本明細書で開示される技術の特徴を整理しておく。
(特徴1)MEMS構造体は、支持基板と、その支持基板に固定されている第1固定部と、その第1固定部から伸びているとともに支持基板に対して浮遊している第1梁部と、その第1梁部に接続されているとともに支持基板に対して浮遊している変位部と、変位部に接続されているとともに支持基板に対して浮遊している可動電極部と、可動電極部に対向して配置されているとともに支持基板に対して浮遊している固定電極部と、固定電極部から伸びているとともに支持基板に対して浮遊している第2梁部と、第2梁部が接続されるとともに支持基板に固定されている第2固定部とを備える。
(特徴2)特徴1において、第2梁部は、固定電極部から第1固定部に接近する向きに伸びているのが望ましい。
(特徴3)特徴1において、第1梁部は少なくとも第1方向に対してばね定数が小さく、第2梁部は少なくともその第1方向に対してばね定数が大きいのが望ましい。
(特徴4)特徴1において、変位部自体が可動電極部を構成してもよい。この場合、支持基板が固定電極部として用いられるのが望ましい。
(特徴5)特徴4において、変位部が対向する支持基板の一部が分離溝によって周囲の支持基板から分離され、分離された支持基板の一部が対向電極部として用いられるのが望ましい。
以下、図面を参照して、各実施例を例示する。なお、各実施例において、実質的に同一の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図1〜図4を参照して、加速度センサ10を説明する。図1に、加速度センサ10の概略平面図を示す。図2に、図1のA−A線に沿った断面図を示す。図3に、図1のB−B線に沿った断面図を示す。図4に、図1のC−C線に沿った断面図を示す。
図2〜4に示されるように、加速度センサ10は、半導体下層20と絶縁層30と半導体上層40を加工することによって形成されている。半導体下層20及び半導体上層40は、不純物を高濃度に含んでおり、導電性を有する。一例では、半導体下層20及び半導体上層40の材料には、シリコン単結晶(Si)が用いられる。絶縁層30は、半導体下層20と半導体上層40を電気的に絶縁している。一例では、絶縁層30の材料には、酸化シリコン(SiO2)が用いられる。
図1に示されるように、加速度センサ10は、支持基板21と変位部41を備えている。支持基板21は、半導体下層20に形成されている。この例では、半導体下層20は加工されておらず、半導体下層20の全体が支持基板21として用いられている。変位部41は、半導体上層40に形成されている。変位部41と支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。これにより、変位部41は、支持基板21に対して浮遊している。変位部41は、平面視したときに(z軸方向から観測したときに)、略正方形状の形態を有している。変位部41は、4つの角部近傍のそれぞれに設けられた第1梁部42を介して支持基板21に支持されている。
第1梁部42は、半導体上層40に形成されている。第1梁部42と支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。これにより、第1梁部42は支持基板21に対して浮遊している。第1梁部42は、一端が変位部41の側面のうちの角部近傍に接続されており、他端が第1固定部43に接続されている。第1固定部43は、半導体下層20と絶縁層30と半導体上層40が積層した部位である。第1梁部42は、y軸方向に沿って直線状に伸びている。第1梁部42は、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、第1梁部42は、x軸方向に弾性変形し易く、y軸及びz軸には弾性変形しにくい。これにより、第1梁部42で支持される変位部41は、第1梁部42がx軸方向に弾性変形することによって、支持基板21に対してx軸方向に相対変位することが可能である。
加速度センサ10はさらに、検出電極部50を備えている。検出電極部50は、可動電極部51と、その可動電極部51に対向して配置される固定電極部52を有している。可動電極部51は、複数の可動電極板51aと、その複数の可動電極板51aを連結する可動電極板連結部51bを有する。可動電極板51a及び可動電極板連結部51bはいずれも、半導体上層40に形成されている。可動電極板51aと支持基板21の間及び可動電極板連結部51bと支持基板21の間の絶縁層は除去されており、それぞれの間に空間が形成されている。これにより、可動電極板51a及び可動電極板連結部51bは、支持基板21に対して浮遊している。可動電極板51aは、一端が可動電極板連結部51bに接続されており、他端が自由端で構成されており、y軸方向に沿って伸びている。可動電極板連結部51bは、一端が変位部41に接続されており、他端が自由端に構成されており、x軸方向に沿って伸びている。可動電極部51は、変位部41がx軸方向に変位するのに追随して、支持基板21に対してx軸方向に相対変位することができる。
固定電極部52は、複数の固定電極板52aと、その複数の固定電極板52aを連結する固定電極板連結部52bを有する。固定電極板52a及び固定電極板連結部52bはいずれも、半導体上層40に形成されている。固定電極板52aと支持基板21の間及び固定電極板連結部52bと支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、それぞれの間に空間が形成されている。これにより、固定電極板52a及び固定電極板連結部52bは、支持基板21に対して浮遊している。固定電極板52aは、一端が固定電極板連結部52bに接続されており、他端が自由端に構成されており、y軸方向に沿って伸びている。固定電極板52aと可動電極板51aは、x軸方向に対向している。固定電極部52は、第2梁部53を介して支持基板21に支持されている。
