JP2007101203A - 角速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 角速度検出の感度向上を容易にする。
【解決手段】 角速度センサ1は、XY平面に平行なXY基板面を持つ基台2と、基台2のXY基板面上に浮いた状態で配置される枠状梁4と、枠状梁4を支持部5a,5bを介して基台2に両持ち梁状に支持する梁部支持固定部と、基台2のXY基板面上に浮いた状態で配置される錘部7(7a,7b)と、錘部7(7a,7b)を枠状梁4に片持ち梁状に支持する連結部8とを有する。錘部7は枠状梁4の撓み変形によってX軸方向とY軸方向とZ軸方向の三軸方向の外力により変位可能な構成と成す。錘部7をZ軸方向に駆動振動させる錘部駆動手段22を設ける。枠状梁4には、Z軸方向に駆動振動している状態でY軸回りの回転により発生したX軸方向のコリオリ力による錘部7の変位に起因した枠状梁4の撓み変形に基づいて角速度を検出するためのY軸回り角速度検出部を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 角速度センサ1は、XY平面に平行なXY基板面を持つ基台2と、基台2のXY基板面上に浮いた状態で配置される枠状梁4と、枠状梁4を支持部5a,5bを介して基台2に両持ち梁状に支持する梁部支持固定部と、基台2のXY基板面上に浮いた状態で配置される錘部7(7a,7b)と、錘部7(7a,7b)を枠状梁4に片持ち梁状に支持する連結部8とを有する。錘部7は枠状梁4の撓み変形によってX軸方向とY軸方向とZ軸方向の三軸方向の外力により変位可能な構成と成す。錘部7をZ軸方向に駆動振動させる錘部駆動手段22を設ける。枠状梁4には、Z軸方向に駆動振動している状態でY軸回りの回転により発生したX軸方向のコリオリ力による錘部7の変位に起因した枠状梁4の撓み変形に基づいて角速度を検出するためのY軸回り角速度検出部を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、回転の角速度を検出する角速度センサに関するものである。
図19(a)には角速度センサの一形態例(例えば特許文献1参照)が模式的な斜視図により表され、図19(b)には、図19(a)に示されるA−A部分の模式的な断面図が表されている。この角速度センサ40は、互いに直交し合うX軸とY軸とZ軸のうちのX軸方向に伸長形成されている固定部41と、この固定部41の両側からそれぞれY軸方向に伸長形成され当該伸長先端部が自由端と成している振動子42(42a,42b)とを有して構成されている。振動子42(42a,42b)の図の下方側には空間部43が形成され、また、振動体42(42a,42b)の図の左右両側には空間部44が形成されており、振動子42(42a,42b)は、当該振動子42の固定部41側の端部を支点としてZ軸方向とX軸方向にそれぞれ変位可能となっている。
この角速度センサ40には、振動子42a,42bを同相でZ軸方向に駆動振動させるための振動子駆動手段(図示せず)が設けられている。また、振動子42aの固定部41側の端部には、ピエゾ抵抗部45(45a,45b)が振動子42aの幅方向に間隔を介して並設され、さらに、振動子42bの固定部41側の端部には、ピエゾ抵抗部45(45c,45d)が振動子42bの幅方向に間隔を介して並設されている。振動子42は、シリコン等の半導体により構成されており、ピエゾ抵抗部45は、その半導体から成る振動子42のピエゾ抵抗部形成部位にボロン等の不純物をドープして形成され、振動子42のピエゾ抵抗部形成部位の応力変化に応じて電気抵抗値が変化するものである。角速度センサ40には、ピエゾ抵抗部45a〜45dの電気抵抗値変化に応じて信号レベルが変化する信号を各ピエゾ抵抗部45a〜45dからそれぞれ出力させるための電気回路(図示せず)が形成されている。また、各ピエゾ抵抗部45a〜45dの出力信号を処理してY軸回りの回転の角速度を検出するための角速度検出信号を作成する角速度検出信号作成回路46が設けられている。
この角速度センサ40の構成では、例えば、振動子駆動手段によって振動子42a,42bが、それぞれ、Z軸方向に同相で駆動振動している状態で、Y軸回りに回転すると、X軸方向のコリオリ力が振動子42a,42bに作用する。そのX軸方向のコリオリ力により、振動子42a,42bが、固定部41側の端部を支点としてX軸方向に振動する。このX軸方向の振動子42a,42bの振動によって振動子42a,42bの固定部41側の端部に応力変化が生じ、この応力変化によってピエゾ抵抗部45a〜45dの電気抵抗値が変化する。これにより、角速度検出信号作成回路46から、Y軸回りの回転の角速度の大きさに応じた角速度検出信号が出力される。
図19(a)に示される角速度センサ40では、振動子42a,42bの固定部41側の部位にはピエゾ抵抗部45を形成すること等を考慮して、振動子42a,42bの固定部41側の部位のX軸方向の幅が設計されている。このために、振動子42a,42bの固定部41側の部位のX軸方向の幅は、Z軸方向の厚みの寸法よりも大きくなっている。このため、振動子42a,42bは、Z軸方向の駆動振動よりも、角速度検出のためのX軸方向の振動が小さくなり、角速度の検出感度の向上が難しいという問題がある。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、角速度検出の感度の向上が容易な角速度センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、
互いに直交するX軸とY軸とZ軸のうちのX軸およびY軸を含むXY平面に平行なXY基板面を持つ基台と、
この基台のXY基板面上に浮いた状態で配置される枠状梁と、
この枠状梁からX軸方向に沿って枠状梁の両側にそれぞれ外向きに伸長形成されている支持部を介して枠状梁を基台に両持ち梁状に支持する枠状梁支持固定部と、
前記基台のXY基板面上に浮いた状態で前記枠状梁のY軸方向の両側からそれぞれY軸方向に沿って外向きに伸長形成されている連結部と、
各連結部の伸長先端部にそれぞれ連接された錘部とを有し、
前記錘部は、枠状梁の変形によりX軸方向とY軸方向とZ軸方向の三軸方向の外力により変位可能な構成と成し、当該錘部をZ軸方向に駆動振動させるための錘部駆動手段が設けられており、
前記枠状梁には、錘部駆動手段により錘部がZ軸方向に駆動振動している状態でY軸回りの回転によって発生したX軸方向のコリオリ力による錘部の変位に起因した枠状梁の撓み変形に基づいてY軸回りの回転の角速度を検出するY軸回り角速度検出部が設けられていることを特徴としている。
互いに直交するX軸とY軸とZ軸のうちのX軸およびY軸を含むXY平面に平行なXY基板面を持つ基台と、
この基台のXY基板面上に浮いた状態で配置される枠状梁と、
この枠状梁からX軸方向に沿って枠状梁の両側にそれぞれ外向きに伸長形成されている支持部を介して枠状梁を基台に両持ち梁状に支持する枠状梁支持固定部と、
前記基台のXY基板面上に浮いた状態で前記枠状梁のY軸方向の両側からそれぞれY軸方向に沿って外向きに伸長形成されている連結部と、
各連結部の伸長先端部にそれぞれ連接された錘部とを有し、
前記錘部は、枠状梁の変形によりX軸方向とY軸方向とZ軸方向の三軸方向の外力により変位可能な構成と成し、当該錘部をZ軸方向に駆動振動させるための錘部駆動手段が設けられており、
