JP2002228679A - 容量式力学量センサ - Google Patents
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Abstract
電極と微小な空隙を隔てて対向した固定電極とを備えた
容量式力学量センサにおいて、半導体基板の不均一な変
位による出力変動を低減した構造を提供することにあ
る。 【構成】 可動部8の変位方向Xの支持基板40の幅を
均一にしたことにより、支持基板40に強制変位を加え
た場合、可動部8は、全体として上側に変位するもの
の、均一な変位により、可動部8の変位方向Xへの変位
が抑制される。よって、可動部8の変位方向Xの支持基
板40の幅を均一にすることにより、温度変化によって
支持基板40が変形しても、可動電極11aと固定電極
16aとの距離変化と、可動電極11bと固定電極16
bとの距離変化を抑制でき、可動部8及び固定電極16
a、16bの不均一な変位による容量変化を低減するこ
とができ、温度変化による出力変動を抑制することがで
きる。
Description
サに関するもので、特にその使用温度変化による出力変
動を改善するための構造に関する。
に、第1の半導体層3aと、第2の半導体層3bと、第
1の半導体層3aと第2の半導体層3bとの間に設けら
れた埋め込み酸化膜4とを有するSOI基板5を用いた
容量式力学量センサがある。
に、エッチングにより複数の溝を形成することにより、
重り部10、この重り部10より突出する櫛歯状の可動
電極11a、11b、重り部10の両端に設けられた梁
部12a、12b及びアンカー部13a、13bからな
る可動部8と、可動電極11a、11bと離間して対向
配置された櫛歯状の固定電極16a、16b、固定電極
支持部15a、15bからなる固定電極用片持ち構造体
9a、9bとが形成されている。
て、第1の半導体層3aに支持されている。
I基板5の第1の半導体層3a側の面には、接着剤7を
介してパッケージ6が接着固定されている。
力学量が印加されると、可動電極11aと第1の固定電
極16aとの間に設けられた第1のコンデンサと、可動
電極11bと第2の固定電極16bとの間に設けられた
第2のコンデンサとの間隔が変化し、この間隔の変化を
第1のコンデンサと第2のコンデンサとの容量変化の差
分として取り出すことにより、印加力学量を検出してい
る。
量式力学量センサにおいて、SOI基板5は金属系の材
料として見なすことができ、SOI基板5をパッケージ
6に接着固定する接着剤7は樹脂系の材料であるため、
SOI基板5と接着剤7との物性値が異なる。
張係数を合わそうとしても一致させることができず、S
OI基板5と接着剤7との間に熱膨張係数差が生じるこ
ととなる。
が変化した際に、SOI基板5と接着剤7との熱膨張係
数の差により、SOI基板5と接着剤7との変形量が異
なってしまう。
室温から低温に変化した場合、接着剤7の熱膨張係数は
SOI基板5よりも大きいので、SOI基板5より接着
剤7が縮むこととなり、SOI基板5はパッケージ6側
に凸となるように変形する。
5が変形すると、可動電極11a、11bと固定電極1
6a、16bとの間隔が変化し、それによって、あたか
も容量式力学量センサに力学量が印加されたような状態
となり、センサに力学量が印加されていないにも関わら
ず、センサから出力が出てしまうという問題があった。
み、力学量によって変位可能な可動電極と、可動電極と
微小な空隙を隔てて対向した固定電極とを備えた容量式
力学量センサにおいて、半導体基板の熱変形による出力
変動を低減する構造を提供することにある。
力学量センサは、支持基板の形状が不均一であるため
に、使用温度の変化によって支持基板の変形が不均一に
なってしまい、支持基板上に形成された可動電極及び固
定電極の変位も不均一になるため、それによって、可動
電極及び固定電極の変位量がそれぞれ異なり、センサの
出力変動が発生することから、支持基板の形状を均一に
することで、可動電極及び固定電極の変位量を均一に
し、センサの出力変動を抑制できるのではないか、とい
う考えに基づいてなされたものである。
ンサは、半導体層に形成され力学量の印加に応じて変位
する梁部と梁部に支持される可動電極とを備える可動部
と、可動電極の検出面と対向する検出面を有した固定電
極とを備え、力学量の印加に応じて可動部が変位したと
きの可動電極の検出面と固定電極の検出面との間の距離
変化に応じて印加力学量を検出する容量式力学量センサ
において、可動部及び固定電極からなるセンシング部を
支持する枠体を設け、可動部の変位方向における枠体の