第2梁部53は、半導体上層40に形成されている。第2梁部53と支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。これにより、第2梁部53は、支持基板21に対して浮遊している。第2梁部53は、一端が固定電極板連結部52bの側面に接続されており、他端が第2固定部54に接続されている。第2固定部54は、半導体下層20と絶縁層30と半導体上層40が積層した部位である。第2梁部53は、所謂片持ち梁の形態を有している。第2梁部53は、y軸方向に沿って直線状に伸びている部分と、x軸方向に沿って直線状に伸びている部分を有する。第2梁部53は、x軸、y軸及びz軸方向のいずれのばね定数も大きい。このため、第2梁部53は、x軸、y軸及びz軸方向のいずれにも弾性変形しにくい。これにより、第2梁部53で支持される固定電極部52は、固定電極としての役割を果たすことができる。
次に、加速度センサ10の動作を説明する。加速度センサ10では、x軸方向の加速度が加わると、第1梁部42が弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してx軸方向に相対変位する。変位部41の変位に追随して、可動電極部51も支持基板21に対して相対変位する。一方、固定電極部52は、x軸方向のばね定数の大きい第2梁部53を介して第2固定部54で支持基板21に接続されているので、固定電極として機能する。このため、可動電極部51の可動電極板51aと固定電極部52の固定電極板52aの間の間隔は、x軸方向に印加される加速度に応じて変動する。
例えば、第1固定部43と第2固定部54の間に容量検出回路が接続されていると、その容量検出回路を利用して、加速度に応じて変動する可動電極板51aと固定電極板52aの間の静電容量を測定することができる。これにより、その静電容量の変動から印加された加速度を換算することができる。
加速度センサ10では、固定電極部52が支持基板21に対して浮遊しているとともに、第2梁部53を介して支持基板21に固定されていることを特徴としている。さらに、加速度センサ10では、第2梁部53が、固定電極部52から第1固定部43に近づくように伸びていることを特徴としている。より詳細には、第2梁部53は、x軸方向に伸びる部分とy軸方向に伸びる部分を有しており、これにより、固定電極部52から第1固定部43に向けてx軸方向とy軸方向のいずれにおいても接近している。この結果、加速度センサ10では、第1固定部43と第2固定部54の間の距離が第1固定部43と固定電極部52の間の距離よりも短く構成されている。
図5に、半導体下層20に反りが発生した場合を例示する。加速度センサ10を製造する過程では、製造時の熱ストレスが半導体下層20に加わることがあり、これにより、半導体下層20に反りが発生することがある。この例では、半導体下層20がy軸回りに変形した例である。図5に示されるように、加速度センサ10では、半導体下層20に反りが発生したとしても、可動電極部51が支持基板21に固定される第1固定部43と固定電極部52が支持基板21に固定される第2固定部54の間の距離が短く構成されているので、可動電極部51と固定電極部52の相対的な位置関係が維持されている。より詳細には、第1固定部43と第2固定部54の間の距離がx軸方向に接近しているので、y軸回りに半導体下層20が反ったとしても、可動電極部51と固定電極部52の相対的な位置関係が維持される。また、第1固定部43と第2固定部54の間の距離がy軸方向に接近しているので、x軸回りに半導体下層20が反ったとしても、可動電極部51と固定電極部52の相対的な位置関係が維持される。なお、第1梁部42のy軸方向の長さと第2梁部53のy軸方向の長さをほぼ等しくすることで、より可動電極部51と固定電極部52の相対的な位置関係を維持することができる。このように、加速度センサ10では、第1固定部43と第2固定部54の間の距離が接近しているので、半導体下層20の反りによる可動電極部51と固定電極部52の間の容量変化を緩和することができ、支持基板21の反りに対して安定した特性を得ることができる。
図6を参照して、加速度センサ100を説明する。加速度センサ100は、x軸方向に沿って配置されている一対のx軸検出電極部50A,50Cと、y軸方向に沿って配置されている一対のy軸検出電極部50B,50Dを備えていることを特徴としている。x軸検出電極部50A,50Cは、変位部41を間に挟んでx軸方向に沿って対向している。y軸検出電極部50B,50Dは、変位部41を間に挟んでy軸方向に沿って対向している。これらの検出電極部50A,50B,50C,50Dは、第1実施例と同様に、可動電極部51と固定電極部52を備えている。ここで、本実施例の固定電極部52は、一対の第2梁部53によって支持されている点(所謂、両持ち梁)で第1実施例(所謂、片持ち梁)と相違する。しかしながら、その他の点においては、これらの検出電極部50A,50B,50C,50Dは、第1実施例の検出電極部50と実質的に共通の形態を備えている。
加速度センサ100はさらに、x軸検出電極部50A,50Cと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するx軸第1梁部142と、y軸検出電極部50B,50Dと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するy軸第1梁部144を備えていることを特徴としている。