前記枠状梁には、錘部駆動手段により錘部がZ軸方向に駆動振動している状態でY軸回りの回転によって発生したX軸方向のコリオリ力による錘部の変位に起因した枠状梁の撓み変形に基づいてY軸回りの回転の角速度を検出するY軸回り角速度検出部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、角速度検出用の錘部を支持する梁は枠状と成しており、この枠状梁は両持ち梁状の態様でもって基台に固定され、錘部はその枠状梁に片持ち梁状の態様でもって支持されており、錘部は、枠状梁の撓み変形によってX軸方向とY軸方向とZ軸方向の三軸方向の外力により変位可能な構成と成している。枠状梁は直線状の梁よりも撓み変形し易いことから、回転に起因したコリオリ力が錘部に作用したときに当該コリオリ力による枠状梁の撓み変形は、例えば錘部を支持している梁が直線状である場合よりも大きくなる。この発明では、枠状梁に、当該枠状梁の撓み変形に基づいて回転の角速度を検出するための角速度検出部が設けられているので、枠状梁の大きな撓み変形によって角速度検出の感度を向上させることができる。
また、この発明の構成では、錘部はX軸方向とY軸方向とZ軸方向の三軸方向の外力により変位可能な構成であり、また、錘部をZ軸方向に駆動振動させるための錘部駆動手段が設けられているので、錘部をZ軸方向に駆動振動している状態でY軸回りの回転が発生すると、錘部にX軸方向のコリオリ力が作用して錘部が枠状梁の撓み変形によりX軸方向に振れ変位する。錘部のX軸方向の振動による枠状梁の撓み変形と、Y軸方向の振動による枠状梁の撓み変形と、Z軸方向の振動による枠状梁の撓み変形とは互いに異なることから、枠状梁の撓み変形状態およびその撓み変形量に基づいて、錘部のX軸方向の振動を錘部のY軸方向の振動やZ軸方向の振動と区別して検出することができる。つまり、Y軸回りの角速度の大きさを検出することができる。また、枠状梁にX軸回り角速度検出部が設けられている場合には、X軸回りの回転に起因したY軸方向のコリオリ力の発生による錘部の振動を、X軸方向の錘部の振動やZ軸方向の錘部の振動と区別して検出することができるので、X軸回りの回転の角速度を検出することができる。つまり、Y軸方向とX軸方向の二軸方向の回転の角速度を検出できる角速度センサを提供することが可能である。
ところで、Y軸回りの回転やX軸回りの回転が発生したときだけでなく、加速度が発生した場合にも錘部は変位する。このため、回転の角速度が発生していないのにも拘わらず、加速度発生に起因して角速度が発生したと誤検出してしまうことが懸念される。これに対して、錘部駆動手段が、各錘部をそれぞれZ軸方向に互いに逆相で駆動振動させる構成を備えることによって、回転の角速度に起因した各錘部の振動は互いに逆相になり、また、加速度に起因した各錘部の変位は同相となるので、角速度に起因した錘部の振動と、加速度に起因した錘部の変位とを区別することが簡単となる。このため、加速度を角速度として誤検出してしまうことを容易に回避できることとなる。
また、各錘部をそれぞれZ軸方向に互いに逆相に駆動振動させる構成を備えることによって、次に示すような問題を防止できる。つまり、各錘部が同相で振動すると、その錘部の振動に起因して角速度センサの重心位置が変動して角速度センサ全体が振動する。これにより角速度センサの出力信号にノイズが乗ってしまう。これに対して、各錘部が互いに逆相で振動する構成とすることによって、錘部の振動による角速度センサの重心位置の変動を小さく抑制できて角速度センサ全体の振動を抑えることができる。このため、角速度センサの振動に起因した出力信号のノイズを抑えることができて角速度検出の性能を高めることができる。
さらに、枠状梁が、支持部の中心軸を通るX軸方向中心線に対して対称な形状であり、かつ、連結部の中心軸を通るY軸方向中心線に対して対称な形状である構成を備えることによって、回転の角速度に起因した枠状梁の撓み変形を単純化でき、これにより、枠状梁の撓み変形を利用した角速度検出の精度向上が容易となる。
さらに、この発明では、枠状梁にY軸回りの角速度検出部が設けられている構成であるので、Y軸回りの角速度検出部が枠状梁の撓み変形による枠状梁の応力変化によって電気抵抗値が変化するピエゾ抵抗部を有している構成である場合には、そのピエゾ抵抗部は枠状梁に集約配設されることとなる。ピエゾ抵抗部は、枠状梁を構成する例えばシリコン(Si)等の半導体にボロン(B)やリン(P)等の不純物をドープして作製されるが、ピエゾ抵抗部の形成位置が離れていると、各ピエゾ抵抗部形成部位における半導体への不純物のドープ濃度がばらつく。このように各ピエゾ抵抗部のドープ濃度がばらつくと、各ピエゾ抵抗部の電気抵抗値がばらついて当該ピエゾ抵抗部の電気抵抗値変化を利用した角速度検出の精度に悪影響を及ぼす。
これに対して、ピエゾ抵抗部の配設位置が集約されていることにより、各ピエゾ抵抗部形成位置における半導体への不純物のドープ濃度を均一にすることが容易にできることとなる。このため、各ピエゾ抵抗部の電気抵抗値変化を利用した角速度検出の精度を高めることができる。また、枠状梁にX軸回りの角速度検出部が設けられ、そのX軸回りの角速度検出部がピエゾ抵抗部である構成を備えている場合にも、上記同様の効果を得ることができる。
また、Y軸回り角速度検出部やX軸回り角速度検出部がピエゾ抵抗部を有して構成されている場合には、ピエゾ抵抗部のインピーダンスが低いために次に示すような効果を得ることができる。つまり、Y軸回り角速度検出部やX軸回り角速度検出部のインピーダンスが大きい場合には、その大きなインピーダンスのためにY軸回り角速度検出部やX軸回り角速度検出部の出力にノイズが乗り易く、このため、角速度センサの出力信号のSN比が悪くなる。角速度センサは回路基板に搭載され当該回路基板に設けられている角速度センサ用の信号処理回路(つまり、角速度センサから出力される信号を処理して角速度の大きさ等を検出する信号処理回路)に電気的に接続される。角速度センサの出力信号のSN比が悪い場合に、回路基板における角速度センサの搭載位置と、回路基板の上記信号処理回路の形成位置との間の距離が長いと、角速度センサの出力信号が上記信号処理回路に達するまでに角速度センサの出力信号のSN比が更に悪化して、回路基板の上記信号処理回路での信号処理に支障を来す虞がある。このために、回路基板における角速度センサの搭載位置と、回路基板の上記信号処理回路の形成位置との間の距離を短くすることが好ましく、回路基板における角速度センサの配置位置が規制されて設計の自由度が低くなる。
これに対して、Y軸回り角速度検出部やX軸回り角速度検出部がピエゾ抵抗部を有して構成されている場合には、ピエゾ抵抗部のインピーダンスが低いために、Y軸回り角速度検出部やX軸回り角速度検出部の出力にノイズが乗りにくくなって角速度センサの出力信号のSN比を向上させることができる。このため、回路基板における角速度センサの搭載位置を上記信号処理回路の形成位置から離しても、信号処理回路の信号処理に支障の無いSN比を持つ角速度センサの出力信号を信号処理回路に供給することができるようになることから、回路基板における角速度センサの搭載位置を上記信号処理回路の形成位置から離すことができることとなる。これにより、回路基板における角速度センサの搭載位置に関する設計の自由度を高くすることができて、角速度センサの使い勝手をよくすることができる。
さらに、枠状梁におけるZ軸方向の厚みは、各支持部からそれぞれ当該支持部の幅をもって枠状梁の領域へX軸方向に延長した帯状の支持部連接枠状梁部位、および、各連結部からそれぞれ当該連結部の幅をもって枠状梁の領域へY軸方向に延長した帯状の連結部連接枠状梁部位が、枠状梁の他の部位よりも厚い構成を備えることによって、枠状梁の支持部連接枠状梁部位や連結部連接枠状梁部位と、枠状梁の他の部位との境界部分における応力の強弱が明確となる。ピエゾ抵抗部を利用して角速度を検出する構成の場合には、そのように応力の強弱を明確にすることにより、角速度発生の有無に対するピエゾ抵抗部の出力の変動幅が大きくなるので、角速度検出の精度を向上させることができる。
