JP2006250829A - 静電容量式センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】固定電極と可動電極との間に発生する静電容量の変化によって検出する静電容量式センサにおいて、過大な加速度の印加時におけるビーム部や電極の損傷をセンサチップのサイズを大きくせずに防止し、センサの安定化と高感度化を図る。
【解決手段】ビーム固定部6の一部に、マス部3に入り込んだ形状で、かつマス部3の可動方向と直交する延伸部9a、9bを形成し、マス部3は少なくとも延伸部9a、9bに平行な部位を有し、マス部3と延伸部9a、9bとの対向する辺の間隔を固定電極7a、7bと可動電極8a、8bとの対向する辺の間隔より狭くすることにより、延伸部9a、9bをマス部3の過大変位時におけるストッパとした。これにより、マス部3の過大変位による電極の損傷を防止する。
【選択図】図1
【解決手段】ビーム固定部6の一部に、マス部3に入り込んだ形状で、かつマス部3の可動方向と直交する延伸部9a、9bを形成し、マス部3は少なくとも延伸部9a、9bに平行な部位を有し、マス部3と延伸部9a、9bとの対向する辺の間隔を固定電極7a、7bと可動電極8a、8bとの対向する辺の間隔より狭くすることにより、延伸部9a、9bをマス部3の過大変位時におけるストッパとした。これにより、マス部3の過大変位による電極の損傷を防止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、加速度センサやジャイロセンサのような物理量センサであって、特に、固定電極と可動電極の間の静電容量から加速度や角速度を検出する静電容量式センサに関する。
この種の静電容量式センサにおいて、固定電極と、固定電極に対向する可動電極、及び可動電極を支持し物理量により変位する重り部と、一端が重り部と連結された撓み自在な1乃至複数のビーム部と、このビーム部の他端が連結されるフレーム部とが半導体基板に加工されて形成された半導体センサが種々提案されている。
このような半導体センサは、加速度の印加により、重り部が可動され、ビーム部が変形されて固定電極と可動電極の間隔が変化し、この変化により2電極間に発生する静電容量の変化が静電容量―電圧変換用の集積回路(IC)で電圧に変換されて加速度の大きさを検出する。
そして、加速度に対する検出感度を高めるために、加速度に対する可動電極の可動変位を大きくするか、又はコンデンサを形成する電極対の面積を増大し、静電容量を大きくする方法が取られる。前者の場合、可動電極を構成するマス部を重くするか、もしくはビーム部を薄く、又は長くしてビームを撓み易くすることにより、同一加速度の印加に対して、マス部の変位量を増加させ、検出感度の向上を図っている。しかし、ビーム部を薄くしたり、長くしたりすると、検出しようとする加速度よりもはるかに大きな力が加わった場合、ビーム部が折れたり、コンデンサを構成する固定電極と可動電極が高速でぶつかり合うことにより、電極自身を損傷してしまうという問題があった。
一方、後者の場合は、例えば、可動電極と固定電極を櫛歯のような構造にしてコンデンサを構成する可動電極と固定電極の対向する部分の面積を増やして静電容量を増加させることにより、感度のアップを図っている。しかしながら、この場合も、前者と同じく、過大な加速度が加わった場合、細い櫛歯電極同士が衝突することにより、電極の損傷が生じるという同様の問題があった。
このような過大な加速度に対して、従来より、加速度センサのビームや電極の損傷を防止するために、可動電極、固定電極の櫛歯同士が衝突する前に、可動電極の連結されているマス部を、可動電極よりも先に衝突させるストッパを配置する等の対策が取られる。
しかしながら、従来のストッパは、ストッパの電位が可動電極と異なった電位を持つ場合には、2つの電極間に作用する静電吸引力(静電気による吸引する力)の影響で、ストッパと可動電極が固定されることがあり、それを回避するため独立したストッパの構成が必要とされ、その分、可動電極が小さくなってしまう問題があった。