幅は均一となっていることを特徴としている。
は枠体に支持されているため、例えば、枠体と接合して
いる部材との熱膨張係数差によって、温度変化が生じる
と枠体が変形する。そして、これに伴いセンシング部も
変形してしまう。
均一であると、温度変化による可動部の変位が不均一に
なってしまい、それによって、可動電極と固定電極との
間の距離が変化してしまう。
にも関わらず、あたかもセンサに力学量が印加されたよ
うな出力が出てしまい、これが温度変化に伴う出力誤差
となる。
一にすることにより、温度変化によって枠体が変形して
も、可動部の変位が均一となり、可動電極の固定電極側
への変位を低減できる。
低減することができ、温度変化による出力変動を抑制す
ることができる。
可動部は枠体の中心線上にて枠体に支持され、かつ、中
心線に対して線対称となっていることを特徴としてい
る。
度変化によって枠体が変形すると、これに伴い可動部も
変形してしまう。
対称となっていることにより、温度変化によって枠体が
変形しても、可動部の変位量が均一となり、可動電極の
固定電極側への変位を低減できる。
低減することができ、温度変化による出力変動を抑制す
ることができる。
固定電極は、可動部の変位方向と垂直方向に位置する枠
体に支持され可動電極を挟むように配置される第1の固
定電極部と第2の固定電極部とを有し、可動電極ととも
にそれぞれ第1の検出容量、第2の検出容量を構成し、
これら第1の検出容量、第2の検出容量は可動電極の変
位により互いに異なる方向へ変化するものであり、第1
の検出容量、第2の検出容量の差動が当該センサの出力
となるよう構成されているものであって、第1の固定電
極部、第2の固定電極部それぞれを支持する枠体の幅は
均一とすることを特徴としている。
ぞれを支持する枠体の幅が不均一であると、温度変化に
よって枠体が変形した際に、それぞれの固定電極の変位
量の差により、可動電極と固定電極との対向面積が変化
してしまう。
極部それぞれを支持する枠体の幅を均一にすることによ
り、固定電極の変位量が均一になり、固定電極と可動電
極との間の距離変化を低減でき、また、可動電極と固定
電極との対向面積の変化量を均一にでき、これにより容
量変化を抑制でき、温度変化に伴う出力変動を抑制でき
る。
固定電極は、枠体に支持される固定部と固定部から可動
電極側へ延びる櫛歯状電極部とを備え、第1の固定電極
部、第2の固定電極部それぞれの固定部は、枠体の中心
に対して点対称であることを特徴としている。
られているため、温度変化によって枠体が変形すると、
これに伴い固定部も変形してしまう。
対して点対称であることにより、温度変化によって枠体
が変形しても、固定部の変位が均一となり、固定電極の
可動電極側への変位を低減できる。
低減することができ、温度変化による出力変動を抑制す
ることができる。
枠体の平面形状は正方形であることを特徴としている。
センシング部は枠体に支持されているため、例えば、枠
体と接合している部材との熱膨張係数差によって、温度
変化が生じると枠体が変形する。
てしまう。
と、温度変化によるセンシング部の変位が不均一になっ
てしまい、それによって、可動電極と固定電極との間の
距離が変化してしまう。
にも関わらず、あたかもセンサに加速度が印加されたよ
うな出力が出てしまい、これが温度変化に伴う出力誤差
となる。
とにより、温度変化によって枠体が変形しても、センシ
ング部の変位が均一となり、可動電極と固定電極との間
の距離変化を低減できる。
化を低減することができ、温度変化による出力変動を抑
制することができる。
サに適用した一実施形態を図面に従って説明する。尚、
本実施形態の容量式加速度センサは、例えば、車輌用の
エアバックシステムやABSシステムなどに用いられ
る。
半導体基板に周知のマイクロマシン加工を施すことによ
り形成される。
度センサ1の平面構造を示す。また、図1(b)には、
図1(a)におけるA−A’の概略断面構造を示す。
1(b)に示されるように、貫通孔2aを備え、単結晶
シリコンにより矩形枠状に形成された第1の半導体層3
aと、単結晶シリコンにより形成され加速度を検出する
ための第2の半導体層3b(SOI層)と、第1の半導
体層3aと第2の半導体層3b(SOI層)との間に、
貫通孔2bを備えSiO2により形成された埋め込み酸
化膜4とを有するSOI基板5によって構成されてい
る。
3bを形成する単結晶シリコンとほぼ熱膨張係数が同等
の熱酸化膜により形成されている。
の表面から埋め込み酸化膜4に達する溝が複数形成され
ることで、所定の形状がパターニングされており、図1