また、枠状梁に補強部が設けられている構成を備えることによって、例えば周囲の温度変動等によって固定部や基台に歪みが発生したときに、その歪みに起因して固定部側から支持部を介して枠状梁に加えられる応力を軽減することができる。これにより、より一層の角速度検出の精度を向上させることができる。つまり、ピエゾ抵抗部を利用して角速度を検出する構成の場合には、周囲の温度変動(熱変動)等に起因した固定部や基台の歪みに因る応力によってピエゾ抵抗部の出力が変動して角速度検出の精度が悪化するという問題発生の虞がある。これに対して、枠状梁に補強部を設けて、熱変動等に起因した固定部や基台の歪みによって固定部側から支持部を介し枠状梁に加えられる応力を軽減できることにより、固定部や基台の歪みに起因したピエゾ抵抗部の出力変動を抑制できる。このために、ピエゾ抵抗部を利用した角速度検出の精度を高めることができる。
さらに、錘部がSOI基板の支持層と酸化層と活性層により構成され、また、錘部駆動手段が、錘部の支持層露出面と、当該支持層露出面に間隔を介して対向配置するSOI基板の活性層から成る駆動用電極部とを有している構成を備えることによって、マイクロマシニング技術等によってSOI基板を加工するだけで錘部駆動手段を作製することができる。また、枠状梁と支持部と連結部と錘部と固定部と錘部駆動手段がSOI基板により形成されている構成とすることによって、共通のSOI基板を加工するだけで上記枠状梁や錘部等を形作って角速度センサを作製することができることとなる。つまり、簡単な加工工程でもって角速度センサを作製することができる。
また、錘部はSOI基板の支持層と酸化層と活性層により形成され、枠状梁はSOI基板の活性層により形成される構成とすることによって、枠状梁の大きさに対する錘部の大きさ(換言すれば質量)を大きくできる。コリオリ力は、角速度の大きさと、錘部の駆動振動の速度と、錘部の質量とに比例した大きさとなるので、錘部の質量を大きくできることによって、回転に起因したコリオリ力が大きくなって当該コリオリ力の作用による錘部の振動を大きくすることができ、角速度検出の感度を高めることができる。また、錘部および連結部のX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの方向の共振周波数は、錘部の質量や、連結部の寸法等によって調整することができる。錘部がSOI基板の支持層と酸化層と活性層により形成される構成とすることによって、錘部の質量の調整可能な範囲が広がるので、錘部および連結部の寸法調整等の共振周波数の調整によって、錘部および連結部のX軸方向とY軸方向とZ軸方向のそれぞれの方向の共振周波数を近付けることができる。このことも、角速度センサの角速度検出の感度向上に寄与する。
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
図1(a)には本発明に係る角速度センサの第1実施形態例が模式的な斜視図により示され、図1(b)には図1(a)の角速度センサの模式的な平面図が示されている。また、図2(a)には図1(b)のA−A部分の模式的な断面図が示され、図2(b)には図1(b)のB−B部分の模式的な断面図が示され、図2(c)には図1(b)のC−C部分の模式的な断面図が示されている。さらに、図3(a)には図1(b)のa−a部分の模式的な断面図が示され、図3(b)には図1(b)のb−b部分の模式的な断面図が示されている。
この第1実施形態例の角速度センサ1は、互いに直交するX軸とY軸とZ軸のうちのY軸回りの回転の角速度を検出することができるものである。この角速度センサ1は基台2を有している。この基台2は、X軸およびY軸を含むXY平面に平行なXY基板面3を持ち、このXY基板面3の上方側には、枠状梁4が浮いた状態で配置されている。この枠状梁4は方形状と成し、当該枠状梁4のX軸方向の両側からそれぞれX軸方向に沿って外向きに支持部5(5a,5b)が伸長形成されている。これら支持部5a,5bは、それぞれ、基台2に対して浮いた状態と成し、支持部5a,5bの各伸長先端部は固定部6に連接されている。この固定部6は、枠状梁4および後述する錘部7(7a,7b)の形成領域を間隔を介して囲む枠状の形態を有し、当該固定部6は基台2に固定されている。換言すれば、枠状梁4は、支持部5a,5bを介して基台2に両持ち梁状に支持固定されている。すなわち、この第1実施形態例では、支持部5(5a,5b)と固定部6によって枠状梁支持固定部が構成されている。
枠状梁4の枠内空間には補強部20が配置されている。当該補強部20は、支持部5aが連接されている枠状梁4の部位と、支持部5bが連接されている枠状梁4の部位との間を結ぶ方向に伸長形成され、当該補強部20の両端部は、それぞれ、枠状梁4の内側端縁部に連接されている。また、枠状梁4のY軸方向の両側からは、それぞれ、連結部8(8a,8b)がY軸方向に沿って外向きに伸長形成されている。第1実施形態例では、各支持部5a,5bのX軸方向に沿った中心軸および補強部20のX軸方向に沿った中心軸は同一直線上に配置され、また、各連結部8a,8bのY軸方向に沿った中心軸は同一直線上に配置されている。枠状梁4は方形状と成し、当該枠状梁4は、支持部5a,5bと補強部20の中心軸を通るX方向中心軸に対して対称な形状であり、かつ、連結部8a,8bの中心軸を通るY方向中心軸に対して対称な形状となっている。
この第1実施形態例では、枠状梁4において、各連結部8a,8bからそれぞれ連結部8の幅をもって枠状梁4の領域へY軸方向に延長した帯状の連結部連接枠状梁部位15(15a,15b)(図4の点線Z15で囲んだ領域を参照)のZ軸方向の厚みは、連結部8のZ軸方向の厚みと同じ厚みとなっている。また、各支持部5a,5bからそれぞれ支持部5の幅をもって枠状梁4の領域へX軸方向に延長した帯状の支持部連接枠状梁部位16(16a,16b)(図4の点線Z16で囲んだ領域を参照)のZ軸方向の厚みは、支持部5のZ軸方向の厚みと同じ厚みとなっている。連結部連接枠状梁部位15(15a,15b)および支持部連接枠状梁部位16(16a,16b)以外の枠状梁4の部位は、連結部連接枠状梁部位15(15a,15b)および支持部連接枠状梁部位16(16a,16b)のZ軸方向の厚みよりも薄くなっている。
具体例を挙げると、例えば、支持部5や連結部8のZ軸方向の厚みが約400μm程度であり、枠状梁4における連結部連接枠状梁部位15(15a,15b)および支持部連接枠状梁部位16(16a,16b)のZ軸方向の厚みが、支持部5や連結部8のZ軸方向の厚みと同程度の例えば約400μm程度であるのに対して、枠状梁4のそれ以外の部分のZ軸方向の厚みは、例えば約5〜10μm程度というように、枠状梁4のそれ以外の部分のZ軸方向の厚みは、枠状梁4における連結部連接枠状梁部位15(15a,15b)および支持部連接枠状梁部位16(16a,16b)のZ軸方向の厚みよりも薄くなっている。なお、この第1実施形態例では、補強部20のZ軸方向の厚みは、支持部5や支持部連接枠状梁部位16のZ軸方向の厚みとほぼ同じ厚みとなっている。
錘部7a,7bは、枠状梁4を間にしてY軸方向に配列配置され、かつ、基台2のXY基板面3の上方側に浮いた状態で配置されている。これら各錘部7a,7bは、それぞれ、連結部8(8a,8b)によって、枠状梁4に連接されている。連結部8(8a,8b)は基台2に対して浮いた状態と成し、錘部7a,7bは、枠状梁4の撓み変形によって、X軸方向とY軸方向とZ軸方向の三軸方向の外力により変位可能な構成となっている。この第1実施形態例では、錘部7のZ軸方向の厚みは、例えば約400μm程度というように、支持部5や連結部8のZ軸方向の厚みとほぼ同様な厚みとなっている。また、錘部7(7a,7b)の重心は、例えば図3(b)に示される点W7の位置であり、錘部7(7a,7b)を支える枠状梁4の支点は、例えば図3(b)に示される点W4の位置となっており、錘部7の重心位置と、錘部7(7a,7b)を支える枠状梁4の支点位置とは、高さ位置(Z軸方向の位置)がずれている。
