JP5206054B2 - 容量式物理量センサ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば加速度センサやヨーレートセンサ等の、物理量(力学量)を静電容量の変化として検出する容量式物理量センサに関する。
この種の容量式物理量センサとして、例えば自動車のエアバッグ用の加速度センサ装置に用いられる半導体加速度センサがある(例えば特許文献1参照)。この半導体加速度センサ(センサチップ)は、周知のように、例えば支持基板上に酸化膜を介して単結晶シリコン層を有した半導体基板(SOI基板)をベースとし、その単結晶シリコン層に対するマイクロマシニング加工により、可動電極部と一対の固定電極部とからなる加速度検出部(センサエレメント)を形成して得られるようになっている。
この半導体加速度センサ(センサチップ)は、例えば信号処理回路を有する回路チップ上に載置されて接着剤により接合され、その回路チップがセラミックパッケージに対し接着剤により接着されて収容され、もって加速度センサ装置として構成されるようになっている。このとき、半導体加速度センサと回路チップとの電気的接続、及び、回路チップとパッケージ側との電気的接続は、夫々ボンディングワイヤによりなされるようになっている。
特開2000−227439号公報
ところで、この種の加速度センサ装置にあっては、例えば温度変化に伴ってセンサチップに熱応力が作用し、反り等の変形が生ずる事情がある。この場合、センサチップ及び回路チップは接着剤を介してセラミックパッケージに実装されており、それらの間の線膨張係数が異なるため、接着剤の熱膨張、収縮に引張られる形態でセンサチップが変形し、その結果、センサエレメント部分における可動電極と固定電極との間の隙間が変化してしまい、センサ出力が変動して検出精度の低下を招いてしまう問題点がある。
従来では、そのような問題点を解消するために、例えば、センサチップの接着に低応力の可撓性接着剤を採用するといった対策が行われている。ところが、可撓性接着剤を用いた場合、パッケージ側からセンサチップ側への衝撃伝達性や応答性が低下して、特に高衝撃の伝達が必要な用途で用いる場合に、感度が低下する可能性があった。また、別の対策として、センサチップの接着面積を制御することも考えられているが、この方法では、ワイヤボンディングの作業時に、電極パッドの下方に接着剤が存在しないケースがあり、超音波の伝達が悪くなって安定したワイヤボンディングができなくなる不具合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、接着剤側における対策によることなく、温度変化に伴うセンサエレメント部分の変形に起因した検出精度の低下を効果的に防止することができる容量式物理量センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の容量式物理量センサは、可動電極部を、支持基板に支持される可動電極支持部と、この可動電極支持部に梁部を介して一端部が支持された錘部から櫛歯状に延び物理量の作用に応じて変位する可動電極とを一体的に有して構成されていると共に、固定電極部を、前記支持基板に支持される固定電極支持部と、この固定電極支持部に一端部が支持された基部から櫛歯状に延び前記可動電極に対し隙間をもって配置される固定電極とを一体的に設けて構成し、前記可動電極部及び固定電極部は、前記支持基板の一辺側に並んで設けられていると共に、支持基板上に、該支持基板の一辺側に支持され、前記センサエレメント部の外側をコ字形に囲むように配置される補助支持枠を設け、前記可動電極の他端側を、その補助支持枠につなぐところに特徴を有する(請求項1の発明)。
これによれば、可動電極の一端部側を支持する可動電極支持部と、固定電極の一端部側を支持する固定電極支持部とが、共に支持基板の一辺側に設けられていることにより、温度変化に伴う可動電極部及び固定電極部の変形を、同方向に揃えることができ、変形に伴うそれら可動電極部と固定電極部との相互間の変位を少なく済ませることができる。この結果、温度変化に伴うセンサエレメント部分の変形に起因した検出精度の低下を効果的に防止することができる。またこの場合、容量式物理量センサ単独の構成で、検出精度の低下を改善できるので、接着剤を低応力のものにしたり、接着面積を制限したりする必要がなく、ひいては、高衝撃の用途に使用できると共に、ワイヤボンディングの工程を安定して行うことができる。しかも、支持基板上には、該支持基板の一辺側に支持され、前記センサエレメント部の外側をコ字形に囲むように配置される補助支持枠が設けられ、前記可動電極の他端側は、その補助支持枠につながっている。これにより、可動電極部の変形を抑制しつつも、可動電極部を片持ち状に支持する場合と比べて、可動電極部の共振周波数を上げることができる。