x軸第1梁部142は、半導体上層40に形成されている。x軸第1梁部142と支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。これにより、x軸第1梁部142は、支持基板21に対して浮遊している。x軸第1梁部142は、xばね梁142aとx軸プレート142bとyばね梁142cを有する。xばね梁142aは、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、xばね梁142aは、x軸方向に弾性変形し易く、y軸及びz軸方向には弾性変形しにくい。yばね梁142cは、y軸方向のばね定数が小さく、x軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、yばね梁142cは、y軸方向に弾性変形し易く、x軸及びz軸方向には弾性変形しにくい。x軸プレート142bは、xばね梁142aとyばね梁142cの双方を連結しており、x軸、y軸及びz軸方向のいずれのばね定数も大きい。このため、x軸プレート142bは、x軸、y軸及びz軸方向のいずれにも弾性変形しない。x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51は、x軸プレート142bに直接的に接続されており、x軸プレート142b及びyばね梁142cを介して変位部41に間接的に接続されている。
y軸第1梁部144は、半導体上層40に形成されている。y軸第1梁部144と支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。y軸第1梁部144は、支持基板21に対して浮遊している。y軸第1梁部144は、yばね梁144aとy軸プレート144bとxばね梁144cを有する。yばね梁144aは、y軸方向のばね定数が小さく、x軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、yばね梁144aは、y軸方向に弾性変形し易く、x軸及びz軸方向には弾性変形しにくい。xばね梁144cは、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、xばね梁144cは、x軸方向に弾性変形し易く、y軸及びz軸方向には弾性変形しにくい。y軸プレート144bは、yばね梁144aとxばね梁144cの双方を連結しており、x軸、y軸及びz軸方向のいずれのばね定数も大きい。このため、y軸プレート144bは、x軸、y軸及びz軸方向のいずれにも弾性変形しない。y軸検出電極部50B,50Dの可動電極部51は、y軸プレート144bに直接的に接続されており、y軸プレート144b及びxばね梁144cを介して変位部41に間接的に接続されている。
次に、加速度センサ100の動作を説明する。加速度センサ100では、x軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部142のxばね梁142aとy軸第1梁部144のxばね梁144cの双方が弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してx軸方向に相対変位する。変位部41の変位に追随して、x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51も支持基板21に対して相対変位する。一方、x軸検出電極部50A,50Cの固定電極部52は、x軸方向のばね定数の大きい第2梁部53で支持されているので、x軸固定電極としての役割を果たすことができる。これにより、加速度センサ100は、x軸方向の加速度を検出することができる。
さらに、加速度センサ100では、y軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部142のyばね梁142cとy軸第1梁部144のyばね梁144aの双方が弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してy軸方向に相対変位する。変位部41の変位に追随して、y軸検出電極部50B,50Dの可動電極部51も支持基板21に対して相対変位する。一方、y軸検出電極部50B,50Dの固定電極部52は、y軸方向のばね定数が大きい第2梁部53で支持されているので、y軸固定電極としての役割を果たすことができる。これにより、加速度センサ100は、y軸方向の加速度を検出することができる。加速度センサ100は、x軸とy軸の2軸の加速度を検出することができる。
加速度センサ100でも、x軸検出電極部50A,50Cの固定電極部52が、支持基板21に対して浮遊しているとともに第2梁部53を介して支持基板21に固定されている。さらに、y軸検出電極部50B,50Dの固定電極部52も、支持基板21に対して浮遊しているとともに第2梁部53を介して支持基板21に固定されている。この技術を利用して、加速度センサ100でも、第1固定部43と第2固定部54の間の距離が第1固定部43と固定電極部52の間の距離よりも短く構成されている。これにより、加速度センサ100では、半導体下層20の反りに抗して、可動電極部51と固定電極部52の相対的な位置関係を維持させ、反りに対して安定した特性を得ることができる。また、加速度センサ100では、第2梁部53の固定方法が第1梁部142,144の固定方法と同様に両持ちで構成されている。このため、x軸回り又はy軸回りに支持基板21が反ったときに、第1梁部142,144と第2梁部53の湾曲は同様な形状となり、両者の位置関係をより維持することができる。
図7〜図10を参照して、加速度センサ200を説明する。図7に、加速度センサ200の概略平面図を示す。図8に、図7のA−A線に沿った断面図を示す。図9に、図7のB−B線に沿った断面図を示す。図10に、図7のC−C線に沿った断面図を示す。
加速度センサ200は、x軸方向に沿って配置されている一対のx軸検出電極部50A,50Cを備えていることを特徴としている。これらのx軸検出電極部50A,50Cは、第2実施例のx軸検出電極部50A,50Cと実質的に共通の形態を備えている。