(a)に示されるように、可動部8と第1の固定電極用
片持ち構造体9aと第2の固定電極用片持ち構造体9b
とが区画形成されている。
重り部10と一体に形成された櫛歯形状の可動電極11
a、11bと、重り部10の両端に設けられた梁部12
a、12b及びアンカー部13a、13bとから構成さ
れている。
み酸化膜4を介して、支持基板40となる第1の半導体
層3aに固定されている。
13a、13bに接続され、さらに、支持されることに
なり、重り部10と可動電極11a、11bとは、この
梁部12a、12bにより支えられている。
0の両側面から重り部10と直交した方向へ一体的に突
出されており、これら可動電極11a、11bは、棒状
に形成され、断面形状が矩形になっている。
の矢印X方向の成分を含む加速度を受けたときに、重り
部10を図1(a)中の矢印X方向へ変位させるととも
に、加速度の消失に応じて、重り部10を元の状態に復
元させるというバネ機能を備えている。
て、梁部12a、12bの変位方向(矢印X方向)へ変
位可能となっている。
には、一体連結された状態から延びているワイヤボンデ
ィング用の電極パッド14dが形成されている。
介して、第1の半導体層3aの上部の第2の半導体層3
b上に形成されている。
dが形成される方向の反対側)のアンカー部13bに
は、一体連結された状態から延びているワイヤボンディ
ング用の電極パッド14aが形成されている。
介して、第1の半導体層3aの上部の第2の半導体層3
b上に形成されている。
ルミニウムより形成されている。
は、第1の固定電極支持部15aと第1の固定電極16
aとを備えており、第1の固定電極支持部15aは、埋
め込み酸化膜4を介して、第1の半導体層3aの上部の
第2の半導体層3bに支持され、第1の固定電極16a
は、櫛歯形状をなし、断面形状が矩形に形成されてい
る。
固定電極支持部15aに支持されており、この櫛歯状の
第1の固定電極16aは、櫛歯状の可動電極11aの一
方の側面と一定の検出空隙をおいて平行した状態で対向
配置されている。
印加されると、可動電極11aが変位し、この変位によ
る固定電極16aと可動電極11aとの間の相対位置の
変化を、両電極間の容量変化として検出している。
体9bは、第2の固定電極支持部15bと第2の固定電
極16bとを備えており、第2の固定電極支持部15b
は、埋め込み酸化膜4を介して、第1の半導体層3aの
上部の第2の半導体層3bに支持され、第2の固定電極
16bは、櫛歯形状をなし、断面形状が矩形に形成され
ている。
固定電極支持部15bに支持されており、この櫛歯状の
第2の固定電極16bは、櫛歯状の可動電極11bの一
方の側面(可動電極11aにおける検出空隙側と反対側
の面)と一定の検出空隙をおいて平行した状態で対向配
置されている。
印加されると、可動電極11bが変位し、この変位によ
る固定電極16bと可動電極11bとの間の相対位置の
変化を、両電極間の容量変化として検出している。
の固定電極支持部15aには、一体連結された状態から
延びているワイヤボンディング用の電極パッド14bが
形成されている。
介して、第1の半導体層3aの上部の第2の半導体層3
b上に形成されている。
bの固定電極支持部15bには、一体連結された状態か
ら延びているワイヤボンディング用の電極パッド14c
が形成されている。
介して、第1の半導体層3aの上部の第2の半導体層3
b上に形成されている。
ルミニウムより形成されている。
10、固定電極16a、16b及び可動電極11a、1
1bには、矩形状の貫通孔17が複数形成されており、
これら貫通孔17により所謂ラーメン構造形状が形成さ
れ、容量式加速度センサ1の軽量化及び軽量化が図られ
ている。
カー部13a、13bが固定される第1の半導体層3a
の支持基板40の幅A1とA2とが同じ値(A1=A
2)とされ、また、第1の固定電極支持部15aと第2
の固定電極支持部15bとが固定される第1の半導体層
3aの支持基板40の幅B1とB2とが同じ値(B1=
B2)となっている。
もよく、あるいは、A1=A2≠B1=B2となってい
てもよい。
1に動作について説明する。
サ1において、図1(a)中の矢印X方向の成分を含む
加速度が印加されると、重り部10が図1(a)中の矢
印X方向へ変位するようになり、その印加加速度に応じ
た変位量は、重り部10の質量と梁部12a、12bの
復元力、並びに電圧印加状態において、可動電極11
a、11bと固定電極16a、16bとの間に作用する
静電気力によって決定される。
極16aとの間に、第1のコンデンサCS1(第1の検