前記可動電極支持部及び固定電極支持部を、共に、配線部とその配線部の端部に位置し上面に電極パッドが形成される電極パッド形成部とを有した構成とすることができるのであるが、このとき、それら配線部を、隣合う配線部同士の間隔が、隣合う電極パッド同士の間隔よりも狭くなるように近接して設ける構成としたり(請求項2の発明)、あるいは、各電極パッド形成部を、可動電極部の変位方向に並ぶように配置する構成としたりすることができる(請求項3の発明)。これによれば、可動電極支持部及び固定電極支持部の、支持基板に支持(拘束)される拘束点(支点)となる部分を、極力一箇所に接近させることができるので、可動電極部及び固定電極部の変形を揃える機能により優れたものとすることができる。
このとき、可動電極の他端側と、補助支持枠との間に、梁部を介在させることができる(請求項4の発明)。これにより、可動電極部の他端部側を、梁部を介して補助支持枠に弾性支持させることができ、可動電極部の変形防止により効果的となる。また、固定電極の他端側も、前記補助支持枠のうち、可動電極の他端側の接続位置に近接した位置においてつながっている構成とすることができる(請求項5の発明)。これにより、固定電極部においても、その変形を抑制しつつ、共振周波数を上げることができる。さらに、前記補助支持枠が、支持基板の他辺側との間に梁部を介してつながっている構成とすることができる(請求項6の発明)。これにより、より一層共振周波数を上げることができる。
また、本発明においては、前記固定電極の一端部側にも、前記固定電極支持部との間に位置して梁部を設けることができる(請求項7の発明)。これにより、固定電極部も支持基板に弾性支持することができる。
以下、本発明の具体化したいくつかの実施例および参考例について、図面を参照しながら説明する。尚、以下に述べる各実施例および各参考例は、本発明を、例えば自動車のエアバッグシステム(衝突検出)用の容量式の加速度センサ装置に適用したものである。
(1)第1の参考例
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の参考例について述べる。図1は、本参考例に係る容量式物理量センサたる半導体加速度センサチップ1の全体構成を概略的に示している。また、図2は、その半導体加速度センサチップ1を組込んで構成される加速度センサ装置2の全体構成を概略的に示している。
ここで、図2に示すように、加速度センサ装置2は、本参考例に係る半導体加速度センサチップ1を、該半導体加速度センサチップ1からの信号を処理する信号処理回路を有する回路チップ3上に実装したスタック構造を備え、それらを例えばセラミック製のパッケージ4内に収容して構成される。このとき、半導体加速度センサチップ1は、例えばポリアミド系の接着フィルム5により回路チップ3上に接着され、回路チップ3は、例えばシリコン系接着剤6(或いはシリコン系銀ペースト)によりパッケージ4に接着されている。また、半導体加速度センサチップ1(後述する電極パッド)と回路チップ3との電気的接続、及び、回路チップ3とパッケージ4側との電気的接続は、夫々ボンディングワイヤ7(一部のみ図示)によりなされるようになっている。
本参考例に係る半導体加速度センサチップ1は、図1に示すような構成を備えている。即ち、半導体加速度センサチップ1は、例えば、シリコンからなる支持基板8a上に絶縁層(酸化膜)8bを介して単結晶シリコン層8cを形成した矩形状(正方形状)のSOI基板8をベースとしている。そして、マイクロマシニング技術によって、SOI基板8の表面の単結晶シリコン層8cに溝を形成すると共に、下面側の支持基板8a及び絶縁層8bの一部を除去することにより、中央部やや後部寄りのほぼ矩形状の領域に位置してセンサエレメント(力学量(加速度)検出部)9を有している。
この場合、このセンサエレメント9は、図1(a)で前後方向(Y軸方向)の加速度を検出するものとされ、一方向の検出軸(Y軸)を有するものとなっている。また、本参考例では、図1(b)にも示すように、センサエレメント9に対応する四角形の領域では、下面側の支持基板8a及び絶縁層8bが除去されている。つまり、支持基板8a及び絶縁層8bについては、半導体加速度センサチップ1の外周部分の枠状部分のみが残った状態とされており、中央の除去された矩形部分を開口部8dと称する。