加速度センサ200はさらに、x軸検出電極部50A,50Cと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するx軸第1梁部242を備えていることを特徴としている。x軸第1梁部242は、弾性変形する方向において第2実施例のx軸第1梁部142と相違する。
x軸第1梁部242は、半導体上層40に形成されている。x軸第1梁部242と支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。これにより、x軸第1梁部242は、支持基板21に対して浮遊している。x軸第1梁部242は、xばね梁242aとx軸プレート242bとzばね梁242cを有する。xばね梁242aは、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、xばね梁242aは、x軸方向に弾性変形し易く、y軸及びz軸方向には弾性変形しにくい。zばね梁242cは、z軸方向のばね定数が小さく、x軸及びy軸方向のばね定数が大きい。このため、zばね梁242cは、z軸方向に弾性変形し易く、x軸及びy軸方向には弾性変形しにくい。x軸プレート242bは、xばね梁242aとzばね梁242cの双方を連結しており、x軸、y軸及びz軸方向のいずれのばね定数も大きい。このため、x軸プレート242bは、x軸、y軸及びz軸方向のいずれにも弾性変形しにくい。x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51は、x軸プレート242bに直接的に接続されており、x軸プレート242b及びzばね梁242cを介して変位部41に間接的に接続されている。
加速度センサ200はさらに、z軸検出電極部50Eを備えていることを特徴としている。z軸検出電極部50Eは、可動電極部として用いられている変位部41と、固定電極部として用いられているz軸固定電極板222で構成されている。z軸固定電極板222は、半導体下層20に形成されている。z軸固定電極板222と変位部41の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。z軸固定電極板222は、z軸方向から観測したときに、一巡する分離溝22によって支持基板21から隔てられている。これにより、z軸固定電極板222は、支持基板21に対して浮遊している。z軸固定電極板222は、z軸第2梁部245を介して支持基板21に支持されている。z軸固定電極板222は、z軸方向から観測したときに、変位部41と重複するとともに、変位部41よりも幅広に形成されている。
z軸第2梁部245は、半導体上層40に形成されている。z軸第2梁部245と支持基板21及びz軸第2梁部245とz軸固定電極板222の間の絶縁層30は除去されており、それぞれの間に空間が形成されている。これにより、z軸第2梁部245は、支持基板21及びz軸固定電極板222に対して浮遊している。z軸第2梁部245は、一端がz軸固定電極板用固定部244を介してz軸固定電極板222に接続されており、他端が支持基板用固定部246(第2固定部の一例)を介して支持基板21に接続されている。z軸固定電極板用固定部244及び支持基板用固定部246は、半導体下層20と絶縁層30と半導体上層40が積層した部位である。z軸第2梁部245は、y軸方向に沿って直線状に伸びている部分と、x軸方向に沿って直線状に伸びている部分を有する。z軸第2梁部245は、x軸、y軸及びz軸方向のいずれのばね定数も大きい。このため、z軸第2梁部245は、x軸、y軸及びz軸方向のいずれにも弾性変形しにくい。これにより、z軸第2梁部245で支持されるz軸固定電極板222は、z軸固定電極としての役割を果たすことができる。
次に、加速度センサ200の動作を説明する。加速度センサ200では、x軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部242のxばね梁242aが弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してx軸方向に相対変位する。変位部41の変位に追随して、x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51も支持基板21に対して相対変位する。一方、x軸検出電極部50A,50Cの固定電極部52は、x軸方向のばね定数の大きい第2梁部53で支持されているので、x軸固定電極としての役割を果たすことができる。これにより、加速度センサ200は、x軸方向の加速度を検出することができる。なお、変位部41のx軸方向の変位幅は、z軸方向から観測したときに、z軸固定電極板222の存在範囲を超えないのが望ましい。これにより、変位部41がx軸方向に変位しても、z軸検出電極部50Eには、静電容量の変化が発生しない。
さらに、加速度センサ200では、z軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部242のzばね梁242cが弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してz軸方向に相対変位する。一方、z軸固定電極板222は、z軸方向のばね定数の大きいz軸第2梁部245で支持されているので、z軸固定電極としての役割を果たすことができる。これにより、加速度センサ200は、z軸方向の加速度を検出することができる。加速度センサ200は、x軸とz軸の2軸の加速度を検出することができる。