この第1実施形態例には、錘部7(7a,7b)をZ軸方向に駆動振動させるための錘部駆動手段22が設けられている。当該錘部駆動手段22は、錘部7(7a,7b)の側面と間隔を介して隣接配置されている固定部23(23a,23b)と、固定部23(23a,23b)の表面に形成されている駆動用電圧印加用の電極パッド24(24a,24b)と、固定部23から錘部7(7a,7b)の上面側に向けて伸長形成されている櫛歯状の駆動用電極部25(25a,25b)と、駆動用電極部25と間隔を介して対向配置されている錘部7(7a,7b)の端縁部分26と、当該錘部7の端縁部分にバイアス電圧を印加するための電極パッド27とを有して構成されている。当該錘部駆動手段22は、駆動用電極部25と、当該駆動用電極25に空隙を介して対向配置されている錘部7の端縁部分との間に後述するように交流電圧を印加し当該交流電圧に応じた静電力を発生させて錘部7(7a,7b)をZ軸方向に駆動振動させる構成を備えている。この第1実施形態例では、錘部駆動手段22は、各錘部7a,7bにおける連結部8の連接側の端部側とは反対側となる端部側に配設されており、錘部7a側の錘部駆動手段22と、錘部7b側の錘部駆動手段22とは、枠状梁4の形成位置を中心部とした対称的な位置に配設されている。これにより、錘部7aのZ軸方向の駆動振動と、錘部7bのZ軸方向の駆動振動とのバランスが取りやすくなる。
この第1実施形態例では、枠状梁4と支持部5(5a,5b)と固定部6と錘部7(7a,7b)と連結部8(8a,8b)と補強部20と錘部駆動手段22は、共通のSOI(Silicon-On-Insulator)基板(つまり、Siから成る支持層10とSiO2から成る酸化層11とSiから成る活性層12が下側から順に積層形成されている多層基板)13をマイクロマシニング技術を利用して加工して形作られたものである。この第1実施形態例では、錘部駆動手段22の固定部23は、SOI基板13の支持層10と酸化層11と活性層12により構成されている。錘部7は、SOI基板13の支持層10と酸化層11と活性層12により構成され、当該錘部7は、錘部駆動手段形成側の端縁部分に、上面から支持層10に達する端面開口の凹部27が形成された形状と成し(例えば図3(a)、(b)参照)、その凹部27の内底壁面は支持層露出面26となっている。駆動用電極部25は、固定部23から錘部7(7a,7b)の凹部27の端面開口部を通って凹部27の内部に向けて伸長形成されている態様を有し、錘部7(7a,7b)の凹部27の内底壁面(支持層露出面26)に間隔を介して対向配置されている。当該駆動用電極部25は、SOI基板13の活性層12から成り、この駆動用電極部25の伸長先端側は、錘部7を構成しているSOI基板13の錘部駆動手段形成領域内全ての酸化層11を除去し、かつ、上面側から支持層10まで達する駆動用電極部形成用の溝部の形成によって錘部7から切り離された活性層12の部位を有して構成されている。
駆動用電極部25の固定部23を構成している活性層12部分は、枠状梁4を支持固定している固定部6を構成している活性層12の部分と、溝部28の形成によって電気的に直接的には接続されていない状態となっている。このため、錘部駆動手段22の等価回路は図5に示されるような回路構成となる。つまり、駆動用電極部25と、錘部7の支持層露出面26(支持層10)とが空隙を介して対向配置されてコンデンサC1が形成され、また、錘部7を構成しているSOI基板13の支持層10と、活性層12とが酸化層11を介してコンデンサC2が形成されている。駆動用電極部25は固定部23と電気的にはほぼ同電位となる。錘部7を構成している活性層12は、連結部8を構成している活性層12部分および枠状梁4を構成している活性層12部分および支持部5を構成している活性層12部分および固定部6を構成している活性層12部分とほぼ同電位となる。固定部23と固定部6は電気的に直接的には接続されていないことから、コンデンサC1,C2は直列接続回路を構成する。
錘部駆動手段22においては、例えば、固定部23の電極パッド24には、錘部7を駆動振動させるための予め定められた周波数の交流の駆動信号を外部から印加する。また、固定部6の電極パッド27には外部のバイアス電圧電源からバイアス電圧を印加する。このように、電極パッド24,27に電圧を印加することにより、電極パッド24に電気的に接続されている駆動用電極部25と、電極パッド27に電気的に接続されている錘部7の支持層露出面26との間に交流の駆動用の電圧が印加され、当該駆動用電極部25と、支持層露出面26との間には、駆動用の電圧に応じた静電力が発生する。この静電力によって、錘部7がZ軸方向に駆動振動する。この第1実施形態例では、図6のイメージ図に示されるように、錘部7aの駆動振動と、錘部7bの駆動振動とが、互いに逆相となるように、電極パッド24a,24bにそれぞれ印加する駆動用の電圧は互いに逆相となるように制御される。
錘部駆動手段22によって錘部7(7a,7b)がZ軸方向に駆動振動しているときにY軸回りの回転が生じると、X軸方向のコリオリ力が錘部7(7a,7b)に作用する。このコリオリ力によって枠状梁4が撓み変形し、図7のイメージ図に示されるように、錘部7(7a,7b)が振動する。
この第1実施形態例では、枠状梁4には、当該枠状梁4の撓み変形による応力変化によって電気抵抗値が変化するピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4が、図8の平面図に示されるように配設されている。つまり、枠状梁4における帯状の連結部連接枠状梁部位15aの帯幅両側に、それぞれ、ピエゾ抵抗部RY1,RY4が配設され、また、枠状梁4における帯状の連結部連接枠状梁部位15bの帯幅両側に、それぞれ、ピエゾ抵抗部RY2,RY3が配設されている。
枠状梁4と支持部5(5a,5b)と固定部6には、それらピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4により図9(a)に示されるようなブリッジ回路を構成するための配線パターンが形成されている。例えば図8に示される例では、配線パターンLによって、各連結部連接枠状梁部位15a,15bの帯幅両側に配設されているピエゾ抵抗部のうちの左右の同じ片側(図8の例では左側)のピエゾ抵抗部RY1,RY2の一端側同士が電気的に接続されて電圧検出部PY1と成している。また、各連結部連接枠状梁部位15a,15bの帯幅両側に配設されているピエゾ抵抗部のうちの左右のもう一方の片側(図8の例では右側)のピエゾ抵抗部RY3,RY4の一端側同士が電気的に接続されて電圧検出部PY2と成している。固定部6の表面には、複数の外部接続用の電極パッド30が形成されており、電圧検出部PY1は、配線パターンLによって、当該電圧検出部PY1に個別に対応する外部接続用の電極パッド30(VY-)に電気的に接続されている。また、電圧検出部PY2は、配線パターンLによって、当該電圧検出部PY2に個別に対応する外部接続用の電極パッド30(VY+)に電気的に接続されている。さらに、連結部連接枠状梁部位15aの両側のピエゾ抵抗部RY1,RY4の他端側同士が接続され、当該接続部は、配線パターンLによって、バイアス電圧印加用の電極パッド30(Vbi)に電気的に接続されている。さらにまた、連結部連接枠状梁部位15bの両側のピエゾ抵抗部RY2,RY3の他端側同士が接続され、当該接続部は、配線パターンLによって、グランド接地用の電極パッド30(GND)に電気的に接続されている。