図1(a)に示すように、前記センサエレメント9は、加速度の作用に応じてY軸方向に変位する可動電極部10と、左右一対の固定電極部11,12とを有して構成される。そのうち可動電極部10は、センサエレメント9の中心部を前後方向に延びる錘部10aの前端部(図で手前側)に左右方向に細長い矩形枠状をなす梁部10bを有すると共に、前記錘部10aから左右方向に夫々いわば櫛歯状に延びる多数本(便宜上12本のみ図示)の細幅状の可動電極10cを有して構成されている。そして、前記梁部10bの更に前端側に、前記支持基板8aに支持される可動電極支持部13を一体的に有している。
この可動電極支持部13は、前記梁部10bからY軸方向前方に延びる細幅の配線部13aとその配線部13aの前端に位置する電極パッド形成部13bとを一体に有して構成される。電極パッド形成部13bの上面部には、例えばアルミニウム製の矩形状の電極パッド14が設けられている。このとき、前記可動電極支持部13を除く可動電極部10は、前記開口部8d上に位置されて宙に浮いた状態とされ、前端部に位置する可動電極支持部13のみが支持基板8aに支持された状態、つまり支持基板8aの前辺部分に片持ち状に支持されている。検出軸であるY軸方向に直交し且つ支持基板8aに平行な方向をX軸方向とすると、支持基板8aのうちX軸方向に平行な辺が可動電極支持部13と重なっている。
これに対し、左側の固定電極部11は、図1で左辺寄り部分を前後に延びて位置する縦長矩形状の基部11aから、右方にいわば櫛歯状に延びる多数本の細幅状の固定電極11b(6本のみ図示)を有して構成されている。それら固定電極11bは、前記可動電極10cの前後に微小な隙間を介して平行に隣合うように設けられている。そして、前記基部11aの前端部は、前記梁部10bの手前側を右方にL字状に延びており、その先端(右端)部から前方に延びて、前記支持基板8aに支持される固定電極支持部15が一体的に設けられている。
この固定電極支持部15は、前記基部11aの先端部からY軸方向前方に延びる細幅の配線部15aとその配線部15aの前端に位置する電極パッド形成部15bとを一体に有して構成される。電極パッド形成部15bの上面部には、やはりアルミニウム製の矩形状の電極パッド16が設けられている。このとき、前記左側の固定電極部11は、前記固定電極支持部15を除いて開口部8d上で宙に浮いた状態とされており、前端部に位置する可動電極支持部15のみが支持基板8aに支持された状態、つまり支持基板8aの前辺部分に片持ち状に支持されている。すなわち、可動電極支持部13と同様に、支持基板8aのうちX軸方向に平行な辺が固定電極支持部15と重なっている。
また、右側の固定電極部12は、前記固定電極部11とほぼ左右対称を成すように設けられており、図1で右辺側部分に前後に延びて位置する縦長矩形状の基部12aから、左方にいわば櫛歯状に延び前記可動電極10cに微小な隙間を介して平行に隣合う多数本の細幅状の固定電極12bを有して構成されている。前記基部12aの前端部は、前記梁部10bの手前側を左方に逆L字状に延びており、その先端(左端)部から前方に延びて、前記支持基板8aに支持される固定電極支持部17が一体的に設けられている。
この固定電極支持部17は、前記基部12aの先端部からY軸方向前方に延びる細幅の配線部17aとその配線部17aの前端に位置する電極パッド形成部17bとを一体に有し、電極パッド形成部17bの上面部には、電極パッド18が設けられている。このとき、前記右側の固定電極部12は、やはり、前記固定電極支持部17を除いて開口部8d上で宙に浮いた状態とされており、前端部に位置する可動電極支持部17のみが支持基板8aに支持された状態、つまり支持基板8aの前辺部分に片持ち状に支持されている。
これにて、前記可動電極部10(可動電極10c)と固定電極部11(固定電極11b)との間、及び、可動電極部10(可動電極10c)と固定電極部12(固定電極12b)との間に夫々コンデンサが形成され、これらコンデンサの静電容量は、Y軸方向の加速度の作用に伴う可動電極部10(可動電極10c)の変位に応じて差動的に変化することになり、もって、加速度を容量値の変化として取出すことができるようになっているのである。