出容量)が形成され、可動電極11bと第2の固定電極
16bとの間に、第2の容量コンデンサCS1(第1の
検出容量)が形成される。
のように、重り部10に加速度が作用したときの可動電
極11a、11bの変位の応じて差動的にその容量が変
化するものである。
S2の容量変化を、電極パッド14a、14b、14
c、14dを通じて取り出すことにより、容量式加速度
センサ1に印加した加速度を検出することができる。
本実施形態の場合、加速度が印加されていない状態で互
いに等しくなるように設定されている。
された固定電極16a、16b及びその間に配置された
可動電極2a、2bに関して、左右対称となっており、
CS1=CS2となっている。
容量の変化を検出するための容量変化検出回路の回路構
成を示す。ただし、この図2(a)では、容量式加速度
センサ1を等価回路で表現している。
体層3aや第2の半導体層3bなどによって形成される
寄生容量は考慮しない。
bには、図2(b)に示されるような、矩形波よりなる
第1搬送波信号(周波数;例えば100kHz、電圧レ
ベルは例えば5V)が印加されるようになっている。
ド14cには、図2(b)に示されるような、第1搬送
波信号と位相が180°異なる、矩形波よりなる第2搬
送波信号(周波数;例えば100kHz、電圧レベルは
例えば5V)が印加されるようになっている。
2搬送波信号は、同一の発振回路からのクロック信号に
同期して形成されるものである。
加された状態では、可動電極11a、11bでの電極パ
ッド14a、14dの電位レベルは、コンデンサCS
1、CS2に応じたレベルになるものであり、その電位
レベルをスイッチドキャパシタ回路30により検出する
ようにしている。
ンプ31、帰還コンデンサ32及びスイッチ要素33を
図示のように組み合わせて接続されている。
極パッド14a、14dからの信号(可動電極11a、
11bの電位レベルを示す信号)が入力され、非反転入
力端子に2.5V(つまり、コンデンサCS1、CS2
の容量が等しい状態に、電極パッド14a、14dに現
れる電位レベルに相当)の電圧信号が与えられる構成と
なっている。
しない発振回路からのクロック信号に同期して生成され
るトリガ信号によりオン/オフされるものであり、図2
(b)に示されるように、第1搬送波信号の立ち下がり
タイミング(第2搬送波信号の立ち上がりタイミング)
で一定時間(第1搬送波信号の1/2周期より短い時
間)だけオンするように設定される。
回路は、以下のように動作する。
場合、図2(b)に示されるよなタイミングチャート中
のタイミングT1においては、第1の固定電極16aに
0ボルト、第2の固定電極16bに5ボルト、可動電極
11a、11bに2.5ボルトの電圧がそれぞれ印加さ
れることになる。
ため、スイッチドキャパシタ回路30からの出力電圧は
2.5ボルトになる。
したタイミングT2において、スイッチ要素33がオフ
されたときには、固定電極16a、16bに対する印加
電圧は変化しないので、出力電圧もそのままである。
CS1、CS2の差動的な変位量、つまり、重り部10
に作用する加速度の大きさに応じて変位することになる
から、その出力電圧を利用して加速度の大きさを検出す
ることができる。
加わった際の出力は、可動電極11a、11bと固定電
極16a、16bの間隔が変化し、その間隔の変化容量
(CS1−CS2)が生じることで発生する。
第1の半導体層3a及び埋め込み酸化膜からなる支持基
板40は、第1の半導体層3aの裏面(埋め込み酸化膜
4とは反対側の面)側において、シリコン系やエポキシ
系の接着剤7を介して、セラミックからなるパッケージ
6に接着固定されている。
において、支持基板40は金属系の材料として見なすこ
とができ、支持基板40をパッケージ6に接着固定する
接着剤7は樹脂系の材料であるため、支持基板40と接
着剤7との物性値が異なる。
張係数を合わそうとしても一致させることができず、支
持基板40と接着剤7との間に熱膨張係数差が生じるこ
ととなる。
度が変化した際に、支持基板40と接着剤7との熱膨張
係数の差により、支持基板40と接着剤7との変形量が
異なってしまう。
が室温から低温に変化した場合、接着剤7の熱膨張係数
は支持基板40よりも大きいので、支持基板40より接
着剤7が縮むこととなり、支持基板40はパッケージ6
側に凸となるように変形する。
膨張係数は、接着剤7の熱膨張係数に比べて、支持基板
40の熱膨張係数に近いため、本実施形態では、パッケ
ージ6と支持基板40との熱膨張係数差による支持基板
40への影響は無視できる。