以下に、従来の静電容量式加速度センサの例について、図6、図7を参照して説明する。図6は、静電容量式加速度センサ100が半導体基板に構成されたセンサチップ101を示し、図7は、同センサチップ101がパッケージ111に実装されたセンサモジュール110を示す。センサチップ101は、シリコンの半導体基板上に、半導体微細加工により、可動部102、固定部103、ビーム部104、フレーム部109が形成されている。そして、センサチップ101は、加速度の印加により、可動部102と固定部103に設けられた電極間の容量が変化することにより、加速度変化を容量変化として検出する。
可動部102は略菱形に扁平な形状に形成され、その四辺にはそれぞれ可動部102と繋がる櫛歯状の可動電極105X、105Yが形成されている。固定部103には、可動電極105X、105Yと対向する固定電極107X、107Yが同様に櫛歯状に形成されている。これらの固定電極と固定電極は、可動部102の各辺とフレーム部109との間に配置されて、それぞれ互い違いに並んで対向している。可動部102は、中央部で4つのビーム部104の一端と連結されている。ビーム部104の他端は、可動部102の周囲を略4分の3周した位置において、フレーム部109の内側角部に連結されている。センサチップ101とASIC112とを接続するためのボンディングパット108が4つの固定部103と可動部102に繋がるフレーム部109に形成され、可動電極105X、105Yに近傍には、電極の衝突を避けるためのY方向及びX方向の各ストッパ106a、106b及び106c、106dが設けられている。
上記構成の加速度センサ100においては、加速度が印加されると、可動部102がXY平面内で変位し、XY軸方向の変化量に応じて固定電極107Xと可動電極105Xの間のギャップが変化して両者間の静電容量が変化し、同じくY方向の変化量に応じて固定電極107Yと可動電極105Yの間のギャップが変化して両者間の静電容量が変化することにより、これら2つの静電容量の変化の大きさが検出される。
センサチップ101からの静電容量の検出出力は、センサチップ101に設けたボンディングワイヤパッド(以下、パッドと略す)108からボンディングワイヤ(以下、ワイヤと略す)113介して、ASIC(Application specific IC 特定用途向け集積回路:半導体素子)112の各入力用パッド112aに電気的に接続されて、ASIC112に入力される。ASIC112では、このセンサチップ101からの静電容量の検出信号が電気信号に変換されて、加速度センサの検出電気信号として増幅されて取り出され、印加された加速度の方向とその大きさが検出される。
上記従来例においては、ストッパ106a、106bは、静電吸引力の影響を避けるため、独立したストッパとして構成されており、その分、センサチップの面積制限から可動電極の面積が小さくなっている。
また、上記従来例は、ビーム部104が可動部102を取り囲む構造であり、ボンディングパット108の位置がセンサチップ101上にの異なった方向に離れて配置されている。従って、センサチップ101とASIC(IC)112の接続において、接続されるワイヤ113の長さが各々異なり、ワイヤ113とセンサチップ101及びASIC112間に発生する浮遊容量が、ワイヤごとに異なり、静電容量のバランスが崩れてしまうという問題があった。
また、他の従来例として、例えば、特許文献1に示されるように、固定電極と対向する可動電極に連結され、加速度に応じて変位可能な第1の梁と、第1の梁の変位量を規制する第1のストッパと、第1のストッパを支持する第2の梁とによるストッパを備えた半導体加速度センサも提案されている。しかしながら、ストッパを別途、錘の両端部に設けるため、センサチップサイズが大きくなるという問題があった。
特開2004−286615号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、静電容量式センサにおいて、マス部に連結されるビームを支持する固定部の一部をマス部に入り込んだ形状に構成し、マス部と固定部との間隔を固定電極と可動電極との間隔より狭くすることにより、固定部をマス部の過大変位時のストッパとして兼用させることにより、センサチップ全体の寸法を大きくせず、独立なストッパを必要としない、高感度な静電容量式センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、固定電極と、この固定電極に対向する