このとき、図1に示すように、可動電極支持部13及び左右の固定電極支持部15,17は、全て前記支持基板8a(SOI基板8)の一辺側である前辺部に左右方向に並んで設けられている。そして、本参考例では、左右の固定電極支持部15,17の配線部15a,17aが、可動電極支持部13の配線部13aに近接する、つまり3本の配線部13a,15a,17aが、極力中央部にまとまるように配置されている。これにより、隣合う配線部13a,15a,17a同士の間隔が、隣合う電極パッド14,16,18同士の間隔よりも狭くなるように近接して設けられている。尚、図1に示すように、この半導体加速度センサチップ1の上面には、固定電極支持部15,17(電極パッド16,18)のさらに左右外側に位置して、基板電極パッド19,19が形成されている。
以上のように構成された本参考例の加速度センサ装置2においては、使用時に、半導体加速度センサチップ1(SOI基板8)が例えば温度変化を受けることに伴う熱膨張、熱収縮により、反り等の変形が生ずることが考えられる。特に、SOI基板8と接着フィルム5との間の熱膨張係数の差に起因して、半導体加速度センサチップ1のセンサエレメント9部分の検出軸(Y軸)方向の変形が生じ、ひいては、可動電極10cと固定電極11b、12bとの間の間隔が変化し、センサ出力が変動して検出精度の低下を招いてしまう虞がある。
ところが、本参考例では、可動電極支持部13と固定電極支持部15,17とが、共に支持基板8a(SOI基板8)の一辺側(X軸方向に平行な辺)に設けられていることにより、温度変化に伴う可動電極部10及び固定電極部11,12の変形を、同方向(Y軸方向)に揃えることができ、変形に伴うそれら可動電極部10と固定電極部11,12との相互間の変位を少なく済ませることができるのである。
このとき、可動電極支持部13及び固定電極支持部15,17の各配線部13a及び15a,17aを、隣合う配線部13a,15a,17a同士の間隔が、隣合う電極パッド14,16,18同士の間隔よりも狭くなるように近接して設ける構成としたので、可動電極支持部13及び固定電極支持部15,17の、支持基板8aに支持(拘束)される拘束点(支点)となる部分を、極力一箇所に接近させることができるので、可動電極部10及び固定電極部11,12の変形を揃える機能により優れたものとすることができる。
さらに、可動電極部10及び固定電極部11,12を、夫々、可動電極支持部13及び固定電極支持部15,17によって支持基板8aに対して片持ち状に支持される構成としたことにより、支持基板8aに対して可動電極部10及び固定電極部11,12の両端部が拘束されている場合と比べて、温度変化に伴う反りなどの変形をより一層抑制することが可能となる。
このように本参考例によれば、熱応力に起因する半導体加速度センサチップ1の変形の発生が避けられないものであるとしても、可動電極部10と固定電極部11,12との変形を、同方向(Y軸方向)に揃えることができ、変形に伴うそれら可動電極部10と固定電極部11,12との相互間の変位を少なく済ませることができるのである。この結果、半導体加速度センサチップ1の変形に起因した検出精度の低下を効果的に防止することができる。
またこの場合、半導体加速度センサチップ1単独の構成で、検出精度の低下を改善できるので、接着剤を低応力のものにしたり、接着面積を制限したりする必要がなく、任意の(剛性の高い)接着剤を使用することができ、また十分な大きな接着面積をとることができる。従って、パッケージ4側から半導体加速度センサチップ1側への高い衝撃伝達性を確保して、自動車のエアバッグ用といった高衝撃の伝達が必要な用途にも利用可能となり、また、ワイヤボンディングの作業時の超音波の伝達を良好として安定したワイヤボンディング工程を実行することができるようになる。
(2)第1、第2の実施例
次に、本発明の第1の実施例について、図3を参照しながら述べる。尚、以下に述べる各実施例および参考例においては、やはり、本発明を上記第1の参考例と同様の半導体加速度センサチップ(自動車のエアバッグ用の加速度センサ装置)に適用したものである。従って、上記第1の参考例と同一或いはほぼ同一の部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、相違する点を中心に述べることとする。
図3は、本発明の第1の実施例を示すもので、容量式物理量センサとしての半導体加速度センサチップ21の平面構成を概略的に示している。この半導体加速度センサチップ21が、上記第1の参考例の半導体加速度センサチップ1と異なるところは、補助支持枠22を設け、可動電極部23の他端側(後端側)をその補助支持枠22に接続した構成にある。