の半導体層3bを形成するシリコン、接着剤7、パッケ
ージ6それぞれの熱膨張係数は、2.5ppm/℃、1
00〜300ppm/℃、7.7ppm/℃となってお
り、シリコンと接着剤7の熱膨張係数は大きく異なって
いる。
とは、第1の半導体層3a及び埋め込み酸化膜からなる
支持基板40に支持されているため、温度変化によって
支持基板40が変形すると、同様に可動部8及び固定電
極16a、16bも変形してしまう。
制変位を加えたモデル図を用いて簡単に説明する。
枠状の支持基板40の幅(可動部8のアンカー部13
a、13bが固定されている支持基板40の枠の幅)が
不均一であると、例えば、図3(b)のように図面中の
下側の支持基板40の幅が長いと、支持基板40に強制
変位を加えた場合、可動部は8から8’へと支持基板4
0の斜め上方に移動してしまう。
電極11a、11bと固定電極16a、16bとの間隔
が変化するため、それによって、センサの出力が変動し
てしまう。
コンデンサCS2との差動容量(CS1―CS2)が変
化することになる。
固定電極16a、16bとのそれぞれの対向面積も変化
するが、この変化量はほぼ同等と言え、影響は大きくな
い。
が不均一であったのを、本実施形態では、図3(c)に
示されるように、可動電極11a、11bを備える可動
部8の変位方向Xの支持基板40の幅を均一にしたこと
により、図3(d)に示されるように、支持基板40に
強制変位を加えた場合、可動部8は、全体として上側に
変位するものの、均一な変位により、可動部8の変位方
向Xへの変位が抑制される。
電極16a、16bとの間隔が変化しないため、温度変
化が生じ、枠体である支持基板40が変形したとして
も、差動容量(CS1―CS2)の変動を抑制できる。
1に示す梁部12a、12bが変形することにより、梁
部12a、12bに支えられている重り部10、可動電
極11a、11bの変形量は小さい。
40の幅を均一にすることにより、温度変化によって支
持基板40が変形しても、可動電極11aと固定電極1
6aとの距離変化と、可動電極11bと固定電極16b
との距離変化を抑制でき、可動部8及び固定電極16
a、16bの不均一な変位による容量変化を低減するこ
とができ、図4に示されるグラフのように、温度変化に
よる出力変動を抑制することができる。
位方向Xの支持基板40の幅を同じ値としたが、貫通孔
2aの形成時のばらつき、ダイシング時のばらつきなど
の工程ばらつきを加味すると、支持基板の幅A1とA2
との差は、30μmまでは許容すべき値である。
すると、支持基板の幅A1とA2との差は、短い方の1
5%以内とすることが望ましく、好ましくは10%以
内、さらに、出力変動を顕著に低減するためには、7%
以内が望ましい。
m、A2=340μmとなってもよい。
向Xと垂直方向の支持基板40の幅は均一としている。
板40の幅が不均一であると、温度変化によって支持基
板40が変形した際に、それぞれの固定電極16a、1
6bの変位量の差により、可動電極11a、11bと固
定電極16a、16bとの対向面積が変化し、この変化
の仕方が、検出容量CS1と検出容量CS2とで不均一
となることにより、出力が変動してしまう。
の支持基板40の幅は均一(B1=B2)にすることに
より、固定電極16a、16bの変位量が均一になり、
それぞれの可動電極16a、16bと固定電極16a、
16bとの対向面積の変化量は均一になるため、出力の
変動を抑制することができる。
も、上述のように、B1とB2との差が所定の範囲内で
あればよい。
支持基板40の中心線Cと一致している。
3bが、中心線C上に位置する。
持されているため、温度変化によって支持基板40が変
形すると、これに伴い可動部8も変形してしまう。
中心線Cと一致していることにより、温度変化によって
支持基板40が変形しても、可動部8の変位が均一とな
り、可動電極11a、11bの固定電極16a、16b
側への変位を低減できる。
伴う容量変化を低減することができ、温度変化による出
力変動を抑制することができる。
中心線Cに対して線対称の構造となっているので、支持
基板40の反りによる変形(より具体的には、可動電極
11a、11bと固定電極16a、16bとの対向面積
の変化)が、固定電極16a、16bに対して均一とな
る。
(CS1―CS2)により相殺できることになる。
れる支持基板40の枠の辺の方向における幅を小さくし
ているので、変形量も小さくすることができる。
5a、15bは支持基板40の中心CCに対して点対称
としている。
極支持部15a、15bは支持基板40に支持されてい