この第1実施形態例では、4つのピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4は、枠状梁4が撓み変形していない状態で図9(a)のブリッジ回路が均衡状態となるように形成されている。
この第1実施形態例の角速度センサ1は上記のように構成されている。この角速度センサ1は、次に示すように角速度を検出することができる。すなわち、角速度センサ1において、錘部駆動手段22によって錘部7(7a,7b)がZ軸方向に互いに逆相に駆動振動している状態で、Y軸回りの回転が発生すると、その回転によるX軸方向のコリオリ力が錘部7a,7bにそれぞれ作用する。この第1実施形態例では、錘部7a,7bはZ軸方向に逆相に駆動振動することから、錘部7a,7bに作用するX軸方向のコリオリ力も互いに逆相となり、錘部7a,7bは、互いにX軸方向に逆向きに図7のイメージ図のように振動する。この錘部7の振動によって、枠状梁4が撓み変形し、これにより、枠状梁4には次に述べるような応力が発生する。
例えば、錘部7aが図7に示されるような右向きに振れ変位し、錘部7bが逆の左向きに振れ変位している場合には、枠状梁4において、図10に示される連結部連接枠状梁部位15aの左側ALには圧縮応力が、また、連結部連接枠状梁部位15aの右側ARには引っ張り応力が、さらに、連結部連接枠状梁部位15bの左側BLには引っ張り応力が、さらにまた、連結部連接枠状梁部位15bの右側BRには圧縮応力が、それぞれ、発生する。また、支持部連接枠状梁部位16aの上側CUには引っ張り応力が、また、支持部連接枠状梁部位16aの下側CDには圧縮応力が、さらに、支持部連接枠状梁部位16bの上側DUには圧縮応力が、さらに、支持部連接枠状梁部位16bの下側DDには引っ張り応力が、それぞれ、発生する。
この第1実施形態例では、各連結部連接枠状梁部位15a,15bの両側に、それぞれ、ピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4が設けられている。Y軸回りの回転に起因したX軸方向のコリオリ力による錘部7a,7bの振動によって枠状梁4が撓み変形することにより、枠状梁4の応力が変化してピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4の電気抵抗値が変化する。つまり、ピエゾ抵抗部RY1,RY3は圧縮応力に基づいた抵抗値変化を示し、ピエゾ抵抗部RY2,RY4は引っ張り応力に基づいた抵抗値変化を示す。このため、図9(a)のブリッジ回路の抵抗値の均衡状態が崩れて、図9(a)のブリッジ回路の出力が変化する。Y軸回りの回転の角速度の大きさに応じて図9(a)のブリッジ回路の出力の変動幅が変化することから、図9(a)のブリッジ回路の出力に基づいてY軸回りの回転の角速度の大きさを検出することができる。
ところで、錘部7(7a,7b)は、加速度に基づいた力が作用しても振動する。その加速度発生に起因した力による錘部7a,7bの振動は同相である。角速度発生に起因したコリオリ力による錘部7a,7bの振動は互いに逆相であることから、加速度発生時の錘部7a,7bの振動状態とは異なる。この錘部7a,7bの振動状態の差異を利用して、角速度発生を加速度発生とは区別して検出することができる。
つまり、X軸方向の加速度発生に起因して錘部7a,7bが同相にX軸方向に振動すると、枠状梁4には次に示すような応力が発生する。例えば、加速度発生に起因して錘部7a,7bが両方共に図11(a)に示すような向きに振れ変位している場合には、枠状梁4において、図11(b)に示される連結部連接枠状梁部位15aの左側ALには引っ張り応力が、また、連結部連接枠状梁部位15aの右側ARには圧縮応力が、さらに、連結部連接枠状梁部位15bの左側BLには引っ張り応力が、さらにまた、連結部連接枠状梁部位15bの右側BRには圧縮応力が、それぞれ、発生する。また、支持部連接枠状梁部位16aの両側CU,CDには、それぞれ、圧縮応力が発生し、支持部連接枠状梁部位16bの両側DU,DDには、それぞれ、引っ張り応力が発生する。このため、X軸方向の加速度が発生しているときには、ピエゾ抵抗部RY1,RY2は、例えば引っ張り応力に基づいた抵抗値変化を示し、ピエゾ抵抗部RY3,RY4は、例えば圧縮応力に基づいた抵抗値変化を示すこととなり、ピエゾ抵抗部RY1,RY2と、ピエゾ抵抗部RY3,RY4とは、加速度が発生していないときの基準の抵抗値から互いに正負(増減)逆向きに抵抗値が変化する。これにより、図9(a)のブリッジ回路において、ピエゾ抵抗部RY1,RY2と、ピエゾ抵抗部RY3,RY4との抵抗値変化は互いにキャンセルされた状態となり、図9(a)のブリッジ回路の出力は大きな変化が無い。
また、Y軸方向の加速度に起因した力が錘部7a,7bに作用すると、錘部7a,7bの重心位置と、枠状梁4の支点位置とが高さ方向にずれていることから、錘部7a,7bは図12(a)に示すようにY軸方向に振れ変位する。例えば、錘部7a,7bが図12(a)に示されるようにY軸方向の右向きに振れ変位している場合には、枠状梁4において、図12(b)に示される支持部連接枠状梁部位16aの上側CUには引っ張り応力が、また、支持部連接枠状梁部位16aの下側CDには圧縮応力が、それぞれ、発生する。さらに、支持部連接枠状梁部位16bの上側DUには引っ張り応力が、また、支持部連接枠状梁部位16bの下側DDには圧縮応力が、それぞれ、発生する。このように、Y軸方向の加速度に起因して錘部7a,7bが振れ変位している場合には、ピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4が形成されている枠状梁部分(つまり、枠状梁4における各連結部連接枠状梁部位15a,15bの両側部分)の応力変化は殆ど無いので、ピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4の電気抵抗値は殆ど変化しない。このため、図9(a)に示されるブリッジ回路の出力は大きく変化しない。
すなわち、この第1実施形態例では、錘部7a,7bのZ軸方向の駆動振動が互いに逆相となるように錘部7a,7bの駆動振動を制御することにより、角速度発生時の錘部7a,7bの振動状態と、加速度発生時の錘部7a,7bの振動状態とを異ならせることができて、角速度を加速度と区別して検出することが可能となる。なお、錘部駆動手段22による錘部7a,7bのZ軸方向の駆動振動による枠状梁4の応力変化は、支持部連接枠状梁部位16a,16bの両側に発生する。つまり、ピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4が形成されている連結部連接枠状梁部位15a,15bの応力変化は殆ど無いことから、図9(a)のブリッジ回路の出力に、Z軸方向の加速度発生や駆動振動に基づいた成分が含まれてしまう事態を回避できる。
ところで、角速度発生に起因したコリオリ力による錘部の振動状態を静電容量変化を利用して検出して角速度の大きさを検出する手法が多数提案されている。しかしながら、コリオリ力による錘部の振動状態を静電容量変化により検出するための構造は、角速度センサの構造を複雑化するという問題がある。また、錘部を駆動振動させるための駆動手段がこの第1実施形態例の如く静電力を利用する場合には、錘部を駆動させるために形成される等価的なコンデンサと、錘部のコリオリ力による振動を検出するために形成される等価的なコンデンサとが電磁結合し、錘部駆動用の等価的なコンデンサに印加される電圧変動が、角速度検出用の等価的なコンデンサから出力される信号にノイズとして乗ってしまい、角速度検出用の出力信号のSN比を悪化させてしまうという問題がある。これに対して、この第1実施形態例の如くピエゾ抵抗部を利用して錘部の振動状態を検出する手法を用いることにより、前述したように、角速度センサの構造を簡素化することができるし、また、錘部のZ軸方向の振動に起因した角速度センサの出力信号のSN比の悪化を抑制することができる。