即ち、前記補助支持枠22は、マイクロマシニング技術によって、SOI基板8の表面の単結晶シリコン層8cに溝を形成することにより形成され、前記センサエレメント9部分の外側をコ字形に囲むように配置されると共に、その両端(先端)側が、該支持基板8a(SOI基板8)の一辺側(前辺側)の前記電極パッド16,18の左右の外側部分に、電気的分離状態で支持された形態に設けられている。尚、SOI基板8(支持基板8a)においては、矩形状の開口部8d(支持基板8a及び絶縁層8bの存在しない部分)が、補助支持枠22を設ける分だけ大きくなっている。また、基板電極パッド19,19は、補助支持枠22の接続(支持)部分のさらに左右外側に位置して形成されている。
そして、前記可動電極部23は、やはり、前後方向に長い錘部23a、その前端部に位置し左右方向に細長い矩形枠状をなす梁部23b、錘部23aから左右方向に夫々いわば櫛歯状に延びる多数本の可動電極23c、梁部23bの前端側に位置する可動電極支持部13を一体的に有している。これに加えて、錘部23aの他端側(後端側)が前記補助支持枠22に、梁部23dを介してつながっている。
また、固定電極部11,12に関しては、固定電極支持部15,17を含めて、上記第1の参考例とほぼ同様の構成を備えている。さらに、本実施例では、補助支持枠22と、前記支持基板8a(SOI基板8)の他辺側(後辺部)との間が、梁部24を介してつながっている。
さて、ここで、上記第1の参考例のように、可動電極部10を支持基板8a(SOI基板8)に対して片持ち状に支持する構成では、変形防止の効果に優れるものとなる反面、共振点が低くなる事情が生ずる。これに対し、本実施例では、補助支持枠22を設け、可動電極部23の他端側を、その補助支持枠22につなぐ構成としたことにより、可動電極部23の変形を抑制しつつも、可動電極部23を片持ち状に支持する場合と比べて、可動電極部23の共振周波数を上げることができる。特に本実施例では、補助支持枠22が、支持基板8a(SOI基板8)の他辺側との間に梁部24を介してつながっている構成としたので、より一層共振周波数を上げることができるものである。
従って、この第1の本実施例によれば、上記第1の参考例と同様に、可動電極部23と固定電極部11,12との変形を、同方向(Y軸方向)に揃えることができ、変形に伴うそれら可動電極部23と固定電極部11,12との相互間の変位を少なく済ませ、半導体加速度センサチップ21の変形に起因した検出精度の低下を効果的に防止することができる。特に本実施例では、可動電極部23の他端部側を、梁部23dを介して補助支持枠22に弾性支持させたことにより、可動電極部23の変形防止により効果的となる。また、接着剤側における対策によることなく、半導体加速度センサチップ21単独の構成で、検出精度の低下を改善することができる。そして、それに加えて、可動電極部23の共振周波数の低下に起因する不具合を未然に防止することができるものである。
図4は、本発明の第2の実施例を示すものである。この第2の実施例に係る半導体加速度センサチップ31が、上記第1の実施例の半導体加速度センサチップ21と異なるところは、左右の固定電極部32,33の構成にある。即ち、図で左側の固定電極部32は、前後に長い基部32aから、右方にいわば櫛歯状に延びる多数本の細幅状の固定電極32bを一体に有し、基部32aの一端側である前端部は、可動電極部23の梁部23bの手前側を右方に延びた後、手前側に折曲がって延び、固定電極支持部15につながっている。
このとき、固定電極部32の一端部(前端部)にも、前記固定電極支持部15との間に位置して梁部32cが一体に設けられている。また、図で右側の固定電極部33についても、前記固定電極部32と左右対称的に、基部33a、固定電極33b、基部33aの前端側の固定電極支持部17との間に位置する梁部33cを有している。
このような第2の実施例によれば、上記第1の実施例と同様の作用・効果が得られることに加え、固定電極部32,33も支持基板8a(SOI基板8)に弾性支持することができる。
尚、上記した第1、第2の実施例のように、補助支持枠22を設ける場合、図示はしないが、固定電極部の他端側(後端側)を、補助支持枠22のうち、可動電極部23の他端側の接続位置に近接した位置(中央寄りの位置)においてつなぐ構成とすることができる。この場合、固定電極部の他端側の接続部分を、補助支持枠22(可動電極部23)と電気的に分離するように構成する必要がある。これによれば、固定電極部においても、その変形を抑制しつつ、共振周波数を上げることができ、固定電極部の共振周波数の低下に起因する不具合を未然に防止することができるものである。