可動電極と、物理量によって変位するマス部と、撓み自在に形成されて一端部が前記マス部と連結され、他端部が固定部に固定される1乃至複数のビーム部とが半導体基板を加工して形成され、加速度や角速度を含む物理量の変化を前記固定電極と可動電極との間に発生する静電容量の変化によって検出する静電容量式センサにおいて、前記固定部は、その一部が前記マス部に入り込んだ形状で、前記マス部の可動方向と直交する直交部位を備え、前記マス部は、少なくとも前記固定部の直交部位に平行な部位を有し、前記マス部と前記固定部の直交部位との間隔を前記固定電極と可動電極との間隔より狭くすることにより、前記固定部をマス部の過大変位時の可動電極のストッパとしたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ストッパは、前記可動電極に対し1乃至2つ備えられ、前記可動電極は、一方向の物理量に対してのみ変化し、前記固定電極と可動電極との間隔の変化により静電容量が変化し、その他の方向からの物理量に対して変化しないものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載の発明において、前記可動電極と、固定電極とによる電極対と同一形状で90°回転された電極対をさらに備え、これら2つの電極対が1つの半導体基板上に構成され、直交する2方向の物理量の変化が同時に検出されるものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ストッパは、前記可動電極に対し1乃至4つ備えられ、前記可動電極は、2方向の物理量に対して変位し、これらの可動電極と対を成す固定電極がそれぞれの変位方向に備えられ、各変位方向における前記可動電極と固定電極の間隔の変化により生じた静電容量の変化が、それぞれ独立して取り出されるようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の発明において、前記固定部は、前記マス部の中心部から略等距離に離れた4方向に配設され、前記ビームは、前記4方向の固定部から前記マス部の一部を分断する形で渦巻状に延長され、前記マス部の中央部分で接続されるものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明において、前記固定電極と可動電極との電極対は、物理量を検出する方向の軸上におけるマス部の両端にあって、マス部の中心部に対して対称な位置にそれぞれ配設され、一方の電極対の容量の増加、減少に対して、他方の電極対の容量が減少、増加するよう構成された電極対を持つものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、前記固定電極と可動電極との間に発生する静電容量の変化を電圧信号に変換するための半導体集積回路(IC)と電気的に接続するためのワイヤボンディングパットが、前記半導体基板に構成された前記静電容量検出のためのセンサチップの一辺側に並んでいるものである。
請求項1の発明によれば、固定部が電極のストッパ機能を兼ねることにより、独立したストッパ用のマスを設ける必要がなく、かつ可動電極と、ストッパを同電位にすることにより静電吸引力による電極同士の固着を避けることができ、センサチップ全体のサイズを大きくすることなく、過大な加速度による各電極の過度な移動を抑制してチップの破損を防止することができ、センサの信頼性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、決められた1方向の容量変化を確実に検出でき、さらにストッパを2個設けたことにより、過大な加速度によるチップの破損を防止することができる。
請求項3の発明によれば、二つの同じセンサを90°回転させて配置させることで、簡単な構成で直交する2方向の加速度を同時に検出することができる。
請求項4の発明によれば、ストッパ機能を有し、2方向における物理量の変位の検出が独立に得られるセンサをワンチップで構成できるので、小型で衝撃に強い安定な2方向センサが得られる。
請求項5の発明によれば、マスの体積を減少させず、より長いビームを形成できることにより、より大きな感度を得ることができると共に、4方向のストッパにより、過大な加速度に対する耐衝撃性が向上する。