るため、温度変化によって支持基板40が変形すると、
これに伴い固定電極支持部15a、15bも変形してし
まう。
支持基板40の中心点CCに対して点対称であることに
より、温度変化によって支持基板40が変形しても、固
定電極支持部15a、15bの変位が均一となり、固定
電極16a、16bの可動電極11a、11b側への変
位を低減できる。
変位に伴う容量変化を低減することができ、温度変化に
よる出力変動を抑制することができる。
5aと第2の固定電極支持部15bとの変形量が均一と
なり、この変形に伴う可動電極11aと固定電極16a
との対向面積、可動電極11bと固定電極16bとの対
向面積それぞれの変化が同等となり、差動出力(CS1
―CS2)により、この影響は相殺されることとなる。
面形状を正方形としている。
a、16bは支持基板40に支持されているため、温度
変化によって支持基板40が変形すると、これに伴い可
動部8及び固定電極16a、16bも変形してしまう。
であると、温度変化による可動部8及び固定電極16
a、16bの変位が不均一になってしまい、それによっ
て、可動電極11a、11bと固定電極16a、16b
との間の距離が変化してしまう。
にすることにより、温度変化によって支持基板40が変
形しても、可動部8及び固定電極16a、16bの変位
が均一となり、可動電極11a、11bと固定電極16
a、16bとの間の距離変化を低減できる。
6bの変位に伴う容量変化を低減することができ、温度
変化による出力変動を抑制することができる。
形した際に、可動電極11a、11bと固定電極16
a、16bとの変位量の差により、可動電極11a、1
1bと固定電極16a、16bとの対向面積は変化する
が、上記のような構造にすることにより、それぞれの可
動電極11a、11bと固定電極16a、16bとの対
向面積の変化量は均一になるため、出力が変動すること
はない。
は、 (a)可動部8の変位方向Xにおける支持基板40の幅
を均一にする。
方向での支持基板40の幅を均一にする。
a、13bによって固定される軸)を支持基板40の中
心線Cに一致させる。
持基板40の中心点に対して点対称にする。
する。という5つの特徴を備える。
〜(e)は主に可動電極11a、11bと固定電極16
a、16bとの対向面積の変化を検出容量CS1、CS
2側でそれぞれ等しくしようとするものである。
a、16bとの対向面積の変化は、差動出力(CS1−
CS2)により低減されることになるので、影響はそれ
ほど大きくないと言える。
11bと固定電極16a、16bとの間の距離変化を抑
制しようとするものであり、非常に重要と言える。
は、差動出力を取るという原理上、変位の影響を差動に
より低減できるが、可動電極11a、11bの変位は、
そのまま出力差動となるのである。
(a)を備えていることが望ましく、好ましくは他の特
徴も備えるとよい。
式加速度センサ1の製造工程を、図5(a)から図5
(f)を用いて説明する。
I基板5を用意する。
半導体層3aの上部に、絶縁層として埋め込み酸化膜4
を介して、第2の半導体層3bを設けた構造となってい
る。
極パッド形成工程を実行する。
体層3b上の全面に、アルミニウムを薄膜となるように
蒸着した後に、そのアルミニウム薄膜を、フォトリソグ
ラフィ技術及びエッチング技術を利用してパターニング
することにより、電極パッド14(14a、14b、1
4c、14d)を形成する。
ッド14のオーミックコンタクトを得るための周知の熱
処理(シンタ)を必要に応じて行う。
aの表面(埋め込み酸化膜4が形成される面と反対側の
面)側に、切削・研磨加工を施すことによって、第1の
半導体層3aの厚さ寸法を調整する。
法を調整するのは、異方性エッチングにより貫通孔2a
を形成する際に、そのエッチング深さを低減し、そして
異方性エッチングに起因するチップ設計寸法の拡大を防
止するためである。
スク形成工程を実行する。
3aの表面(埋め込み酸化膜4が形成される面と反対側
の面)の全面に、プラズマCVD法などによって、シリ
コン窒化膜を堆積した後に、そのシリコン窒化膜を、フ
ォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用してパ
ターニングすることにより、貫通孔2aをエッチングに
よって形成する際のマスク18を形成する。
も、シリコン酸化膜やレジストなどを用いてもよい。
可動部8の下部が空洞となる領域(2a)が開口したマ
スク18を配置する。
レンチ形成工程を実行する。
層3b及び電極パッド14の上部に、ドライエッチング
に対する耐性があるレジスト19を、所定のパターン