さらに、上記した第1、第2の実施例においては、補助支持枠22と前記支持基板8a(SOI基板8)の他辺側との間を、梁部24を介してつなげる構成としたが、本発明においては、補助支持枠22を設ける場合であっても、梁部24を省略する構成としても良い。
(3)第2の参考例、第3の実施例、その他の実施例
図5は、本発明の第2の参考例に係る容量式物理量センサとしての半導体加速度センサチップ41の構成を概略的に示している。この半導体加速度センサチップ41が、上記第1の参考例の半導体加速度センサチップ1と異なる点は、可動電極支持部13の電極パッド形成部13bと、各固定電極部11,12の一端(前端)を夫々支持する固定電極支持部42,43の電極パッド形成部42b,43bとを、可動電極部10の変位方向この場合前後方向(縦方向)に並ぶように配置したところにある。
即ち、右側の固定電極部12は、基部12aから左方に櫛歯状に延びる固定電極12bを有して構成され、基部12aの前端から前方に延びて、支持基板8aに支持される固定電極支持部43が一体的に設けられている。この固定電極支持部43は、可動電極支持部13の右側をY軸方向前方に延びる細幅の配線部43aとその配線部43aの前端(左側)に位置する電極パッド形成部43bとを一体に有している。
また、左側の固定電極部11は、基部11aから右方に櫛歯状に延びる固定電極11bを有して構成され、基部11aの前端から前方に延びて、支持基板8aに支持される固定電極支持部42が一体的に設けられている。この固定電極支持部42は、可動電極支持部13及び電極パッド形成部43bの左側をY軸方向前方に延びる細幅の配線部42aとその配線部42aの前端(右側)に位置する電極パッド形成部42bとを一体に有している。尚、本参考例では、電極パッド形成部42b,43bの並びの分、支持基板8a(SOI基板8)が前後方向に大形化している。
このような第2の参考例によっても、上記第1の参考例等と同様に、接着剤側における対策によることなく、半導体加速度センサチップ41単独の構成で、半導体加速度センサチップ41の変形に起因した検出精度の低下を効果的に防止することができる。そして、可動電極支持部13及び固定電極支持部42,43の、支持基板8aに支持(拘束)される拘束点(支点)となる部分(配線部13a,42a、43a)を、極力一箇所に接近させることができるので、可動電極部10及び固定電極部11,12の変形を揃える機能により優れたものとすることができる。
図6は、本発明の第3の実施例に係る容量式物理量センサとしての半導体加速度センサチップ51の構成を概略的に示している。この半導体加速度センサチップ51が上記第1の参考例の半導体加速度センサチップ1と異なる点は、支持基板52a(SOI基板52)の構成にある。
即ち、上記第1の参考例の半導体加速度センサチップ1においては、SOI基板8のうち支持基板8aが残っている部分は、センサエレメント9全体を囲むような矩形枠状をなしているのに対し、本実施例の半導体加速度センサチップ51では、支持基板52a(SOI基板52)を、可動電極部10及び固定電極部11,12の周囲部にも存在せず、可動電極支持部13及び固定電極支持部15,17の下部を含んだ一部分のみ、つまり半導体加速度センサチップ51の前辺側にのみ存在するように構成している。
このような構成により、上記第1の参考例と同様に、接着剤側における対策によることなく、半導体加速度センサチップ51単独の構成で、半導体加速度センサチップ51の変形に起因した検出精度の低下を効果的に防止することができる。そして、支持基板52a(SOI基板52)、ひいては、半導体加速度センサチップ51全体を小型化することができるものである。
尚、上記各実施例では、半導体加速度センサチップの実装構造として、セラミックパッケージを採用するようにしたが、モールド構造のものにも適用することができる。また、本発明は、加速度センサ装置に限らず、例えばヨーレートセンサ等、一方向の検出軸を有する他の容量型の物理量センサにも適用することができる。その他、本発明は上記し図面に示した各実施例に限定されるものではなく、例えばセンサエレメントの形状、配線部や電極パッドの配置などについても種々の変形が可能である等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