請求項6の発明によれば、加速度により容量の増減が逆に変わる2つの電極対の容量差を検出することにより、チップサイズをあまり大きくせずにセンサ感度を約2倍にすることができる。
請求項7の発明によれば、センサ検出出力が取り出される固定電極と、可動電極の固定部とが共に、マス部や、ビーム部よりも外側に配置されているため、ワイヤボンディングパットは、可動電極や、ビームの位置に影響されず、センサチップ周辺のいずれの辺でも自由に配置することができる。従って、センサチップのボンディングパットをセンサチップの1辺に一列に配置することができ、このセンサチップに接続されるICの入力側端子のボンディングパットと並列に並べて接続できるので、接続されるボンディングワイヤの長さをできるだけ均等に短く接続でき、ワイヤに発生する寄生容量の影響を均等に、かつ最小限に抑えることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る静電容量式センサについて図1、図2を参照して説明する。図1は、本実施形態による静電容量式センサ1を示し、図2(a)、(b)は、ストッパの詳細を示すために図1の点線で囲んだA部及びB部を拡大して示す。これらの図において、対応する部材には同一符号を付している(以下、同様)。
この静電容量式センサ1は、シリコンの半導体基板に、半導体微細加工により、マス部3、固定電極部4、ビーム部5、ビーム固定部6(固定部)を有し、半導体センサチップ(以下、センサチップと略す)2として構成されている。固定電極部4は、センサチップ2の両サイドに平行して配置される固定電極7a、7bを有している。物理量によって変位するマス部3は、中心部でビーム部5に接続され、その加速度検出方向の両端部には、固定電極7a、7bに対向して櫛歯状に形成された可動電極8a、8bが形成され、これらの固定電極7a、7bと可動電極8a、8bはそれぞれ静電容量のコンデンサを構成する電極対を成している。
これらの電極対は、物理量を検出する方向の軸上におけるマス部3の両端にあって、マス部3の中心部に対して対称な位置にそれぞれ配設されている。そして、各電極対において、可動電極8a、8bが平行に入り込む櫛形溝4a、4bが固定電極部4近傍に形成されている。この櫛形溝4a、4bの長手方向の両側辺と、可動電極8a、8bの両側辺との各電極対として対応する間隔a1、b1とa2、b2を同じ幅ではなく(但し、a1+a2=b1+b2=一定とする)、例えば、a1>a2、b1>b2として間隔の幅を変えている。この構成により、一方の電極対の容量の増加、減少に対して、他方の電極対の容量が減少、増加するよう構成できる。従って、物理量の変化量を両電極対の容量の差として検出することにより、チップサイズをあまり大きくせずにセンサチップの感度を約2倍にすることができる。
ビーム固定部6は、その一部がマス部3に入り込んだ形状で、マス部3の可動方向と直交する方向に延伸してビーム部5の一端を固定する略長方形の延伸部9a、9bを備えている。また、ビーム部5は、撓み自在に形成されて一端部がマス部3と連結され、他端部がマス部3の中心部から蛇行してビーム固定部6の延伸部9a、9bに固定されている。
図2(a)、(b)に示すように、マス部3は、少なくともビ−ム固定部6の延伸部9a、9bに平行な部位11a、11bを有し、マス部3と延伸部9a、9bとの隙間の間隔t1を固定電極7a、7bと可動電極8a、8bとの隙間の間隔t2又はt3より狭くしている。また、略長方形の延伸部9a、9bのビーム部5との接続側における延伸部9a、9bとマス部3との間隔t4は、間隔t1より大きく形成し、延伸部9a、9bの電極対側の縁部10a及び10bをストップ用側縁としている。従って、図2において、X方向の右側に向けてマス部が過大に移動した場合は、延伸部9aの縁部10aがストップ用側縁となり、X方向の左側にマス部3が過大に移動した場合は、延伸部9bの縁部10bがストップ縁となり、可動電極と固定電極の破損を防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る静電容量式センサについて、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態による静電容量式センサ20を示し、前記実施形態の静電容量式センサ1のセンサチップ2を2つ備え、それらを互いに直交して配置した点で前記実施形態と異なる。