加速度センサ200では、z軸固定電極板222が支持基板21に対して浮遊しているとともに、z軸第2梁部245を介して支持基板21に支持されていることを特徴としている。さらに、加速度センサ200では、z軸第2梁部245が、z軸固定電極部板222から第1固定部43に近づくように伸びていることを特徴としている。より詳細には、z軸第2梁部245は、x軸方向に伸びる部分とy軸方向に伸びる部分を有しており、これにより、z軸固定電極板222から第1固定部43に向けてx軸方向とy軸方向のいずれにおいても接近している。この結果、加速度センサ200では、第1固定部43と支持基板用固定部246の間の距離が第1固定部43とz軸固定電極板222の間の距離よりも短く構成されている。
図11に、半導体下層20に反りが発生した場合を例示する。加速度センサ200を製造する過程では、製造時の熱ストレスが半導体下層20に加わることがあり、これにより、半導体下層20に反りが発生することがある。この例では、半導体下層20がy軸回りに変形した例である。図5に示されるように、加速度センサ200では、半導体下層20に反りが発生したとしても、z軸固定電極板222が分離溝22によって分離されているので、半導体下層20の反りの影響がz軸固定電極板222に伝達されることが緩和されている。さらに、加速度センサ200では、第1固定部43と支持基板用固定部246の間の距離が接近しているので、半導体下層20に反りが発生したとしても、半導体下層20に反りに抗して、変位部41とz軸固定電極板222の相対的な位置関係を維持させることができる。そのため、支持基板21の反りによる変位部41とz軸固定電極板222の間の容量変化が小さく、安定した加速度検知が可能となる。
図12を参照して、加速度センサ300を説明する。加速度センサ300は、一対のx軸検出電極部50A,50Cと、一対のy軸検出電極部50B,50Dと、z軸検出電極部50Eを備えていることを特徴としている。x軸検出電極部50A,50C及びy軸検出電極部50B,50Dは、第2実施例のx軸検出電極部50A,50C及びy軸検出電極部50B,50Dと実質的に共通の形態を備えている。z軸検出電極部50Eは、第3実施例のz軸検出電極部50Eと実質的に共通の形態を備えている。
加速度センサ300はさらに、x軸検出電極部50A,50Cと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するx軸第1梁部342と、y軸検出電極部50B,50Dと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するy軸第1梁部344と、z軸固定電極板222を支持基板21に対して支持するz軸第2梁部245を備えていることを特徴としている。z軸第2梁部245は、第3実施例のz軸第2梁部245と実質的に共通の形態を備えている。
x軸第1梁部342は、半導体上層40に形成されている。x軸第1梁部342と支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。これにより、x軸第1梁部342は、支持基板21に対して浮遊している。x軸第1梁部342は、xばね梁342aとx軸プレート342bとyzばね梁342cを有する。xばね梁342aは、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、xばね梁342aは、x軸方向に弾性変形し易く、y軸及びz軸には弾性変形しにくい。yzばね梁342cは、y軸及びz軸方向のばね定数が小さく、x軸方向のばね定数が大きい。このため、yzばね梁342cは、y軸及びz軸方向に弾性変形し易く、x軸方向には弾性変形しにくい。x軸プレート342bは、xばね梁342aとyzばね梁342cの双方を連結しており、x軸、y軸及びz軸方向のいずれのばね定数も大きい。このため、x軸プレート342bは、x軸、y軸及びz軸方向のいずれにも弾性変形しにくい。x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51は、x軸プレート342bに直接的に接続されており、x軸プレート342b及びyzばね梁342cを介して変位部41に間接的に接続されている。
y軸第1梁部344は、半導体上層40に形成されている。y軸第1梁部344と支持基板21の間の絶縁層30は除去されており、両者の間に空間が形成されている。これにより、y軸第1梁部344は、支持基板21に対して浮遊している。y軸第1梁部344は、yばね梁344aとy軸プレート344bとxzばね梁344cを有する。yばね梁344aは、y軸方向のばね定数が小さく、x軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、yばね梁344aは、y軸方向に弾性変形し、x軸及びz軸方向には弾性変形しない。xzばね梁344cは、x軸及びz軸方向のばね定数が小さく、y軸方向のばね定数が大きい。このため、xzばね梁344cは、x軸及びz軸方向に弾性変形し、y軸方向には弾性変形しにくい。y軸プレート344bは、yばね梁344aとxzばね梁344cの双方を連結しており、x軸、y軸及びz軸方向のいずれのばね定数も大きい。このため、y軸プレート344bは、x軸、y軸及びz軸方向のいずれにも弾性変形しにく。y軸検出電極部50B,50Dの可動電極部51は、y軸プレート344bに直接的に接続されており、y軸プレート344b及びxzばね梁344cを介して変位部41に間接的に接続されている。
次に、加速度センサ300の動作を説明する。加速度センサ300では、x軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部342のxばね梁342aとy軸第1梁部344のxzばね梁344cが弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してx軸方向に相対変位する。変位部41の変位に追随して、x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51も支持基板21に対して相対変位する。一方、x軸検出電極部50A,50Cの固定電極部52は、x軸方向のばね定数の大きい第2梁部53で支持されているので、x軸固定電極としての役割を果たすことができる。これにより、加速度センサ100は、x軸方向の加速度を検出することができる。