以下に、この第1実施形態例の角速度センサ1の製造工程の一例を図13の模式的な断面図に基づいて説明する。例えば、図13(a)に示されるようなSOI基板13を用意する。このSOI基板13は、例えば、シリコンから成る約300μm〜600μm程度の厚みの支持層10と、酸化シリコンから成る約0.5μm〜4μm程度の厚みの酸化層11と、シリコンから成る約5μm〜約20μm程度の厚みの活性層12とが下側から順に積層され一体化された基板である。このようなSOI基板13の活性層12に、図13(b)に示されるように、予め定められたピエゾ形成位置にボロン等の不純物をドープしてピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4を同時に形成する。また、ピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4から成るブリッジ回路を構成するための配線パターンLや、電極パッド24,27,30を活性層12の表面に形成する。
なお、配線パターンLは、活性層12の表面の配線パターン形成位置に導体材料をスパッタや蒸着等の成膜形成技術により設けて成るタイプのものであってもよいし、活性層12の配線パターン形成部位にボロン等の不純物をドープして電気抵抗を小さくして成るタイプのものであってもよい。また、導体膜により構成される配線パターンLが、枠状梁4の薄い部位(つまり、枠状梁4における連結部連接枠状梁部位15および支持部連接枠状梁部位16以外の部分)に設けられると、当該枠状梁4の薄い部位が反ってしまうことが心配される場合には、枠状梁4の薄い部位には、不純物ドープにより構成される配線パターンLを形成し、枠状梁4における連結部連接枠状梁部位15および支持部連接枠状梁部位16には、導体膜により構成される配線パターンLを形成するというように、2つのタイプの配線パターンLを場所に応じて設けてもよい。また、電極パッド24,27,30に関しても、導体膜により構成されていてもよいし、不純物のドープにより構成されていてもよい。
次に、図13(c)に示されるように、SOI基板13の支持層10の予め定められた部分を例えばエッチング等により除去して、錘部7や、固定部6,23を形作る。
一方、基台2となる例えばガラス基板を用意し、そのガラス基板には、枠状梁4と支持部5と錘部7と連結部8の全てに対向する予め定められた領域に凹部を形成する。そして、図13(d)に示されるように、支持層10のエッチング等の加工が施されたSOI基板13の支持層10と、基台2であるガラス基板の凹部形成面とを向き合わせ、SOI基板13における枠状梁4と支持部5と錘部7と連結部8の形成領域と、基台2の凹部31との位置を合わせた後に、SOI基板13と、基台2とを例えば陽極接合法等により接合一体化する。
その後、図13(e)に示されるように、活性層12の予め定められた除去部分を例えばエッチング等により除去して、枠状梁4と、支持部5と、錘部7と、連結部8と、錘部駆動手段22の駆動用電極部25と、補強部20とを形作る。そして、図13(f)に示されるように、SOI基板13の酸化層11の予め定められた除去部分を例えばエッチング等により除去して、錘部7の錘部駆動手段形成側の端部と、錘部駆動手段22の駆動用電極部25とを分離し、錘部7の錘部駆動手段形成側の端部を自由端とする。
このようにして角速度センサ1を製造することができる。この第1実施形態例では、SOI基板13を用いて角速度センサ1を形成しているので、この第1実施形態例に示した製造工程でもって、SOI基板13を加工することにより、ほぼ全ての構成部を作製することができ、製造工程の簡略化を図ることができる。
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
この第2実施形態例では、第1実施形態例の構成に加えて、図14に示されるように、枠状梁4には、X軸回りの回転の角速度を検出するためのX軸回り角速度検出部である4つのピエゾ抵抗部RX1,RX2,RX3,RX4が形成されている。つまり、枠状梁4において、支持部連接枠状梁部位16aの片側(図14の例では上側)にはピエゾ抵抗部RX1が、また、支持部連接枠状梁部位16aのもう一方の片側(図14の例では下側)にはピエゾ抵抗部RX4が、それぞれ、形成されている。また、支持部連接枠状梁部位16bの片側(図14の例では上側)にはピエゾ抵抗部RX2が、また、支持部連接枠状梁部位16bのもう一方の片側(図14の例では下側)にはピエゾ抵抗部RX3が、それぞれ、形成されている。この第2実施形態例では、ピエゾ抵抗部RX1,RX3は、Y軸方向に伸長形成されている形態であるのに対して、ピエゾ抵抗部RX2,RX4は、Y軸方向に直交するX軸方向に伸長形成されている形態である。
枠状梁4および支持部5および固定部6の表面部には、ピエゾ抵抗部RX1,RX2,RX3,RX4から成る図15(a)に示されるようなブリッジ回路を構成するための配線パターンLが次に示すように形成されている。つまり、ピエゾ抵抗部RX1,RX2の一端側同士が配線パターンLによって接続されて電圧検出部PX1が形成されている。当該電圧検出部PX1は、固定部6の表面に形成された信号出力用の電極パッド30(Vx-)に電気的に接続されている。また、ピエゾ抵抗部RX1の他端側は、配線パターンLによって、バイアス電圧印加用の電極パッド30(VBi)に電気的に接続され、ピエゾ抵抗部RX2の他端側は、配線パターンLによって、グランド接地用の電極パッド30(GND)に電気的に接続されている。さらに、ピエゾ抵抗部RX3,RX4の一端側同士が配線パターンLによって接続されて電圧検出部PX2が形成され、当該電圧検出部PX2は配線パターンLにより信号出力用の電極パッド30(Vx+)に電気的に接続されている。さらにまた、ピエゾ抵抗部RX4の他端側は、配線パターンLによって、バイアス電圧印加用の電極パッド30(VBi)に電気的に接続され、ピエゾ抵抗部RX3の他端側は、配線パターンLによって、グランド接地用の電極パッド30(GND)に電気的に接続されている。
この第2実施形態例の角速度センサ1では、錘部駆動手段22によって、錘部7a,7bがZ軸方向の互いに逆相に駆動振動している状態で、X軸回りの回転が生じると、錘部7a,7bには、X軸回りの回転に起因したY軸方向のコリオリ力が発生する。錘部7a,7bはZ軸方向に互いに逆相に駆動振動しているので、各錘部7a,7bにそれぞれ印加するコリオリ力の向きは互いに逆向きとなり、各錘部7a,7bは、例えば図16(a)の模式的な断面図に示されるようにY軸方向に互いに逆相に振動する。例えば、図16(a)に示されるように、各錘部7a,7bが振れ変位している場合には、枠状梁4には、支持部連接枠状梁部位16a,16bのそれぞれの両側CU,CD,DU,DDには、それぞれ、引っ張り応力が発生する。これにより、支持部連接枠状梁部位16a,16bのそれぞれの両側に配置されているピエゾ抵抗部RX1,RX2,RX3,RX4には、引っ張り応力に応じた電気抵抗値の変化が生じる。ただし、〔110〕方向のP型ピエゾ抵抗部の場合には、伸長形成方向が互いに直交しているピエゾ抵抗部RX1,RX3と、ピエゾ抵抗部RX2,RX4とは、引っ張り応力に対する電気抵抗値変化は増減方向が逆向きとなる。このようなピエゾ抵抗部RX1,RX2,RX3,RX4の電気抵抗値変化に応じて、図15(a)のブリッジ回路の出力が変化する。