(可動部8及び固定電極用片持ち構造体9a、9bに対
応した形状)で形成した状態で、レジスト19をマスク
として、ドライエッチング装置により異方性ドライエッ
チングを実行することにより、第2の半導体層3bに対
し、埋め込み酸化膜4に達するトレンチ20を形成す
る。また、このトレンチ20には、図1に示す貫通孔1
7を含む。
リコン酸化膜やシリコン窒化膜などを用いてもよい。
に、第1エッチング工程を実行する。
を使用し、KOH水溶液などの異方性エッチング水溶液
を利用して、第1の半導体層3aの表面(埋め込み酸化
膜4が形成される面と反対側の面)側から異方性エッチ
ングを実行する。
半導体層3aを除去していき、このようなエッチングを
埋め込み酸化膜4まで進行させると、エッチング液の圧
力により埋め込み酸化膜4が破れてしまい、第1の半導
体層3aが破壊される可能性が非常に高くなるため、エ
ッチングが埋め込み酸化膜4まで進行しないように、埋
め込み酸化膜4が露出した時点で、異方性エッチングを
終了するようにエッチング時間を管理する。
第1の半導体層3aに貫通孔2aが形成される。
第1の半導体層3aの厚さ寸法並びにエッチング液のエ
ッチングレートに基づいた計算により行うものである。
程終了後に除去するようにしている。
2エッチング工程を実行する。
ング工程で使用したエッチング装置のエッチングレート
を変更した状態で、埋め込み酸化膜4の裏面(第1の半
導体層3a側の面)からドライエッチングを施すことに
より、埋め込み酸化膜4を除去する。
じて、貫通孔2bが形成されるとともに、可動部8の重
り部10、可動電極11a、11b、梁部12a、12
bが可動状態になるとともに、固定電極用片持ち構造体
9a、9bの固定電極16a、16bが、固定電極支持
部15a、15bに片持ち支持された状態となる。
行により、可動部10及び固定電極用片持ち構造体9
a、9bが区画形成される。
実行後に、SOI基板5をシリコン系やエポキシ系の接
着剤7によって、セラミックよりなるパッケージ6の上
部に固着する。
プ形状に切断するというダイシング工程を行うことによ
り、容量式加速度センサ1の製造が完了する。
のではなく、様々な態様に適用可能である。
量式の加速度センサに限らず、ヨーレートセンサなどの
ような他の力学量センサにも応用できる。
面構造を示す図であり、(b)は図1(a)におけるA
−A’の概略断面構造を示す図である。
を示す図であり、(b)は各種の波形を示す図である。
センサに強制変位を加えたときのモデル図であり、
(c)、(d)には、本実施形態の容量式加速度センサ
に強制変位を加えたときのモデル図である。
出力変動を示すグラフである。このグラフでは、従来構
造と本発明を用いた構造とを比較している。
度センサの製造工程を示す図である。
平面構造を示し、(b)には、図6(a)におけるB−
B’の概略断面構造を示す図である。
動電極、 12a、12b…梁部、 13a、13b…アンカー部、 14a、14b、14c、14d…電極パッド、 15a…第1の固定電極支持部、 15b…第2の固定電極支持部、 16a、16b…固定電極、 17…貫通孔、 18…マスク、 19…レジスト、 20…トレンチ、 30…スイッチドキャパシタ回路、 31…オペアンプ、 32…帰還コンデンサ、 33…スイッチ要素、 40…支持基板、 C…支持基板の中心線、 CC…支持基板の中心点、 X…可動部の変位方向、 A1、A2…可動部の変位方向の支持基板の幅、 B1、B2…可動部の変位方向の垂直方向の支持基板の
幅、 CS1…第1のコンデンサ(第1の検出容量)、 CS2…第2のコンデンサ(第2の検出容量)、 T1、T2…タイミング、
Claims (6)
- 【請求項1】 半導体層に形成され力学量の印加に応じ
て変位する梁部と前記梁部に支持される可動電極とを備
える可動部と、前記可動電極の検出面と対向する検出面
を有した固定電極とを備え、力学量の印加に応じて前記
可動部が変位したときの前記可動電極の検出面と前記固
定電極の検出面との間の距離変化に応じて印加力学量を
検出する容量式力学量センサにおいて、 前記可動部及び前記固定電極からなるセンシング部を支
持する枠体を設け、前記可動部の変位方向における前記
枠体の幅は均一となっていることを特徴とする容量式力
学量センサ。 - 【請求項2】 前記枠体は、その下側が前記枠体と熱膨
張係数の異なる接着部材により基部に接合されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の容量式力学量センサ。 - 【請求項3】 前記可動部は前記枠体の中心線上にて前