また、加速度センサ300では、y軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部342のyzばね梁342cとy軸第1梁部344のyばね梁344aが弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してy軸方向に相対変位する。変位部41の変位に追随して、y軸検出電極部50B,50Dの可動電極部51も支持基板21に対して相対変位する。一方、y軸検出電極部50B,50Dの固定電極部52は、y軸方向のばね定数の大きい第2梁部53で支持されているので、y軸固定電極としての役割を果たすことができる。これにより、加速度センサ300は、y軸方向の加速度を検出することができる。
さらに、加速度センサ300では、z軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部342のyzばね梁342cとy軸第1梁部344のxzばね梁344cが弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してz軸方向に相対変位する。一方、z軸固定電極板222は、z軸方向のばね定数の大きいz軸第2梁部245で支持されているので、z軸固定電極としての役割を果たすことができる。これにより、加速度センサ300は、z軸方向の加速度を検出することができる。加速度センサ300は、x軸とy軸とz軸の3軸の加速度を検出することができる。
図13〜図15を参照して、加速度センサ400を説明する。図13に、加速度センサ400の概略平面図を示す。図14に、図13のA−A線に沿った断面図を示す。図15に、図13のB−B線に沿った断面図を示す。図16に、図13のC−C線に沿った断面図を示す。
加速度センサ400は、一対のx軸検出電極部50A,50Cと、z軸検出電極部50Eを備えていることを特徴としている。x軸検出電極部50A,50Cは、固定電極部52の固定電極板連結部が幅広で構成されているものの、第2実施例のx軸検出電極部50A,50Cと実質的に共通の形態を備えている。z軸検出電極部50Eは、第3実施例のz軸検出電極部50Eと実質的に共通の形態を備えている。
加速度センサ400はさらに、x軸検出電極部50A,50Cと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するx軸第1梁部242と、z軸固定電極板222を支持基板21に対して支持するz軸第2梁部245を備えていることを特徴としている。x軸第1梁部242は、第3実施例のx軸第1梁部242と実質的に共通の形態を備えている。z軸第2梁部245は、第3実施例のz軸第2梁部245と実質的に共通の形態を備えている。
加速度センサ400はさらに、x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51と固定電極部52の間に設けられている連結部410を備えていることを特徴としている。連結部410は、3つの突出部411,412,413と、第3梁部414,415を有する。突出部411,412,413は、半導体下層20と絶縁層30と半導体上層40が積層した部位である。突出部411,413は、x軸第1梁部242のx軸プレート242bからx軸方向に突出しており、その先端にx軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51が接続されている。突出部412は、固定電極部52の固定電極板連結部52bからx軸方向に突出している。第3梁部414,415は、半導体下層20に形成されている。第3梁部414は、突出部411と突出部412を連結している。第3梁部415は、突出部412と突出部413を連結している。これにより、連結部410は、x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51と固定電極部52の間を連結している。第3梁部414,415は、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、第3梁部414,415は、x軸に弾性変形し、y軸及びz軸方向には弾性変形しない。
加速度センサ400はさらに、x軸検出電極部50A,50Cの固定電極部52を支持する第2梁部453が、z軸方向のばね定数が小さく、x軸及びy軸方向のばね定数が大きいことを特徴としている。このため、第2梁部453は、z軸に弾性変形し易く、x軸及びy軸方向には弾性変形しにくい。
次に、加速度センサ400の動作を説明する。加速度センサ400では、x軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部242のxばね梁242aが弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してx軸方向に相対変位する。変位部41の変位に追随して、x軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51も支持基板21に対して相対変位する。一方、x軸検出電極部50A,50Cの固定電極部52は、x軸方向にばね定数の大きい第2梁部453で支持されているので、x軸固定電極としての役割を果たすことができる。なお、連結部410の第3梁部414,415は、x軸方向のばね定数が小さいので、変位部41のx軸方向の並進力は、固定電極部52に伝わらない。これにより、加速度センサ400は、x軸方向の加速度を検出することができる。