なお、図15(a)から出力される信号には、Y軸回りの回転の角速度発生に起因した信号成分だけでなく、錘部7a,7bのZ軸方向の互いに逆相の駆動振動に基づいた信号成分が含まれているが、Y軸回りの回転の角速度発生に起因した信号成分と、駆動振動による信号成分とは位相が異なることから、角速度センサの出力信号を位相検波することにより、Y軸回りの回転の角速度発生に起因した信号成分を取り出すことができる。その検波後の信号に基づいて、Y軸回りの回転の角速度の大きさを検出することができる。
また、X軸方向の加速度が発生すると、錘部7a,7bはX軸方向に同相に振動する。これにより、例えば図11(b)に示されるように枠状梁4の応力が変化して、ピエゾ抵抗部RX1,RX2,RX3,RX4の電気抵抗値が変化するが、この第2実施形態例では、X軸方向の加速度発生に起因したピエゾ抵抗部RX1,RX2,RX3,RX4の電気抵抗値変化は同様であることから、X軸方向の加速度が発生しても図15(a)のブリッジ回路の出力は殆ど変化しない。このため、X軸方向の加速度発生がY軸回りの回転の角速度検出に悪影響を及ぼすことを殆ど回避することができる。
上記のように、第2実施形態例の構成を備えることによって、X軸回りの回転とY軸回りの回転との2軸回りの回転の角速度を検出することができる。
なお、この発明は第1や第2の各実施形態例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、枠状梁4において、連結部連接枠状梁部位15および支持部連接枠状部位16は、枠状梁4の他の部位よりもZ軸方向の厚みが薄くなっていたが、連結部連接枠状梁部位15および支持部連接枠状部位16のZ軸方向の厚みは、枠状梁4の他の部位と同様な厚みであってもよい。
また、第1や第2の各実施形態例では、枠状梁4の枠内空間部には補強部20が設けられていたが、枠状梁4の剛性等によっては、補強部20を設けなくともよい。また、枠状梁4は方形状であったが、例えば、枠状梁4は、図17(a)に示されるような円形状であってもよいし、図17(b)に示されるような菱形状であってもよいし、図17(c)に示されるような楕円形状であってもよい。また、枠状梁4は、X軸方向中心軸に対して対称な形状となり、かつ、Y軸方向中心軸に対して対称な形状となっていたが、枠状梁4は、X軸方向中心軸に対して非対称な形状であってもよいし、Y軸方向中心軸に対して非対称な形状であってもよい。
さらに、第1や第2の実施形態例に示したピエゾ抵抗部間を電気的に接続する配線パターンLの配線構成は、図8や図14の例に限定されるものではなく、適宜設計してよいものである。
さらに、第1や第2の実施形態例の構成に加えて、図18に示したように、支持部5(5a,5b)が、それぞれ、弾性部32(32a,32b)を介して固定部6に連接されている構成を加えてもよい。弾性部32(32a,32b)は、支持部5(5a,5b)の伸長形成方向(X軸方向)に交差する方向(この例では直交するY軸方向)に伸長形成されている梁(応力軽減梁)33を有して構成され、当該梁33は、その両端部がそれぞれ固定部6に固定されている。この梁33の中央部に支持部5(5a,5b)が連接されている。当該梁33は、固定部6のX軸方向の歪みに応じて弾性変形し、この弾性変形によって、固定部6の歪みに起因して固定部6から支持部5に加えられる応力を軽減することができる。なお、梁33は固定部6の歪みに応じて弾性変形することができれば、その幅やZ軸方向の厚みは特に限定されるものではないが、例えば、梁33のZ軸方向の厚みは、固定部6や、枠状梁4における支持部連接枠状梁部位16と同様の厚みとする。
さらに、第1や第2の各実施形態例では、Y軸回り角速度検出部や、X軸回り角速度検出部は、ピエゾ抵抗部を有して構成されていたが、例えば、静電容量の変化を利用して錘部7a,7bの変位を検出し、Y軸回りの回転の角速度や、X軸回りの回転の角速度を検出する構成としてもよい。
さらに、第1や第2の各実施形態例では、固定部6は、梁部4および錘部7の形成領域を間隔を介して囲む枠状の態様であったが、固定部6は、梁部4を支持部5a,5bによって両持ち梁状に基台2に固定させることができる形態であればよく、枠状でなくともよい。
さらに、第1や第2の各実施形態例では、梁部4と支持部5と固定部6と錘部7と連結部8はSOI基板により構成されていたが、それらはSOI基板で構成されていなくともよい。
さらに、第1や第2の各実施形態例では、錘部駆動手段22は、錘部7の自由端側に設けられていたが、錘部駆動手段22の形成位置は、錘部7をZ軸方向に駆動振動させることができる位置であれば、何れの位置でもよく、適宜設定してよいものである。例えば、錘部7の連結部側に錘部駆動手段22を設けることにより、錘部7の自由端側の振幅の大きさを大きくすることが容易となる。
さらに、第1や第2の各実施形態例では、図8に示されるように枠状梁4に形成されたピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4が、図9(a)に示されるようなY軸回りの角速度検出用のブリッジ回路を構成する例を示したが、例えば、ピエゾ抵抗部RY1,RY2,RY3,RY4が、図9(b)に示されるようなY軸回りの角速度検出用のブリッジ回路を構成し、当該ブリッジ回路の出力に基づいてY軸回りの回転の角速度の大きさを検出する構成としてもよい。つまり、図9(b)のブリッジ回路では、連結部連接枠状梁部位15aの帯幅両側のピエゾ抵抗部RY1,RY4の一端側同士が電気的に接続されて電圧検出部PY1'と成している。また、連結部連接枠状梁部位15bの帯幅両側のピエゾ抵抗部RY2,RY3の一端側同士が電気的に接続されて電圧検出部PY2'と成している。さらに、各連結部連接枠状梁部位15a,15bの帯幅両側に配置されているピエゾ抵抗部のうちの同じ片側(図8の例では左側)のピエゾ抵抗部RY1,RY2の他端側がバイアス電圧印加部と成している。さらにまた、各連結部連接枠状梁部位15a,15bの帯幅両側に配置されているピエゾ抵抗部のうちのもう一方側(図8の例では右側)のピエゾ抵抗部RY3,RY4の他端側がグランド接地部と成している。
さらに、第2実施形態例では、図14に示されるように枠状梁4に形成されたピエゾ抵抗部RX1,RX2,RX3,RX4が、図15(a)に示されるようなX軸回りの角速度検出用のブリッジ回路を構成する例を示したが、例えば、ピエゾ抵抗部RX1,RX2,RX3,RX4が、図15(b)に示されるようなX軸回りの角速度検出用のブリッジ回路を構成し、当該ブリッジ回路の出力に基づいてX軸回りの回転の角速度の大きさを検出する構成としてもよい。つまり、図15(b)のブリッジ回路では、支持部連接枠状梁部位16aの帯幅両側のピエゾ抵抗部RX1,RX4の一端側同士が接続されて電圧検出部PX1'と成している。また、支持部連接枠状梁部位16bの帯幅両側のピエゾ抵抗部RX2,RX3の一端側同士が接続されて電圧検出部PX2'と成している。さらに、各支持部連接枠状梁部位16a,16bの帯幅両側の同じ片側(図14の例では上側)のピエゾ抵抗部RX1,RX2の他端側はバイアス電圧印加部と成している。さらに、各支持部連接枠状梁部位16a,16bの帯幅両側のもう一方側(図14の例では下側)のピエゾ抵抗部RX3,RX4の他端側はグランド接地部と成している。
1 角速度センサ
2 基台
4 枠状梁
5 支持部
7 錘部
8 連結部
15 連結部連接枠状梁部位
16 支持部連接枠状梁部位
22 錘部駆動手段
2 基台
4 枠状梁
5 支持部
7 錘部
8 連結部
15 連結部連接枠状梁部位
16 支持部連接枠状梁部位
22 錘部駆動手段
Claims (11)
- 互いに直交するX軸とY軸とZ軸のうちのX軸およびY軸を含むXY平面に平行なXY基板面を持つ基台と、
この基台のXY基板面上に浮いた状態で配置される枠状梁と、