この静電容量式センサ20は、Y方向及びX方向の物理量(例えば加速度)の変化をそれぞれ検出するに検出部21及び検出部22から成り、これら二つの検出部が1つの半導体基板上に構成されている。
検出部21及び検出部22には、可動電極と、固定電極とによる電極対により形成された二つのセンサチップ2が互いに直交して配置され、これらのセンサチップ2から検出される静電容量変化を取り出すためのボンディングパット(以下、パットと略す)21a、21b、21c及び21d、21e、21fが同一半導体基板20a上に形成されている。パット21a、21c及び21d、21fは、それぞれの固定電極に接続され、パット21b及び21eはそれぞれの可動電極に接続されている。また、これらのパットは、半導体基板20a上の周辺の一辺に一列に配置され、静電容量を電気信号に変換するASICに接続され易くされている。本構成により、直交する2方向の物理量の変化が同時に検出される。
次に、本発明の第3の実施形態に係る静電容量式センサについて、図4a、図4b、図5を参照して説明する。図4aは、本実施形態による静電容量式センサ30を示し、図4bは、ストッパの詳細を示すために図4aの点線で囲んだC部を拡大して示し、図5は、本実施形態によるセンサ30が半導体集積回路のASIC51に接続されてパッケージ50に実装された状態を示す。なお、図4a、図4bにおいて、白地の部分はパターン形成部を示し、ハッチング部分はパターンが存在しない部分を示す。
この静電容量式センサ30は、シリコンの半導体基板上に、マス部32、固定電極部34、ビーム部33、ビーム固定部37(固定部)及びフレーム部31aが形成され、縦横の寸法がほぼ等しい略正方形に形成されたセンサチップ31により構成されている。
この静電容量式センサ30の周辺には、縦横の寸法がほぼ等しい略正方形のフレーム部31aが形成され、フレーム部31a近くの周辺の4辺には、マス部32と接続される櫛歯状の可動電極36X、36Yが形成されている。また、可動電極36X、36Yに対向して、同様の櫛歯状に形成された固定電極35X、35Yを有する固定電極部34がフレーム部30aの周辺に設けられている。そして、それらの固定電極35X、35Yと可動電極36X、36Yは、マス部32の各周辺部とフレーム部31aとの間に配置されている。各電極は、互い違いに対向して並べられ、X方向、Y方向にそれぞれ2箇所に対称に備えられ、これらの電極により静電容量を発生するコンデンサが形成される。また、フレーム部31aの周辺の一辺側には、ASIC51と接続されるためのボンディングパット39が一列に構成さている。
マス部32は、フレーム部31aの中心部で重り部の役割をし、中央部で4つのビームを有するビーム部33の一端と連結されて支持され、このビーム部33により4つに分けられた略四角形の渦巻状に構成されている。これに対応する形で、ビーム部33は、マス部32の一部を分断する形でマス部32と並行して同様に渦巻状に延長され、ビーム部33の他端は、マス部32の中心部から略等距離に離れた4方向の四隅に配設されたビーム固定部37に接続される。ビーム固定部37は、その一部がマス部32に入り込んだ形状で構成され、マス部32のX方向及びY方向の可動方向と直交する方向を持つ直交部位38a、38bを有している。
図4bに示すように、マス部32は、周辺部において、ビーム固定部37の直交部位38a、38bに対して平行な平行部位32a、32bを有し、X方向におけるマス部32の平行部位32aとビーム固定部37の直交部位38aとの間隔d1を固定電極35Xとマス部32との間隔d2及びd3より狭くしている。同様に、Y方向におけるマス部32の平行部位32bとビーム固定部37の直交部位38bとの間隔c1を固定電極35Yとマス部32との間隔c2及びc3より狭くしている。また、ビーム部33と、ビーム部33を挟む両辺のマス部32との間隔e1は、ビーム固定部37の直交部位38bとの間隔c1より広くしている。