さらに、加速度センサ400では、z軸方向の加速度が加わると、x軸第1梁部242のzばね梁242cが弾性変形し、変位部41が支持基板21に対してz軸方向に相対変位する。一方、z軸固定電極板222は、z軸方向のばね定数の大きいz軸第2梁部245で支持されているので、z軸御k低電極としての役割を果たすことができる。これにより、加速度センサ400は、z軸方向の加速度を検出することができる。加速度センサ400は、x軸とz軸の2軸の加速度を検出することができる。
加速度センサ400では、変位部41がz軸方向に変位すると、x軸第1梁部242のx軸プレート242bには、zばね梁242cを介してy軸回りの回転力が加わる。このため、x軸プレート242bに接続されているx軸検出電極部50A,50Cの可動電極部51もy軸回りの回転力を受ける。この回転力は、第3梁部414,415を介してx軸検出電極部50A,50Cの固定電極部52にも伝達される。x軸検出電極部50A,50Cの固定電極部52は、z軸方向のばね定数が小さい第2梁部453で支持されているので、y軸回りに回転可能である。このため、可動電極部51と固定電極部52の双方がy軸回りに回転することで、相対的な位置関係がより維持され、安定した特性を得ることができる。さらに、変位部41がz軸方向に変位したときにおいても、可動電極部51と固定電極部52の双方がy軸回りに回転することにより、可動電極部51と固定電極部52の相対的な位置関係が維持され、他軸感度を低減することができる。第3梁部414,415は2本以上の並列梁で構成されているので、y軸回りの回転剛性を高くすることができ、第3梁部414,415の回転角度を等しく保つことができ、可動電極部51と固定電極部52の相対的な位置関係をより効果的に維持することができる。
図17を参照して、加速度センサ500を説明する。加速度センサ500は、一対のx軸検出電極部50A,50Cと、一対のy軸検出電極部50B,50Dと、z軸検出電極部50Eを備えていることを特徴としている。x軸検出電極部50A,50Cとy軸検出電極部50B,50Dは、第2実施例のx軸検出電極部50A,50Cとy軸検出電極部50B,50Dと実質的に共通の形態を備えている。z軸検出電極部50Eは、第3実施例のz軸検出電極部50Eと実質的に共通の形態を備えている。
加速度センサ500はさらに、x軸検出電極部50A,50Cと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するx軸第1梁部342と、y軸検出電極部50B,50Dと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するy軸第1梁部344と、z軸固定電極板222を支持基板21に対して支持するz軸第2梁部245を備えていることを特徴としている。x軸第1梁部342とy軸第1梁部344とz軸第2梁部245はそれぞれ、第4実施例のx軸第1梁部342とy軸第1梁部344とz軸第2梁部245と実質的に共通の形態を備えている。
加速度センサ500はさらに、各検出電極部50A,50B,50C,50Dと各第1梁部342,344の間に設けられている連結部410を備えていることを特徴としている。連結部410は、第5実施例の連結部410と実質的に共通の形態を備えている。
加速度センサ500は、半導体下層20の反りの影響及び変位部41がz軸方向に変位したときに生じる回転力の影響の双方を緩和するとともに、3軸方向の加速度を検出することができる。
図18を参照して、ステージ駆動装置600を説明する。ステージ駆動装置600は、変位部41をx軸方向に駆動させるアクチュエータとして用いられる。ステージ駆動装置600は、支持基板21と、変位部41(ステージ)と、一対の駆動電極部60A,60Bを備えていることを特徴としている。支持基板21と変位部41と第1梁部42と第1固定部43は、第1実施例の支持基板21と変位部41と第1梁部42と第1固定部43と実質的に共通の形態を備えている。
一対の駆動電極部60A,60Bは、変位部41を間に挟んでx軸方向に沿って対向している。一例では、駆動電極部60Aが変位部41の変位量を検出し、駆動電極部60Bが変位部41に駆動力を印加する。駆動電極部60Aで検出される検出結果に基づいて、駆動電極部60Bが制御され、変位部41が目標位置に正確に駆動される。なお、駆動電極部60Aが変位部41に駆動力を印加し、駆動電極部60Bが変位部41の変位量を検出してもよい。
駆動電極部60A,60Bは、可動電極部651と、その可動電極部651に対向して配置される固定電極部652を有している。可動電極部651は、複数の可動電極板651aを有する。可動電極板651aは、一端が変位部41に接続されており、他端が自由端で構成されており、x軸方向に沿って伸びている。
固定電極部652は、複数の固定電極板652aと、その複数の固定電極板652aを連結する固定電極板連結部652bを有する。固定電極板652aは、一端が固定電極板連結部652bに接続されており、他端が自由端に構成されており、x軸方向に沿って伸びている。固定電極板652aと可動電極板651aは、y軸方向に対向している。固定電極部652は、第2梁部653を介して支持基板21に支持されている。
第2梁部653は、一端が固定電極板連結部652bに接続されており、他端が第2固定部654に接続されている。第2梁部653は、y軸方向に沿って直線状に伸びている部分と、x軸方向に沿って直線状に伸びている部分を有する。第2梁部653は、x軸、y軸及びz軸方向のいずれのばね定数も大きい。このため、第2梁部653は、x軸、y軸及びz軸方向のいずれにも弾性変形しにくい。これにより、第2梁部653で支持される固定電極部652は、固定電極としての役割を果たすことができる。