記枠体に支持され、かつ、前記中心線に対して線対称と
なっていることを特徴とする請求項1または2に記載の
容量式力学量センサ。 - 【請求項4】 前記固定電極は、前記可動部の変位方向
と垂直方向に位置する前記枠体に支持され前記可動電極
を挟むように配置される第1の固定電極部と第2の固定
電極部とを有し、前記可動電極とともにそれぞれ第1の
検出容量、第2の検出容量を構成し、これら第1の検出
容量、第2の検出容量は前記可動電極の変位により互い
に異なる方向へ変化するものであり、前記第1の検出容
量、第2の検出容量の差動が当該センサの出力となるよ
う構成されているものであって、前記第1の固定電極
部、第2の固定電極部それぞれを支持する前記枠体の幅
は均一とすることを特徴とする請求項1乃至3に何れか
に記載の容量式加速度センサ。 - 【請求項5】 前記固定電極は、前記枠体に支持される
固定部と該固定部から前記可動電極側へ延びる櫛歯状電
極部とを備え、前記第1の固定電極部、第2の固定電極
部それぞれの前記固定部は、前記枠体の中心に対して点
対称であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1
つに記載の容量式力学量センサ。 - 【請求項6】 前記枠体の平面形状は正方形であること
を特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載の容量
式力学量センサ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001027439A JP2002228679A (ja) | 2001-02-02 | 2001-02-02 | 容量式力学量センサ |
US09/925,021 US6973829B2 (en) | 2000-08-29 | 2001-08-09 | Semiconductor dynamic quantity sensor with movable electrode and fixed electrode supported by support substrate |
DE10141867A DE10141867B4 (de) | 2000-08-29 | 2001-08-27 | Halbleitersensor für dynamische Grössen mit beweglichen Elektroden und Festelektroden auf einem Unterstützungssubstrat |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001027439A JP2002228679A (ja) | 2001-02-02 | 2001-02-02 | 容量式力学量センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002228679A true JP2002228679A (ja) | 2002-08-14 |
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ID=18892094
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002228679A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013019906A (ja) * | 2012-08-23 | 2013-01-31 | Denso Corp | 容量式物理量センサ |
JP2015206652A (ja) * | 2014-04-18 | 2015-11-19 | セイコーエプソン株式会社 | 機能素子、電子機器、および移動体 |
-
2001
- 2001-02-02 JP JP2001027439A patent/JP2002228679A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013019906A (ja) * | 2012-08-23 | 2013-01-31 | Denso Corp | 容量式物理量センサ |
JP2015206652A (ja) * | 2014-04-18 | 2015-11-19 | セイコーエプソン株式会社 | 機能素子、電子機器、および移動体 |
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