これにより、X方向、Y方向に過剰の物理量の変化が加わった場合、可動電極36Xが固定電極35Xに衝突する前に、マス部32をビーム固定部37に衝突させて可動電極の衝突を避けている。即ち、ビーム固定部37は、ストッパの働きを兼ねている。また、このストッパ作用をするビーム固定部37は、X方向、Y方向にそれぞれ2箇所配置されているので、XY平面の上下左右に対し、いずれにおいてもストッパとして働き、可動電極と固定電極の破損を事前に防止する。
この静電容量式センサ30は、図5に示すように、ASIC51と共に、パッケージ50に実装され、センサ30により検出された静電容量は、ボンディングワイヤ53でASIC51に接続され、電気信号に変換されて出力パット54からパッケージ50の出力端子55を経て検出電気信号として取り出される。また、センサ30のボンディングパット39がフレーム部31aの一辺に沿って一列の配置されているため、ASIC51の入力側ボンディングパット52と接続されるボンディングワイヤ53は、長さをほぼ等しくして、最短距離でバランス良く接続される。
本実施形態の静電容量式センサ30においては、物理量が印加されると、マス部32がXY平面内で変位し、X軸方向の変位量に応じて固定電極35Xと可動電極36Xの間のギャップが変化して両者間の静電容量も変化し、同じくY方向の変位量に応じて固定電極35Yと可動電極36Yの間のギャップが変化して両者の静電容量も変化する。そして、これら2つ方向の静電容量の変化の大きさを測定することにより、印加された物理量の方向とその大きさを検出できる。また、ビーム固定部37をストッパとしてマス部32の一部に入り込む形でビーム固定部37をストッパとして兼用できるように配置したので、ストッパ用のマスパターンが省け、またマス部32とビーム固定部37のストッパを同電位にできるので静電吸引力(静電気による吸引力)の影響がなくなり、独立のストッパを設ける必要がなくなり、センサチップの面積を大きくすることなく安定なセンサが得られる。
また、センサチップ出力が取り出される固定電極と、可動電極の固定部分は共に、マス部や、ビーム部よりも外側に位置しているため、ワイヤボンディングパットは、可動電極や、ビームの位置に影響されず、センサチップのいずれかの側の位置にも自由に配置することができる。従って、センサ30のボンディングパット39を一列に配置することにより、ワイヤ53を最短距離に、かつ略同じ長さにボンディングすることができる。これにより、ワイヤに発生する寄生容量の影響をバランス良くの最小限に抑えることができ、特に、センサが静電容量型の場合は、精度の高いセンサ信号の検出が可能となる。
以上述べたように、本実施形態による静電容量式センサによれば、可動するマス部3がビーム部5を介して固定されるビーム固定部6を、マス部3の一部に入り込んだ形で配置させてストッパ機能を兼用して持たせたことにより、可動電極8a、8bと、ストッパの静電吸引力の影響を省いて独立ストッパの構成を不要とし、センサチップ全体のサイズを大きくすることなく、小型で高感度の安定で信頼性の高いセンサを得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、ストッパを有し、一方向のみの容量変化を確実に検出する同じセンサを2個互いに直交してワンチップに設けることにより、簡単な構成で2方向の加速度を精度良く検出できるセンサを得ることができる。
また、マス部の中央部の4方向から、マス部を支えるビーム部をマス部を4方向に分断する形で渦巻状に延長して、4隅のストッパを有するビーム固定部に接続することにより、
2方向で加速度等の物理量の変位を独立に検出できると共に、過大な加速度によるセンサチップの破損を防止できる感度の高い加速度センサを得ることができる。
2方向で加速度等の物理量の変位を独立に検出できると共に、過大な加速度によるセンサチップの破損を防止できる感度の高い加速度センサを得ることができる。
また、可動電極と、可動電極と対を成す固定電極により構成される2つのコンデンサにおいて、加速度により、一方のコンデンサの容量の増加(又は減少)に対し、他方のコンデンサの容量が減少(又は増加)するよう対称に向かい合わせて配置し、物理量の変化を両者の容量の差により検出することにより、チップサイズをあまり大きくせずにセンサチップの感度を約2倍にすることができる。