次に、ステージ駆動装置600の動作を説明する。ステージ駆動装置600では、駆動電極部60Aの可動電極板651aと固定電極板652aの間に容量検出回路が接続され、駆動電極部60Bの可動電極板651aと固定電極板652aの間に振幅制御回路を介して駆動信号生成回路が接続される。駆動信号生成回路から振幅制御回路を介して直流電圧が印加されると、駆動電極部60Bの可動電極板651aと固定電極板652aの間に静電引力が発生し、変位部41がx軸方向に駆動する。駆動電極部60Aは、容量検出回路を利用して、変位部41のx軸方向の変位量を可動電極板651aと固定電極板652aの間の静電容量の変化から検出している。この容量検出回路の検出結果は、駆動信号生成回路にフィードバックされ、駆動信号生成回路は上記検出結果に基づいて駆動信号生を生成する。振幅制御回路は、駆動信号に基づいて変位部41の変位量が目標値となるように直流電圧を制御する。これらの構成により、ステージ駆動装置600は、変位部41を目標位置に正確に駆動させることができる。
ステージ駆動装置600では、固定電極部652が支持基板21に対して浮遊しているとともに、第2梁部653を介して支持基板21に固定されていることを特徴としている。さらに、ステージ駆動装置600では、第2梁部653が、固定電極部652から第1固定部43に近づくように伸びていることを特徴としている。より詳細には、第2梁部653は、x軸方向に伸びる部分とy軸方向に伸びる部分を有しており、これにより、固定電極部652から第1固定部43に向けてx軸方向とy軸方向のいずれにおいても接近している。この結果、ステージ駆動装置600では、第1固定部43と第2固定部54の間の距離が第1固定部43と固定電極部52の間の距離よりも短く構成されている。
この結果、ステージ駆動装置600では、半導体下層20に反りが発生したとしても、可動電極部651が支持基板21に固定される第1固定部43と固定電極部652が支持基板21に固定される第2固定部654の間の距離が短く構成されているので、ステージ駆動装置600では、可動電極部651と固定電極部652の相対的な位置関係が維持される。ステージ駆動装置600では、第1固定部43と第2固定部654の間の距離が接近しているので、半導体下層20の反りの影響を緩和することができる。そのため、可動電極部651と固定電極部652の電極がずれないので、x軸方向に安定した駆動と安定した変位検出が可能となり、安定したステージの駆動が実現できる。
図19を参照して、角速度センサ700を説明する。角速度センサ700は、一対の検出電極部50B,50Dを備えていることを特徴としている。検出電極部50B,50Dは、第2実施例のy軸検出電極部50B,50Dと実質的に共通の形態を備えている。
角速度センサ700はさらに、一対の駆動電極部60A,60Bを備えていることを特徴としている。駆動電極部60A,60Bは、第6実施例の駆動電極部60A,60Bと実質的に同一の形態を備えている。
角速度センサ700はさらに、各駆動電極部60A,60Bと変位部41の間に設けられているとともに変位部41を支持基板21に対して支持するx軸第1梁部142を備えていることを特徴としている。x軸第1梁部142は、第2実施例のx軸第1梁部142と実質的に共通の形態を備えていることを特徴としている。なお、角速度センサ700では、x軸第1梁部142のx軸プレート142bに駆動電極部60A,60Bの可動電極板651aが接続されている。
次に、角速度センサ700の動作を説明する。角速度センサ700では、駆動電極部60Aに容量検出回路が接続され、駆動電極部60Bに振幅制御回路を介して自励振回路が接続される。自励振回路から振幅制御回路を介して交流電圧が印加されると、駆動電極部60Bの可動電極板651aと固定電極板652aの間に静電引力が発生し、変位部41がx軸方向に励振する。駆動電極部60Aは、容量検出回路を利用して、変位部41のx軸方向の励振振幅を可動電極板651aと固定電極板652aの静電容量の変化から検出している。この容量検出回路の検出結果は、自励振回路にフィードバックされ、自励振回路は上記検出結果に基づいて自励振信号を生成する。振幅制御回路は、自励振信号に基づいて変位部41の励振振幅が一定となるように交流電圧を制御する。これらの構成により、角速度センサ700は、常時適切な周波数で適切な励振振幅で変位部41をx軸方向に励振することができる。
変位部41が励振方向(x軸方向)に励振している状態で回転軸方向(z軸方向)の角速度が変位部41に加わると、変位部41の励振方向(x軸方向)と角速度の回転軸方向(z軸方向)の両方に直交する検出方向(y軸方向)にコリオリ力が発生する。変位部41は、このコリオリ力を受けて検出方向(y軸方向)に振動する。
変位部41が検出方向(y軸方向)に振動すると、検出電極部50B,50Dの可動電極部51も検出方向(y軸方向)に振動する。検出電極部50B,50Dには容量検出回路が接続されており、その容量検出回路によって、検出電極部50B,50Dの静電容量の変動を検出し、その検出結果を同期検波回路に供給する。同期検波回路は、静電容量の変動のうち自励振回路が生成する交流電圧の周期と一致するものを抽出する。コリオリ力による変位部41の振動の周期は、自励振回路による変位部41の励振の周期と一致し、位相がπ/2進むので、抽出された静電容量の変動は、コリオリ力による変位部41の振動を反映している。同期検波回路はさらに、抽出された静電容量の変動から角速度を換算し、角速度表示部に供給する。角速度表示部は、入力した角速度を表示する。角速度センサ700は、このような手順を経て、変位部41に印加されたz軸方向を回転軸とする角速度を正確に検出することができる。角速度センサ700も、支持基板21の反りの影響が低減されているので、安定した励振とコリオリ力検知が可能となり、正確な角速度検知が可能となる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。