けるようにしている。つまり、第1のアンカ部6aの前後部は、2本のスリット21を挟んで、両側縁部及び中央部にてつながった状態とされている。また、この場合も、2本のスリット21は、電極パッド9の左右の両端縁部を梁部6b側(Y軸方向)に延ばした仮想延長線Lを夫々横切るような位置に形成されている。
図7は、第3の参考例を示すものであり、この第3の参考例では、第1のアンカ部6cに形成される2本のスリット22を、三角形状に設けるようにしている。
図8は、第4の参考例を示すものであり、この第4の参考例では、第1のアンカ部6cに形成される2本のスリット23を、楕円(長円)形状としている。
これら第2〜第4の参考例においても、可動電極部6の第1のアンカ部6cに、梁部6bと電極パッド9との間に位置して、応力遮断用のスリット21,22,23を形成したので、第1の参考例と同様に、全体の大形化を抑えながらも、外部応力に起因する可動電極部6の変形を効果的に防止することができるという優れた効果を得ることができる。
(3)一実施例、その他の実施例
次に、本発明の一実施例について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、本実施例に係る容量式物理量センサとしての半導体加速度センサチップ31を概略的に示しており、以下、上記第1の参考例の半導体加速度センサチップ1の構成と異なる点を中心に説明する。この半導体加速度センサチップ31は、やはり、支持基板2上に、可動電極部32と左右一対の固定電極部7,8とを有するセンサエレメント5を設けて構成されている。
前記可動電極部32は、前後方向に延びる錘部32aの前後両端部に梁部32bを有すると共に、図で手前側の梁部32bの更に前端側に第1のアンカ部32cを有し、後部側の梁部32bの更に後端側に第2のアンカ部32eを有している。そして、前記錘部32aから左右方向に夫々いわば櫛歯状に延びる多数本の細幅状の可動電極32dを有して構成されている。前記第1のアンカ部32cの上面部には、例えばアルミニウム製の矩形状の電極パッド9が設けられている。
このとき、前記第1のアンカ部32cにあっては、上記第1〜第4の参考例のようなスリットを設けることに代えて、アンカ部32b全体が前後方向に比較的長く形成されると共に、その前端側に電極パッド9が配置されていることにより、電極パッド9の端部から梁部32bまでの長さ寸法(離間距離)gが、100μm以上となるように構成されている。本実施例では、離間距離gは、例えば130μmとされている。
本実施例の構成によれば、第1のアンカ部32cにおいて、梁部32bと電極パッド9との間の離間距離gを比較的長くとることにより、第1のアンカ部32cにおける応力を緩和して可動電極部32に及ぶことを抑えることができる。本発明者の研究によれば、離間距離gを100μm以上とすることにより、応力緩和の効果に優れることが明らかとなった。
図10は、本発明者が、第1のアンカ部における梁部と電極パッドとの間の離間距離gを変化させた場合の、離間距離gと可動電極部の変形量との関係をシミュレーションした試験結果を示している。この図10中、曲線Aはスリットを設けない場合を示しているが、ここでは、上記第1の参考例のようなスリットを形成した場合についても併せてシミュレーションを行い、曲線Bで示している。
この結果から、梁部と電極パッドとの間の離間距離gを、約100μm以上とした場合には、可動電極部の変形はほとんど発生せず、より好ましくは、130μm以上とすることにより変形量をほぼ0とすることができた。また、スリットを形成した場合(曲線B)には、梁部と電極パッドとの間の離間距離gを50μm以上とすることにより、同様に可動電極部の変形を防止することができた。尚、梁部と電極パッドとの離間距離gの上限についても、チップ全体の大きさ(面積)や配線抵抗との兼ね合いにより、適宜決定することができ、例えば270μm以下の範囲内で決定することができる。
従って、本実施例によれば、可動電極部32の第1のアンカ部32cを、梁部32bと電極パッド9との離間距離gが比較的大きくなる(100μm以上)ように構成したので、外部応力に起因する可動電極部32の変形を効果的に防止することができるという優れた効果を奏する。しかも、ダミーの電極パッドを付加する構成や、センサエレメント5のパターンに対称性を与えたり、チップの中心に設けたりする構成は不要となるので、全体の大形化を抑制することができ、また設計の自由度を低下させることなく済ませることができるものである。
尚、上記実施例では、本発明を加速度センサ装置に適用するようにしたが、例えばヨーレートセンサ等、一方向の検出軸を有する他の容量型の物理量センサにも適用することができる。その他、本発明は上記し図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えばセンサエレメントの形状や材質、アンカ部や電極パッド等の各部の寸法、配置などについても種々の変形が可能である等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
第1の参考例を示すもので、センサチップの概略的な平面図(a)及びその中心線(Y軸)に沿う縦断側面図(b) アンカ部を示す拡大平面図(a)及びそのII−II線に沿う拡大縦断側面図(b) アンカ部にスリットを形成したセンサチップのサンプル形状(a)及び昇温試験の試験結果(b)を示す図 アンカ部にスリットを有しないセンサチップのサンプル形状(a)及び昇温試験の試験結果(b)を示す図 スリットの幅寸法と可動電極部の変形量との関係を調べた試験結果を示す図 第2の参考例を示す図2(a)相当図 第3の参考例を示す図2(a)相当図 第4の参考例を示す図2(a)相当図 本発明の一実施例を示すもので、図1(a)相当図 電極パッドの端部から梁部までの離間距離と可動電極部の変形量との関係を調べた試験結果を示す図
図面中、1,31は半導体加速度センサチップ(容量式物理量センサ)、2は支持基板、5はセンサエレメント、6,32は可動電極部、6a、32aは錘部、6b,32bは梁部、6c,32cは第1のアンカ部、6d、32dは可動電極、7,8は固定電極部、7b,8bは固定電極、9は電極パッド、12,21,22,23はスリット、Lは仮想延長線を示す。

Claims (1)

  1. 支持基板上に、可動電極部と固定電極部とを有するセンサエレメントを設けて構成される容量式物理量センサであって、
    前記可動電極部は、前記支持基板に固定支持され上面に電極パッドが設けられたアンカ部と、このアンカ部に、前記支持基板上に浮いた状態の梁部を介して支持され物理量の作用に応じて変位する可動電極とを一体的に有して構成されていると共に、
    前記アンカ部は、前記梁部と電極パッドとの離間距離が、100μm以上となるように設けられていることを特徴とする容量式物理量センサ。
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