さらに、センサチップの1辺にボンディングパットを一列に配置することにより、ICに接続されるボンディングワイヤの長さを均等に、かつ最短にでき、ワイヤに発生する寄生容量の影響をバランス良く、最小限に抑えられることにより、センサの静電容量の検出精度をより向上させることができる。
1 静電容量式センサ
2 半導体基板
3 マス部
4 固定電極部4(固定電極)
5 ビーム部
7a、7b 固定電極
9a、9b 延伸部(直交部位)
10a、10b ストッパ
21a、21b、21c、21d、21f ボンディングパット
51 ASIC(半導体集積回路)
2 半導体基板
3 マス部
4 固定電極部4(固定電極)
5 ビーム部
7a、7b 固定電極
9a、9b 延伸部(直交部位)
10a、10b ストッパ
21a、21b、21c、21d、21f ボンディングパット
51 ASIC(半導体集積回路)
Claims (7)
- 固定電極と、この固定電極に対向する可動電極と、物理量によって変位するマス部と、撓み自在に形成されて一端部が前記マス部と連結され、他端部が固定部に固定される1乃至複数のビーム部とが半導体基板を加工して形成され、加速度や角速度を含む物理量の変化を前記固定電極と可動電極との間に発生する静電容量の変化によって検出する静電容量式センサにおいて、
前記固定部は、その一部が前記マス部に入り込んだ形状で、前記マス部の可動方向と直交する直交部位を備え、
前記マス部は、少なくとも前記固定部の直交部位に平行な部位を有し、
前記マス部と前記固定部の直交部位との間隔を前記固定電極と可動電極との間隔より狭くすることにより、前記固定部をマス部の過大変位時の可動電極のストッパとしたことを特徴とする静電容量式センサ。 - 前記ストッパは、前記可動電極に対し1乃至2つ備えられ、
前記可動電極は、一方向の物理量に対してのみ変化し、
前記固定電極と可動電極との間隔の変化により静電容量が変化し、その他の方向からの物理量に対して変化しないことを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサ。 - 前記可動電極と、固定電極とによる電極対と同一形状で90°回転された電極対をさらに備え、
これら2つの電極対が1つの半導体基板上に構成され、
直交する2方向の物理量の変化が同時に検出されることを特徴とする請求項2に記載の静電容量式センサ。 - 前記ストッパは、前記可動電極に対し1乃至4つ備えられ、
前記可動電極は、2方向の物理量に対して変位し、これらの可動電極と対を成す固定電極がそれぞれの変位方向に備えられ、
各変位方向における前記可動電極と固定電極の間隔の変化により生じた静電容量の変化が、それぞれ独立して取り出されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサ。 - 前記固定部は、前記マス部の中心部から略等距離に離れた4方向に配設され、
前記ビームは、前記4方向の固定部から前記マス部の一部を分断する形で渦巻状に延長され、前記マス部の中央部分で接続されることを特徴とする請求項4に記載の静電容量センサ。 - 前記固定電極と可動電極との電極対は、物理量を検出する方向の軸上におけるマス部の両端にあって、マス部の中心部に対して対称な位置にそれぞれ配設され、
一方の電極対の容量の増加、減少に対して、他方の電極対の容量が減少、増加するよう構成された電極対を持つことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の静電容量式センサ。 - 前記固定電極と可動電極との間に発生する静電容量の変化を電圧信号に変換するための半導体集積回路(IC)と電気的に接続するためのワイヤボンディングパットが、前記半導体基板に構成された前記静電容量検出のためのセンサチップの一辺側に並んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の静電容量式センサ。
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JP2005070117A JP2006250829A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 静電容量式センサ |
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