この枠状梁からX軸方向に沿って枠状梁の両側にそれぞれ外向きに伸長形成されている支持部を介して枠状梁を基台に両持ち梁状に支持する枠状梁支持固定部と、
前記基台のXY基板面上に浮いた状態で前記枠状梁のY軸方向の両側からそれぞれY軸方向に沿って外向きに伸長形成されている連結部と、
各連結部の伸長先端部にそれぞれ連接された錘部とを有し、
前記錘部は、枠状梁の変形によりX軸方向とY軸方向とZ軸方向の三軸方向の外力により変位可能な構成と成し、当該錘部をZ軸方向に駆動振動させるための錘部駆動手段が設けられており、
前記枠状梁には、錘部駆動手段により錘部がZ軸方向に駆動振動している状態でY軸回りの回転によって発生したX軸方向のコリオリ力による錘部の変位に起因した枠状梁の撓み変形に基づいてY軸回りの回転の角速度を検出するY軸回り角速度検出部が設けられていることを特徴とする角速度センサ。 - 錘部駆動手段により錘部がZ軸方向に駆動振動している状態でX軸回りの回転によって発生したY軸方向のコリオリ力による錘部の変位に起因した枠状梁の撓み変形に基づいてX軸回りの回転の角速度を検出するX軸回り角速度検出部が枠状梁に設けられていることを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
- 錘部駆動手段は、各錘部をそれぞれZ軸方向に互いに逆相で駆動振動させる構成と成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の角速度センサ。
- 枠状梁のX軸方向の両側からそれぞれX軸方向に伸長形成されている各支持部の中心軸は同一直線上に配置され、また、枠状梁のY軸方向の両側からそれぞれY軸方向に伸長形成されている各連結部の中心軸は同一直線上に配置されており、
枠状梁は、支持部の中心軸を通るX方向中心線に対して対称な形状であり、かつ、連結部の中心軸を通るY方向中心線に対しても対称な形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の角速度センサ。 - Y軸回り角速度検出部は、枠状梁の変形による枠状梁の応力変化によって電気抵抗値が変化するピエゾ抵抗部を有して構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の角速度センサ。
- Y軸回り角速度検出部は、各連結部からそれぞれ当該連結部の幅をもって枠状梁の領域へY軸方向に延長した帯状の連結部連接枠状梁部位の帯幅両側にそれぞれ配設された合計4つのピエゾ抵抗部を有し、
前記4つのピエゾ抵抗部は枠状梁を周回する方向に順に直列に接続されてY軸回り角速度検出用のブリッジ回路を構成し、各連結部連接枠状梁部位の帯幅両側にそれぞれ配置されているピエゾ抵抗部のうちの片側のピエゾ抵抗部同士の接続部が電圧検出部と成し、また、各連結部連接枠状梁部位のもう一方の片側のピエゾ抵抗部同士の接続部が別の電圧検出部と成しているか、あるいは、前記4つのピエゾ抵抗部は、各連結部連接枠状部位の帯幅両側のピエゾ抵抗部同士がそれぞれ接続されて2つの電圧検出部が形成されているY軸回りの角速度検出用のブリッジ回路を構成しており、Y軸回り角速度検出用のブリッジ回路は、Y軸回りの回転によって枠状梁が撓み変形したときに、Y軸回りの回転の角速度の大きさに応じて前記2つの電圧検出部からそれぞれ出力される電圧の差が変化する構成であることを特徴とする請求項5記載の角速度センサ。 - 枠状梁には、X軸回りの回転に起因した錘部の変位による枠状梁の撓み変形に基づいてX軸回りの回転の角速度を検出するX軸回り角速度検出部が設けられている構成を備え、そのX軸回り角速度検出部は、枠状梁の変形による枠状梁の応力変化によって電気抵抗値が変化するピエゾ抵抗部を有して構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れか一つに記載の角速度センサ。
- X軸回り角速度検出部は、各支持部からそれぞれ当該支持部の幅をもって枠状梁の領域へX軸方向に延長した帯状の支持部連接枠状梁部位の帯幅両側にそれぞれ配設された合計4つのピエゾ抵抗部を有し、
各支持部連接枠状梁部位の帯幅両側のうちの同じ片側のピエゾ抵抗部同士が電気的に接続されて電圧検出部が形成され、また、各支持部連接枠状梁部位の帯幅両側のもう一方側のピエゾ抵抗部同士が電気的に接続されて別の電圧検出部が形成されているか、あるいは、各支持部連接枠状部位の帯幅両側のピエゾ抵抗部同士がそれぞれ接続されて2つの電圧検出部が形成されており、X軸回り角速度検出部の4つのピエゾ抵抗部は、X軸回りの回転によって枠状梁が変形したときに前記2つの電圧検出部からそれぞれ出力される電圧の差に基づいてX軸回りの角速度を検出するためのブリッジ回路を構成していることを特徴とする請求項7記載の角速度センサ。 - 枠状梁におけるZ軸方向の厚みは、各支持部からそれぞれ当該支持部の幅をもって枠状梁の領域へX軸方向に延長した帯状の支持部連接枠状梁部位、および、各連結部からそれぞれ当該連結部の幅をもって枠状梁の領域へY軸方向に延長した帯状の連結部連接枠状梁部位が枠状梁の他の部分よりも厚いことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一つに記載の角速度センサ。
- 枠状梁の枠内空間には、枠状梁の両側の支持部を繋ぐ方向に伸長形成された補強部が配置され、当該補強部の両端側がそれぞれ枠状梁に連接されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載の角速度センサ。
- 錘部は、シリコンから成る支持層と酸化層とシリコンから成る活性層が下側から順に積層形成されて成るSOI基板により構成され、この錘部は、その上面の端縁部の一部分にSOI基板の支持層まで達する側面開口の凹部が形成されている態様と成し、
錘部駆動手段は、錘部の前記凹部内の支持層露出面と、錘部の側面と間隙を介して隣接する位置に設けられた固定部から錘部の前記凹部の側面開口部を通って凹部内に突き出し形成され凹部内の支持層露出面に間隙を介し対向配置して支持層露出面との間に静電力を生じさせて錘部をZ軸方向に駆動振動させる駆動用電極部とを有して構成されており、
前記駆動用電極部は、錘部の前記凹部形成領域のSOI基板の酸化層が除去され、かつ、前記凹部形成領域のSOI基板の活性層に駆動用電極部形成用溝部が設けられて錘部から切り離されたSOI基板の活性層部分を有して構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一つに記載の角速度センサ。
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JP2005287528A JP2007101203A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 角速度センサ |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20100269589A1 (en) * | 2007-06-22 | 2010-10-28 | Hitachi, Ltd. | Angular velocity detecting device |
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-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005287528A patent/JP2007101203A/ja active Pending
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