本発明の第1の参考例を示すもので、半導体加速度センサチップの概略的な平面図(a)及びその中心線(Y軸)に沿う縦断側面図(b) 加速度センサ装置の概略的な縦断正面図 本発明の第1の実施例を示す半導体加速度センサチップの概略的な平面図 本発明の第2の実施例を示す半導体加速度センサチップの概略的な平面図 本発明の第2の参考例を示す半導体加速度センサチップの概略的な平面図 本発明の第3の実施例を示す半導体加速度センサチップの概略的な平面図
符号の説明
図面中、1,21,31,41,51は半導体加速度センサチップ(容量式物理量センサ)、8a,52aは支持基板、9はセンサエレメント、10,23は可動電極部、10b、23bは梁部、10c、23cは可動電極、11,12,32,33は固定電極部、11b,12b,32b,33bは固定電極、13は可動電極支持部、13aは配線部、13bは電極パッド形成部、14,16,18は電極パッド、15,17,42,43は固定電極支持部、15a,17a,42a,43aは配線部、15b,17b,42b,43bは電極パッド形成部、22は補助支持枠、24は梁部、32c,33cは梁部を示す。

Claims (7)

  1. 支持基板上に、可動電極部と固定電極部とからなるセンサエレメントを備えて構成される容量式物理量センサであって、
    前記可動電極部は、前記支持基板に支持される可動電極支持部と、この可動電極支持部に梁部を介して一端部が支持された錘部から櫛歯状に延び物理量の作用に応じて変位する可動電極とを一体的に有して構成されていると共に、
    前記固定電極部は、前記支持基板に支持される固定電極支持部と、この固定電極支持部に一端部が支持された基部から櫛歯状に延び前記可動電極に対し隙間をもって配置される固定電極とを一体的に有して構成され、
    前記可動電極支持部及び固定電極支持部は、前記支持基板の一辺側に並んで設けられていると共に、
    前記支持基板上には、該支持基板の一辺側に支持され、前記センサエレメント部の外側をコ字形に囲むように配置される補助支持枠が設けられ、
    前記可動電極の他端側が前記補助支持枠につながっていることを特徴とする容量式物理量センサ。
  2. 前記可動電極支持部は、前記梁部からつながる配線部と、その配線部の端部に位置し上面に電極パッドが形成される電極パッド形成部とを有すると共に
    前記固定電極支持部は、前記固定電極につながる配線部と、その配線部の端部に位置し上面に電極パッドが形成される電極パッド形成部とを有し、
    隣合う前記配線部同士の間隔が、隣合う前記電極パッド同士の間隔よりも狭くなるように近接して設けられていることを特徴とする請求項1記載の容量式物理量センサ。
  3. 前記可動電極支持部は、前記梁部からつながる配線部と、その配線部の端部に位置し上面に電極パッドが形成される電極パッド形成部とを有すると共に、
    前記固定電極支持部は、前記固定電極につながる配線部と、その配線部の端部に位置し上面に電極パッドが形成される電極パッド形成部とを有し、
    前記各電極パッド形成部が、前記可動電極部の変位方向に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1記載の容量式物理量センサ。
  4. 前記可動電極の他端側と前記補助支持枠との間に、梁部が介在されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の容量式物理量センサ。
  5. 前記固定電極の他端側が、前記補助支持枠のうち、前記可動電極の他端側の接続位置に近接した位置においてつながっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の容量式物理量センサ。
  6. 前記補助支持枠は、前記支持基板の他辺側との間に梁部を介してつながっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の容量式物理量センサ。
  7. 前記固定電極の一端部側にも、前記固定電極支持部との間に位置して梁部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の容量式物理量センサ。
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